JPH07330500A - 硼酸アルミニウムウィスカーの製造方法 - Google Patents
硼酸アルミニウムウィスカーの製造方法Info
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- JPH07330500A JPH07330500A JP6139688A JP13968894A JPH07330500A JP H07330500 A JPH07330500 A JP H07330500A JP 6139688 A JP6139688 A JP 6139688A JP 13968894 A JP13968894 A JP 13968894A JP H07330500 A JPH07330500 A JP H07330500A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 多量の溶融剤を使用することなく、高温特性
に優れ、しかもアスペクト比が大きく、形状の均一な硼
酸アルミニウムウィスカーが得られる硼酸アルミニウム
ウィスカーの製造方法を提供する。 【構成】 酸化アルミニウムまたは空気中での加熱によ
り酸化アルミニウムとなるアルミニウムの化合物と、酸
化硼素または空気中での加熱により酸化硼素となる硼素
の化合物とを混合し、更に酸化鉄または空気中での加熱
により酸化鉄となる鉄の化合物を添加して、高温加熱す
る。
に優れ、しかもアスペクト比が大きく、形状の均一な硼
酸アルミニウムウィスカーが得られる硼酸アルミニウム
ウィスカーの製造方法を提供する。 【構成】 酸化アルミニウムまたは空気中での加熱によ
り酸化アルミニウムとなるアルミニウムの化合物と、酸
化硼素または空気中での加熱により酸化硼素となる硼素
の化合物とを混合し、更に酸化鉄または空気中での加熱
により酸化鉄となる鉄の化合物を添加して、高温加熱す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的特性、耐熱性、
耐食性、断熱性、電気絶縁性などに優れ、各種のプラス
チック、金属、セラミックス、セメントなどの補強材と
して有用な硼酸アルミニウムウィスカーの製造方法に関
するものである。
耐食性、断熱性、電気絶縁性などに優れ、各種のプラス
チック、金属、セラミックス、セメントなどの補強材と
して有用な硼酸アルミニウムウィスカーの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、金属、セラミックス、セ
メントなどの補強材としては、ウィスカー、繊維、粒子
状骨材などが挙げられる。これらの補強材のうち硼酸ア
ルミニウムウィスカーは機械的特性、耐熱性、耐食性、
断熱性、電気絶縁性などに優れていることから種々の合
成方法が提案されている。例えば、米国特許33501
66号には気相法による4Al2 O3 ・B2 O3ウィス
カーの製造方法が記載されており、米国特許47894
22号には水熱法によるxAl2 O3 ・yB2 O3 (x
=4〜9、y=2〜5)ウィスカーの製造方法が記載さ
れている。
メントなどの補強材としては、ウィスカー、繊維、粒子
状骨材などが挙げられる。これらの補強材のうち硼酸ア
ルミニウムウィスカーは機械的特性、耐熱性、耐食性、
断熱性、電気絶縁性などに優れていることから種々の合
成方法が提案されている。例えば、米国特許33501
66号には気相法による4Al2 O3 ・B2 O3ウィス
カーの製造方法が記載されており、米国特許47894
22号には水熱法によるxAl2 O3 ・yB2 O3 (x
=4〜9、y=2〜5)ウィスカーの製造方法が記載さ
れている。
【0003】また、米国特許3080242号には、1
〜25重量%の酸化アルミニウムを添加した酸化硼素の
融液を徐冷することによる3Al2 O3 ・B2 O3 ウィ
スカーの製造方法およびこれによって得られた3Al2
O3 ・B2 O3 ウィスカーを原料とする9Al2 O3 ・
B2 O3 ウィスカーの製造方法が記載されている。更
に、特公平4−21640号、特公平4−76954
号、特公平4−76955号、特公平5−15679号
および特開平5−201800号各公報には、溶融剤と
してアルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸塩、ア
ルカリ金属の塩化物などを使用した方法による9Al2
O3 ・2B2 O3 ウィスカーの製造方法が記載されてい
る。
〜25重量%の酸化アルミニウムを添加した酸化硼素の
融液を徐冷することによる3Al2 O3 ・B2 O3 ウィ
スカーの製造方法およびこれによって得られた3Al2
O3 ・B2 O3 ウィスカーを原料とする9Al2 O3 ・
B2 O3 ウィスカーの製造方法が記載されている。更
