JPH07320733A - アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極

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JPH07320733A
JPH07320733A JP6131434A JP13143494A JPH07320733A JP H07320733 A JPH07320733 A JP H07320733A JP 6131434 A JP6131434 A JP 6131434A JP 13143494 A JP13143494 A JP 13143494A JP H07320733 A JPH07320733 A JP H07320733A
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hydroxide
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Mutsumi Yano
睦 矢野
Mitsuzo Nogami
光造 野上
Shigekazu Yasuoka
茂和 安岡
Katsuhiko Niiyama
克彦 新山
Koji Nishio
晃治 西尾
Toshihiko Saito
俊彦 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】α−Co(OH)2 とβ−Co(OH)2 との
混合体からなる水酸化コバルト層で表面が被覆された水
酸化ニッケル粒子又は水酸化ニッケルを主成分とする固
溶体粒子を活物質粒子とするアルカリ蓄電池用非焼結式
ニッケル極であって、前記水酸化コバルト層の面間隔d
=8.05におけるα−Co(OH)2 のX線強度Iα
(線源:CuKα線)と面間隔d=2.37におけるβ
−Co(OH)2 のX線強度Iβ(線源:CuKα線)
との比Iα/Iβが0.15〜0.80である。 【効果】水酸化ニッケル粒子又は水酸化ニッケルを主成
分とする固溶体粒子の表面がα−Co(OH)2 とβ−
Co(OH)2 とを所定の比率で含有する水酸化コバル
ト層で被覆されているので、充電により緻密な導電性マ
トリックス(CoOOH)が形成されるとともに、電解
液中に不活性なCoHO2 が生成しにくい。このため、
活物質利用率が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は活物質利用率の高いアル
カリ蓄電池用非焼結式ニッケル極に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルカ
リ蓄電池用ニッケル極の代表的なものとしては、ニッケ
ル粉末を穿穴鋼板などに焼結させて得た焼結基板の細孔
内に溶液含浸法により活物質を充填してなる焼結式ニッ
ケル極と、耐アルカリ性金属繊維焼結体、又は、ニッケ
ル等の耐アルカリ性に優れた金属をめっきした炭素繊維
不織布などからなる多孔性の基体に、水酸化ニッケル粉
末のペーストを充填してなる非焼結式ニッケル極とがあ
る。
【0003】焼結式ニッケル極は、焼結基板の導電性が
良いため、活物質利用率が高い。しかし、焼結基板のニ
ッケル粒子間の結合が弱いため、多孔度の大きい焼結基
板を用いると活物質が焼結基板から脱落し易い。したが
って、実用可能な焼結基板は多孔度が80%程度以下の
ものに制限される。加えて、ニッケル焼結体を保持する
ための穿穴鋼板等の芯金が必要とされる。これらのため
に、焼結式ニッケル極には、充填密度が小さいという問
題があった。また、ニッケル焼結体の細孔が10μm以
下と小さいことから、活物質を充填するにあたって、溶
液含浸操作を繰り返し行う必要があり、極板製造が煩雑
であるという問題もあった。
