JP3685752B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水熱交換器を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷媒熱交換器のほかに温水熱交換器を有し、更に気化式加湿器を有した室内ユニットを備える空気調和装置が知られている。
【0003】
この種の空気調和装置では、従来、冷媒熱交換器を複数の熱交換部に分割し、この熱交換部の一部と、上記温水熱交換器との間に上記気化式加湿器を挿入配置して構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、気化式加湿器の一面に温水熱交換器が位置し、他面に冷媒熱交換器の熱交換部が位置する構成であるため、温水熱交換器に温水を供給して暖房運転を行う場合、温水熱交換器で加熱される空気は、気化式加湿器の一面側からのみ導入され、この高温の空気を効率よく加湿することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、温水熱交換器に温水を供給して暖房運転を行う場合、温水熱交換器で加熱される空気を効率よく加湿することができる空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、冷媒熱交換器のほかに温水熱交換器を有し、更に気化式加湿器を有した室内ユニットを備える空気調和装置において、温水熱交換器を複数の熱交換部に分割し、この温水熱交換器の各熱交換部間に形成される隙間に前記気化式加湿器を挿入配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、冷媒熱交換器のほかに温水熱交換器を有し、更に気化式加湿器を有した室内ユニットを備える空気調和装置において、温水熱交換器を複数の熱交換部に分割し、この温水熱交換器の熱交換部の一部を、前記室内ユニットの後面側に配置し、前記温水熱交換器の熱交換部の残りを、室内ユニットの前面側に配置し、前面側と後面側の各熱交換部間に形成される隙間に前記気化式加湿器を挿入配置したことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のものにおいて、前記温水熱交換器の各熱交換部が略ハの字状に配列され、これら各熱交換部間に形成される隙間に前記気化式加湿器を挿入配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項記載のものにおいて、前記冷媒熱交換器と前記温水熱交換器の熱交換部とが一体に形成され、当該熱交換部がほぼ配管蛇行一回分の長さで構成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る空気調和装置の一実施の形態を示す回路図である。
【0012】
この図1に示すように、空気調和装置10は室外ユニット11、室内ユニット12及び給湯ユニット13を有してなり、室外ユニット11の室外冷媒配管14と室内ユニット12の室内冷媒配管15とが、連結配管16及び17を介して連結されている。
【0013】
上記室外ユニット11は室外に配置され、室外冷媒配管14に圧縮機18が配設され、この室外冷媒配管14における圧縮機18の吸込側にアキュムレータ19及びマフラ20が、圧縮機18の側から順次配設され、また、室外冷媒配管14における圧縮機18の吐出側に室外熱交換器21及び電動膨張弁22が、圧縮機18の側から順次配設されて構成される。
【0014】
室外熱交換器21には、この室外熱交換器21へ向かって送風する室外ファン(不図示)が隣接して配置されている。
【0015】
上記室内ユニット12は室内に設置され、室内冷媒配管15に室内冷媒熱交換器23が配設されるとともに、室内温水熱交換器24を有して構成される。これらの室内冷媒熱交換器23及び室内温水熱交換器24により室内熱交換器25が構成される。また、室内ユニット12内では、室内熱交換器25近傍に、この室内熱交換器25へ室内空気を送風する、送風機(クロスフローファン)26が配置されている(図2参照)。
【0016】
前記給湯ユニット13は熱源機27を有し、この熱源機27は、熱源機給水配管28から供給された給水を加熱して温水を作る。この温水は、図示しない蛇口から外部へ放出可能とされるとともに、室内ユニット12の室内温水熱交換器24と熱源機27との間で循環可能とされる。
【0017】
つまり、熱源機27と室内温水熱交換器24は、熱源機27から室内温水熱交換器24へ温水を送る温水往き配管29と、室内温水熱交換器24から熱源機27へ温水を戻す温水戻り配管30とによって接続される。
【0018】
そして、温水往き配管29に、この温水往き配管29内を流れる温水の流量を調整する流量可変弁31が配設されている。熱源機27から室内温水熱交換器24へ温水が供給されることによって、この室内温水熱交換器24を通過する室内空気が熱交換により加熱される。
【0019】
図示しない制御装置は、同じく図示しないリモートコントローラ等により冷房運転が選択して指令された場合には、流量可変弁31を閉弁操作させるとともに、室外ユニット11の圧縮機18、室外ファン及びクロスフローファン26を起動させる。これにより、室内ユニット12の室内冷媒熱交換器23が蒸発器として機能し、この室内冷媒熱交換器23により、室内ユニット12内へ導かれた室内空気が冷却されて室内を冷房する。
