JPH05254999A - 繊維状ホウ酸アルミニウムの製造法 - Google Patents

繊維状ホウ酸アルミニウムの製造法

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JPH05254999A
JPH05254999A JP8980092A JP8980092A JPH05254999A JP H05254999 A JPH05254999 A JP H05254999A JP 8980092 A JP8980092 A JP 8980092A JP 8980092 A JP8980092 A JP 8980092A JP H05254999 A JPH05254999 A JP H05254999A
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aluminum borate
aluminum
borate
boron
amorphous
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JP8980092A
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Misako Naito
美佐子 内藤
Masayo Otsuka
雅代 大塚
Takuro Morimoto
琢郎 森本
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維形状が整い補強材料としてニーズ適合性
の高い繊維状ホウ酸アルミニウムを提供する。 【構成】 非晶質のホウ酸アルミニウムの粉末を加熱焼
成することにより繊維状ホウ酸アルミニウムが得られ
る。又、非晶質のホウ酸アルミニウムの粉末と、加熱焼
成することによりアルミニウムの酸化物になるアルミニ
ウム化合物、加熱によりホウ素の酸化物になるホウ素化
合物、及びフラツクスから選ばれる1種以上を加熱焼成
することにより繊維状ホウ酸アルミニウムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維状ホウ酸アルミニ
ウム、より詳しくは断熱性、機械特性、耐熱性、耐化学
薬品性等に優れ、断熱材、耐熱材、断熱塗料の他、樹
脂、ゴム、紙、セメント、金属及びセラミツクス製品の
諸特性を改質するために有用な繊維状ホウ酸アルミニウ
ムの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイテク技術の高度化と飛躍的進
展により、新素材としての複合材料が先端材料として種
々研究開発されてきており、これに配合される強化材料
も低比重、高強度、高剛性、耐摩耗性等が要求されるに
至り、これらの要求特性に適合するウイスカー状の単結
晶繊維が注目を浴び、ホウ酸アルミニウムウイスカー
も、断熱性、耐熱性、耐化学薬品性等に優れた素材とし
て注目され、種々の合成方法が提案されているが、これ
らの殆どがアルミニウム源とホウ素及び必要により融剤
を単に混合して加熱焼成することによりホウ酸アルミニ
ウムウイスカーを合成する方法であり、米国特許3,755,
536、3,350,166、3,080,242、4,789,422等に9Al23
・2B23、4Al33・B23、(Al23)3n±0.4
・B23(0<n≦2)、xAl23・yB23(4≦
x≦9,2≦y≦5)の組成を示すホウ酸アルミニウム
ウイスカーの合成法が示されているが、これらいずれの
方法によつても繊維形状の制御が困難であり、特開昭63
−319,298;63−319,299によると、ホウ酸アルミニウム
ウイスカーの好ましい形状は、繊維径0.05〜5μm、繊
維長2〜50μmのものが好ましく、繊維径が5μmを越
えると単結晶が繊維軸に集合した多結晶になり、更には
結晶の欠陥部分が多くなり機械的強度が低下するとされ
ていた。
【0003】本発明者等はチタン酸アルカリ金属塩、チ
タン酸アルカリ土類金属塩等の微細繊維状のウイスカー
及びその合成法、更にはその産業上利用性等について種
々提案してきたが、近年のニーズの多様化、高機能化に
