JPH07321110A - 配線形成方法、電子源およびその製造方法、ならびに画像形成装置 - Google Patents

配線形成方法、電子源およびその製造方法、ならびに画像形成装置

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JPH07321110A
JPH07321110A JP11078894A JP11078894A JPH07321110A JP H07321110 A JPH07321110 A JP H07321110A JP 11078894 A JP11078894 A JP 11078894A JP 11078894 A JP11078894 A JP 11078894A JP H07321110 A JPH07321110 A JP H07321110A
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wiring
electron
film
copper
sog
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JP11078894A
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English (en)
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Yoshimasa Okamura
好真 岡村
Masato Niibe
正人 新部
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 配線の形成を、絶縁体上に所定のパターンで
凹状溝を形成し、該絶縁体上の全面に適宜密着層を介し
て銅を成膜し、その上に回転塗布型ガラス(SOG)を
塗布・焼成してからSOG膜と銅の同時除去を開始し、
絶縁体面が露出したところで除去を停止して行なって、
行列状に多数個の表面伝導型電子放出素子を配列した電
子源を製造し、それを用いて画像形成装置を製造する。 【効果】 従来では困難であった銅を配線材料とする配
線の形成を、マスクパターンを用いずに高精細に行なう
ことができ、配線抵抗が小さく、配線の断線やショート
のない、特性のバラツキのない電子源を得て、優れた画
像形成装置を低コストで製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅を材料とする配線基
板、電子源およびそれを利用した表示装置等の画像形成
装置に関し、特に、微粒子を電子放出部に用いた表面伝
導型電子放出素子を多数個具備した電子源およびそれを
利用した表示装置等の画像形成装置ならびにそれらの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、熱電子源
と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源
には電界放出型(以下、FE型と称する)、金属/絶縁
層/金属型(以下、MIM型と称する)や、表面伝導型
電子放出素子等がある。
【0003】FE型の例としては、Dykeらの報告(W.
P. Dyke and W. W. Dolan, "Field emission", Advance
in Electron Physics, 8, 89(1956))に記載のもの、S
pindtの報告(C. A. Spindt, "PHYSICAL Properties of
thin-film field emission cathodes with molybdeniu
m cones", J. Appl. Phys., 47, 5248(1976))に記載の
もの等が知られている。
【0004】MIM型の例としては、Meadの報告(C.
A. Mead, "The tunnel-emission amplifier", J. Appl.
Phys., 32, 646(1961))に記載のもの等が知られてい
る。
【0005】表面伝導型電子放出素子の例としては、エ
リンソンの報告(M. I. Elinson, Radio Eng. Electron
Phys., 10(1965))に記載のもの等がある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記のエリンソン
の報告に記載のSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜に
よるもの(G. Dittmer, Thin Solid Films, 9, 317(197
2))、In23/SnO2薄膜によるもの(M. Hartwell
and C. G. Fonstad,IEEE Trans. ED Conf., 519(197
5))、カーボン薄膜によるもの(荒木ら,真空,第26
巻,第1号,22頁(1983))などが報告されてい
る。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のハートウェル(Hartwell)の素
子の構成を図13に示す。同図において、1は絶縁性基
板である。2は電子放出部形成用薄膜で、H型形状のパ
ターンに、スパッタで形成された金属酸化薄膜等からな
り、後述のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子
放出部3が形成される。4は2の一部であるが、特に
「電子放出部を含む薄膜」と称して区別する。なお、図
中のL1は0.5〜1mm、Wは0.1mmで設定され
ている。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行なう前に電子放出部形成用薄膜
2に対して予めフォーミングと呼ばれる通電処理を施す
ことによって電子放出部を形成するのが一般的であっ
た。すなわち、フォーミングとは前記の電子放出部形成
用薄膜2の両端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用
薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的
に高抵抗な状態にした電子放出部3を形成することであ
る。なお、電子放出部3は電子放出部形成用薄膜2の一
部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出が行なわ
