JPH07319272A - 現像剤担持体及びそれを用いた現像装置 - Google Patents

現像剤担持体及びそれを用いた現像装置

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JPH07319272A
JPH07319272A JP13669294A JP13669294A JPH07319272A JP H07319272 A JPH07319272 A JP H07319272A JP 13669294 A JP13669294 A JP 13669294A JP 13669294 A JP13669294 A JP 13669294A JP H07319272 A JPH07319272 A JP H07319272A
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一紀 齊木
Yasuhide Goseki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し複写又耐久による担持体表面の被膜
の劣化やハガレキズが生ずることなく高耐久であり、且
つ異なる環境条件下においても長期間に亘って、濃度低
下やゴースト等の発生しない安定した画質を提供し得る
現像剤担持体及びそれを用いた現像装置提供すること。 【構成】 現像剤担持体によって担持搬送される現像剤
で潜像保持体に形成された潜像の現像を行う現像装置に
用いられる金属円筒管状現像剤担持体において、該金属
円筒管上に、少なくとも含窒素複素環を有するシリコー
ンオイルにて処理された顔料を分散含有してなる樹脂被
膜層が形成されていることを特徴とする現像剤担持体及
びそれを用いた現像装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法において、
電子写真感光体あるいは静電記録誘電体等の潜像保持体
上に形成された潜像を現像して顕像化する為の現像装
置、及び現像装置に用いられる現像剤担持体(現像ロー
ラー)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第2
297691号明細書、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報に記載されている如
く、多数の方法が知られているが、一般には光導電性物
質からなる感光体を利用し、種々の手段により感光体上
に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤(トナ
ー)を用いて現像し、トナー画像を必要に応じて紙等の
転写材に転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気等によ
り定着し複写物を得るものである。
【0003】現像法においては、一般に乾式現像法と湿
式現像法とに分類されるが、湿式現像法は溶剤蒸発が伴
うことから、現在では殆ど使われていない。乾式現像方
法においては、特にトナー及びキャリアを主体とする磁
気ブラシ現像法等の2成分現像方法が古くから用いられ
ている。2成分現像法の従来よりの欠点としては、トナ
ーとキャリアの混合比を一定に保つのが難しいこと、キ
ャリアの劣化が速く現像剤を頻繁に交換しなくてはなら
ないことである。
【0004】この様な欠点を回避する為、トナーのみよ
りなる1成分現像剤を用いる方法が各種提案されてい
る。この様な1成分現像剤として、高抵抗な樹脂中に磁
性粒子を含有させ、磁気によりトナーを搬送させる1成
分磁性現像剤が用いられている。高抵抗の磁性トナーを
用いる現像方法として、トナー粒子相互の摩擦、トナー
粒子とスリーブ等との摩擦等によりトナー粒子を摩擦帯
電し、これを静電潜像保持部材に接触して現像する方法
が知られている。
【0005】しかし、これらの方法はトナー粒子と摩擦
部材との接触回数が少なく摩擦帯電が不十分になり易
い、帯電したトナー粒子はスリーブとの間のクーロン力
が強まりスリーブ凝集し易い、等の欠点を有している。
特開昭54−43036号公報では上述の欠点を除去し
た現像方法を提案している。これはスリーブ上に磁性ト
ナーを極めて薄く塗布し、これを摩擦帯電し、次いでこ
れを磁界の作用の下で静電像に極めて接近せしめ、且つ
接触させることなく対向させ現像するものである。
【0006】この方法によれば、磁性トナーを現像剤担
持部材としてのスリーブ上に極めて薄く塗布することに
より、スリーブとトナーの接触する機会を増し、十分な
摩擦帯電を可能にしたこと、磁力によってトナーを支持
し、且つ磁石とトナーを相対的に移動させることによ
り、トナー粒子相互の凝集を解くと共にスリーブと十分
に摩擦せしめていること、トナーを磁石によって支持
し、又、これを静電像に接触することなく対向させて現
像することにより、地カブリを防止していること等によ
って優れた画像が得られるものである。
【0007】従来、一般に実用化されている現像ローラ
ー(現像スリーブ)としては、アルミニウム、ステンレ
ススチール、等の金属円筒管等と、その円筒管内部に磁
界発生手段としての磁石を配置させたものが用いられて
いる。磁石としては、マグネットロール状にして用いら
れることが多い。金属円筒管の表面には、サンドブラス
ト、ヤスリ、等の手段により適宜凹凸を形成し、トナー
の搬送力を良くした状態で用いることが多い。
【0008】しかしながら、この様なスリーブにおいて
は、環境状態、トナー物性、スリーブ表面の状態等によ
っては、トナーコートむら、コート不良、ゴースト、濃
度低下等の、種々の不具合が生ずることがある。例え
ば、スリーブが繰り返し回転を行っていくうちに、スリ
ーブ上にコーティングされたトナーの帯電量(トリボ)
がスリーブとの接触により高くなり過ぎ、トナーがスリ
ーブ表面との鏡映力により引き合い、スリーブ表面上で
不動状態となり、スリーブから潜像保持体(ドラム)上
