JPH07326823A - 光半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

光半導体素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07326823A
JPH07326823A JP13947094A JP13947094A JPH07326823A JP H07326823 A JPH07326823 A JP H07326823A JP 13947094 A JP13947094 A JP 13947094A JP 13947094 A JP13947094 A JP 13947094A JP H07326823 A JPH07326823 A JP H07326823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
optical
thin film
gas
face
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13947094A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyoshi Kishi
博義 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP13947094A priority Critical patent/JPH07326823A/ja
Publication of JPH07326823A publication Critical patent/JPH07326823A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】TE波、TM波共に低反射率にでき、更に端面
を保護する性能の高い光学膜を端面に持つ光半導体素子
及びその製造方法である。 【構成】端面に光学膜を施した光半導体素子1である。
光学膜は、2層の誘電体薄膜2、3の組み合わせからな
り、端面側の第1の薄膜2は窒化シリコン(SiNx
からなり、第2の薄膜3は、典型的にはSiO2である
酸化シリコンからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信システムなどに
用いられる光信号を、直接、増幅する為の高帯域半導体
光増幅器等であり、端面に、保護性能を有しかつ反射防
止効果を持つ光学膜を持つ光半導体素子及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体光増幅器は、図9に示す様
に、基板100上に形成された上下クラッド層105、
106に挟まれた活性層102を含む半導体レーザ構造
101を有し、そのへき開端面に反射防止(AR)コー
ティング103a、103bを施すことによって、電流
104の注入で高い内部ゲインを与えた場合にもレーザ
発振が抑えられる様な構造を有している。
【0003】このARコーティングの良否は半導体光増
幅器の性能を左右し、入力波長スペクトルに対するゲイ
ンの増減(ゲインリップル)を抑えるにはARコーティ
ングの反射率を低く抑える必要がある。ゲインリップル
を2dBとした場合の単一通過ゲインGとARコーティ
ングの反射率Rとの条件は G・R≦0.1 で与えられる。例えば、ゲイン20dBとした場合の反
射率はR≦0.1%となる。こうして反射率Rを低減し
波長スペクトルに対するゲインリップルを解消した光増
幅器は、多波長多重化信号の光増幅に有用であり、進行
波型光増幅器と称される。
【0004】ARコーティング103a、103bの形
成手段としては、通常、へき開端面に、所望の屈折率n
を有する誘電体膜をλ/4・n(λは光波長)の厚さで
堆積している。ここでの所望の屈折率は、素子に用いる
半導体材料、導波路構造で異なるが、InP/InGa
AsP系のレーザにおいては、最適屈折率の値はおおよ
そn≒1.81である。
【0005】ところで、半導体光増幅器では、入力波に
TE波とTM波の2つの偏波状態が存在し、夫々ゲイン
が異なるのが一般的である。これらの半導体光増幅器の
入出力には、、通常、単一モードの光ファイバーが用い
られるが、光ファイバーへの圧力、温度、振動等による
応力の変化により伝送光の偏波状態が経時的に変化す
る。そのため、光ファイバーからの出力光を受けた半導
体光増幅器のゲインも不安定になる。その対策には、半
導体光増幅器の端面反射率を、TE波、TM波共に低減
する事が必要となる。
【0006】しかし、上記反射防止膜として単層膜を用
いた場合、最適屈折率(1.81)においては、TE
波、TM波共に0.01%程度の反射率が期待出来る
が、僅か0.1の屈折率変動でも、そのTE波、TM波
の反射率間の比が100倍以上に拡大してしまい、製膜
上の屈折率制御が困難になる。
【0007】そこで、膜の屈折率変動に対して比較的許
容度が広い、高屈折率の材料と低屈折率の材料を組み合
わせた2層以上の膜構成にした反射防止膜も考えられ
る。この例の場合、高屈折率材料の屈折率は2.20〜
2.65、低屈折率材料の屈折率は1.25〜1.48
の範囲での各々の屈折率とその膜厚との組み合わせにお
いて、TE波、TM波共に、低屈折率(0.1%以下)
を達成する事が可能となる。その具体的な材料を挙げれ
ば、高屈折率材料としてはTiO2、CeO2、ZnS等
があり、低屈折率材料としてはMgF2、CaF2、Li
