JPH09157095A - ホウ酸アルミニウムウィスカーの製造法 - Google Patents

ホウ酸アルミニウムウィスカーの製造法

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JPH09157095A
JPH09157095A JP33569695A JP33569695A JPH09157095A JP H09157095 A JPH09157095 A JP H09157095A JP 33569695 A JP33569695 A JP 33569695A JP 33569695 A JP33569695 A JP 33569695A JP H09157095 A JPH09157095 A JP H09157095A
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JP
Japan
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aluminum
oxide
heated
boron
compound
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JP33569695A
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Junichi Ogawa
純一 小川
Takeoki Ri
建興 李
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Nichias Corp
Original Assignee
Nichias Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質のホウ酸アルミニウムウィスカーを従
来よりも歩留まり良く且つ容易に製造する。 【解決手段】 酸化アルミニウム、酸化ホウ素、および
酸化ニッケルを粉末状態で均一に混合し、得られた混合
物を高温に加熱し、アルミニウム化合物とホウ素化合物
からホウ酸アルミニウムウィスカーを生成させる。過剰
のホウ素化合物は、熱水または熱鉱酸で洗浄して除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホウ酸アルミニウ
ムウィスカーを製造する方法に関するものである。
【従来の技術】
【0002】機械的特性、耐熱性、耐食性、断熱性、電
気絶縁性などにすぐれているホウ酸アルミニウムウィス
カーの製造法としては、従来、大別して気相法、水熱法
およびフラックス法が知られている。
【0003】代表的な例を示すと、米国特許第3350
166号明細書には気相法による4Al23・B23
ィスカーの製造法が記載されており、米国特許第478
9422号明細書には水熱法によるxAl23・yB2
3(x=4〜9,y=2〜5)ウィスカーの製造法が記
載されている。また、米国特許第3080242号明細
書には、1〜25重量%の酸化アルミニウムを添加した
酸化ホウ素の融液を徐冷して3Al23・B23ウィス
カーを得る方法、および、得られたウィスカーを原料と
する9Al23・B23ウィスカーの製造法が記載され
ている。さらに、特公平4−21640号、同4−76
954号、同4−76955号、同5−15679号、
および特開平5−201800号の各公報には、溶融剤
としてアルカリ金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物等を使用
する9Al23・2B23ウィスカーの製造法が記載さ
れている。
【0004】しかしながら、気相法では4Al23・B2
3のような低融点のウィスカーしか得られず、しかも
ウィスカーの成長が遅いので量産が難しい。また、水熱
法の場合は、数十〜数百気圧の加圧下に反応させるの
で、高価な耐圧反応装置を必要とし、工程管理も容易で
ないという問題点がある。
【0005】酸化アルミニウムを添加した酸化ホウ素の
融液からウィスカーを成長させる方法では、得られるウ
ィスカーの組成に比べて著しく多量の酸化ホウ素を使用
するので、歩留まりが悪い。溶融剤としてアルカリ金属
塩を使用する方法も、アルミニウムに対してモル比で数
倍のアルカリ金属を使用するため、最後に溶融剤とウィ
スカーを分離するのに手間がかかるという問題点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、アスペクト比が大きく高温特性にも優れた高品質の
ホウ酸アルミニウムウィスカーを従来よりも歩留まり良
く且つ容易に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
に成功した本発明のホウ酸アルミニウムウィスカーの製
造法は、酸化アルミニウムまたは空気中で加熱されると
酸化アルミニウムを生成するアルミニウム化合物と、酸
化ホウ素または空気中で加熱されると酸化ホウ素を生成
