JPH10288353A - 空気調和装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝縮水の排水性を向上し、ドレンパンの容量
を増大し、ドレンホース接続部の個数を削減し、構造の
簡易化及び製造コストの低減を図ることができる「空気
調和装置」を提供する。 【解決手段】 室内機のドレンパン２０の底面２０ａを
熱交換器３の下側で横方向略中央に凝縮水が流れて集ま
るように傾斜して形成すると共に、当該ドレンパン２０
の凝縮水が集まる箇所に、１個のドレンホース接続部２
１を配置して、ファンスクロール部４を横断するように
延出している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭用等にお
ける空気調和装置の室内機に関し、詳しくは、凝縮水の
排水性を向上し、ドレンパンの容量を増大し、ドレンホ
ース接続部の個数を削減し、構造の簡易化及び製造コス
トの低減を図ることができる空気調和装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭用等における空気調和装置の室
内機は、図３及び図４に示すように、ケーシング１に空
気取入口２と吹出口７が形成され、内部に熱交換器３と
ファンスクロール部４が設けられている。

【０００３】この熱交換器３は、冷房時にはエバポレー
タとして、また暖房時にはヒータとして機能するもので
あり、前記ケーシング１内に若干傾斜して配置されてい
る。

【０００４】また、この熱交換器３の背面には、冷却又
は加熱された空気を流すためのファンスクロール部４が
設けられている。このファンスクロール部４は、空気を
取入れて冷却又は加熱された空気を送風するためのファ
ン５を囲むように内側壁６が設けられ、この内側壁６の
下端には、冷却又は加熱された空気を室内に吹き出すた
めの吹出口７が形成されている。

【０００５】この室内機は、熱交換器３がエバポレータ
として機能する場合には、熱交換器３から凝縮水が滴下
するが、これは、熱交換器３の底面全域を囲むように設
けられたドレンパン８が受けるようになっている。

【０００６】従来のドレンパン８は、左右両側に左右一
対のドレンホース接続部９，９が設けられ、両ドレンホ
ース接続部９，９のいずれか一方にドレンホース１０が
連結されている。このように２つ形成されたドレンホー
ス接続部９，９の一方にドレンホース１０を連結するの
は、室内機を室内に設置するとき、建物の壁や柱等とド
レンホース１０との干渉を避けるためである。

【０００７】したがって、使用しないドレンホース接続
部９には、盲栓が取り付けられ、一方のみに接続したド
レンホース１０より凝縮水を室外に排出する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３及
び図４に示すような従来の空気調和装置の室内機にあっ
ては、製造段階においては、一対のドレンホース接続部
９，９のうち何れを使用するか不明であるため、予め傾
斜させることはできず、図３に示すように、ドレンパン
８の底面は、熱交換器３の横方向略全域にわたり略水平
に形成されている。その結果、凝縮水の排水性が良好に
行なわれない虞れがあるのみでなく、ドレンパン８の容
量も制限される可能性もある。

【０００９】さらに、ドレンホース接続部９，９が２個
設けると、型費等が高くつき、製品がコストアップする
虞れもある。

【００１０】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、凝縮水の排水性を向上し、ド
レンパンの容量を増大し、ドレンホース接続部の個数を
削減し、構造の簡易化及び製造コストの低減を図ること
ができる空気調和装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る空気調和装置は、空気取入口と吹出口
が形成されたケーシング内に熱交換器とファンスクロー
ル部を設け、当該ファンスクロール部のファンを駆動す
ることにより前記空気取入口から取り入れた空気を前記
熱交換器により冷却又は加熱して吹出口より室内に吹き
出し、また前記熱交換器からドレンパンに滴下した凝縮
水を、当該ドレンパンからドレンホース接続部及びドレ
ンホースを介してケーシングの外部に排出するようにし
た室内機を備えた空気調和装置において、前記ドレンパ
ンの底面を前記凝縮水が流れて１点に集まるように形成
し、また前記ドレンホース接続部を、前記１点に開設さ
れた排出口と、当該排出口より伸びかつ先端に前記ドレ
ンホースが接続されるドレンホース接続管とから構成し
てなり、当該ドレンホース接続管を、前記ファンスクロ
ール部を横断し前記ケーシングの外部まで伸延するよう
に構成したことを特徴とする。

【００１２】このようにすれば、ドレンパンの底面を傾
斜させて、熱交換器の下側略中央に凝縮水を集めるよう
にし、そこからドレンホース接続部を介して凝縮水を排
出しているため、凝縮水の排水性を向上できると共に、
ドレンパンの容量を増大できる。また、従来熱交換器の
左右両側に設けていた一対のドレンホース接続部を廃止
し、ドレンホース接続部を中央に１個にしているため、
ドレンホース接続部の個数を削減し、構造の簡易化及び
製造コストの低減を図ることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本発明の実施の形態に係る
空気調和装置の室内機の断面図、図２は図１の２−２線
に沿う断面図である。なお、図３及び図４に示す部材と
共通する部材については同じ符号を使用する。

