JPH07327602A - 甘茶葉エキスの苦味・渋味除去方法 - Google Patents

甘茶葉エキスの苦味・渋味除去方法

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JPH07327602A
JPH07327602A JP12663594A JP12663594A JPH07327602A JP H07327602 A JPH07327602 A JP H07327602A JP 12663594 A JP12663594 A JP 12663594A JP 12663594 A JP12663594 A JP 12663594A JP H07327602 A JPH07327602 A JP H07327602A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 甘茶葉エキスに、シクロデキストリンを作用
させ、該エキス中に含まれる配糖体類等をシクロデキス
トリンに包接させることを特徴とする甘茶葉エキスの苦
味・渋味除去方法。甘茶葉エキスに、澱粉質の存在下で
α-グルコシル転移酵素を作用させ、該エキス中に含ま
れる配糖体類をα-グルコシル化することを特徴とする
甘茶葉エキスの苦味・渋味除去方法。 【効果】 本発明によれば、苦味・渋味が消失したエキ
スが得られ、該エキスの摂取が著しく容易になる。しか
も、得られたエキス、特にα-グルコシル化甘茶葉エキ
スは、酸性溶液中での溶解安定性に優れており、酸性飲
料に添加して用いるのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、甘茶葉エキスの苦味・渋
味の除去方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】甘茶(Hydrangea macrophylla va
r.Thunbergii)は、ユキノシタ科の落葉灌木で長野県等
各地に自生し、また栽培もされており、その葉は発酵さ
せて茶(甘茶)に製して飲用され、また醤油の製造、糖
尿病治療などに用いられている。
【0003】この甘茶葉を発酵させて抽出し、あるいは
甘茶葉を発酵させずにそのまま抽出して得られる甘茶葉
エキスには、甘味物前駆体のフィロズルチン8-グルコ
シドや甘味成分のフィロズルチン(Phyllodulcin)以外
に、ケンフェロール、ケルセチン、イソケルシトリン、
ルチン等のフラボノイドや、他の未同定の有効成分が存
在することが予想され、甘茶葉エキスをそのまま全量摂
取すれば複合的な効果が期待できる。
【0004】しかしながら、この甘茶葉エキスには、苦
味、渋味があり、また、酸性飲料に対する溶解性に劣
り、そのまま全量摂取するには不都合である。このた
め、甘茶葉エキスから特定の成分を取り出すのではな
く、甘茶葉エキスを全体として摂取でき、しかも苦味・
渋味がほとんどなく、酸性飲料に対する溶解性に優れて
いるような甘茶葉エキスの製法の出現が望まれている。
【0005】なお、甘茶葉を発酵させてから抽出して得
られる甘茶葉エキスには、甘味成分として、フィロズル
チンが含まれており、このフィロズルチンは、ステビオ
シドの4倍、砂糖の600〜800倍の甘味度を有して
おり、防腐、防菌作用も有するといわれている。
【0006】このため、従来、この甘味成分のフィロズ
ルチンのみを甘茶葉エキスから取り出して利用する試み
がなされている。 (1) 例えば、特開昭58-190370号公報には、
『フィロズルチンを含有する甘茶(アマチャ)葉抽出物
を、水溶液または含水有機溶媒溶液の状態で、巨大網状
構造を有する合成高分子吸着樹脂に接触させることによ
り、上記抽出物中のフィロズルチンを上記樹脂に吸着さ
せ、フィロズルチンを吸着した吸着樹脂をアルカリ性の
親水性有機溶媒またはこれと水との混合液で洗浄して洗
浄により吸着樹脂から脱着される成分を脱着させ、次い
で洗浄後の吸着樹脂を親水性有機溶媒またはこれと水と
