JPH07322995A - 食器洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブースタタンクにすすぎ水を供給する時点に
おける熱損失を極力抑えることができる食器洗浄機を提
供する。 【構成】 食器洗浄機１は、洗浄室３と、この洗浄室３
内に設けられた上下すすぎノズル５、７と、すすぎ水を
貯留するブースタタンク１５と、このブースタタンク１
５内にすすぎ水を供給する給湯装置２７及び給湯弁２２
と、ブースタタンク１５内のすすぎ水を上下すすぎノズ
ル５、７に給送して噴射させるすすぎポンプ１６と、上
下すすぎノズル５、７から噴射されたすすぎ水を回収す
る洗浄タンク１２と、ブースタタンク１５内の水位を検
知する水位検知器と、この水位検知器に基づいてすすぎ
ポンプ１６及び給湯弁２２を制御する制御装置とを備え
る。制御装置は、ブースタタンク１５が満水となった場
合にすすぎポンプ１６の運転を開始すると共に、以後連
続して給湯弁２２を開放する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗浄室内にノズルから
洗浄水及びすすぎ水を噴射し、被洗浄物の洗浄運転とす
すぎ運転を行う食器洗浄機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗浄室の上下に洗浄ノズル（洗浄
噴射ノズル）とすすぎノズル（すすぎ噴射ノズル）をそ
れぞれ回転自在に配設し、これらの間に設置した皿等の
被洗浄物の洗浄とすすぎを行う食器洗浄機は、例えば実
公平１−３５７０６号公報（Ａ４７Ｌ１５／４２）に示
されている。

【０００３】即ち、この種食器洗浄機は洗浄タンク内の
洗浄水を洗浄ポンプによって洗浄室の上下の洗浄ノズル
に循環し、上部に設けた洗浄ノズルから下向きに噴射さ
れる洗浄水と、下部に設けた洗浄ノズルから上向きに噴
射される洗浄水によって被洗浄物の洗浄運転を行う。

【０００４】その後、ブースタタンク内のすすぎ水を、
すすぎポンプによって同じく洗浄室上下に設けたすすぎ
ノズルに給送し、上部に設けたすすぎノズルから下向き
に噴射されるすすぎ水と、下部に設けたすすぎノズルか
ら上向きに噴射されるすすぎ水によって被洗浄物に付着
した洗剤を含む洗浄水を洗い流すすすぎ運転を行って一
サイクルの動作を終了する。そして、すすぎノズルから
噴射されたすすぎ水は洗浄水として洗浄タンクに回収す
るものである。

【０００５】この場合、ブースタタンク内のすすぎ水の
温度は、被洗浄物の殺菌と仕上げ後の自然乾燥効果を得
るためにできるだけ高温（例えば＋８０℃程）とする必
要がある。そのため、ブースタタンクには瞬間湯沸器や
給湯器等の給湯装置から給湯弁を介して熱湯を供給する
と共に、短時間でブースタタンク内のすすぎ水の温度が
上昇するよう、ブースタタンクの容量は比較的小さいも
のとされる。

【０００６】一方、洗浄タンクは洗浄運転中に被洗浄物
に吸熱されても、洗浄水の温度降下を招かないようにす
る（或いは、温度降下を抑制する）ために、その容量は
比較的大きなものとされる。また、すすぎポンプは給湯
装置からの供給量（単位時間当たり）以上の量（単位時
間当たり）のすすぎ水をすすぎノズルに給送する関係
上、すすぎポンプの運転開始に伴ってブースタタンク内
の水位は低下するが、すすぎポンプの空気吸引を防止す
るためにはブースタタンク内に必ずすすぎ水を残留させ
て置く必要がある。

【０００７】このような関係から、洗浄タンク内に洗浄
水を貯留する（満水とする）場合には、先ず給湯装置か
らブースタタンクにすすぎ水を供給し、満水とした後に
一定期間（ブースタタンクが空にならない期間。例えば
１０秒間）すすぎポンプの運転を行って洗浄タンクに給
水する。そして、この期間の経過後はすすぎポンプを一
旦停止し、ブースタタンクが満水となるのを待って再び
運転を開始する動作を複数回繰り返し行っていた。

