JPH0732081Y2 - インクシートカセットの装着機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はファクシミリ等において、記録紙（普通紙）に
転写記録を行うためのインクシートカセットの装着機構
に関する。

〔従来技術及びその課題〕

ファクシミリには受信した情報を記録紙に記録を行う記
録機構を備える。ところで、記録紙に転写記録を行う場
合、通常、インクシートを使用し、記録時にはインクシ
ートカセットから繰出したインクシートを記録ヘッドと
記録紙間に介在させる。このようなインクシートカセッ
トは本体部側に着脱式のため、着脱を容易に行うことが
できるとともに、装着した際には定位置に保持されるこ
とが要請される。また、インクシートの繰出走行を安定
化させるためには、インクシートの供給軸に一定のテン
ションを付与し、インクシートのたるみを防止する必要
がある。

従来、インクシートカセットの装着に際しては、装着
後、インクシートカセットが本体部側から外れないよう
に定位置に保持する保持機構を設けるとともに、供給軸
の端面を板バネで押圧し、一定のテンションを付与する
テンション機構を設けていた。

しかし、このような従来の各機構は別々に構成されるた
め、次のような解決すべき課題が存在した。

第一に、テンション機構は本体部側に設けられるため、
インクシートカセットを装着する際には、テンション機
構の板バネに圧入する必要があり、インクシートカセッ
トを容易に着脱できない。

第二に、テンション機構と保持機構は個別に設けられる
ため、部品点数が増え、構造が複雑化し、小型軽量化、
低コスト化の観点からも著しく不利になる。

本考案はこのような従来技術に存在する課題を解決した
インクシートカセットの装着機構の提供を目的とするも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は開閉部３を有する本体部２に転写記録用のイン
クシートカセット４を着脱可能に装着するためのインク
シートカセットの装着機構１において、特に、本体部２
にインクシートカセット４における供給軸部５…を受入
れるＵ形の軸受溝部６…を設けるとともに、開閉部３に
前記供給軸部５…の周面5s…に圧接して当該供給軸部５
…にテンションを付与し、かつ当該供給軸部５…を保持
する押圧部７…を設けたことを特徴とする。この場合、
押圧部７…は片持状に支持される板バネ８…を用いるこ
とができる。

〔作用〕

本考案に係るインクシートカセットの装着機構１によれ
ば、押圧部７…を構成する板バネ８…を開閉部３側に設
けたため、開閉部３を開くことにより、本体部２の軸受
溝部６…は開放され、インクシートカセット４をそのま
ま着脱できる。

また、インクシートカセット４を本体部２に装着した
後、開閉部３を閉じれば、板バネ８…が供給軸部５…の
周面5s…に圧接し、当該供給軸部５…を軸受溝部６…の
底方向へ一定の押圧力で押圧するため、供給軸部５…に
は摩擦力による一定のテンションが付与されると同時
に、軸受溝部６…内に保持される。

〔実施例〕

次に、本考案に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき
詳細に説明する。

まず、インクシートカセットの装着機構１を備えたファ
クシミリＦの概略構成について、第４図を参照して説明
する。

30はケーシングであり、上面部30uには送信する原稿を
セットする給紙トレー31を備える。給紙トレー31は上面
部30uに設けた凹部の中に前下がりに傾斜させて配し、
かつ後部に設けたヒンジ部33を支点として上下に開閉可
能に取付ける。なお、31cは閉位置、31hは半開位置、31
oは全開位置における給紙トレーをそれぞれ示す。ま
た、給紙トレー31の前方（図中左側）には給紙機構32を
配設し、さらに、給紙機構32の前方には原稿分離機構3
4、読取ヘッド35aを含む原稿読取機構35を順次配設す
る。よって、給紙トレー31にセットされた原稿Ｍは、給
紙機構32、原稿分離機構34を介して原稿読取機構35に送
られ、読取ヘッド35aによって読取られた後、ケーシン
グ30の前方に排出される。なお、給紙機構32、原稿分離
機構34及び原稿読取機構35の上方にはカバー部36を配
し、かつ前部に設けたヒンジ部37を支点として開閉可能
に取付ける。カバー部36の上面には表示部を含む操作部
等を配設する。36oは開位置におけるカバー部を示す。
一方、ケーシング30の内部中間位置であって、給紙トレ
ー31の下方には記録紙（ロール紙）Ｒを収納する収納部
38を設ける。また、収納部38の後方（図中右側）には記
録紙搬送機構39を配設するとともに、記録ヘッド41及び
インクシートカセット４を含む記録機構42を配設する。
よって、記録紙Ｒは記録紙搬送機構39により送られると
同時に、記録ヘッド41及びインクシートカセット４から
繰出されるインクシートＣによって転写記録が行われ、
ケーシング30の後方に排出される。

次に、要部を構成するインクシートカセットの装着機構
１の構成について第１図〜第３図を参照して説明する。

まず、インクシートカセット４の構成について第２図及
び第３図を参照して説明する。

インクシートカセット４は一体成形されたハウジング11
を備える。ハウジング11は内側に空間Ｓを有する矩形枠
状に形成し、前端と後端に配したカバー部12、13と、各
カバー部12と13の左右における各端部間を連結する連結
部14…からなる。また、カバー部12の左右両端間には、
供給リール15の両端に設けた供給軸部５…を回動自在に
取付けるとともに、カバー部13の左右両端間には、巻取
リール16の両端に設けた巻取軸部17…を回動自在に取付
ける。なお、各軸部５…、17…は左右両側方に突出す
る。供給リール15にはインクシートＣが巻回されてお
り、繰出されたインクシートＣは巻取リール16に巻取ら
れる。