【0004】非焼結式ニッケル極は、焼結式ニッケル極
が有する上述の問題を解決するべく提案されたものであ
る。この非焼結式ニッケル極では、芯金を持たない多孔
度の大きい耐アルカリ性金属繊維焼結体等の基体に活物
質を一回的に充填するので、充填密度の大きいニッケル
極が得られるとともに、極板の製造も簡便である。
【0005】しかしながら、水酸化ニッケル粉末のみを
基体に充填したのでは、極板の導電性が悪いために活物
質利用率が著しく低く、実用可能なものは得られない。
【0006】斯かる非焼結式ニッケル極の活物質利用率
を向上させてその実用化を図る試みとしては、導電剤と
しての2価の水酸化コバルト〔Co(OH)2 〕粉末を
水酸化ニッケル粉末に添加混合する方法(添加混合法)
が提案されている(特開昭61−49374号公報)。
【0007】ところで、水酸化コバルト粉末はペースト
中に偏在し易く、水酸化ニッケル粉末と均一に混合分散
しにくいので、活物質利用率を有効に向上させるために
は、多量の水酸化コバルト粉末を添加混合する必要があ
る。しかしながら、水酸化コバルト粉末を多量に添加す
ると活物質たる水酸化ニッケル粉末の充填量の減少を余
儀無くされるので極板容量が低下する。
【0008】そこで、近年、上述の添加混合法に代わる
ものとして、水酸化ニッケルの粒子表面に水酸化コバル
トの被覆層を形成する方法(コーティング法)が提案さ
れている(特開昭62−237667号公報、特開昭6
2−234867号公報、特開昭62−222566号
公報等)。このコーティング法は、水酸化ニッケルの粒
子表面にα−Co(OH)2 又はβ−Co(OH)2
被覆層を形成して活物質粒子間の導電性を高めることに
より活物質利用率を改善せんとするものである。α−C
o(OH)2 又はβ−Co(OH)2 は、充電時に酸化
されてCoOOHからなる導電性マトリックスを形成す
る。
【0009】しかしながら、α−Co(OH)2 からな
る被覆層を形成したものには、初期(電池組み立て直
後)の活物質利用率は高いものの、1日程度放置する
と、一部がβ−Co(OH)2 に変化するとともに、残
部も不活性なCoHO2 に変化してしまうため、活物質
利用率が著しく低下するという欠点がある。また、β−
Co(OH)2 からなる被覆層を形成したものには、β
−Co(OH)2 のアルカリ液に対する溶解度が小さい
ことから、導電性マトリックスを形成するためのCo
(OH)2 ⇒HCoO2 - の反応の進行が遅く、緻密な
導電性マトリックスが形成されないため、活物質利用率
の高いものが得られないという欠点がある。さらに、α
−Co(OH)2 とβ−Co(OH)2 との混合体で被
覆層を形成したものについても、製造上、β−Co(O
H)2 を多量に含むものしか得られておらず、活物質利
用率は未だ充分満足の行く程度には達していなかった。
【0010】本発明は、以上の事情に鑑みなされたもの
であって、その目的とするところは、活物質利用率の高
いアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極を提供するにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極
(以下、「本発明電極」と称する。)は、α−Co(O
H)2 とβ−Co(OH)2 との混合体からなる水酸化
コバルト層で表面が被覆された水酸化ニッケル粒子又は
水酸化ニッケルを主成分とする固溶体粒子を活物質とす
るニッケル極であって、前記水酸化コバルト層の面間隔
d=8.05におけるα−Co(OH)2のX線強度I
α(線源:CuKα線)と面間隔d=2.37における
β−Co(OH)2 のX線強度Iβ(線源:CuKα
線)との比(X線強度比)Iα/Iβが0.15〜0.