あつては単一形状の素材では、いかにその機能が優れて
いても産業上利用性に乏しいものとなりホウ酸アルミニ
ウムウイスカーでも同様であり、繊維径、繊維長が整い
所望形状の繊維状ウイスカーが望まれている現状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊維
形状が整い補強材料としてニーズ適合性の高い繊維状ホ
ウ酸アルミニウムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は非晶質のホウ酸
アルミニウムの粉末を加熱焼成することを特徴とする繊
維状ホウ酸アルミニウムの製造法に係る。
【0006】又、本発明は(a)非晶質のホウ酸アルミ
ニウムの粉末と、(b)加熱焼成することによりアルミ
ニウムの酸化物になるアルミニウム化合物、加熱により
ホウ素の酸化物になるホウ素化合物、及びフラツクスか
ら選ばれる1種以上を加熱焼成することを特徴とする繊
維状ホウ酸アルミニウムの製造法に係る。
【0007】本発明で非晶質のホウ酸アルミニウムとは
一般式Al23・aB23/2(1+a)(0.1≦a≦10の実数)
で示される組成からなり、X線回折において前記組成の
結晶回折像を示さないもので、一般にアルミニウム化合
物とホウ素化合物の混合物を加熱溶融後急冷された混合
物又は、有機アルミニウム化合物、アルカリ金属のアル
ミン酸塩及びアルミニウムのハロゲン化物と有機ホウ
素、ホウ酸類等の湿式又は気相反応によるアルミノオキ
シボレート結合を示す置換、非置換のオリゴマー又はポ
リマー等を意味し、結晶質ホウ酸アルミニウムとは区別
されるものである。
【0008】尚、製法の簡便さからは、本発明では前者
の混溶物の方が有利であり、又、本発明では非晶質のホ
ウ酸アルミニウム中に結晶性ホウ酸アルミニウムが少量
混在していても、後述のウイスカー生成反応において、
ウイスカー生長の核(種結晶)となり、ウイスカー生長
を助長する働きがあるので、副生した結晶物を完全に分
離、精製しなくとも良く、むしろ混在していることが好
ましい場合が多い。
【0009】本発明において非晶質のホウ酸アルミニウ
ム合成時に用いるアルミニウム化合物とは、有機及び無
機の任意のアルミニウム化合物から選択でき、有機化合
物としては、アルミニウムのアルコラートが取り扱いが
容易な点で利用しやすいものであり、他のアルミニウム
化合物は、Al含有量が少ないか加水分解反応が急激に
起こすものが多いので産業上利用性に乏しい。
【0010】アルミニウムの無機化合物としては、例え
ば水酸化アルミニウム等のアルミニウムの水酸化物;酸
化アルミニウム及びその水和物、酸化アルミニウムナト
リウム等のアルミニウムの酸化物及び水和物;アルミン
酸及びそのアルカリ塩;硫酸アルミニウム及びその水和
物、硫酸アルミニウムカリウム及びその水和物、硫酸ア
ンモニウムアルミニウム及びその水和物等のアルミニウ
ムの硫酸塩及びその水和物;硝酸アルミニウム及びその
水和物等のアルミニウムの硝酸塩及びその水和物;塩化
アルミニウム及びその水和物等のアルミニウムのハロゲ
ン化物及びその水和物を挙げることができ、これらは単
独又は2種以上の混合物として使用できる。
【0011】ホウ素化合物としては例えば、酸化ホウ素
等のホウ素の酸化物;オルトホウ酸、四ホウ酸、メタホ
ウ酸、四ホウ酸ナトリウム、ピロホウ酸ナトリウム、ピ
ロホウ酸カリウム、メタホウ酸ナトリウム等のホウ素の
酸素酸もしくはそのアルカリ金属塩が挙げられ、これら
は単独又は2種以上の混合物として使用できる。
【0012】本発明のフラツクスは溶融剤として作用す
るものであり、アルカリ金属のハロゲン化物、例えば塩
化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カ
リウム、フツ化ナトリウム、フツ化カリウム、アルカリ
金属の硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム
等、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム及
