JP2011176957A - 電源オンオフ非劣化電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
一定回数の(例えば1日1回)電源オンオフを想定して設計されている現在のサーバについて、省電力を実現するために、それ以上の回数で電源オンオフを実施すると、サーバの寿命が短くなってしまうという問題がある。
【解決手段】
発熱量を制御できる電子部品が搭載された電子機器において、前記電子部品の発熱量を制御する制御部を備え、当該電子機器の電源オフが指示された後に、前記制御部は前記電子部品の発熱量を所定の温度曲線に沿って順次減らしていく。
【選択図】 図1

Description

本発明は、温度制御手段が組み込まれた電子機器に関するものである。
地球温暖化が地球規模の重要な問題になるにしたがって、あらゆる分野で省電力化・省資源化が重要になってきている。本発明は、電子機器における省電力化・省資源化に必要不可欠な技術のひとつを提供するものである。
本発明の原理は電子機器一般に汎用的に適用可能であるが、特にコンピュータシステムへの利用方法を中心に述べるため、まず、コンピュータシステムの背景技術について次に述べる。
コンピュータシステムは、一般に、高い処理能力が必要とされる分野から、低い処理能力でも問題ない分野まで幅広く対応するため、性能に関していわゆるスケーラビリティが必要であり、かつては、高性能なサーバから中低性能なサーバまで幅広く製品を適材適所に用いるような、いわゆるスケールアップ型のコンピュータシステムが主流であった。しかし、最近では、こういったコンピュータシステムは、開発費まで含めると比較的高コストであり、最高性能を高くすることはできても、単位性能あたりのコストという観点でいうコストパフォーマンスの点では中低性能のコンピュータシステムに劣ることが多い。そこで、中低性能の同程度の性能のサーバを多数並列運転し、必要な処理能力に応じて台数を調整する、いわゆるスケールアウト型のコンピュータシステムが主流になっている。
これによって、高い処理能力を必要とするデータセンタでは、多数のサーバを並列運転するようになったが、必要とされる処理能力は、その業務内容によって時間帯、曜日、月、あるいは、季節によって変動することが通常である。例えば、テレビの通販番組の購入の申し込みや情報の問い合わせをインターネットサイトで受けている場合、人気商品がテレビで紹介されるとアクセスが急増し、必要とされる処理量が増大するが、一定時間経過して、商品が売り切れた後や、さほど人気のない商品が替わって紹介されるようになると、処理量が急激に低下することになる。このような業務における処理量は、一日に何回も急激に処理量が増加したり減少したりすることを繰り返すことになる。
この変動は、ある程度は予測ができる場合もあるが、そうだとしても、このようなコンピューシステムにおいては、省電力の観点からすると、一日に何回もコンピュータシステムに含まれるサーバをその時点で必要とされる台数のみ運転し、そのほかのサーバについては電源オフとすることで、電力を必要最小限に調節することが必要になる。しかし、このように、1日に何回も電源オンオフするような使用方法は、ハードウエアの観点で見ると過酷な条件での使用方法になる。すなわち、サーバに限ったことではないが一般に電子機器では、電源オンの状態では各部品が発熱しているため高温となり、電源オフにすると発熱がなくなるために、そのおかれた環境の気温まで下がっていく。これにより、部品が高温域と低温域の間の変移によって熱膨張状態と熱収縮が繰り返し行われるようになるため、その材料において熱疲労が起こり、機械的・構造的に破壊にいたることが知られている。電子機器でもさまざまな部位でこの現象がおこっており、例えば、誘電性薄膜の亀裂、ボンディングワイヤの浮き・断裂、半田で接続されている部位の亀裂、半導体チップの亀裂のようなものがあげられる。
これらいずれかが起こると、その部位で断線や、機能不全に陥るため、コンピュータシステムは故障にいたることとなる。