80のものである。
【0012】水酸化ニッケルを主成分とする固溶体粒子
としては、水酸化ニッケルとともに、水酸化亜鉛、水酸
化コバルト、水酸化カドミウム、水酸化カルシウム、水
酸化バリウム、水酸化マンガンなどを1種又は2種以上
共沈させたものが例示される。
【0013】X線強度比Iα/Iβは0.15〜0.8
0に規制される。Iα/Iβが0.15未満となり水酸
化コバルト層中のβ−Co(OH)2 の比率が大きくな
ると、β−Co(OH)2 はα−Co(OH)2 に比し
アルカリ液に対する溶解度が低いので、電解液(強アル
カリ液)に対する安定性は高くなるものの、Co(O
H)2 ⇒HCoO2 - の溶解反応が速やかに進行しにく
くなるため、緻密な導電性マトリックス(CoOOH)
が形成されにくくなって活物質利用率の充分高いニッケ
ル極が得られなくなる。一方、Iα/Iβが0.80を
越えて大きくなり水酸化コバルト層中のα−Co(O
H)2 の比率が大きくなると、初期(電池組み立て直
後)の活物質利用率は向上するものの、一定期間放置す
ると、不活性なCoHO2 が電解液中に次第に生成する
ため、放置後の活物質利用率が著しく低下する。
【0014】活物質粒子の重量に対する水酸化コバルト
層中のCoの比率は2〜10重量%が好ましい。これ
は、Coの比率が2重量%未満と少なくなると、被覆不
足により充分に導電性を高めることができなくなるた
め、活物質利用率を有意に向上させることができず、一
方同比率が、10重量%を越えると、活物質たる水酸化
ニッケルの充填量の減少を余儀無くされて、容量低下を
招くからである。
【0015】
【作用】本発明電極における水酸化ニッケル粒子又は水
酸化ニッケルを主成分とする固溶体粒子は、粒子表面が
α−Co(OH)2 とβ−Co(OH)2 とを所定の割
合で含有する水酸化コバルト層で被覆されているので、
充電により緻密な導電性マトリックス(CoOOH)が
形成されるとともに、電解液中に不活性なCoHO2
生成しにくい。このため、初期及び放置後の活物質利用
率が共に向上する。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。
【0017】(予備実験) 〔予備実験1:混合時間とX線強度比Iα/Iβの関
係〕硫酸コバルト50.6gをエチルアルコールと水と
の重量比1:9の混合溶媒(25°C)に溶かしたコバ
ルト溶液1000mlに、エチルアルコールと水との重
量比1:9の混合溶媒(25°C)に水酸化ナトリウム
を1モル/リットル溶かしたアルカリ液を、液のpHを
測定しながらpH9になるまで滴下した。その後、10
分、20分、30分、1時間、2時間、4時間、6時
間、8時間、10時間、12時間、13時間、13.5
時間、14時間、15時間又は16時間攪拌混合した
後、濾過し、水洗し、真空乾燥して、順に水酸化コバル
ト粉末a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,
l,m,n,oを作製した。この作製法を作製法(1)
と称する。なお、pH測定には、自動温度補償機能を備
えたガラス電極pHメータを用いた(以下におけるpH
測定においても同じものを用いた。)。
【0018】また、硫酸コバルト50.6gを水(25
°C)に溶かしたコバルト水溶液1000mlに、1モ
ル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を、液のpHが
9になるまで滴下した。その後、10分、20分、2時
間、4時間又は6時間攪拌混合した後、濾過し、水洗
し、真空乾燥して、順に水酸化コバルト粉末p,q,
r,s,tを作製した。この作製法を作製法(2)と称
する。
【0019】これらの各水酸化コバルト粉末について下
記の条件でX線回折測定を行い、X線強度比Iα/Iβ
を調べた。ここに、Iαは、X線回折図の2θ=11°
(面間隔d=8.05)におけるピーク強度(ベースラ
インからピーク先端までの高さ)であり、またIβは、
X線回折図の2θ=37.9°(面間隔d=2.37)
におけるピーク強度(ベースラインからピーク先端まで
の高さ)である。
