JPH07330498A - チタン酸アルミン酸カリウムウィスカー及びその製造方法 - Google Patents

チタン酸アルミン酸カリウムウィスカー及びその製造方法

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JPH07330498A
JPH07330498A JP14529794A JP14529794A JPH07330498A JP H07330498 A JPH07330498 A JP H07330498A JP 14529794 A JP14529794 A JP 14529794A JP 14529794 A JP14529794 A JP 14529794A JP H07330498 A JPH07330498 A JP H07330498A
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宏樹 村田
Masayoshi Suzue
正義 鈴江
Toshihiro Kiwa
利弘 亀和
Tomohide Kouizumi
智英 幸泉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、補強性、耐熱性、断熱性及び耐薬
品性に優れたチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーを
提供することを目的とする。 【構成】 本発明のチタン酸アルミン酸カリウムウィス
カーは、一般式 Kx Alx Ti8-x 16(0.8≦x
≦2.5)で表される組成を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタン酸アルミン酸カ
リウムウィスカー及びその製造方法に関する。
【0002】本発明のウィスカーは補強性、耐熱性、断
熱性及び耐薬品性に優れており、熱硬化性樹脂、熱可塑
性樹脂、セメント、金属、セラミックス等の補強材、耐
熱材、断熱材の他、耐食材として有用である。
【0003】
【従来の技術】近年、ハイテク技術の高度化と飛躍的進
展により、新素材としての複合材料が先端材料として種
々研究開発されてきており、これに配合される補強材料
も高強度、高剛性、耐摩耗性等が要求されるに至り、こ
れらの要求特性に適合するものとしてウィスカーが知ら
れている。このウィスカーは通常微小な単結晶からなり
且つ結晶内の転移、欠陥等が皆無に近いため、同一組成
の多結晶体に比べその機械的強度は数十〜数百倍に達す
るともいわれている。このウィスカーの一つとしてチタ
ン酸カリウム繊維があり、耐薬品性、耐熱性、断熱性、
耐摩擦性に比較的優れた安価に製造できるウィスカーと
して知られている。
【0004】尚、チタン酸アルカリ繊維に対するアルミ
ニウムの含水酸化物による処理は特公昭43−8936
号公報に報告されており、該公報記載の技術により80
0〜1200℃における縮みに対してチタン酸アルカリ
繊維を安定化させている。
【0005】一方、チタン酸アルミン酸カリウムの存在
は明らかになっており、例えば炭酸カリウム、酸化アル
ミニウム及び酸化チタンの粉末を摩砕混合し、1200
℃で3時間仮焼し、これを再度摩砕混合し、1200℃
で約20時間焼成することによりK2.0 Al2.0 Ti6
16〜K2.4 Al2.4 Ti5.6 16の組成のチタン酸ア
ルミン酸カリウム粉状結晶体が製造されている(特公昭
62−41176号公報)。また炭酸カリウム、酸化ア
ルミニウム及び酸化チタン原料と、フラックス原料とし
てモリブデン酸カリウムと酸化モリブデンの混合粉末と
を出発原料とし、1300℃にて約4時間焼成し、その
後800℃付近まで徐冷することにより最大直径1m
m、長さ10mmのK2-x Al2-x Ti6-x 16(0<
x≦1)の組成を有する柱状単結晶のチタン酸アルミン
酸カリウムが製造されている(特公昭58−12236
号公報)。更にチタン酸アルミン酸カリウムの常圧下に
おける状態図は既に報告されており、これと共にチタン
酸アルミン酸カリウムを構成する組成比とX線回折から
求めた格子定数の関係が示されている〔H.Ohsato,J.Cer
am.Soc.Jpn,100 [2] 148-151(1992)〕。