次に、本考案に係る装着機構１の構成について第１図及
び第２図を参照して説明する。

まず、本体部２の構成するケーシング30の中側には左右
の供給軸部５…を受入れるＵ形の軸受溝部６…を有する
軸受部材21…を左右両側に配設するとともに、後側には
各巻取軸部17…を受入れるＵ形の軸受溝部22…を有する
軸受部材23…を左右両側に配設する。なお、この場合、
巻取側の軸受溝部22…を中方へ若干傾斜させておけば、
装着が容易となり、かつ巻取軸部17…の抜止めを図れ
る。

他方、31は前記開閉部３を構成する給紙トレーであり、
この給紙トレー31は下面にＬ形のブラケット31aを取付
けてなり、同ブラケット31aの後端に設けたヒンジ部33
における回動軸をケーシング30側に回動自在に取付け
る。

また、給紙トレー31における下面の左右には前後に細長
い板バネ８…の後端を固定支持部９を介して片持状に固
定する。なお、給紙トレー31の下面にはインクシートガ
イド24と前記記録ヘッド41を設ける。

他方、給紙トレー31の下方に設けた記録紙搬送機構39は
下側に位置を固定したプラテンローラ25、その後方にド
ライブローラ26bを備えるとともに、上側にはドライブ
ローラ26bと対になるピンチローラ26aを備える。

次に、各部の位置関係と装着機構１の機能について説明
する。

まず、インクシートカセット４を装着する場合には、給
紙トレー31を第１図に示す開位置31oまで開く。これに
より、給紙トレー31に設けた記録ヘッド41、インクシー
トガイド24、板バネ８…はケーシング30側から離間す
る。

よって、軸受溝部６…、22…は共に開放されるため、イ
ンクシートカセット４における各軸部５…、17…をそれ
ぞれ各軸受溝部６…、22…内に容易に挿入できる。

そして、給紙トレー31を第１図に示す閉位置31cとなる
ように閉じれば、インクシートガイド24はインクシート
Ｃを押下げるとともに、記録ヘッド41は記録紙Ｒとイン
クシートＣをプラテンローラ25に圧接する。また、各板
バネ８…は軸受部材21…の内側近傍に位置するととも
に、供給軸部５…の周面5s…に圧接する。この結果、板
バネ８…は供給軸部５…を軸受溝部６…の底方向へ一定
の押圧力で押圧するため、供給軸部５…を軸受溝部６…
内に保持し、かつ供給軸部５…に対して一定のテンショ
ンを付与する。

なお、インクシートカセット４を離脱する場合には、給
紙トレー31を開き、インクシートカセット４をそのまま
持ち上げればよい。

このように、インクシートカセット４の着脱はワンタッ
チで行うことができる。

以上、実施例について詳細に説明したが本考案はこのよ
うな実施例に限定されるものではない。例えば、押圧部
として板バネを例示したが、板材とスプリングの組合わ
せであってもよい。また、軸受溝部はＵ形としたが、Ｕ
形にはＶ形、その他の類似形状を含むとともに、一般的
には任意の切込形状で実施できる。その他、細部の構
成、形状等において、本考案の要旨を逸脱しない範囲で
任意に変更できる。

〔考案の効果〕

このように、本考案に係るインクシートカセットの装着
機構は、本体部にインクシートカセットにおける供給軸
部を受入れるＵ形の軸受溝部を設けるとともに、開閉部
に前記供給軸部の周面に圧接して当該供給軸部にテンシ
ョンを付与し、かつ当該供給軸部を保持する押圧部を設
けたため、次のような顕著な効果を奏する。

テンションを付与する押圧部は開閉部側に設けるた
め、インクシートカセットの着脱をワンタッチで行うこ
とができ、極めて容易となる。

押圧部はテンション付与機能と保持機能を兼用する
ため、部品点数の大幅削減が図れ、構造の簡略化、これ
に伴う小型軽量化、低コスト化を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案に係る装着機構の要部を示す側面構成
図、 第２図：同装着機構における板バネとインクシートカセ
ットの一部を示す平面図、 第３図：同インクシートカセットの側面図、 第４図：同装着機構を備えたファクシミリの概略側面
図。 尚図面中、 1:装着機構、2:本体部 3:開閉部、4:インクシートカセット ５…：供給軸部、5s…：周面 ６…：軸受溝部、７…：押圧部 ８…：板バネ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉部を有する本体部に転写記録用のイン
   クシートカセットを着脱可能に装着するためのインクシ
   ートカセットの装着機構において、本体部にインクシー
   トカセットにおける供給軸部を受入れるＵ形の軸受溝部
   を設けるとともに、開閉部に前記供給軸部の周面に圧接
   して当該供給軸部にテンションを付与し、かつ当該供給
   軸部を保持する押圧部を設けたことを特徴とするインク
   シートカセットの装着機構。
2. 【請求項２】押圧部は片持状に支持される板バネを用い
   たことを特徴とする請求項１記載のインクシートカセッ
   トの装着機構。
3. 【請求項３】ファクシミりに用いたことを特徴とする請
   求項１記載のインクシートカセットの装着機構。