れる。このように、フォーミングにより形成した電子放
出部を含む電子放出部形成用薄膜2が、上記の電子放出
部を含む薄膜4である。前記フォーミング処理を行なっ
た表面伝導型電子放出素子は、電子放出部を含む薄膜4
に電圧を印加し、素子に電流を流すことによって、上述
の電子放出部3より電子を放出せしめるものである。
【0009】上述の表面伝導型電子放出素子は、構造が
単純で製造も容易であることから、大面積で多数の素子
を配列形成できる利点がある。そこで、その特徴を利用
した各種の応用について研究が行なわれており、例とし
ては、荷電ビーム源、表示装置等が挙げられる。多数の
表面伝導型放出素子を配列形成した例としては、並列に
表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素子の両端を
配線にてそれぞれ結線した行を多数行配列した電子源が
挙げられる(例えば特開平1−031332号公報に記
載のもの)。また、特に表示装置等の画像形成装置にお
いては、近年、液晶を用いた平板型表示装置が、CRT
に代わって普及してきたが、自発発光型ではないため、
バックライト等を持たせなければならない等の問題点が
あり、自発発光型の表示装置の開発が望まれてきた。表
面伝導型電子放出素子を多数配置した電子源と電子源よ
り放出された電子によって、可視光を発光せしめる蛍光
体とを組み合せた表示装置である画像形成装置は、大画
面の装置でも比較的容易に製造でき、かつ表示品位の優
れた自発発光型表示装置である(例えば、米国特許50
66883号に記載のもの)。
【0010】表面伝導型電子放出素子の構成および製法
の特徴として、次のようなものが挙げられる。
【0011】1)フォーミングと呼ばれる通電処理前の
電子放出部形成用薄膜2は、微粒子分散体を分散して形
成された微粒子から成る薄膜、あるいは有機金属等を加
熱焼成して形成された微粒子からなる薄膜等、基本的に
は微粒子によって構成される。
【0012】2)フォーミングと呼ばれる通電処理後、
電子放出部3、電子放出部を含む薄膜4とも、基本的に
は微粒子より構成される。
【0013】図11(a)および(b)は、基本的な平
面型表面伝導型電子放出素子の構成を示す平面図および
断面図である。図11を用いて、その素子の基本的な構
成を説明する。
【0014】図11において、1は絶縁性基板、5およ
び6は素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子
放出部である。
【0015】電子放出部3を有する電子放出素子の製造
手順の1例を図12を参照しながら以下に示す。図12
において、2は電子放出部形成用薄膜で例えば微粒子膜
などである。 1)絶縁性基板1を十分に洗浄した後、素子電極材料を
堆積し、フォトリソグラフィー技術により素子電極材料
層をリフトオフし、その絶縁性基板1の面上に素子電極
5および6を形成する (図12(a))。 2)絶縁性基板1上に設けられた素子電極5と素子電極
6の間にPd等の金属を主要元素とする薄膜を形成し、
パターニングして、電子放出部形成用薄膜2を形成する
(図12(b))。 3)続いて、フォーミングと呼ばれる通電処理を素子電
極5・6間に行なうと、電子放出部形成用薄膜2の部位
に構造の変化した電子放出部3が形成される(図12
(c))。
【0016】次に、表面伝導型電子放出素子を、行列状
に多数個配列した電子源について、図14を用いて説明
する。図14はその電子源の模式的断面図である。同図
において、1は基板、72は下配線、73は上配線、4
は電子放出部を含む薄膜、5および6は素子電極、11
1は層間絶縁層、112は素子電極5と下配線72との
電気的接続のためのコンタクトホールである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例における表面伝導型電子放出素子を、行列状に多数
個配列した電子源において、配線が高抵抗であると配線
の電圧効果により、電圧印加した配線電極端から遠い素
子ほど電位が低下し、見かけ上フォーミング電圧が上昇
する。さらに、フォーミングを終えた素子をラインで発
光させると、電圧降下により輝度の明暗ができてしまう
ことがあった。また、印加した素子駆動信号の時間的遅
延が生じ、それが配線両端の接続素子間で与えられる駆
動信号の時間的ずれとなって画像の乱れが生じることが
あり、できるだけ低抵抗の配線材料を用いることが望ま
しい。
【0018】比抵抗の小さい配線材料としては、Au
(2.2μΩ・cm)、Ag(1.6μΩ・cm)、A
l(2.8μΩ・cm)、Cu(1.7μΩ・cm)等
がある。SiO2との密着がよいのはAlで、Au、A
gおよびCuではいずれの場合もCrやTiといった密
着層を介して密着性を上げる手法が用いられるのが一般
的である。Au、Agはともにコストが高く、大画面化
には不向きである。Cuは低コストという面ではAlと
同様に有望な金属で、機械的引っ張り強度を抵抗率で割
った値は、Alが2.0(kgf/mm2・Ωcm)で
あるのに対して、Cuは13(kgf/mm2・Ωc
m)と非常に高く、マイグレーション耐性を考慮して
も、Cuは配線材料として有望である。
【0019】しかしながら、Cuを用いた配線は加工が
困難であり、リフトオフ法により形成する場合は厚膜化
が困難であり、ドライエッチング法により形成する場合
は、エッチングガスとして用いるハロゲンとの反応生成
物の蒸気圧が低く、高温にしないとエッチングが進行し
ない。
【0020】さらに、大画面でかつ高精細な画像表示を
行なうには、配線幅には規制があり、配線の低抵抗化に
は厚くすることが不可欠となる。この時、多層配線構造
とした時に生じる段差による断線、ショートが問題であ
った。
【0021】以上の問題点に鑑み、本発明は、具体的に
は下記の5点を目的としてなされたものである。 (1)銅を材料とした配線基板の形成方法を確立する。 (2)配線抵抗の小さい電子源を提供する。 (3)段差、起伏の少ない多層配線として配線の断線、
ショートのない電子源を提供する。 (4)同特性の素子を複数使用する場合に特性のバラツ
キのない電子源を提供する。 (5)無発光点、輝度ムラのない、高精細な画像を与え
る画像形成装置を提供する。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は第1に、絶縁体
上に所定のパターンで凹状溝を形成し、該絶縁体上の全
面に銅を成膜し、その上に回転塗布型ガラス(SOG)