の混合液と接触させてフィロズルチンを脱着させ、脱着
に用いた溶媒からフィロズルチンを回収することを特徴
とする、甘茶葉から抽出されたフィロズルチンの精製方
法』が記載されている。
【0007】この方法によれば、甘茶葉からヒドラゲノ
ール等をほとんど含まず、フィロズルチン含有率の高い
淡黄色粉末が得られる旨記載されている。 (2) また、特開平1-262772号公報には、『甘茶
乾燥葉を超臨界二酸化炭素あるいは液化二酸化炭素で抽
出することを特徴とする甘茶エキスの製造方法』が記載
されており、この方法によれば、フィロズルチン以外の
糖、アミノ酸等の不純物がほとんど含まれない抽出エキ
スが得られるとされる。
【0008】ところで、甘茶葉を発酵させ、あるいは発
酵させずにそのまま抽出して得られる甘茶葉エキスを消
臭剤、皮膚外用剤などとして用いることも提案されてい
る。 (3) 例えば、特開平4-114653号公報には、ユキ
ノシタ科バイカアマチャ属植物の葉もしくは花びらの生
物または乾燥物から、水、エタノール等の極性溶媒にて
抽出してなる抽出物を有効成分とする消臭剤およびその
製造方法が記載されている。 (4) また、特開平5-43445号公報には、アマチャ
(甘茶)より水および/または有機溶媒(エタノール
等)にて抽出して得られる抽出物が配合されていること
を特徴とする、弱酸性で皮膚上細菌に対して抗菌作用を
有する皮膚外用剤が記載されている。
【0009】しかしながら、上記(1)〜(4)のいず
れの公報にも、溶解性に優れ、苦味・渋味がほとんど除
去され、甘茶葉エキスの全体を容易に経口摂取し得るよ
うな甘茶葉エキスの製造方法については、記載も示唆も
されていない。 (5) なお、特開昭55-26820号公報には、『甘茶
にシビレクズウコンを併用することを特徴とする甘茶の
甘味改質法』が記載されており、この方法によれば苦味
がなく、甘味良好な甘茶が得られる旨記載されている。
しかしながら酸性飲料に対する溶解性は低い。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、甘茶葉エキス
の苦味・渋味が除去され、酸性飲料に対する溶解性が良
好な甘茶葉エキスが得られるような甘茶葉エキスの製造
方法を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る第1の甘茶葉エキスの苦味
・渋味の除去方法は、甘茶葉エキスにシクロデキストリ
ン(CD)、好ましくはγ-シクロデキストリン(γ-C
D)を作用させ、該エキス中に含まれる配糖体類等をシ
クロデキストリンに包接させることを特徴としている。
【0012】本発明に係る第2の甘茶葉エキスの苦味・
渋味の除去方法は、甘茶葉エキスに、澱粉質の存在下で
α-グルコシル転移酵素を作用させ、該エキス中に含ま
れる配糖体類をα-グルコシル化することを特徴として
いる。
【0013】本発明に係る甘茶葉エキスの苦味・渋味の
除去方法によれば、苦味・渋味が消失したエキスが得ら
れ、該エキスの摂取が著しく容易になる。しかも、得ら
れたエキス、特にα-グルコシル化甘茶葉エキスは、酸
性溶液中での溶解安定性に優れており、酸性飲料に添加
して用いるのに適している。
【0014】また、本発明により得られる甘茶葉エキス
は、従来の甘茶葉エキスと同様にトリメチルアミン臭、
アンモニア臭、メチルメルカプタン臭等に対する脱臭効
果を有している。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る甘茶葉エキス
の苦味・渋味の除去方法について具体的に説明する。
【0016】本発明では、甘茶葉エキスが処理されて、
苦味・渋味が除去されるが、甘茶葉エキスは、通常、ユ
キノシタ科に属するアマチャの生葉および枝先を半乾し
て発酵させた後、乾燥し、得られた乾燥葉をそのままあ
るいは砕いて粉末状にして、温水で抽出することによっ
て得られるが、生葉および枝先をそのまま抽出し、また
は生葉および枝先を発酵させずに乾燥して抽出してもよ