F等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、反射防止
効果だけでなく、環境雰囲気からの酸素や水分から半導
体レーザ構造端面を保護する性能が高いか否かという点
に関しては、上記材料群では必ずしも充分とは言えな
い。例えば、半導体レーザ構造端面に接する第1の薄膜
がTiO2、CeO2等の酸化物である場合は、酸化物か
らの遊離酸素による端面への影響があり、第2の薄膜が
フッ化物の場合は吸湿性等の問題が生じる。また、2層
以上の多層膜構成の場合、製膜に用いる材料種も必然的
に多くなるし、材料によっては製膜方法、製膜装置も異
なる場合もある。そのため、製膜装置の大型化、ひいて
はコストアップにつながる。
【0009】よって、本発明の目的は、上記課題を解決
した、端面に光学膜を持つ光半導体素子及びその製造方
法を提供することにある。また、光半導体素子端面に積
層する光学膜の簡便な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明において
は、半導体光増幅器等の光半導体素子端面に積層された
光学膜が、TE波、TM波共に0.1%以下の低反射率
を有し、しかも製膜上の屈折率変動の許容量も大きい2
層膜構成の反射防止膜であり、かつ環境雰囲気から光半
導体素子端面を保護する膜として高耐久性を要求する課
題をも解決する膜である。更に、簡便な製膜製造方法に
より製膜上のコストも低減出来る。
【0011】詳細には、端面に反射防止などの光学膜を
施した半導体レーザ構造を有する半導体光増幅器などの
本発明の光半導体素子においては、該光学膜は、2層の
誘電体薄膜の組み合わせからなり、該光半導体素子端面
側の第1の薄膜は、屈折率が2.50〜2.65である
窒化シリコン(SiNx)からなり、第2の薄膜はSi
2からなることを特徴とする。前記第1の薄膜は、典
型的には、12/11≦x≦6/5であるSiNxから
なる。
【0012】また、端面に反射防止などの光学膜を施し
た半導体レーザ構造を有する半導体光増幅器などの本発
明の光半導体素子においては、該光学膜は、2層の誘電
体薄膜の組み合わせからなり、該光半導体素子端面側の
第1の薄膜は、シリコンをターゲットとし窒素を含むガ
スをスパッタガスとして製膜した窒化シリコン(SiN
x)からなり、第2の薄膜はシリコンをターゲットとし
酸素を含むガスをスパッタガスとして製膜した酸化シリ
コン(SiOy)からなることを特徴とする。典型的に
は、前記第1の薄膜は、12/11≦x≦6/5である
SiNxからなり、前記第2の薄膜は、9/5≦y≦2
であるSiOyからなる。
【0013】また、端面に反射防止などの光学膜を施し
た半導体レーザ構造を有する半導体光増幅器などの光半
導体素子の本発明の製造方法においては、該光学膜は、
2層の誘電体薄膜の組み合わせからなり、該光半導体素
子端面側の第1の薄膜の窒化シリコン(SiNx)は、
シリコンをターゲットとし窒素を含むガスをスパッタガ
スとして製膜され、第2の薄膜の酸化シリコン(SiO
y)はシリコンをターゲットとし酸素を含むガスをスパ
ッタガスとして製膜されることを特徴とする。
【0014】更に、端面に光学膜を施した本発明の光半
導体素子においては、該光学膜は、2層の誘電体薄膜の
組み合わせからなり、該光半導体素子端面側の第1の薄
膜は、シリコンをターゲットとし窒素の混合比を徐々に
変えたガスをスパッタガスとして製膜され、該端面側は
Si34で膜厚方向に徐々にSiの原子比が増加したS
iNxからなる傾斜組成膜であり、第2の薄膜はシリコ
ンをターゲットとし酸素を含むガスをスパッタガスとし
て製膜された酸化シリコン(SiOy)からなることを
特徴とする。典型的には、前記第1の薄膜は、屈折率n
1が2.50≦n1≦2.65で、0.3≦x<1.4で
あるSiNxからなり、前記第2の薄膜は、屈折率n2
1.46≦n2≦1.48で、1.8≦y≦2.0であ
るSiOyからなる。
【0015】また、端面に光学膜を施した光半導体素子
の本発明の製造方法においては、該光学膜は、2層の誘
電体薄膜の組み合わせからなり、該光半導体素子端面側
の第1の薄膜であり、該端面側はSi34で膜厚方向に
徐々にSiの原子比が増加したSiNxからなる傾斜組
成膜は、シリコンをターゲットとし窒素の混合比を徐々
に変えたガスをスパッタガスとして製膜され、第2の薄
膜の酸化シリコン(SiOy)はシリコンをターゲット
とし酸素を含むガスをスパッタガスとして製膜されるこ
とを特徴とする。
【0016】
【実施例1】まず、本発明の光学膜材料を用いた半導体
光増幅器の実施例1を斜視図である図1で説明する。基
本構造となる半導体レーザ構造はリッジ型レーザ1が用
いられていて、へき開面は2層の光学膜材料2、3から
成る。次に、半導体レーザデバイスの構成と作製方法に
ついて説明する。
【0017】図2において、21はn型InP基板、2
2はn型InPバッファ層、23は1.55μm組成の
アンドープInGaAsP活性層、24はp型InPク
ラッド層、25はp型InGaAsPキャップ層であ
る。これらのエピタキシャル膜は有機金属熱分解(MO
−CVD)法などによって堆積、形成される。この後、
フォトリソグラフィによるリッジ部のパターニング後、
反応性イオンビームエッチング(RIBE)法によっ
て、幅2〜3μm、活性層23までの深さ0.3〜0.
4μmのリッジ部を形成する。更に、Si34膜26を
堆積した後、キャップ部25からの電流注入を可能とす