【0020】〈測定条件〉 対陰極 Cu 管電圧 40kV 管電流 100mA フィルター Ni 走査速度 2.00°/分 発散スリット 1°
【0021】図1はβ−Co(OH)2 粉末oのX線回
折図を、図2はα−Co(OH)2とβ−Co(OH)
2 との混合体粉末gのX線回折図をそれぞれ示したもの
である。α−Co(OH)2 を含まないβ−Co(O
H)2 粉末oの場合は、図1に示すように、2θ=11
°(面間隔d=8.05)にピークは全く認められない
が、α−Co(OH)2 とβ−Co(OH)2 との混合
体粉末の場合は、図2に示すように、2θ=37.9°
(面間隔d=2.37)にβ−Co(OH)2 のピーク
が現れる。なお、X線強度比Iα/Iβは、混合体粉末
中のα−Co(OH)2 量が少なくなるほど小さくな
る。
【0022】図3は、各水酸化コバルト粉末のIα/I
βとpH調整後の混合時間との関係を、縦軸にIα/I
βを、また横軸に混合時間(h)をとって示したグラフ
である。同図より、作製法(1)及び(2)のいずれの
方法による場合も、混合時間が長くなるほどβ−Co
(OH)2 の割合が多くなることが分かる。
【0023】しかし、作製法(2)による場合、α−C
o(OH)2 からβ−Co(OH)2 への移行が短時間
で進行するので、Iα/Iβ=0.15〜0.80のも
のを得ることは実際上極めて難しい。したがって、実際
の電極製造においては、有機溶媒(エチルアルコール)
を水に添加した溶媒を使用する作製法(1)に準じるこ
ととなる。
【0024】〔予備実験2:アルカリ電解液に対する溶
解度〕作製法(1)により作製したα−Co(OH)2
とβ−Co(OH)2 との混合体粉末g(Iα/Iβ=
0.5;混合時間6時間)、又は、pHを12に保持し
たこと以外は作製法(1)と同様にして作製したβ−C
o(OH)2 粉末(混合時間1時間)を、それぞれ25
°Cに保持したアルカリ電解液に浸漬し、各水酸化コバ
ルト粉末の溶解度の経時的変化を調べた。各水酸化コバ
ルト粉末の溶解度は、原子吸光法により定量したアルカ
リ電解液中のCo2+量で評価した。結果を図4に示す。
【0025】図4は、各水酸化コバルト粉末の溶解度
を、縦軸にCo2+量(mg/リットル)を、また横軸に
浸漬日数をとって示したグラフである。同図より、混合
体粉末gの方が、β−Co(OH)2 よりも、溶解度が
高い。このことから、混合体粉末を用いる方が、β−C
o(OH)2 粉末を用いるよりも、Co(OH)2 ⇒H
CoO2 - の反応の進行が速く、緻密な導電性マトリッ
クスが得られることが分かる。
【0026】(実施例及び比較例) 〔正極活物質粉末の作製〕硫酸コバルト50.6gをエ
チルアルコールと水との重量比1:9の混合溶媒(25
°C)に溶かしたコバルト溶液1000mlに、水酸化
ニッケル粉末100gを投入し、エチルアルコールと水
との重量比1:9の混合溶媒(25°C)に水酸化ナト
リウムを1モル/リットル溶かしたアルカリ液を、液の
pHを測定しながらpH9になるまで滴下した。その
後、10分、20分、30分、1時間、2時間、4時
間、6時間、8時間、10時間、12時間、13時間、
13.5時間、14時間、15時間又は16時間攪拌混
合した後、濾過し、水洗し、真空乾燥して、順に活物質
粉末A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,
L,M,N,Oを作製した。この作製法を作製法と称
する。この作製法は、水酸化コバルト粉末の作製法
(1)に準じた方法である。各水酸化ニッケル粉末の被
覆層の水酸化コバルトのIα/Iβを、先の図3より求
めると、順に0.97、0.9、0.85、0.80、
0.70、0.60、0.50、0.40、0.30、
0.20、0.15、0.12、0.10、0.05、
0となる。
【0027】また、硫酸コバルト50.6gを水(25
°C)に溶かしたコバルト水溶液1000mlに、水酸
化ニッケル粉末100gを投入し、次いで1モル/リッ
トルの水酸化ナトリウム水溶液を、液のpHが9になる
まで滴下した。その後、10分、20分、2時間、4時
間又は6時間攪拌混合した後、濾過し、水洗し、真空乾
燥して、順に活物質粉末P,Q,R,S,Tを作製し
た。この作製法を作製法と称する。この作製法は、