い。抽出に際して、エタノール、アセトンなどの有機溶
媒、含水有機溶媒を用いることもできる。
【0017】このようにして得られた甘茶葉エキスは、
そのまま用いることもできるが、場合によっては該エキ
スに濾過、濃縮、酸析、脱色、脱塩などの処理を加えた
ものを用いることもできる。さらに場合によっては、上
記のような該エキスから凍結乾燥等の方法で固形成分を
得て、これを水などの溶媒に溶解して調製した甘茶葉エ
キスを用いることもできる。また上記のような甘茶葉エ
キスに他の有効成分を含む薬草エキスなどを混合して得
られる甘茶葉エキスを用いることもできる。
【0018】このような甘茶葉エキス中の固形分濃度
は、約0.1〜25重量%程度であることが好ましい。
本発明に係る第1の甘茶葉エキスの苦味・渋味除去方法
では、上記甘茶葉エキスにシクロデキストリン(CD)
を作用させ、該エキス中に含まれる配糖体類等をシクロ
デキストリンに包接させている。甘茶葉エキスにシクロ
デキストリンを作用させる際には、甘茶葉エキスとシク
ロデキストリンとの混合物を、通常10〜70℃程度の
温度で、3〜300分間程度攪拌することが好ましい。
【0019】この際用いられるシクロデキストリンとし
ては、α-シクロデキストリン(α-CD)、β-シクロ
デキストリン(β-CD)、γ-シクロデキストリン(γ
-CD)が挙げられる。これらのシクロデキストリンは
分岐を有していてもよい。また、これらのシクロデキス
トリンは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせ
て用いてもよい。本発明においては、特にγ-シクロデ
キストリンを単独で用いると甘茶葉エキスの苦味・渋味
を著しく低減させることができるため好ましい。
【0020】このようなシクロデキストリンは、甘茶葉
エキスに含まれる配糖体などの固形重量の0.1〜50
倍、好ましくは1〜4倍の量で、エキス中に添加される
ことが好ましい。別の観点からみると、シクロデキスト
リンは、該エキス中に0.1〜50重量%程度の量で添
加されることが好ましい。
【0021】本発明に係る第2の甘茶葉エキスの苦味・
渋味除去方法では、上記のような甘茶葉エキスに、澱粉
質の存在下でα-グルコシル転移酵素を作用させて、該
エキス中に含まれる配糖体類をα-グルコシル化してい
る。甘茶葉エキスに澱粉質の存在下でα-グルコシル転
移酵素を作用させるには、該エキスに澱粉質とα-グル
コシル転移酵素とを加え、系の pHを3〜10好ましく
はpH5.5〜6.5に保ち、系の温度を20〜90℃
好ましくは55〜70℃に保持すればよい。
【0022】本発明で用いられる澱粉質としては、α-
グルコシル転移酵素の基質となるものであればよく、具
体的には、アミロース、アミロペクチン、澱粉などだけ
でなく、DE 1〜50程度の澱粉液化物、澱粉糖化
物、あるいは上記シクロデキストリンなどを用いること
ができる。
【0023】このような澱粉質は、甘茶葉エキスに含ま
れる配糖体などの固形重量の0.1〜50倍好ましくは
1〜4倍の量で、エキス中に添加されることが好まし
い。別の観点からみると、澱粉質は、該エキス中に1〜
50重量%程度の量で添加されることが好ましい。
【0024】本発明で用いられるα-グルコシル転移酵
素としては、甘茶葉エキス中に含まれる配糖体類を澱粉
質の存在下にα-グルコシル化しうる酵素であれば、ど
のような酵素でも用いることができるが、具体的には、
バチルス マセランス、バチルス メガテリウム、バチル
ス サーキュランス、バチルス ポリミキサ、バチルス
ステアロサーモフィラスなどのバチルス属、クレブシー
ラ ニューモニアエなどのクレブシーラ属などの細菌に
よって生産されるシクロデキストリン グルカノトラン
スフェラーゼなどを用いることができる。
【0025】このようなα-グルコシル転移酵素として
は、必ずしも精製して使用する必要はなく、通常は粗精
製の酵素でも充分である。α-グルコシル転移酵素は、
処理される甘茶葉エキスに加えた澱粉質100g当り、
