JPH07330244A - エレベータ制御装置 - Google Patents

エレベータ制御装置

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Publication number
JPH07330244A
JPH07330244A JP6124094A JP12409494A JPH07330244A JP H07330244 A JPH07330244 A JP H07330244A JP 6124094 A JP6124094 A JP 6124094A JP 12409494 A JP12409494 A JP 12409494A JP H07330244 A JPH07330244 A JP H07330244A
Authority
JP
Japan
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pulley
elevator
rope
pulley housing
housing
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Application number
JP6124094A
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English (en)
Inventor
Shota Suzuki
祥太 鈴木
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Mitsubishi Electric Building Solutions Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主ロープの偏りの影響を打ち消す補助ロープ
を有し、その補助ロープに張力を与えるテンションプー
リの高さの変動を監視してエレベータを制御するするエ
レベータ制御装置において、その変動が何らかの異常に
よるものか、それともロープの経年的な伸縮によるもの
かを区別し、きめ細かい運行制御を行うことを可能にす
る。 【構成】 テンションプーリ5を収納するプーリハウジ
ング4の側面には、昇降路壁面に固定されたローラ式ス
イッチ1及び2が上下に所定間隔だけ離間して当接され
ている。ローラ式スイッチ1及び2の両方がオン状態で
あれば、プーリハウジング4は正常な高さ範囲にあると
判定してエレベータを通常運行させる。また、いずれか
一方だけがオフになった場合は、ロープ長さの経年的変
動によるものと判定して制限状態で運行させる。そし
て、両方がオフになると異常と判定してエレベータを停
止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータ制御装置に
関し、特に高層建築物用エレベータ等のように補助ロー
プを有するエレベータを制御するためのエレベータ制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータの駆動方式としては、巻上機
の綱車に主ロープをつるべ式にかけ、その主ロープの両
端にかご及びつり合いおもりを吊り下げ、巻上機によっ
てロープを巻き上げることによりエレベータかご及びつ
り合いおもりを昇降させるという方式が広く用いられて
いる。
【0003】近年、建築物の高層化が進んでいるが、そ
のような高層建築物に設置されるエレベータにおいて
は、昇降行程の増大に伴い、かごを吊り下げる主ロープ
の長さが極めて長くなっている。このように主ロープが
長くなると、かごが最上階や最下階にきた場合に、かご
側とつり合いおもり側とで主ロープの長さに著しいアン
バランスが生じる。例えば、かごが最上階に来た場合で
は、つり合いおもり側の主ロープの長さがかご側に比べ
て著しく長くなる。
【0004】主ロープにはかごの重量やつり合いおもり
の重量の他に主ロープ自身の重量が加わってくるので、
かご側とつり合いおもり側とで主ロープの長さに大きな
差があると、主ロープの自重の差によって、主ロープに
かかる荷重に著しいアンバランスを生じる。
【0005】このように主ロープの荷重に著しいアンバ
