JPH07319574A - 温度異常時の装置保護方法及び回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子装置の装置架内の温度の異常上昇時に、
冷却ファンの回転数を上げることなく、また電源断によ
るシステムの運用停止をせずに、装置の機能ボード内回
路の自己発熱を抑え、装置内温度異常の状態を回避する
方法及びその回路を提供する。 【構成】 複数の機能ボードを実装した装置架内の任意
の箇所の温度の異常を検出し、該複数の機能ボードに該
温度異常を通知し、該温度異常が高温異常のときは該通
知を受けた該機能ボードが各々のボード内のクロック周
波数を逓減し、該温度異常が回復したときはクロック周
波数を正常値まで逓増することを特徴とする温度異常時
の装置保護方法及びこのための回路である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、通信網における交換シ
ステム及び情報処理システムにおける実装架等の温度異
常時に自己発熱を抑え、装置内温度異常の状態を自律的
に回避させる温度異常時の装置保護方法及びそのための
回路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、交換システム及び情報処理システ
ムにおいては、１個或いは複数個の冷却ファンが設置さ
れ、温度センサが装置内温度を監視し、温度異常を検出
した場合には、冷却ファンの稼働数を増やすか、又は冷
却ファンの回転数を上げる等の対処方法が考えられてい
る。また、温度センサが電源制御回路に接続され、温度
センサが装置内の温度異常を感知した場合は、電源制御
回路により装置の電源をオフにすることも行われてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これらの従来の方法で
は次のような問題がある。即ち、複数の装置で予備形態
を採るシステムでは、或る一装置で電源断を行っても続
いて複数の装置で異常となることも考えられ、交換シス
テムの運用中にシステムダウンになる危険性がある。ま
た、装置内温度を冷却させる冷却ファンの回転数を上げ
ると駆動音が大きくなり騒音の問題が発生する可能性が
ある。

【０００４】従って、本発明の目的は、通信網における
交換システム等の電子装置において、装置架内の温度の
異常時に、冷却ファンの回転数を上げることなく、また
電源断によるシステムの運用停止をせずに、装置の機能
ボード内回路の自己発熱を抑え、装置内温度異常の状態
を回避する方法及びその回路を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、複数の機能ボードを実装した装置架内の
任意の箇所の温度の異常を検出し、これを各機能ボード
に通知し、この温度異常が高温異常のときはこの通知を
受けた機能ボードが各々のボード内のクロック周波数を
逓減し、温度異常が回復したときはクロック周波数を正
常値まで逓増する。

【０００６】更に、本発明は、このために、装置架内の
温度異常を検出しこれを通知する手段を有する温度セン
サと、この温度センサからの通知を受信しこの通知の内
容に応じて装置のクロック周波数を逓増減させる手段と
を具備する温度異常時の装置保護回路である。

【０００７】

【作用】このような構成の本発明によれば、装置の架内
温度の異常時に、自律的にクロック周波数を下げて機能
ボードの自己発熱を抑えて温度異常状態を回避すること
ができる。

【０００８】

【実施例】次に、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図１は、本発明の第１の実施例を示す全体構成図で
あって、1-1 乃至1-n は各機能ボード、２は温度セン
サ、３はシステムバス、４は温度センサからの信号線、
5-1 乃至5-n は機能ボード内に搭載されているクロック
生成回路、6-1 乃至6-n は機能ボード内に搭載されたク
ロック逓増減回路、7-1 乃至7-n は機能ボード内に搭載
されたクロック制御回路、8-1 乃至8-n は機能ボード内
に搭載された内部回路である。この構成では、温度セン
サは架内の任意の箇所、例えば発熱量の多い機能ボード
の上部或いは架の上部に設置する。

【０００９】各構成要素の一連の動作を図２のフローチ
ャートを用いて説明する。温度センサ２は架内温度を検
出し温度異常か否かを判定し、その結果を信号線４を経
て機能ボード1-1 乃至1-n 内のクロック制御回路7-1 乃
至7-n へ転送する。センサは装置内温度の例えば１０乃
至４０°Ｃをしきい値とし、装置内温度が正常（しきい
値の範囲内）の場合はレベル信号“０”をクロック制御
回路へ送信し、温度が異常（しきい値の範囲の外）の場
合はレベル信号“１”を送信する。

【００１０】温度が異常の場合、クロック制御回路7-1
乃至7-n では、レベル信号“１”を受信したことを確認
した後クロック逓増減回路6-1 乃至6-n に対してクロッ
ク周波数逓減要求信号を送信し、クロック逓増減回路6-
1 乃至6-n では、クロック生成回路5-1 乃至5-n から受
けたクロック周波数を予め設定した倍率分だけ逓減させ
て配下の内部装置8-1 乃至8-n に供給する。温度センサ
２が検出する架内温度がしきい値の範囲内になり、クロ
ック制御回路7-1 乃至7-n に送信するレベル信号が
“０”になるまでこの一連の動作を繰り返す。

【００１１】クロック制御回路7-1 乃至7-n が再びレベ
ル信号“０”を受信すると、クロック周波数逓減後か否
かを判定し、その逓減後の受信である場合はクロック逓
増減回路6-1 乃至6-n に対してクロック周波数逓増要求
信号を送信する。クロック逓増減回路6-1 乃至6-n では
逓減の場合と逆の手順でクロック周波数を正常の値まで
逓増させる。