100〜50000単位、好ましくは1000〜200
0単位の量で、該エキス中に添加されることが好まし
い。
【0026】上記のようにして甘茶葉エキスを処理する
と、該エキスの苦味・渋味が除去される。これは、該エ
キス中に含まれる苦味・渋味成分が、澱粉質の存在下で
α-グルコシル転移酵素の働きによってα-グルコシル化
されてα-グルコシル配糖体となるためであろうと考え
られる。
【0027】このようにして処理され、苦味・渋味が除
去された甘茶葉エキスは、そのまま飲食に供することも
できるが、通常、該エキスを加熱して酵素を失活させた
後に飲食に供することもできる。また場合によっては、
該エキスを濃縮したり、乾燥して粉末化したりして飲食
に供することもできる。さらに場合によっては、該エキ
スを、脱色剤、イオン交換樹脂、吸着樹脂など用いて精
製して飲食に供することもできる。
【0028】しかも、上記第1の方法あるいは第2の方
法により得られたエキス、特に好ましくは第2の方法す
なわち、甘茶葉エキスに、澱粉質の存在下でα-グルコ
シル転移酵素を作用させて、該エキス中に含まれる配糖
体類をα-グルコシル化して得られたエキスは、中性域
はもとより、PH2.5〜5.0程度の酸性溶液中での
溶解安定性にも優れており、酸性飲料等に添加して利用
することもできる。例えばα-グルコシル化甘茶葉エキ
スでは、PH3.0〜4.0程度の酸性飲料100ml
当り0.01〜5.0g程度の量で添加して用いること
ができる。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る甘茶葉エキスの苦味・渋味
の除去方法によれば、苦味・渋味の消失したエキスが得
られ、該エキスの摂取が著しく容易になる。しかも、こ
のようにして得られたエキスは、中性域はもとより、酸
性域での溶解安定性にも優れており、酸性飲料等に添加
して利用することもできる。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】
【実施例1】(1) 甘茶葉エキス末の調製 甘茶葉を発酵させた後、乾燥し、粉砕した乾燥粉末(い
わゆる甘茶粉末)1.0kgに熱水20リットルを加
え、2時間沸騰させながら甘茶葉成分を抽出した。次い
で得られた抽出物にケイソウ土を加えた後、真空濾過に
て固液分離して、濾液(イ)を分取した。
【0032】さらに同様の操作を2回繰り返して濾液合
計量51リットルを得た。[すなわち、上記の濾過工程
で生じたケーキに上記の量の熱水を加えて上記時間沸騰
させながら甘茶葉成分を再び抽出し、次いで得られた抽
出物にケイソウ土を加えた後、真空濾過にて固液分離し
て再び濾液(ロ)を分取した。さらに、この濾過工程で得
られたケーキに上記の量の熱水を加えて上記時間沸騰さ
せながら甘茶成分を抽出し、次いで得られた抽出物にケ
イソウ土を加えた後、真空濾過にて固液分離して再び濾
液(ハ)を分取した。そして、これらの濾液(イ)、
(ロ)および(ハ)の合計51リットルを得た。] このようにして得られた51リットルの濾液を2NのN
aOHを用いてPH6.0に調整した後、濃縮し、凍結
乾燥し、次いで粉砕して281gの甘茶葉エキス末(T
−1)を得た。(2) 甘茶葉エキスのシクロデキストリン包接処理物の調
この甘茶葉エキス末(T−1)50.0gを水225m
lに溶解させ、シクロデキストリン[(α-、β-、γ-
シクロデキストリンの混合物):商品名「デキシパール
K−100」,塩水港精糖(株)製]100.0gを
加え、50℃の加温下に2時間攪拌してから凍結乾燥
し、粉砕して、145.0gの甘茶葉エキスのシクロデ
キストリン包接処理物(H−1)を得た。
【0033】
【実施例2〜4、比較例1〜2】実施例1により得られ
た甘茶葉エキス末(T−1)の1.5%水溶液100m
lに、α-シクロデキストリンを3.0g添加し溶解し
て甘茶葉エキスのα-シクロデキストリン包接処理物
(溶液)を調製した(実施例2)。