これらの現象に対し、コンピュータシステムの設計の中で信頼性を確保するために一定の使用条件では、その製品が保障する期間の使用に耐えうるようになっている。しかし、通常、1日に高々1回かそれ以下を想定しており、上記のように1日に何回も電源オンオフを繰り返すような使用方法は想定されていない。このため、このような製品を、何の対策もなく上記のような1日に何回も電源オンオフを繰り返すような使用をすると、そのコンピュータシステムが設定した耐用期間に至ることなく故障することになることが容易に想定されるため、1日に電源オンオフを1回だけに制限する使用方法となり、結局、上記で述べた例を想定すると、1日の内のピークとなる処理量に耐えられる処理能力分だけ常にサーバを動作させる必要があり、十分な省電力効果を引き出すことができないことになってしまう。
ところで、上記の故障にいたる熱疲労現象については、その故障にいたる電源オンオフ、すなわち温度サイクルの回数は、Coffin−Manson式がよく実際と合うとされており、この式、あるいは、修正された式が寿命の推定に広く用いられている。本発明でもこの修正式を応用する。
先行技術としては、上記の熱疲労の起こる部分の内、半田バンプによって半導体とプリント基板を接続している部位について、半導体とプリント基板の熱膨張率の差異によって生じる応力を、半導体装置やプリント基板に新たに組み込んだヒータによって温度制御し、緩和する方式が特許文献1によって公開されている。
しかしながら、この方式であると、電源オンの前にヒータで一定の温度となるまで加熱する必要があり、上記で述べたような必要とされる処理量の急激な増加に応じて機敏に電源をオンしなくてはならない場合に対応できない。あるいは、あらかじめ暖めておいていつでも電源をオンにできる状態にしておく、といった使い方も、考えられるが、常に暖めた状態にしておくにはそれだけエネルギーを必要とし、本来の省電力の目的からすると、その効果を低減させることになる。
また、特許文献1は、特に半導体とプリント基板の膨張率の差異によって生じる応力に特に着目しているが、上記でもあげたように、この部分以外にも熱疲労が起こる部位は多数多種にわたってコンピュータシステムには存在し、その各部位ごとにヒータを取り付け、膨張率を緩和する温度制御を行うのは非現実的である。
特開2008−244288号公報
小高俊彦・小林二三幸編 「装置設計と実装」丸善株式会社出版1996年 中澤喜三郎著 「計算機アーキテクチャと構成方式」朝倉書店出版1995年
本発明で解決しようとする課題は、一定回数の(例えば1日1回)電源オンオフを想定して設計されている現在のサーバについて、省電力を実現するために、それ以上の回数で電源オンオフを実施すると、サーバの寿命が短くなってしまうという問題である。
本発明で使用する原理を説明する。
Coffin−Manson式からの修正式として、故障にいたる電源オンオフのサイクル数Nfは以下で表される。
Figure 2011176957
この数式1を利用してグラフとして図示したのが図10であるが、このグラフは、電源オン時と電源オフ時の温度差80℃の時のNfを基準(=1とする)に、電源オン時と電源オフ時の温度差を小さくしていった時にNfが変化していく様子を比であらわしている。例えば、温度差63.5℃で2倍、40度で8倍となる。
このことから、電源オンオフサイクルを以下のように考えることができる。図11は電源オンオフサイクルでの部品の温度変化を表している。横軸に経過時間、縦軸に部品の温度を示す。ここでは考えやすくするために、電源オンの状態は極めて短い時間(短いが電源オン状態での定常的な温度には達する程度の期間)としてその電源オンオフの温度サイクルを2パタン示している。
電源オンの状態では90℃になるとした時に、基準としては、電源オフの状態では10℃になるとして(上記の温度差80℃に合わせた)、この場合、24時間で1回の電源オンオフを行った場合と想定する。例えば、電源オフの状態を26.5℃(つまり温度差63.5℃)になるようにしたとすると、温度差80℃の時に対してNfは2倍になっているので、24時間で2回まで電源のオンオフを実施してもよい。ここでいう実施してもよい、というのは、温度差80℃、24時間で、1回の電源オンオフ(電源オンとオフを各々1回づつの意)を実施しても5年間の寿命をもつように設計をした製品について、電源オフの状態を26.5℃とすることで、24時間で、2回電源オンオフを行っても、やはり、寿命は5年間を維持できる、ということを意味している。