る窓開けを行い、上面及び下面に電極27、28の形成
を行う。上記のプロセスが終了したレーザウエハは、バ
ー状あるいはチップ状にへき開され、へき開端面に本実
施例の光学膜材料構成によるコーティング処理が行われ
る。
【0018】コーティングの層構成を示す図3におい
て、2、3は、本実施例の2層の光学膜である。半導体
レーザ構造端面側の第1の薄膜2は、屈折率が2.50
〜2.65である窒化シリコン(SiNx)からなり、
SiとNの組成比を示す範囲としては、12/11≦x
≦6/5である。このことにより、屈折率が高い光学膜
となるだけでなく、非酸化物で且つ緻密な膜となること
から、環境雰囲気からの酸素や水分から半導体レーザ構
造端面を保護する性能が高い保護膜となる。
【0019】第2の薄膜3はSiO2であり、低屈折率
材料群の中では、吸湿性のない、また化学的に安定な材
料である。上記第1の薄膜2と第2の薄膜3の組み合わ
せにより、TE波、TM波共に端面反射率を0.1%以
下にすることができ、更に半導体レーザ構造端面の保護
性能も確保できる。
【0020】各材料の半導体レーザ素子端面への製膜
は、スパッタ法、CVD法、電子ビーム蒸着法等の通常
の真空製膜法が適用できる。本実施例の高屈折率2.5
0〜2.65の窒化シリコン膜は化学量論的に安定なS
34を含む膜である。その窒化シリコンをSiNx
表すと、xの範囲として12/11≦x≦6/5となる
材料は、例えば、SiターゲットとSi34ターゲット
との2元同時スパッタ法により組成制御する方法、Si
ターゲット上にSi34の微小チップを載せて、或はS
34ターゲット上にSi の微小チップを載せてスパッ
タ法により組成制御する方法、粒状のSiとSi34
混合物を用いた電子ビーム蒸着法で組成制御する方法等
で得られ、主として、SiとSi34が適当量混在した
膜となる。上記SiNxの屈折率は、可視域から1.5
5μmまでの赤外域における任意の波長を用いて屈折率
測定した値である。
【0021】こうして、半導体レーザ構造端面に高屈折
率のSiNx膜2と低屈折率のSiO2膜3の2層膜を形
成した半導体光増幅器は、ゲインリップルの測定によ
り、TE波、TM波共に反射率0.1%以下を実現でき
る。図1に示すように、半導体光増幅器を、閾値電流よ
り少し小さい定電流注入状態とし、外部からレンズある
いは光ファイバによって光波4を入力させ、半導体光増
幅器に結合させることにより、増幅光波5を得ることが
できる。この様にして、内部ゲイン20〜30dBを達
成している。
【0022】
【実施例2】本発明の光学膜材料を用いた半導体光増幅
器の実施例2も図1〜図3で説明する。実施例1と同様
に作成されたチップのへき開端面に本実施例の光学膜材
料構成によるコーティング処理が行われることは、実施
例1と同じである。
【0023】コーティングの層構成を示す図3におい
て、2、3は、本実施例の2層の光学膜であり、半導体
レーザ構造端面側の第1の薄膜2は、窒化シリコン(S
iNx)からなり、第2の薄膜3は酸化シリコン(Si
y)からなる。
【0024】上記窒化シリコン膜、酸化シリコン膜の半
導体レーザ素子端面への製膜は、RF(高周波)やDC
(直流)スパッタ法、プラズマCVD法、電子ビーム蒸
着法等の通常の真空製膜法が適用できるが、本実施例に
おいては、製膜に伴うコストを低減し且つ簡便な製造方
法を提供する。即ち、シリコン(Si)をターゲットと
し、窒素(N2)を含むガスをスパッタガスとした反応
性スパッタ法により所定膜厚の窒化シリコン(Si
x)2を製膜した後、続けて同じシリコン(Si)タ
ーゲットを用いて、スパッタガスを酸素(O2)を含む
ガスに切り替える事により、同様に、酸化シリコン(S
iOy)3を製膜する。
【0025】この製造法により、同じターゲットを用い
てスパッタガスのみを変更する事により半導体レーザ素
子端面へ窒化シリコン、酸化シリコンの2層の製膜が可
能となる。そのため、製膜装置を大型化する必要もな
く、製造コストの低減につながる。
【0026】製膜するときのスパッタ条件は、RF、D
Cの違いやチャンバーの大きさ、半導体レーザ素子とタ
ーゲット間の距離、排気ポンプの種類、排気特性、流量
ガスの種類、配管状況等によって、一概に決定出来な
い。けれども、窒化シリコンの場合、総じて、スパッタ
電力は任意、スパッタガスはアルゴン(Ar)、クリプ
トン(Kr)、キセノン(Xe)等の不活性ガス、或は
それらの混合ガスと窒素ガス(N2)を混合させたもの
で、ガス比はN2:N2以外のガスの比が1:9〜1:2
が望ましい。スパッタガス圧は1〜10×10−3to
rrが望ましい。酸化シリコンの場合、総じて、スパッ
タ電力は任意、スパッタガスはアルゴン(Ar)、クリ
プトン(Kr)、キセノン(Xe)等の不活性ガス、或
はそれらの混合ガスと酸素ガス(O2)を混合させたも
ので、ガス比はO2:O2以外のガスの比が1:2〜2:
1が望ましい。スパッタガス圧は1〜10×10−3
orrが望ましい。
【0027】こうして製膜された窒化シリコン膜(Si
x)2は化学量論的に安定なSi34を含む膜であ
り、その特徴は実施例1で説明した通りである。
【0028】酸化シリコン膜(SiOy)は化学量論的
に安定なSiO2を含む膜であり、主としてSiとOの
組成比を示すyの範囲としては9/5≦y≦2であるこ
とにより、緻密な低屈折率の光学膜となる。こうして、
上記窒化シリコン膜(SiNx)2と酸化シリコン膜
(SiOy)3の2層の組み合わせにより、TE波、T
