JPH073210A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents
塗料用樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH073210A JPH073210A JP14633593A JP14633593A JPH073210A JP H073210 A JPH073210 A JP H073210A JP 14633593 A JP14633593 A JP 14633593A JP 14633593 A JP14633593 A JP 14633593A JP H073210 A JPH073210 A JP H073210A
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- JP
- Japan
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- monomer
- resin composition
- emulsion
- coating
- parts
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 造膜性にすぐれ、光沢変化が小さいだけでは
なく、可塑剤移行防止性および壁紙との密着性にも同時
にすぐれる塗膜を形成しうる塗料用樹脂組成物を提供す
ること。 【構成】 アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル
から選ばれたニトリルモノマー(A)100重量部に対
して、アリルアクリレートおよびアリルメタクリレート
から選ばれた多官能性モノマー(B)0.3〜3重量部
ならびにその他のビニル系モノマー(C)200〜10
00重量部を配合してなる共重合成分を乳化重合してえ
られた合成樹脂エマルジョンをバインダー成分として配
合したことを特徴とする塗料用樹脂組成物。
なく、可塑剤移行防止性および壁紙との密着性にも同時
にすぐれる塗膜を形成しうる塗料用樹脂組成物を提供す
ること。 【構成】 アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル
から選ばれたニトリルモノマー(A)100重量部に対
して、アリルアクリレートおよびアリルメタクリレート
から選ばれた多官能性モノマー(B)0.3〜3重量部
ならびにその他のビニル系モノマー(C)200〜10
00重量部を配合してなる共重合成分を乳化重合してえ
られた合成樹脂エマルジョンをバインダー成分として配
合したことを特徴とする塗料用樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料用樹脂組成物に関
する。さらに詳しくは、たとえば壁紙の補修用、上塗り
用、下塗り用などの塗料に好適に使用することができ、
とくにビニル壁紙(ビニールクロス)の補修用塗料に好
適に使用しうる塗料用樹脂組成物に関する。
する。さらに詳しくは、たとえば壁紙の補修用、上塗り
用、下塗り用などの塗料に好適に使用することができ、
とくにビニル壁紙(ビニールクロス)の補修用塗料に好
適に使用しうる塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般住宅、店舗、事務所などの壁
や天井などの内装には、インテリアとしての意匠性にす
ぐれるという点からビニル(塩化ビニル樹脂)壁紙(以
下、ビニールクロスという)が広範に用いられている。
や天井などの内装には、インテリアとしての意匠性にす
ぐれるという点からビニル(塩化ビニル樹脂)壁紙(以
下、ビニールクロスという)が広範に用いられている。
【0003】しかしながら、前記ビニールクロスは、喫
煙、人の接触などによる汚れが付着しやすいうえ、照
明、日光などによる退色、変色や、湿気、カビなどによ
る変質を起こしたり、さらには物理的な傷や剥がれが生
じやすいため、適宜補修が必要とされる。
煙、人の接触などによる汚れが付着しやすいうえ、照
明、日光などによる退色、変色や、湿気、カビなどによ
る変質を起こしたり、さらには物理的な傷や剥がれが生
じやすいため、適宜補修が必要とされる。
【0004】前記ビニールクロスの補修は、通常張り替
えによって行なわれているが、かかるビニールクロスの
張り替えには、ジョイント処理、しわ防止処理、下地処
理などの専門的な技術が必要なため、作業が煩雑かつ困
難であり、下地を破損しやすく、部分的な張り替えを行
なうばあいには、もとのビニールクロスと同じ模様のも
のを入手することが困難なうえ、費用がかさむという問
題がある。
えによって行なわれているが、かかるビニールクロスの
張り替えには、ジョイント処理、しわ防止処理、下地処
理などの専門的な技術が必要なため、作業が煩雑かつ困
難であり、下地を破損しやすく、部分的な張り替えを行
なうばあいには、もとのビニールクロスと同じ模様のも
のを入手することが困難なうえ、費用がかさむという問
題がある。
【0005】そこで、前記張り替えを行なう際の問題を
解決するために、ビニールクロスの表面へ塗装する塗料
が提案されている。
解決するために、ビニールクロスの表面へ塗装する塗料
が提案されている。
【0006】しかしながら、かかる塗料を用いたばあい
には、ビニールクロスに対する密着性がわるく、ビニー
ルクロス中に含有される可塑剤が塗料へ移行し、べたつ
きが生じて汚れやすくなったり、光沢が増加して塗料の
艶消し効果が損なわれたり、ビニールクロス自体が硬化
して脆くなるなどの問題が生じる。
には、ビニールクロスに対する密着性がわるく、ビニー
ルクロス中に含有される可塑剤が塗料へ移行し、べたつ
きが生じて汚れやすくなったり、光沢が増加して塗料の
艶消し効果が損なわれたり、ビニールクロス自体が硬化
して脆くなるなどの問題が生じる。
【0007】このように、前記塗料は、実用的なもので
