JPH07320537A - 軽量誘電体の製造方法 - Google Patents

軽量誘電体の製造方法

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JPH07320537A
JPH07320537A JP6111375A JP11137594A JPH07320537A JP H07320537 A JPH07320537 A JP H07320537A JP 6111375 A JP6111375 A JP 6111375A JP 11137594 A JP11137594 A JP 11137594A JP H07320537 A JPH07320537 A JP H07320537A
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ceramic powder
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Atsushi Harada
淳 原田
Katsumi Yugawa
克巳 湯川
Shunjiro Imagawa
俊次郎 今川
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】樹脂材料やセラミック材料単体のものより軽量
化を図った誘電体セラミックス粉末を分散させた発泡ウ
レタン樹脂からなる軽量誘電体を、比誘電率を精度よく
制御して、かつ、発泡等の軽量化工程を簡略化して製造
する方法を提供する。 【構成】ポリオール、誘電体セラミック粉末、硬化触
媒、整泡剤および発泡剤を混合する工程と、この混合し
たものにイソシアネートを混合する工程と、所定の温度
に成型用金型を加熱する工程と、先に混合したものをこ
の成型用金型に注型し、蓋をして型締めをした後、発泡
・硬化させる工程と、発泡成型品を取り出す工程とから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽量誘電体の製造方法に
関し、特にたとえば、アンテナ等の材料として使用され
る軽量誘電体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軽量誘電体の製造方法としては、
ポリスチロールやポリエチレン等を発泡させる技術があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂単
体は、未発泡のものでも2.5程度の比誘電率のため、
発泡後の比誘電率は、1〜2の狭い範囲になってしま
う。このため、任意の比誘電率の誘電体を得るために
は、樹脂材料に高誘電率材料を混合して発泡させる必要
がある。さらに軽量化するためには、比誘電率の高い材
料を高発泡させるのが理論上最も効果的である。
【0004】そのため、比誘電率の高いセラミック粉末
をあらかじめ発泡樹脂系誘電体材料と同一の材料でカプ
セル化した後、発泡樹脂系誘電体材料とカプセル化物質
とを混合することが提案されている。しかし、この技術
では、カプセル化の工程に手間がかかる。
【0005】また発泡スチロールの原粒を作る際に、誘
電体セラミック粉を発泡剤とともに混入し、その後、原
粒を発泡型に入れ蒸気などで熱発泡させる方法も提案さ
れている。しかし、この技術では、原粒作製の工程に手
間がかかり、また発泡装置が大がかりになる欠点を有す
る。
【0006】そこで、本発明の目的は、樹脂材料やセラ
ミック材料単体のものより軽量化を図った軽量誘電体
を、比誘電率を精度よく制御して、かつ、発泡等の軽量
化工程を簡略化して製造する方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の誘電体セラミックス粉末を分散させた発泡
ウレタン樹脂からなる軽量誘電体の製造方法は、次の工
程からなる。 (a)ポリオール、誘電体セラミック粉末、硬化触媒、
整泡剤および発泡剤を混合する工程 (b)前記混合したものにイソシアネートを混合する工
程 (c)所定の温度に成型用金型を加熱する工程 (d)前記混合したものを前記成型用金型に注型し、蓋
をして型締めをした後、発泡・硬化させる工程 (e)発泡・硬化させた後、発泡成型品を取り出す工程 また、前記成形用金型は、エアベントを配置した金型か
らなることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の方法に用いる材料を発泡・硬化させる
ことにより、同じ比誘電率の場合に、樹脂材料やセラミ
ック材料単体に比べてより比重の小さい軽量誘電体を得
ることができる。
【0009】また、成形用金型に注型する発泡・硬化用
の混合物の誘電体セラミックス粉末添加量や注型量を調
節することにより、得られる軽量誘電体の比誘電率を精
度よく制御することができる。
【0010】そして、本発明の製造方法によれば、ポリ
スチレンやポリエチレンの場合のような複合ペレット化
や原粒作製などの前処理が不要であり、ポリオールと誘
電体セラミックス粉末の混合後にイソシアネートを混合
するだけでよい。また、射出成型機やスチーム発泡成型
機などの大規模な成型機も不要で、最低限、撹拌装置、
プレスおよび成型用金型を用いて容易に軽量誘電体を得
ることができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の軽量誘電体の製造方法につい
て、その実施例を説明する。まず、所定量のポリオー
ル、CaTiO3 系の誘電体セラミック粉末、アミン系