M波共に端面反射率を0.1%以下にすることができ、
更に半導体レーザ素子端面の保護性能も確保できる。
【0029】こうして、実施例2の半導体光増幅器で
も、ゲインリップルの測定により、TE波、TM波共に
反射率0.1%以下を実現でき、内部ゲイン20〜30
dBを達成している。
【0030】
【実施例3】本発明の光学膜材料を用いた半導体光増幅
器の実施例3も図1〜図3で説明する。実施例1、2と
同様に作成されたへき開端面に本実施例の光学膜材料構
成によるコーティング処理が行われることは、実施例
1、2と同じである。
【0031】コーティングの層構成を示す図3におい
て、2、3は、本実施例の2層の光学膜である。半導体
レーザ端面側の第1の薄膜2はSiNxと表せる傾斜組
成膜である。傾斜組成膜2の半導体レーザ構造端面側の
組成はSi34(即ち、x=4/3)であり、傾斜組成
膜2の膜厚方向に徐々にSiの原子比が増加している。
【0032】本実施例の傾斜組成膜2の材料構成や構造
には、以下の特徴がある。 (1)Si34は非酸化物であり、且つ緻密な膜となる
ことから、環境雰囲気からの酸素や水分から半導体レー
ザ構造端面を保護する性能が高く、そのため端面に近い
方はSi34で積層する方が、より信頼性が上がる。 (2)Si xは、化学量論的に不確定な組成比である
が、組成的に安定なSi34より多くのSiを含むこと
により、屈折率を高くできる。
【0033】傾斜組成膜2に続いて、第2の薄膜3が積
層される。第2の薄膜3はSiOyであり、低屈折率材
料群の中では、吸湿性のない、また化学的に安定なSi
2が大部分であり、若干の非化学量論的な酸化シリコ
ンを含む材料である。そして、上記第1の薄膜2と第2
の薄膜3の組み合わせにおいて、傾斜組成膜である第1
の薄膜(SiNx)2の原子比xの範囲を0.3≦x<
1.4、第2の薄膜(SiOy)3の原子比yの範囲を
1.8≦y≦2.0となるように製膜することにより、
第1の薄膜2の平均屈折率n1が2.50≦n1≦2.6
5の範囲に設定でき、第2の薄膜3は1.46〜1.4
8の屈折率が得られる。これで、TE波、TM波共に端
面反射率を0.1%以下にすることができ、更に半導体
レーザ構造端面の保護性能も確保できる。
【0034】次に、本実施例の光学膜材料のスパッタ法
による製造法について説明する。本実施例において、通
常のスパッタ装置に、ガス流量コントローラ等のガス制
御装置付きの3本のガス配管を設置すれば、Siターゲ
ットのみで上記光学膜材料を光半導体素子端面に製膜で
きる。
【0035】傾斜組成膜2の製膜法について述べる。図
4は、スパッタ装置を用いた製膜装置を簡略的に示す図
である。61はSiターゲット、62、63、64はA
r、N2、O2のガスで、夫々ガス流量コントローラ(図
示せず)で制御可能である。65は端面に光学膜を積層
すべき光半導体素子、66は光半導体素子65のホルダ
ー基板である。
【0036】先ず、Arガス62とN2ガス63をスパ
ッタ装置内に導入し、光半導体素子65の端面にSi3
4を製膜する。Siターゲット61を使用しArとN2
混合ガス62、63による反応性スパッタリング法での
Si34の製膜条件は、スパッタ装置の形状、排気特
性、到達真空度、スパッタ電力、スパッタガス圧等によ
って異なるので、一概に決定出来ないが、Ar:N2
20:1〜1:2、スパッタガス圧1〜10×10−3
torr、スパッタ電力100W〜1kW、到達真空度
5×10−6torr以下が目安となる。
【0037】こうして、Si34膜を製膜する条件を見
いだしたら、次にスパッタガス圧を一定に保ちつつ、A
rガス62とN2ガス63のガス流量コントローラによ
り順次Arガス圧を高くN2ガス圧を低くしてスパッタ
を行うと、膜厚方向に徐々にSiの原子比が増加したS
iNxからなる傾斜組成膜2が製膜できる。また、スパ
ッタガス圧を一定にしないでArガス圧62は一定にし
てN2ガス63を徐々に低くしていく方法(スパッタガ
ス圧は徐々に低くなる)やN2ガス圧を一定にしてAr
ガス圧を徐々に高くしていく方法(スパッタガス圧は徐
々に高くなる)もあるが、一般にスパッタリング中にス
パッタガス圧を変動させると放電が不安定になり易いの
でスパッタガス圧一定でArとN2ガス62、63の混
合比を変える方法が望ましい。
【0038】上記SiNxからなる傾斜組成膜2の平均
屈折率n1を2.50≦n1≦2.65の範囲になる様に
設定する為には、SiNxの原子比xの範囲は0.3≦
x<1.4となる。
【0039】次に、同じSiターゲット61を用いて、
使用するガスをArガス62とO2ガス64に切り換え
る事で、SiOy膜3を傾斜組成膜(SiNx)2に続い
て積層できる。SiOy膜3は原子比yの範囲が1.8
≦y≦2.0で、その屈折率n2は1.46≦n2≦1.
48であることが必要である。SiOy膜3のスパッタ
条件は、Ar:O2=2:1〜1:2の条件以外は、上
記Si34膜のスパッタ条件の目安と同じである。
【0040】以上述べた本実施例によるSiNx傾斜組
成膜2とSiOy膜3の光学膜の製造方法は以下の特徴
を持つ。 (1)1種類のSiターゲットのみで2層の光学膜が積
層出来る。 (2)ガスの混合比を変えるだけで傾斜組成膜が製膜で
きる。
【0041】従来、傾斜組成膜を製膜する場合は、図5
に概略的に示すような同時に多元スパッタが可能な装置
を使用する。そして、複数のターゲット(711、71
2・・・)、複数のスパッタ電源(721、722・・