はないため、ビニールクロスに対する密着性にすぐれる
とともに、ビニールクロスに含有される可塑剤の移行を
防止することができる塗料の開発が待ち望まれている。
はないため、ビニールクロスに対する密着性にすぐれる
とともに、ビニールクロスに含有される可塑剤の移行を
防止することができる塗料の開発が待ち望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて、たとえばビニールクロスな
どの壁紙などに対する密着性と可塑剤移行防止性という
相反する性質を同時に満足する塗料用組成物をうるべく
鋭意研究を重ねた結果、多官能性モノマーであるアリル
(メタ)アクリレートを少量用いたばあいには、かかる
相反する2つの性質を同時に満足する塗料用樹脂組成物
がえられることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
は、前記従来技術に鑑みて、たとえばビニールクロスな
どの壁紙などに対する密着性と可塑剤移行防止性という
相反する性質を同時に満足する塗料用組成物をうるべく
鋭意研究を重ねた結果、多官能性モノマーであるアリル
(メタ)アクリレートを少量用いたばあいには、かかる
相反する2つの性質を同時に満足する塗料用樹脂組成物
がえられることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
クリロニトリルおよびメタクリロニトリルから選ばれた
ニトリルモノマー(A)100重量部に対して、アリル
アクリレートおよびアリルメタクリレートから選ばれた
多官能性モノマー(B)0.3〜3重量部ならびにその
他のビニル系モノマー(C)200〜1000重量部を
配合してなる共重合成分を乳化重合してえられた合成樹
脂エマルジョンをバインダー成分として配合したことを
特徴とする塗料用樹脂組成物に関する。
クリロニトリルおよびメタクリロニトリルから選ばれた
ニトリルモノマー(A)100重量部に対して、アリル
アクリレートおよびアリルメタクリレートから選ばれた
多官能性モノマー(B)0.3〜3重量部ならびにその
他のビニル系モノマー(C)200〜1000重量部を
配合してなる共重合成分を乳化重合してえられた合成樹
脂エマルジョンをバインダー成分として配合したことを
特徴とする塗料用樹脂組成物に関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明の塗料用樹脂組成物は、前
記したように、アクリロニトリルおよびメタクリロニト
リルから選ばれたニトリルモノマー(A)100重量部
に対して、アリルアクリレートおよびアリルメタクリレ
ートから選ばれた多官能性モノマー(B)0.3〜3重
量部ならびにその他のビニル系モノマー(C)200〜
1000重量部を配合してなる共重合成分を乳化重合し
てえられた合成樹脂エマルジョンをバインダー成分とし
て配合したことを特徴とするものである。
記したように、アクリロニトリルおよびメタクリロニト
リルから選ばれたニトリルモノマー(A)100重量部
に対して、アリルアクリレートおよびアリルメタクリレ
ートから選ばれた多官能性モノマー(B)0.3〜3重
量部ならびにその他のビニル系モノマー(C)200〜
1000重量部を配合してなる共重合成分を乳化重合し
てえられた合成樹脂エマルジョンをバインダー成分とし
て配合したことを特徴とするものである。
【0011】前記アクリロニトリルおよびメタクリロニ
トリルから選ばれたニトリルモノマー(A)(以下、モ
ノマー(A)という)は、えられる塗料用樹脂組成物
に、通常壁紙中に含有されるたとえばトリブチルフォス
フェート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート
などの可塑剤の移行防止性を付与するものである。この
ように、えられる樹脂組成物に可塑剤移行防止性が付与
されるのは、かかるモノマー(A)を用いたばあいに
は、高極性の共重合体がえられ、該共重合体と壁紙(ビ
ニールクロス)中の可塑剤との親和性が低下することに
起因すると考えられる。
トリルから選ばれたニトリルモノマー(A)(以下、モ
ノマー(A)という)は、えられる塗料用樹脂組成物
に、通常壁紙中に含有されるたとえばトリブチルフォス
フェート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート
などの可塑剤の移行防止性を付与するものである。この
ように、えられる樹脂組成物に可塑剤移行防止性が付与
されるのは、かかるモノマー(A)を用いたばあいに
は、高極性の共重合体がえられ、該共重合体と壁紙(ビ
ニールクロス)中の可塑剤との親和性が低下することに
起因すると考えられる。
【0012】前記アリルアクリレートおよびアリルメタ
クリレートから選ばれた多官能性モノマー(B)(以
下、モノマー(B)という)は、前記モノマー(A)の
可塑剤移行防止性を付与する作用に加えて、さらに共重
合体内において内部架橋構造を形成し、えられる塗料用
樹脂組成物に、壁紙に対する密着性および可塑剤移行防
止性を同時に付与するものである。
クリレートから選ばれた多官能性モノマー(B)(以
下、モノマー(B)という)は、前記モノマー(A)の
可塑剤移行防止性を付与する作用に加えて、さらに共重
合体内において内部架橋構造を形成し、えられる塗料用
樹脂組成物に、壁紙に対する密着性および可塑剤移行防
止性を同時に付与するものである。
【0013】なお、本発明においては、たとえばジビニ
ルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリ
レートなどの前記モノマー(B)以外の多官能性モノマ
ーのなかから、1種または2種以上を適宜選択したモノ
マーを、前記モノマー(B)と併用することができる。
これらモノマー(B)以外の多官能性モノマーは、いず
れも可塑剤移行防止性を付与するものであるが、あまり
