JP2015223415A - ルームシューズ - Google Patents

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【課題】本発明は、履けば暖かく、しかも、履いて歩くだけで楽に床面の掃除をすることができるルームシューズを提供することを課題とし、これを解決するものである。
【解決手段】本発明は、ルームシューズ1の靴底2の外底21が、パイルを有する織物又は編物からなるルームシューズであり、そのパイルが、カットパイルであるルームシューズであってもよく、さらに、そのパイルが、極細繊維からなるルームシューズであってもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ルームシューズの技術の分野に属し、より詳細には、床面の掃除の用にも供されるルームシューズに関するものである。
室内においては外出用の履物を脱ぐことが通常である。しかしながら、たとえ室内であってもフローリング、タイルその他の床面を素足にて歩くのは冷たく、とりわけ冬期には耐えがたいものであった。
そこで、室内用の履物としてスリッパが広く用いられている。スリッパを履くと、足の裏に代えて靴底が床面に直接当たることになるため、床面から冷たさを感じることがなくなる。
さらに、履いて歩くことにより床面を掃除することができるとするスリッパも提案されている。たとえば、特許文献1には「床面を清掃するモップ部(中略)を底裏面に備えたスリッパ型の履物基台とからなり、上記モップ部は、軸糸と該軸糸に絡み付けられ且つ起毛された表糸とからなる巻糸が甘撚された撚状組織を多設することにより形成されることを特徴とする、掃除スリッパ」の発明(以下単に「掃除スリッパ」という。)が記載されている。
実用新案登録3137392号公報
しかしながら、掃除スリッパにあっては、履く者の足の甲のみが甲皮に覆われ、これ以外の部位が露出するため、履いてもなお寒いことがあった。また、誤って脱げやすいものでもあっため、掃除スリッパを履く者の動きは、自ずと摺り足、すなわち、足の裏をするような歩き方に限られ、床面の隅や角にあるごみや埃を掃除することができなかったり、又は摺り足以外の動きをしても掃除スリッパが誤って脱げてしまわないように、足の指先に力を入れて靴底の内底を掴んだり、足の爪先を軸として足の甲を起こして靴底と甲皮との間で突っ張ったりと、履く者に無理な動きを強いることがあったりした。
そこで、本発明は、履けば暖かく、しかも、履いて歩くだけで楽に床面の掃除をすることができるルームシューズを提供することを課題とし、これを解決するものである。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
[1] ルームシューズの靴底の外底が、パイルを有する織物又は編物からなるルームシューズ。
[2] 前記パイルが、カットパイルである上記[1]記載のルームシューズ。
[3] 前記パイルが、極細繊維からなる上記[1]又は[2]記載のルームシューズ。
本発明によれば、履けば暖かく、しかも、履いて歩くだけで楽に床面の掃除をすることができるルームシューズを提供することができる。
本発明に係るルームシューズの左側面図である。 本発明に係るルームシューズの底面図である 本発明に係るルームシューズの上面図である。 本発明に係るルームシューズの使用状態参考図である。
[ルームシューズ1]
以下、図面に基づいて、本発明に係るルームシューズ1を実施するための形態について説明をする。
図1に示すとおり、ルームシューズ1は、靴底2と甲皮3とからなる。また、甲皮3には、履き口4が形成されている。
[靴底2]
靴底2は、ルームシューズ1のうち甲皮3以外の部分であり、履く者の足の裏が乗る部分であるとともに履く者の足の裏に代わりに床面に直接当たる部分でもある。そのため、図3に示すとおり底面視において全体として足の裏の輪郭に沿う輪郭を有し、図1に示すとおり側面視において全体として平坦な形態に形成される。
靴底2は、外底21と内底22とを備える。図2及び図3に示す通り、靴底2の表面のうち、下方を向く部分が外底21であり、上方を向く部分が内底22である。
[靴底2][外底21]
外底21は、靴底2のうち床面に直接当たる部分であり、パイルを有する織物又は編物(以下単に「パイル織編物」ということがある。)からなることにより、床面の拭き掃除の用にも供される部分でもある。