・)を設置し、同時スパッタ状態で基板ホルダー730
上の製膜すべき素子740を、例えば、移動可能なよう
にする機構750を設置することを必要とする。その結
果、従来の光学膜の製造方法は、スパッタ装置の大型
化、高価格化が懸念されたが、本実施例の製造方法は、
スパッタ装置の小型化、ターゲット数の減少等により製
造コストの低減が見込まれる。
【0042】こうして、半導体レーザ構造端面に高屈折
率のSi xからなる傾斜組成膜2と低屈折率のSiOy
膜3の2層膜を形成した本実施例の半導体光増幅器で
も、ゲインリップルの測定により、TE波、TM波共に
端面反射率0.1%以下を実現でき、内部ゲイン20〜
30dBを達成している。
【0043】
【実施例4】図6は上記各実施例のデバイスを、波長多
重送受信システムに適用した場合のシステム概念図であ
る。同図において、10は上記の光増幅器、11は送信
部、12は受信部、13、14はそれぞれ合波・分波
器、15は伝送光ファイバである。こうした構成によ
り、例えば波長1550nmおよび1540nmの信号
を多重化し、光増幅器10で高ゲイン、低リップルで増
幅し、100Mbps以上の伝送速度でクロストークの
ない信号の授受が可能となる。
【0044】以上述べたように、光通信システムなどに
用いられる光信号を、直接、増幅するための高帯域半導
体光増幅器が得られるが、その入出力端面の保護膜兼反
射防止膜の2層膜を、実例を挙げて、以下に詳細に記述
する。
【0045】
【実例1−4】これらは実施例1の実例である。図7に
示すような2元同時スパッタも可能な高周波スパッタ装
置において、ターゲット81は125mmφのSi
上にSi片を載せた複合ターゲット、ターゲット82
は同サイズのSiO2を使用した。到達真空度は5×1
−6torr以下、スパッタ電力は100W〜1k
W、スパッタガス圧は1〜10×10−3torr、ス
パッタガス種はArを用いた。
【0046】半導体レーザデバイス83を基板ホルダー
84に設置して、まずターゲットのSi上にSi
片をSiの占有面積の約4割に相当するまで並べ
て載せ複合ターゲット81とした。そして、500Wの
投入電力でスパッタして、半導体レーザデバイス83の
端面にSiNxを1600Åの厚さに製膜した。次に、
ターゲット82のSiO2に400Wの投入電力でスパ
ッタして、屈折率1.45のSiO2を2910Å製膜
した。更に、同様な手順で半導体レーザデバイス83の
両端面に上記2層膜を積層して、TE波、TM波の反射
率RTE、RTMを測定した。尚、SiNx単層の屈折率n1
はあらかじめ同一条件で製膜して、波長633nmで測
定した。また、SiNx膜のSiとNの組成比は、XP
S分析において、化学結合状態が変化して生じるケミカ
ルシフトを考慮した全ての測定軌道Si2pとN1sから、
SiNx膜の膜厚方向の組成比の平均を、直近の整数比
で表した。
【0047】耐久性能は、半導体レーザの出力を20m
Wとし、70°Cの環境下に5000時間放置した時の
半導体レーザへの注入電流値の変化により評価した。注
入電流値がほぼ0に低下した場合と、注入電流値が初期
値の2倍以上必要になった場合を素子の故障とみなし、
その故障数によって、○印:故障数、全品の5%以下、
△印:故障数、全品の5%超と表し、以上の結果を実例
1として表1に示す。
【0048】更に、同様な手順で種々の組成比のSiN
x膜(屈折率n1、膜厚d1)とSiO2膜(膜厚d2)を
積層した半導体レーザデバイスの端面反射率(RTE、R
TM)、耐久性の結果を、実例2〜4、比較例1、2とし
て表1に合わせて示す。
【0049】
【表1】 以上の結果、第1層2の屈折率が高い場合は、相対的に
Siの含有量が多くなり、耐久性能は他に比べて劣る傾
向にある。一方、屈折率が低い場合は、あまり反射率が
低くならず、反射防止効果が薄い。そこで、第1層2と
して屈折率2.50〜2.65のSiNx、第2層3と
してSiO2からなる2層膜反射防止膜を積層した半導
体レーザを有する半導体光増幅器は、端面反射率がTE
波、TM波共、0.1%以下を達成でき、かつ耐久性能
も良好であることがわかった。
【0050】
【実例5−8】これらは実施例2の実例である。図4に
示すような高周波スパッタ装置において、ターゲット6
1は125mmφの多結晶シリコン(Si)を使用し
た。到達真空度は5×10−6torr以下、スパッタ
電力は100W〜1kW、スパッタガス圧は1〜10×
10−3torr、スパッタガス種はアルゴン(Ar)
62と窒素(N2)63の混合ガス、そしてアルゴン
(Ar)62と酸素(O2)64の混合ガスを用いた。
それらのガス比は、N2:Arの場合は1:9〜1:
2、O2:Arの場合は1:2〜2:1である。
【0051】半導体レーザデバイス65を基板ホルダー
66に設置して、まずN2:Ar=1:4の混合ガスを
5×10−3torrになるようにスパッタ装置内に導
入し、、500Wの投入電力でスパッタして、半導体レ
ーザデバイス65の端面にSiNx2を1520Åの厚
さに製膜した。次に、同じSiターゲット61を用いて
スパッタガスをO2:Ar=1:2の混合ガスにして5
×10−3torrになるようにスパッタ装置内に導入
し、400Wの投入電力でスパッタして、SiOy3を
2700Å製膜した。そして、同様な手順で半導体レー
ザデバイス65の両端面に上記2層膜を積層して、TE
波、TM波の反射率RTE、RTMを測定した。尚、SiN