【０００８】ここで、ブースタタンク内の満水の検知は
フロートスイッチ等の水位検知器にて行われる。この水
位検知器は、ブースタタンク内の水位が上昇して満水位
となり、そこから所定水位（ヒステリシス分）低下する
までを満水とし、所定水位以下となった時点で満水では
ないとするものであった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】一方、従来の食器洗浄
機の制御装置は係る水位検知器が満水と判断している間
前記給湯弁を閉じるため、その間は給湯装置も停止（消
火）する。そして、すすぎポンプの運転開始によりブー
スタタンク内の水位が前記所定水位以下に低下すると、
制御装置は再び給湯弁を開き、それによって給湯装置は
運転（点火）するものであった。

【００１０】即ち、従来ではこのような給湯装置の消火
・点火を前記一定期間（１０秒）内に複数回繰り返して
いたため、点火の時点から給湯装置が着火するまでに通
過する低温の水、及び給湯装置からブースタタンクに至
る配管途中で冷された低温の水がその都度ブースタタン
ク内に流入し、ブースタタンク内のすすぎ水の昇温が遅
れて熱損失が大きくなる問題があった。

【００１１】また、例えば特開平５−３１７２３０号公
報（Ａ４７Ｌ１５／４２）では、食器洗浄機に溢水異常
等が発生した場合に、警報を発して動作を中止する構成
が示されているが、断水や水圧低下等の理由により、前
記ブースタタンクに給湯装置からすすぎ水が供給（給
湯）されない場合、或いはその量が著しく少ない場合に
対する対処が成されておらず、それによって、食器洗浄
機が運転不能に陥ったり、すすぎポンプが空気を吸引し
て故障する等の問題が発生していた。

【００１２】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、ブースタタンクにすすぎ
水を供給する時点における熱損失を極力抑えることがで
きる食器洗浄機を提供することを目的とする。

【００１３】本発明のもう一つの目的は、断水等によっ
てブースタタンクへのすすぎ水の供給に異常が発生した
場合に、迅速に対処して機器の保護を行うことができる
食器洗浄機を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明の食器洗
浄機は、洗浄室と、この洗浄室内に設けられたノズル
と、すすぎ水を貯留するブースタタンクと、このブース
タタンク内にすすぎ水を供給する給湯手段と、ブースタ
タンク内のすすぎ水をノズルに給送して噴射させるポン
プと、ノズルから噴射されたすすぎ水を回収する洗浄タ
ンクと、ブースタタンク内の水位を検知する水位検知手
段と、この水位検知手段に基づいてポンプ及び給湯手段
を制御する制御装置とを備えており、この制御装置は、
ブースタタンクが満水となった場合にポンプの運転を開
始すると共に、以後連続して給湯手段からブースタタン
クにすすぎ水を供給するものである。

【００１５】請求項２の発明の食器洗浄機は、洗浄室
と、この洗浄室内に設けられたノズルと、給湯装置から
のすすぎ水を貯留するブースタタンクと、このブースタ
タンクへのすすぎ水の供給を制御する給湯弁と、給湯装
置からの供給量以上の量のすすぎ水をブースタタンクよ
りノズルに給送して噴射させるポンプと、ノズルから噴
射されたすすぎ水を回収する洗浄タンクと、ブースタタ
ンク内の満水位を検知する水位検知器と、この水位検知
器の検知動作に基づいてポンプ及び給湯弁を制御する制
御装置とを備えており、この制御装置は、水位検知器が
前記満水位を検知した場合にポンプの運転を開始すると
共に、以後水位検知器の検知動作に係わらず、所定期間
連続して給湯弁を開放するものである。

【００１６】請求項３の発明の食器洗浄機は、洗浄室
と、この洗浄室内に設けられたノズルと、すすぎ水を貯
留するブースタタンクと、このブースタタンク内にすす
ぎ水を供給する給湯手段と、ブースタタンク内のすすぎ
水をノズルに給送して噴射させるポンプと、ノズルから
噴射されたすすぎ水を回収する洗浄タンクと、ブースタ
タンク内の水位を検知する水位検知手段と、この水位検
知手段に基づいてポンプ及び給湯手段を制御する制御装
置とを備えており、この制御装置は、給湯手段からすす
ぎ水の供給を開始した後、ブースタタンク内の水位が所
定期間内に満水とならない場合、以後ポンプの運転を禁
止するものである。

