JPH0419365Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、空気調和機に係り、特に熱交換器か
ら滴下するドレン水を受けるドレンパンの改良に
関する。

（従来の技術） 第１図は、通常用いられる空気調和機の概略的
な構成図を示す。すなわち、図中１は前面パネ
ル、２はケーシングであり、これらで空気調和機
本体３を構成する。４は空気調和機本体３を図示
しない取付壁に取付けるための後板である。上記
前面パネル１にはエアーフイルタ５，５を着脱自
在に取着するようになつている。また空気調和機
本体３内には図示しない冷媒管を介して他の冷凍
サイクル構成機器と連通する熱交換器６が配設さ
れるとともに、この下方部位に近接してドレンパ
ン７が設けられる。こられ熱交換器６とドレンパ
ン７の側方部位には、フアン８とフアンモータ９
とからなる横流フアン１０が取付けられる。上記
フアン７は軸方向に長く、かつ熱交換器６の長手
方向に沿つて対向する。

このようにして構成される空気調和機では、冷
凍サイクル運転とともに横流フアン１０が駆動さ
れ、被熱交換室の熱交換空気が熱交換器６を導通
して冷媒と熱交換作用をなし、冷房もしくは暖房
の所定の空気調和を得る。特に冷房運転の際に
は、熱交換空気に含まれる水分が凝縮されてドレ
ン水となり、ドレンパン７に滴下して一旦集溜す
る。このドレン水は、ドレンパン７の端部に設け
られるドレンホース７ａを介して外部に排出され
る。

上記熱交換器６とドレンパン７および横流フア
ン１０の構造および相対位置関係をさらに詳細に
述べると、これは第６図に示すようになつてい
る。すなわち、上記熱交換器６は多数枚のフイン
と蛇行パイプとからなる、いわゆるフインドチユ
ーブタイプのものであり、この下端部の特に横流
フアン１０側は切欠加工される。ドレンパン７
は、普通、合成樹脂材からなる成形品であり、横
流フアン１０側の側壁７ｂには長手方向に沿つて
連続する凹凸状のスタビライザ部１１が一体に設
けられる。これは上記横流フアン１０とともに吹
出す風の整流作用をなす。

しかるに、上記横流フアン１０を駆動して熱交
換器６に熱交換空気を導通させたとき、熱交換器
６においては横流フアン１０により近接した部位
により多くの風が導かれること自明である。上記
構成では、横流フアン１０の近傍に熱交換器６の
最下端部およびドレンパン７がある。しかも、熱
交換器６の最下端部とドレンパン７との間にはあ
る程度の間隙がある。このことから、図に矢印で
示すように、多くの熱交換空気が上記間隙を介し
て横流フアン１０に吸込まれる。これら熱交換空
気は熱交換器６に接触しないところから、熱交換
器６の熱交換効率が悪くなるとともにドレンパン
７の側壁に衝突して凝縮して露となり、下面に沿
つて流れる。この量が多くなれば、当然、滴下し
て空気調和機本体から漏れる恐れがある。

そこで上記間隙を作らないようにするため、第
７図に示すような構成のドレンパン７Ａが用いら
れるようになつた。この基本的な構成は従来と同
様であるが、ドレン水を受ける内部にはリブ１２
が一体に突設され、熱交換器６の最下端面に当接
する。

しかして、熱交換器６とドレンパン７Ａとの間
隙はなくなり、熱交換空気は導通しない。全ての
熱交換空気が熱交換器６を導通して、この熱交換
効率が向上するとともにドレンパン７Ａの下面に
露が生成しないですむ。

その反面、上記リブ１２およびスタビライザ部
１１側の側壁が通風抵抗になつて、風量が低減し
風速感が低下するとともに熱交換器６の最下端部
の横流フアン１０に近いパイプが第２のスタビラ
イザ効果を持ち易くなり、上記スタビライザ部１
１とともに異常騒音が発生するという不具合があ
る。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上述したような横流フアンを備え、
かつ熱交換器とドレンパンの相対位置関係による
各種の不具合を除去し、ドレンパンにおける露の
発生を防止し、熱交換風量を確保するとともに異
常騒音の低減化を図れる空気調和機を提供するこ
とを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） すなわち本考案は、熱交換器の下方部位にドレ
ンパンおよびこの側方部位に横流フアンを備えた
ものにおいて、前記ドレンパンの内部にリブを設
けてこの先端が熱交換器の下端面に近接するよう
突出させ、ドレンパンの横流フアン側側壁の高さ
を前記リブよりも低く形成したことを特徴とする
空気調和機である。