ランスが生じると、巻上機のモータへの負担が増大した
り、主ロープが綱車に対して滑りやすくなったりすると
いう問題があった。
【0006】そこで、従来より、このような主ロープ荷
重のアンバランスをなくすために、図6あるいは図7に
示すように、かご及びつり合いおもりの下部に補助ロー
プ(コンペンロープと呼ばれる)を取り付けることによ
り、主ロープの長さのアンバランスを補償していた。こ
れを、図6を例にとって説明する。
【0007】図6において、主ロープ9は、巻上機(図
示せず)の綱車11とそらせ車12に懸けられており、
かご10及びつり合いおもり13を吊り下げている。か
ご10が最上階に来たときは、主ロープ9は、つり合い
おもり13側がかご10側に比べて著しく長くなるが、
これに対して補助ロープ3は、かご10側で長くなりつ
り合いおもり側で短くなる。従って、主ロープ9と補助
ロープ3の長さの和は、かご10側とつり合いおもり1
3側とでほぼ等しくなり、主ロープにかかる荷重のアン
バランスは解消される。このように、補助ロープ3を設
けることにより、かご10がどのような位置に来た場合
でも、主ロープと補助ロープの長さの和が、かご10側
とつり合いおもり13側とでほぼ等しくなるので、ロー
プの偏りに起因する主ロープ荷重のアンバランスが解消
される。
【0008】なお、補助ロープ3が弛んでしまうと、主
ロープ荷重のアンバランスの補償作用を十分果たすこと
ができないので、図6のエレベータでは、補助ロープ3
の下端にテンションプーリ(コンペンプーリと呼ばれ
る)5を吊り下げ、テンションプーリ5の自重により補
助ロープ3に張力を与えることにより、補助ロープ3が
弛まないようにしている。
【0009】図5は、テンションプーリ5の周辺構成を
さらに詳しく示した図であり、図に示すようにテンショ
ンプーリ5はプーリハウジング4に収納されている。こ
こで、プーリハウジング4は、図示しないガイドレール
に沿って上下方向に摺動自在となっている。そして、プ
ーリハウジング4の側面には、ローラ式スイッチ8が設
けられている。このローラ式スイッチ8は、ピット壁面
に固定され、ローラ部8aがプーリハウジング4に当接
している。
【0010】このローラ式スイッチ8は、テンションプ
ーリ5及びプーリハウジング4が正常位置にあるかを監
視するために設けられている。すなわち、例えばテンシ
ョンプーリ5が下降してピット床面に着地してしまった
場合、補助ロープ3に対して張力を与えられなくなり、
補助ロープ3は弛んでしまい本来の役割を果たせなくな
る。このような場合、極端には、補助ロープの断線事故
の可能性も考えられる。また逆に、テンションプーリ5
が上方に異常に持ち上がった場合は、補助ロープ3が何
かに引っ掛かってしまっている等の異常が考えられる。
このようにテンションプーリ5及びプーリハウジング4
が異常に上下動した場合、ローラ部8aがプーリハウジ
ング4から外れ、それによりスイッチが切れるので、異
常を知ることができる。
【0011】ローラ式スイッチ8は、ローラ部8aがプ
ーリハウジング4側面の中央付近に接触するように昇降
路壁面等に固定されており、テンションプーリ5の位置
が正常範囲に有るときには、ローラ部8aがプーリハウ
ジング4の側面に押し付けられた状態となっている。
【0012】これに対し、前述のような異常が発生する
と、テンションプーリ5が正常範囲以上に上下動し、ロ
ーラ部8aがプーリハウジング4の側面から外れてしま
う。すると、ローラ式スイッチ8が切れ、それを感知し
たエレベータの制御装置(図示せず)は安全回路を作動
させる。安全回路が作動すると、エレベータは急停止
し、ドアが駆動不能となっていた。
【0013】ここで、テンションプーリ5の位置は、エ
レベータが正常運転している場合でも、かご10内の荷
重の大小や、かご10及びつり合いおもり13の位置関
係によって上下する。これを図6及び図7を用いて説明
する。
【0014】図6及び図7は、かご10内が無負荷の場
合におけるかご10の停止位置の違いによるテンション
プーリ5とピット床との距離の関係を示している。この
場合、かご10内は無負荷なので、かご10の荷重より
もつり合いおもり13の荷重の方が大きい。従って、か
