JPH0732428Y2 - 蓋付き容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、ワンタッチ開閉可能な蓋付き容器に関する。

〈従来の技術〉 従来、この種の蓋付き容器としては、第４図及び第５図
に示す実開昭60−65243号の考案があった。

この考案は、下端内周に係合突条7bを突設した内周壁7a
を下面に設けたキャップ７と、該キャップ７の外周に摺
動自在に嵌合し、下端内周に可撓ヒンジ8bを介して内向
きフランジ8aを突設した操作レバー８と、口頚部9aの外
周上部に上記係合突条7bと係合可能な係合突条9bを突設
すると共に、外周下部に上記内向きフランジ8aの先端方
向下面が当接する段部9cを設けた容器体９とから成り、
上記操作レバー８を押し下げ操作することにより、上記
内向きフランジ8aを梃子として作用させ、内周壁7aを押
し上げることにより、係合突条7bと9bとの係合を外し、
閉蓋しているキャップ７を外すようにしたものである。

〈考案が解決しようとする課題〉 上述した従来の蓋付き容器では、操作レバーの押さえ部
分（第４図に矢印で示す）が小さいので、操作がやりづ
らく、又、この部分を大きくするには操作レバーの周壁
を肉厚にしなくてはならず、成形が困難であるという問
題点を有していた。

また該操作レバーの原状復帰は、肉薄の可撓ヒンジの復
元力によっているので作動が不確実であると共に、操作
の際の手応え感にも乏しく、製品の品質感にも劣るとい
う問題点を有していた。

本考案は、上記従来の問題点を解決しようとするもので
ある。

〈課題を解決する為の手段〉 本考案は、肩部を有する略円筒形の操作部材に、上端内
周に複数のばね片を下向き突設すると共に、下端に複数
の駆動片を内向き突設した作動体を一体的に嵌着固定
し、該操作部材と作動体を容器本体の口部に嵌合する有
天円筒形の蓋体に摺動可能に取り付けることにより、上
記従来の問題点を解決した。

〈作用〉 作動体下端の駆動片は、操作部材の押し下げに伴って蓋
体の下端を押し上げ、該蓋体の容器口部との嵌合を外す
梃子として作用し、該作動体上端に設けたばね片は、操
作後、操作部材を原状に復帰させるものである。

〈実施例〉 以下、図面に示す実施例に基づき本考案を詳細に説明す
る。

第１図は、本考案蓋付き容器の閉蓋状態を示す半縦断面
図であり、第３図はその分解斜視図である。図示したよ
うに本考案の蓋付き容器は、中央開口1aの周囲に肩部1b
を設けた略円筒形の操作部材１と、上端内周に複数のば
ね片2aを下向き突設すると共に、下端に複数の駆動片2b
を内向き突設した作動体２と、外周所定位置に抜け止め
突状3aと段部3bを設けると共に、下端寄り内周に係合突
条3cを突設した有天円筒形の蓋体３と、該蓋体３の裏面
に一体的に嵌着されるパッキン４と、係合突条5aを上端
寄り外周に突設すると共に、該係合突条5aの下方に段部
5bを設けた容器本体５、及び該容器本体５の周囲を覆う
外装体６とから成り、上記操作部材１と上記作動体２は
一体的に嵌着され、蓋体３の外周に摺動自在に嵌合して
取り付けられ、該蓋体３は下端の係合突条3cが容器本体
５の係合突条5aと係脱することにより、該容器本体の上
部開口を開閉するようになっている。

尚、図中符号2cは、上記駆動片2bを所定範囲上方回動自
在に保持する肉薄の可撓ヒンジ、3dは上記蓋体３の天面
を示す。

次に上記構成を有する本考案の蓋付き容器の蓋開閉動作
について述べると、まず第１図に示すように容器本体５
に蓋体３が嵌合した閉蓋状態から該蓋体３を外すには、
操作部材１の肩部1bを押下し、該操作部材１の内周に一
体的に嵌着された作動体２を下方に移動させ、該作動体
２の下端に可撓ヒンジ2c,2c…を介して連結された駆動
片2b,2b…を第２図に示すように当接した容器本体５の
段部5b周縁を支点として回動させ、梃子のように該駆動
片2b,2bの先端で蓋体３の下端を押し上げることによ
り、係合突条3cと係合突条5aとの係合を外す事により為
される。そして、上記係合を外した後、操作部材１への
押下力を去れば、該操作部材１は下端が蓋体３の段部3b
に当接したばね片2a,2a…の弾性復元力により、該蓋体
３の外周に沿って上方へと移動し、該蓋体３の上部内周
縁が蓋体３の外周に設けた抜け止め突条3aと当接する位
置で停止する。

又、閉蓋は容器本体５の上部に蓋体３を被せた後、該蓋
体３の天面3dを押下し、下端の係合突条3cを容器本体５
に設けた係合突条5aに強制嵌合させることにより為され
る。

尚、本実施例では、成形加工の便宜上、蓋体とパッキン
及び容器本体と外装体とを夫々別途形成し、一体的に接
合した例を示したが、蓋体や容器本体の形状によって
は、パッキンや外装体は必ずしも要さず、省略しても良
い。

〈考案の効果〉 以上の通り、本考案の蓋付き容器では、操作部材の押し
下げ部分が大きく形成できるので、操作が行い易く、ま
た該操作部材はばね片の弾性復元力により原状に確実に
復帰するので、外観体裁が良くなると共に、操作時の手
応え感も向上し、操作性並びに製品の品質感の向上に優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例による閉蓋状態半縦断面図、 第２図は、同上、閉蓋途中の半縦断面図、 第３図は、同上、分解斜視図、 第４図は、従来例の要部切欠側面図、 第５図は、同上、分解斜視図である。 １……操作部材、1b……肩部 ２……作動体、2a……ばね片 2b……駆動片、2a……可撓ヒンジ ３……蓋体、3a……抜け止め突条 3b……段部、3c……係合突条 ５……容器本体、5a……係合突条 5b……段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】肩部1bを有する略円筒形の操作部材１と、
   上端内周に複数のばね片2aを下向き突設すると共に、下
   端に複数の駆動片2bを内向き突設し、該操作部材１の内
   周に嵌着される作動体２と、外周所定位置に上記ばね片
   2aが当接する段部3bを設けると共に、下端寄り内周に係
   合突条3cを突設し、上記外蓋１と内蓋２内に摺動自在に
   緩挿される有天略円筒形の蓋体３と、上記係合突条3cと
   係合する係合突条5aを上端寄り外周に突設すると共に、
   該係合突条5aの下方に上記駆動片2bの下面先端方向が当
   接する段部5bを設けた容器本体５とを具備して成る蓋付
   き容器。