JPH07324699A - 送風機のケーシングとその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気密性が高く、気流の流れが良く、騒音の低
いファンケーシングを提供することを目的とする。 【構成】 渦巻形状で排気口側端部１近傍に湾曲凹部２
を形成し、取付部３を有した第１側部プレート４および
吸込口５を設けた第２側部プレート６を、渦巻曲面９お
よび舌部を形成する湾曲面８を設けた帯状プレート１０
の両端縁にカシメにより一体的に結合した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シロッコファンを使用
する送風機のケーシングとその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、低騒音、高静圧のシロッコファン
を使用した送風機が普及し、普及に伴い部品点数が少な
く、製作コストが安く、気流の流れの良いケーシングの
要求が高まってきている。

【０００３】従来、この種のケーシングは、図７および
図８に示すように、渦巻状の帯状プレートに側部プレー
トを溶着して構成するものが主流となっている。

【０００４】以下、その構成について図７および図８を
参照しながら説明する。図に示すように、渦巻形状で排
気口側端部１００近傍に湾曲凹部１０１を形成し、中央
部にモータ（図示せず）の取付部１０２を設けた第１側
部プレート１０３および、前記第１側部プレート１０３
と外周形状が同一で、中央部に吸込口１０４が形成され
た第２側部プレート１０５を設け、前記第１側部プレー
ト１０３および第２側部プレート１０５の排気口側端部
１００以外の外周縁に結合するように、帯板を渦巻形状
で排気口側端部１００近傍に第１側部プレート１０３お
よび第２側部プレート１０５の湾曲凹部１０１に係合す
る舌部となる湾曲部１０６を設けた帯状プレート１０７
を形成し、前記帯状プレート１０７の両端部に第１側部
プレート１０３および第２側部プレート１０５の周縁部
をスポット溶接で接合してケーシングを構成していた。

【０００５】ます、図９に示すように、帯状プレート１
０７Ａを渦巻状に形成し、舌部となる湾曲部１０６Ａを
別箇に形成し、渦巻状の帯状プレート１０７Ａに第１側
部プレート１０３および第２側部プレート１０５をカシ
メにより接合した後、舌部となる湾曲部１０６Ａを取り
付けケーシングを構成するものもあった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のケー
シングの構成では、前者においては第１側部プレート１
０３および第２側部プレート１０５を帯状プレート１０
７に溶接で接合し組立を行うので、組立に手間が掛かる
とともに、気密性が不十分になるという問題があった。

【０００７】また、後者においては、舌部となる湾曲部
１０６Ａが別部品で構成されているので、部品点数が多
くなりコスト高になるとともに、空気流路が渦巻状の帯
状プレート１０７Ａと湾曲部１０６Ａに形成されるた
め、気流の流れがスムーズでなく騒音が高くなるという
問題があった。

【０００８】本発明は、上記課題を解決するもので、気
密性が高く、気流の流れが良く、騒音の低いケーシング
を提供することを第１の目的とする。

【０００９】また、第２の目的は、組立が容易で、製造
コストの安いケーシングの製造方法を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のケーシングとそ
の製造方法は、上記第１の目的を達成するために第１の
手段は、渦巻形状で排気口側端部近傍に湾曲凹部を形成
し、モータなどを取り付ける取付部を有した第１側部プ
レートおよび吸込口を設けた第２側部プレートと、渦巻
曲面および前記湾曲凹部に係合する舌部を形成する湾曲
面を設けた帯状プレートとを備え、前記帯状プレートの
両端縁に前記第１側部プレートおよび前記第２側部プレ
ートの排気口側端部以外の周縁をカシメにより一体的に
結合する構成とする また、第２の目的を達成するために第２の手段は、第１
側部プレートおよび第２側部プレートをプレス加工によ
り形成し、帯状の両端縁に前記第１側部プレートおよび
前記第２側部プレートの縁部が挿入できる溝を設け、そ
の後Ｕ曲げ加工により排気口側端部近傍に舌部となる湾
曲面を設け、ロール曲げ加工により前記帯板に渦巻曲面
を設けて帯状プレートを形成し、前記帯状プレートの溝
に第１側部プレートおよび第２側部プレートの縁を結合
し、前記溝が変形するように加圧して、前記帯状プレー
トに第１側部プレートおよび第２側部プレートをカシメ
結合して製造する方法とする。

【００１１】

【作用】本発明は上記した第１手段の構成により、帯状
プレートに第１側部プレートおよび第２側部プレートが
舌部を含み一体的にカシメ結合されているので、気密性
が高く、気流がスムーズに流れ、騒音を低減できること
となる。

【００１２】また、第２手段の製造方法により、舌部も
帯状プレートに一体に形成ができ、帯状プレートに第１
側部プレートおよび第２側部プレートをカシメ成形加工
ができるので、部品点数が少なく、組立が容易となり製
造コストも安価となる。

【００１３】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の第１実施例について、図１
および図２を参照しながら説明する。

【００１４】図に示すように、渦巻形状で排気口側端部
１近傍に湾曲凹部２を形成し、モータ（図示せず）を取
り付ける取付部３を有した第１側部プレート４および吸
込口５を設け、前記第１側部プレート４と、外周形状が
同一の第２側部プレート６を設け、帯状で両端縁に内方
側が開放する溝７を設け、前記湾曲凹部２に係合する舌
部を形成する湾曲面８および渦巻曲面９を形成した帯状
プレート１０を形成する。