【0020】
また、リモートコントローラ等により暖房運転が選択して指令された場合には、室外ユニット11の圧縮機18、室外ファン及びクロスフローファン26を停止させるとともに、流量可変弁31を開弁操作させて、熱源機27からの温水を室内温水熱交換器24との間で循環させる。この室内温水熱交換器24により、クロスフローファン26によって室内ユニット12内に導かれた室内空気が加熱されて室内を暖房する。
【0021】
ここで、制御装置は、上述の冷房運転または暖房運転において、室内ユニット12に設置された室温センサ32により検出された室内温度が、リモートコントローラ等により設定された設定温度とほぼ一致するように、上記冷房運転または暖房運転を制御する。
【0022】
室内ユニット12は、図2に示すように、部屋の壁等に取り付けられる。この室内ユニット12は、主に背面側をリアケーシング35が覆い、主に前面側をフロントケーシング36が覆う。これらのリアケーシング35とフロントケーシング36とがケーシングを構成し、このケーシングに囲まれた空間内に室内冷媒熱交換器23、室内温水熱交換器24及びクロスフローファン26が収納される。フロントケーシング36には空気吸込口37A、37B及び37Cが形成されるとともに、このフロントケーシング36は、リアケーシング35に対し着脱または開閉可能に構成される。また、リアケーシング35とフロントケーシング36との間に空気吹出口38が形成される。
【0023】
室内冷媒熱交換器23は、3つの熱交換部23A,23B,23Cに分割されている。ケーシングの内部に形成された前面側空間Aには、第一熱交換部23Aが配置され、上面側空間Bには、図中でハの字形に第二、第三熱交換部23B,23Cが配置されている。
【0024】
本実施形態では、室内温水熱交換器24が、2つの熱交換部24A,24Bに分割されている。そして、一方の熱交換部24Aは、室内ユニット12の後面側に配置された第三熱交換部23Cの内面側に重ねて配置され、他方の熱交換部24Bは、室内ユニット12の前面側に配置され、これら熱交換部24A,24Bは、略ハの字状に配列されている。これら熱交換器23,24の内側にクロスフローファン26が配置されている。
【0025】
第二熱交換部23B(室内冷媒熱交換器)と、他方の熱交換部24B(室内温水熱交換器)とは一体に形成されている。49はフィンカットライン(図3)であり、このフィンカットライン49を境に各熱交換部23B,24Bは熱的に遮断されている。他方の熱交換部24Bはそれほど長くする必要がなく、図示のように、例えばほぼ配管蛇行一回分の長さで構成される。
【0026】
第一熱交換部23A、第二熱交換部23B及び他方の熱交換部24Bのドレンは前面ドレン受け41で受けられ、第三熱交換部23C及び一方の熱交換部24Aのドレンは背面ドレン受け43で受けられる。
【0027】
この背面ドレン受け43は下がり勾配を有した排水路(図示せず)を介して前面ドレン受け41に連通している。
【0028】
また、図2中でハの字形に配置された一方の熱交換部24Aと、他方の熱交換部24Bとの間には隙間が形成され、この隙間には、上記クロスフローファン26で吸引される空気の流れ方向に沿って、気化式加湿器45が挿入配置されている。この気化式加湿器45は、図3に示すように、第二熱交換部23Bの幅一杯に延在するケース46と、このケース46内に着脱自在に挿入される加湿エレメント47とを備えて構成される。
【0029】
このケース46は、熱交換部24B,24Aの上縁に係止されるフランジ51,52を備え、このフランジ51,52は例えば軟質樹脂で構成され、このフランジ51,52により熱交換部24B,24Aの隙間が密閉シールされる。よって、熱交換部24B,24Aの隙間からの空気漏れはない。
【0030】
上記ケース46には、図2に示すように、ドーム状頭部46Aが形成され、このドーム状頭部46A内に散水管46Bが配設されている。
【0031】
この散水管46Bは、図3に示すように、配管53を介して、熱源機27へ供給される給水の一部を導く加湿給水配管40(図1)が接続され、この加湿給水配管40には熱動弁44が接続されている。
【0032】
この加湿給水配管40は、熱源機27から温水熱交換器24へ温水を送る温水往き配管29と、温水熱交換器24から熱源機27へ温水を戻す温水戻し配管30との少なくとも一方に接触して配設されることが望ましい。
【0033】
散水管46Bからの温水は、ドーム状頭部46Aのドーム形状内壁に衝突した後、このドーム形状に沿って流出し、傾斜して配置された加湿エレメント47に滴下される。これにより、加湿エレメント47への確実な滴下が確保される。ここに滴下された温水は、暖房運転時の暖気を加湿し、残留水(ドレン)は、残留水受け部46Cに受けられる。この残留水受け部46Cに集められた残留水は、残留水水路46Dを通じて、第三熱交換部23Cの背面ドレン受け43に回収され、ここから下がり勾配を有した排水路(図示せず)を介して前面ドレン受け41に回収される。残留水水路46Dは、図3に示すように、風路内に突出しないように、上記ケース46の両端部に形成される。
【0034】
上記加湿エレメント47は、エレメントホルダー48に収納され、このエレメントホルダー48には把手48Aが形成される。そして、図示は省略したが、フロントケーシング36を開いた場合、ケーシングの前面にはこの加湿エレメント47がエレメントホルダー48ごと取出し可能に臨む。
【0035】