を塗布・焼成してからSOG膜と銅の同時除去を開始
し、絶縁体面が露出したところで除去を停止する銅配線
の形成方法を提供する。
【0023】その場合、SOGと銅の同時除去はエッチ
ング法、特にリアクティブ・イオン・エッチング(Reac
tive Ion Etching;以下、RIEと称する)法で行なう
ことが好ましい。その際、条件を適当に設定することに
よってSOGと銅とを同速度でエッチングすることがで
き、段差のない平坦なエッチングを行なうことができ
る。従って、下地の絶縁体の面が露出した時点でエッチ
ングを停止すれば、凹状溝に銅が埋め込まれた形の銅配
線パターンが形成される。なお、SOGと銅の同時除去
はエッチング法に限定されるものではなく、例えば研磨
法などを用いてもよい。
【0024】このような方法で配線パターンを形成する
ことにより、従来では困難であった銅を配線材料とする
配線の形成を、マスクパターンを用いずに高精細に行な
うことが可能となり、厚い銅配線を容易に形成すること
が可能となって、特に配線幅に制限がある場合などに低
抵抗化を達成することができ、断線、ショート発生等の
問題を低減することができる。
【0025】また、銅を配線材料とする場合には、絶縁
体および/またはSOGの種類に応じて、銅層とそれら
の層との間の密着性を高める目的で、適宜銅層と絶縁体
および/またはSOGとの間に密着層を設けることが好
ましい。密着層を構成する元素は、絶縁体および/また
はSOGの材質に応じて適宜選択されるが、例えば、C
r、Tiなどが好ましい。
【0026】第2に本発明は、(1)絶縁体基板上に、
所定のパターンで行方向配線(下配線)を形成し、
(2)その行方向配線の形成された基板上に絶縁体膜を
成膜し、(3)該絶縁体膜上に該下配線に通じる開口部
であるコンタクトホールを形成し、(4)所定のパター
ンで一定のギャップを隔てて対向する1対の素子電極を
複数個形成し、(5)所定のパターンで列方向配線(上
配線)を形成し、(6)該素子電極間に電子放出部を形
成して、行列状に多数個の表面伝導型電子放出素子を配
列させる電子源の製造方法において、下配線および上配
線のうち少なくとも一方の形成を、(a)絶縁体(すな
わち、絶縁体基板または絶縁体層)上に凹状溝を形成
し、(b)該絶縁体上全面に銅を成膜し、(c)回転塗
布型ガラス(SOG)を塗布・焼成し、(d)SOG膜
と銅の同時除去を開始し、(e)絶縁体面が露出したと
ころで除去を停止することによって行なうことを特徴と
する電子源の製造方法を提供する。
【0027】第3に本発明は、(1)絶縁体基板上に、
行方向配線と該配線の上に絶縁体層を介して列方向配線
が設けられ、(2)電子放出部を挟んで1対の素子電極
が対向しており、一方の電極が該上配線と結線され、他
方の電極が該下配線と結線されている表面伝導型電子放
出素子が行列状に複数個配列された電子源において、行
方向配線および列方向配線の少なくとも1部に銅が用い
られ、両配線とも凹状溝に埋め込まれていることを特徴
とする電子源およびその電子源を用いた画像形成装置を
提供する。
【0028】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0029】本発明の電子源に用いられる素子の基本構
造は、前記の図11と同様である。その素子の絶縁性基
板1としては、石英ガラス、ナトリウム等の不純物含有
量を減少させたガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパ
ッタ法等により形成したSiO2を積層したガラス基板
等およびアルミナ等のセラミックス等が挙げられる。
【0030】対向する素子電極5および6の材料として
は、導電性を有するものであれば、どのようなものであ
っても構わないが、例えば、Ni、Cr、Au、Mo、
W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属または合
金、ならびにPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag
等の金属または金属酸化物とガラス等から構成される印
刷導体、In23−SnO2等の透明導電体およびポリ
シリコン等の半導体導体材料等が挙げられる。素子電極
間隔L1は、数百Å〜数百ミクロンであり、素子電極の
製法の基本となるフォトリソグラフィー技術、すなわ
ち、露光機の性能とエッチング方法等、ならびに素子電
極間に印加する電圧と電子放出し得る電界強度等により
設定されるが、好ましくは、数ミクロン〜数十ミクロン
である。素子電極長さW1および素子電極5、6の膜厚
dは、電極の抵抗値、前述した上下配線との結線、多数
配置された電子源の配置上の問題より適宜設計され、通
常は素子電極長さW1は、数ミクロン〜数百ミクロンで
あり、素子電極5、6の膜厚は、好ましくは数百Å〜数
ミクロンである。
【0031】絶縁性基板1上に設けられた対向する素子
電極5と素子電極6の間および素子電極5、6上に接地
された電子放出部を含む薄膜4は電子放出部3を含む
が、図11(b)に示された場合だけでなく、素子電極
5、6上には接地されない場合もある。すなわち、絶縁
性基板1上に電子放出部形成薄膜2、対向する素子電極
5、6の電極順に積層構成した場合である。また製法に
よっては、対向する素子電極5と素子電極6の間の全て
が電子放出部として機能する場合もある。その電子放出
部を含む薄膜4の膜厚は、数Å〜数千Å、好ましくは数
十Å〜数百Åである。素子電極5、6へのステップカバ
レージ、電子放出部3と素子電極5、6間の抵抗値およ
び電子放出部3の導電性微粒子の粒径、後述する通電処
理条件等によって、適宜設定される。その抵抗値は、1
3〜107Ω/□のシート抵抗値を示す。
【0032】電子放出部を含む薄膜4を構成する材料の
具体例を挙げるならば、Pd、Ru、Ag、Au、T
i、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、
Pb等の金属、PdO、SnO2、In23、PbO、
Sb23等の酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、C
eB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiC、ZrC、
HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、Z