するホウ素化合物と、酸化ニッケル、ニッケルまたは空
気中で加熱されると酸化ニッケルを生成するニッケル化
合物とを、粉末状態で均一に混合し、得られた混合物
を、アルミニウム化合物とホウ素化合物からホウ酸アル
ミニウムウィスカーが生成する条件下に加熱することを
特徴とする。
【0008】上記製造法で得られるホウ酸アルミニウム
ウィスカーは、多くの場合、未反応のホウ素化合物が付
着しているので、そのままでは使用できない用途に供す
るときはそれを熱水または熱鉱酸で洗浄して未反応のホ
ウ素化合物を除去する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のホウ酸アルミニウ
ムウィスカーの製造法について詳述する。原料とするア
ルミニウム化合物は、酸化アルミニウム、または空気中
で加熱されると酸化アルミニウムを生成するアルミニウ
ム化合物(以下、酸化アルミニウム前駆体という)であ
る。酸化アルミニウム前駆体として使用可能なアルミニ
ウム化合物は、望ましくは約1000℃以下の空気中加
熱により酸化アルミニウムを生じるものであって、その
好ましい具体例としては、水酸化アルミニウム、硫酸ア
ルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムなど
がある。
【0010】アルミニウム化合物と反応させるホウ素化
合物としては、酸化ホウ素(三酸化ホウ素・B23)ま
たは望ましくは約1000℃以下の空気中加熱により酸
化ホウ素を生成するホウ素化合物(以下、酸化ホウ素前
駆体という)たとえばホウ酸(H3BO3)、四ホウ酸
(H247)、メタホウ酸(HBO2)等を用いる。
【0011】上述のアルミニウム化合物とホウ素化合物
が高温で反応してホウ酸アルミニウムを生じるとき、そ
れからウィスカーを形成させるために、本発明では酸化
ニッケル、ニッケル金属粉、または空気中で加熱される
と酸化ニッケルを生成するニッケル化合物(以下、これ
らを総称してニッケル助剤という)を用いる。
【0012】アルミニウム化合物とホウ素化合物だけで
は、ホウ酸アルミニウムの針状結晶は生じてもウィスカ
ーと言えるような高アスペクト比のものは形成されない
(ただし、ニッケル助剤が共存するとなぜホウ酸アルミ
ニウムウィスカーがっ形成されるのかは定かでな
い。)。酸化ニッケル源として使用可能なニッケル化合
物の好ましい具体例としては、水酸化ニッケル、塩化ニ
ッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル等がある。これら
は2種以上を併用してもよい。
【0013】上述のアルミニウム化合物、ホウ素化合物
およびニッケル助剤は微粉末状にしてよく混合する。混
合比は、望ましくはAl23:B23のモル比が約9:
2ないし9:6(特に望ましくは9:2.5〜9:6)
となるように、且つ、アルミニウム化合物とホウ素化合
物との合計量に対してニッケル助剤が酸化ニッケル換算
量で0.1〜10重量%程度(特に望ましくは約1〜2
重量%)になるようにする。これにより、耐熱性が特に
優れた9Al23・2B23の組成を有するホウ酸アルミ
ニウムウィスカーを効率よく形成させることができる
(以下、ホウ酸アルミニウムウィスカーというときは上
記特定の組成のホウ酸アルミニウムウィスカーを意味す
る。)。
【0014】均一な原料混合物が得られたならば、それ
を加熱炉に移して加熱する。雰囲気は空気でよい。原料
化合物として酸化アルミニウム前駆体や酸化ホウ素前駆
体を用いた場合は、昇温過程においてそれから酸化物が
生じる。酸化アルミニウムと酸化ホウ素からホウ酸アル
ミニウムウィスカーを生成させるのに必要な温度は、約
1100〜1400℃である。この温度では酸化ホウ素
は溶融し、その一部が気化するので、雰囲気の酸化ホウ
素分圧は上昇する。
【0015】酸化ニッケルの存在下に酸化アルミニウム
と溶融酸化ホウ素が反応すると、ホウ酸アルミニウムの
結晶が、ウィスカー状に成長する。ウィスカーの形成に
関与したニッケル助剤は、酸化物の形で、ウィスカーの
ホウ酸アルミニウムに固溶すると思われる。
【0016】反応終了後、放冷すると、相互に軽く接合
した状態でホウ酸アルミニウムウィスカーが得られる。
ウィスカーを接合している力は弱いもので、1〜3Nの
熱希塩酸または熱硫酸で洗浄すると容易に個々のウィス
カーに分離される。この接合は、主として、ホウ酸アル
ミニウムウィスカーを形成する反応を起こすことなく残
った過剰の酸化ホウ素によるものである。この未反応の
酸化ホウ素は、一旦冷却した後、熱水または希薄な熱鉱
酸(たとえば塩酸、硫酸等)で洗浄すると除去すること
ができる(未反応のまま残った酸化ホウ素は、ホウ酸ア
ルミニウムウィスカー生成反応終了後もさらに加熱を続
けてそれを気化させる方法により除去することもでき
る。)。
【0017】
【実施例】
実施例1 酸化アルミニウム前駆体としての水酸化アルミニウム1
kg、酸化ホウ素前駆体としてのオルトホウ酸(H3