に、特公平4−21640号、特公平4−76954
号、特公平4−76955号、特公平5−15679号
および特開平5−201800号各公報には、溶融剤と
してアルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸塩、ア
ルカリ金属の塩化物などを使用した方法による9Al2
O3 ・2B2 O3 ウィスカーの製造方法が記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】硼酸アルミニウムウィ
スカーに限らず、プラスチックや金属、セラミックス、
セメントなどの補強材として使用されるウィスカーは、
そのアスペクト比が大きく、形状が均一である方が、機
械的強度を向上させる効果が大きい。更に、高温特性に
優れたウィスカーを用いることにより、耐熱性を向上さ
せる効果が期待される。しかしながら、気相法では低融
点の硼酸アルミニウムのウィスカーしか合成できず、し
かも成長速度が遅いために大量生産が難しい。また、水
熱法の場合、数十〜数百気圧の圧力に耐える耐圧容器を
必要とするとともに、ウィスカーの形状の制御が困難で
ある。
スカーに限らず、プラスチックや金属、セラミックス、
セメントなどの補強材として使用されるウィスカーは、
そのアスペクト比が大きく、形状が均一である方が、機
械的強度を向上させる効果が大きい。更に、高温特性に
優れたウィスカーを用いることにより、耐熱性を向上さ
せる効果が期待される。しかしながら、気相法では低融
点の硼酸アルミニウムのウィスカーしか合成できず、し
かも成長速度が遅いために大量生産が難しい。また、水
熱法の場合、数十〜数百気圧の圧力に耐える耐圧容器を
必要とするとともに、ウィスカーの形状の制御が困難で
ある。
【0005】一方、酸化アルミニウムを添加した酸化硼
素の融液からウィスカーを成長させる方法では、融液の
冷却に長時間を要するとともに、ウィスカーの組成に比
べてはるかに多量の酸化硼素を使用するため材料歩留ま
りが悪い。しかも、冷却後の反応生成物もウィスカーが
酸化硼素のマトリックスに囲まれた状態となっているた
め、ウィスカーの分離操作に手間がかかる。また、溶融
剤としてアルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸
塩、アルカリ金属の塩化物などを使用する方法の場合
も、アルミニウムに対するアルカリ金属のモル比が1〜
10倍(通常は2〜3倍)となるような量の溶融剤を必
要とするため、材料歩留まりが悪く、しかも冷却後の反
応生成物もウィスカーが溶融剤のマトリックスに囲まれ
た状態となっているため、ウィスカーの分離操作に手間
がかかる。
素の融液からウィスカーを成長させる方法では、融液の
冷却に長時間を要するとともに、ウィスカーの組成に比
べてはるかに多量の酸化硼素を使用するため材料歩留ま
りが悪い。しかも、冷却後の反応生成物もウィスカーが
酸化硼素のマトリックスに囲まれた状態となっているた
め、ウィスカーの分離操作に手間がかかる。また、溶融
剤としてアルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の炭酸
塩、アルカリ金属の塩化物などを使用する方法の場合
も、アルミニウムに対するアルカリ金属のモル比が1〜
10倍(通常は2〜3倍)となるような量の溶融剤を必
要とするため、材料歩留まりが悪く、しかも冷却後の反
応生成物もウィスカーが溶融剤のマトリックスに囲まれ
た状態となっているため、ウィスカーの分離操作に手間
がかかる。
【0006】本発明は上記のような従来の硼酸アルミニ
ウムウィスカーの製造方法が抱える問題点を解決するた
めになされたものであり、多量の溶融剤を使用すること
なく、高温特性に優れ、しかもアスペクト比が大きく、
形状の均一な硼酸アルミニウムウィスカーが得られる硼
酸アルミニウムウィスカーの製造方法を提供することを
主たる目的としている。
ウムウィスカーの製造方法が抱える問題点を解決するた
めになされたものであり、多量の溶融剤を使用すること
なく、高温特性に優れ、しかもアスペクト比が大きく、
形状の均一な硼酸アルミニウムウィスカーが得られる硼
酸アルミニウムウィスカーの製造方法を提供することを
主たる目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の硼酸アルミニウ
ムウィスカーの製造方法は、酸化アルミニウムまたは空
気中での加熱により酸化アルミニウムになるアルミニウ
ムの化合物と、酸化硼素または空気中での加熱により酸
化硼素になる硼素の化合物とを混合し、更に酸化鉄また
は空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化合物を添加
して高温加熱することを特徴としており、これにより上