【0006】しかし、今日までチタン酸アルミン酸カリ
ウムのウィスカー及び内部に気孔を有するウィスカーの
合成は試みられていない。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】耐薬品性、耐熱性、
断熱性、耐摩擦性に比較的優れたチタン酸カリウム繊維
はアルカリ成分の溶出がしばしば起こり、特に該チタン
酸カリウム繊維を高温に加熱した場合、カリウム成分の
脱離や酸化チタンの生成が生ずるのを避け得なくなる。
このカリウム成分の溶出又は脱離及び酸化チタンの生成
はマトリックスへの不純物の混入の原因となるばかりで
はなく、マトリックス成分の分解、副生成物の生成、チ
タン酸カリウム表面性の不均一を招く。また高温でのカ
リウム成分の脱離は繊維形状の劣化の原因となり、この
結果十分な補強性を発揮することができなくなる。
【0008】今日までにおいてチタン酸アルミン酸カリ
ウムの粉状結晶体及び柱状単結晶は得られているが、チ
タン酸アルミン酸カリウムウィスカー及び内部に気孔を
有するウィスカーは得られていない。ウィスカーは断面
積が7.9×10-5in2 以下で長さが断面の平均直径
の10倍以上の単結晶と定義されている。ウィスカーは
アスペクト比の高い針状単結晶であり、微小な結晶のた
め結晶内の転移、欠陥等が皆無に近く、同一組成の多結
晶体に比べその機械的強度は数十〜数百倍に達するのが
特長である。しかるに該ウィスカーの形状の増大は結晶
内の転移、欠陥の増加を招き、これに伴い機械的強度も
低下することもよく知られた事実である。
【0009】従って、本発明の目的は、耐熱性、断熱性
及び耐薬品性に優れ且つ繊維径が微細で補強性に優れた
チタン酸アルミン酸カリウムウィスカー及びその製法を
提供することにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、このよ
うな事情に鑑み、克明な研究を重ねた結果、アルミニウ
ム供給成分のアルミニウム化合物をカリウム供給成分及
びチタン供給成分であるチタン酸カリウム繊維の表面に
被覆し、溶融剤の存在下にて所定の温度で反応させるこ
とにより、上記目的を達成し得ることを見い出した。
【0011】即ち、本発明によれば、一般式 Kx Al
x Ti8-x 16(0.8≦x≦2.5)で表される組成
を有し且つ繊維内部に0〜70体積%の気孔を有するチ
タン酸アルミン酸カリウムウィスカーが提供される。
【0012】また本発明によれば、アルミニウム化合物
をチタン酸カリウム繊維表面に被覆し、アルカリ金属の
塩化物及びアルカリ金属の硫酸塩から選ばれた少なくと
も一種の溶融剤の存在下で900℃〜1300℃の温度
に加熱して反応、育成させることを特徴とするチタン酸
アルミン酸カリウムウィスカーの製造方法が提供され
る。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明のチタン酸アルミン酸カリウムウィ
スカーはアルミニウム供給成分、カリウム供給成分及び
チタン供給成分を溶融剤の存在下にて反応させることに
より得られるが、チタン酸アルミン酸カリウムウィスカ
ーを構成する各成分をアルミニウム化合物を被覆したチ
タン酸カリウム繊維にて供給することを一つの特徴とす
る。このことにより各成分が最近接に存在した状態にて
チタン酸カリウム繊維表面に被覆されたアルミニウム化
合物が反応し、育成時に活性な酸化アルミニウムに転化
され、低反応性のチタン酸カリウム繊維と、未反応アル
ミナの残存という問題なく比較的低温度の焼成温度に
て、ウィスカー形状を形成するという作用を呈する。
【0015】また、本発明においては、溶融剤の存在下
にて反応を行わせることも特徴の一つであり、これによ
りチタン酸カリウム繊維中のカリウム成分が脱離するこ
とを防止するとともに、多結晶繊維を含まない単離され
たチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーが生成する。
【0016】本発明において、カリウム供給成分及びチ
タン供給成分となるチタン酸カリウム繊維は、その組成
が特に限定されるものではなく、例えば一般式 aK2
O・TiO2 ・mH2 O (0<a≦1、0≦m≦1
0)で示されるチタン酸カリウムウィスカーを挙げるこ