特開昭62−234867号公報等に開示の方法であ
り、水酸化コバルト粉末の作製法(2)に準じた方法で
ある。各水酸化ニッケル粉末の被覆層の水酸化コバルト
のIα/Iβを、先の図3より求めると、順に0.9
7、0.12、0.10、0.05、0となる。
【0028】〔ニッケル極の作製〕各活物質粉末80重
量部とメチルセルロースの1重量%水溶液20重量部と
を混練してペーストを作製し、このペーストをニッケル
めっきした発泡メタル(多孔度95%;平均粒径200
μm)からなる多孔体に充填し、乾燥し、成形して、ニ
ッケル極を作製した。
【0029】〔アルカリ蓄電池の作製〕正極として各ニ
ッケル極を、負極として各ニッケル極に対して充分に大
きな電気化学容量を有する公知のペースト式カドミウム
極を、セパレータとしてポリアミド不織布を、電解液と
して水酸化カリウムと水酸化ナトリウムと水酸化リチウ
ムとを重量比8:1:1で含有する強アルカリ水溶液
(比重=1.285)を、それぞれ用いて、AAサイズ
のニッケル−カドミウム蓄電池を組み立てた。
【0030】〔充放電サイクル試験〕 (1)組立直後の充放電サイクル試験 組立直後の各ニッケル−カドミウム蓄電池について、
0.1Cで深度160%まで充電した後、1Cで1.0
Vまで放電する工程を1サイクルとする充放電サイクル
試験を行い、10サイクル目の各ニッケル極の活物質利
用率を下式より算出した。結果を図5に示す。
【0031】活物質利用率(%)=電池の放電容量(m
Ah)×100/{活物質重量(g)×活物質の単位重
量当たりの理論容量(mAh/g)}
【0032】図5は、縦軸に正極の活物質利用率を、ま
た横軸にX線強度比Iα/Iβをとって示したグラフで
ある。なお、縦軸の活物質利用率は、水酸化ニッケル粉
末G(Iα/Iβ=0.5)の活物質利用率を100と
した指数で示したものであり、また図中の符号A〜T
は、各電池を正極の作製に使用した活物質粉末の符号A
〜Tで示したものである。同図より、活物質利用率が高
いニッケル極を得るためには、被覆層中の水酸化コバル
トのIα/Iβは0.15以上でなければならないこと
が分かる。
【0033】(2)放置後の充放電サイクル試験 活物質粉末A〜Kを用いた各ニッケル−カドミウム蓄電
池について、室温(25°C)下に1日放置した後、上
記(1)と同じ条件の充放電サイクル試験を行って、1
0サイクル目の各ニッケル極の活物質利用率を同様に求
めた。結果を図5と同じ座標系の図6に示す。同図よ
り、放置後の活物質利用率が高いニッケル極を得るため
には、被覆層中の水酸化コバルトのIα/Iβは0.8
0以下でなければならないことが分かる。
【0034】上記(1)及び(2)より、活物質利用率
の高いニッケル極を得るためには、被覆層が、Iα/I
β=0.15〜0.80のα−Co(OH)2 とβ−C
o(OH)2 との混合体からなるものでなければならな
いことが分かる。
【0035】〔被覆層の量と電池容量との関係〕作製法
において混合時間を6時間(すなわちIα/Iβ=
0.50)とし、硝酸コバルトの使用量を種々変えて、
水酸化コバルト層(被覆層)の量が異なる種々の活物質
粉末を作製した。
【0036】次いで、先の実施例と同様にしてアルカリ
蓄電池を作製し、充放電サイクル試験を行い、各ニッケ
ル極の活物質利用率を算出して、被覆層の量と電池容量
との関係を調べた。結果を図7に示す。
【0037】図7は、縦軸に電池容量を、また横軸に被
覆層を形成した活物質粒子の重量(100%)対する被
覆層中のCoの比率(重量%)をとって示したグラフで
ある。なお、縦軸の電池容量は、Coの比率が10重量
%のときの電池容量を100とした指数で示したもので
ある。同図より、活物質利用率の高いニッケル極を得る
ためには、被覆層中のCoの比率を活物質粒子の重量に
対して2〜10重量%とすることが好ましいことが分か
る。
【0038】上記実施例では、水酸化ニッケル粒子の表
面を水酸化コバルト層で被覆した活物質粒子を用いる場
合を例に挙げて説明したが、水酸化ニッケルを主成分と
する固溶体粒子の表面に水酸化コバルト層を形成した活
物質粒子を用いた場合にも、同様の優れた効果が得られ
ることを確認した。
【0039】