つまり、電源オフの状態を26.5℃とすると、12時間ごとに電源オンオフを行ってもよい、ともいえる。その様子を、図11では、電源オフの定常状態である26.5℃となる一定の部分があって、12時間おきにスパイク状に電源オンの状態で90℃になっている状態が示されている。
同様な考え方で、電源オフの状態を50℃、つまり温度差40℃とすることで、24時間で8回電源オンオフを行ってもよい、あるいは、3時間ごとに電源オンオフをおこなってもよいことになる。これを拡張して、いろいろな温度差について電源オンオフをおこなってもよい間隔を算出して、図11のグラフにその間隔を電源オフしてからの経過時間と読み替えてプロットしていくと、一点鎖線であらわしたような曲線を描く。この曲線が意味するものは以下のことである。電源オフにしてから、経過時間とともにこの曲線が示すように(あるいは、これよりも高い温度)温度が変化していくように制御できれば、電源オンをいつ行ってもよい、とすることができる。つまり、経過時間とともに温度が下がっていくために、電源オンの時との温度差は広がるが、経過時間がそれだけ大きくなっているため、電源オンオフ間隔は広がることになる。そして、その広がり方は、基準となる24時間で1回の電源オンオフを温度差80℃で実施していた時と同じだけの寿命(5年間)を期待することができる。その境界線が一点鎖線であらわした曲線である。ここではこれを臨界温度曲線とよぶ。
非特許文献2によると、図9のように、半導体チップがパッケージングされたヒートシンクが搭載されていて、強制空冷によって冷却されている場合を想定すると、
(数式2)
Pd = (Tj−Ta)・(1/θ)
Pd:発熱量
Tj:発熱体の温度(ここでは90℃と仮定)
Ta:ヒートシンク周囲の空気の温度(ここでは30℃と仮定)
θ:熱抵抗
となるが、熱抵抗が、自然冷却で〜25℃/W、ヒートシンクを取り付けると10〜15℃/W、さらに5〜3m/sの風を吹かせての強制空冷で4〜6℃/Wとなる。ここでは、熱抵抗を冷却ファン停止時は10℃/W、冷却ファン動作時は4℃/Wと仮定する。数式2を前提にTjをもとめると以下の数式であらわせる。
(数式3)
Tj ={Ton − (Ta+θ・Pd)}exp{t/(C・θ)}
+(Ta+θ・Pd)
Ton:電源オン時の発熱体の温度(ここでは90℃と仮定)
t:経過時間
C:発熱体全体の熱容量(ここでは6.8J/K・cm2と仮定)
この数式3で、Ton=90℃、Ta=30℃、θ=10℃/W(冷却ファンをとめた状態を仮定)、Pd=0(電源オフを仮定)、C=6.8J/K・cm2(銅2cm程度の厚さのヒートシンクを仮定)とすると、図8のようになり、電源オフにすると、短時間でTaまで温度が下がる。Cを相当に大きくすると、冷却曲線を上述の臨海温度曲線に近づけることができるが、銅製4m相当の厚さのヒートシンクが必要という非現実的な値となるため、臨界温度曲線より高い温度にするには発熱がある程度必要となる。まず、数式1から、臨界温度曲線を求めると以下となる。
(数式4)
Tc = Tmax−(Tmaxd−Tmind)
×{(t/Td)^(1/2)}
Tc:臨界温度
Tmax:経過時間0での温度(ここでは90℃と仮定)
Tmaxd:経過時間0での温度の設計値(ここでは90℃と仮定)
Tmind:経過時間∞での温度の設計値(Taに相当)
Td:電源オンオフの平均周期の設計値(ここでは1日)
ここから、数式3と数式4からPdをもとめると以下となる。
(数式5)
Pd = C(Tmaxd−Tmind)
/(3(t/Td)^(1/3))
+(Tc−Ta)/R
この数式5から求まるPdが、電源オンの時の発熱量に対し、どの程度の削減率になるかをグラフにあらわしたのが図6で、経過時間0のところで約70%、その後、上昇し、約10時間後には臨界温度がTa=30℃に達するため、削減率は100%、つまり、完全に電源オフとできる。削減率の平均は、経過時間3時間までが78%、経過時間12時間までで93%の削減率となる。つまり、電源オンにした状態に比べ、これだけの電力削減が可能であることをあらわしている。実際には冷却ファンを止めることもできるので、サーバ全体としてはさらに大きな電力削減効果がある。