述した課題の解決を可能としたものである。
ムウィスカーの製造方法は、酸化アルミニウムまたは空
気中での加熱により酸化アルミニウムになるアルミニウ
ムの化合物と、酸化硼素または空気中での加熱により酸
化硼素になる硼素の化合物とを混合し、更に酸化鉄また
は空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化合物を添加
して高温加熱することを特徴としており、これにより上
述した課題の解決を可能としたものである。
【0008】また、本発明の硼酸アルミニウムウィスカ
ーの製造方法においては、アルミニウムと硼素のモル比
が9:2.5〜1:1となるように、酸化アルミニウム
または空気中での加熱により酸化アルミニウムになるア
ルミニウムの化合物と、酸化硼素または空気中での加熱
により酸化硼素になる硼素の化合物とを混合し、更に1
〜10重量%の酸化鉄または酸化鉄に換算して0.1〜
10重量%の空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化
合物を添加して、1200〜1600℃に加熱すること
が好ましい。尚、加熱時間は、1〜10時間とすること
が好ましい。これにより、高温特性に優れた9Al2 O
3 ・2B2 O3 の組成を有するウィスカーが収率よく得
られる。更に、アスペクト比が大きく、形状の均一な硼
酸アルミニウムウィスカーを得るには、前記酸化鉄また
は空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化合物の添加
量を、2〜4重量%(但し、前記鉄の化合物の場合には
酸化鉄換算)とするのが最も好ましい。
ーの製造方法においては、アルミニウムと硼素のモル比
が9:2.5〜1:1となるように、酸化アルミニウム
または空気中での加熱により酸化アルミニウムになるア
ルミニウムの化合物と、酸化硼素または空気中での加熱
により酸化硼素になる硼素の化合物とを混合し、更に1
〜10重量%の酸化鉄または酸化鉄に換算して0.1〜
10重量%の空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化
合物を添加して、1200〜1600℃に加熱すること
が好ましい。尚、加熱時間は、1〜10時間とすること
が好ましい。これにより、高温特性に優れた9Al2 O
3 ・2B2 O3 の組成を有するウィスカーが収率よく得
られる。更に、アスペクト比が大きく、形状の均一な硼
酸アルミニウムウィスカーを得るには、前記酸化鉄また
は空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化合物の添加
量を、2〜4重量%(但し、前記鉄の化合物の場合には
酸化鉄換算)とするのが最も好ましい。
【0009】前記酸化アルミニウムとしてはAl2 O3
が、また前記空気中での加熱により酸化アルミニウムに
なるアルミニウムの化合物としては、例えば水酸化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化
アルミニウムなどが挙げられ、空気中で加熱することに
より反応性に富む酸化アルミニウムとなり、高温で酸化
硼素と反応して硼酸アルミニウムウィスカーを生成す
る。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
が、また前記空気中での加熱により酸化アルミニウムに
なるアルミニウムの化合物としては、例えば水酸化アル
ミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化
アルミニウムなどが挙げられ、空気中で加熱することに
より反応性に富む酸化アルミニウムとなり、高温で酸化
硼素と反応して硼酸アルミニウムウィスカーを生成す
る。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
【0010】前記酸化硼素としてはB2 O3 が、また前
記空気中での加熱により酸化硼素になる硼素の化合物と
しては、例えばH3 BO3 、H2 B4 O7 、HBO2 、
硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸のアルコキシドな
どが挙げられ、これらを単独で使用してもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
記空気中での加熱により酸化硼素になる硼素の化合物と
しては、例えばH3 BO3 、H2 B4 O7 、HBO2 、
硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸のアルコキシドな
どが挙げられ、これらを単独で使用してもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。
【0011】前記酸化鉄としてはFe2 O3 、Fe3 O
4 が、また前記空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の
化合物としては、例えば塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、シュ
ウ酸鉄などが挙げられ、これらを単独で使用してもよい
し、2種以上を混合して用いてもよい。
4 が、また前記空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の
化合物としては、例えば塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、シュ
ウ酸鉄などが挙げられ、これらを単独で使用してもよい
し、2種以上を混合して用いてもよい。
【0012】また、硼酸アルミニウムウィスカー生成
後、熱水または熱塩酸、熱硫酸などで洗浄することによ
り、余剰の酸化硼素や酸化鉄を除去することができる。
後、熱水または熱塩酸、熱硫酸などで洗浄することによ
り、余剰の酸化硼素や酸化鉄を除去することができる。
【0013】
【作 用】本発明の硼酸アルミニウムウィスカーの製造
方法においては、酸化アルミニウムまたは空気中での加
熱により酸化アルミニウムになるアルミニウムの化合物
と、酸化硼素または空気中での加熱により酸化硼素にな
る硼素の化合物の混合物に、酸化鉄または空気中での加
熱により酸化鉄になる鉄の化合物を添加して高温加熱す
ることにより、多量の溶融剤を使用することなく、アス
ペクト比が大きく、形状の均一な硼酸アルミニウムウィ
スカーが得られる。特に、アルミニウムと硼素のモル比
が9:2.5〜1:1となるように、酸化アルミニウム
または空気中での加熱により酸化アルミニウムになるア
ルミニウムの化合物と、酸化硼素または空気中での加熱
により酸化硼素になる硼素の化合物とを混合することに
より、高温特性に優れた9Al2 O3 ・2B2 O3 の組
成を有するウィスカーが収率よく得られる。
方法においては、酸化アルミニウムまたは空気中での加
熱により酸化アルミニウムになるアルミニウムの化合物
と、酸化硼素または空気中での加熱により酸化硼素にな
る硼素の化合物の混合物に、酸化鉄または空気中での加
熱により酸化鉄になる鉄の化合物を添加して高温加熱す
ることにより、多量の溶融剤を使用することなく、アス
ペクト比が大きく、形状の均一な硼酸アルミニウムウィ
スカーが得られる。特に、アルミニウムと硼素のモル比
が9:2.5〜1:1となるように、酸化アルミニウム
または空気中での加熱により酸化アルミニウムになるア
ルミニウムの化合物と、酸化硼素または空気中での加熱
により酸化硼素になる硼素の化合物とを混合することに
より、高温特性に優れた9Al2 O3 ・2B2 O3 の組
成を有するウィスカーが収率よく得られる。
【0014】また、本発明の硼酸アルミニウムウィスカ
ーの製造方法においては、前記混合物に酸化鉄または空
気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化合物を添加する
ことを特徴とするが、この酸化鉄または前記鉄化合物の
果たす作用は今のところ解明されていないものの、ED
Xによる分析結果等から酸化鉄が硼酸アルミニウムウィ
スカーに固溶していることが確認されており、この固溶
体の形成がウィスカーの成長を促進しているものと思わ
れる。
ーの製造方法においては、前記混合物に酸化鉄または空
気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化合物を添加する
ことを特徴とするが、この酸化鉄または前記鉄化合物の
果たす作用は今のところ解明されていないものの、ED
Xによる分析結果等から酸化鉄が硼酸アルミニウムウィ
スカーに固溶していることが確認されており、この固溶
体の形成がウィスカーの成長を促進しているものと思わ
れる。
【0015】
【実施例】本発明に係る硼酸アルミニウムウィスカーの
製造方法に関して、以下の実施例並びに比較例により明
確にすることができる。
製造方法に関して、以下の実施例並びに比較例により明
確にすることができる。
【0016】○実施例1 水酸化アルミニウム(Al(OH)3 )10g、オルト
硼酸(H3 BO3 )3.5g(アルミニウムと硼素のモ
ル比9:4)と酸化鉄(Fe2 O3 )0.3gを乳鉢で
混合した後、アルミナ坩堝に入れ、1400℃で3時間
加熱した。加熱終了後、反応生成物を冷却し、更に反応
生成物に含まれている余剰の酸化鉄と酸化硼素を1Nの
熱塩酸で除去し、水洗、乾燥して7.3gの9Al2 O
3 ・2B2 O3 ウィスカーを得た。収率は、96%であ