ご側よりもつり合いおもり側の方が主ロープの伸び率が
大きくなる。
【0015】よって、図6に示すように、かご10が最
上階に停止した場合、つり合いおもり13は昇降路最下
部付近に位置する。このとき、つり合いおもり13側の
主ロープ9の長さが最大となるため、つり合いおもり1
3の荷重によってつり合いおもり側の主ロープ9は大き
く伸び、全体として主ロープ9の伸び量は最大となる。
したがって、テンションプーリ5は低い位置まで下が
り、ピット床との距離Xは最小値となる。
【0016】一方、図7に示すようにかご10が最下階
に停止した場合は、つり合いおもり13は昇降路最上部
付近に位置する。この場合は、つり合いおもり13側の
主ロープの長さが最小となるため、全体としての主ロー
プ9の伸び量は最小となり、テンションプーリ5は高い
位置に上がり、ピット床との距離Yは最大値となる。
【0017】以上が、かご10内が無負荷の場合のテン
ションプーリ5の位置変動のパターンである。なお、か
ご10が無負荷の場合だけでなく、バランスロード(か
ごとつり合いおもりがちょうどバランスするときのかご
内の荷重)以下でも、テンションプーリ5は同様のパタ
ーンで位置変動する。
【0018】これに対して、かご10の負荷がバランス
ロード以上の場合は、かご10の荷重とつり合いおもり
13の荷重の大小関係が無負荷の場合と逆になるので、
テンションプーリ5の位置関係も無負荷の場合と逆にな
る。
【0019】このようにテンションプーリ5はかご10
の昇降に伴って上下動するが、この上下動の幅はそれほ
ど大きいものではなく、ローラ式スイッチ8がプーリハ
ウジング4側面の中央付近にある場合は、その程度の上
下動ではローラ部8aはプーリハウジング4から外れな
い。したがって、このようにローラ式スイッチ8がプー
リハウジング4側面の中央付近に位置している状態で
は、何らかの異常が起こらない限りスイッチが切れるこ
とはなく、ローラ式スイッチ8はテンションプーリ5の
位置の異常を検出する装置として正常に動作する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、経年的
にエレベータを使用していると、主ロープ9及び補助ロ
ープ3が伸縮して、プーリハウジング4が上方あるいは
下方に移動し、ローラ式スイッチ8の位置がプーリハウ
ジング4の中央付近からずれて上又は下に大きく偏って
くる場合がある。このような場合、ローラ部8aとプー
リハウジング4の上端又は下端とのマージンが小さくな
り、エレベータの通常の昇降動作に伴うテンションプー
リ5の位置変動程度の動きで、ローラ式スイッチ8のロ
ーラ部8aがプーリハウジング4から外れてしまう可能
性が出てくる。したがって、このような場合、補助ロー
プ3には異常が生じていないのにも関わらず、安全回路
が作動してエレベータが停止し、ドアが駆動不能となっ
てしまうというおそれがあった。このときに、かご10
内に乗客がいると、かん詰め故障になる。
【0021】本発明は前述の問題点を解決するためにな
されたものであり、テンションプーリの位置変動が、エ
レベータの正常の昇降動作によるなのか、それともなん
らかの異常によるものなのかを判別し、それぞれの場合
に応じてエレベータを安全に動作させることができるエ
レベータ制御装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明に係るエレベータ制御装置
は、主ロープによって連結されたエレベータかごとつり
合いおもりとの下端を結合する補助ロープと、前記補助
ロープにテンションを与えるテンションプーリと、前記
テンションプーリを保持し、上下方向に摺動自在のプー
リハウジングと、前記プーリハウジングの上下位置を検
出するセンサと、前記センサの出力信号に応じてエレベ
ータを制御する制御部とを有するエレベータ制御装置に
おいて、前記センサが、昇降路下端のピットの壁面に固
定された2つのセンサ素子からなり、これら2つのセン
サ素子は前記プーリハウジングの側面に沿って上下に所
定距離だけ離間配置されていることを特徴とする。
【0023】また、請求項2記載の発明にかかるエレベ
