JPH07325212A - 光吸収・放射膜および光吸収・放射体の製造方法 - Google Patents
光吸収・放射膜および光吸収・放射体の製造方法Info
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- JPH07325212A JPH07325212A JP11790594A JP11790594A JPH07325212A JP H07325212 A JPH07325212 A JP H07325212A JP 11790594 A JP11790594 A JP 11790594A JP 11790594 A JP11790594 A JP 11790594A JP H07325212 A JPH07325212 A JP H07325212A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明が解決しようとする課題は、可視光線
から遠赤外線までの広い波長域の光を効率よく吸収また
は放射する材料を提供する。 【構成】 溶射された酸化鉄よりなることを特徴とす
る波長0.23〜100μmの光の吸収・放射膜。
から遠赤外線までの広い波長域の光を効率よく吸収また
は放射する材料を提供する。 【構成】 溶射された酸化鉄よりなることを特徴とす
る波長0.23〜100μmの光の吸収・放射膜。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽熱吸収パネル、赤
外線吸収熱交換器や遠赤外線ヒータとして有用な、可視
光線から遠赤外線までの広い波長域の光を効率よく吸収
または放射する膜に関するものである。
外線吸収熱交換器や遠赤外線ヒータとして有用な、可視
光線から遠赤外線までの広い波長域の光を効率よく吸収
または放射する膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線や遠赤外線の放射に関する
技術は、広く研究され、遠赤外線ヒータなどに実用化さ
れている。赤外線や遠赤外線を放射する材料としては、
TiO2,Cr2O3,Al2O3,ZrO2,SiO2,N
iO,Fe2O3,CoO,MnO,MgO等の酸化物系
セラミックスおよびこれらの混合物が知られているが、
可視光線から近赤外線および遠赤外線の広範囲の波長
(0.23〜100μm)の光を効率よく吸収・放射す
る材料は、現在のところ知られてはいない。
技術は、広く研究され、遠赤外線ヒータなどに実用化さ
れている。赤外線や遠赤外線を放射する材料としては、
TiO2,Cr2O3,Al2O3,ZrO2,SiO2,N
iO,Fe2O3,CoO,MnO,MgO等の酸化物系
セラミックスおよびこれらの混合物が知られているが、
可視光線から近赤外線および遠赤外線の広範囲の波長
(0.23〜100μm)の光を効率よく吸収・放射す
る材料は、現在のところ知られてはいない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、可視光線から遠赤外線までの広い波長域の
光を効率よく吸収または放射する材料およびそのような
材料を金属やセラミックス等の基材上に膜として形成す
る方法を提供することにある。
する課題は、可視光線から遠赤外線までの広い波長域の
光を効率よく吸収または放射する材料およびそのような
材料を金属やセラミックス等の基材上に膜として形成す
る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ある波長
の熱放射線を吸収する力の強い構造の物質ないし分子系
は、またその波長の熱放射線を放出する力も強いという
キルヒホッフの法則にのっとり、可視光線から近赤外線
および遠赤外線までの広範囲の波長を効率良く吸収する
物質を探したところ、四酸化三鉄が優れた吸収特性を有
していることを見いだし、本発明を完成するに至った。
の熱放射線を吸収する力の強い構造の物質ないし分子系
は、またその波長の熱放射線を放出する力も強いという
キルヒホッフの法則にのっとり、可視光線から近赤外線
および遠赤外線までの広範囲の波長を効率良く吸収する
物質を探したところ、四酸化三鉄が優れた吸収特性を有
していることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、溶射された酸化鉄よ
りなることを特徴とする波長0.23〜100μmの光
の吸収・放射膜および金属またはセラミックスの基材上
に四酸化三鉄(Fe3O4)を溶射して皮膜を形成するこ
とを特徴とする波長0.23〜100μmの光の吸収・
放射体の製造方法に関するものである。
りなることを特徴とする波長0.23〜100μmの光
の吸収・放射膜および金属またはセラミックスの基材上
に四酸化三鉄(Fe3O4)を溶射して皮膜を形成するこ
とを特徴とする波長0.23〜100μmの光の吸収・
放射体の製造方法に関するものである。
【0006】本発明において、0.23〜100μmの
波長の光を吸収・放射する酸化鉄皮膜は、金属またはセ
ラミックスの基材上に四酸化三鉄の粉末を溶射すること
により得られる。溶射に用いる四酸化三鉄は逆スピネル
型構造のフェリ磁性を有する酸化鉄化合物であれば特の
その製法は限定されないが、マグネタイト鉱石から得る
のが一般的であり、また鉄線を空気中で焼くか、赤熱し
た鉄に水蒸気を作用させて製造したものや、ヘマタイト
(Fe2O3)の微粒子を造粒または焼結した後還元処理