にも少量ではその可塑剤移行防止性が不充分であること
から、その配合量を増加させたばあいには、重合安定性
が低下し、エマルジョンが不安定になり、凝集物が生じ
やすくなるので、その配合量は、共重合成分全量100
部(重量部、以下同様)に対して0.1〜1部であるこ
とが好ましい。
ルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリ
レートなどの前記モノマー(B)以外の多官能性モノマ
ーのなかから、1種または2種以上を適宜選択したモノ
マーを、前記モノマー(B)と併用することができる。
これらモノマー(B)以外の多官能性モノマーは、いず
れも可塑剤移行防止性を付与するものであるが、あまり
にも少量ではその可塑剤移行防止性が不充分であること
から、その配合量を増加させたばあいには、重合安定性
が低下し、エマルジョンが不安定になり、凝集物が生じ
やすくなるので、その配合量は、共重合成分全量100
部(重量部、以下同様)に対して0.1〜1部であるこ
とが好ましい。
【0014】前記その他のビニル系モノマー(C)(以
下、モノマー(C)という)は、えられる塗料用樹脂組
成物にバインダー成分として塗膜の形成に必要な造膜
性、壁紙との密着性、耐湿性、耐水性などの性質を付与
するものである。
下、モノマー(C)という)は、えられる塗料用樹脂組
成物にバインダー成分として塗膜の形成に必要な造膜
性、壁紙との密着性、耐湿性、耐水性などの性質を付与
するものである。
【0015】前記モノマー(C)としては、前記モノマ
ー(A)およびモノマー(B)と共重合可能な、たとえ
ばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ートなどのアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸;(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレートなどのアミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ
基などの官能性基を有するモノマー;スチレン、α−メ
チルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノマ
ー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエス
テルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができるが、これらのなかでは、重
合安定性、エマルジョンの安定性や、えられる塗料用樹
脂組成物の性能の長期持続性などがすぐれるという点か
らアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリ
ル酸が好ましい。
ー(A)およびモノマー(B)と共重合可能な、たとえ
ばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ートなどのアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマ
ル酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸;(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレートなどのアミノ基、ヒドロキシ基、エポキシ
基などの官能性基を有するモノマー;スチレン、α−メ
チルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系モノマ
ー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエス
テルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができるが、これらのなかでは、重
合安定性、エマルジョンの安定性や、えられる塗料用樹
脂組成物の性能の長期持続性などがすぐれるという点か
らアルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリ
ル酸が好ましい。
【0016】前記モノマー(A)、モノマー(B)およ
びモノマー(C)の配合割合は、モノマー(A)100
部に対して、モノマー(B)が0.3〜3部、好ましく
は0.4〜2.5部およびモノマー(C)が200〜1
000部、好ましくは220〜900部である。
びモノマー(C)の配合割合は、モノマー(A)100
部に対して、モノマー(B)が0.3〜3部、好ましく
は0.4〜2.5部およびモノマー(C)が200〜1
000部、好ましくは220〜900部である。
【0017】前記モノマー(B)の配合量が0.3部未
満であるばあいには、モノマー(B)を配合したことに
よる可塑剤移行防止効果の発現が不充分となるようにな
り、また3部をこえるばあいには、共重合体内における
内部架橋密度が高くなりすぎて造膜性が低下し、均一な
塗膜を形成することが困難となるようになる。
満であるばあいには、モノマー(B)を配合したことに
よる可塑剤移行防止効果の発現が不充分となるようにな
り、また3部をこえるばあいには、共重合体内における
内部架橋密度が高くなりすぎて造膜性が低下し、均一な
塗膜を形成することが困難となるようになる。
【0018】前記モノマー(C)の配合量が200部未
満であるばあいには、えられる塗料用樹脂組成物に付与
される可塑剤移行防止性は充分ではあるものの、壁紙に
対する密着製が不充分となるようになり、また1000
部をこえるばあいには、壁紙に対する密着性は充分では
あるものの、可塑剤移行防止性が不充分となり、べたつ
きや汚染などが生じやすくなるようになる。
満であるばあいには、えられる塗料用樹脂組成物に付与