加湿エレメント47は、スポンジ等のように水分を含みやすい材質から構成される。この加湿エレメント47を空気が通過する時に、加湿エレメント47内の水が自然蒸発されて、空気吹出口38から室内へ吹き出される空気が加湿される。この加湿は、主に空気調和装置10の暖房運転時に実施される。
【0036】
この加湿エレメント47へ給水する前記加湿給水配管40は、図1に示すように、熱源機給水配管28から分岐されたものであり、熱源機給水配管28へ供給される前の清浄な給水を加湿エレメント47へ導く。
【0037】
この加湿給水配管40には、この加湿給水配管40内を流れる水の流量を調整する熱動弁44が配設されている。この熱動弁44の開度調整により、加湿エレメント47へ供給される水の供給量が制御される。
【0038】
本実施形態では、室内温水熱交換器24が2つの熱交換部24A,24Bに分割され、これら熱交換部24A,24Bは略ハの字状に配列され、その間に形成された隙間に、気化式加湿器45が挿入配置されている。
【0039】
従って、室内温水熱交換器24に温水を流して暖房運転を行う場合、2つの熱交換部24A,24Bを経て暖められた暖気が、気化式加湿器45の両面から吸い込まれて、そこを通過して送風されるため、加湿エレメント47の前後の湿球温度差が増大し、従来のように気化式加湿器45の片面から吸い込む構造のものに比べて、加湿性能を格段に向上させることできる。また、2つの熱交換部24A,24Bを経て送風されるため、暖気の風量が増大し、これによって、気化式加湿器45の加湿量を増大させることができる。
【0040】
上記構成では、2つの熱交換部24A,24Bの合計能力と、従来の室内温水熱交換器の能力とを等しく設定することが望ましい。これによれば、室内温水熱交換器24の能力を増大させず、熱交換部24A,24Bに分散させることによって、加湿量或いは加湿性能を向上させることができる。
【0041】
また、気化式加湿器45の前面側の近傍に、室内温水熱交換器24の熱交換部24Bを配置したため、室内冷媒熱交換器23に冷媒を流して冷房運転を行う場合、気化式加湿器45に衝突する冷気の量が減少し、気化式加湿器45のケース46への露付き等を防止することができる。
【0042】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
加湿給水配管40は、温水往き配管29及び温水戻り配管30の両者に接触されるものを述べたが、これら温水往き配管29と温水戻り配管30のいずれか一方に接触されてもよい。また、上記空気調和装置10では、給湯ユニット13は室外ユニット11と別体に設置されたものを述べたが、室外ユニット11内に配置されてもよい。更に、熱動弁44は、制御装置により開度が調整される通常の制御弁であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
これらの発明では、温水熱交換器が複数の熱交換部に分割され、これら熱交換部の間に形成された隙間に気化式加湿器が挿入配置されるため、各熱交換部を経て暖められた暖気が、気化式加湿器の両面から吸い込まれて、そこを通過して送風されるため、従来のように気化式加湿器の片面から吸い込む構造のものに比べて、加湿性能を向上させることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和装置の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】図1の空気調和装置の室内ユニットを示す断面図である。
【図3】気化式加湿器を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 空気調和装置
11 室外ユニット
13 給湯ユニット
23 室内冷媒熱交換器
23A,23B,23C 熱交換部
24 室内温水熱交換器
24A,24B 熱交換部
26 クロスフローファン
45 気化式加湿器
46 ケース
47 加湿エレメント

Claims (4)

  1. 冷媒熱交換器のほかに温水熱交換器を有し、更に気化式加湿器を有した室内ユニットを備える空気調和装置において、温水熱交換器を複数の熱交換部に分割し、この温水熱交換器の各熱交換部間に形成される隙間に前記気化式加湿器を挿入配置したことを特徴とする空気調和装置。
  2. 冷媒熱交換器のほかに温水熱交換器を有し、更に気化式加湿器を有した室内ユニットを備える空気調和装置において、温水熱交換器を複数の熱交換部に分割し、この温水熱交換器の熱交換部の一部を、前記室内ユニットの後面側に配置し、前記温水熱交換器の熱交換部の残りを、室内ユニットの前面側に配置し、前面側と後面側の各熱交換部間に形成される隙間に前記気化式加湿器を挿入配置したことを特徴とする空気調和装置。
  3. 前記温水熱交換器の各熱交換部が略ハの字状に配列され、これら各熱交換部間に形成される隙間に前記気化式加湿器を挿入配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和装置。
  4. 前記冷媒熱交換器と前記温水熱交換器の熱交換部とが一体に形成され、当該熱交換部がほぼ配管蛇行一回分の長さで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の空気調和装置。
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