ここで示した発熱量を実現するには、各部品について電源オンで動作している時と比較して約70%〜100%の削減した発熱量に調整する必要があるが、これは、各部品に供給する電圧を削減したり、クロックを給電している場合には、そのクロックの周波数を低下させるなどの手段を用いればよい。他にも、例えば省電力モードとして低発熱のモードがあればそれを利用してもよいし、また、プロセッサのように複雑な回路をもった半導体部品であると、電源種が複数入力している場合が多く、そのいくつかの種類については電源オフとし、他のいくつかの種類については電源オンの状態とすることで、やはり低発熱の状態に保つことができる。
上述したような臨界温度以上となるように、各部品の温度を制御することによって、電源オンオフを何回実施しても、基準となる条件で使用した時と比較して、寿命(故障にいたる時間)を短くするおそれのないサーバないし電子機器を実現することができる。そして、この温度制御では、電源オフの直後においても十分電力削減効果を期待でき、一定の時間後は温度調整のための加熱を完全になくすことができる。さらに、必要とされる時には特に準備期間もなく電源オンにすることもできる。
本発明の実施形態を示した図である。 本発明の実施形態における電源オンオフの制御フローを示した図である。 本発明の実施形態におけるプロセッサの省電力モードに基づく制御フローを示した図である。 本発明の実施形態における電源オンの要求が温度調整中に起こった場合の制御フローを示した図である。 本発明の実施形態における、温度調整を行った時の温度と経過時間との関係を示した図である。 本発明の実施形態における、電力の削減率と経過時間との関係を示した図である。 従来技術における電源オンオフを行う制御フローを示した図である。 従来技術における温度と経過時間との関係を示した図である。 半導体のチップをプリント基板に実装した状態を示した図である。 電源オン時と電源オフ時の温度差と故障にいたるサイクル数の比との関係を示した図である。 電源オンオフを繰り返した場合の部品の温度変化を示した図である。
図1は本発明の実施形態の一例を示している。シャーシ1の中にはボード12が1枚ないし複数枚搭載されており、ボード12は1枚ないし複数枚でサーバとして機能する。したがって、シャーシ1の中にはサーバが1台ないし複数台含まれることになる。シャーシ1の中には、ボード12以外に、AC/DC変換13が1ないし複数搭載されており、シャーシ1の外にある交流電源3から交流電力を受けとり、直流に変換し、適切な電圧レベルに変換して、シャーシ1内の部品に対し電力を供給している。ただし、外部からの給電はここでは交流としたが直流であってもかまわない。また、シャーシ1内の部品の熱を逃がすために冷却ファン14が1ないし複数搭載されている。そして、シャーシ1内にあるボード12、AC/DC変換13、冷却ファン14を制御する管理モジュール11が1ないし複数搭載さていて、シャーシ1の外にある管理サーバ2と接続されており、通信によって制御情報を交換できるようになっている。
ボード12上には、プロセッサ122、周辺部品123、メモリ124、DC/DC変換125、クロック生成回路126、センサ127、そしてパネル128が搭載されている。いずれも1ないし複数がボード12に搭載されていて、さらに、周辺部品123は多種の部品が含まれていて、それらを総称している。センサ127は多種のセンサが含まれており、本発明では温度制御のために温度センサを用い、電圧を調整する場合、電圧センサを用いるが、それ以外のセンサも含まれる。
まず、従来技術に基づく電源オンオフ動作について図7を用いて説明する。電源オンの状態で、管理サーバ2ないしパネル128より人間が電源オフの指示を入力する。これはパネルであればボタンであったり、管理サーバ2であるとGUI(Graphical User Interface)上の操作で入力することになる。そうすると、管理サーバから入力した場合には管理モジュールを介して、また、パネル128からなら直接に、ボード管理回路121に電源オフの指令が伝達される。ボード管理回路121は、あらかじめ組み込まれたプログラムに沿って、DC/DC変換125の出力を電圧レベルごと順次オフにしてき、ボード主電源給電用として給電されている電力が全てオフとすることで電源オフの状態となる。この間も、補助電源給電用の方の電力は給電されており、具体的にはボード管理回路121、パネル128、センサ127等に給電される。
