JPH073302U - 使い捨てスリッパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホテル、旅館等で不特定多数の人が使用する
目的で常設されているスリッパを使い捨てのスリッパと
することで、不衛生な面を解決するとともに、スリッパ
の底の素材として、水分の透過性や発散性に優れた天然
素材を使用することにより、装着時の足の蒸れ感を無く
し、廃棄や焼却処分を容易とする。 【構成】 本底（１）と該本底（１）の踵側に踵部芯
（２）を有し、本底（１）及び踵部芯（２）の上側面側
を覆う表皮（３）と、表皮（３）の前面を覆う甲部
（４）とからなるものにおいて、前記本底（１）がヤシ
の繊維よりなるニードルパンチ加工マットに合成ゴム、
合成樹脂等の結合剤を含浸し、圧縮固着したものである
ことを特徴とする使い捨てスリッパ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ホテル等で使用される使い捨てスリッパに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来ホテル、旅館、サウナ、ヘルスクラブ、病院などでは備え付けの塩ビ系ビ ニールのものが多く使われている。これは破損しないかぎり常設されっぱなしの 状態で、不特定多数の人が同じスリッパを利用することとなるため非常に不衛生 であり、水虫などを移されかねないものであった。

【０００３】 また、素材として上記の塩ビ系ビニールを使用したものの場合、風呂上がり時 などスリッパが足にベトつき不快感を感じるもので、特に梅雨時期にはベトベト した感じを常に感じるものであった。

【０００４】 このため特開平３−７０５０１号のようにスリッパの底の上に底敷用シートを 仮接着することで、使用者が変わるたびに底敷用シートを新しいものと取り替え る試みのものはあった。

【０００５】 上記のものは、確かに不衛生な面を解決することはできるが、既存のスリッパ の底の上の底敷用シートを取り替えるものであるため、塩ビ系ビーニールのスリ ッパにこれを使用した場合、足へのベト付感は多少改善されるものの、スリッパ の塩ビ系ビニール自体に水分の透過性や発散性が少ないため足の裏が蒸れる感じ を解決するものではなかった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案のものが解決しようとする課題は、ホテル、旅館等で不特定多数の人が 使用する目的で常設されているスリッパを使い捨てのスリッパとすることで、不 衛生な面を解決するとともに、スリッパの底に水分の透過性や発散性に優れた天 然素材を使用することにより、足の蒸れ感を無くし、廃棄や焼却処分の問題も解 決しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本底（１）と該本底（１）の踵側に踵部芯（２）有し、本底（１）及び踵部 芯（２）の上面側を覆う表皮（３）と、表皮（３）の前側を覆う甲部（４）とか らなるものにおいて、前記本底（１）がヤシの繊維よりなるニードルパンチマッ トに合成ゴム、合成樹脂等の結合剤を含浸し、圧縮固着したものであることを特 徴ととする使い捨てスリッパである。

【０００８】

【作用】

本考案のものの場合、使い捨てのスリッパであるから、不特定多数の人が同じ スリッパを使用することがなく、常に新しいスリッパを使用することとなり衛生 的なる。

【０００９】 風呂上がり等の多少足が濡れた状態で使用しても、足の裏の水分はスリッパの 本底（１）を透過して床面に逃げるから足の裏のベト付や蒸れを起こさない。

【００１０】 天然素材を主材料としたものであるから、消却した場合に有毒ガスの発生が無 く、また、廃棄の場合でも自然に腐敗し土にかえる。

【００１１】

【実施例】

本考案のものの一実施例を図面に基づいて説明すると、図１に示すように、本 底（１）の踵側に、踵部芯（２）としてポリエステル中空複合繊維を主体に低融 点バインダー繊維とともにブレンドし、繊維の交絡部を溶融接合し、パンタグラ フ構造としたクッション材を接着剤にて固着したもので、本底（１）、及び、踵 部芯（２）の表面を覆う表皮（３）としては、綿素材によるタオル地を使用した もので、甲部（４）の素材も表皮（３）と同じタオル地を使用したものであり、 本底（１）への甲部（４）の固定は、本底（１）の周囲にパイピン（５）を縫い つける際に同時に逢着したものである。

【００１２】 本底（１）は、ヤシの繊維をニードルパンチ加工を施した後にラテックス系の 結合材を含浸し、熱を加えて圧縮固着する際に底部にヤシの繊維の毛羽立ちを防 止するために不織布を同時に固着したものであり、カーペット等の上でもスリッ パの底が引っかかったりせず、スムースに歩くことができる。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のものの場合、本底（１）の材料として、通気性 の良いヤシの繊維よりなる圧縮フエルトを使用し、踵部芯（２）として繊維どう しの絡み合いがパンタグラフ構造をしたクッションを使用しているため、従来の ホテル、旅館、サウナ、ヘルスクラブ、病院等での備え付けの塩化ビニールを主 材料としたスリッパと比較して、通気性に優れ、踵部にクッション性を持たせて いるため、べと付感がなく、さらっとした感触で履き心地が良い。特にホテル等 における、風呂あがりの足の濡れた状態で履いても水分がスリッパの本底（１） を早く透過し床に抜けるため足の裏に不快なべと付感がない。

【００１４】 使い捨てのスリッパとしたことにより、不特定多数の人が同じスリッパを履く ことがなく、水虫等が移ることがなく非常に衛生的であるとともに、主材料とし て天然素材を使用したものであるため、焼却の際有毒ガスの発生が少なく、非常 に処分が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のものの一実施例を示す全体斜視図であ
る。

【図２】図１のもののＡ−Ａ´断面図である。

【符号の説明】

１ 本底 ２ 踵部芯 ３ 表皮 ４ 甲部 ５ パイピン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本底（１）と該本底（１）の踵側に踵部
   芯（２）を有し、本底（１）及び踵部芯（２）の上面側
   を覆う表皮（３）と、表皮（３）の前側を覆う甲部
   （４）とからなるものにおいて、前記本底（１）がヤシ
   の繊維よりなるニードルパンチ加工マットに合成ゴム、
   合成樹脂等の結合剤を含浸し、圧縮固着したものである
   ことを特徴ととする使い捨てスリッパ。
2. 【請求項２】 請求項１の踵部芯（２）が、ポリエステ
   ル中空複合繊維を主体に低融点バインダー繊維とともに
   ブレンドし、繊維の交絡部を溶融接合し、パンタグラフ
   構造としたクッション材であることを特徴とする請求項
   １の使い捨てスリッパ。