rN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カー
ボン、AgMg、NiCu、PbSn等であり、微粒子
膜からなる。
【0033】なお、ここで述べる微粒子とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を指
す。
【0034】電子放出部3は、数Å〜数千Å、好ましく
は5Å〜200Åの粒径の導電性微粒子多数個からな
り、電子放出部を含む薄膜4の膜厚および後述する通電
処理条件等の製法等に依存しており、適宜設定される。
【0035】電子放出部3を構成する材料は、電子放出
部を含む薄膜4を構成する一部または全部の元素と同様
である。
【0036】図3には、上記の素子を行列状に多数個配
列した本発明の電子源の1実施態様を示す。図4は図3
のA−A’断面図である。これらの図中、1は基板、7
2は下配線、73は上配線、4は電子放出部を含む薄
膜、5および6は素子電極、111は層間絶縁層、11
2は素子電極5と下配線72と電気的接続のためのコン
タクトホール、75はその結線、113はSOG膜、1
14は配線を形成する凹状溝である。
【0037】図1および2は、図3の電子源の製造手順
の1例を示す工程図であり、本発明の電子源製造方法の
1実施態様を示すものである。以下、図1および2を用
いて、その手順を説明する。
【0038】(工程−a)絶縁性基板1を洗剤、純水お
よび有機溶剤等により十分に洗浄した後、シリコン酸化
膜等の絶縁性材料の膜を形成し、その上に下配線72と
なるべき凹状溝を形成するためのホトレジストパターン
を作り、それをマスクとして上記絶縁性膜をエッチング
して、凹状溝114を形成する。エッチングは、RIE
法によって行なうのが好ましい。次に、真空蒸着等の方
法で適宜TiやCrなどの密着層を介して銅を積層す
る。
【0039】(工程−b)次に、SOG113を塗布・
焼成する。
【0040】(工程−c)次に、RIEによりSOG表
面から全面をエッチングする。その際、エッチングの条
件(エッチングガス、温度など)を適宜選択すると、S
OGとCuがほぼ同じ速度でエッチングされ、段差が付
かずに平坦にエッチングが進行する。そして、下地の絶
縁性膜が露出したところで停止すれば、凹状溝114に
埋め込まれた下配線72が形成される。
【0041】(工程−d)次に、シリコン酸化膜等の層
間絶縁層111を堆積し、その絶縁層にコンタクトホー
ル112を形成するためのホトレジストパターンを作
り、それをマスクとして層間絶縁層111をエッチング
してコンタクトホール112を形成する。エッチングに
は、RIE法などが好適に使用できる。
【0042】(工程−e)さらに層間絶縁層111を再
び堆積し、次に、上配線を埋め込む凹状溝とコンタクト
ホール112を形成するためのホトレジストパターンを
形成する。なおその際、コンタクトホール部分は、工程
−dで形成したコンタクトホール部分の内側でそれより
も小さくなるように作製して、形成されるコンタクトホ
ールに段差を設けることが、後の素子電極および上配線
のカバレッジを良好にし、段差部での断線を回避する上
で好ましい。図1(e)ではそのような段差を設けた場
合について示してある。
【0043】次に、上記のホトレジストをマスクとして
層間絶縁層111を、再度工程−dと同様にエッチング
して上配線を埋め込む凹状溝114とコンタクトホール
112を形成する。
【0044】(工程−f)次に、適宜上述の密着層を介
して真空蒸着等でCuを堆積した後、工程−bと同様
に、SOG113を塗布して焼成を行なう。さらに、工
程−cと同様に、SOG表面から全面をエッチングし
て、下地の絶縁膜が露出したところで停止することによ
って、凹状溝114に埋め込まれた上配線73および下
配線との結線75を形成する。
【0045】(工程−g)次に、素子電極5および6と
素子電極間ギャップGとなるべきパターンをホトレジス
トで形成し、真空蒸着等により素子電極材料を積層す
る。次に、ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、
素子電極材料の堆積膜をリフトオフして、素子電極5、
6を形成する。
【0046】(工程−h)図15に、本工程に関わる電
子放出素子の電子放出部形成用薄膜のマスクの平面図の
一部を示す。このマスクは、素子電極間ギャップL1お
よびその近傍に開口を有するマスクであり、そのマスク
を施した後に、Crなどの膜を堆積・パターニングし、
その上に有機金属溶液を塗布・放置して、有機金属薄膜
を形成する。なお、有機金属溶液とは、Pd、Ru、A
g、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、S
n、Ta、W、Pbなどの金属を主要構成元素とする有
機化合物の溶液である。その後、その有機金属薄膜をリ
フトオフ、エッチング等によってパターニングし、電子
放出部形成用薄膜を形成する。
【0047】なお、ここで述べる微粒子膜とは、前述の
ように複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造
として、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、
微粒子が互いに隣接あるいは重なり合った状態(島状も
含む)の膜を指し、その粒径とは前記の状態で粒子形状
が認識可能な微粒子についての径を言う。
【0048】(工程−i)次に、リフトオフ、エッチン
グ等によりパターニングし、電子放出部形成用薄膜を形
成する。続いて、素子電極5、6間に、電源(不図示)
によってパルス状あるいは高速の昇電圧による通電処理
(フォーミング)を行ない、電子放出部形成用薄膜の部
位に構造の変化した電子放出部を形成する。この電子放
出部は、通電処理により、電子放出部形成用薄膜を局所
的に破壊、変形もしくは変質せしめることで構造の変化
した部位であり、導電性微粒子で構成されていることを
本発明者らは認めている。
【0049】フォーミング処理の電圧波形の1例を図6
に示す。図6中、T1およびT2は電圧波形のパルス幅と
パルス間隔であり、T1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、
T2を10マイクロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波