った。また、得られたウィスカーの直径は0.6μm、
長さは10〜20μmであった。
硼酸(H3 BO3 )3.5g(アルミニウムと硼素のモ
ル比9:4)と酸化鉄(Fe2 O3 )0.3gを乳鉢で
混合した後、アルミナ坩堝に入れ、1400℃で3時間
加熱した。加熱終了後、反応生成物を冷却し、更に反応
生成物に含まれている余剰の酸化鉄と酸化硼素を1Nの
熱塩酸で除去し、水洗、乾燥して7.3gの9Al2 O
3 ・2B2 O3 ウィスカーを得た。収率は、96%であ
った。また、得られたウィスカーの直径は0.6μm、
長さは10〜20μmであった。
【0017】○実施例2 水酸化アルミニウム(Al(OH)3 )10g、オルト
硼酸(H3 BO3 )4g(アルミニウムと硼素のモル比
9:4.5)と酸化鉄(Fe2 O3 )0.3gを乳鉢で
混合した後、アルミナ坩堝に入れ、1400℃で6時間
加熱した。加熱終了後、実施例1と同様な処理を行なう
ことにより、7.4gの9Al2 O3 ・2B2 O3 ウィ
スカーが得られ、収率は97%であった。また、得られ
たウィスカーの直径は0.8μm、長さは20〜30μ
mであった。
硼酸(H3 BO3 )4g(アルミニウムと硼素のモル比
9:4.5)と酸化鉄(Fe2 O3 )0.3gを乳鉢で
混合した後、アルミナ坩堝に入れ、1400℃で6時間
加熱した。加熱終了後、実施例1と同様な処理を行なう
ことにより、7.4gの9Al2 O3 ・2B2 O3 ウィ
スカーが得られ、収率は97%であった。また、得られ
たウィスカーの直径は0.8μm、長さは20〜30μ
mであった。
【0018】○実施例3 硫酸アルミニウム(Al2 (SO4 )3 )22g、オル
ト硼酸(H3 BO3 )3.5g(アルミニウムと硼素の
モル比9:4)と酸化鉄(Fe2 O3 )0.2gを乳鉢
で混合した後、アルミナ坩堝に入れ、1300℃で3時
間加熱した。加熱終了後、実施例1と同様な処理を行な
うことにより、7.2gの9Al2 O3・2B2 O3 ウ
ィスカーが得られ、収率は95%であった。また、得ら
れたウィスカーの直径は0.6μm、長さは5〜15μ
mであった。
ト硼酸(H3 BO3 )3.5g(アルミニウムと硼素の
モル比9:4)と酸化鉄(Fe2 O3 )0.2gを乳鉢
で混合した後、アルミナ坩堝に入れ、1300℃で3時
間加熱した。加熱終了後、実施例1と同様な処理を行な
うことにより、7.2gの9Al2 O3・2B2 O3 ウ
ィスカーが得られ、収率は95%であった。また、得ら
れたウィスカーの直径は0.6μm、長さは5〜15μ
mであった。
【0019】○実施例4 水酸化アルミニウム(Al(OH)3 )10g、酸化硼
素(B2 O3 )2.3g(アルミニウムと硼素のモル比
9:4.5)と、硫酸第一鉄七水和物(FeSO4 ・7
H2 O)0.3gを乳鉢で混合した後、アルミナ坩堝に
入れ、1400℃で6時間加熱した。加熱終了後、実施
例1と同様な処理を行なうことにより、7.4gの9A
l2 O3 ・2B2 O3 ウィスカーが得られ、収率は92
%であった。また、得られたウィスカーの直径は1.5
μm、長さは10〜30μmであった。
素(B2 O3 )2.3g(アルミニウムと硼素のモル比
9:4.5)と、硫酸第一鉄七水和物(FeSO4 ・7
H2 O)0.3gを乳鉢で混合した後、アルミナ坩堝に
入れ、1400℃で6時間加熱した。加熱終了後、実施
例1と同様な処理を行なうことにより、7.4gの9A
l2 O3 ・2B2 O3 ウィスカーが得られ、収率は92
%であった。また、得られたウィスカーの直径は1.5
μm、長さは10〜30μmであった。
【0020】○比較例1 水酸化アルミニウム(Al(OH)3 )10g、オルト
硼酸(H3 BO3 )4g(アルミニウムと硼素のモル比
9:4.5)乳鉢で混合した後、アルミナ坩堝に入れ、
1400℃で6時間加熱した。加熱終了後、実施例1と
同様な処理を行なうことにより、7.4gの9Al2 O
3 ・2B2 O3 ウィスカーが得られ、収率は97%であ
った。しかし、得られたウィスカーの直径は1.5μ
m、長さは5〜10μmであった。
硼酸(H3 BO3 )4g(アルミニウムと硼素のモル比
9:4.5)乳鉢で混合した後、アルミナ坩堝に入れ、
1400℃で6時間加熱した。加熱終了後、実施例1と
同様な処理を行なうことにより、7.4gの9Al2 O
3 ・2B2 O3 ウィスカーが得られ、収率は97%であ
った。しかし、得られたウィスカーの直径は1.5μ
m、長さは5〜10μmであった。
【0021】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の硼酸
アルミニウムウィスカーの製造方法によれば、多量の溶
融剤を使用することなく、高温特性に優れ、しかもアス