される可塑剤移行防止性は充分ではあるものの、壁紙に
対する密着製が不充分となるようになり、また1000
部をこえるばあいには、壁紙に対する密着性は充分では
あるものの、可塑剤移行防止性が不充分となり、べたつ
きや汚染などが生じやすくなるようになる。
【0019】本発明の塗料用樹脂組成物にバインダー成
分として配合される合成樹脂エマルジョンは、前記モノ
マー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)から
なる共重合成分を乳化重合することによってえられる。
分として配合される合成樹脂エマルジョンは、前記モノ
マー(A)、モノマー(B)およびモノマー(C)から
なる共重合成分を乳化重合することによってえられる。
【0020】乳化重合法にはとくに限定がなく、通常の
水媒体を用いて行なわれる、たとえばバッチ重合法、モ
ノマー滴下重合法、乳化モノマー滴下重合法などの各種
乳化重合法のなかから適宜選択して採用することができ
るが、本発明においては、とくに製造時にエマルジョン
の安定性を確保するうえで、モノマー滴下重合法および
乳化モノマー滴下重合法が好ましい。
水媒体を用いて行なわれる、たとえばバッチ重合法、モ
ノマー滴下重合法、乳化モノマー滴下重合法などの各種
乳化重合法のなかから適宜選択して採用することができ
るが、本発明においては、とくに製造時にエマルジョン
の安定性を確保するうえで、モノマー滴下重合法および
乳化モノマー滴下重合法が好ましい。
【0021】前記乳化重合の際には、エマルジョンの安
定性を向上させるために、乳化剤を用いることができ
る。
定性を向上させるために、乳化剤を用いることができ
る。
【0022】前記乳化剤としては、通常乳化重合に用い
られるものであればとくに限定がなく、たとえばイオン
性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などがあげられ
る。
られるものであればとくに限定がなく、たとえばイオン
性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などがあげられ
る。
【0023】前記イオン性界面活性剤としては、たとえ
ばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキル
スルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アン
モニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面
活性剤;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライドなどの
カチオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、ラウリルジ
メチルアミンオキサイドなどの両性界面活性剤などがあ
げられ、また前記ノニオン性界面活性剤としては、たと
えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
オキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステルなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができるが、これらのな
かでは、重合時のエマルジョンの安定性や、えられる塗
料用樹脂組成物が呈する壁紙に対する密着性、耐水性お
よび耐湿性がすぐれるという点からポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩などのア
ニオン性界面活性剤が好ましい。
ばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキル
スルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アン
モニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面
活性剤;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライドなどの
カチオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、ラウリルジ
メチルアミンオキサイドなどの両性界面活性剤などがあ
げられ、また前記ノニオン性界面活性剤としては、たと
えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
オキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステルなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができるが、これらのな
かでは、重合時のエマルジョンの安定性や、えられる塗
料用樹脂組成物が呈する壁紙に対する密着性、耐水性お
よび耐湿性がすぐれるという点からポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩などのア
ニオン性界面活性剤が好ましい。
【0024】前記乳化剤の使用量は、あまりにも少ない
ばあいには、重合時のエマルジョンの安定性がわるくな
って凝集物が生じたり、エマルジョンの粒子径が大きく
なって造膜性が低下することにより、壁紙に対する密着
性や可塑剤移行防止性が低下するようになる傾向があ
り、またあまりにも多いばあいには、えられる塗料用樹
脂組成物を用いて形成された塗膜の表面に乳化剤が移行
したり、乳化剤による可塑化効果によって塗膜が軟化し
てべたつきや汚染が生じやすく、塗膜の耐水性が低下し
たり、壁紙に対する密着性が低下するようになる傾向が