パイルを有する織物、すなわち、パイル織物は、一方又は両方の表面をパイルが覆うように織られた織物であり、少なくとも3系列の糸からなり、基布を形成するきつく張ったたて糸及びよこ糸並びにパイルを形成するたて糸又はよこ糸を織ってなる。また、パイルを有する編物、すなわち、パイル編物は、一方又は両方の表面をパイルが覆うように編まれた編物であり、地糸とパイル糸を編んでなる。パイル織編物は、その表面から多数のパイルが突出する立体構造を有する。そのため、まず、パイル織編物からなる外底21が床面に当たると、そこにあるごみや埃が各パイル間の空隙に取り込まれる。次に、ごみや埃を取り込んだまま外底21が床面を離れることに伴って、ごみや埃も床面から拭き取られる。このようにして、外底21により床面が拭き掃除されることになる。
パイルは、ループパイルとしても良いが、カットパイルとすることが好ましい。ループパイルとした場合には、たとえば、床面のささくれにループが引っ掛かりパイルが解れてしまうことがあるのに対し、カットパイルとした場合には、そのようなことがないためである。なお、ル―プパイルとする場合には、それぞれのループパイルを撚り合わせてもよい。
パイル長さが長ければ長い程、拭き取りやすくなるが、歩きにくくなる。一方、パイル長さが短ければ短い程、拭き取りにくくなるが、歩きやすくなる。そこで、パイル長さは、これらの性質を両立させることができる点において、3〜12mmであることが好ましく、5〜10mmであることがより好ましい。
パイルをなす繊維は、特に限定されないが、合成繊維であることが好ましく、極細繊維であることがより好ましく、特に、放射線状をなす一の成分とその周囲にあって楔形状をなす他の成分とを組み合わせてなる横断面形状を有する複合繊維から、一の成分の一部を溶解して両成分を剥離分割することにより得られる極細繊維であることが更に好ましい。極細繊維とした場合には、その各繊維間の空隙にごみや埃を残さず取り込むことができ、特に、前記のとおりの特定の極細繊維とした場合には、多角形の鋭い端部により汚れをしっかりこすり落とすことができる。
極細繊維は、絹より細い繊維をいい、より詳細には、単繊維繊度が1デニール以下の繊維をいい、0.001デニール以上が好ましく、0.6デニール以下が好ましく、0.3デニール以下がより好ましい。
二以上の樹脂成分の組み合わせは、たとえば、ポリアミド成分とポリエステル成分、ポリアミド成分とポリエチレン成分、ポリアミド成分とポリプロピレン成分、ポリアミド成分とポリアクリロニトリル系ポリマー成分、ポリエステル成分とポリエチレン成分、ポリエステル成分とポリプロピレン成分がある。
また、二以上の樹脂成分の組み合わせ方は、その横断面形状により区別すると、たとえば、放射線状をなす一の成分とその周囲にあって楔形状をなす他の成分とを組み合わせてなるもの、一の成分を海として他の成分を島状に分散させたもの、各成分が交互に放射模様をなすもの(中心部分が中空のものを含む。)、各成分が交互に層をなすものがある。
また、複合型繊維の分割方法は、二以上の樹脂成分のうち一方の一部若しくは全部の溶解又は物理的衝撃によるものがある。
以上のことから、外底21は、たとえば、放射線状をなすポリアミド成分とその周囲にあって楔形状をなすポリエステル成分とを組み合わせてなる横断面形状を有する複合繊維から、ポリエステル成分の一部を溶解して両成分を剥離分割することにより得られる単繊維繊度が0.13dの極細繊維からなり、パイル長さが5mmであるカットパイルを有する織物とすることができる。
また、ルームシューズ1のうち外底21を含む部分と当該部分以外の部分とを着脱可能としてもよい。これにより、外底21を含む部分を簡単に洗濯することができる。両者を着脱可能とするための方法は、線ファスナーであっても良いが、面ファスナーであることが安定性と着脱容易性とを両立させることができる点において好ましい。
[靴底2][内底22]
内底22は、履く者の足の裏を乗せる部分である。そのため、足の裏の輪郭に沿った形態に形成される。より詳細には、側面視において全体として平坦な形態に、平面視において足の裏のなす輪郭をその内側に含むことのできる輪郭をなす形態に、それぞれ形成される。
なお、内底22は、履く者の肌が直接触れる部分であるため、肌触りがよく、保温性があるもの、たとえば、織物、編物その他の布地からなることが好ましい。
布地をなす繊維は、天然繊維であることが肌触りの点において好ましく、合成繊維であることが洗濯して反復して使用できる点において好ましく、吸水・吸湿性、透湿性、保温性又は消臭・抗菌防臭性を有する機能性繊維であることが快適さの点においてより好ましい。また、これらの繊維を組み合わせて用いることが、これらの性質を両立させることができる点において更に好ましい。
以上のことから、内底22は、たとえば、ポリエステルと綿とを混紡してなる糸を織ってなる織物からなるものとすることができる。