【００１７】請求項４の発明の食器洗浄機は、洗浄室
と、この洗浄室内に設けられたノズルと、すすぎ水を貯
留するブースタタンクと、このブースタタンク内にすす
ぎ水を供給する給湯手段と、ブースタタンク内のすすぎ
水をノズルに給送して噴射させるポンプと、ノズルから
噴射されたすすぎ水を回収する洗浄タンクと、ブースタ
タンク内の水位を検知する水位検知手段と、警報手段
と、水位検知手段に基づいてポンプ、給湯手段及び警報
手段を制御する制御装置とを備えており、この制御装置
は、給湯手段からすすぎ水の供給を開始した後、ブース
タタンク内の水位が所定期間内に満水とならない場合、
警報手段を動作させるものである。

【００１８】

【作用】請求項１の発明の食器洗浄機では、ブースタタ
ンクが満水となってポンプの運転を開始した後も連続し
て給湯手段からブースタタンクにすすぎ水を供給するよ
うにしたので、ブースタタンクが満水となった後も給湯
手段は消火されずに引き続き点火状態を維持される。従
って、従来の如く給湯手段の点火直後の低温の水が頻繁
にブースタタンク内に入る不都合を解消することがで
き、ブースタタンクにすすぎ水を供給する際の熱損失を
軽減することができるようになる。また、連続してすす
ぎ水が供給されるために、従来に比して洗浄タンクへの
給水時間も短縮され、時間効率を向上させることができ
るようになる。

【００１９】また、請求項２の発明の食器洗浄機では、
水位検知器がブースタタンク内の満水位を検知してポン
プの運転を開始した後、水位検知器の検知動作に係わら
ず所定期間連続して給湯弁を開放するようにしたので、
ポンプが給湯装置からの供給量以上の量のすすぎ水をブ
ースタタンクよりノズルに給送する関係上、前記所定期
間の経過後にはブースタタンク内の水位が低下し、水位
検知器は満水位を検知しなくなる。それにより、結果的
に給湯弁は以後連続して開放されることになり、給湯装
置は消火されずに引き続き点火状態を維持されるように
なる。

【００２０】従って、請求項１の発明同様ブースタタン
クにすすぎ水を供給する際の熱損失を軽減することがで
きるようになると共に、時間効率も向上させることがで
きるようになる。

【００２１】更に、請求項３の発明の食器洗浄機によれ
ば、断水や水圧低下等の理由により、給湯手段からすす
ぎ水の供給を開始した後、ブースタタンク内の水位が所
定期間内に満水とならない場合には、以後ポンプの運転
を禁止するようにしたので、係る異常時におけるポンプ
の空気吸引を防止し、故障の発生を未然に解消すること
ができるようになる。

【００２２】更にまた、請求項４の発明の食器洗浄機に
よれば、同じく断水や水圧低下等の理由により、給湯手
段からすすぎ水の供給を開始した後、ブースタタンク内
の水位が所定期間内に満水とならない場合には、警報手
段を動作させるようにしたので、係る異常の発生を使用
者に報知して、迅速且つ的確な対処が施されるようにす
ることができるものである。

【００２３】

【実施例】次に、図面に基づき本発明の実施例を詳述す
る。図１は本発明の食器洗浄機１の縦断側面図、図２は
本発明の食器洗浄機１の制御装置２６の電気回路のブロ
ック図である。各図において、食器洗浄機１の本体ケー
ス２内には洗浄室３が区画形成されており、この洗浄室
３の前面は図示しない扉によって開閉される。洗浄室３
の上部には洗浄水を下向きに噴射する複数の洗浄ノズル
口４Ａ・・を有する上洗浄ノズル４が回転可能に配設さ
れると共に、この上洗浄ノズル４の若干下位には上洗浄
ノズル４と同心上で回転する上すすぎノズル５が配設さ
れている。この上すすぎノズル５はすすぎ水を下向きに
噴射する複数のすすぎノズル口５Ａ・・を有している。