あるので、共重合成分全量100部に対して0.05〜
10部、なかんづく0.1〜5部であることが好まし
い。
ばあいには、重合時のエマルジョンの安定性がわるくな
って凝集物が生じたり、エマルジョンの粒子径が大きく
なって造膜性が低下することにより、壁紙に対する密着
性や可塑剤移行防止性が低下するようになる傾向があ
り、またあまりにも多いばあいには、えられる塗料用樹
脂組成物を用いて形成された塗膜の表面に乳化剤が移行
したり、乳化剤による可塑化効果によって塗膜が軟化し
てべたつきや汚染が生じやすく、塗膜の耐水性が低下し
たり、壁紙に対する密着性が低下するようになる傾向が
あるので、共重合成分全量100部に対して0.05〜
10部、なかんづく0.1〜5部であることが好まし
い。
【0025】また前記乳化重合の際には、共重合成分の
重合をより安定に行なうために、重合開始剤を用いるこ
とができる。
重合をより安定に行なうために、重合開始剤を用いるこ
とができる。
【0026】前記重合開始剤としては、通常乳化重合に
用いられるものであればとくに限定がなく、たとえば過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
などの過硫酸塩;2,2´−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物;過酸化水素、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド
などの過酸化物などのラジカル重合開始剤があげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できるが、これらのなかでは、過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩が好ま
しい。また、これらラジカル重合開始剤と、たとえば次
亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、酒石酸、L−
アスコルビン酸などの還元剤とを併用してレドックス系
重合開始剤として用いることもできる。
用いられるものであればとくに限定がなく、たとえば過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
などの過硫酸塩;2,2´−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ化合物;過酸化水素、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド
などの過酸化物などのラジカル重合開始剤があげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できるが、これらのなかでは、過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩が好ま
しい。また、これらラジカル重合開始剤と、たとえば次
亜硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、酒石酸、L−
アスコルビン酸などの還元剤とを併用してレドックス系
重合開始剤として用いることもできる。
【0027】前記重合開始剤の使用量は、通常共重合成
分全量100部に対して0.05〜2部、なかんづく
0.1〜1部であることが好ましい。
分全量100部に対して0.05〜2部、なかんづく
0.1〜1部であることが好ましい。
【0028】乳化重合時の反応液は、重合の安定性の面
から、たとえばアンモニア水などのpH調整剤を乳化重
合時に使用することによってpHを調整することができ
る。
から、たとえばアンモニア水などのpH調整剤を乳化重
合時に使用することによってpHを調整することができ
る。
【0029】なお、前記反応液の反応温度は、通常50
〜100℃程度、反応時間は、通常2〜16時間程度で
あることが好ましい。
〜100℃程度、反応時間は、通常2〜16時間程度で
あることが好ましい。
【0030】なお、本発明においては、前記乳化重合に
よってえられる共重合体は、そのガラス転移温度が10
〜40℃、なかんづく15〜35℃であることが好まし
く、共重合体がかかる範囲内のガラス転移温度を呈する
ように、用いるモノマー(C)の種類およびその組成を
調整することが好ましい。かかる共重合体のガラス転移
温度が10℃よりも低いばあいには、えられる樹脂組成
物を用いて形成された塗膜の粘着性がいちじるしくな
り、べたつきや汚れの原因となるようになる傾向があ
り、また40℃よりも高いばあいには、塗膜の造膜性が
不充分となり、壁紙に対する密着性の低下や塗膜のひび
割れが起こるようになる傾向がある。
よってえられる共重合体は、そのガラス転移温度が10
〜40℃、なかんづく15〜35℃であることが好まし
く、共重合体がかかる範囲内のガラス転移温度を呈する
ように、用いるモノマー(C)の種類およびその組成を
調整することが好ましい。かかる共重合体のガラス転移
温度が10℃よりも低いばあいには、えられる樹脂組成
物を用いて形成された塗膜の粘着性がいちじるしくな
り、べたつきや汚れの原因となるようになる傾向があ
り、また40℃よりも高いばあいには、塗膜の造膜性が
不充分となり、壁紙に対する密着性の低下や塗膜のひび
割れが起こるようになる傾向がある。
【0031】かくしてえられる合成樹脂エマルジョン
は、樹脂濃度が20〜60重量%程度のものであり、ま
たかかる合成樹脂エマルジョンの粘度は、えられる樹脂
組成物の塗膜形成性および塗工性を考慮すると25℃で
500〜5000cP程度であることが好ましい。
は、樹脂濃度が20〜60重量%程度のものであり、ま
たかかる合成樹脂エマルジョンの粘度は、えられる樹脂
組成物の塗膜形成性および塗工性を考慮すると25℃で
500〜5000cP程度であることが好ましい。
【0032】本発明においては、前記合成樹脂エマルジ