高値(フォーミング時のピーク電圧)は4〜10V程度
とし、フォーミング処理は真空雰囲気下で数十秒間程度
で適宜設定する。
【0050】以上説明した電子放出部を形成する際に、
素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミングを
行なっているが、素子の電極間に印加する波形は三角波
に限定する必要はなく、矩形波など所望の波形を用いて
もよく、その波高値およびパルス幅、パルス間隔等につ
いても上述の値に限ることなく、電子放出部が良好に形
成されていれば、所望の値を選択することができる。
【0051】上述のような素子構成と製造方法によって
作成される電子放出素子の基本特性について、図5およ
び図7を用いて説明する。
【0052】図5は、図11の素子の電子放出特性を測
定するための測定評価装置の概略構成図である。図5に
おいて、1は絶縁性基体、5および6は素子電極、4は
電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部を示す。また、
31は素子に素子電圧Vfを印加するための電源、30
は素子電極5・6間の電子放出部を含む薄膜4を流れる
素子電流Ifを測定するための電流計、34は素子の電
子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉するための
アノード電極、33はアノード電極34に電圧を印加す
るための高圧電源、32は素子の電子放出部3より放出
される放出電流Ieを測定するための電流計である。
【0053】電子放出素子の上記素子電流If、放出電
流Ieの測定にあたっては、素子電極5、6に電源31
と電流計30とを接続し、その電子放出素子の上方に電
源33と電流計32とを接続したアノード電極34を配
置している。また、本電子放出素子およびアノード電極
34は、真空装置内に設置され、その真空装置には、不
図示の排気ポンプおよび真空計等の真空装置に必要な機
器が具備されており、所望の真空下で本素子の測定評価
を行なうことができるようになっている。
【0054】なお、アノード電極の電圧は、1kV〜1
0kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3m
m〜8mmの範囲で設定する。
【0055】図5に示した測定評価装置により測定され
た放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を図7に示す。なお、図7は著しくIf、
Ieの大きさが異なるため、任意の単位で示されてお
り、放出電流Ieは素子電流Ifのほぼ1/2000程度
である。図7からも明らかな通り、本電子放出素子は放
出電流Ieに対する以下の3つの特性を有する。
【0056】まず第1に、本素子はある電圧(閾値電圧
と呼ぶ。図7中のVth)以上の素子電圧を印加すると急
激に放出電流Ieが増加し、一方、閾値電圧Vth以下で
は放出電流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放
出電流Ieに対する明確な閾値電圧Vthを持った非線形
素子である。
【0057】第2に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依存
するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
【0058】第3に、アノード電極34に捕捉される放
出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。す
なわち、アノード電極34に捕捉される電荷量は、素子
電圧Vfを印加する時間によって制御できる。以上のよ
うな特性を有するため、本発明にかかわる電子放出素子
は、多方面への応用が期待できる。
【0059】また、素子電流Ifは素子電圧Vfに対して
単調増加する特性(MI特性と称する)の例を図7に示
したが、この他にも、素子電流Ifが素子電圧Vfに対し
て電圧制御型負性抵抗特性(VCNR特性と称する)を
示す場合もある。なおこの場合も、本電子放出素子は上
述した3つの特性を有する。
【0060】次に、真空下に、電極5および6間に電圧
を印加して、電子放出部形成用薄膜2を通電処理(フォ
ーミング処理)することにより電子放出部を形成して電
子放出部を含む薄膜4とする。
【0061】次に、図9を用いて、本発明の電子源を用
いた画像形成装置の1実施態様について説明する。
【0062】図中、81はリアプレートで、上記の方法
で多数の表面伝導型電子放出素子を形成した基板が固定
されている。そのリアプレートの上方に、ガラス基板8
3の内面に蛍光膜84とメタルバック85が形成された
構成となっているフェースプレート86が支持枠82を
介して配置されている。74は電子放出素子、72およ
び73はそれぞれX方向およびY方向の配線である。フ
ェースプレート86にはさらに、蛍光膜84の導電性を
高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電極が設けられ
る場合もある。
【0063】以上述べた構成は、表示等に用いられる画
像形成装置を作製する上で必要な概略構成であり、例え
ば各部材の材料等、詳細な部分は上述のものに限定され
るものではなく、感光性ドラムと発光ダイオード等で構
成された光プリンターの発光ダイオード等の代賛の発光
源として、上述の装置を用いることもできる。またその
際、上述のm本の行方向配線とn本の列方向配線を、適
宜選択することで、ライン状光源だけでなく、二次元状
の発光源としても応用できる。
【0064】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。
【0065】(実施例1)本実施例では、銅を配線材料
とし、表面伝導型電子放出素子を行列状に多数個配列し
た電子源を作製した。
【0066】ここで作製した電子源の平面図を図8に示
す。またその図中のA−A’断面図を図11に示す。な
お、図8、図11および後述の図12および図13にお
ける同じ符号は同じものを指す。これらの図中、1は基
板、72は図6のDxmに対応するX方向配線(下配線
とも呼ぶ)、73は図6のDynに対応するY方向配線
(上配線とも呼ぶ)、4は電子放出部を含む薄膜、5お
よび6は素子電極、111は層間絶縁層、112は素子
電極5と下配線72と電気的接続のためのコンタクトホ