して製造したものを用いてもよい。
波長の光を吸収・放射する酸化鉄皮膜は、金属またはセ
ラミックスの基材上に四酸化三鉄の粉末を溶射すること
により得られる。溶射に用いる四酸化三鉄は逆スピネル
型構造のフェリ磁性を有する酸化鉄化合物であれば特の
その製法は限定されないが、マグネタイト鉱石から得る
のが一般的であり、また鉄線を空気中で焼くか、赤熱し
た鉄に水蒸気を作用させて製造したものや、ヘマタイト
(Fe2O3)の微粒子を造粒または焼結した後還元処理
して製造したものを用いてもよい。
【0007】本発明の溶射された酸化鉄からなる光吸収
・放射皮膜の組成は、四酸化三鉄(Fe3O4)と酸化鉄
(II)(FeO)が混在したものである。これは、溶射
原料となる四酸化三鉄(Fe3O4)の粉末の一部が、溶
射中に還元され、酸化鉄(II)(FeO)となるためで
ある。
・放射皮膜の組成は、四酸化三鉄(Fe3O4)と酸化鉄
(II)(FeO)が混在したものである。これは、溶射
原料となる四酸化三鉄(Fe3O4)の粉末の一部が、溶
射中に還元され、酸化鉄(II)(FeO)となるためで
ある。
【0008】溶射に用いる四酸化三鉄の粉末は、粒径が
1〜200μm、好ましくは40〜100μmを用い
る。1μm未満では、四酸化三鉄粉末が溶射中に還元作
用により変質するため好ましくなく、200μmを超え
ると四酸化三鉄粉末の溶射フレームによる加熱不足が生
じるため好ましくない。溶射に用いる四酸化三鉄の粉末
は、SiO2,FeO,Fe2O3の不純物を数%以下含
有したものであってもよい。
1〜200μm、好ましくは40〜100μmを用い
る。1μm未満では、四酸化三鉄粉末が溶射中に還元作
用により変質するため好ましくなく、200μmを超え
ると四酸化三鉄粉末の溶射フレームによる加熱不足が生
じるため好ましくない。溶射に用いる四酸化三鉄の粉末
は、SiO2,FeO,Fe2O3の不純物を数%以下含
有したものであってもよい。
【0009】本発明の光吸収・放射膜を形成する手段と
しては、溶射法が四酸化三鉄粉末のの皮膜を高速で成膜
できる点で好適である。溶射方法は特に限定されず、ガ
ス溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、レーザー溶射のい
ずれの方法を採用してもよいが、プラズマ溶射が四酸化
三鉄粉末の溶融と緻密な皮膜を形成できる点で好まし
い。
しては、溶射法が四酸化三鉄粉末のの皮膜を高速で成膜
できる点で好適である。溶射方法は特に限定されず、ガ
ス溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、レーザー溶射のい
ずれの方法を採用してもよいが、プラズマ溶射が四酸化
三鉄粉末の溶融と緻密な皮膜を形成できる点で好まし
い。
【0010】四酸化三鉄の溶射皮膜の膜厚は、1〜50
μm、好ましくは、5〜10μmである。1μm未満で
は、成膜形成のバラツキが生じるため好ましくなく、5
0μmを超えると、溶射コストが上昇する点で好ましく
ない。なお、基材と溶射皮膜の熱膨張係数には大差があ
るため皮膜が赤外線を吸収して基材と共に昇温した場
合、熱膨張差による皮膜剥離が心配されるので四酸化三
鉄の溶射皮膜は、極力薄い方がよい。
μm、好ましくは、5〜10μmである。1μm未満で
は、成膜形成のバラツキが生じるため好ましくなく、5
0μmを超えると、溶射コストが上昇する点で好ましく
ない。なお、基材と溶射皮膜の熱膨張係数には大差があ
るため皮膜が赤外線を吸収して基材と共に昇温した場
合、熱膨張差による皮膜剥離が心配されるので四酸化三
鉄の溶射皮膜は、極力薄い方がよい。
【0011】四酸化三鉄が溶射される基材は、金属また
はセラミックスであれば、特に限定されないが、例え
ば、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、石英などの
酸化物系セラミックス等を挙げることができる。
はセラミックスであれば、特に限定されないが、例え
ば、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、石英などの
酸化物系セラミックス等を挙げることができる。
【0012】四酸化三鉄の溶射皮膜は、可視光線から遠
赤外線までの広い波長(0.23〜100μm)の光を
効率よく吸収し、また効率よく放射する。従って、基材
に四酸化三鉄が溶射された光の吸収・放射体は、例え
ば、太陽熱吸収パネル、赤外線吸収熱交換器、遠赤外線
ヒータ等に広く応用することができる。
赤外線までの広い波長(0.23〜100μm)の光を
効率よく吸収し、また効率よく放射する。従って、基材
に四酸化三鉄が溶射された光の吸収・放射体は、例え
ば、太陽熱吸収パネル、赤外線吸収熱交換器、遠赤外線
ヒータ等に広く応用することができる。
【0013】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
る。
【0014】
実施例1、比較例1 厚さ1.0mmの純銅板を溶剤で脱脂した後、回転治具
に取り付け、回転治具を300rpmで回転させなが
ら、プラズマ溶射装置により、実施例として四酸化三鉄
(Fe3O4)粉末を、比較例としてAl2O3−TiO2
粉末を溶射して、皮膜を形成した。プラズマ溶射に用い
た粉末の特性と、プラズマ溶射の条件を表1および表2
に示す。
に取り付け、回転治具を300rpmで回転させなが
ら、プラズマ溶射装置により、実施例として四酸化三鉄