ータ制御装置は、主ロープによって連結されたエレベー
タかごとつり合いおもりとの下端を結合する補助ロープ
と、前記補助ロープにテンションを与えるテンションプ
ーリと、前記テンションプーリを保持し、上下方向に摺
動自在のプーリハウジングと、前記プーリハウジングの
上下位置を検出するセンサと、前記センサの出力信号に
応じてエレベータを制御する制御部とを有するエレベー
タ制御装置において、前記プーリハウジングの側面に、
前記プーリハウジングの中央部を挟んで上下方向に所定
の広がりを有する第1の範囲と、前記第1の範囲の上端
からプーリハウジングの上端部までの第2の範囲と、前
記第1の範囲の下端からプーリハウジングの下端部まで
の第3の範囲と、の3つの範囲が識別可能な形状を有す
る識別部材が設けられ、前記センサは、昇降路下端のピ
ット壁面に固定され、そのセンサと同じ高さに前記識別
部材が存在するか否かを識別するとともに、前記識別部
材が存在する場合にはそのセンサと同じ高さに位置する
のが前記3つの範囲のいずれの範囲であるかを識別し、
それら識別結果に応じた出力信号を生成することを特徴
とする。
【0024】
【作用】請求項1記載の発明では、2つのセンサ素子が
プーリハウジングの側面に沿って上下に離間配置されて
おり、この2つのセンサ素子のオン/オフ出力の組み合
わせにより、プーリハウジングの上下位置変動が、エレ
ベータの異常によるものなのか、それとも主ロープや補
助ロープの経年的な伸縮にエレベータの通常の昇降動作
に伴うプーリハウジングの上下動が加わったものなのか
を識別することができる。すなわち、センサ素子はプー
リハウジングの存在を検出している場合にオン状態にな
るとすると、両方のセンサ素子がオンであれば、プーリ
ハウジングは正常位置範囲にあると判別できる。また、
両方がオフとなった場合は、プーリハウジングが正常位
置範囲から大きく外れたことになり、エレベータ(特に
補助ロープ)に何らかの異常が生じたものと判別でき
る。そして、2つのセンサ素子のうち、一方がオンで他
方がオフとなった場合は、プーリハウジングは正常位置
範囲から僅かに外れただけであり、これは主ロープや補
助ロープの経年的な伸縮にエレベータの通常の昇降動作
に伴うプーリハウジングの上下動が加わった結果生じた
事態であると判別できる。したがって、制御部は、この
ような2つのセンサ素子の状態の組み合わせに従い、上
述した各場合に合った適切な制御を行うことができる。
【0025】例えば、センサ素子が両方ともオンの場合
はエレベータに通常運転を行わせ、一方がオンで一方が
オフになった場合には、動作を制限しながらエレベータ
を運行させる。そして、センサ素子の両方がオフになっ
て初めて、危険回避のためにエレベータを停止させ、ド
アを駆動不能とする。
【0026】また、請求項2記載の発明では、プーリハ
ウジングの側面に、プーリハウジングの上下位置を識別
するための識別部材が設けられている。この識別部材
は、3つの範囲に識別可能な形状を有している。そし
て、センサは、そのセンサと同じ高さに識別部材が存在
するか否か、及び存在する場合には識別部材のどの範囲
がセンサの高さに来ているのかを識別する。センサが識
別部材の第1の範囲を検出した場合には、プーリハウジ
ングは正常位置範囲にあるものと判別できる。センサが
第2又は第3の範囲を検出した場合は、プーリハウジン
グは正常位置範囲から僅かに外れただけであり、これは
主ロープや補助ロープの経年的な伸縮にエレベータの通
常の昇降動作に伴うプーリハウジングの上下動が加わっ
た結果生じた事態であると判別できる。そして、センサ
が識別部材を検出しなかった場合は、プーリハウジング
が正常位置範囲から大きく外れたことになり、エレベー
タに何らかの異常が生じたものと判別できる。制御部
は、センサの識別結果に従い、各場合に合った適切な制
御を行うことができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0028】図1は、本発明に係るエレベータ制御装置
の第1実施例の要部を示す概略図である。なお、図1に
おいて、図4の従来装置の部材と同一、又はそれに相当