【００１４】図１及び図２において、ケーシング１の空
気取入口２の内側には、エバポレータ又はコンデンサと
して機能する熱交換器３が若干斜めに配置され、この熱
交換器３の背面には、冷却又は加熱された空気を流すた
めのファンスクロール部４が形成されている。

【００１５】このファンスクロール部４は、断面円弧状
の内側壁６内に、冷却又は加熱された空気を送風するフ
ァン５が配置されたものであり、この内側壁６の下端に
は、冷却又は加熱された空気を室内に吹き出すための吹
出口７が形成されている。

【００１６】前記熱交換器３の下側には、熱交換器３か
ら滴下した凝縮水を受けるためのドレンパン２０が配置
されているが、このドレンパン２０は、図１に示すよう
に、底面２０ａが、両側から中央に向かって若干湾曲し
て下り傾斜され、凝縮水を１点に集めやすいように形成
されている。

【００１７】この凝縮水を集める点である底面２０ａの
略中央には、ドレンホース接続部２１が１つ設けられて
いる。このドレンホース接続部２１は、ドレンパン２０
の底面２０ａの略中央に開設された排出口２１ａと、こ
の排出口２１ａから前記ファンスクロール部４を横断
し、ケーシング１の背面まで伸延されたドレンホース接
続管２１ｂとからなり、このドレンホース接続管２１ｂ
の先端には、ドレンホース１０が取り付けられている。

【００１８】なお、ドレンホース接続管２１ｂがファン
スクロール部４を横断すると、室内に送風する空気の通
気抵抗となる虞れがあるが、この通気抵抗の増大を極力
防止するため、断面形状を扁平なものとすることが好ま
しい。

【００１９】このように、本実施の形態では、ドレンパ
ン２０の底面２０ａを傾斜させて、熱交換器３の下側略
中央に凝縮水を集めるようにし、そこからドレンホース
接続管２１ｂ及びドレンホース１０を介して凝縮水を排
出するように構成しているため、凝縮水は大量に速やか
に流れることになり、凝縮水の排水性を向上でき、しか
もドレンパン２０の容量も増大できる。

【００２０】また、ドレンホース接続部２１もドレンパ
ン２０の中央に１個形成すれば良いため、室内機の構成
が簡素化でき、部品点数の低減や型費の低減等により製
造コストの低減を図ることができる。

【００２１】さらに、ファンスクロール部４の内側壁
６、ドレンパン２０及びドレンホース接続管２１ｂを合
成樹脂などにより一体成形することも可能となるので、
ファンスクロール部４等の剛性が増大でき、しかも、ド
レンホース接続管２１ｂがケーシング１の背面にまで伸
延されているため、ドレンホース１０の接続も容易とな
る。

【００２２】なお、本発明は上述した実施例のみに限定
されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲
内において種々改変することができる。例えば、前記排
出口２１ａは、ドレンパン２０の底面中央に開設したも
のであるが、ドレン水が集中し得る点であれば必ずしも
中央でなくても良い。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ドレンパンの底面を傾斜させて、熱交換器の下側略中央
に凝縮水を集めるようにしているため、凝縮水の排水性
を向上できると共に、ドレンパンの容量を増大できる。
また、従来熱交換器の左右両側に設けていた一対のドレ
ンホース接続部を廃止し、ドレンホース接続部を中央に
１個にしているため、ドレンホース接続部の個数を削減
し、構造の簡易化及び製造コストの低減を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態の断面図である。

【図２】 図１の２−２線に沿う断面図である。

【図３】 従来に係る空気調和装置の室内機の断面図で
ある。

【図４】 図３の４−４線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１…ケーシング、 ２…空気取入口、 ３…熱交換器、 ４…ファンスクロール部、 ５…ファン、 ７…吹出口、 １０…ドレンホース、 ２０…ドレンパン、 ２０ａ…ドレンパンの底面， ２１…ドレンホース接続部、 ２１ａ…排出口、 ２１ｂ…ドレンホース接続管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気取入口(2) と吹出口(7）が形成され
   たケーシング(1）内に熱交換器(3) とファンスクロール
   部(4) を設け、当該ファンスクロール部(4)のファン
   (5）を駆動することにより前記空気取入口(2) から取り
   入れた空気を前記熱交換器(3) により冷却又は加熱して
   吹出口(7）より室内に吹き出し、また前記熱交換器(3)
   からドレンパン(20)に滴下した凝縮水を、当該ドレンパ
   ン(20)からドレンホース接続部(21)及びドレンホース(1
   0)を介してケーシング(1）の外部に排出するようにした
   室内機を備えた空気調和装置において、 前記ドレンパン(20)の底面(20a）を前記凝縮水が流れて
   １点に集まるように形成し、また前記ドレンホース接続
   部(21)を、前記１点に開設された排出口(21a）と、当該
   排出口(21a）より伸びかつ先端に前記ドレンホース(10)
   が接続されるドレンホース接続管(21b) とから構成して
   なり、当該ドレンホース接続管(21b) を、前記ファンス
   クロール部(4) を横断し前記ケーシング(1）の外部まで
   伸延するようにしたことを特徴とする空気調和装置。