ール、75はその結線、113はSOG膜、114は配
線を形成する凹状溝である。
【0067】このような電子源の製造方法を図1および
図2を用いて、工程順に説明する。
【0068】工程−a 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.6ミクロンのシリコ
ン酸化膜をスパッタ法で形成した基板1上に、下配線7
2となるべき凹状溝を形成するためのホトレジストパタ
ーンを作り、これをマスクとして酸化膜をエッチングし
て、凹状溝を形成した。エッチングはCF4とH2ガスを
用いたRIE(Reactive Ion Etching)法によった。次
に、真空蒸着によって、厚さ100ÅのTi、厚さ60
00ÅのCu、厚さ500ÅのCrを順次積層した。
【0069】工程−b 次に、SOG(OCD、東京応化社製)113をスピン
ナーで塗布し、ホットプレート上で、80、150、2
00℃で各60秒ずつベークした後、オーブン中で40
0℃で30分間のキュアリングを行なった。
【0070】工程−c 次に、RIEによりSOG表面から全面をエッチングし
た。エッチングは基板を250〜300℃に加熱し、S
iCl4とCl2ガスを用いたRIE法によった。その手
法により、SOGとCuがほぼ同じ速度でエッチングさ
れ、段差が付かずに平坦にエッチングされ、下地の酸化
膜が露出したところで停止することにより、凹状溝11
4に埋め込まれた下配線72を形成した。
【0071】工程−d 次に、厚さ6000Åのシリコン酸化膜からなる層間絶
縁層111をRFスパッタ法により堆積し、シリコン酸
化膜にコンタクトホール112を形成するためのホトレ
ジストパターンを50μm×140μmのサイズで作
り、それをマスクとして層間絶縁層111をエッチング
してコンタクトホール112を形成した。エッチングは
CF4とH2ガスを用いたRIE法によった。
【0072】工程−e さらに厚さ10000Åのシリコン酸化膜からなる層間
絶縁層111を、RFスパッタ法により再び堆積した。
次に、シリコン酸化膜に、上配線を埋め込む凹状溝とコ
ンタクトホール112を形成するためのホトレジストパ
ターンを、工程−dで形成したコンタクトホールより
も、縦横の寸法が20μm狭くなるように作製し、それ
をマスクとして層間絶縁層111を、再度工程−dと同
様にRIEでエッチングして上配線を埋め込む凹状溝1
14とコンタクトホール112を形成した。
【0073】工程−f 次に、真空蒸着により厚さ300ÅのTi、厚さ100
00ÅのCuを順次堆積した後、工程−bと同様に、S
OG(OCD、東京応化社製)113をスピンナーで塗
布し、ベーク・キュアリングを行なった。さらに、工程
−cと同様に、RIEによってSOG表面から全面をエ
ッチングして、下地の酸化膜が露出したところで停止す
ることによって、凹状溝114に埋め込まれた上配線7
3および下配線との結線75を形成した。
【0074】工程−g 次に、素子電極5および6と素子電極間ギャップGとな
るべきパターンをホトレジスト(RD−2000N−4
1、日立化成社製)で形成し、真空蒸着により厚さ50
ÅのTi、厚さ1000ÅのNiを順次積層した。次
に、ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/
Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔は3ミクロン
とし、素子電極の幅を300ミクロンとする素子電極
5、6を形成した。
【0075】工程−h 図15に示したマスクを用いて、膜厚1000ÅのCr
膜121を真空蒸着により堆積・パターニングし、その
上に有機パラジウム(ccp4230、奥野製薬(株)
社製)をスピンナーにより回転塗布し、300℃で10
分間の加熱焼成処理を行なった。こうして形成されたP
dを主要構成元素とする微粒子からなる電子放出部形成
用薄膜4の膜厚は、約100Å、シート抵抗値は5×1
4Ω/□であった。
【0076】工程−i Cr膜121および焼成後の電子放出部形成用薄膜4を
酸エッチャントによりエッチングして所望のパターンを
形成した。
【0077】以上の工程により絶縁製基板1上に下配線
72、層間絶得層111、上配線73、素子電極5およ
び6、電子放出部形成用薄膜4等を形成した。
【0078】以上のように作製した電子源の電子放出特
性を、図5と同様の測定評価装置を用いて行なった。真
空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、端子D
ox1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ電子放出
素子74の電極5および6間に電圧を印加し、電子放出
部形成用薄膜を通電処理(フォーミング処理)すること
により電子放出部3を作製した。フォーミング処理の電
圧波形を図4に示す。
【0079】図4中、T1およびT2は電圧波形のパルス
幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミリ秒、
T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミング
時のピーク電圧)は5Vで、フォーミング処理は約1×
10-6Torrの真空雰囲気下で60秒間実施した。各
電子放出素子74のフォーミングを順次行なっている時
に、配線間のオープンやショートによってフォーミング
できない素子はほとんどなく、しかも配線抵抗の上昇に
よる電圧降下がほとんどないことから、各素子を均一に
フォーミングすることができた。
【0080】このように作製された電子放出部3は、パ
ラジウムを主要構成元素とする微粒子が分散配置された
状態となり、その微粒子の平均粒径は30Åであった。
【0081】上記のフォーミングを終えた電子放出素子
の特性を、アノード電極の電圧を1kV、アノード電極
と電子放出素子との距離Hを4mm、真空度1×10-6
Torrで測定したところ、図10に示したような電流
−電圧特性が得られた。素子間で多少のバラツキはある
が、素子電圧8V程度から急激に放出電流Ieが増加
し、素子電圧14V時の素子電流If2.2mA、放出
電流Ie1.1μAで、IfおよびIeともに各素子間の
バラツキは、±5〜6%であった。
【0082】(実施例2)本実施例では、表面伝導型電
子放出素子を行列状に多数個配列した本発明の電子源を