【0034】同様にして、甘茶葉エキスのβ-シクロデ
キストリン包接処理物(実施例3)、および甘茶葉エキ
スのγ-シクロデキストリン包接処理物(実施例4)を
調製した。
【0035】一方、実施例1により得られた甘茶葉エキ
ス末(T−1)の1.5%水溶液(対照例1)100m
lにDE−8のデキストリン3.0gを添加し溶解して
なる対照液(T−2,対照例2)を用意し、表1に示す
評価尺度に基づいて15名のパネラーで5段階評価し
た。
【0036】結果を表2に示す。なお、評価は15名の
パネラーの平均値を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表2によれば、実施例1に示すように、甘
茶葉エキスのα-、β-、γ-混合シクロデキストリン処
理物は、α-シクロデキストリン処理物(実施例2)、
β-シクロデキストリン処理物(実施例3)またはγ-シ
クロデキストリン処理物(実施例4)に比べて、甘味が
著しく向上し、苦味、渋味が低減している。
【0040】実施例2に示す甘茶葉エキスのα-シクロ
デキストリン処理物は、対照例2に示す甘茶葉エキスの
未処理物(デキストリン配合物)と比較して、甘味に変
化は感じられないが、苦味・渋味については、未処理の
対照例と比較してわずかに改善されている。
【0041】甘茶葉エキスのβ-シクロデキストリン処
理物は、対照例2に示す甘茶葉エキス未処理物と比較し
て苦味・渋味が改善されている。甘茶葉エキスのγ-シ
クロデキストリン処理物は、上記量までのγ-シクロデ
キストリンの添加により甘味がほぼ消失し、対照例2に
示す甘茶葉エキスの未処理物と比較して、苦味・渋味が
著しく少なくなっている。
【0042】
【実施例5】実施例1により得られた甘茶葉エキス末
(T−1)50.0gと、DE−8のデキストリン10
0.0gとを水225mlに溶解させ、2NのNaOH
でPH6.0に調整した後、バチルス マセランス[天
野製薬(株)製]由来のα-グルコシル転移酵素を15
00単位加え、55℃の温度で40時間甘茶葉エキスの
α-グルコシル化反応を行った。次いで、得られた反応
物を95℃に加熱して酵素を失活させた後、凍結乾燥
し、粉砕して145.0gの甘茶葉エキスの酵素処理物
(H−5)を得た。
【0043】
【実施例6】実施例5において、バチルス マセランス
に代えてバチルス ステアロサーモフィラス由来のα-グ
ルコシル転移酵素[(株)林原生物化学研究所 製]を
用い、68℃で反応させた以外は、実施例5と同様にし
て甘茶葉エキスの酵素処理物(H−6)を得た。
【0044】
【呈味の評価】実施例1で得られた甘茶葉エキス末(T
−1)の1.5%水溶液(対照例1)と、実施例1で得
られた甘茶葉エキスの混合シクロデキストリン処理物
(H−1)の4.5%水溶液と、実施例5で得られた甘
茶葉エキスの酵素処理物(H−5)の4.5%水溶液
と、実施例6で得られた甘茶葉エキスの酵素処理物(H
−6)の4.5%水溶液とをそれぞれ調製し、甘味・苦
味・渋味の程度を表1に示す評価尺度に基づいて15名
のパネラーで5段階評価した。
【0045】結果を表3に示す。表3中の数字は、15
名のパネラーの評価平均値を示す。
【0046】
【表3】
【0047】本発明により得られる甘茶葉エキスの混合
シクロデキストリン処理物(実施例1:H-1)および、
甘茶葉エキスの酵素処理物(実施例5、実施例6)は、
未処理の甘茶葉エキス(T-1)に比べて苦味・渋味が減
少している。とくに、甘茶葉エキスの酵素処理物(実施
例5、実施例6)は、苦味・渋味の低減効果が著しい。
【0048】また、未処理の甘茶葉エキスでは、苦味・
渋味が強いため甘味が感じにくくなっているが、本発明
により得られる甘茶葉エキスのシクロデキストリン処理
物(実施例1:H-1)および、甘茶葉エキスの酵素処理
物(実施例5、実施例6)では、苦味・渋味の減少に伴
い、甘味度が大幅に向上している。
【0049】
【酸性溶液での溶解性比較試験】実施例1により得られ
た甘茶葉エキスのシクロデキストリン包接処理物(H−