ョンをそのまま塗料用樹脂組成物として用いることがで
きるが、本発明の塗料用樹脂組成物には、バインダー成
分としての該合成樹脂エマルジョンのほかにも、通常塗
料に用いられている、たとえば酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、カオリン、カーボンブラック、ベ
ンガラ、シアニンブルーなどの顔料、ハロゲン含有リン
酸エステル、ハロゲン含有有機イオウリン化合物、水酸
化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン
などの難燃化剤、消泡剤、防腐・防カビ剤、粘性調整
剤、pH調整剤、造膜助剤などの添加剤や、アクリル系
塗料、アクリルウレタン系塗料などの水性塗料などを、
使用量を調整して適宜配合することができる。
ョンをそのまま塗料用樹脂組成物として用いることがで
きるが、本発明の塗料用樹脂組成物には、バインダー成
分としての該合成樹脂エマルジョンのほかにも、通常塗
料に用いられている、たとえば酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、カオリン、カーボンブラック、ベ
ンガラ、シアニンブルーなどの顔料、ハロゲン含有リン
酸エステル、ハロゲン含有有機イオウリン化合物、水酸
化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン
などの難燃化剤、消泡剤、防腐・防カビ剤、粘性調整
剤、pH調整剤、造膜助剤などの添加剤や、アクリル系
塗料、アクリルウレタン系塗料などの水性塗料などを、
使用量を調整して適宜配合することができる。
【0033】本発明の塗料用樹脂組成物は、配合量を調
整した合成樹脂エマルジョンや、添加剤、水性塗料など
をたとえばミキサーなどで撹拌、混合することによって
えられるものであり、該塗料用樹脂組成物は、たとえば
ビニールクロスなどの壁紙の補修用の塗料にとくに好適
に使用することができるほか、上塗り用、下塗り用の塗
料などにも好適に使用することができる。なお、かかる
塗料用樹脂組成物は、たとえばスプレーなどによる吹付
け、ローラー、刷毛などによる塗布、浸漬などの通常の
方法によって被塗物に塗布し、常温でそのまま硬化させ
て塗膜をうることができ、またこのときの塗布量は、通
常100〜150g/m2 程度、塗布回数は、通常1〜
2回程度であることが好ましい。
整した合成樹脂エマルジョンや、添加剤、水性塗料など
をたとえばミキサーなどで撹拌、混合することによって
えられるものであり、該塗料用樹脂組成物は、たとえば
ビニールクロスなどの壁紙の補修用の塗料にとくに好適
に使用することができるほか、上塗り用、下塗り用の塗
料などにも好適に使用することができる。なお、かかる
塗料用樹脂組成物は、たとえばスプレーなどによる吹付
け、ローラー、刷毛などによる塗布、浸漬などの通常の
方法によって被塗物に塗布し、常温でそのまま硬化させ
て塗膜をうることができ、またこのときの塗布量は、通
常100〜150g/m2 程度、塗布回数は、通常1〜
2回程度であることが好ましい。
【0034】つぎに本発明の塗料用樹脂組成物を実施例
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。
【0035】実施例1〜9および比較例1〜6 撹拌機、温度調節器、温度計、還流冷却器、滴下ロート
およびチッ素ガス導入管を備えた反応容器内に、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウ
ム塩0.1部および脱イオン水68.42部を仕込み、
チッ素ガスを導入しつつ65℃に昇温し、過硫酸アンモ
ニウム0.4部および次亜硫酸ナトリウム0.05部を
添加したのち、表1に示す組成の共重合成分100部、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アン
モニウム塩3部および脱イオン水47.15部からなる
混合物150.15部とを滴下ロートより3時間かけて
滴下し、75〜80℃で重合を行なった。滴下終了後、
80℃で3時間熟成したのち冷却し、合成樹脂エマルジ
ョンをえた。
およびチッ素ガス導入管を備えた反応容器内に、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウ
ム塩0.1部および脱イオン水68.42部を仕込み、
チッ素ガスを導入しつつ65℃に昇温し、過硫酸アンモ
ニウム0.4部および次亜硫酸ナトリウム0.05部を
添加したのち、表1に示す組成の共重合成分100部、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アン
モニウム塩3部および脱イオン水47.15部からなる
混合物150.15部とを滴下ロートより3時間かけて
滴下し、75〜80℃で重合を行なった。滴下終了後、
80℃で3時間熟成したのち冷却し、合成樹脂エマルジ
ョンをえた。
【0036】なお、用いた共重合成分からえられる共重
合体のガラス転移温度(℃)ならびにえられた合成樹脂
エマルジョンのpH、不揮発分濃度(重量%)およびB
M型粘度計を用いて12rpmで測定した25℃での粘
度(cP)を表1に示す。
合体のガラス転移温度(℃)ならびにえられた合成樹脂
エマルジョンのpH、不揮発分濃度(重量%)およびB
M型粘度計を用いて12rpmで測定した25℃での粘
度(cP)を表1に示す。
【0037】つぎに、えられた合成樹脂エマルジョンに
25%アンモニア水2.15部および造膜助剤(テキサ
ノールCS−12、チッソ(株)製)14.5部を添加
したものを塗料とし、ジオクチルフタレートを40重量
%含有する軟質塩化ビニル樹脂原反から作製した壁紙
(200mm×200mm)に該塗料を刷毛を用いて1
00g/m2 塗布し、室温で24時間乾燥・養生して塗