x単層、SiOy単層の屈折率n1、n2はあらかじめ同一
条件で製膜して、波長633nmで測定した。また、S
iNx膜のSiとNの組成比及びSiOy膜のSiとOの
組成比は、夫々XPS分析において化学結合状態が変化
して生じるケミカルシフトを考慮した全ての測定軌道S
2pとN1s及びSi2pとO1sから、SiNx膜及びSi
y膜の膜厚方向の組成比の平均を、直近の整数比で表
した。
【0052】耐久性能は、半導体レーザの出力を20m
Wとし、70°Cの環境下に5000時間放置した時の
半導体レーザへの注入電流値の変化により評価した。注
入電流値がほぼ0に低下した場合と、注入電流値が初期
値の2倍以上必要になった場合を素子の故障とみなし、
その故障数によって、○印:故障数、全品の5%以下、
△印:故障数、全品の5%超と表し、以上の結果を実例
5として表2に示す。
【0053】更に、同様な手順、種々の組成比のSiN
x膜(屈折率n1、膜厚d1)とSiOy膜(屈折率n2
膜厚d2)を積層した半導体レーザデバイスの端面反射
率(RTE、RTM)、耐久性の結果を、実例6〜8、比較
例3、4として表2に合わせて示す。
【0054】
【表2】 以上の結果、第1層(SiNx)2の屈折率が高い場合
は、相対的にSiの含有量が多くなり、耐久性能は他に
比べて劣る傾向にある。一方、屈折率が低い場合は、あ
まり反射率が低くならず、反射防止効果が薄い。そこ
で、第1層2としてアルゴン(Ar)62と窒素
(N2)63の混合ガスをスパッタガスとして製膜した
屈折率2.50〜2.65のSiNx膜(12/11≦
x≦6/5)、第2層3としてアルゴン(Ar)62と
酸素(O2)64の混合ガスをスパッタガスとして製膜
したSiOy膜(9/5≦y≦2)からなる2層膜反射
防止膜を積層した半導体レーザ構造を有する半導体光増
幅器は、端面反射率がTE波、TM波共、0.1%以下
を達成でき、かつ耐久性能も良好であることがわかっ
た。更に、SiNx膜2、SiOy膜3共、Siターゲッ
トを利用してスパッタガス種を変えるだけで製膜できる
こともわかった。
【0055】
【実例9−13】これらは実施例3の実例である。図4
に示すような高周波スパッタ装置において、ターゲット
61は125mmφの多結晶シリコン(Si)を使用し
た。到達真空度は5×10−6torr以下、スパッタ
電力は400W、スパッタガス圧は5×10−3tor
rに設定し、アルゴン(Ar)ガス圧4×10−3to
rr、N2ガス圧1×10−3torrの混合ガスを導
入してスパッタを開始し、、半導体レーザ構造デバイス
65の端面にSi34膜を製膜した。次いで、スパッタ
ガス圧5×10−3torrは一定に保ちつつ、徐々に
アルゴン(Ar)ガス圧を高くN2ガス圧を低くして、
最終的にアルゴン(Ar)ガス圧4.8×10−3to
rr、N2ガス圧2×10−4torrのガス圧比に制
御して、屈折率2.61、膜厚1570Åの傾斜組成膜
2を半導体レーザ構造素子65の端面に製膜した。
【0056】こうして製膜した傾斜組成膜を別のサンプ
ルでXPSにより膜厚方向に分析した。測定した元素の
測定軌道は、Si2p、N1sである。実例9の測定結果
を、横軸にレーザ端面からの距離、縦軸にSiとNの原
子比x(SiNx)で図8に表す。ただし、Si、N量
は化学結合状態が変化して生じるケミカルシフトを考慮
した全てのSi2p、N1sから換算した組成で計算した。
この結果、半導体レーザ端面側はx≒1.3、即ち、S
34膜であり、膜厚方向に徐々にSiの原子比が増加
して、膜の表面側はx=0.5の組成であった。
【0057】次に、N2ガスの導入を止め、O2ガスとA
rガスによるスパッタを開始した。スパッタ電力500
W、Arガス圧4×10−3torr、O2ガス圧2×
10−3torrの条件で、SiOy膜3を傾斜組成膜
(SiNx)2に続けて積層した。SiOy膜3は膜厚2
700Å、屈折率1.48であった。
【0058】そして、同様な手順で半導体レーザデバイ
スの両端面に上記2層膜を積層して、波長1.55μm
でのTE波、TM波の反射率RTE、RTMを測定した。そ
の結果、RTE=0.04%、RTM=0.06%で共に
0.1%以下であった。
【0059】耐久性能は、半導体レーザの出力を20m
Wとし、80°Cの環境下に6000時間放置した時の
半導体レーザへの注入電流値の変化により評価した。注
入電流値がほぼ0に低下した場合と、注入電流値が初期
値の2倍以上必要になった場合を素子の故障とみなし、
その故障率は2%であった。
【0060】更に、同様な手順で、種々の光学膜を積層
し、その条件、評価結果を表3に示す。尚、SiNx
SiOyの膜厚はd1、d2、屈折率はn1、n2、また耐
久性の結果は、○印:故障数、全品の5%以下、△印:
故障数、全品の5%超を表す。
【0061】
【表3】 尚、xの値は実例9〜13、比較例5、7の場合、0.
3≦x<1.4の範囲であったが、比較例6のxの下限
は0.3未満であった。
【0062】以上の結果、半導体レーザ構造素子端面の
光学膜の第1層である傾斜組成膜(SiNx)2の屈折
率が高い場合は、相対的にSiの含有量が多くなり、耐
久性能は他に比べて劣る傾向にある。一方、屈折率が低
い場合は、あまり反射率が低くならず、反射防止効果が
薄い。
【0063】そこで、第1層2としてSi34から始ま
り膜厚方向に徐々にSiの原子比が増加した屈折率2.
50〜2.65のSiNx(0.3≦x<1.4)と表
せる傾斜組成膜、第2層3として屈折率1.46〜1.