びこれらの複塩、硝酸塩、例えば硝酸ナトリウム、硝酸
カリウム、水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等が例示され、これらの単独又は2種以上の混
合物として利用される。
【0013】本発明において加熱焼成することにより金
属酸化物になるアルミニウム化合物、加熱によりホウ素
の酸化物となるホウ素化合物としては上記と同様のアル
ミニウム化合物及びホウ素化合物を挙げることができ
る。
【0014】本発明で非晶質のホウ酸アルミニウムはア
ルミニウム化合物とホウ素化合物の混合物を加熱溶融後
急冷することにより得られる。加熱溶融条件は、使用す
る原料、組成割合により異なり特定できないが、少なく
とも原料の融点、もしくは分解点以上で混溶することに
より得られ、混合組成物又はホウ酸アルミニウムの融点
以上の温度が好ましく通常 100〜1800℃、好ましくは50
0〜1200℃、溶融時間は5分から2時間、好ましくは10
分から1時間であり、あまり長時間溶融状態を保持する
と状態図に見合う結晶が析出し好ましくない。尚、急冷
とは溶融物を室温以下の雰囲気に放置して自然放冷する
だけで良いが、多量に取り扱う場合には水中投入等で急
冷しても良い。
【0015】本発明の非晶質のホウ酸アルミニウムの合
成において、アルミニウム化合物とホウ素化合物の配合
割合は目的とするホウ酸アルミニウム及び以後の溶融剤
(フラツクス)の種類により特定できず、任意の配合で
可能であるが、通常Al/Bの元素比が18/1〜1/9
の範囲でありAlが多いと強力なフラツクスを要し、且
つ高温反応となるが9Al23・2B23が効率良く得
られ、逆にB(ホウ素)が多いと低温反応で行うことが
できるが、ホウ素の利用率が低下するので一般にAl/
B比が18/2〜2/9程度が好ましい。
【0016】本発明の非晶質のホウ酸アルミニウムは、
これを製造する時の原料選択によりホウ酸アルミニウム
以外の反応生成物が不純物として残存するが、これらは
溶融剤成分として利用でき、ホウ酸アルミニウムの結
晶、繊維化に無害なものが多いのでそのまま利用でき
る。
【0017】本発明の方法が従来法に比しいかなる理由
で繊維形状が整い、結晶欠陥や多結晶体の生成が排除さ
れ、長繊維で強度低下の少ないウイスカーが得られるか
不明であるが、非晶質ホウ酸アルミニウムがホウ酸アル
ミニウムウイスカーの前駆体となり酸化アルミニウムの
結晶化に伴いホウ素成分が均質に酸化アルミニウム中に
吸収され、フラツクスの作用によりウイスカー形状のホ
ウ酸アルミニウムが生成し、この時反応系が前記前駆体
中で進行するので均質反応となり、均質な繊維形状のも
のが得られると考えられる。
【0018】本発明では、非晶質のホウ酸アルミニウム
を常法で粉砕、これらの粉末を単に加熱焼成することで
ホウ酸アルミニウムウイスカーが得られるが、非晶質の
ホウ酸アルミニウム中のアルミニウムとホウ素の比率の
安定化が必要であり、アルミニウム源又はホウ素源とな
る化合物を非晶質のホウ酸アルミニウム粉末中に均質混
合することによりアルミニウムとホウ素の比率を任意の
割合に調整できる点で有利であり、更に非晶質のホウ酸
アルミニウム中のホウ素比を大きくしたもの(Al/B
<1)は低温で再溶融しやすく、このものは後添加のア
ルミニウム化合物のフラツクスとしても作用する。ホウ
素比を大きくした非晶質ホウ酸アルミニウムと加熱焼成
することによりアルミニウムの酸化物となるアルミニウ
ム化合物(単にアルミニウム化合物と略す)との混合物
を焼成することにより、形状の整つたホウ酸アルミニウ
ムウイスカーが得られる。このことからアルミニウム化
合物が加熱分解時非晶質のホウ酸アルミニウムが融解
し、アルミニウム化合物が酸化アルミニウムウイスカー
になる時非晶質ホウ酸アルミニウムからホウ酸アルミニ
ウムウイスカーの生長に必要な成分が効率良く供給され
ることによると考えられ、逆にアルミニウム含量の多い
非晶質ホウ酸アルミニウムに対しては、融点の低いホウ
素化合物が非晶質ホウ酸アルミニウムの結晶生長を助