用いた画像形成装置およびその製造方法を示す。
【0083】実施例1で作製した電子源を用いて表示装
置を構成した例を、図9を用いて説明する。
【0084】実施例1の方法で多数の平板型表面伝導型
電子放出素子を形成した基板をリアプレート81上に固
定した後、基板1の5mm上方に、フェースプレート8
6(ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック
85が形成された構成となっている)を支持枠82を介
して配置し、フェースプレート86、支持枠82、リア
プレート81の接合部にフリットガラスを塗布し、大気
中あるいは窒素雰囲気で400℃ないし500℃で10
分間以上焼成することで封着した。また、リアプレート
81への基板1の固定もフリットガラスで行なった。
【0085】図9において、74は電子放出素子、72
および73はそれぞれX方向およびY方向の配線であ
る。
【0086】蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光
体のみからなるが、本実施例では蛍光体はストライプ形
状を採用し、先にブラックストライプを形成し、その間
隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜84を作製した。ブ
ラックストライプの材料として通常良く用いられている
黒鉛を主成分とする材料を用いたガラス基板83に蛍光
体を塗布する方法はスラリー法を用いた。
【0087】また、84の内面側には、通常メタルバッ
ク85が設けられる。メタルバックは、蛍光膜作製後、
蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、フィルミング
と呼ばれる)を行ない、その後、Alを真空蒸着するこ
とで作製した。
【0088】フェースプレート86にはさらに、蛍光膜
84の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明
電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施例で
は、メタルバックのみで十分な導電性が得られたので省
略した。
【0089】前述の封着を行なう際、カラーの場合は各
色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはならない
ため、十分な位置合わせを行なった。
【0090】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ないし
DoxmとDoy1ないしDoynを通じ電子放出素子74の
電極5および6間に電圧を印加し、電子放出部3を電子
放出部形成用薄膜2を通電処理(フォーミング処理)す
ることにより作製した。
【0091】このように作製された電子放出部3は、パ
ラジウムを主要構成元素とする微粒子が分散配置された
状態となり、その微粒子の平均粒径は30Åであった。
【0092】次に、10-6Torr程度の真空度で、不
図示の排気管をガスバーナーで熱することによって溶着
し、外囲器の封止を行なった。
【0093】最後に封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行なった。これは、封止を行なう直前に
高周波加熱等の加熱法により、画像形成装置内の所定の
位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜
を形成処理したものである。ゲッターはBa等を主成分
とした。
【0094】以上の方法で作製した画像表示装置におい
て、各電子放出素子には、容器外端子Dox1ないしDox
m、Doy1ないしDoynを通じ、走査信号および変調信
号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加して電子放
出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバック85に数k
V以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜8
4に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示し
た。その際、配線管のオープン、ショートはなく、かつ
封着工程後も配線抵抗がほとんど変化せず、電圧降下g
がほとんどないことから、各素子のフォーミングを均一
に行なえ、電子放出特性も均一であり、輝度ムラや無発
光点等は見られなかった。
【0095】
【発明の効果】以上説明した通り、絶縁体上に所定のパ
ターンで凹状溝を形成し、その絶縁体上の全面に銅を成
膜し、その上に回転塗布型ガラス(SOG)を塗布・焼
成してからSOG膜と銅の同時除去を開始し、絶縁体面
が露出したところで除去を停止するという方法で配線を
形成することにより、 (1)従来では困難であった銅を配線材料とする配線の
形成を、マスクパターンを用いずに高精細に行なうこと
が可能となる。
【0096】さらに電子源において、絶縁体基板あるい
は絶縁体層にパターン形成された凹状溝に銅が埋め込ま
れた構造を持たせることによって、 (2)a)配線抵抗の小さい、b)段差、起伏の少ない
多層配線として配線の断線、ショートのない、しかも
c)同特性の素子を複数使用する場合に特性のバラツキ
のない電子源を得ることができる。
【0097】さらに、そのような電子源を用いることに
よって、 (3)a)無発光点、輝度ムラのない、高精細な画像を
与え、b)大画面化の容易な、しかもc)銅を配線材料
とすることで低コストな画像形成装置を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子源の製造手順の前半を示す工程図
であり、(a)は凹状溝形成後、配線材料層を形成した
状態、(b)はSOGを塗布した状態、(c)は下配線
を形成した状態、(d)および(e)は層間絶縁層を形
成した状態を示す図である。
【図2】本発明の電子源の製造手順の後半を示す工程図
であり、(f)は上配線を形成した状態、(g)は素子
電極材料層を形成した状態、(h)は電子放出部形成用
薄膜材料の層を形成した状態、(i)は電子放出部を形
成して電子源を完成した状態を示す図である。
【図3】本発明の電子源の1例の模式的部分平面図であ
る。
【図4】図3のA−A’断面図である。
【図5】本発明の表面伝導型電子放出素子の測定評価装