【発明の効果】水酸化ニッケル粒子又は水酸化ニッケル
を主成分とする固溶体粒子の表面がα−Co(OH)2
とβ−Co(OH)2 とを所定の割合で含有する水酸化
コバルト層で被覆されているので、充電により緻密な導
電性マトリックス(CoOOH)が形成されるととも
に、電解液中に不活性なCoHO2 が生成しにくい。こ
のため、活物質利用率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】β−Co(OH)2 粉末のX線回折図である。
【図2】α−Co(OH)2 とβ−Co(OH)2 との
混合体粉末のX線回折図である。
【図3】X線強度比Iα/Iβと混合時間との関係を示
したグラフである。
【図4】水酸化コバルト粉末の溶解度を示したグラフで
ある。
【図5】電池組立直後に充放電サイクル試験を開始した
場合のX線強度比Iα/Iβと活物質利用率との関係を
示したグラフである。
【図6】電池組立後1日放置した後に充放電サイクル試
験を開始した場合のX線強度比Iα/Iβと活物質利用
率との関係を示したグラフである。
【図7】電池容量と活物質の重量に対する被覆層中のC
oの比率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新山 克彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 斎藤 俊彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−Co(OH)2 とβ−Co(OH)2
    との混合体からなる水酸化コバルト層で表面が被覆され
    た水酸化ニッケル粒子又は水酸化ニッケルを主成分とす
    る固溶体粒子を活物質粒子とするアルカリ蓄電池用非焼
    結式ニッケル極であって、前記水酸化コバルト層の面間
    隔d=8.05におけるα−Co(OH)2 のX線強度
    Iα(線源:CuKα線)と面間隔d=2.37におけ
    るβ−Co(OH)2のX線強度Iβ(線源:CuKα
    線)との比Iα/Iβが0.15〜0.80であること
    を特徴とするアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。
  2. 【請求項2】前記活物質粒子の重量に対する前記水酸化
    コバルト層中のCoの比率が2〜10重量%である請求
    項1記載のアルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極。
  3. 【請求項3】α−Co(OH)2 とβ−Co(OH)2
    との混合体からなる水酸化コバルト層で表面が被覆され
    た水酸化ニッケル粒子又は水酸化ニッケルを主成分とす
    る固溶体粒子からなるアルカリ蓄電池用活物質であっ
    て、前記水酸化コバルト層の面間隔d=8.05におけ
    るα−Co(OH)2 のX線強度Iα(線源:CuKα
    線)と面間隔d=2.37におけるβ−Co(OH)2
    のX線強度Iβ(線源:CuKα線)との比Iα/Iβ
    が0.15〜0.80であることを特徴とするアルカリ
    蓄電池用活物質。
  4. 【請求項4】前記水酸化ニッケル粒子又は前記固溶体粒
    子の重量に対する前記水酸化コバルト層中のCoの比率
    が、2〜10重量%である請求項3記載のアルカリ蓄電
    池用活物質。
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US6040007A (en) * 1996-06-19 2000-03-21 Tanaka Chemical Corporation Nickel hydroxide particles having an α- or β-cobalt hydroxide coating layer for use in alkali batteries and a process for producing the nickel hydroxide

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