(Fe3O4)粉末を、比較例としてAl2O3−TiO2
粉末を溶射して、皮膜を形成した。プラズマ溶射に用い
た粉末の特性と、プラズマ溶射の条件を表1および表2
に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】回転治具は300rpmとした。
【0018】得られた試験片の断面を研磨後、光学顕微
鏡により皮膜厚さを測定したところ、実施例1および比
較例1の皮膜とも平均約5μmであった。
鏡により皮膜厚さを測定したところ、実施例1および比
較例1の皮膜とも平均約5μmであった。
【0019】上述のように、溶射した酸化鉄皮膜を、X
線回折分析したところ、図1に示すようなX線回折パタ
ーンが得られた。図1の結果から、溶射した酸化鉄皮膜
は、四酸化三鉄(Fe3O4)と酸化鉄(II)(FeO)と
が混在していることが確認された。この皮膜は、高温で
も物理的、化学的に安定である。
線回折分析したところ、図1に示すようなX線回折パタ
ーンが得られた。図1の結果から、溶射した酸化鉄皮膜
は、四酸化三鉄(Fe3O4)と酸化鉄(II)(FeO)と
が混在していることが確認された。この皮膜は、高温で
も物理的、化学的に安定である。
【0020】得られた純銅板上の四酸化三鉄(Fe
3O4)粉末を溶射した皮膜とAl2O3−TiO2粉末を
溶射した皮膜の光吸収特性を測定した。光吸収特性は、
波長の違いにより、以下の装置を用いて測定した。
3O4)粉末を溶射した皮膜とAl2O3−TiO2粉末を
溶射した皮膜の光吸収特性を測定した。光吸収特性は、
波長の違いにより、以下の装置を用いて測定した。
【0021】・可視光(波長:0.23〜0.72μ
m)から近赤外線(波長:0.72μm〜3μm)の測
定 測定装置:自記分光光度計(日立製作所(株)製、商品
名「日立330型」:60φ積分球を使用)・遠赤外線(波長:3μm以上)の測定 測定装置:フーリエ変換赤外分光光度計(日本電子
(株)製、商品名「FT−IR:JIR−5500
型」) 測定した結果を図2〜図5に示す。
m)から近赤外線(波長:0.72μm〜3μm)の測
定 測定装置:自記分光光度計(日立製作所(株)製、商品
名「日立330型」:60φ積分球を使用)・遠赤外線(波長:3μm以上)の測定 測定装置:フーリエ変換赤外分光光度計(日本電子
(株)製、商品名「FT−IR:JIR−5500
型」) 測定した結果を図2〜図5に示す。
【0022】図2は、四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶
射した皮膜の可視光領域から近赤外線領域までの波長と
反射率の関係を示す測定結果であり、純アルミニウム板
の反射率を100%としたものである。
射した皮膜の可視光領域から近赤外線領域までの波長と
反射率の関係を示す測定結果であり、純アルミニウム板
の反射率を100%としたものである。
【0023】図3は四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射
した皮膜の可視光領域から近赤外線領域までの波長と吸
光度の関係を示す測定結果であり、純アルミニウム板の
吸光度を0としたものである。
した皮膜の可視光領域から近赤外線領域までの波長と吸
光度の関係を示す測定結果であり、純アルミニウム板の
吸光度を0としたものである。
【0024】図4は、四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶
射した皮膜とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の
遠赤外線領域における波長と反射率の関係を示す測定結
果であり、純アルミニウム板の反射率を100%とした
ものである。
射した皮膜とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の
遠赤外線領域における波長と反射率の関係を示す測定結
果であり、純アルミニウム板の反射率を100%とした
ものである。
【0025】図5は、四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶
射した皮膜とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の
遠赤外線領域における波長と吸光度の関係を示す測定結
果であり、純アルミニウム板の吸光度を0としたもので
ある。
射した皮膜とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の
遠赤外線領域における波長と吸光度の関係を示す測定結
果であり、純アルミニウム板の吸光度を0としたもので
ある。
【0026】図2の結果より、四酸化三鉄(Fe3O4)
粉末を溶射した皮膜は可視光線から近赤外線領域にわた
って低い反射率を示している。
粉末を溶射した皮膜は可視光線から近赤外線領域にわた
って低い反射率を示している。
【0027】図3の結果より、四酸化三鉄(Fe3O4)
粉末を溶射した皮膜は可視光線から近赤外線領域にわた
って、高い吸光度を示していることが分かった。
粉末を溶射した皮膜は可視光線から近赤外線領域にわた
って、高い吸光度を示していることが分かった。
【0028】図2および図3の結果から、本発明の四酸
化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜は可視光線およ