【００２４】また、洗浄室３の下部には洗浄水を上向き
に噴射する複数の洗浄ノズル口６Ａ・・を有する下洗浄
ノズル６が回転可能に配設され、この下洗浄ノズル６の
若干上位にはすすぎ水を上向きに噴射する複数のすすぎ
ノズル口７Ａ・・を有する下すすぎノズル７が下洗浄ノ
ズル６と同心上で回転可能に配設されている。

【００２５】一方、洗浄室３の下方には図示しないフィ
ルタによって洗浄室３と区画された比較的（後述するブ
ースタタンク１５に比較して）容量の大きい洗浄タンク
１２が設けられている。この洗浄タンク１２内にはオー
バーフロー管１３が立設されており、洗浄タンク１２の
洗浄水面を所定水位に規制する位置にて、洗浄タンク１
２内に開口している。

【００２６】他方、上下洗浄ノズル４、６と洗浄タンク
１２の間には、洗浄タンク１２に貯留される洗剤が混入
した＋６０℃程の洗浄水を、洗浄配管１８を介して上下
洗浄ノズル４、６に循環するための洗浄ポンプ１４が配
設されている。また、本体ケース２には更に＋８０℃程
の高温のすすぎ水を貯留するためのブースタタンク１５
が並設されている。このブースタタンク１５は前記洗浄
タンク１２に比較して小さい容量のものであり、このブ
ースタタンク１５と上下すすぎノズル５、７の間には、
ブースタタンク１５に貯留せる前記すすぎ水を、すすぎ
配管１９を介して上下すすぎノズル５、７に給送するた
めのすすぎポンプ１６が配設されている。

【００２７】このブースタタンク１５にもその所定水位
を規制するオーバーフロー管２１が立設されている。ま
た、ブースタタンク１５には瞬間湯沸器等から成る給湯
手段としての給湯装置２７から配管２８を介して前記す
すぎ水が供給（給湯）されると共に、配管２８には同じ
く給湯手段を構成する電磁弁から成る給湯弁２２が設け
られている。

【００２８】次に、図２において制御装置２６は汎用の
マイクロコンピュータ３１にて構成されており、このマ
イクロコンピュータ３１の入力には前記洗浄タンク１２
の所定の満水位（オーバーフロー管１３の上端よりも低
い水位）を検知するフロートスイッチから成る水位検知
器３２が接続されており、更に、前記ブースタタンク１
５の所定の満水位Ｗ１を検知するフロートスイッチから
成る水位検知手段としての水位検知器３３が接続されて
いる。

【００２９】また、マイクロコンピュータ３１の出力に
は前記洗浄ポンプ１４とすすぎポンプ１６が接続される
と共に、前記給湯弁２２も接続されている。更に、マイ
クロコンピュータ３１の出力には警報手段としての警報
ブザー（ランプでも良い）３４が接続されている。

【００３０】尚、前記水位検知器３３はブースタタンク
１５内のすすぎ水の水位が上昇し、図３に示す満水位Ｗ
１に達した時点で満水に切り替わると共に、ブースタタ
ンク１５内の水位がＷ１から所定水位（ヒステリシス
分）下の低水位Ｗ２に低下するまでその状態（満水に切
り替わった状態）を維持するものとする。また、すすぎ
ポンプ１６は運転されて、給湯装置２７からの供給量
（単位時間当たり）より多い量のすすぎ水をブースタタ
ンク１５からすすぎ管１９に給送すると共に、給湯弁２
２が開放されて給湯装置２７からすすぎ水が供給され、
且つ、すすぎポンプ１６が運転されている状態で、例え
ば３秒かかってブースタタンク１５内の水位は満水位Ｗ
１から低水位Ｗ２に低下するものとする。

【００３１】更に、同じ状態にてＷ１からすすぎポンプ
１６が存在する位置より上の水位Ｗ３（渇水位）までブ
ースタタンク１５内の水位が低下するのに例えば１０秒
かかるものとする。更にまた、オーバーフロー管２１の
上端は、すすぎポンプ１６が停止していて、給湯装置２
７からすすぎ水が供給されている状態が５秒継続された
場合に上昇する水位分以上、前記満水位Ｗ１より上に位
置せられているものとする。