【００１５】そして、帯状プレート１０の両端に形成さ
れた溝７に第１側部プレート４および第２側部プレート
６の排気口端部１以外の周縁を係合し、カシメにより一
体的に結合してケーシングを構成する。

【００１６】このように本発明の第１実施例のケーシン
グによれば、帯状プレート１０に舌部となる湾曲面８を
一体に設け、第１側部プレート４および第２側部プレー
ト６をカシメ結合しているので、気密性が高く、気流の
流れが良くなり、低騒音化が図れることとなる。

【００１７】（実施例２）以下、本発明の第２実施例に
ついて、図３〜図６を参照しながら説明する。

【００１８】なお、第１実施例と同一部分には同一符号
を付けて詳細な説明は省略する。図に示すように、プレ
ス加工工程において、第１側部プレート４および第２側
部プレート６を打抜きやバーリングなどを行い成形し、
帯板１０Ａの両端縁に前記第１側部プレート４および第
２側部プレート６の縁部が挿入できる溝７を両端曲げ加
工により形成し、その後、Ｕ曲げ加工により排気口端部
１近傍に舌部となる湾曲面８を形成し、ロール曲げ加工
により前記帯板ＩＤＡに渦巻曲面９を形成して帯状プレ
ート１０を成形する。

【００１９】そして、カシメ加工工程において、帯状プ
レート１０の溝７に第１側部プレート４および第２側部
プレート６の縁を結合し、溝７の形状が変形するように
加圧してカシメ加工を行い、帯状プレート１０に第１側
部プレート４および第２側部プレート６をカシメ結合す
る。

【００２０】このように本発明の第２実施例のケーシン
グの製造方法によれば、プレス加工により、帯板１０Ａ
の両端縁に溝７を形成し、その後Ｕ曲げ加工により舌部
となる湾曲面８を形成しているので、帯状プレート１０
に舌部となる湾曲面８が一体的に形成されることとな
り、舌部を形成するのに別部品を使用しないので部品点
数が少なく、カシメ加工により一度に組立ができ、製造
コストも安価となる。

【００２１】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば、渦巻曲面および舌部を形成する湾曲面を設
けた帯状プレートの両端縁に第１側部プレートおよび第
２側部プレートをカシメにより一体的に結合しているの
で、気密性が高く、気流の流れが良く、騒音の低いケー
シングを提供できる。

【００２２】また、プレス加工により帯板の両端縁に第
１側部プレートおよび第２側部プレートの縁部が係合で
きる溝を形成し、その後Ｕ曲げ加工により舌部となる湾
曲面を形成し、その後ロール加工により帯板に渦巻曲面
を形成した帯状プレートの溝に、第１側部プレートおよ
び第２側部プレートの縁を係合し、前記溝が変形するよ
うに加圧し、カシメ結合して製造しているので、部品点
数が少なく、組立が容易で、製造コストの安いケーシン
グの製造方法を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の送風機のケーシングの分
解状態を示す斜視図

【図２】同第１実施例の送風機のケーシングの斜視図

【図３】同第２実施例の第１側部プレートの斜視図

【図４】同第２実施例の第２側部プレートの斜視図

【図５】（ａ）同第２実施例の帯状プレートを形成する
両端曲げ加工状態を示す斜視図 （ｂ）同第２実施例の帯状プレートを形成するＵ曲げ加
工状態を示す斜視図 （ｃ）同第２実施例の帯状プレートを形成するロール曲
げ加工状態を示す斜視図

【図６】同第２実施例の送風機のケーシングのカシメ加
工状態を示す断面図

【図７】従来の送風機のケーシングの分解状態を示す斜
視図

【図８】同送風機のケーシングの斜視図

【図９】同他の例の送風機のケーシングの分解状態を示
す斜視図

【符号の説明】

１ 排気口側端部 ２ 湾曲凹部 ３ 取付部 ４ 第１側部プレート ５ 吸込口 ６ 第２側部プレート ７ 溝 ８ 湾曲面 ９ 渦巻曲面 １０ 帯状プレート １０Ａ 帯板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 渦巻形状で排気口側端部近傍に湾曲凹部
   を形成し、モータなどを取り付ける取付部を有した第１
   側部プレートおよび吸込口を設けた第２側部プレート
   と、渦巻曲面および前記湾曲凹部に係合する舌部を形成
   する湾曲面を設けた帯状プレートとを備え、前記帯状プ
   レートの両端縁に前記第１側部プレートおよび前記第２
   側部プレートの排気口側端部以外の周縁をカシメにより
   一体的に結合する構成とした送風機のケーシング。
2. 【請求項２】 第１側部プレートおよび第２側部プレー
   トをプレス加工により形成し、帯状の両端縁に前記第１
   側部プレートおよび前記第２側部プレートの縁部が挿入
   できる溝を設け、その後Ｕ曲げ加工により排気口側端部
   近傍に舌部となる湾曲面を設け、ロール曲げ加工により
   前記帯板に渦巻曲面を設けて帯状プレートを形成し、前
   記帯状プレートの溝に前記第１側部プレートおよび前記
   第２側部プレートの縁を結合し、前記溝部が変形するよ
   うに加圧し、前記帯状プレートに前記第１側部プレート
   および前記第２側部プレートをカシメ結合して製造する
   送風機のケーシングの製造方法。