け、形状の整つたホウ酸アルミニウムウイスカーが得ら
れると考えられる。
【0019】尚、本発明では非晶質のホウ酸アルミニウ
ムと通常利用されるアルミニウム化合物及びホウ素化合
物を混合したものを加熱焼成することでホウ酸アルミニ
ウムウイスカーが得られ、これらの作用効果は前述の非
晶質のホウ酸アルミニウムに、単独にアルミニウム化合
物又はホウ素化合物を添加した場合と同等効果が得られ
る。これはアルミニウム化合物とホウ素化合物が加熱焼
成により反応してホウ酸アルミニウムウイスカーに生長
するとき非晶質のホウ酸アルミニウムがホウ酸アルミニ
ウムウイスカーの結晶原料として働く以外にフラツクス
として作用し、ホウ酸アルミニウム融解相でアルミニウ
ム化合物とホウ素化合物がホウ酸アルミニウムウイスカ
ーの生長を助け形状の整つた長繊維が得られるものと考
えられる。
【0020】従つて本発明では、これら非晶質のホウ酸
アルミニウムを用いることにより、従来用いられている
フラツクスの使用が不要となり反応系がそのままフラツ
クス相として作用するため、従来法では得られなかつた
結晶形状の整つた長繊維のホウ酸アルミニウムウイスカ
ーが得られる。
【0021】尚、本発明では非晶質ホウ酸アルミニウム
とアルミニウム化合物及び/又はホウ素化合物の混合割
合は、非晶質のホウ酸アルミニウムの組成、アルミニウ
ム化合物、ホウ素化合物の種類、目的とするホウ酸アル
ミニウムウイスカーの品位により特定できないが非晶質
ホウ酸アルミニウムが全成分中少なくとも10wt%以上含
まれるべきであり、これより少なすぎると非晶質ホウ酸
アルミニウムを用いた利点が具現せず、単に助剤として
用いただけとなり、従来法(用いない場合)と比較して
もホウ酸アルミニウムウイスカーに著しい改良点が認め
られない。
【0022】本発明でホウ酸アルミニウムウイスカーと
は、繊維径が0.01μm以上で繊維径に対する繊維長の比
(アスペクト比)が10以上の、一般式Al23・xB2
3/2(1+x)(0.1≦x≦1の実数)で示される結晶
質のホウ酸アルミニウムを示す。
【0023】本発明においては非晶質のホウ酸アルミニ
ウムの粉末とアルミニウム化合物、ホウ素化合物、フラ
ツクス等との混合は通常行われている任意の方法が利用
でき、両者の混合物をそのまま、又はこれらを加圧成形
する方法、両者の水又は有機分散媒中での均質分散物を
常圧又は減圧下で乾燥又は噴霧乾燥する方法等いずれで
も良いが、混合物加圧成形物又は噴霧乾燥物が好結果を
得やすい。
【0024】本発明では、非晶質のホウ酸アルミニウム
とフラツクスの混合割合は特定できないが、フラツクス
は非晶質ホウ酸アルミニウム又はこれとアルミニウム化
合物、ホウ素化合物との混合成分中10〜95wt%含まれて
いることが好ましい。
【0025】本発明のホウ酸アルミニウムウイスカーは
非晶質ホウ酸アルミニウム又はこれとアルミニウム化合
物、ホウ素化合物、フラツクスの一種又は二種以上の混
合物を600〜1400℃の範囲で通常30分から10時間反応さ
せることにより、繊維径、繊維長が整つたホウ酸アルミ
ニウムウイスカーが得られる。
【0026】以上、加熱焼成することにより生成した微
細繊維状ホウ酸アルミニウムを単離するには先ず熱水或
いは1N程度の熱塩酸、熱硫酸、熱硝酸等で処理してフ
ラツクスその他不純物を溶解、水洗、乾燥、必要により
分級して水及び稀酸不溶物を分離除去することにより、
繊維形状が整つた微細なホウ酸アルミニウムウイスカー
が得られる。
【0027】尚、本発明では繊維形状を助ける空洞化剤
として、炭素物質、発泡剤等をホウ酸アルミニウムウイ
スカー製造時の混合物中に併用しても良い。
【0028】
【実施例】
合成例1(非晶質ホウ酸アルミニウムの合成) アルミン酸ナトリウム(NaAlO2)7.4kg、ホウ酸ナ
トリウム(Na247)2.1kgの混合物を炉底部に溶湯
取り出し栓を付した電気炉中、1150℃で融解後、溶湯取
り出し口を開栓し、溶湯を噴射水流と接触、急冷破砕し
て回収瓶にて回収、乾燥することにより約6.2kgの白色
粉状物を得た。このものの元素分析から、Al23 74.