内底22の表面の形態は、足の裏の表面の形態に沿うものであることが、ルームシューズ1と足との装着感を向上させることができる点で好ましい。たとえば、内底22の表面のうち土踏まずに対応する部分を隆起させたり、足の指の付け根から爪先までに対応する部分を畝状に隆起させたりすればよい。また、足の裏のツボに刺激を与えるための突起を一部又は全部に設けてもよい。
[靴底2][クッション層]
靴底2は、外底21及び内底22の間にクッション層を更に備えるものとしてもよい。これにより、ルームシューズ1を履く者が床面を歩く際に受ける衝撃を和らげるとともに床面から伝わる冷たさを断つことができる。さらに、履く者の自重により靴底2の内底22の表面の形状が自然と足の裏の形状に沿うものとなり、装着感を向上させることができる。
クッション層は、履いた時の感触の快適さの点において、低反発弾性を有するものからなることが好ましく、たとえば、低反発弾性ウレタンフォームを用いることができる。また、長時間履いた場合における足の裏への負担を軽減させる点において、高反発弾性を有するものからなることが好ましく、たとえば、高反発弾性ウレタンフォームを用いることができる。
[靴底2][中芯]
靴底2は、外底21と内底22との間に中芯を更に備えるものとしてもよい。これにより、ルームシューズ全体に適度な強度を与えて、形が崩れることを防ぐことができる。このような中芯は、たとえば、低密度ポリエチレンからなるものを用いることができる。
[靴底2][層構成]
外底21をパイル織編物からなるものとするためには、たとえば、片方の表面のみがパイルで覆われているパイル織編物のうち、パイルに覆われている方の面を外底21とし、パイルに覆われていない方の表面と内底22とを、直接、又は中芯若しくはクッション層を介して、くっつければよい。このとき、互いにくっつけられようとするものが、繊維層同士であれば縫い合わせることが好ましく、繊維層と樹脂層とであれば接着剤による接着が好ましい。
[甲皮3]
甲皮3は、ルームシューズ1のうち靴底2以外の部分であり、履く者の足首を覆うことにより保護する部分である。また、靴底2とともにルームシューズ1が足首から脱げないように両者を固定する部分である。そのため、甲皮3は、足首の一部又は全部を覆うことができる形態に形成される。
甲皮3の形態によって、ルームシューズ1は様々な態様をとることができる。たとえば、ルームシューズ1が長靴とすることは暖かさの点において好ましく、短靴とすることは履きやすさ及び脱ぎやすさの点において好ましい。長靴とするためには、甲皮3を足の膝の辺りまでを覆うもの、たとえば、履く者の足の爪先から脛までの部位を連続して覆うことができる形態に形成すればよい。また、短靴とするためには、甲皮3を履く者の足首を覆うもの、たとえば、足の爪先から甲、踝又はその近傍、踵までの部位を連続して覆うことができる形態に形成すればよい。特に、図1及び図4に示すとおり、足の爪先から甲、踝の下方近傍、踵までの部位を覆うことができる形態に形成することが、脱げにくさと履きやすさとを両立させることができる点において好ましい。さらに、踵の下方近傍の覆い方は、踝が露出するように、たとえば、腓骨と距骨とがなす足関節若しくは脛骨と距骨とがなす足関節に沿う曲線又はこれらの曲線の下方を沿うようにして足の皮膚を覆うことが、足首の動かしやすさ及びこのことに伴う歩きやすさの点においてより好ましい。また、足の甲及び踵の覆い方は、足の甲の全部及び踵の全部を覆ってもよいが、足の甲の一部又は踵の一部が露出するように当該一部以外の他の一部を覆ってもよい。
甲皮3のうち下端及び上端に当たる部分は、靴底2に連結されていない状態において、いずれも開口している。甲皮3の開口のうち下方にあるものの輪郭は、靴底2の輪郭の形状、すなわち、足の裏の輪郭に沿うものである。後記のとおり、靴底2に連結し、これを塞ぐためである。一方、甲皮3の開口のうち上方にあるものの輪郭は、足のうち踝又はその近傍における横断面の輪郭に沿うものである。後記のとおり、履き口4をなすためである。
なお、甲皮3は、履く者の肌が直接触れる部分であるため、肌触りがよく、保温性があるもの、たとえば、織物、編物その他の布地からなることが好ましく、二以上の布地を重ねて縫合してなるものであることが暖かさや履き心地の点においてより好ましい。また、織物又は編物からなることが伸縮性を得られる点において更に好ましい。
布地をなす繊維は、天然繊維であることが肌触りの点において好ましく、合成繊維であることが洗濯して反復して使用できる点において好ましく、吸水・吸湿性、透湿性、保温性又は消臭・抗菌防臭性を有する機能性繊維であることが快適さの点においてより好ましい。また、これらの繊維を組み合わせて用いることが、これらの性質を両立させることができる点において更に好ましい。