電源オフの状態からオンにする動作も同様で、管理サーバ2ないしパネル128より人間が電源オンの指示を入力すると、ボード管理回路121にそれが伝達され、ボード管理回路121は、あらかじめ組み込まれたプログラムに沿って、DC/DC変換125の出力を電圧レベルごと順次オンにしていくことで電源がオンにされた状態になる。
次に、本発明の特徴となる動作を図2を用いて説明する。
図2は管理サーバからの場合しか記載していないが、パネルの場合についても、最終的に電源オンオフの指示はボード管理回路121にもたらされ、その後の動作は同様でため、ここでは特に記載はしていない。
また、ここで対象とする部品はボード12搭載されている全ての部品とする必要はない。サーバの設定する寿命(例えば5年間)に対して、十分に電源オンオフに対して問題のない寿命(この場合の寿命は、Coffin−Mansonや実験によってもとまった電源オンオフの繰り返しによって故障にいたる回数が実用上、5年間で電源オンオフできる回数よりはるかに多い場合)であれば、対象外にして問題はない。
電源オンの状態で、管理サーバ2ないしパネル128より人間が電源オフの指示を入力する。これはパネルであればボタンであったり、管理サーバ2であるとGUI上の操作で入力することになる。そうすると、管理サーバから入力した場合には管理モジュールを介して、また、パネル128からなら直接に、ボード管理回路121に電源オフの指令が伝達される。ここまでは従来技術と同じである。
電源オフの指令を受け取ったボード管理回路121は、対象となる部品に対して、DC/DC変換125の出力電圧を順次下げ(複数種類の電圧種がある場合にはこの時点あるいは、一定時間経過後にオフにする場合もありえる)、あるいは、クロック生成回路126のクロック出力のクロック周波数を順次下げていく。そして、ボード管理回路121は電源オフ動作を開始したことを管理モジュール11に伝達し、管理モジュール11は冷却ファン14の回転を停止させる。
ただし、ボード12が複数、シャーシ1に入っていて、しかも、この時点での電源オフの指令の対象となっているボード12がその一部分であって、しかも、他のボード12が動作中であった場合には、この冷却ファン14を停止する動作は行わないこともありえる。また、対象とならない部品(つまり電源オンオフ繰り返しによってきまる寿命が特に問題とならない部品)については、従来技術と同様の図7に示す電源オンオフの制御で問題ない。この対象部品に対する電圧の変更の具体的な方法、クロック周波数の変更の具体的な方法は、対象部品、すなわち、プロセッサ122、周辺部品123、メモリ124であったりするが、これらの部品各々の特性や制約事項に依存し、また、DC/DC変換125、クロック生成回路126の機能に依存する。例えば、電圧の動作許容範囲が0Vから通常動作している電圧まであって、周波数がその電圧に依存して変化する場合には、電圧を順次下げながら、周波数を設定電圧にそってその動作周波数に順次変更していくことになる。
そして、こうして電圧や周波数を変更することによって各対象部品の単位時間あたりの発熱量を順次低減させていく。この時に、ボード管理回路121はセンサ127によって各部の温度を観測する。この時、通常、全ての部品について温度センサを取り付けるのはコストを引き上げることにつながる。通常のサーバであれば、ボード12上には、冷却ファンによって強制的に引き起こされる空気の流れに対して、上流、下流に数箇所、また、発熱が特に大きな部品周辺に温度センサを配置することが多い。プロセッサなど部品によっては部品自体に温度センサを内蔵している場合もあり、この場合にはこの内蔵の温度センサを利用してもよい。