び近赤外線に対する吸収特性に優れていることが分か
る。
化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜は可視光線およ
び近赤外線に対する吸収特性に優れていることが分か
る。
【0029】また、図4の結果より、四酸化三鉄(Fe
3O4)粉末を溶射した皮膜の反射率は長波長側まで極め
て低く、波長が長くなるに従い反射率が漸増するAl2
O3−TiO2皮膜とは明らかな差が認められた。
3O4)粉末を溶射した皮膜の反射率は長波長側まで極め
て低く、波長が長くなるに従い反射率が漸増するAl2
O3−TiO2皮膜とは明らかな差が認められた。
【0030】図5の結果より、四酸化三鉄(Fe3O4)
粉末を溶射した皮膜は長波長側まで高い吸光度を示す
が、Al2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜は波長が長
くなるに従い吸光度は漸減しており、遠赤外線の吸収特
性は四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜より劣
っている。
粉末を溶射した皮膜は長波長側まで高い吸光度を示す
が、Al2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜は波長が長
くなるに従い吸光度は漸減しており、遠赤外線の吸収特
性は四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜より劣
っている。
【0031】図2〜図5に示した結果から、本発明の四
酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜が、可視光線
から遠赤外線の広い波長域で優れた光吸収特性を有する
ことが分かる。なお、四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶
射した皮膜は近似的に灰色体として取り扱うことができ
るので、キルヒホッフの法則から以下の近似式が導かれ
る。
酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜が、可視光線
から遠赤外線の広い波長域で優れた光吸収特性を有する
ことが分かる。なお、四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶
射した皮膜は近似的に灰色体として取り扱うことができ
るので、キルヒホッフの法則から以下の近似式が導かれ
る。
【0032】 α(T)=αλ(T)=ελ(T)=ε(T) … (1) (ただし、式中、α:全吸収率、αλ:単色吸収率、
ε:全射出率、ελ:単色射出率、T:温度) 従って、光吸収特性に優れる四酸化三鉄(Fe3O4)粉
末を溶射した皮膜は、光放射特性にも優れていると考え
られる。
ε:全射出率、ελ:単色射出率、T:温度) 従って、光吸収特性に優れる四酸化三鉄(Fe3O4)粉
末を溶射した皮膜は、光放射特性にも優れていると考え
られる。
【0033】さらに、吸収特性の測定に用いた試験片
を、プラズマフレームにより加熱後空冷を繰り返すヒー
トサイクル(室温→710℃→室温)試験に供した結
果、四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜および
Al2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜とも、剥離など
の損傷は見られなかった。
を、プラズマフレームにより加熱後空冷を繰り返すヒー
トサイクル(室温→710℃→室温)試験に供した結
果、四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜および
Al2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜とも、剥離など
の損傷は見られなかった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光の吸収
・放射膜は、可視光線から遠赤外線までの広い波長
(0.23〜100μm)の光を効率よく吸収・放射す
ることができ、太陽熱吸収パネル、赤外線吸収熱交換
器、遠赤外線ヒータ等に広く応用すること可能である。
・放射膜は、可視光線から遠赤外線までの広い波長
(0.23〜100μm)の光を効率よく吸収・放射す
ることができ、太陽熱吸収パネル、赤外線吸収熱交換
器、遠赤外線ヒータ等に広く応用すること可能である。
【図1】 四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜
のX線回折パターン。
のX線回折パターン。
【図2】 四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜
の可視光領域から近赤外線領域までの波長と反射率の関
係を示す測定結果。
の可視光領域から近赤外線領域までの波長と反射率の関
係を示す測定結果。
【図3】 四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜
の可視光領域から近赤外線領域までの波長と吸光度の関
係を示す測定結果。
の可視光領域から近赤外線領域までの波長と吸光度の関
係を示す測定結果。