とができる。チタン酸カリウムウィスカーの形状は繊維
径0.01〜5μm、繊維長3〜300μm、好ましく
は繊維径0.1〜3μm、繊維長5〜200μmの短径
対長径の比(アスペクト比)が1:10以上のものが使
用できる。0.01μm以下の繊維径、3μm以下の繊
維長のチタン酸カリウム繊維ではその凝集性が大きく、
生成物であるチタン酸アルミン酸カリウムが単離できな
い凝集体の状態にて合成されるという欠点が生ずる傾向
になる。また5μm以上の繊維径、300μm以上の繊
維長チタン酸カリウム繊維では表面活性が低く、アルミ
ニウム化合物の均一な被覆が行われないために、合成粉
体中に未反応物として酸化アルミニウム、チタン酸カリ
ウムの混入を招く虞れがある。
【0017】アルミニウム化合物で表面が被覆されてい
るチタン酸カリウム繊維は、例えばアルミニウムの硫酸
塩、ハロゲン化物、硝酸塩、水酸化物及びアルコラート
類からなる群より選ばれた少なくとも1種とチタン酸カ
リウムとを反応させるか、アルミニウムの硫酸塩、ハロ
ゲン化物、硝酸塩、水酸化物及びアルコラート類からな
る群より選ばれた少なくとも1種とアルカリ金属の水酸
化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属のアルミン
酸塩、アンモニウムの炭酸塩及びアンモニウムの水酸化
物からなる群より選ばれた少なくとも1種とを反応させ
てチタン酸カリウム繊維表面に沈着せしめる等の方法に
より得られる。
【0018】ここで使用するアルミニウムの硫酸塩とし
ては、例えば硫酸1アルミニウム等が挙げられる。この
場合、必要に応じてアルミニウムのハロゲン化物、硝酸
塩、水酸化物及びアルコラート類の少なくとも1種を併
用してもよい。このアルミニウムのハロゲン化物、硝酸
塩、水酸化物及びアルコラート類としては、例えば塩化
アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、アルミニウムアルコラート等が挙げられ、その他水
可溶性のものである限り特に限定されるものではない。
【0019】また、アルミニウムの水酸化物としては、
例えば水酸化アルミニウム等が挙げられる。アルカリ金
属の水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等が挙げられる。アルカリ金属の炭酸塩とし
ては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸カリウム等が挙げられる。アルカリ金属のアルミン酸
塩としては、例えばアルミン酸ナトリウム、アルミン酸
カリウム等が挙げられる。アンモニウムの炭酸塩として
は、例えば炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等が
挙げられる。アンモニウムの水酸化物としては、例えば
水酸化アンモニウム等が挙げられる。本発明では、上記
以外のものであっても水可溶性である限り特に制限され
ることなく使用することができる。
【0020】本発明では、アルミニウム化合物を水中に
分散したチタン酸カリウム繊維に被覆するのがよい。こ
の際、チタン酸カリウム繊維の酸化チタンに対して、モ
ル比で酸化アルミニウムとして1:3〜1:18の範囲
の割合で被覆するのがよい。上記の反応条件は、通常5
〜80℃程度、好ましくは10〜50℃の温度で1〜5
時間程度とする。この反応によりチタン酸カリウム繊維
の表面にアルミニウム化合物の被膜を得る。次いで、こ
れを必要に応じて水等で洗浄した後、乾燥することによ
り表面がアルミニウム化合物で被覆されたチタン酸カリ
ウム繊維が得られる。
【0021】更に溶融剤としてはアルカリ金属の塩化
物、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウムやアルカリ金
属の硫酸塩、例えば硫酸カリウム、硫酸ナトリウムが挙
げられ、これらは単独でもまた2種類以上混合して用い
てもよい。溶融剤は必要に応じて予めジェットミル等の
粉砕機にて粒度を細かくしてから加えてもよい。またア
ルミニウム化合物をチタン酸カリウム繊維表面に被覆す
る際に溶解させ水溶液中にて分散させてもよい。
【0022】本発明方法に従えば、前記のカリウム供給