の潜像に移動しなくなる、所謂、チャージアップ現象が
特に低湿下で起こり易い。この様なチャージアップが発
生すると、上層のトナーはトリボを持ちにくくなり、ト
ナーの現像量が低下する為、ライン画像の細りやベタ黒
画像の画像濃度うす等の生じた画像となる。
【0009】更に、画像部(トナー消費部)と非画像部
とのトナー層形成状態が変わり、帯電状態が異なってし
まう為、一度画像濃度の高いベタ画像を現像した位置が
現像スリーブの次の回転時に現像位置にきて、ハーフト
ーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現われ
てしまう現象、所謂、スリーブゴースト現象が生じ易
い。
【0010】又、最近では電子写真の高画質化の為に、
トナーの小粒径及び微粒子化が図られている。解像力や
シャープネス等を上げ、潜像を忠実に再現する為に、ト
ナーの重量平均粒径で約6〜9μmのものを用いるのが
一般的である。更には、ファーストコピー時間の短縮や
省電力化等の目的で、トナーの定着温度を下げる傾向が
ある。この様な状況下においては、トナーは更にスリー
ブに静電気的に付着し易くなると共に、外部からの物理
的な力がかかることにより、スリーブ表面の汚染やトナ
ー融着が起こり易くなっている。
【0011】この様な現象を解決する方法として、従来
の金属円筒管のスリーブの代わりに、特開平2−105
181号公報、特開平3−36570号公報等に記載の
如く、金属円筒管の表面に樹脂、導電性微粉末、固体潤
滑剤等からなる樹脂被膜を形成し、現像装置に用いる方
法の提案がなされている。
【0012】この方法を用いることにより、前記現象が
大幅に低減されている。しかしながら前記の方法では、
導電性微粉末、固体潤滑剤等の顔料の分散性が不充分な
為、樹脂被膜中で偏在し易く、特に使用するトナーがチ
ャージ・アップし易い場合には、多量の導電性微粉末、
固体潤滑剤等を樹脂中に含有させた樹脂被膜を金属円筒
管の表面に形成しなければならず、その結果、スリーブ
表面の樹脂被膜強度が低下してしまい、長期間使用する
とスリーブ表面の樹脂被膜層の削れやハガレ等が発生し
易く問題となる場合がある。又、多量の導電性微粉末、
固体潤滑剤等を樹脂中に含有させた樹脂被膜を金属円筒
管の表面に形成した場合、高温高湿環境下でのトナーへ
帯電付与性が不十分となり、画像濃度低下等を発生する
場合がある。
【0013】このような問題点を解消する為には、特開
平1−102485号公報に開示されたシラン系及びチ
タン系カップリング剤で顔料を処理する方法も既に開示
されている。しかしながら、これら従来の表面処理顔料
を使用しても、スリーブ表面の樹脂被膜層中への分散性
の向上は未だ不充分であった為、より顔料の分散性が向
上した、耐久性及び帯電付与性に優れた現像剤担持体が
切望されていた。
【0014】従って本発明の目的は、繰り返し複写又耐
久による担持体表面の被膜の劣化やハガレキズの起きな
い高耐久で画質の安定した現像剤担持体を提供すること
にある。又、本発明の別の目的は、異なる環境条件下に
おいても長期間に亘って濃度低下やスリーブゴースト等
の発生しない高品位の画像を得ることが出来る現像剤担
持体を提供することにある。
【0015】又、本発明の別の目的は、粒径小のトナー
を用いた場合に現われる現像剤担持体表面でのトナー層
の不均一な帯電を減らし、トナーに適正な帯電量を与え
る現像剤担持体を提供することである。又、本発明の目
的は、本発明の現像剤担持体を用いることにより構成さ
れた現像装置を用いる電子写真装置によって安定した高
品位の画像を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、現像剤担持体に
よって担持搬送される現像剤で潜像保持体に形成された
潜像の現像を行う現像装置に用いられる金属円筒管状現
像剤担持体において、該金属円筒管上に、少なくとも含
窒素複素環を有するシリコーンオイルにて処理された顔
料を分散含有してなる樹脂被膜層が形成されていること
を特徴とする現像剤担持体及びそれを用いた現像装置で
ある。
【0017】
【作用】本発明者らは、前述の様な問題点を解決する
為、鋭意検討を行った結果、担持体表面の樹脂被膜中に
含有される導電性微粉末、固体潤滑剤等の顔料がこれら
の問題点の主要な原因の一つであることを突き止め、こ
れらの問題点を解決しうる顔料について検討を行った。
この結果、担持体表面の樹脂被膜中に均一に分散し易
く、更に樹脂被膜の強度を低下させず、異なる環境で長
期に亘って使用してもトナーの帯電量を適正に調節する
ことが出来る優れた顔料を開発し、この顔料を用いた現
像担持体によって本発明の目的を達成したのである。
【0018】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。先ず、本発明に使用される
少なくとも含窒素複素環を有するシリコーンオイルにて
処理された顔料について説明する。発明で使用される顔
料とは、アルミニウム、銅、銀等の金属粉体、金属短繊
維、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化ア
ンチモン、酸化インジウム等の金属酸化物、等の導電性
微粉末、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ
素、ステアリン酸亜鉛等の固体潤滑剤、マグネタイト、
ヘマタイト、フェライトや、鉄、コバルト、ニッケル等
の合金や化合物、その他強磁性合金の磁性粉、ローダミ
ンFB、ローダミンBレーキ、フタロシアニン・ブル
ー、ピグメント・ブルー、フタロシアニン・グリーン等
の着色剤、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム等の
研磨剤、その他シリカ、酸化アルミニウム等を総称して
指す。
【0019】本発明においては、これらの顔料を目的に