したがって、部品によってはその部品そのものの温度を温度センサによって観測できないが、実際に観測できる温度がその対象部品から離れていても、ボード12上の数箇所ある温度センサで観測する温度とその対象部品の温度の間には強い相関性があるので、正確に推定することができるため、この推定温度を使用すればよい。この推定は、サーバがおかれた環境が変化しても本発明の実用上問題ない程度に正確に推定できることが多いが、もし、それが実用に耐えないほど不正確となるのであればそれが解消するように温度センサの配置や個数を変更すればよい。このようにして、各部品の温度について、推定を含むにしても本発明の実用上問題ない程度に正確にボード管理回路121は検知することができる。
ボード管理化回路121はその内部に時計をもっており、電源オフの指令を受け取った時点からの経過時間を測定しており、各部品の温度が、図5に示したような臨界温度曲線上よりも若干上回る程度になるように電圧と周波数の下げ具合を制御する。図5に示した臨界温度曲線は、課題を解決するための手段で示した各パラメータの値の場合であるので、各部品に依存してある程度変化するが、ここで述べる動作の適用には問題ない程度である。そして、ボード管理回路121は対象部品ごとにこの臨海温度曲線を保持しておく必要がある。そして、時間の経過が一定以上に達すると全ての電圧種で電源をオフにすることができる。
この一定時間が経過する以前、つまり、ボード管理回路121がまだDC/DC変換125やクロック生成回路126の制御を行っている間に、電源オンにする指令がボード管理回路121で受け取った場合の動作を図4に示す。図4では、上記で臨界曲線を描いて温度が段々下がっていっている時に、電源オンの指令がボード管理回路121に到着した場合の動作を示しているが、ボード管理回路121は、電源オンの指令を受け取ると、一旦電源オフにしてから電源オンを実施するようにしている。これは、場合によっては、サーバにおいて何らかの問題が起こって電源オフオンを実施することで問題を回復させる場合があり、この場合に備えるとすると、電源オフを完全に一旦行うべきである。一旦電源オフにしても、例えばここで仮定しているパラメータを前提にすると1秒以内に電源オンをすれば、その間の温度の低下は1℃程度であり、臨界温度曲線より下回ることなく制御することは可能である(通常、電源オフをしている時間は数ms程度とできる)。こうすることで、上記の課題を解決するための手段で説明したとおり、電源オフにしてから(正確には電源オフの指示を管理サーバ2あるいはパネル128から行ってから)いつ電源オンにしても、電源オンオフ回数によってきまる寿命を短くすることはない。また、電源オンまで加熱等の時間を余計にとる必要もない。図4でいう、一旦電源オフにする時間は1s以内と、電源オンしてから動作するまでに要するブート時間の数分に比較すれば、十分に小さいので無視できる。
また、電源オフはハードウエアを保守する場合にも用いられる。本発明では、電源オフを管理サーバから指示してもしばらくの間、実際には通電状態にある。したがって、こういった場合には強制的に実際に電源オフが即座に行われるような電源オフの別の指示手段が用意されてもよい。この場合には、保守作業が例えば2時間程度で終了して再び電源オンにすると、ここでの臨界温度曲線よりも下回った状態での電源オンを行うことになってしまうが、元来、保守作業は1台のサーバにおいて頻繁に行われるものではないので、本来製品そのものが持っている寿命のマージンの範囲内に収まる。
図2で示した方法以外の方法として別の例について図3に示す。ここでは、プロセッサがもっている省電力モード1,2,3・・・を利用する。ここでいう省電力モードは通常動作時と比較して電力を削減することができ、しかもその段階が複数あるため、きめ細かく温度調整ができるようになっているとする。ボード管理回路121は、電源オフの指示を管理モジュール11かパネル128から受け取ると、プロセッサ122において、順次省電力モード1,2,3・・・と切り替えていくようにすることで、温度が臨界温度曲線に沿って(あるいはこれよりも高い温度)になるようにボード管理回路121によって制御され、最終的に電源がオフにされる。
最後に本発明において無用な限定を取り除くためにいくつかの項目について、本発明における限定事項ではないことを述べる。上記の実施形態では、プロセッサ122、周辺部品123、メモリ124といったサーバ特有の部品が搭載されているボード12を例として示しているが、電圧を制御したりクロックを制御することで発熱を調整できるのであれば、臨界温度曲線の制御は可能であるので、