する部材には、同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0029】図1において、ピット壁面には2つのロー
ラ式スイッチ(以下、スイッチと呼ぶ)1及び2が固定
されており、これらスイッチ1及び2のローラ部1a及
び2aは、通常状態においてはプーリハウジング4の側
面に当接している。ここで、プーリハウジング4の高さ
Hは、エレベータの規模にもよるが一般に70〜100
cmであり、これに対して、ローラ部1a及び2bがプ
ーリハウジング4から外れるまでのマージン(距離)d
1 及びd2 は、初期設定時あるいは点検時に、例えば5
〜10cm程度になるように調整される。このとき、d
1 、d2 は互いに等距離になるように調整される。この
ように調整された状態では、エレベータの通常の昇降動
作に伴ってプーリハウジング4が上下動したとしても、
そのような上下動の幅はマージンd1 、d2 より小さい
ので、ローラ部1a及び2aはプーリハウジング4から
外れない。
【0030】このような構成において、例えば主ロープ
9及び補助ロープ3が経年的変化により伸びた場合、テ
ンションプーリ5及びプーリハウジング4は下がり、上
方のスイッチ1のマージンd1 が小さくなる。そして、
主ロープ9及び補助ロープ3がある程度以上伸びると、
エレベータの通常の昇降動作に伴うテンションプーリ5
の位置変動(このような位置変動のことを、以下「正常
位置変動」と呼ぶ)程度の小さな動きでも、ローラ部1
aがプーリハウジング4から外れてしまうような状態と
なる。
【0031】また逆に、例えば雨期などには、湿度の上
昇によりロープの麻芯が吸湿して太くなるためロープの
長さが短くなるが、このような場合、プーリハウジング
4が上昇し、下方のスイッチ2のマージンd2 が小さく
なる。そして、ロープがある程度以上縮むと、テンショ
ンプーリ5の正常位置変動でもローラ部2aが外れてし
まう状態となる。
【0032】このように経年的変動等によりロープが伸
縮すると、スイッチ1又は2のいずれか一方が切れやす
い(オフされやすい)状況となるが、このような場合で
も、テンションプーリ5の正常位置変動程度の動きで
は、2つスイッチのうちの一方が切れるだけであり、両
方が同時に切れることはない。したがって、2つのスイ
ッチの一方が切れただけでは、それはロープ長さの経年
的変動の結果であると考えられ、ロープ切断等の重大な
異常は起こっていないものと判断できる。
【0033】これに対し、スイッチが両方とも切れた場
合は、テンションプーリ5及びプーリハウジング4の位
置変動は極めて大きく、主ロープ9または補助ロープ3
に何らかの異常が生じたものと判断できる。
【0034】したがって、本実施例では、スイッチ1及
び2のオン/オフ状況を監視することにより、テンショ
ンプーリ5の位置変動が、ロープ長さの経年的変動に起
因するものか、それとも何らかの重大な異常によるもの
かを判別することができる。
【0035】以下、このような原理に基づいた本実施例
におけるエレベータの制御方法について図2のフローチ
ャートを参照して説明する。
【0036】まず、かご10に設けられた荷重センサに
よりかご10内の荷重が検出され、その信号が制御部に
入力される(S101)。このような荷重センサは、エ
レベータの定員オーバー等を検出するためにかご10に
通常設置されているものを利用すればよい。このかご内
荷重を示す信号は、かご内荷重がバランスロード以上か
以下かでエレベータの運行条件を変えるために用いる。
【0037】同時に、制御部にはスイッチ1及び2のオ
ン/オフ状態を表す信号が入力される(S102)。
【0038】本実施例では、かご内荷重がバランスロー
ド以下の場合とバランスロードより大きい場合とで、エ
レベータの運行条件を切り換える(S103)。
【0039】かご内荷重がバランスロード以下の場合、
スイッチ1のオン/オフ状態(S104)、スイッチ2
のオン/オフ状態(S105及びS106)を調べる。
そして、両方ともがオン(すなわち、ローラ部1a及び
2aがともにプーリハウジング側面に当接した状態)な
らば、制御部はエレベータを通常運転可能な状態とし、
上昇(UP)、下降(DOWN)ともに可能とする(S