置の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の表面伝導型電子放出素子の通電処理時
に印加する電圧の波形の1例を示す波形図である。
【図7】本発明の表面伝導型電子放出素子の特性の1例
を示すグラフである。
【図8】本発明の電子源の構成を示す模式的平面図であ
る。
【図9】本発明の画像形成装置の1例の概略を示す斜視
図である。
【図10】実施例1の電子源の特性を示すグラフであ
る。
【図11】平面型表面伝導型電子放出素子の基本構成を
示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図であ
る。
【図12】表面伝導型電子放出素子の基本的な製造手順
を示す工程図であり、(a)は基板上への素子電極形
成、(b)は電子放出部形成用薄膜形成、(c)は電子
放出部形成が行なわれた状態を示す図である。
【図13】従来の表面伝導型電子放出素子の模式的平面
図である。
【図14】従来の電子源の1例の断面図である。
【図15】電子放出部形成用薄膜形成時のマスクの状態
を示す平面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 電子放出部形成用薄膜 3 電子放出部 4 電子放出部を含む薄膜 5、6 素子電極 30 電流計 31 電源 32 電流計 33 電源 34 アノード電極 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 81 電子源が固定されたリアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 88 外囲器 111 層間絶縁層 112 コンタクトホール 113 SOG 114 凹状溝 115 凹状溝

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体上に所定のパターンで凹状溝を形
    成し、該絶縁体上の全面に銅を成膜し、その上に回転塗
    布型ガラス(SOG)を塗布・焼成してからSOG膜と
    銅の同時除去を開始し、絶縁体面が露出したところで除
    去を停止する配線形成方法。
  2. 【請求項2】 銅の成膜の前後の少なくとも一方で密着
    層を形成する請求項1記載の配線形成方法。
  3. 【請求項3】 密着層がクロムおよびチタンのうちの少
    なくとも1つの元素を含む請求項2記載の配線形成方
    法。
  4. 【請求項4】 SOG膜と銅の同時除去をエッチングに
    よって行なう請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    配線形成方法。
  5. 【請求項5】 エッチング法がリアクティブ・イオン・
    エッチング(RIE)法である請求項4記載の配線形成
    方法。
  6. 【請求項6】 SOG膜と銅の同時除去を研磨によって
    行なう請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配線形
    成方法。
  7. 【請求項7】(1)絶縁体基板上に、所定のパターンで
    行方向配線(下配線)を形成し、(2)その行方向配線
    の形成された基板上に絶縁体膜を成膜し、(3)該絶縁
    体膜上に該下配線に通じる開口部であるコンタクトホー
    ルを形成し、(4)所定のパターンで一定のギャップを
    隔てて対向する1対の素子電極を複数個形成し、(5)
    所定のパターンで列方向配線(上配線)を形成し、
    (6)該素子電極間に電子放出部を形成して、行列状に
    多数個の表面伝導型電子放出素子を配列させる電子源の
    製造方法において、下配線および上配線のうち少なくと
    も一方の形成を、(a)絶縁体上に凹状溝を形成し、
    (b)該絶縁体上全面に銅を成膜し、(c)回転塗布型
    ガラス(SOG)を塗布・焼成し、(d)SOG膜と銅
    の同時除去を開始し、(e)絶縁体面が露出したところ
    で除去を停止することによって行なうことを特徴とする
    電子源の製造方法。
  8. 【請求項8】 銅の成膜の前後の少なくとも一方で密着
    層を形成する請求項7記載の電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 密着層がクロムおよびチタンのうちの少
    なくとも1つの元素を含む層である請求項8記載の電子
    源の製造方法。
  10. 【請求項10】 SOG膜と銅の同時除去をエッチング
    によって行なう請求項7ないし9のいずれか1項に記載
    の電子源の製造方法。
  11. 【請求項11】 エッチング法がリアクティブ・イオン
    ・エッチング(RIE)法である請求項10記載の電子
    源の製造方法。
  12. 【請求項12】 SOG膜と銅の同時除去を研磨によっ
    て行なう請求項7ないし9のいずれか1項に記載の電子
    源の製造方法。
  13. 【請求項13】(1)絶縁体基板上に、行方向配線と該
    配線の上に絶縁体層を介して列方向配線が設けられ、
    (2)電子放出部を挟んで1対の素子電極が対向してお
    り、一方の電極が該上配線と結線され、他方の電極が該
    下配線と結線されている表面伝導型電子放出素子が行列
    状に複数個配列された電子源において、行方向配線およ
    び列方向配線の少なくとも一部に銅が用いられ、両配線
    とも凹状溝に埋め込まれていることを特徴とする電子
    源。
  14. 【請求項14】 少なくとも、請求項13記載の電子源
    に対向して蛍光体が配置されて成る画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005039244A (ja) * 2003-06-27 2005-02-10 Hitachi Ltd 電子デバイスとその多層配線の形成方法
JP2006228495A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Seiko Epson Corp 電子放出素子、電子放出素子の製造方法、及び電気光学装置、並びに電子機器

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