の硬化触媒、シリコン系の整泡剤、および発泡剤として
の水を秤量し、ミキサーで十分分散させた。以後、この
混合物をポリオール混合物と称す。次に、このポリオー
ル混合物に硬化剤として所定量のイソシアネートを添加
し、高速で攪拌して未発泡混合物を得た。
【0012】なお、一度にポリオール、誘電体セラミッ
ク粉末、イソシアネートおよび各種添加剤を混合可能で
あるが、ポリオールとイソシアネートとの反応速度は速
く、反応前の短時間で誘電体セラミック粉末を均一に分
散させるのは困難である。そのため、誘電体セラミック
粉末をポリオール側に均一分散させておき、その後イソ
シアネートを添加して反応させた方が誘電特性のばらつ
きが少なく、機械強度のある発泡体が得られる。
【0013】一方、60℃に加温した発泡成型用金型を
準備しておいた。金型を加熱するのは、短時間に発泡・
硬化させるためで、これにより金型に近い部分での冷却
効果による発泡反応の抑制を防止し、高密度層(スキン
層)の生成を少なくできる。
【0014】次に、得られた未発泡混合物を即座に気泡
を巻き込まぬように金型に注型した。そして、この型に
設定容積を保持できる蓋をし、プレスにより約20kg
/cm2 で加圧して蓋が開かないようにした。なお、こ
の成形用金型には、発泡材料は漏れないが空気が逃げる
ことが可能なエアベントを配置してある。
【0015】その後、約10分間発泡・加圧硬化させ
た。その後、成型用金型を冷却して除圧した後、蓋を開
け発泡成型した軽量誘電体を取り出した。
【0016】以上の方法により、CaTiO3 セラミッ
クス粉末の添加量が、全量に対して30wt%,40w
t%および50wt%からなる軽量誘電体を得た。
【0017】次に、比較例として、ポリエチレン単体に
発泡剤を練り込んだポリエチレンマスタバッチを少量混
合し、射出成型にて金型内で発泡させて軽量誘電体を作
製した。
【0018】次に、これら軽量誘電体について、共振法
により12GHzでの比誘電率を測定し、さらに比重を
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示す通り、本発明の軽量誘電体の製
造方法によれば、比較例の場合のポリエチレン単体を発
泡させたものと比較して、比誘電率を同じに維持しなが
ら比重の小さい、即ち、より軽量化したものが得られ
る。
【0021】なお、本発明の軽量誘電体の製造方法で使
用する材料は、上記実施例に限定されるものではない。
即ち、高誘電率のセラミック粉末としては、BaTiO
3 、SrTiO3 、TiO2 、CaTiO3 、PbTi
3 、LaTiO3 等を用いることができる。また、ポ
リオールとしては、ポリエーテルやポリエステルなどか
ら適宜選択し、イソシアネートとしてはMDIやTDI
などから適宜選択して反応させることにより、使用目的
に応じて硬質、半硬質、軟質の発泡ウレタン樹脂からな
る軽量誘電体を得ることができる。また、硬化触媒とし
ては、オクテン酸錫やトリメチレンジアミンなどが好ま
しく、発泡剤としては、水、フレオン、メチレンクロラ
イドなどが好ましい。さらに、カップリング剤や滑剤等
を添加してもよい。
【0022】また、上記軽量誘電体の製造方法におい
て、発泡後の気泡の大きさを均一にするためには、ポリ
オール混合物を作る際に気泡を巻き込まないように真空
混合機を用いるか、または混合後に脱泡をすることが好
ましい。さらにポリオール混合物とイソシアネートの混
合も気泡を巻き込まないようにし、成型金型への注型量
も定量混合吐出機を用いて定量化することが好ましい。
【0023】さらに、成型用金型の構造は、発泡時には
金型内の空気のみが出るものがよく、発泡誘電体材料が
金型外に出るのは好ましくない。これは、所望の比誘電
率を得るための制御を、発泡誘電体材料の成型用金型へ
の注型量によって行なうことを可能とするためである。
そのため、エアベントの厚みは、500μm以下が好ま
しい。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
誘電体セラミックス粉末を分散した発泡ウレタン樹脂か
らなる軽量誘電体の製造方法によれば、樹脂材料やセラ
ミック材料単体のものより軽量化を図った軽量誘電体
を、比誘電率を精度よく制御して得ることができる。
【0025】また、複合ペレット化や原粒作製等の前処
理が不要であり、射出成型機やスチーム発泡成型機等の
大規模な成型機も不要である。したがって、発泡等の軽
量化工程が簡略になる。
【0026】さらに、成型用金型は、注型後に蓋がで
き、さらにエアベントを有するのみの簡単な構造のもの
でよい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程よりなる誘電体セラミックス粉
    末を分散させた発泡ウレタン樹脂からなる軽量誘電体の
    製造方法。 (a)ポリオール、誘電体セラミック粉末、硬化触媒、
    整泡剤および発泡剤を混合する工程 (b)前記混合したものにイソシアネートを混合する工
    程 (c)所定の温度に成型用金型を加熱する工程 (d)前記混合したものを前記成型用金型に注型し、蓋
    をして型締めをした後、発泡・硬化させる工程 (e)発泡・硬化させた後、発泡成型品を取り出す工程
  2. 【請求項2】 前記成形用金型は、エアベントを配置し
    た金型からなることを特徴とする請求項1記載の軽量誘
    電体の製造方法。
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