110)。
【0040】また、スイッチ1がオンでスイッチ2がオ
フであれば、上昇方向のみ運行可能とする(S11
1)。この状態は、プーリハウジングが正常位置範囲か
ら少し上方にずれた状態となったことを示している。か
ご内荷重がバランスロード以下の場合、この状態から更
にかご10を下降させると、プーリハウジング4が更に
上昇してしまい、かご10が昇降路下端に来た場合にか
ご10とプーリハウジング4が干渉する可能性が高くな
る。逆に、かご10を上昇させればプーリハウジング4
を下降させることができるので、かご10を上昇させる
ことによりプーリハウジング4の高さを正常範囲に戻す
ことができる。
【0041】一方、スイッチ1がオフでスイッチ2がオ
ンの場合は、下降方向のみ運転可能とする(S11
2)。この状態は、プーリハウジングが正常位置範囲か
ら少し下方にずれた状態となったことを示している。か
ご内荷重がバランスロード以下の場合、この状態から更
にかご10を上昇させると、プーリハウジング4が更に
下降してしまい、ピット床面と干渉する可能性が高まっ
てしまう。逆に、かご10を下降させればプーリハウジ
ング4を上昇させることができるので、プーリハウジン
グ4の高さを正常範囲に戻すことができる。
【0042】そして、スイッチ1、2がともにオフとな
った場合は、補助ロープ等に何らかの異常が生じたもの
と考えられるので、エレベータを停止させ、ドアを駆動
不能とする(S113)。
【0043】また、S103において、かご内荷重がバ
ランスロード以上の場合は、運行条件をかご内荷重がバ
ランスロード以下の場合と逆にする。
【0044】すなわち、スイッチ1のオン/オフ状態
(S107)、及びスイッチ2のオン/オフ状態(S1
08及びS109)を検出し、両方がオンならば制御部
はエレベータを通常運転可能とし(S110)、両方が
オフならばエレベータの運行を停止させる(S11
3)。そして、スイッチ1がオンでスイッチ2がオフで
あれば、下降方向のみ運行可能とする(S112)。一
方、スイッチ1がオフでスイッチ2がオンの場合は、上
昇方向のみ運転可能とする(S111)。
【0045】このように、本実施例では、スイッチ1、
2の両方がオフになった場合にのみ、補助ロープ等に異
常が発生したと判断し、従来と同様の異常時制御を行
う。これに対して、スイッチ1、2の一方がオフになっ
ただけでは、従来のような異常時制御を行わず、プーリ
ハウジング4が正常位置範囲からそれ以上外れないよう
にエレベータの運行を制御する。そして、このような運
行制御と同時に、スイッチ1及び2のいずれか一方でも
オフになった場合は、その旨が外部のエレベータ管理者
等に報知され、必要に応じて修理やロープ長さの調節が
行われる。すなわち、スイッチ1及び2のうち一方のみ
がオフになった場合、その状態自体はロープ長さの経年
的変動によるものと考えられ、異常事態の可能性は低い
が、そのような状態のままではエレベータの運行が制限
されるので、前述したように運行条件を切り換えて制限
された運行を開始した後、適切な時期に点検やロープ長
さの調節等の処置を行う。このような処置は、スイッチ
の一方がオフになると自動的に前述したような制限され
た運行を行いエレベータを適切な階に停止させ、乗客を
全て降ろしてからエレベータの運行を中止し、その後に
行えばよい。また、しばらく前述したような制限された
運行条件でエレベータを運行させ、作業員が到着してか
らエレベータを停止させて処置を行うようにしてもよ
い。
【0046】以上説明したように、本実施例によれば、
プーリハウジング4の上下位置変動が、主ロープ又は補
助ロープの長さの経年的な伸縮に起因するものなのか、
それとも突発的な異常によるものなのかを判別すること
ができる。そして、プーリハウジング4の高さが正常範
囲から外れた場合でも、それがロープ長さの経年的変動
によるものであると判断される場合は、エレベータの運
行停止までは行わずに、運行条件を制限しつつエレベー
タを運行させる。これにより、突発的な異常事態でもな
いのにエレベータが停止し、乗客がかん詰め状態になっ
てしまうというような事態を防ぐことができる。