広く電子機器一般に適用することができる。また、電源制御、クロック制御の内、いずれかだけでも制御することは可能であるので、必ず両方でもって制御できる必要性はない。ただし、電源制御やクロック制御ができるように必要に応じて、DC/DC変換125やクロック生成回路126のような部品は搭載されている必要があるし、温度を検知するためにセンサ127のような部品も搭載されている必要性がある。さらに、それらを用いて制御するためのボード管理回路121のような制御回路が搭載されている必要がある。ただ、臨界温度曲線で温度を制御される対象となる部品と、これらの電源制御、クロック生成回路、そして、制御回路が同じボードに搭載されている必要性は特にはない。別のボード、あるいは、別のシャーシにあっても本発明の実施にはなんら問題はない。また、冷却ファン14がシャーシ1に搭載されているが、これが無くても特に支障はない。AC/DC変換13も、直流電源からシャーシに電源供給されるならば、特に変換する必要性もないので、これ自体が不要か、電圧を変換するだけのDC/DC変換となってもよい。制御する回路としては、ボード管理回路121、管理モジュール11、そして、管理サーバ2と三段階あるが、これらは、二段階でも一段階でもよく、電源オンオフの指示を人間が何からかの手段でもって、制御回路に伝達できればよい。パネル128はあってもなくてもよい。物理的な構造として、シャーシ1とボード121からなるが、これも、本発明を実施するにあたって特にこの形態である必要性はない。シャーシがないボードだけであったりとか、ボード自体もプリント基板である必要はなくセラミック基板や、それ以外の形態のものでも問題ない。本発明は本来電源オフを行うところをしばらくの間電源オンの状態で順次発熱量を減らしていくことで温度を下げ最終的に電源オフにするような制御を行うため、電源オフの指示をしてから完全に電源オフになるまでに一定時間要する。電源オフの指示をする前は動作状態であったことと対比して、この期間を非動作状態と呼ぶのが妥当である。つまり、従来技術では、電源オフの状態と非動作状態がほぼ一致していたいが、本発明では、電源オンで動作状態にあったところから、電源オフの指示を入力した段階でサーバ自体は電源オンで非動作状態になり、一定時間後に電源オフで非動作状態になる。
1 ボード
2 管理サーバ
3 交流電源
11 管理モジュール
12 ボード
13 AC/DC変換
14 冷却ファン
121 ボード管理回路
122 プロセッサ
123 周辺部品
124 メモリ
125 DC/DC変換
126 クロック生成回路
127 センサ
128 パネル

Claims (4)

  1. 発熱量を制御できる電子部品が搭載された電子機器において、前記電子部品の発熱量を制御する制御部を備え、当該電子機器の電源オフが指示された後に、前記制御部は前記電子部品の発熱量を所定の温度曲線に沿って順次減らしていくことを特徴とする電子機器。
  2. 主電源が供給される電子部品が搭載された電子機器において、補助電源が供給され前記電子部品に供給される主電源の電圧を制御する制御回路を備え、当該電子機器の電源オフが指示された後に、前記制御回路は前記電子部品に供給する主電源の電圧を所定の温度曲線に沿って順次下げることを特徴とする電子機器。
  3. クロックが供給される電子部品が搭載された電子機器において、前記電子部品に供給されるクロックの周波数を制御する制御回路を備え、当該電子機器の電源オフが指示された後に、前記制御回路は前記電子部品に供給するクロックの周波数を所定の温度曲線に沿って順次下げることを特徴とする電子機器。
  4. 複数段階の省電力モードを有するプロセッサが搭載された電子機器において、前記プロセッサの省電力モードを制御する制御回路を備え、当該電子機器の電源オフが指示された後に、前記制御回路は前記プロセッサの省電力モードを所定の温度曲線に沿って順次切り替えることを特徴とする電子機器。
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