【００１２】次に、図３及び図４を用いて本発明の第２
の実施例を説明する。図２は全体構成図であり、記号１
乃至５及び８は図１と同じ、10はシステム制御ボード、
11は温度状態受信回路、12は温度状態通知内部バス、13
は温度異常回避制御部、14はシステム制御ボード内部バ
ス、15-0乃至15-nはシステムバスインタフェース、16-1
乃至16-nは機能ボード内部バス、17-1乃至17-nはクロッ
ク供給線（１）、18-1乃至18-nはクロック周波数逓増減
制御回路、19-1乃至19-nはクロック供給線（２）であ
り、この例では、別に構成されるシステム制御ボードが
各機能ボードとシステムバスインタフェースを介してシ
ステムバスで結合されている。温度異常回避制御部13
は、マイクロプロセッサ及びメモリーを含み、メモリー
には制御用プログラムが格納される。

【００１３】図４は図３の構成の動作を説明するフロー
チャートである。温度センサは第１の実施例と同様に、
温度状態を検出し、検出した温度状態がしきい値範囲内
と判断したときは温度正常としてレベル信号“０”を温
度状態通知線４を介してシステム制御ボード10内の温度
状態受信回路11に送出する。また、検出した温度状態が
しきい値範囲外と判断したときは温度異常としてレベル
信号“１”を温度状態通知線４を介してシステム制御ボ
ード10内の温度状態受信回路11に送出する。

【００１４】システム制御ボード10内の温度異常回避制
御部13は、温度状態通知内部バス12を介しては温度状態
受信回路11から受信したレベル信号を判断し、この信号
がレベル“１”の場合には温度異常として、クロック周
波数逓減制御指示を、システム制御ボード内部バス14を
介してシステム制御ボード10内のシステムバスインタフ
ェース15-0に送り、システムバスプロトコルに変換後、
システムバス３を制御情報送信ルートとして、各機能ボ
ード1-1 乃至1-n 内のシステムバスインタフェース15-1
乃至15-nに一斉送信を行う。

【００１５】これを受信した各機能ボード1-1 乃至1-n
内のシステムバスインタフェース15-1乃至15-nは、機能
ボード内部バス16-1乃至16-nを介してクロック周波数逓
増減制御回路18-1乃至18-nに対して周波数逓減制御の指
示を行う。この制御指示を受けた各クロック周波数逓増
減制御回路18-1乃至18-nは、クロック生成回路5-1 乃至
5-n からクロック供給線（１）17-1乃至17-nを経て受信
したクロック周波数を逓減し、クロック供給線（２）19
-1乃至19-nを経てボード内部装置8-1 乃至8-nにクロッ
ク周波数を供給する。

【００１６】また、システム制御ボード10内の温度異常
回避制御部13が、クロック周波数逓減制御後に温度状態
受信回路11から受信したレベル信号を判断した結果、こ
の信号がレベル“０”の場合には、温度正常として、ク
ロック周波数逓増制御指示を、システム制御ボード内部
バス14を介してシステム制御ボード10内のシステムバス
インタフェース15-0に送り、システムバスプロトコルに
変換後、システムバス３を制御情報送信ルートとして、
各機能ボード1-1 乃至1-n 内のシステムバスインタフェ
ース15-1乃至15-nに一斉送信を行う。

【００１７】これを受信した各機能ボード1-1 乃至1-n
内のシステムバスインタフェース15-1乃至15-nは、機能
ボード内部バス16-1乃至16-nを介してクロック周波数逓
増減制御回路18-1乃至18-nに対して周波数逓増制御の指
示を行う。この制御指示を受けた各クロック周波数逓増
減制御回路18-1乃至18-nは、クロック生成回路5-1 乃至
5-n からクロック供給線（１）17-1乃至17-nを経て受信
したクロック周波数を逓減せずに、クロック供給線
（２）19-1乃至19-nを経てボード内部装置8-1 乃至8-n
にクロック周波数を供給する。

【００１８】

【発明の効果】本発明においては、装置架内温度異常時
に自律的にクロック周波数を落として機能ボードの発熱
を抑え、冷却ファンの風量を上げることなく、且つ装置
の電源断によるシステム運用の停止もなく、温度異常状
態を回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の第１の実施例の全体の構成を
示す図である。

【図２】図２は、本発明の第１の実施例の動作フローチ
ャートである。

【図３】図３は、本発明の第２の実施例の全体の構成を
示す図である。

【図４】図４は、本発明の第２の実施例の動作フローチ
ャートである。

【符号の説明】

1-1 乃至1-n 機能ボード ２ 温度センサ ３ システムバス ４ 温度センサからの信号線 5-1 乃至5-n 機能ボード内に搭載されているクロック
生成回路 6-1 乃至6-n 機能ボード内に搭載されたクロック逓増
減回路 7-1 乃至7-n 機能ボード内に搭載されたクロック制御
回路 8-1 乃至8-n 機能ボード内に搭載された内部回路 10 システム制御ボード 11 温度状態受信回路 12 温度状態通知内部バス 13 温度異常回避制御部 14 システム制御ボード内部バス 15-0乃至15-n システムバスインタフェース 16-1乃至16-n 機能ボード内部バス 17-1乃至17-n クロック供給線（１） 18-1乃至18-n クロック周波数逓増減制御回路 19-1乃至19-n クロック供給線（２）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の機能ボードを実装した装置架内の
   任意の箇所の温度の異常を検出し、該複数の機能ボード
   に該温度異常を通知し、該温度異常が高温異常のときは
   該通知を受けた該機能ボードが各々のボード内のクロッ
   ク周波数を逓減し、該温度異常が回復したときはクロッ
   ク周波数を正常値まで逓増することを特徴とする温度異
   常時の装置保護方法。
2. 【請求項２】 装置架内の温度異常を検出しこれを通知
   する手段を有する温度センサと、該温度センサからの通
   知を受信し該通知の内容に応じて該装置のクロック周波
   数を逓増減させる手段とを具備することを特徴とする温
   度異常時の装置保護回路。