【0047】次に本発明の第2実施例について説明す
る。図3は、第2実施例の要部を示す概略図である。な
お、図1の各部材と同一またはそれに相当する部材につ
いては同一符号を付して説明を省略する。
【0048】本実施例においては、プーリハウジング4
の側面には、高さを識別するための識別部材として、三
角形上の鉄製プレート7が設けられている。そして、ピ
ット壁面には差動トランス6が固定されている。なお、
この差動トランス6はプレート7を挟み込むように配置
されている。
【0049】本実施例では、プレート7を、プーリハウ
ジング4が正常な高さ範囲にあることを示す正常範囲
(図3中の範囲A)、その正常範囲の上端からプーリハ
ウジング4の上端までの範囲(図3中の範囲B)、正常
範囲の下端からプーリハウジング4の下端までの範囲
(図3中の範囲C)の3つの範囲に分ける。そして、差
動トランス6に対するプレート7のくい込み量を検出
し、検出されたくい込み量から、差動トランス6の高さ
に位置しているのはプレート7の3つの範囲のうちどの
範囲であるかを判定する。
【0050】範囲Aが差動トランス6の高さに位置して
いる場合は、プーリハウジング4は正常範囲に位置して
いることになるので、第1実施例において両方のスイッ
チがオンになった場合と同様に、エレベータを通常どお
りに運行させる。
【0051】また、範囲Bが差動トランス6の高さにき
た場合は、プーリハウジング4が正常範囲より少し下が
ったことになるので、第1実施例においてスイッチ1が
オフでスイッチ2がオンになった場合と同様の制御を行
う。すなわち、かご内がバランスロード以下の場合は下
降方向のみ運行可能とし、かご内がバランスロード以上
の場合は上昇方向のみ運行可能とする。
【0052】また、範囲Cが差動トランス6の高さにき
た場合は、プーリハウジング4が正常範囲より少し上が
ったことになるので、第1実施例においてスイッチ2が
オフでスイッチ1がオンになった場合と同様の制御を行
う。すなわち、かご内がバランスロード以下の場合は上
昇方向のみ運行可能とし、かご内がバランスロード以上
の場合は下降方向のみ運行可能とする。
【0053】そして、プーリハウジング4が差動トラン
ス6から完全に外れ、差動トランス6へのプレート7の
くい込み量が0になった場合は、異常事態が発生したも
のと判断して、エレベータを停止する。
【0054】このように、本実施例でも、前述の第1実
施例同様、プーリハウジング4の高さが正常範囲から外
れた場合でも、それが異常によるものなのか、それとも
ロープ長さの経年的変動によるものなのかを判別するこ
とができ、それぞれの場合に応じた適切な運行制御を行
うことができる。
【0055】なお、本実施例では、プレート7が三角形
形状であったが、プレート7の形状はこれに限らず、前
述の3つの範囲が識別できる形状であればよく、例えば
図4に示すように階段状としてもよい。このようにプレ
ート形状を階段状とすれば、範囲の区別はさらに容易に
なる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プーリハウジングの上下位置変動が、主ロープ又は補助
ロープの長さの経年的な伸縮に起因するものなのか、そ
れとも突発的な異常によるものなのかを判別することが
できる。そして、この判別の結果にしたがってエレベー
タの運行条件を変更することにより、異常事態でもない
のにエレベータが停止してしまうというような状況を防
ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるプーリハウジング
及びその周辺の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施例におけるエレベータ制御の
流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例の構成を示す概略図であ
る。
【図4】第2実施例の他の構成例を示す概略図である。
【図5】従来のエレベータにおけるプーリハウジング及
びその周辺の構成を示す概略図である。
【図6】かごの位置とプーリハウジングの高さとの関係
を説明するための図である。