（作用） このようにして構成することにより、熱交換器
とドレンパンとの間隙がなくなつて熱交換空気の
導通を阻止できる。しかも、ドレンパンの側壁の
高さを限定したので熱交換器の下端部を導通する
風量を確保し、特にこの下端部のパイプは第２の
スタビライザ効果を発揮させないですむ。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第２図にもとづいて
説明するに、後述するドレンパン２０を除き、他
の構成部品は全て先に第１図で説明したものと同
一であるので、同図を適用して新たな説明を省略
する。上記ドレンパン２０の内部にはリブ２１が
一体に突設されていて、長手方向である熱交換器
６に沿つて内部を２分している。リブ２１の突出
高さはここでは図示しない前面パネル側の側壁２
０ａ高さと略同一であり、かつ先端が熱交換器６
の切欠した最下端面に当接する。また、ドレンパ
ン２０の横流フアン１０側の側壁２０ｂの高さを
上記リブ２１の高さより低くして、その差ｈを形
成する。この側壁２０ｂにもスタビライザ部２２
が設けられていて、その作用をなすのに支障がな
い。なお、側壁２０ｂの高さを低くしたことによ
り、このままではリブ２１と側壁２０ｂとの間に
ドレン水集溜容量が少なくなるので、底面を下げ
て集溜容量を確保する。

しかして、冷凍サイクル運転とともに横流フア
ン１０を駆動することにより、熱交換空気が図中
矢印に示すように熱交換器６を導通し、互いに熱
交換する。特に熱交換器６の最下端部において
は、これに当接するようリブ２１が高く突出して
いるので、熱交換空気の導通が阻止される。した
がつて、熱交換器６とドレンパン２０との間隙に
直接熱交換空気が導通しないから、露の発生がな
い。しかも、リブ２１よりも横流フアン１０側の
側壁２０ｂ高さを低くしたので、通風抵抗となら
ずにすみ、風量および風速が増大する。当然、熱
交換器６の熱交換効率がよくなる。スタビライザ
部２２は所定の作用をなし、最下部のパイプが共
振することがないから、異常騒音の発生もない。

第３図に示すように、上記実施例構造を採用し
た場合のフアン回転数に対する風量はＡ直線で現
わされ、従来構造のものはＢ直線で現わされる。
すなわち、従来のものよりも通風抵抗が減少した
ので、風量の増大を得る。

第４図Ａに示すように、従来構造のものは熱交
換器６のパイプが第２のスタビライザの作用をな
し、本来のスタビライザ部１１と瞬間的に異常騒
音が発生することがあつたが、同図Ｂに示すよう
にドレンパン２０のリブ２１と側壁２０ｂの高さ
を設定することにより異常騒音の発生がほとんど
ない。

第５図に示すように、上記実施例のごとくリブ
２１の上端部が熱交換器６の切欠面に接した状態
（熱交換器６の最下端面よりも約10mm上）の風量
および全体の騒音レベルと、リブの上端部を熱交
換器の最下端面に当接させた状態（側壁２０ｂと
の差ｈは確保）の同様特性を比較して示す。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、ドレンパ
ンの露付きを防止するとともに熱交換器の熱交換
率の向上を得る。さらに、横流フアンの風量およ
び風速の増大化を図り、スタビライザ効果を確保
して異常騒音の発生を抑制するなどの種々の効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は空気調和機の分解した斜視図、第２図
は本考案の一実施例を示す空気調和機の要部を拡
大した縦断面図、第３図および第４図Ａ，Ｂは本
考案構造と従来構造の特性を比較して示す図、第
５図は本考案の実施例と異なる実施例構造の特性
を比較して示す図、第６図および第７図は本考案
の互いに異なる従来例を示す空気調和機の要部を
拡大した縦断面図である。 ６……熱交換器、２０……ドレンパン、１０…
…横流フアン、２１……リブ、２０ｂ……（横流
フアン側の）側壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器の下方部位にドレン水を受けるドレン
   パンを配設するとともにこの側方部位に横流フア
   ンを備えた空気調和機において、前記ドレンパン
   の内部に先端が熱交換器の下端面に近接するよう
   突出させたリブを設けるとともにドレンパンの横
   流フアン側側壁の高さを前記リブよりも低く形成
   したことを特徴とする空気調和機。