応じて樹脂中に含有させる場合に、含窒素複素環を有す
るシリコーンオイルにより処理して用いる。これらの顔
料を添加させる目的としては、例えば、導電性微粉末は
樹脂層の電気抵抗を下げる場合に、固体潤滑剤は樹脂層
表面の滑性を向上させる等の目的で添加する。本発明に
おいて上記顔料の処理には、側鎖に含窒素不飽和複素環
及び/又は含窒素飽和複素環を有するシリコーンオイル
を用いるが、この様なものとしては、例えば、一般に
(I)式で表わされる構造を有するシリコーンオイルが
使用することが出来る。
【0020】
【化24】 〔ここで、R1 、R6 は水素原子、アルキル基、アリー
ル基又はアルコキシ基を表わし、R2 はアルキレン基、
フェニレン基を表わし、R3 は含窒素不飽和複素環及び
/又は含窒素飽和複素環をその構造に有する基を表わ
し、R4 、R5 は水素原子、アルキル基、アリール基を
表わす。又、R2 はなくてもよく、上記のアルキル基、
アリール基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含
有していてもよいし、又帯電性を損ねない範囲でハロゲ
ン等の置換基を有していてもよい。m及びnは1以上の
整数であり、l(エル)は0を含む正の整数である。〕 窒素を含有する不飽和複素環としては、下記にその一例
を挙げる。
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】但し、本発明は何ら上記化合物例に拘束さ
れるものではないが、好ましくは5員環又は6員環の複
素環を持つのが好ましい。又誘導体としては、荷電制御
性を妨げるものでなければ上記基に炭化水素基、ハロゲ
ン基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基、メタクリル
基、グリシドキシ基及びウレイド基等を有する既知のも
のを使用し得、又、それらの誘導体を使用することが出
来る。
【0024】又、本発明で使用されるシリコーンオイル
の窒素原子当量は、25,000以下のものが好まし
く、特に5,000以下のものが好ましい。ここでいう
窒素原子当量とは、窒素原子1個あたりの当量(g/e
qiu)で分子量を1分子あたりの窒素原子の数で割っ
た値である。これらは1種又は2種以上の混合系で用い
てもよい。
【0025】上記した顔料を含窒素複素環を有する変成
シリコーンオイルで次の様な方法で処理される。例え
ば、必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹拌してお
き、これに上記の様な含窒素複素環を有する変性シリコ
ーンオイル或いはその溶液を、スプレー若しくは気化し
て吹きつけることにより処理する。又は、顔料をスラリ
ー状にしておき、これを撹拌しつつ含窒素複素環を有す
る変性シリコーンオイル或いはその溶液をこの中に滴下
すること等によって容易に処理することが出来る。更
に、その後に、およそ50〜400℃の温度で加熱処理
することも好ましい。
【0026】本発明において、顔料の処理に使用される
含窒素複素環を有するシリコーンオイルの処理量として
は、処理された顔料全量の0.2〜70重量%となる様
にするのが好ましい。更に、含窒素複素環を有するシリ
コーンオイルの適正な処理量は、上記シリコーンオイル
で処理する前の顔料100重量部に対して、このシリコ
ーンオイルの使用重量部をXとし、用いる顔料の比表面
積をbm2/gとし、側鎖に含窒素複素環を有するシリ
コーンオイルの窒素原子当量をaとした時に、下記の
(I)式の関係を満した場合、特に良好な結果を与え
る。
【0027】 上式で、X>b/2の場合、含窒素複素環を有するシリ
コーンオイルが顔料に対して大過剰となり、含窒素複素
環を有するシリコーンオイルの顔料からの滲み出し等の
問題を生じる可能性がある。又、x<ab/30,00
0の場合、荷電性が不十分で本発明の目的を達成するこ
とが困難となる。
【0028】一方、含窒素複素環を有するシリコーンオ
イルの25℃での粘度は5,000mPa以下が好まし
く、特に3,000mPa以下が好ましい。粘度が5,
000mPa以上だと、含窒素複素環を有するシリコー
ンオイルの顔料への分散が不充分となり、カブリ等の画
像不良の原因となり易い。
【0029】又、本発明に用いられる顔料は、必要に応
じてシランカップリング剤、疎水化の目的で有機ケイ素
化合物等の処理剤で処理されていてもよく、その方法も
公知の方法が用いられ、顔料と反応、或いは物理吸着す
る処理剤で処理され得る。その様な処理剤としては、例
えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、ジエチルアミノプロプルトリ
メトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、
ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、ジメチル
シリコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン、トリメチ
ルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロル
シラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニル
ジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロ
ムメチルジメチルクロムシラン、α−クロルエチルトリ
クロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、ク
ロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリル
メルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオ
ルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシ
シラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジ
シロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及
び1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し、末端
に位置する単位に夫々1個宛のSiに結合した水酸基を
含有するジメチルポリシロキサン等がある。これらは1
種或いは2種以上の混合物の形態で用いられる。
【0030】本発明に従って含窒素複素環を有するシリ
コーンオイルで処理した顔料が含有された樹脂被膜層を
有する現像剤担持体を使用した場合、現像剤の摩擦帯電
が安定になり、様々な環境下においても均一な荷電性付
与性を示す様になる。従って、発明にかかる現像剤担持
体を用いると、カブリのない鮮明な高濃度の画像を得る
ことが出来、更に長期間の連続使用でも画像劣化を生じ
ない。又、高温高湿下及び低温低湿下でも鮮明な画像を
得ることが出来る。
【0031】次に、上記した含窒素複素環を有するシリ
コーンオイルで処理した顔料を分散含有させるバインダ
ー樹脂材料について述べる。本発明で使用されるバイン
ダー樹脂材料としては、例えば、スチレン系樹脂、ビニ
ル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹
脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱
可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキ
ッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等
の熱硬化性樹脂或は光硬化性樹脂等を使用することが出
来る。中でも、シリコーン樹脂、フッ素樹脂の様な離型
性のあるもの、或は、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポ
リアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、スチレン系樹脂の様な機械的性質に優
れたものがより好ましい。
【0032】本発明にかかる現像剤担持体は、金属円筒
管と、それを取り巻く樹脂被膜層とからなる。金属円筒
管としては、主としてステンレススチール、アルミニウ
ム等が好適に用いられる。樹脂被膜層は、上記のバイン
ダー樹脂中に前記した様な含窒素複素環を有するシリコ
ーンオイルにて処理された顔料を分散含有させた混合物
で構成される。
【0033】この際のバインダー樹脂(B)と顔料
(P)の比率(P/B比)としては、P/B=1/20
〜5/1の範囲で特に好ましい結果を与える。1/20
を越えるバンダー量では、顔料の添加効果が殆ど見られ
ず、5/1を越える顔料の量になると樹脂層が非常に脆
くなり樹脂層の削れやハガレがひどくなってしまう。樹
脂層の膜厚は通常20μm以下にすることが均一な膜厚
を得る為には好ましいが、特にこの膜厚に限定されるも
のではない。
【0034】次に、上記した様な構成の本発明にかかる
現像剤担持体が組み込まれる現像装置について説明例示
する。図2において、公知のプロセスにより形成された
静電潜像を担持する像担持体、例えば、電子写真感光ド
ラム1は、矢印方向B方向に回転される。現像ローラー
11におけるスリーブ8は、ホッパー3によって供給さ
れた1成分磁性現像剤としての磁性トナー4を担持し
て、矢印方向A方向に回転することにより、現像スリー
ブ8と感光ドラム1とが対向した現像部Dにトナー4を
搬送する。現像スリーブ8内には、磁性トナー4を現像
スリーブ8上に磁気的に吸引且つ保持する為に、磁石5
が配置されている。現像スリーブ8は金属円筒管6上に
被覆された樹脂層7を有する。9は現像スリーブと磁石
が非接触状態にあることを示す間隙である。
【0035】トナー4は現像スリーブ8上の樹脂層7と
の摩擦により、感光ドラム1上の静電潜像を現像可能な
摩擦帯電電荷を得る。現像部Dに搬送される磁性トナー
4の層厚を規制する為に、強磁性金属からなる規制ブレ
ード2が、現像スリーブの表面から約100〜300μ
mのギャップ幅をもって現像スリーブ8に臨む様に、ホ
ッパー3から垂下されている。磁石5の磁極N1からの
磁力線がブレード2に集中することにより、現像スリー
ブ8上に磁性トナー4の薄層が形成される。ブレード2
としては非磁性ブレードを使用することも出来る。現像
スリーブ8上に形成される磁性トナー4の薄層の厚みは
現像部Dにおける現像スリーブ8と感光ドラム1との間
の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0036】この様なトナー薄層により静電潜像を現像
する方式の現像装置、即ち非接触型現像装置に本発明は
特に有効である。しかし、現像部においてトナー層の厚
みが現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙以
上の厚みである現像装置、即ち接触型現像装置にも、本
発明を適用することが出来る。現像スリーブ8には、こ
れに担持された1成分磁性現像剤である磁性トナー4を
飛翔させる為に、電源10により現像バイアス電圧が印
加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用
するときは、静電潜像の画像部(トナー4が付着して可
視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電
圧が、現像スリーブ8に印加されることが好ましい。一
方、現像画像の濃度を高める或は階調性を向上させる為
