JP3227910B2 - 誘電体レンズの製造方法 - Google Patents
誘電体レンズの製造方法Info
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- JP3227910B2 JP3227910B2 JP16100893A JP16100893A JP3227910B2 JP 3227910 B2 JP3227910 B2 JP 3227910B2 JP 16100893 A JP16100893 A JP 16100893A JP 16100893 A JP16100893 A JP 16100893A JP 3227910 B2 JP3227910 B2 JP 3227910B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電体レンズの製造方
法、特に、通信、放送用のマイクロ波受信用アンテナ素
子として使用される誘電体レンズの製造方法に関する。
法、特に、通信、放送用のマイクロ波受信用アンテナ素
子として使用される誘電体レンズの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、５０ＧＨｚ以上のマイクロ波の受
信用アンテナ素子としては、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリスチレン等の樹脂材料と発泡剤、誘電率調整
剤としてのセラミック粉末を混合したものをドーム形状
に発泡成形した誘電体レンズが知られている。この種の
誘電体レンズでは、発泡成形時にその表面部分が固化し
てレドーム層が形成される。レドーム層は発泡本体部の
耐候性、強度補強用の保護層として機能する。
信用アンテナ素子としては、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリスチレン等の樹脂材料と発泡剤、誘電率調整
剤としてのセラミック粉末を混合したものをドーム形状
に発泡成形した誘電体レンズが知られている。この種の
誘電体レンズでは、発泡成形時にその表面部分が固化し
てレドーム層が形成される。レドーム層は発泡本体部の
耐候性、強度補強用の保護層として機能する。
【０００３】しかしながら、レドーム層が十分に固化し
ないか、薄い状態で金型から取り出すと、内部の発泡圧
力でレドーム層が変形してしまう。一方、金型を急冷し
たり、金型内での冷却時間を長く設定すると、レドーム
層が厚く生長してレンズ効率を損ない、あるいは成形サ
イクルが長くなって生産効率が低下する。
ないか、薄い状態で金型から取り出すと、内部の発泡圧
力でレドーム層が変形してしまう。一方、金型を急冷し
たり、金型内での冷却時間を長く設定すると、レドーム
層が厚く生長してレンズ効率を損ない、あるいは成形サ
イクルが長くなって生産効率が低下する。
【０００４】
【発明の目的、構成、作用、効果】そこで、本発明の目
的は、レドーム層を必要とする厚さで、変形することな
く形成でき、かつ、発泡成形サイクルを短縮化すること
のできる誘電体レンズの製造方法を提供することにあ
る。以上の目的を達成するため、本発明に係る誘電体レ
ンズの製造方法は、樹脂を主成分とする発泡材料を成形
金型に充填し、略ドーム形状に、かつ、表面部分にレド
ーム層が薄く固化するように、発泡成形する工程と、発
泡成形体を前記成形金型から取り出し、発泡成形体の外
形と略同じ形状のキャビティを有する保形金型へ収容し
ておく工程とを備えている。溶融状態にある発泡材料は
成形金型に充填されると直ちに発泡を開始し、発泡体の
表面部分にはレドーム層が形成される。このレドーム層
が薄く固化した段階で発泡成形体を成形金型から取り出
し、保形金型へ収容する。
的は、レドーム層を必要とする厚さで、変形することな
く形成でき、かつ、発泡成形サイクルを短縮化すること
のできる誘電体レンズの製造方法を提供することにあ
る。以上の目的を達成するため、本発明に係る誘電体レ
ンズの製造方法は、樹脂を主成分とする発泡材料を成形
金型に充填し、略ドーム形状に、かつ、表面部分にレド
ーム層が薄く固化するように、発泡成形する工程と、発
泡成形体を前記成形金型から取り出し、発泡成形体の外
形と略同じ形状のキャビティを有する保形金型へ収容し
ておく工程とを備えている。溶融状態にある発泡材料は
成形金型に充填されると直ちに発泡を開始し、発泡体の
表面部分にはレドーム層が形成される。このレドーム層
が薄く固化した段階で発泡成形体を成形金型から取り出
し、保形金型へ収容する。
【０００５】本発明によれば、発泡成形体をレドーム層
が薄い間に成形金型から取り出すため、発泡成形サイク
ルは短くて済み、成形金型を効率的に使用できる。しか
も、発泡成形体は保形金型へ収容されている間に発泡を
継続するが、保形金型のキャビティ内で適当な圧力を加
えられてその表面形状を規制され、レドーム層が内部の
発泡圧力で変形することはない。さらに、レドーム層は
成形金型内で形成された厚さでほぼ生長を止め、レンズ
効率を実用上損なうことのない約２ｍｍ以下の厚みで固
化する。
が薄い間に成形金型から取り出すため、発泡成形サイク
ルは短くて済み、成形金型を効率的に使用できる。しか
も、発泡成形体は保形金型へ収容されている間に発泡を
継続するが、保形金型のキャビティ内で適当な圧力を加
えられてその表面形状を規制され、レドーム層が内部の
発泡圧力で変形することはない。さらに、レドーム層は
成形金型内で形成された厚さでほぼ生長を止め、レンズ
効率を実用上損なうことのない約２ｍｍ以下の厚みで固
化する。
【０００６】
【実施例】以下、本発明に係る誘電体レンズの製造方法
の実施例につき、添付図面を参照して説明する。製造方
法は、図１（Ａ）に示す発泡成形工程と、図１（Ｂ）に
示す保形工程の順に行う。
の実施例につき、添付図面を参照して説明する。製造方