膜を形成させた。この塗膜上の半分に艶消しアクリル系
水性塗料(白色)を刷毛を用いて100g/m2塗布
し、室温で24時間乾燥・養生して試験片を作製した。
25%アンモニア水2.15部および造膜助剤(テキサ
ノールCS−12、チッソ(株)製)14.5部を添加
したものを塗料とし、ジオクチルフタレートを40重量
%含有する軟質塩化ビニル樹脂原反から作製した壁紙
(200mm×200mm)に該塗料を刷毛を用いて1
00g/m2 塗布し、室温で24時間乾燥・養生して塗
膜を形成させた。この塗膜上の半分に艶消しアクリル系
水性塗料(白色)を刷毛を用いて100g/m2塗布
し、室温で24時間乾燥・養生して試験片を作製した。
【0038】前記試験片を用い、塗膜の物性として、造
膜性、可塑剤移行防止性、密着性および光沢度変化率を
以下の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示
す。なお、造膜性については、合成樹脂エマルジョンか
らなる塗料のみを塗布して形成させた塗膜について調
べ、可塑剤移行防止性および光沢度変化率については、
艶消しアクリル系水性塗料を塗布して形成させた塗膜に
ついて調べた。
膜性、可塑剤移行防止性、密着性および光沢度変化率を
以下の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示
す。なお、造膜性については、合成樹脂エマルジョンか
らなる塗料のみを塗布して形成させた塗膜について調
べ、可塑剤移行防止性および光沢度変化率については、
艶消しアクリル系水性塗料を塗布して形成させた塗膜に
ついて調べた。
【0039】(イ)造膜性 単眼鏡(旭光学(株)製、25倍)を用いて塗膜の表面
状態を観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
状態を観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0040】(評価基準) A:クラックがまったく発生してない。 B:ヘアークラックが少し発生している。 C:ヘアークラックが多い。 D:大クラックが発生している。 E:造膜していない。
【0041】(ロ)可塑剤移行防止性 作製した直後の試験片の塗膜の指触タックを調べた。つ
ぎに、該試験片を50℃の熱風乾燥器内で10日間放置
したのち、同様にして塗膜の指触タックを調べて作製直
後のものと比較し、以下の評価基準に基づいて評価し
た。
ぎに、該試験片を50℃の熱風乾燥器内で10日間放置
したのち、同様にして塗膜の指触タックを調べて作製直
後のものと比較し、以下の評価基準に基づいて評価し
た。
【0042】(評価基準) A:べたつきがなく、まったく変化がない。 B:わずかにべたつきがでてきている。 C:かなりべたつきがでてきている。 D:べたつきがいちじるしい。 E:べたつきがかなりいちじるしく、手指に塗膜が付
く。
く。
【0043】(ハ)密着性 JIS K 5401に規定の方法に準拠し、作製した
直後の試験片の水性塗料を塗布していないほうの塗膜お
よび水性塗料を塗布したほうの塗膜それぞれを、1mm
×1mm角100個の碁盤目にカットし、その表面にセ
ロハン粘着テープ(ニチバン(株)製、セロテープ)を
貼り合わせたのち、粘着テープを剥離したときの壁紙に
残存している塗膜の碁盤目の個数(100個中の個数)
を数え、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、表
2中のは水性塗料を塗布しなかったほうの塗膜につい
て、は水性塗料を塗布したほうの塗膜についての評価
結果である。
直後の試験片の水性塗料を塗布していないほうの塗膜お
よび水性塗料を塗布したほうの塗膜それぞれを、1mm
×1mm角100個の碁盤目にカットし、その表面にセ
ロハン粘着テープ(ニチバン(株)製、セロテープ)を
貼り合わせたのち、粘着テープを剥離したときの壁紙に
残存している塗膜の碁盤目の個数(100個中の個数)
を数え、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、表
2中のは水性塗料を塗布しなかったほうの塗膜につい
て、は水性塗料を塗布したほうの塗膜についての評価
結果である。
【0044】(評価基準) A:100個である。
【0045】B:80〜99個である。
【0046】C:60〜79個である。
【0047】D:40〜59個である。
【0048】E:39個以下である。
【0049】(ニ)光沢度変化率 作製した直後の試験片の塗膜について、グロスメータを
用いて入射光60度および反射光60度で光沢度
(G0 )を測定した。つぎに、該試験片を50℃の熱風
乾燥器内で10日間放置したのち、同様にして放置する
前と同じ部分の光沢度(G1 )を測定し、以下の式に基
づいて光沢度変化率(%)を求めた。
用いて入射光60度および反射光60度で光沢度
(G0 )を測定した。つぎに、該試験片を50℃の熱風
乾燥器内で10日間放置したのち、同様にして放置する
前と同じ部分の光沢度(G1 )を測定し、以下の式に基
づいて光沢度変化率(%)を求めた。
【0050】光沢度変化率(%)={(G1 −G0 )/
G0 }×100 また、塗膜の可塑剤吸収率を以下の方法にしたがって調
べた。その結果を表2に示す。
G0 }×100 また、塗膜の可塑剤吸収率を以下の方法にしたがって調
べた。その結果を表2に示す。
【0051】(ホ)可塑剤吸収率 えられた合成樹脂エマルジョンからなる塗料をフッ素樹
脂製ボックス(80mm×38mm)中に約7.5g投
入し、均一に流延した。これを室温で乾燥して厚さ約1
mmの塗膜を形成させた。該塗膜を室温で7日間養生し
たのち、10mm×10mmの大きさに切断して試験片
を作製した。
脂製ボックス(80mm×38mm)中に約7.5g投
入し、均一に流延した。これを室温で乾燥して厚さ約1