【００３２】以上の構成で次に図４のフローチャートを
参照しながら、本発明の食器洗浄機１の動作を説明す
る。尚、上下すすぎノズル５、７（上下洗浄ノズル４、
６）間の洗浄室３内に皿等の食器から成る図示しない被
洗浄物を収納する。そして、電源が投入されると、制御
装置２６のマイクロコンピュータ３１は先ず、洗浄タン
ク１２に洗浄水を貯留するための給湯を開始する。

【００３３】図４はこの給湯制御に関するマイクロコン
ピュータ３１のプログラムを示している。マイクロコン
ピュータ３１は先ずステップＳ１にて水位検知器３２に
基づき洗浄タンク１２が満水か否か判断する。この時点
では満水でないから、ステップＳ２に進み、今度はすす
ぎ運転中（すすぎポンプ１６が運転されている状態）か
否か判断する。ここでもすすぎ運転中ではないからステ
ップＳ５に進み、水位検知器３３に基づいてブースタタ
ンク１５内の水位が満水となっているか判断する。

【００３４】ここでも満水ではないから、マイクロコン
ピュータ３１はステップＳ１１に進んで給湯弁２２を開
放し、ステップＳ１２でその機能として有するブースタ
満水カウンタをクリア（０）する。ここで、マイクロコ
ンピュータ３１はその機能として有するブースタ給湯カ
ウンタにより給湯弁２２が開放してからの経過時間であ
る給湯時間をカウントしており、ステップＳ１３では当
該給湯時間が３分以上経過しているか否か判断して、否
であれば再び他の処理に進んでステップＳ１に戻る。

【００３５】ステップＳ１１で給湯弁２２が開放される
と、給湯装置２７に水が流れるため、給湯装置２７は点
火される。この給湯装置２７にて加熱された熱湯（＋８
０℃以上）は配管２８を通ってブースタタンク１５内に
流入する。以後、これを繰り返してブースタタンク１５
内に高温のすすぎ水を貯留して行く。

【００３６】ここで、給湯装置２７に断水或いは水圧低
下等の異常が発生しており、単位時間当たりの給湯量が
著しく少ない（０を含む）場合は、ブースタタンク１５
内の水位は上昇しないか、上昇が著しく緩慢となる。係
る状態となると給湯弁２２が開放されてから３分経過し
てもブースタタンク１５は満水とならなくなるので、マ
イクロコンピュータ３１はステップＳ１３からステップ
Ｓ１４に進んで断水警報をセットし、前記警報ブザー３
４を鳴動させると共に、ステップＳ１５にてすすぎポン
プ１６等を含む食器洗浄機１の運転を停止する。

【００３７】従って、係る異常発生時におけるすすぎポ
ンプ１６等の空気吸引の発生を防止し、故障を未然に解
消することができるようになると共に、異常の発生を使
用者に報知して、迅速且つ的確な対処が施されるように
することができる。

【００３８】次に、係る異常が無く給湯装置２７から正
常に給湯されてブースタタンク１５内の水位が満水位Ｗ
１に達すると、水位検知器３３が満水に切り替わるの
で、マイクロコンピュータ３１はそれに基づいてステッ
プＳ５からステップＳ６に進み、前記ブースタ給湯カウ
ンタをクリア（０）すると共に、ステップＳ７ですすぎ
ポンプ１６の運転（動作）を開始し、すすぎ運転に入
る。次に、ステップＳ８で水位検知器３３に基づき、ブ
ースタタンク１５の水位が満水とっているか否か判断
し、ここでは満水となった直後であるからステップＳ９
に進み、上記満水検知後５秒以上経過したか否か判断す
る。

【００３９】ここで、マイクロコンピュータ３１は前記
ブースタ満水カウンタにより満水検知後の経過時間をカ
ウントしており、ステップＳ９では当該経過時間が５秒
以上か否か判断して、否であれば再び他の処理に進んで
ステップＳ１に戻る。そして、ステップＳ２ではすすぎ
運転中であるのでステップＳ４に進み、すすぎ運転の開
始から１０秒経過したか否か判断する。ここでは経過し
ていないからステップＳ８に進み、以後１０秒経過する
までこれを繰り返す。