2%、B23 9.0%、強熱減量 16.8%の組成を示し、X
線回折ではわずかにAl23類似のブロードな結晶質が
認められたが、9Al23・4B23からなる非晶質の
ホウ酸アルミニウム(I)であつた。
【0029】合成例2(非晶質ホウ酸アルミニウムの合
成) 硫酸アルミニウム(Al2SO4)35g、ホウ酸ナトリウ
ム(Na247) 40gの均質混合物を白金ルツボに移
し950℃で30分間加熱溶融後、炉外に取り出し冷却する
ことにより、無色透明なガラス質の溶融物17.7gを得
た。このものの元素分析から、Al23 58.7%、B2
3 39.6%、強熱減量 2.7%の組成を示し、X線回折から
結晶性は認められず、Al23・4B23からなる非晶
質のホウ酸アルミニウム(II)であつた。
【0030】合成例3(非晶質ホウ酸アルミニウムの合
成) 撹拌器、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを付
したフラスコに、脱水エタノール 100gにトリエトキシ
アルミニウム 16.2g(0.1モル)を溶解したものを窒素
導入下で充填、次いで無水エタノール 10gにトリエトキ
シホウ素 1.6g(0.01モル)を溶解したものを撹拌下、
室温で約30分を要して滴下ロートから投入、次いで0.1
Nの水酸化カリウムアルコール液を1ml添加、室温下
で撹拌を40時間行つた後、減圧乾燥することにより粘稠
な液体 8.1gを得た。このものの元素分析はAl 33.3
%、B 1.3%、C 34.6%、H 7.3%、N 0%であつ
た。このものを白金ルツボに移し、200℃で3時間焼成
することにより9Al23・B23の組成を示し、X線
回折では結晶性を示さない非晶質のホウ酸アルミニウム
(III)が6g得られた。
【0031】実施例1 非晶質ホウ酸アルミニウム(I)の粉末30gを錠剤成形器
を用い30kg/cm2で加圧成形したものを白金ルツボに移
し1200℃で5時間加熱焼成後室温まで徐冷後、1N塩酸
で煮沸、次いで水洗、濾別、乾燥することにより白色の
粉末 20.1gを得た。このものはX線回折及び元素分析か
ら9Al23・2B23であり、繊維径0.2μm、繊維長
15〜20μmと繊維形状が揃い、高アスペクト比の繊維状
ホウ酸アルミニウムが得られた。
【0032】実施例2 実施例1で用いた非晶質ホウ酸アルミニウム(I)の粉
末30gと臭化カリウム(KBr) 15gの均質混合物を実
施例1と同法で成形、白金ルツボで1050℃で2時間加熱
焼成、以下実施例1と同法で処理することにより白色の
粉末 25.5gを得た。このものは、繊維径 0.3μm、繊維
長30〜35μmと繊維形状が揃い、9Al23・2B23
からなる高アスペクト比の繊維状ホウ酸アルミニウムで
あつた。
【0033】実施例3 実施例2において非晶質ホウ酸アルミニウム(I) 30
g、硫酸ナトリウム 10gを用いた以外同法で行うことに
より、繊維径 0.3μm、繊維長 30〜35μmと繊維形状が
揃い、9Al23・2B23からなる高アスペクト比の
繊維状ホウ酸アルミニウム 25.4gが得られた。
【0034】実施例4 非晶質のホウ酸アルミニウム(I) 10gと非晶質のホウ
酸アルミニウム(II)5gとの均質混合物を用い、1100
℃で3時間焼成する以外実施例1と同法で行うことによ
り、繊維径 0.4μm、繊維長 40〜45μmと繊維形状が揃
い、高アスペクト比の9Al23・2B23からなる繊
維状ホウ酸アルミニウム 10.7gが得られた。
【0035】実施例5 実施例4において非晶質のホウ酸アルミニウム(I)を
非晶質のホウ酸アルミニウム(III) 5gに変更した以
外同法で行うことにより、繊維径 0.3μm、繊維長 40〜