法は、図１（Ａ）に示す発泡成形工程と、図１（Ｂ）に
示す保形工程の順に行う。
【０００７】発泡成形工程において使用される発泡材料
は、樹脂材料としてはポリプロピレンを９８ｗｔ％、発
泡剤としてはアゾジカルボンアミドを２ｗｔ％の組成か
らなる。また、誘電率調整剤としてＣａＴｉＯ3等を用
いてもよい。この発泡材料をシリンダから成形金型１０
のキャビティ１３に射出する。成形金型１０は固定側１
１ａと可動側１１ｂからなり、これらは熱伝導率の良好
な金属材（銅又は鉄等）にて構成され、冷却液を循環さ
せるための温度調節穴１２が形成されている。キャビテ
ィ１３は半径９０ｍｍの半球状をなし、この形状の発泡
成形体１が得られる。射出発泡成形の条件は以下のとお
りである。
は、樹脂材料としてはポリプロピレンを９８ｗｔ％、発
泡剤としてはアゾジカルボンアミドを２ｗｔ％の組成か
らなる。また、誘電率調整剤としてＣａＴｉＯ3等を用
いてもよい。この発泡材料をシリンダから成形金型１０
のキャビティ１３に射出する。成形金型１０は固定側１
１ａと可動側１１ｂからなり、これらは熱伝導率の良好
な金属材（銅又は鉄等）にて構成され、冷却液を循環さ
せるための温度調節穴１２が形成されている。キャビテ
ィ１３は半径９０ｍｍの半球状をなし、この形状の発泡
成形体１が得られる。射出発泡成形の条件は以下のとお
りである。
【０００８】シリンダ温度：２２０℃ 金型温度：８０℃ 射出圧力：１４４８ｋｇ／ｃｍ2 保圧：１２６７ｋｇ／ｃｍ2 射出速度：１１４ｃｍ3／ｓｅｃ 冷却時間：１８０ｓｅｃ
【０００９】前記冷却時間とは、発泡材料を射出後、金
型温度を８０℃に維持して内部の発泡を待ち、発泡本体
部２の表面にレドーム層３が薄く固化するまでの時間で
ある。所定の冷却時間が経過すると、成形金型１０から
発泡成形体１を取り出し、保形工程へ移行する。
型温度を８０℃に維持して内部の発泡を待ち、発泡本体
部２の表面にレドーム層３が薄く固化するまでの時間で
ある。所定の冷却時間が経過すると、成形金型１０から
発泡成形体１を取り出し、保形工程へ移行する。
【００１０】保形金型２０は、キャビティ２２を有する
本体２１と、ガイド棒２３によって上下動可能に支持さ
れた可動板２５とで構成されている。可動板２５はガイ
ド棒２３に取り付けられているコイルばね２４のばね力
によって下方に弾性的に付勢されている。また、キャビ
ティ２２は前記発泡成形体１の外形と同じ形状とされて
いる。本体２１と可動板２５は共に熱伝導率の低い材
料、例えば、木粉をＡＢＳ樹脂で固めたもの、あるいは
セラミックで形成されている。樹脂の熱伝導率は５×１
０-4ｃａｌ／ｃｍ・Ｓ・℃、アルミナのそれは４×１０
-3ｃａｌ／ｃｍ・Ｓ・℃である。
本体２１と、ガイド棒２３によって上下動可能に支持さ
れた可動板２５とで構成されている。可動板２５はガイ
ド棒２３に取り付けられているコイルばね２４のばね力
によって下方に弾性的に付勢されている。また、キャビ
ティ２２は前記発泡成形体１の外形と同じ形状とされて
いる。本体２１と可動板２５は共に熱伝導率の低い材
料、例えば、木粉をＡＢＳ樹脂で固めたもの、あるいは
セラミックで形成されている。樹脂の熱伝導率は５×１
０-4ｃａｌ／ｃｍ・Ｓ・℃、アルミナのそれは４×１０
-3ｃａｌ／ｃｍ・Ｓ・℃である。
【００１１】前記成形金型１０から取り出された発泡成
形体１は直ちに保形金型２０へ収容され、可動板２５に
よって５．７５ｋｇ／ｃｍ2の圧力が加えられ、約１時
間保持される。発泡成形体１は保形金型２０内で自然冷
却される。発泡成形体１の発泡本体部２はこの状態でも
発泡を若干継続するが、表面部分に形成されたレドーム
層３は保形金型２０によって規制されているため、発泡
圧力で変形することなく固化する。レドーム層３は前記
成形金型１０内で既に薄く固化しており、保形金型２０
内で最終的に固化される。保形金型２０内では自然冷却
にまかされ、かつ、保形金型２０は熱伝導率の低い材料
（ここでは成形金型１０の金属材料より熱伝導率が低い
ことを意味する）で形成されているため、レドーム層３
が厚く生長することはない。
形体１は直ちに保形金型２０へ収容され、可動板２５に
よって５．７５ｋｇ／ｃｍ2の圧力が加えられ、約１時
間保持される。発泡成形体１は保形金型２０内で自然冷
却される。発泡成形体１の発泡本体部２はこの状態でも
発泡を若干継続するが、表面部分に形成されたレドーム
層３は保形金型２０によって規制されているため、発泡
圧力で変形することなく固化する。レドーム層３は前記
成形金型１０内で既に薄く固化しており、保形金型２０
内で最終的に固化される。保形金型２０内では自然冷却
にまかされ、かつ、保形金型２０は熱伝導率の低い材料
（ここでは成形金型１０の金属材料より熱伝導率が低い
ことを意味する）で形成されているため、レドーム層３
が厚く生長することはない。
【００１２】以上の工程によって製造された誘電体レン
ズは、発泡倍率が１．１５、比誘電率が２．１、レドー
ム層３の厚さが約１ｍｍ、半球状の形状精度が±０．５
ｍｍ以下であり、ヒケ、スワールマークやボイドの存在
は見られない。
ズは、発泡倍率が１．１５、比誘電率が２．１、レドー
ム層３の厚さが約１ｍｍ、半球状の形状精度が±０．５
ｍｍ以下であり、ヒケ、スワールマークやボイドの存在
は見られない。
【００１３】なお、本発明に係る製造方法は前記実施例
に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変
更できる。特に、樹脂材料としてはポリエチレン、ポリ
スチレン等が使用でき、発泡剤としてはｐ，ｐ−オキシ
ベンゼンスルフォニルヒドラジド等を用いてもよい。さ
らに、誘電率調整剤としてはＢａＴｉＯ3、ＣａＴｉ
Ｏ3、ＭｇＴｉＯ3等を使用できる。また、前記金型１
０，２０の構成は任意である。