成分とチタン供給成分であるチタン酸カリウム繊維と、
アルミニウム供給成分であるアルミニウム化合物を酸化
アルミニウムと酸化チタンのモル比で1:3〜1:18
の範囲の割合で被覆し、更に溶融剤を全重量の50〜9
0重量%の範囲で添加し、900〜1300℃の範囲の
温度にて通常10分〜10時間反応させることによって
チタン酸アルミン酸カリウムウィスカーを生成させるこ
とができる。この際加熱温度が900℃未満では、原料
物質が未反応のまま残ってしまうためチタン酸アルミン
酸カリウム単一相のウィスカーは得られ難くなる。また
1300℃を越えるとウィスカー間の融着、多結晶化及
びアスペクト比の低下が起こる傾向が生ずるので好まし
くない。
【0023】また、結晶内に気孔を有するチタン酸アル
ミン酸カリウムウィスカーを生成させる場合、所定の温
度にて反応、育成した後、10℃/分以上の冷却速度に
て800℃付近まで炉内にて自然冷却させるか又は水冷
等により急冷すればよい。この場合の結晶内の気孔の占
める体積率は焼成温度及び冷却速度にて制御ができる。
更に結晶内に気孔を含まないチタン酸アルミン酸カリウ
ムウィスカーを生成させる場合、所定の温度にて反応、
育成した後、10℃/分以下の冷却速度にて800℃付
近まで徐冷すればよい。
【0024】以上、加熱焼成することにより生成したチ
タン酸アルミン酸カリウムウィスカーを単離するに当っ
ては、先ず熱水、温水等又は必要に応じて希酸水溶液に
より水溶性成分を溶解、濾別、水洗、乾燥、必要により
分級するのがよく、斯くして繊維形状の整った微細なチ
タン酸アルミン酸カリウムウィスカーを得ることができ
る。
【0025】前記のようにして単離されたチタン酸アル
ミン酸カリウムは0.1〜10μmの繊維径、5〜10
0μmの繊維長及び10〜100のアスペクト比を有す
る針状単結晶であり、補強性、耐熱性、断熱性及び耐薬
品性に優れており、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セメ
ント、金属、セラミックス等の補強材、耐熱材、断熱材
の他、耐食材として好適に使用され得る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0027】実施例1 6チタン酸カリウム繊維(大塚化学(株)製,TISM
O−N)200gを水2.5リットルに分散した後、重
炭酸アンモニウム228.4gを添加し、塩化アルミニ
ウム6水塩188.5gを水に溶解して400mlとし
た溶液を撹拌しながらゆっくりと加えて反応させた。こ
の間、反応温度を30〜40℃に保持して3時間反応を
続行した。反応終了後、反応液のpHは7.4であっ
た。次に、反応物を濾過し、水で洗浄して不純物を除去
し、80℃で乾燥すると反応乾燥物が263.0g得ら
れた。この乾燥物を分析した結果、6チタン酸カリウム
は、酸化アルミニウム換算にて15.1%、硫酸塩とし
て0.003%及び強熱減量が8.09%を含む水酸化
アルミニウム化合物により被覆されていた。
【0028】更にこの水酸化アルミニウム化合物により
被覆された6チタン酸カリウム繊維にフラックス原料と
して硫酸カリウム(K2 SO4 )を重量比で1:4にて
乳鉢で充分に混合した後、加圧成型し1100℃で3時
間焼成した。焼成後800℃の温度まで1℃/分の速度
にて冷却し、その後炉冷により室温まで冷却し、焼成物
を得た。焼成物は水中にて煮沸し、水洗、濾別、乾燥す
ることにより、淡黄色粉末を得た。このものはX線回
折、元素分析からK2.0 Al2.0 Ti6.0 16であり、
繊維径1.0μm、繊維長20μmのチタン酸アルミン
酸カリウムウィスカーが得られた。図1に上記のように
して得たチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの透過
型電子顕微鏡により撮影した透過像を示す。
【0029】また、上記の焼成後の冷却を、炉内から取
り出し、冷水中にて急冷した以外は同条件により行い、
淡黄色粉末を得た。このものはX線回折、元素分析から
2.0 Al2.0 Ti6.0 16であり、繊維径1.0μ
m、繊維長20μmで全体積に対し結晶中約50体積%
の気孔をもつチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーが
得られた。図2及び図3に上記のようにして得た気孔を
有するチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーの透過型
電子顕微鏡により撮影した透過像及び粉末X線回折装置
による回折ピークを示す。
【0030】実施例2 8チタン酸カリウム繊維(大塚化学(株)製,TISM
O−D)200gを水2.5リットルに分散した後、硫
酸アルミニウム18水塩47.3gを水に溶解させて1
10mlとした溶液と、アルミン酸ナトリウム(Na2
O・Al2 3)16.6gと水酸化ナトリウム5.2
gを溶かして100mlとした溶液を20〜30℃の温
度下で撹拌しながら、上記両液を反応液がpH7〜9の
中性域を示すようにゆっくりと加え、反応を5時間行っ
た。反応終了後、反応液のpHは7.2であった。次
に、反応物を濾過し、水で洗浄して不純物を除去した
後、90℃で乾燥すると反応乾燥物が238.8g得ら
れた。この乾燥物を分析した結果、8チタン酸カリウム
は、酸化アルミニウム換算にて7.36%、硫酸塩とし
て3.31%及び強熱減量が5.19%を含む塩基性硫
酸アルミニウム化合物により被覆されていた。
【0031】更にこの塩基性硫酸アルミニウム化合物に
より被覆された8チタン酸カリウム繊維にフラックス原
料として硫酸ナトリウム(Na2 SO4 )と硫酸カリウ
ム(K2 SO4 )をモル比で1:3にて添加した混合粉
末を重量比で1:9にて乳鉢で充分に混合した後、加圧
成型し1200℃で3時間焼成した。焼成後800℃の
温度まで1℃/分の速度にて冷却し、その後炉冷により
室温まで冷却し、焼成物を得た。焼成物は水中にて煮沸
し、水洗、濾別、乾燥することにより、淡黄色粉末を得
た。このものはX線回折、元素分析からK1.0 Al1.0
Ti7.0 16であり、繊維径1.5μm、繊維長30μ
mのチタン酸アルミン酸カリウムウィスカーが得られ
た。
【0032】実施例3 4チタン酸カリウム1水塩繊維(大塚化学(株)製,T
ISMO−L)200gを水2.5リットルに分散した
後、硫酸アルミニウム18水塩237.2gを水に溶解
させて650mlとした溶液を撹拌しながらゆっくりと
加え反応混合液とした。この間、反応温度を10〜20
℃に保持して3時間反応する。反応終了後、反応液のp
Hは4.2であった。上記反応液より一部を採取して、
濾過し、水で洗浄して不純物を除き、80℃にて乾燥し
分析した結果、4チタン酸カリウム1水塩繊維は、酸化
アルミニウムに換算して16.84%、硫酸塩として
5.74%及び強熱減量7.68%を含む硫酸アルミニ
ウム化合物により被覆されていた。また、上記反応混合
液に、フラックス原料として使用する塩化カリウム(K
Cl)を乾燥品に対し重量比1:2の割合で加え、湿式
混合する。この化合液をスプレ−ドライ法にて乾燥し
て、塩化カリウムを混合物とする、硫酸アルミニウム化
合物により被覆されている4チタン酸カリウム1水塩1
266gを得た。
【0033】更にこの混合物を加圧成型し、950℃で
5時間焼成した。焼成後800℃の温度まで1℃/分の
速度にて冷却し、その後炉冷により室温まで冷却し、焼
成物を得た。
【0034】焼成物は水中にて煮沸し、水洗、濾別、乾
燥することにより、淡黄色粉末を得た。このものはX線
回折、元素分析からK2.4 Al2.4 Ti5.6 16であ
り、繊維径1.0μm、繊維長25μmのチタン酸アル
ミン酸カリウムウィスカーが得られた。
【0035】実施例4 6チタン酸カリウム長繊維(大塚化学(株)製,繊維径
1.5μm・繊維長200μm)200g、6チタン酸
カリウム短繊維(大塚化学(株)製,繊維径0.1μm
・繊維長3μm)200gをそれぞれ水2.5リットル
に分散した後、硫酸アルミニウム18水塩114.9g
を水に溶解して320mlとした溶液をそれぞれに20
〜30℃の温度下で撹拌しながらゆっくりと加える。更
に、アルミン酸ナトリウム(Na2 O・Al2 3 )3
8.4gと水酸化ナトリウム11.8gを水に溶かして
255mlとした溶液をそれぞれに20〜30℃の温度
下で撹拌しながらゆっくりと加え、反応を2時間行っ
た。反応終了後、反応液のpHはそれぞれ7.6と7.