以上のことから、甲皮3は、たとえば、ポリエステルと綿とを混紡してなる糸を織ってなる織物からなる表地及び裏地を互いに縫い合わせたものとすることができる。
また、甲皮3のうち履く者の踵に対応する部分を、前方へ折り倒すことにより内底22と重ね合わせることができるように形成してもよい。踵に対応する部分及び当該部分に連なる部分を前方へ折り倒して内底22に重ねることによって、ルームシューズ1をスリッパであるかのように履くことできる。
[靴底2][甲皮3][共通事項]
ルームシューズ1においては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ビラニール、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ビニリデン、ポリウレタン、ポリ乳酸その他の合成繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセル、アセテート、トリアセテートその他の再生繊維その他の化学繊維を、綿、絹、麻、羊毛その他の天然繊維を、これらのほか、アクレリート系繊維、エチレンビニルアルコール繊維その他の公知の繊維を、単独で又は組み合わせて、それぞれ用いることができる。
[靴底2と甲皮3]
甲皮3は、靴底2の上方に、かつ、これに接して連結される。より詳細には、靴底2の外周側面に、又は、靴底2の内底22の周縁に、甲皮3のうち、下方に開口する部分の周縁が連結される。連結の方法は、破れにくさの点において縫着が好ましいが、接着や溶着であっても構わない。
靴底2と甲皮3とが連結されることにより、甲皮3のうち下方の端にある開口は閉塞される。これにより、靴底2と甲皮3とは一体となって、履く者の足首を包むものとなる。そのため、ルームシューズ1は脱げにくいものとなる。
[履き口4]
一方、靴底2と甲皮3が連結された状態においても、甲皮3のうち上方の端にある開口は開口したままである。そのため、甲皮3の開口のうち上方にあるものは、そのまま上方向に開口する履き口4となる。上記のとおり、甲皮3の開口のうち上方にあるものの輪郭は、足のうち踝若しくはその近傍又は脛における横断面の輪郭に沿うものであるが、このような開口であれば、足の爪先から甲、踝若しくはその近傍、踵又は脛までの各部位を通すことができる。さらに、ここで、甲皮が織物又は編物からなるものである場合には、甲皮3に伸縮性が生じるので、履き口4の口径を伸縮により一時的に大きくすることができ、履きやすく、かつ、脱げにくいルームシューズとすることができる。
[ルームシューズ1の使用]
ルームシューズ1を履こうとする者は、甲皮3の上端において上方に開口する履き口4に対し、まず、足の爪先から靴底の内底22に対して角度をつけた状態で挿入し、そのまま足の甲を挿入してゆき、足の爪先が甲皮3の内側の前方の端に当たる程度にまで挿入した段階において上から下へと踵を落とすようにして靴底2の内底22に着地させることにより、足首を靴底2と甲皮3により包まれた状態とし、ルームシューズ1を履くことができる。
図4に示すとおり、ルームシューズ1に対し、履き口4を通して履く者の足首が挿入され、そのまま包まれている。より詳細には、図4に示されないが、足首のうち足の裏は内底22に乗せられており、図4に示すとおり、足首のうち足の爪先から甲、踝の下方近傍から踝までの部位は甲皮3によって覆われている。
ルームシューズ1にあっては、履く者の足首の一部又は全部が靴底2と甲皮3とにより包まれることになる。そのため、履けば暖かく、しかも、脱げにくい。
さらに、このように脱げにくいルームシューズ1の靴底2の外底21がパイル織編物からなる。そのため、ルームシューズ1を履く者の動きは、摺り足に限られることがなく、あたかも素足である場合と変わることがない。そのため、歩くだけで掃除をすることは当然として、床面の隅や角のごみや埃も容易に取り除くことができる。
以上のとおりであるから、ルームシューズ1によれば、履けば暖かく、しかも、履いて歩くだけで楽に床面の掃除をすることができる。
1 ルームシューズ
2 靴底
21 外底
22 内底
3 甲皮
4 履き口

Claims (3)

  1. ルームシューズの靴底の外底が、パイルを有する織物又は編物からなるルームシューズ。
  2. 前記パイルが、カットパイルである請求項1記載のルームシューズ。
  3. 前記パイルが、極細繊維からなる請求項1又は2記載のルームシューズ。
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