【００４０】前記ステップＳ７ですすぎポンプ１６が運
転（動作）を開始すると、ブースタタンク１５内の高温
（＋８０℃）のすすぎ水はすすぎ管１９より上下すすぎ
ノズル５、７に給送される。給送されたすすぎ水は上す
すぎノズル５のすすぎノズル口５Ａ・・から下向きに噴
射されると共に、下すすぎノズル７のすすぎノズル口か
ら上向きに噴射される。そして、噴射されたすすぎ水は
落下して前記フィルタを通って洗浄タンク１２内に回収
され、貯留される。

【００４１】すすぎポンプ１６の運転によってブースタ
タンク１５内のすすぎ水がすすぎ管１９に給送されて行
くと、この量は前述の如く給湯装置２７からの供給量よ
りも多いためにブースタタンク１５内の水位は低下して
行く。そして、すすぎポンプ１６の運転開始から３秒が
経過すると、ブースタタンク１５内の水位は前述の如く
Ｗ２以下に低下するので水位検知器３３は切り替わって
満水ではなくなる。

【００４２】これに基づき、マイクロコンピュータ３１
は満水検知後５秒経過する以前に、ステップＳ８からス
テップＳ９に進まなくなるので、結果的に給湯弁２２は
以後連続して開放されることになり、給湯装置２７は消
火されずに引き続き点火状態を維持されるようになる。
従って、従来の如く給湯装置２７の点火直後の低温の水
が頻繁にブースタタンク１５内に入る不都合を解消する
ことができ、ブースタタンク１５にすすぎ水を供給する
際の熱損失を軽減することができるようになる。

【００４３】尚、係るすすぎ運転の開始から１０秒経過
すると、マイクロコンピュータ３１はステップＳ３から
ステップＳ４に進んですすぎポンプ１６の運転（動作）
を停止し、すすぎ運転を中断する。このときの水位は前
述の如くすすぎポンプ１６より上の水位Ｗ３であるの
で、すすぎポンプ１６が空気を吸引する不都合は生じな
い。

【００４４】この時点で洗浄タンク１２が満水となって
いなければマイクロコンピュータ３１はステップＳ１か
らステップＳ２に進み、そこからステップＳ５に進んで
以後同様の動作を繰り返す。そして、係る制御が数回
（例えば８回程）繰り返された段階で水位検知器３２に
基づき洗浄タンク１２内が満水となったら、マイクロコ
ンピュータ３１はステップＳ１からステップＳ２に進ま
なくなるので、洗浄タンク１２への給湯制御は終了す
る。

【００４５】このように給湯制御中すすぎポンプ１６は
運転・停止されるが、前述の如く給湯弁２２は連続して
開放され、ブースタタンク１５には給湯装置２７から連
続してすすぎ水が供給されるので、前記すすぎポンプ１
６の運転開始から１０秒経過後にブースタタンク１５内
に残留するすすぎ水量も多くなる。従って、洗浄タンク
１２への給水（給湯）時間も従来に比して短縮され、時
間効率を向上させることができるようになる。

【００４６】尚、ステップＳ９にて満水検知後の経過時
間が５秒以上となると、マイクロコンピュータ３１はス
テップＳ１０に進んで給湯弁２２を閉じるので、給湯装
置２７は消火される。即ち、例えばすすぎポンプ１６の
故障等により、すすぎ運転を開始した後、５秒経過して
もブースタタンク１５内の水位が前記Ｗ２まで低下しな
い場合には、給湯弁２２は閉じられる。一方、前述の如
くオーバーフロー管２１は５秒間のすすぎ水の流入によ
る水位以上Ｗ１から突出しているので、オーバーフロー
管２１からの無駄な温水の排出も防止される。