48のSiOy膜(1.8≦y≦2.0)からなる2層
膜反射防止膜を積層した半導体レーザ構造を有する半導
体光増幅器は、端面反射率がTE波、TM波共、0.1
%以下を達成でき、かつ耐久性能も良好であることがわ
かった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体レーザ構造などの光半導体素子の端面に、第1層
として特定の屈折率、組成のSiNx、第2層としてS
iO2の2層膜の反射防止などの光学膜材料を積層する
ことにより、伝送光の偏波状態に左右されない様にTE
波、TM波共に低反射率にする事が、比較的製膜上の許
容度を大きくして可能となる。更に素子の耐久性をも満
足させることが出来る。
【0065】また、第1層として特定の屈折率、組成の
SiNx、第2層として特定の組成のSiOy膜の2層膜
の製造法と、それにより積層した2層の反射防止などの
光学膜により、製造上のコストを低減し、伝送光の偏波
状態に左右されない様にTE波、TM波共に低反射率に
する事が、比較的製膜上の許容度を大きくして可能とな
る。更に素子の耐久性をも満足させることが出来る。
【0066】更に、光半導体素子端面側の第1の薄膜
は、シリコンをターゲットとし窒素の混合比を徐々に変
えたガスをスパッタガスとして積層され、該端面側はS
34で膜厚方向に徐々にSiの原子比が増加した窒化
シリコン(SiNx)からなる傾斜組成膜、第1の薄膜
上に形成される第2の薄膜はシリコンをターゲットとし
酸素を含むガスをスパッタガスとして製膜した酸化シリ
コン(SiOy)からなる2層の反射防止などの光学膜
を積層する事により、伝送光の偏波状態に左右されない
様にTE波、TM波共に低反射率にする事が可能とな
る。更に素子端面を保護する性能の高い膜となる。ま
た、更に、これによれば、上記2層の反射防止膜は、シ
リコンターゲットを使用し、スパッタガス種やその混合
比などを変える事で製膜でき、製造装置、製造コスト等
の低減が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学膜材料を用いた半導体光増幅器の
斜視図。
【図2】本発明の光学膜材料を用いた半導体レーザデバ
イスの断面図。
【図3】本発明の光学膜材料を用いた半導体レーザデバ
イスの縦断面図。
【図4】本発明の光学膜材料を積層する製膜装置の簡略
図。
【図5】従来の光学膜材料を積層する製膜装置の簡略
図。
【図6】光通信システムにより、波長多重化伝送を行う
例のブロック図。
【図7】本発明の光学膜材料を積層する製膜装置の簡略
図。
【図8】本発明の傾斜組成膜のXPS測定による組成分
布例を示す図。
【図9】従来例を示す図。
【符号の説明】
1,10 リッジ型半導体光増幅器 2 第1層目の膜 3 第2層目の膜 4 入力光 5 増幅光波 11 送信部 12 受信部 13 合波器 14 分波器 15 伝送光ファイバ 21 基板 22 バッファ層 24 クラッド層 23 活性層 25 キャップ層 26 絶縁層 27,28 電極 61,81,82 ターゲット 65,83 半導体素子 66,84 ホルダー基板 62 アルゴンガス 63 窒素ガス 64 酸素ガス

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面に反射防止の光学膜を施した半導体
    レーザ構造を有する半導体光増幅器において、該光学膜
    は、2層の誘電体薄膜の組み合わせからなり、該半導体
    レーザ構造端面側の第1の薄膜は、屈折率が2.50〜
    2.65である窒化シリコン(SiNx)からなり、第
    2の薄膜はSiO2からなることを特徴とする光半導体
    素子。
  2. 【請求項2】 端面に光学膜を施した光半導体素子にお
    いて、該光学膜は、2層の誘電体薄膜の組み合わせから
    なり、該光半導体素子端面側の第1の薄膜は、屈折率が
    2.50〜2.65である窒化シリコン(SiNx)か
    らなり、第2の薄膜はSiO2からなることを特徴とす
    る光半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記第1の薄膜は、12/11≦x≦6
    /5であるSiNxからなることを特徴とする請求項1
    または2に記載の光半導体素子。
  4. 【請求項4】 端面に反射防止の光学膜を施した半導体
    レーザ構造を有する半導体光増幅器において、該光学膜
    は、2層の誘電体薄膜の組み合わせからなり、該半導体
    レーザ構造端面側の第1の薄膜は、シリコンをターゲッ
    トとし窒素を含むガスをスパッタガスとして製膜した窒
    化シリコン(SiNx)からなり、第2の薄膜はシリコ
    ンをターゲットとし酸素を含むガスをスパッタガスとし
    て製膜した酸化シリコン(SiOy)からなることを特
    徴とする光半導体素子。
  5. 【請求項5】 端面に光学膜を施した光半導体素子にお
    いて、該光学膜は、2層の誘電体薄膜の組み合わせから
    なり、該光半導体素子端面側の第1の薄膜は、シリコン
    をターゲットとし窒素を含むガスをスパッタガスとして
    製膜した窒化シリコンからなり、第2の薄膜はシリコン
    をターゲットとし酸素を含むガスをスパッタガスとして
    製膜した酸化シリコンからなることを特徴とする光半導
    体素子。
  6. 【請求項6】 前記第1の薄膜は、12/11≦x≦6
    /5であるSiNxからなり、前記第2の薄膜は、9/
    5≦y≦2であるSiOyからなることを特徴とする請
    求項4または5記載の光半導体素子。
  7. 【請求項7】 端面に反射防止の光学膜を施した半導体
    レーザ構造を有する半導体光増幅器の製造方法におい
    て、該光学膜は、2層の誘電体薄膜の組み合わせからな
    り、該半導体レーザ構造端面側の第1の薄膜の窒化シリ
    コン(SiNx)は、シリコンをターゲットとし窒素を
    含むガスをスパッタガスとして製膜され、第2の薄膜の
    酸化シリコン(SiOy)はシリコンをターゲットとし
    酸素を含むガスをスパッタガスとして製膜されることを
    特徴とする光半導体素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 端面に光学膜を施した光半導体素子の製
    造方法において、該光学膜は、2層の誘電体薄膜の組み
    合わせからなり、該光半導体素子端面側の第1の薄膜の
    窒化シリコンは、シリコンをターゲットとし窒素を含む
    ガスをスパッタガスとして製膜され、第2の薄膜の酸化
    シリコンはシリコンをターゲットとし酸素を含むガスを
    スパッタガスとして製膜されることを特徴とする光半導
    体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の薄膜は、12/11≦x≦6
    /5であるSiNxからなり、前記第2の薄膜は、9/
    5≦y≦2であるSiOyからなることを特徴とする請
    求項7または8記載の光半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 端面に光学膜を施した光半導体素子に
    おいて、該光学膜は、2層の誘電体薄膜の組み合わせか
    らなり、該光半導体素子端面側の第1の薄膜は、シリコ
    ンをターゲットとし窒素の混合比を徐々に変えたガスを
    スパッタガスとして製膜され、該端面側はSi34で膜
    厚方向に徐々にSiの原子比が増加したSiNxからな
    る傾斜組成膜であり、第2の薄膜はシリコンをターゲッ
    トとし酸素を含むガスをスパッタガスとして製膜された
    酸化シリコン(SiOy)からなることを特徴とする光
    半導体素子。
  11. 【請求項11】 前記第1の薄膜は、屈折率n1が2.