【図4】 四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜
とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の遠赤外線領
域における波長と反射率の関係を示す測定結果。
とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の遠赤外線領
域における波長と反射率の関係を示す測定結果。
【図5】 四酸化三鉄(Fe3O4)粉末を溶射した皮膜
とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の遠赤外線領
域における波長と吸光度の関係を示す測定結果。
とAl2O3−TiO2粉末を溶射した皮膜の遠赤外線領
域における波長と吸光度の関係を示す測定結果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 克彦 東京都千代田区神田錦町3丁目20番地 第 一メテコ株式会社内 (72)発明者 島原 信行 東京都千代田区神田錦町3丁目20番地 第 一メテコ株式会社内 (72)発明者 小林 喜広 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須電子管工場内
Claims (6)
- 【請求項1】 溶射された酸化鉄よりなることを特徴と
する波長0.23〜100μmの光の吸収・放射膜。 - 【請求項2】 光吸収・放射膜は、四酸化三鉄(Fe3
O4)および酸化鉄(II)(FeO)を組成とする請求項
1記載の光吸収・放射膜。 - 【請求項3】 光が波長0.23〜0.72μmの可視
光線である請求項1記載の光吸収・放射膜。 - 【請求項4】 光が波長0.72〜3μmの近赤外線で
ある請求項1記載の光吸収・放射膜。 - 【請求項5】 光が波長3〜100μmの遠赤外線であ
る請求項1記載の光吸収・放射膜。 - 【請求項6】 金属またはセラミックスの基材上に四酸
化三鉄(Fe3O4)を溶射して皮膜を形成することを特
徴とする波長0.23〜100μmの光の吸収・放射体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11790594A JPH07325212A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 光吸収・放射膜および光吸収・放射体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11790594A JPH07325212A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 光吸収・放射膜および光吸収・放射体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07325212A true JPH07325212A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=14723102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11790594A Pending JPH07325212A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 光吸収・放射膜および光吸収・放射体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07325212A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990016735A (ko) * | 1997-08-19 | 1999-03-15 | 히또시 오가사와라 | 원적외선 발생물품 |
JP4568810B1 (ja) * | 2010-03-03 | 2010-10-27 | ナルックス株式会社 | 薄膜型光吸収膜 |
US8116606B2 (en) | 2007-02-13 | 2012-02-14 | Hamamatsu Photonics K.K. | Fiber optic |
WO2013077363A1 (ja) | 2011-11-22 | 2013-05-30 | 新日鐵住金株式会社 | フェライト系耐熱鋼及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-05-31 JP JP11790594A patent/JPH07325212A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990016735A (ko) * | 1997-08-19 | 1999-03-15 | 히또시 오가사와라 | 원적외선 발생물품 |
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JP4568810B1 (ja) * | 2010-03-03 | 2010-10-27 | ナルックス株式会社 | 薄膜型光吸収膜 |
WO2011108040A1 (ja) * | 2010-03-03 | 2011-09-09 | ナルックス株式会社 | 薄膜型光吸収膜 |
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