に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変
更できる。特に、樹脂材料としてはポリエチレン、ポリ
スチレン等が使用でき、発泡剤としてはｐ，ｐ−オキシ
ベンゼンスルフォニルヒドラジド等を用いてもよい。さ
らに、誘電率調整剤としてはＢａＴｉＯ3、ＣａＴｉ
Ｏ3、ＭｇＴｉＯ3等を使用できる。また、前記金型１
０，２０の構成は任意である。
【図１】本発明の一実施例を示す断面図、（Ａ）は発泡
成形工程、（Ｂ）は保形工程を示す。
成形工程、（Ｂ）は保形工程を示す。
１…発泡成形体（誘電体レンズ） ２…発泡本体部 ３…レドーム層 １０…成形金型 ２０…保形金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−179805（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−123053（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−16862（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−16861（ＪＰ，Ａ) 米国特許4482513（ＵＳ，Ａ) 米国特許3866234（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B29C 45/00 - 45/84 B29D 11/00 H01Q 15/08
Claims (1)
- 【請求項１】 樹脂を主成分とする発泡材料を成形金型
に充填し、略ドーム形状に、かつ、表面部分にレドーム
層が薄く固化するように、発泡成形する工程と、 発泡成形体を前記成形金型から取り出し、発泡成形体の
外形と略同じ形状のキャビティを有する保形金型へ収容
しておく工程と、 を備えたことを特徴とする誘電体レンズの製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16100893A JP3227910B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 誘電体レンズの製造方法 |
| EP94110101A EP0632524B1 (en) | 1993-06-30 | 1994-06-29 | Method of producing a dielectric lens for an antenna and dielectric lens obtainable by said method |
| DE69427789T DE69427789T2 (de) | 1993-06-30 | 1994-06-29 | Verfahren zur Herstellung einer dielektrischen Linse für eine Antenne und dielektrische Linse nach diesem Verfahren |
| US08/691,791 US6592788B1 (en) | 1993-06-30 | 1996-08-02 | Method of manufacturing a dielectric lens for an antenna |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16100893A JP3227910B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 誘電体レンズの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0716941A JPH0716941A (ja) | 1995-01-20 |
| JP3227910B2 true JP3227910B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=15726830
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16100893A Expired - Fee Related JP3227910B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 誘電体レンズの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3227910B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0722834A (ja) * | 1993-06-30 | 1995-01-24 | Murata Mfg Co Ltd | アンテナ用誘電体レンズ及びその製造方法 |
| JP3638889B2 (ja) | 2000-07-27 | 2005-04-13 | 大塚化学ホールディングス株式会社 | 誘電性樹脂発泡体及びそれを用いた電波レンズ |
| US7301504B2 (en) | 2004-07-14 | 2007-11-27 | Ems Technologies, Inc. | Mechanical scanning feed assembly for a spherical lens antenna |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP16100893A patent/JP3227910B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0716941A (ja) | 1995-01-20 |
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