    50≦n1≦2.65で、0.3≦x<1.4であるS
    iNxからなり、前記第2の薄膜は、屈折率n2が1.4
    6≦n2≦1.48で、1.8≦y≦2.0であるSi
    yからなることを特徴とする請求項10記載の光半導
    体素子。
  12. 【請求項12】 端面に光学膜を施した光半導体素子の
    製造方法において、該光学膜は、2層の誘電体薄膜の組
    み合わせからなり、該光半導体素子端面側の第1の薄膜
    であり、該端面側はSi34で膜厚方向に徐々にSiの
    原子比が増加したSiNxからなる傾斜組成膜は、シリ
    コンをターゲットとし窒素の混合比を徐々に変えたガス
    をスパッタガスとして製膜され、第2の薄膜の酸化シリ
    コン(SiOy)はシリコンをターゲットとし酸素を含
    むガスをスパッタガスとして製膜されることを特徴とす
    る光半導体素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の薄膜は、屈折率n1が2.
    50≦n1≦2.65で、0.3≦x<1.4であるS
    iNxからなり、前記第2の薄膜は、屈折率n2が1.4
    6≦n2≦1.48で、1.8≦y≦2.0であるSi
    yからなることを特徴とする請求項12記載の光半導
    体素子の製造方法。
JP13947094A 1994-05-30 1994-05-30 光半導体素子及びその製造方法 Pending JPH07326823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13947094A JPH07326823A (ja) 1994-05-30 1994-05-30 光半導体素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13947094A JPH07326823A (ja) 1994-05-30 1994-05-30 光半導体素子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07326823A true JPH07326823A (ja) 1995-12-12

Family

ID=15245997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13947094A Pending JPH07326823A (ja) 1994-05-30 1994-05-30 光半導体素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07326823A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10303495A (ja) * 1997-04-30 1998-11-13 Fujitsu Ltd 半導体レーザ
JP2005526403A (ja) * 2002-05-14 2005-09-02 クリー インコーポレイテッド 標準パッケージで使用される信頼性が高い強固なiii族発光ダイオード
JP2009239294A (ja) * 1997-08-29 2009-10-15 Cree Inc 標準パッケージで使用される信頼性が高い強固な第iii族発光ダイオード
JP2011139110A (ja) * 2011-04-15 2011-07-14 Opnext Japan Inc 半導体レーザ素子の製造方法
US8101961B2 (en) 2006-01-25 2012-01-24 Cree, Inc. Transparent ohmic contacts on light emitting diodes with growth substrates
US9484499B2 (en) 2007-04-20 2016-11-01 Cree, Inc. Transparent ohmic contacts on light emitting diodes with carrier substrates

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10303495A (ja) * 1997-04-30 1998-11-13 Fujitsu Ltd 半導体レーザ
US7473938B2 (en) 1997-08-29 2009-01-06 Cree, Inc. Robust Group III light emitting diode for high reliability in standard packaging applications
JP2009239294A (ja) * 1997-08-29 2009-10-15 Cree Inc 標準パッケージで使用される信頼性が高い強固な第iii族発光ダイオード
JP2005526403A (ja) * 2002-05-14 2005-09-02 クリー インコーポレイテッド 標準パッケージで使用される信頼性が高い強固なiii族発光ダイオード
US8101961B2 (en) 2006-01-25 2012-01-24 Cree, Inc. Transparent ohmic contacts on light emitting diodes with growth substrates
US9484499B2 (en) 2007-04-20 2016-11-01 Cree, Inc. Transparent ohmic contacts on light emitting diodes with carrier substrates
JP2011139110A (ja) * 2011-04-15 2011-07-14 Opnext Japan Inc 半導体レーザ素子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3184031B2 (ja) 光半導体素子装置及び光半導体装置の製造方法
KR100765017B1 (ko) 하이브리드 디스크의 제조 방법 및 하이브리드 디스크
US4846541A (en) Interference film filter and an optical waveguide and a method for producing the same
EP0774809A1 (en) Article comprising a semiconductor laser, and method of making the laser
US5056099A (en) Rugate filter on diode laser for temperature stabilized emission wavelength
JP3739107B2 (ja) 誘電体多層反射膜
EP1164669B1 (en) Semiconductor laser device, method for producing the same, and optical disk device
EP1469327A1 (en) Multilayer optical filter with small temperature shift of central wavelength
JPH07326823A (ja) 光半導体素子及びその製造方法
US20030142407A1 (en) Multilayer film optical filter, method of producing the same, and optical component using the same
JP2870486B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP3243474B2 (ja) 多層膜バンドパスフィルタの製造方法及び波長シフト温度係数値が略ゼロの多層膜バンドパスフィルタ
Devasahayam et al. Material properties of ion beam deposited oxides for the optoelectronic industry
JPH07312459A (ja) 光半導体素子
JPH06125149A (ja) 半導体素子及びその製造方法
JPH06291422A (ja) 光半導体素子
JPH07312460A (ja) 光半導体素子
JPH04299591A (ja) 半導体素子及びその製造方法
KR20120086196A (ko) 실리콘을 이용한 dbr 구조물 및 그 제조방법
JP2003262720A (ja) 光学多層膜フィルタ
EP0168165A1 (en) Opto-electronic and electro-optic devices
JP2003101126A (ja) 半導体レーザ装置の製造方法及び半導体レーザ装置
JPS63128690A (ja) 半導体レ−ザ素子
EP0845819A1 (en) Yttrium aluminum oxide coatings for active semiconductor optical devices
JP2003177237A (ja) 光学多層膜フィルタ