に、現像スリーブ8に交番バイアス電圧を印加して、現
像部Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよ
い。
【0037】この場合、上記画像部の電位と背景部の電
位の間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイ
アス電圧を現像スリーブ8に印加することが好ましい。
又、高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部
にトナーを付着させて可視化する所謂正規現像では、静
電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用し、一
方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化す
る所謂反転現像では、トナーは静電潜像の極性と同極性
に帯電するトナーを使用する。尚、高電位、低電位とい
うのは絶対値による表現である。いずれにしても、トナ
ー4は現像スリーブ8との摩擦により帯電する。
【0038】図3は、本発明の現像装置の他の実施例を
示す構成模式図、図4は、本発明の現像装置の更に他の
実施例を示す構成模式図である。図3及び図4の現像装
置では、現像スリーブ8上の磁性トナー4の層厚を規制
する部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴム等のゴ
ム弾性を有する材料、或はリン青銅、ステンレススチー
ル等の金属弾性を有する材料等の弾性板20、21を使
用し、図3においてはこの弾性板20を現像スリーブ8
の回転方向と順方向の向きで圧接させており、図4にお
いてはこの弾性板21を現像スリーブ8の回転方向と逆
の向きで圧接させているのが特徴である。
【0039】図3及び図4の現像装置と、その他の基本
的構成は図2に示した現像装置と同じで、同符号のもの
は、基本的には同一の部材であることを示す。図2〜図
4はあくまでの模式的な例であり、容器の形状、撹拌部
材の有無、磁極の配置等に様々な形態があることは言う
までもない。勿論、キャリア粒子を用いる様な2成分現
像装置として用いることも出来る。
【0040】次に、上記した本発明にかかる現像剤担持
体あるいは現像装置により可視画像を得る為に用いられ
る現像剤(トナー)について説明する。トナーは大別し
て乾式トナーと湿式トナーに分かれるが、湿式トナーは
溶剤揮発の問題が大きい為、現在では乾式トナーが主流
である。トナーは主として樹脂、離型剤、荷電制御剤、
着色剤等を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後分
級などをして粒度分布をそろえた微粉体である。トナー
に用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使
用可能である。例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロルスチレンなどのスチレン及びその置換体
の単中合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン
−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメ
チルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メ
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニル
メチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体
などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレンポリビニルブチラール、ポリ
アクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、
フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香
族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックス
などが単独或は混合して使用出来る。
【0041】又、トナー中には顔料を含有させることが
出来る。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、
ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエロ
ーG、ペンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、
インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パ
ラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カー
ミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント
・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッ
ド、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バ
イオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメ
ント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシア
ニングリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファース
トイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットY
G、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカー
レット、オラゾール・ブラウンB、サボン・ファースト
スカーレットCG、オイルピンクOP等が適用出来る。
【0042】トナーを磁性トナーとして用いる為に、ト
ナーの中に磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁
性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用
いられ、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉
末、又はマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合
金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー重量に
対して15〜70重量%がよい。又、トナー中に各種離
型剤を用いることもあり、そのような離型剤としては、
ポリフッ化エチレン、フッ素樹脂、シリコーンオイル、
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等が挙
げられる。更には、必要に応じて、正或は負に帯電させ
易くする為の荷電制御剤を添加する場合もある。
【0043】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は実施例によって限定されるもの
ではない。 実施例1 顔料成分(A) ・グラファイト 100部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 上記顔料成分(A)をイソプロピルアルコールによって
スラリー状にし、激しく撹拌しつつ、これに含窒素複素
環を有するシリコーンオイル(25℃における粘度10
0mPa、窒素原子当量850)を滴下した後、120
℃にて15分乾燥したものと、(B)をサンドミルを用
いて常温にて5時間分散を行った。B型粘度計による測
定では80(mPa)の粘度を示した。更にイソプロピ
ルアルコール100部を追加して、更に1時間分散を行
った。
【0044】外径20φの表面にブラスト処理を施し凹
凸を形成したマグネット入りスリーブにスプレー塗工を
行い均一な塗工膜を得る。上記分散液を用いて乾燥後の
塗膜膜厚10μmとなる様に塗工を行った。塗工後、乾
燥硬化させ現像剤担持体(スリーブ)とした。塗工後の
中心線平均粗さRaは1.3μmであった。尚、該シリ
コーンオイルは式(II)の構造をその構成単位として含
有している。
【0045】
【化24】
【0046】次にこのスリーブを現像器に組み込み画出
しテストを行った。トナーとしては次のようなものを用
いた。 ・スチレン−アクリル系樹脂 100部 ・マグネタイト 90部 ・3,5−ジ・タ−シャルブチルサリチル酸クロム錯体 3部 ・低分子量ポリプロピレン 3部 前記材料を一般的な乾式トナー製法にて混練、粉砕、分
級等を行い、平均粒径8μmで、粒径が4μm以下のも
のが10%、12.7μm以上のものが重量%で0.9
%の割合で含まれているトナーを得た。粒度分布はコー
ルターカウンターTA−II型による。このトナーにコロ
イダルシリカ0.9%を外添して用いた。
【0047】画出しにはキヤノン製 GP55を用い
た。現像スリーブとブレード間は200μmとし、30
万枚の画出し耐久テストを行った。画出しの環境は25
℃、65%RHの常温常湿及び20℃、10%RHの低
湿環境にて行った。このときの画像濃度変化を図Aに示
す。画像濃度の測定は、5φのベタ黒画像(5●濃度)
と全面ベタ黒濃度をマクベス反射濃度計(Macbet
h RD914)にて評価を行った。
【0048】実施例2 顔料成分(A) ・酸化スズ 40部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 含窒素複素環を有するシリコーンオイル(25℃におけ
る粘度3300mPa、窒素原子当量4,000)で実
施例1と同様にし処理した(A)と、(B)をサンドミ
ルを用いて常温にて5時間分散を行った。B型粘度計に
よる測定では130(mPa)の粘度を示した。更にイ
ソプロピルアルコール100部を追加して、更に1時間
分散を行った(以下に挙げる実施例3〜8の含窒素複素
環を有するスリコーンオイルによる顔料処理も、実施例
1と同様に行った)。
【0049】実施例1と同様に、外径20φのマグネッ
ト入りスリーブにスプレー塗工を行い、均一な塗工膜を
得る。上記分散液を用いて乾燥後の塗膜膜厚10μmと
なる様に塗工を行った。塗工後、乾燥硬化させ現像剤担
持体(スリーブ)とした。その後、実施例1と同様の画
出しを行った。このときの画像濃度変化を図Bに示す。
尚、該シリコーンオイルは式(III)の構造をその構成
単位として含有している。
【0050】
【化0】
【0051】実施例3 顔料成分(A) ・グラファイト 100部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 含窒素複素環を有するシリコーンオイル(25℃におけ
る粘度90mPa、窒素原子当量4,000)で処理し
た(A)と、(B)をサンドミルを用いて常温にて5時
間分散を行った。B型粘度計による測定では120(m
Pa)の粘度を示した。更にイソプロピルアルコール1
00部を追加し更に1時間分散を行った。
【0052】表面にブラスト処理を施し凹凸を形成した
外径32φのマグネット入りスリーブにスプレー塗工を
行い均一な塗工膜を得る。上記分散液を用いて乾燥後の
塗膜膜厚15μmとなる様に塗工を行った。塗工後、乾
燥硬化させ現像剤担持体(スリーブ)とした。トナーと