【００４７】このような給湯制御が終了すると、次にマ
イクロコンピュータ３１は洗浄運転を開始する。この洗
浄運転においては、洗浄ポンプ１４の作動によって洗浄
タンク１２に貯留されている洗浄水が洗浄管１８より上
下洗浄ノズル４、６に循環される。循環された洗浄水は
上洗浄ノズル４の洗浄ノズル口４Ａ・・から下向きに噴
射されると共に、下洗浄ノズル６の洗浄ノズル口から上
向きに噴射され、被洗浄物に吹き付けられてそれらを洗
浄すると共に、一部は上下洗浄ノズル４、６の回転推進
力となるので、上下洗浄ノズル４、６は回転する。噴射
された洗浄タンク１２内に回収されて再び上下洗浄ノズ
ル４、６に循環される。

【００４８】係る洗浄運転が例えば９０秒間実行される
と、洗浄ポンプ１４が停止して洗浄運転を停止し、引き
続いて同じく１０秒間のすすぎ運転が開始される。この
すすぎ運転においては、同様にすすぎポンプ１６が運転
されてブースタタンク１５内の高温（＋８０℃）のすす
ぎ水をすすぎ管１９より上下すすぎノズル５、７に給送
する。給送されたすすぎ水は上すすぎノズル５のすすぎ
ノズル口５Ａ・・から下向きに噴射されると共に、下す
すぎノズル７のすすぎノズル口から上向きに噴射され、
被洗浄物に吹き付けられてそれらのすすぎを行うと共
に、一部は上下すすぎノズル５、７の回転推進力となる
ので、上下すすぎノズル５、７は回転する。

【００４９】噴射されたすすぎ水は同様に洗浄タンク１
２内に回収される。また、このすすぎ水は洗浄水に追加
されるかたちとなるため、洗浄タンク１２内の洗浄水位
は上昇するが、オーバーフロー管１３の上端よりも高く
なると、洗浄水はオーバーフロー管１３内に流入して外
部に排出される。これによって、洗浄タンク１２内の水
位は一定値に規制される。

【００５０】

【発明の効果】以上詳述した如く請求項１の発明によれ
ば、ブースタタンクが満水となってポンプの運転を開始
した後も連続して給湯手段からブースタタンクにすすぎ
水を供給するようにしたので、ブースタタンクが満水と
なった後も給湯手段は消火されずに引き続き点火状態を
維持される。従って、従来の如く給湯手段の点火直後の
低温の水が頻繁にブースタタンク内に入る不都合を解消
することができ、ブースタタンクにすすぎ水を供給する
際の熱損失を軽減することができるようになる。また、
連続してすすぎ水が供給されるために、従来に比して洗
浄タンクへの給水（給湯）時間も短縮され、時間効率を
向上させることができるようになる。

【００５１】また、請求項２の発明によれば、水位検知
器がブースタタンク内の満水位を検知してポンプの運転
を開始した後、水位検知器の検知動作に係わらず所定期
間連続して給湯弁を開放するようにしたので、ポンプが
給湯装置からの供給量以上の量のすすぎ水をブースタタ
ンクよりノズルに給送する関係上、前記所定期間の経過
後にはブースタタンク内の水位が低下し、水位検知器は
満水位を検知しなくなる。それにより、結果的に給湯弁
は以後連続して開放されることになり、給湯装置は消火
されずに引き続き点火状態を維持されるようになる。

【００５２】従って、請求項１の発明同様ブースタタン
クにすすぎ水を供給する際の熱損失を軽減することがで
きるようになると共に、時間効率も向上させることがで
きるようになるものである。

【００５３】更に、請求項３の発明によれば、断水や水
圧低下等の理由により、給湯手段からすすぎ水の供給を
開始した後、ブースタタンク内の水位が所定期間内に満
水とならない場合には、以後ポンプの運転を禁止するよ
うにしたので、係る異常時におけるポンプの空気吸引を
防止し、故障の発生を未然に解消することができるよう
になる。

【００５４】更にまた、請求項４の発明によれば、同じ
く断水や水圧低下等の理由により、給湯手段からすすぎ
水の供給を開始した後、ブースタタンク内の水位が所定
期間内に満水とならない場合には、警報手段を動作させ
るようにしたので、係る異常の発生を使用者に報知し
て、迅速且つ的確な対処が施されるようにすることがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の食器洗浄機の縦断側面図である。