【図7】かごの位置とプーリハウジングの高さとの関係
を説明するための図である。
【符号の説明】
1、2 ローラ式スイッチ 1a、2a ローラ部 3 補助ロープ 4 プーリハウジング 5 テンションプーリ 6 差動トランス 7 プレート 9 主ロープ 10 かご 11 巻上機綱車 12 そらせ車 13 つり合いおもり
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】なお、補助ロープ3が弛んでしまうと、
上機の綱車は主ロープ荷重のアンバランス量を保持する
トラクション能力を十分発揮することができないので、
図6のエレベータでは、補助ロープ3の下端にテンショ
ンプーリ(コンペンプーリと呼ばれる)5を吊り下げ、
テンションプーリ5の自重により補助ロープ3に張力を
与えることにより、補助ロープ3が弛まないようにして
いる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】ローラ式スイッチ8は、ローラ部8aがプ
ーリハウジング4側面の中央付近に接触するようにプー
リハウジングのガイドレール等に固定されており、テン
ションプーリ5の位置が正常範囲に有るときには、ロー
ラ部8aがプーリハウジング4の側面に押し付けられた
状態となっている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主ロープによって連結されたエレベータ
    かごとつり合いおもりとの下端を結合する補助ロープ
    と、 前記補助ロープにテンションを与えるテンションプーリ
    と、 前記テンションプーリを保持し、上下方向に摺動自在の
    プーリハウジングと、 前記プーリハウジングの上下位置を検出するセンサと、 前記センサの出力信号に応じてエレベータを制御する制
    御部と、 を有するエレベータ制御装置において、 前記センサは、昇降路下端のピットの壁面に固定された
    2つのセンサ素子からなり、これら2つのセンサ素子は
    前記プーリハウジングの側面に沿って上下に所定距離だ
    け離間配置されていることを特徴とするエレベータ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 主ロープによって連結されたエレベータ
    かごとつり合いおもりとの下端を結合する補助ロープ
    と、 前記補助ロープにテンションを与えるテンションプーリ
    と、 前記テンションプーリを保持し、上下方向に摺動自在の
    プーリハウジングと、 前記プーリハウジングの上下位置を検出するセンサと、 前記センサの出力信号に応じてエレベータを制御する制
    御部と、 を有するエレベータ制御装置において、 前記プーリハウジングの側面には、前記プーリハウジン
    グの中央部を挟んで上下方向に所定の広がりを有する第
    1の範囲と、前記第1の範囲の上端からプーリハウジン
    グの上端部までの第2の範囲と、前記第1の範囲の下端
    からプーリハウジングの下端部までの第3の範囲と、の
    3つの範囲が識別可能な形状を有する識別部材が設けら
    れ、 前記センサは、昇降路下端のピット壁面に固定され、そ
    のセンサと同じ高さに前記識別部材が存在するか否かを
    識別するとともに、前記識別部材が存在する場合にはそ
    のセンサと同じ高さに位置するのが前記3つの範囲のい
    ずれの範囲であるかを識別し、それら識別結果に応じた
    出力信号を生成することを特徴とするエレベータ制御装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002356283A (ja) * 2001-05-24 2002-12-10 Otis Elevator Co エレベータのロープ伸び検出装置および安全運転方法
JP2021100870A (ja) * 2019-12-24 2021-07-08 東芝エレベータ株式会社 ロープ検査方法、ロープ検査システム、および、プログラム

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