しては次のようなものを用いた。 ・スチレン−アクリル系樹脂 100部 ・マグネタイト 90部 ・モノアゾ染料のクロム錯体 4部 ・低分子量ポリプロピレン 4部
【0053】前記材料を一般的な乾式トナー製法にて混
練、粉砕、分級等を行い、平均粒径8μmで、粒径が4
μm以下のものが9%、12.7μm以上のものが重量
%で0.9%の割合で含まれているトナーを得た。粒度
分布の測定は、コールターカウンターTA−II型によ
る。このトナーにコロイダルシリカ0.9%を外添して
用いた。画出しにはキヤノン製 NP6060を用い
た。現像スリーブ−ブレード間を200μmとし、30
万枚の画出し耐久テストを行った。画出しの環境は24
℃、65%RHの常温常湿及び20℃、10%RHの低
湿環境にて行った。このときの画像濃度変化を図Cに示
す。画像濃度の測定は、5φのベタ黒画像(5●濃度)
と全面ベタ黒濃度をマクベス反射濃度計(Macbet
h RD914)にて評価を行った。
【0054】実施例4 顔料成分(A) ・カーボンブラック 10部 ・グラファイト 70部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 イソプロピルアルコール 160部 含窒素複素環を有するシリコーンオイル(25℃におけ
る粘度90mPa、窒素原子当量1,200)で処理し
た(A)と、(B)をサンドミルを用いて常温にて5時
間分散を行った。B型粘度計による測定では100(m
Pa)の粘度を示した。更にイソプロピルアルコール1
00部を追加し更に1時間分散を行った。
【0055】実施例3同様に外径32φのマグネット入
りスリーブに、スプレー塗工を行い均一な塗工膜を得
る。上記分散液を用いて乾燥後の塗膜膜厚15μmとな
る様に塗工を行った。塗工後、乾燥硬化させ現像剤担持
体(スリーブ)とした。実施例3同様の画出し耐久テス
トを行った。このときの画像濃度変化を図Dに示す。
【0056】実施例5 顔料成分(A) ・カーボンブラック 25部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 含窒素複素環を有するシリコーンオイル(25℃におけ
る粘度70mPa、窒素原子当量830)で処理した
(A)と、(B)をサンドミルを用いて常温にて5時間
分散を行った。B型粘度計による測定では100(mP
a)の粘度を示した。更にイソプロピルアルコール10
0部を追加し更に1時間分散を行った。
【0057】実施例3同様に外径32φのマグネット入
りスリーブに、スプレー塗工を行い均一な塗工膜を得
る。上記分散液を用いて乾燥後の塗膜膜厚15μmとな
る様に塗工を行った。塗工後、乾燥硬化させ現像剤担持
体(スリーブ)とした。実施例5以降は、32φの現像
スリーブをNP6060の現像器に装着し、実施例3の
トナーを入れて空回転を行うことにより比較した。
【0000】実施例6 顔料成分(A) ・チタン酸ストロンチウム 25部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 含窒素複素環を有するシリコーンオイル(25℃におけ
る粘度3500mPa、窒素原子当量3,800)で処
理した(A)と、(B)を実施例5と同様にして現像ス
リーブを作製し、比較を行った。
【0058】実施例7 顔料成分(A) ・フタロシアニンブルー 15部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 含窒素複素環を有するシリコーンオイル(25℃におけ
る粘度90mPa、窒素原子当量4,400)で処理し
た(A)と、(B)を実施例5と同様にして現像スリー
ブを作製し、比較を行った。
【0059】実施例8 顔料成分(A) ・コロイダルシリカ 30部 顔料成分(B) ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 含窒素複素環を有するシリコーンオイル(25℃におけ
る粘度90mPa、窒素原子当量1,200)で処理し
た(A)と、(B)を実施例5と同様にして現像スリー
ブを作製し、比較を行った。
【0060】比較例1 ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 ・グラファイト 100部 上記材料をサンドミルを用いて常温にて5時間分散を行
った。B型粘度計による測定では、75mPaの粘度を
示した。更に、イソプロピルアルコール100部を追加
し、更に1時間分散を行った。実施例1と同様に、この
分散液を用いて乾燥後の塗膜膜厚10μmとなる様に塗
工を行った。この時、中心線平均粗さRaが実施例1と
同様になる様に塗工を行った。これを同様に、乾燥硬化
させた現像担持体を作製し、画出しテストを行った。こ
の時の画像濃度変化を図Eに示す。
【0061】比較例2 ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 ・酸化スズ 100部 上記材料をサンドミルを用いて常温にて5時間分散を行
った。B型粘度計による測定では、85mPaの粘度を
示した。更に、イソプロピルアルコール100部を追加
し、更に1時間分散を行った。実施例2と同様に、この
分散液を用いて乾燥後の塗膜膜厚10μmとなる様に塗
工を行った。同様に、乾燥硬化させた現像担持体を作製
し、画出しテストを行った。この時の画像濃度変化を図
Fに示す。
【0062】比較例3 ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 ・グラファイト 100部 上記材料をサンドミルを用いて常温にて5時間分散を行
った。B型粘度計による測定では、100mPaの粘度
を示した。更に、イソプロピルアルコール100部を追
加し、更に1時間分散を行った。実施例3と同様に、こ
の分散液を用いて乾燥後の塗膜膜厚15μmとなる様に
塗工を行った。同様に、乾燥硬化させた現像担持体を作
製し、画出しテストを行った。この時の画像濃度変化を