mmの塗膜を形成させた。該塗膜を室温で7日間養生し
たのち、10mm×10mmの大きさに切断して試験片
を作製した。
【0052】つぎに、この試験片の重量(W0 )を正確
に測定し、室温のジオクチルフタレート中に100時間
浸漬したのち、表面に付着したジオクチルフタレートを
拭き取って直ちに重量(W1 )を測定し、以下の式に基
づいて可塑剤吸収率(重量%)を求めた。
に測定し、室温のジオクチルフタレート中に100時間
浸漬したのち、表面に付着したジオクチルフタレートを
拭き取って直ちに重量(W1 )を測定し、以下の式に基
づいて可塑剤吸収率(重量%)を求めた。
【0053】可塑剤吸収率(重量%)={(W1 −
W0 )/W0 }×100 なお、本発明においては、可塑剤吸収率が25重量%以
下のものを合格とする。
W0 )/W0 }×100 なお、本発明においては、可塑剤吸収率が25重量%以
下のものを合格とする。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】なお、表1中の各略号は以下のモノマーを
表わす。
表わす。
【0057】AN :アクリロニトリル AMA :アリルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート EMA :エチルメタクリレート NBA :n−ブチルアクリレート IBMA:i−ブチルメタクリレート EHA :2−エチルヘキシルアクリレート MAA :メタクリル酸 ST :スチレン 表2に示された結果から、実施例1〜9でえられた塗料
用樹脂組成物を用いたばあいには、クラックがほとんど
発生せずに造膜性にすぐれるとともに、可塑剤吸収率が
小さく、可塑剤移行防止性にすぐれてべとつきがなく、
上塗り用および下塗り用いずれのときも壁紙との密着性
にすぐれ、さらに光沢度変化率が小さい塗膜を形成する
ことができることがわかる。
用樹脂組成物を用いたばあいには、クラックがほとんど
発生せずに造膜性にすぐれるとともに、可塑剤吸収率が
小さく、可塑剤移行防止性にすぐれてべとつきがなく、
上塗り用および下塗り用いずれのときも壁紙との密着性
にすぐれ、さらに光沢度変化率が小さい塗膜を形成する
ことができることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物は、造膜性に
すぐれ、光沢変化が小さいだけではなく、可塑剤移行防
止性および壁紙との密着性にも同時にすぐれる塗膜を形
成しうるものであるので、たとえばビニールクロスなど
の壁紙の補修用、上塗り用、下塗り用などの塗料に好適
に使用しうるという効果を奏する。
すぐれ、光沢変化が小さいだけではなく、可塑剤移行防
止性および壁紙との密着性にも同時にすぐれる塗膜を形
成しうるものであるので、たとえばビニールクロスなど
の壁紙の補修用、上塗り用、下塗り用などの塗料に好適
に使用しうるという効果を奏する。
Claims (1)
- 【請求項1】 アクリロニトリルおよびメタクリロニト
リルから選ばれたニトリルモノマー(A)100重量部
に対して、アリルアクリレートおよびアリルメタクリレ
ートから選ばれた多官能性モノマー(B)0.3〜3重
量部ならびにその他のビニル系モノマー(C)200〜
1000重量部を配合してなる共重合成分を乳化重合し
てえられた合成樹脂エマルジョンをバインダー成分とし
て配合したことを特徴とする塗料用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14633593A JPH073210A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 塗料用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14633593A JPH073210A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 塗料用樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH073210A true JPH073210A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15405368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14633593A Pending JPH073210A (ja) | 1993-06-17 | 1993-06-17 | 塗料用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH073210A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014009529A (ja) * | 2012-06-30 | 2014-01-20 | Y's Corp | 壁面再生工法 |
JP2014185273A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Dic Corp | コーティング剤、金属表面処理剤及び物品 |
-
1993
- 1993-06-17 JP JP14633593A patent/JPH073210A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014009529A (ja) * | 2012-06-30 | 2014-01-20 | Y's Corp | 壁面再生工法 |
JP2014185273A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Dic Corp | コーティング剤、金属表面処理剤及び物品 |
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