45μmと繊維形状が揃い、高アスペクト比の9Al23
・2B23からなる繊維状ホウ酸アルミニウム 7.6gが
得られた。
【0036】実施例6 実施例4の均質混合物 15gに更に臭化カリウム 5gを添
加混合したものを用い、以下実施例1と同法で行うこと
により、繊維径 0.4μm、繊維長 45〜50μmと繊維形状
が揃い、高アスペクト比の9Al23・2B23からな
る繊維状ホウ酸アルミニウム 11.2gが得られた。
【0037】実施例7 実施例5の均質混合物 10gに実施例6と同様臭化カリウ
ム 5gを用い以下実施例6と同法で行うことにより、繊
維径 0.3μm、繊維長 45〜50μmと繊維形状が揃い、高
アスペクト比の9Al23・2B23からなる繊維状ホ
ウ酸アルミニウム 8.1gが得られた。
【0038】比較例1 アルミン酸ナトリウム 7.1g、ホウ酸ナトリウム 2.1gの
均質混合物を用い、以下実施例1と同法で行うことによ
り白色の粉末 12.5gが得られた。尚、このものは繊維形
状を示さず、X線回折でも9Al23・2B23とAl
23の混合物であつた。
【0039】比較例2 比較例1の混合物 30gに臭化カリウム 15gの均質混合物
を用い以下実施例2と同法で行うことにより白色混合物
25.3gを得た。このものは繊維径 0.3μm、繊維長 25〜
30μmと繊維形状が揃い、高アスペクト比の9Al23
・2B23からなる繊維状ホウ酸アルミニウムウイスカ
ーではあつたが、実施例2に比し繊維長、アスペクト比
が劣つていた。
【0040】
【発明の効果】1)均質且つ形状の整つた微細繊維状の
ホウ酸アルミニウムウイスカーが得られる。 2)格子欠陥、多結晶体の少ないホウ酸アルミニウムの
長繊維が得られる。 3)異常反応が少ないので所望の組成を示す均質な繊維
状ホウ酸アルミニウムが得られる。 4)原料組成物が均質な粒状物として提供されるので熱
効率がよく、省エネルギーに有効である。 5)得られるホウ酸アルミニウムウイスカーは均質物性
のため産業上の利用性が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質のホウ酸アルミニウムの粉末を加
    熱焼成することを特徴とする繊維状ホウ酸アルミニウム
    の製造法。
  2. 【請求項2】 (a)非晶質のホウ酸アルミニウムの粉
    末と、(b)加熱焼成することによりアルミニウムの酸
    化物になるアルミニウム化合物、加熱によりホウ素の酸
    化物になるホウ素化合物、及びフラツクスから選ばれる
    1種以上を加熱焼成することを特徴とする繊維状ホウ酸
    アルミニウムの製造法。
JP8980092A 1992-03-13 1992-03-13 繊維状ホウ酸アルミニウムの製造法 Pending JPH05254999A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017031016A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 国立大学法人室蘭工業大学 ホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017031016A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 国立大学法人室蘭工業大学 ホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方法

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