図Gに示す。
【0063】比較例4 ・フェノール樹脂 100部 ・メタノール 90部 ・イソプロピルアルコール 160部 ・カーボンブラック 5部 ・グラファイト 100部 上記材料をサンドミルを用いて常温にて5時間分散を行
った。B型粘度計による測定では、120mPaの粘度
を示した。更に、イソプロピルアルコール100部を追
加し、更に1時間分散を行った。実施例4と同様に、こ
の分散液を用いて乾燥後の塗膜膜厚15μmとなる様に
塗工を行った。同様に、乾燥硬化させた現像担持体を作
製し、画出しテストを行った。この時の画像濃度変化を
図Hに示す。
【0064】比較例5 実施例5における含窒素複素環を有するシリコーンオイ
ルによる処理を行わず、現像スリーブを作製、空回転を
行った。
【0065】比較例6 実施例6における含窒素複素環を有するシリコーンオイ
ルによる処理を行わず、現像スリーブを作製、空回転を
行った。
【0066】比較例7 実施例7における含窒素複素環を有するシリコーンオイ
ルによる処理を行わず、現像スリーブを作製、空回転を
行った。
【0067】比較例8 実施例8における含窒素複素環を有するシリコーンオイ
ルによる処理を行わず、現像スリーブを作製、空回転を
行った。
【0068】実施例1〜8及び比較例1〜8について、
耐久前後の膜厚と耐久前後の中心線平均粗さRaとを測
定し、表1に示した。この結果、実施例1〜実施例8の
サンプルでは、膜厚及びRaの変化は少なかったが、比
較例1〜比較例8のサンプルでは両者共に大きく減少し
た。又、耐久後の現像スリーブについて観察したとこ
ろ、比較例のサンプルには、被覆層上に、微粉トナーの
堆積融着物及び膜のハガレキズが見られたのに対し、実
施例サンプルでは、これらの融着物及び膜のハガレキズ
は見られなかった。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、耐
久画出しを通じ、高濃度で均一な画像を得ることの出来
る現像担持体及びこれを用いた現像装置が提供される。
又、本発明によれば、従来の現像担持体で見られた繰り
返し複写や耐久画出しによって生じる現像担持体上の被
膜の劣化及び膜のハガレキズを防ぐことが出来る。又、
本発明によれば、現像担持体上への微細トナーの堆積、
融着による適性帯電不良が生じない為、画像濃度の低下
や濃度ムラ、文字の太り細りのない鮮明な画像を得るこ
とが出来る。更に、本発明によれば、環境変化に対して
も左右されない安定した画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の樹脂被膜の形成されていない現像ローラ
ーを有する現像装置の模式図。
【図2】本発明に関わる樹脂被膜の形成された現像剤担
持体を有する現像装置の模式図。
【図3】本発明に関わる樹脂被膜の形成された現像剤担
持体を有し、現像剤層の規制部材が異なったタイプの現
像装置を示す図。
【図4】本発明に関わる樹脂被膜の形成された現像剤担
持体を有し、現像剤層の規制部材を異なったタイプとし
た現像装置を示す図。
【図5】実施例1における画出し試験結果A。
【図6】実施例2における画出し試験結果B。
【図7】実施例3における画出し試験結果C。
【図8】実施例4における画出し試験結果D。
【図9】比較例1における画出し試験結果E。
【図10】比較例2における画出し試験結果F。
【図11】比較例3における画出し試験結果G。
【図12】比較例4における画出し試験結果H。
【符号の説明】
1 :感光ドラム(静電潜像担持体) 2 :磁性規制ブレード 3 :容器 4 :現像剤(トナー) 5 :マグネットロール 6 :金属円筒管 7 :樹脂被膜層 8 :現像スリーブ 9 :空隙 10:現像バイアス電源 11:現像ローラー 12:現像ローラー 13:現像スリーブ 20:弾性規制ブレード 21:弾性規制ブレード N1、S1、N2、S2:磁極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齊木 一紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後関 康秀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤担持体によって担持搬送される現
    像剤で潜像保持体に形成された潜像の現像を行う現像装
    置に用いられる金属円筒管状現像剤担持体において、該
    金属円筒管上に、少なくとも含窒素複素環を有するシリ
    コーンオイルにて処理された顔料を分散含有してなる樹
    脂被膜層が形成されていることを特徴とする現像剤担持
    体。
  2. 【請求項2】 現像容器内に収容した一成分現像剤を現
    像剤担持体上に担持して現像剤層規制部材により前記現
    像剤担持体上に現像剤の薄膜を形成しながら、前記現像
    剤担持体により前記現像剤を潜像担持体と対向した現像
    部へと搬送し、前記潜像担持体上に形成された潜像を現
    像する現像装置において、該現像装置内に設けられてい
    る現像剤担持体が、請求項1に記載の現像剤担持体であ
    ることを特徴とする現像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5942287A (en) * 1998-04-21 1999-08-24 Lexmark International, Inc. Extended wear developer sleeve with coupling agent
JP2012118323A (ja) * 2010-12-01 2012-06-21 Canon Inc 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置

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