【図２】本発明の食器洗浄機の制御装置の電気回路のブ
ロック図である。

【図３】本発明の食器洗浄機のブースタタンク部分の拡
大縦断側面図である。

【図４】本発明の食器洗浄機の制御装置を構成するマイ
クロコンピュータの給湯制御に関するプログラムを示す
フローチャートである。

【符号の説明】

１ 食器洗浄機 ３ 洗浄室 ４ 上洗浄ノズル ５ 上すすぎノズル ６ 下洗浄ノズル ７ 下すすぎノズル １２ 洗浄タンク １５ ブースタタンク １６ すすぎポンプ ２２ 給湯弁 ２６ 制御装置 ２７ 給湯装置 ３１ マイクロコンピュータ ３３ 水位検知器 ３４ 警報ブザー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄室と、この洗浄室内に設けられたノ
   ズルと、すすぎ水を貯留するブースタタンクと、このブ
   ースタタンク内にすすぎ水を供給する給湯手段と、前記
   ブースタタンク内のすすぎ水を前記ノズルに給送して噴
   射させるポンプと、前記ノズルから噴射されたすすぎ水
   を回収する洗浄タンクと、前記ブースタタンク内の水位
   を検知する水位検知手段と、この水位検知手段に基づい
   て前記ポンプ及び給湯手段を制御する制御装置とを備
   え、 この制御装置は、前記ブースタタンクが満水となった場
   合に前記ポンプの運転を開始すると共に、以後連続して
   前記給湯手段から前記ブースタタンクにすすぎ水を供給
   することを特徴とする食器洗浄機。
2. 【請求項２】 洗浄室と、この洗浄室内に設けられたノ
   ズルと、給湯装置からのすすぎ水を貯留するブースタタ
   ンクと、このブースタタンクへのすすぎ水の供給を制御
   する給湯弁と、前記給湯装置からの供給量以上の量のす
   すぎ水を前記ブースタタンクより前記ノズルに給送して
   噴射させるポンプと、前記ノズルから噴射されたすすぎ
   水を回収する洗浄タンクと、前記ブースタタンク内の満
   水位を検知する水位検知器と、この水位検知器の検知動
   作に基づいて前記ポンプ及び給湯弁を制御する制御装置
   とを備え、 この制御装置は、前記水位検知器が前記満水位を検知し
   た場合に前記ポンプの運転を開始すると共に、以後水位
   検知器の検知動作に係わらず、所定期間連続して前記給
   湯弁を開放することを特徴とする食器洗浄機。
3. 【請求項３】 洗浄室と、この洗浄室内に設けられたノ
   ズルと、すすぎ水を貯留するブースタタンクと、このブ
   ースタタンク内にすすぎ水を供給する給湯手段と、前記
   ブースタタンク内のすすぎ水を前記ノズルに給送して噴
   射させるポンプと、前記ノズルから噴射されたすすぎ水
   を回収する洗浄タンクと、前記ブースタタンク内の水位
   を検知する水位検知手段と、この水位検知手段に基づい
   て前記ポンプ及び給湯手段を制御する制御装置とを備
   え、 この制御装置は、前記給湯手段からすすぎ水の供給を開
   始した後、前記ブースタタンク内の水位が所定期間内に
   満水とならない場合、以後前記ポンプの運転を禁止する
   ことを特徴とする食器洗浄機。
4. 【請求項４】 洗浄室と、この洗浄室内に設けられたノ
   ズルと、すすぎ水を貯留するブースタタンクと、このブ
   ースタタンク内にすすぎ水を供給する給湯手段と、前記
   ブースタタンク内のすすぎ水を前記ノズルに給送して噴
   射させるポンプと、前記ノズルから噴射されたすすぎ水
   を回収する洗浄タンクと、前記ブースタタンク内の水位
   を検知する水位検知手段と、警報手段と、前記水位検知
   手段に基づいて前記ポンプ、給湯手段及び警報手段を制
   御する制御装置とを備え、 この制御装置は、前記給湯手段からすすぎ水の供給を開
   始した後、前記ブースタタンク内の水位が所定期間内に
   満水とならない場合、前記警報手段を動作させることを
   特徴とする食器洗浄機。