3)350g、および酸化ニッケル13gをヘンシェ
ルミキサーを用いて十分混合した。得られた原料混合物
10gをアルミナ坩堝に入れ、電気炉中で1350℃に
5時間加熱した。空気中で放冷後、反応生成物を1Nの
熱希塩酸で洗浄して未反応の酸化ホウ素を除去し、乾燥
すると、平均直径0.7μm、長さ10〜30μmのホウ
酸アルミニウムウィスカー5.4g(収率96%)が得
られた。
【0018】比較例1 水酸化アルミニウム1kg、オルトホウ酸400gをヘン
シェルミキサーを用いて十分混合した。得られた原料混
合物10gをアルミナ坩堝に入れ、電気炉中で1400
℃に6時間加熱した。空気中で放冷後、反応生成物を1
Nの熱希塩酸で洗浄して未反応の酸化ホウ素を除去し、
乾燥した。
【0019】ウィスカーと言えるほど高アスペクト比の
ものは生成せず、平均直径1.5μm、長さ5〜10μm
程度のホウ酸アルミニウム針状結晶が得られたにすぎな
かった(収量5.3g,収率97%)。
【0020】実施例2 水酸化アルミニウム1kg、酸化ホウ素200g、および
金属ニッケル微粉末10gをヘンシェルミキサーを用い
て十分混合し、得られた混合物10gをアルミナ坩堝に
入れ、電気炉中で1200℃に6時間加熱した。空気中
で放冷後、反応生成物を1Nの熱希塩酸で洗浄して未反
応の酸化ホウ素を除去し、乾燥すると、平均直径0.3
μm、長さ10〜20μmのホウ酸アルミニウムウィスカ
ー6.0g(収率96%)が得られた。
【0021】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば安価な原
料化合物から容易に、且つ高収率で、高品質のホウ酸ア
ルミニウムウィスカーが得られ、ウィスカーを補強材と
して利用する金属製品、プラスチック製品等の製造を従
来よりもはるかに容易かつ安価に実施することが可能に
なる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化アルミニウムまたは空気中で加熱さ
    れると酸化アルミニウムを生成するアルミニウム化合物
    と、酸化ホウ素または空気中で加熱されると酸化ホウ素
    を生成するホウ素化合物と、酸化ニッケル、ニッケルま
    たは空気中で加熱されると酸化ニッケルを生成するニッ
    ケル化合物とを、粉末状態で均一に混合し、得られた混
    合物を加熱してアルミニウム化合物とホウ素化合物から
    ホウ酸アルミニウムウィスカーを生成させることを特徴
    とするホウ酸アルミニウムウィスカーの製造法。
  2. 【請求項2】 酸化アルミニウムまたは空気中で加熱さ
    れると酸化アルミニウムを生成するアルミニウム化合物
    と、酸化ホウ素または空気中で加熱されると酸化ホウ素
    を生成するホウ素化合物とを、Al23:B23のモル
    比が9:2ないし9:6となる比率で用いる請求項1記
    載のホウ酸アルミニウムウィスカーの製造法。
  3. 【請求項3】 酸化アルミニウムまたは空気中で加熱さ
    れると酸化アルミニウムを生成するアルミニウム化合物
    および酸化ホウ素または空気中で加熱されると酸化ホウ
    素を生成するホウ素化合物との合計量に対して0.1〜
    10重量%の酸化ニッケルまたは酸化ニッケル換算量で
    0.1〜10重量%のニッケルまたは空気中で加熱され
    ると酸化ニッケルを生成するニッケル化合物を混合する
    請求項1または請求項2記載のホウ酸アルミニウムウィ
    スカーの製造法。
  4. 【請求項4】 ホウ酸アルミニウムウィスカーを生成さ
    せる加熱処理を1100〜1400℃で行う請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載のホウ酸アルミニウムウ
    ィスカーの製造法。
  5. 【請求項5】 ホウ酸アルミニウムウィスカーを生成さ
    せたのちそれを熱水または熱鉱酸で洗浄して過剰のホウ
    素化合物を除去する請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載のホウ酸アルミニウムウィスカーの製造法。
JP33569695A 1995-12-01 1995-12-01 ホウ酸アルミニウムウィスカーの製造法 Pending JPH09157095A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102212867A (zh) * 2011-05-04 2011-10-12 中国科学院青海盐湖研究所 一种新型硼酸铜铝晶须的制备方法
CN104562210A (zh) * 2015-01-14 2015-04-29 黄冈师范学院 尺寸和形貌可控的硼酸镁晶须的制备方法

Cited By (2)

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