1)450mg、実施例5〜6によりそれぞれ得られた
甘茶葉エキスの酵素処理物(H−5、H−6)各450
mgを、PH4.8の緩衝液10mlおよびPH6.7
の緩衝液10mlにそれぞれ溶解して試験管に入れて液
の清澄性を評価した。
【0050】対照として、実施例1で得られた甘茶葉エ
キス末(T−1)150mgとDE−8のデキストリン
300mgを一緒にして上記緩衝液に溶解し、比較試験
に供した(対照例3)。
【0051】結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】表4を参照すると、本発明により得られた
試料は、PH4.8およびPH6.7のいずれの場合に
も、濁りが少なく、清澄性が高い。特に、甘茶葉エキス
にα-グルコシル転移酵素を作用させてなる実施例5お
よび実施例6の試料では、清澄性が著しく高く、なかで
も、バチルス ステアロサーモフィラス由来のα-グルコ
シル転移酵素を作用させてなる実施例6に示す試料で
は、清澄性(酸性下での溶解性)が極めて良好であり、
ほとんど濁りが見られなかった。
【0054】
【トリメチルアミン臭の脱臭試験】0.175%トリメ
チルアミン水溶液50mlに実施例1で得られた甘茶葉
エキス末(T−1)0.20gを添加し溶解させたもの
(対照例4)、同じトリメチルアミン水溶液50mlに
甘茶葉エキスの混合シクロデキストリン包接処理物(H
−1)0.60gを添加し溶解させたもの、同じトリメ
チルアミン水溶液50mlに実施例5で得られた甘茶葉
エキスの酵素処理物(H−5)0.60gを添加し溶解
させたもの、同じトリメチルアミン水溶液50mlに実
施例6で得られた甘茶葉エキスの酵素処理物(H−6)
0.60gを添加し溶解させたものをそれぞれ調製し、
室温(25℃)にて15分間放置した。
【0055】対照(ブランク)として、同じトリメチル
アミン水溶液50mlにDE−8のデキストリン0.4
0gを添加し溶解させたものを用意し(対照例5)、1
0名のパネラーでトリメチルアミン臭の脱臭効果を官能
評価した。
【0056】結果を表5および表6に示す。表中の数字
は、人数を示す。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】甘茶葉エキス末にはトリメチルアミン臭の
脱臭作用があるが、本発明により得られる実施例1に示
すCD処理物(H−1)、実施例5に示す酵素処理物
(H−5)、および実施例6に示す酵素処理物(H−
6)においても、従来の未処理の甘茶葉エキス末とほぼ
同様の脱臭効果が認められる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 甘茶葉エキスに、シクロデキストリンを
    作用させ、該エキス中に含まれる配糖体類等をシクロデ
    キストリンに包接させることを特徴とする甘茶葉エキス
    の苦味・渋味除去方法。
  2. 【請求項2】 シクロデキストリンが、γ-シクロデキ
    ストリンであることを特徴とする請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 甘茶葉エキスに、澱粉質の存在下でα-
    グルコシル転移酵素を作用させ、該エキス中に含まれる
    配糖体類をα-グルコシル化することを特徴とする甘茶
    葉エキスの苦味・渋味除去方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の方法により得
    られた苦味・渋味の除去された甘茶葉エキスを含有する
    ことを特徴とする酸性飲料。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の方法により得られた苦
    味・渋味の除去された甘茶葉エキスを含有することを特
    徴とする酸性飲料。
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