ペクト比が大きく、形状の均一な硼酸アルミニウムウィ
スカーを得ることができる。このため、材料歩留まりが
よく、また反応生成物中には少量の余剰の酸化鉄と酸化
硼素が含まれているだけであるためウィスカーの分離が
容易であり、低コストで硼酸アルミニウムウィスカーを
製造することができる。
アルミニウムウィスカーの製造方法によれば、多量の溶
融剤を使用することなく、高温特性に優れ、しかもアス
ペクト比が大きく、形状の均一な硼酸アルミニウムウィ
スカーを得ることができる。このため、材料歩留まりが
よく、また反応生成物中には少量の余剰の酸化鉄と酸化
硼素が含まれているだけであるためウィスカーの分離が
容易であり、低コストで硼酸アルミニウムウィスカーを
製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 酸化アルミニウムまたは空気中での加熱
により酸化アルミニウムになるアルミニウムの化合物
と、酸化硼素または空気中での加熱により酸化硼素にな
る硼素の化合物とを混合し、更に酸化鉄または空気中で
の加熱により酸化鉄になる鉄の化合物を添加して高温加
熱することを特徴とする硼酸アルミニウムウィスカーの
製造方法。 - 【請求項2】 アルミニウムと硼素のモル比が9:2.
5〜1:1となるように、酸化アルミニウムまたは空気
中での加熱により酸化アルミニウムになるアルミニウム
の化合物と、酸化硼素または空気中での加熱により酸化
硼素になる硼素の化合物とを混合し、更に0.1〜10
重量%の酸化鉄または酸化鉄に換算して0.1〜10重
量%の空気中での加熱により酸化鉄になる鉄の化合物を
添加して、1200〜1600℃に加熱することを特徴
とする硼素アルミニウムウィスカーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6139688A JPH07330500A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 硼酸アルミニウムウィスカーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6139688A JPH07330500A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 硼酸アルミニウムウィスカーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330500A true JPH07330500A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=15251116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6139688A Pending JPH07330500A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 硼酸アルミニウムウィスカーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330500A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0754659A1 (en) * | 1995-07-18 | 1997-01-22 | Nichias Corporation | Porous inorganic material and metal-matrix composite material containing the same and process therefor |
EP0935015A1 (en) * | 1998-02-04 | 1999-08-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method for producing whisker-forming alumina and alumina fibers and composite piston of alumina fibers |
US6036930A (en) * | 1997-10-31 | 2000-03-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Process for producing aluminum oxide fibers |
-
1994
- 1994-05-31 JP JP6139688A patent/JPH07330500A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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