5であった。次に、上記反応物を濾過し、水で洗浄して
不純物を除去した後、80℃乾燥すると反応乾燥物がそ
れぞれ274.1g、274.9g得られた。この乾燥
物を分析した結果、6チタン酸カリウム長繊維及び短繊
維は、各々酸化アルミニウムとして、15.10%,1
5.11%、硫酸塩として6.15%,6.26%及び
強熱減量が5.48%,5.79%を含む塩基性硫酸ア
ルミニウム化合物により被覆されていた。
【0036】更にこの塩基性硫酸アルミニウム化合物に
より被覆された6チタン酸カリウム長繊維又は6チタン
酸カリウム短繊維にフラックス原料として予めジェット
粉砕機にてその粒径を30μm以下とした硫酸カリウム
(K2 SO4 )をそれぞれ重量比で1:4にて更に乳鉢
で充分に混合した後、加圧成型し1100℃で3時間焼
成した。焼成後800℃の温度まで100℃/分の速度
にて冷却し、その後炉冷により室温まで冷却し、2種の
焼成物を得た。焼成物は水中にて煮沸し、水洗、濾別、
乾燥することにより、淡黄色粉末を得た。このものはX
線回折、元素分析から同様にK2.0 Al2.0 Ti6.0
16であり、各々繊維径2.0μm、0.2μm、繊維長
300μm、6μmの全体積に対し結晶中それぞれ約2
0体積%の気孔をもつチタン酸アルミン酸カリウムウィ
スカーが得られた。
【0037】比較例 炭酸カリウム、酸化アルミニウム及び酸化チタンの各粉
末を、モル比で4:4:6の割合で混合した。またフラ
ックス原料としてモリブデン酸カリウムと酸化モリブデ
ンの各粉末をモル比で1:0.5の割合で混合した。こ
の両粉末をモル%で(K2 CO3 4 ・(Al2 3
4 ・(TiO2 6 :(K2 MoO4 1 ・(Mo
3 0.5 =20:80の割合にて混合して出発原料と
した。この混合粉末を白金坩堝に充填し1300℃にて
4時間加熱反応させた後、800℃付近まで4℃/時の
速度で徐冷し、その後電気炉から取り出し室温まで放冷
した。焼成物は水中にて煮沸し、水洗、濾別、乾燥する
ことにより、淡黄色粉末を得た。このものはX線回折、
元素分析からK2.6 Al2.6 Ti5.4 16であり、繊維
径0.3〜1mm、繊維長5〜10mmのチタン酸アル
ミン酸カリウムの柱状晶であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたチタン酸アルミン酸カリウ
ムウィスカーの透過型電子顕微鏡により撮影した透過像
である。
【図2】実施例1で得られた気孔を有するチタン酸アル
ミン酸カリウムウィスカーの透過型電子顕微鏡により撮
影した透過像である。
【図3】実施例1で得られた気孔を有するチタン酸アル
ミン酸カリウムウィスカーの粉末X線回折装置による回
折ピークである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀和 利弘 徳島県鳴門市撫養町小桑島字前浜202 (72)発明者 幸泉 智英 徳島県徳島市国府町和田字七反田24−64

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 Kx Alx Ti8-x 16(0.
    8≦x≦2.5)で表される組成を有するチタン酸アル
    ミン酸カリウムウィスカー。
  2. 【請求項2】 0.1〜10μmの繊維径、5〜300
    μmの繊維長及び10〜100のアスペクト比を有する
    請求項1記載のウィスカー。
  3. 【請求項3】 繊維内部に0〜70体積%の気孔を有す
    る請求項1記載のウィスカー。
  4. 【請求項4】 アルミニウム化合物で表面が被覆されて
    いるチタン酸カリウム繊維を、アルカリ金属の塩化物及
    びアルカリ金属の硫酸塩から選ばれた少なくとも1種の
    溶融剤の存在下で900〜1300℃の温度に加熱して
    反応、育成させることを特徴とするチタン酸アルミン酸
    カリウムウィスカーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0776998A4 (en) * 1995-06-14 1998-09-02 Otsuka Kagaku Kk TITANATE WHISKER AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
CN1298671C (zh) * 2005-07-07 2007-02-07 南京工业大学 六钛酸钾晶须多孔材料的制备方法
CN104894636A (zh) * 2015-04-29 2015-09-09 华东理工大学 八钛酸钾晶须的制备方法

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