JPH0731914Y2 - 粉末圧縮成形機用杵 - Google Patents

粉末圧縮成形機用杵

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JPH0731914Y2
JPH0731914Y2 JP3455991U JP3455991U JPH0731914Y2 JP H0731914 Y2 JPH0731914 Y2 JP H0731914Y2 JP 3455991 U JP3455991 U JP 3455991U JP 3455991 U JP3455991 U JP 3455991U JP H0731914 Y2 JPH0731914 Y2 JP H0731914Y2
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hole
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隆 鈴木
富士男 吉田
弘 国領
俊夫 佐野
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日本ニユクリア・フユエル株式会社
株式会社畑鉄工所
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、回転式粉末成形機など
に用いられる分割形の杵に関する。
【0002】
【従来の技術】杵は、成形用の臼の孔内に挿入されて、
この孔内に取込まれた粉末を圧縮し、成形するために使
用される。杵には、杵基部に対して杵先部が着脱できる
ようにした、いわゆる分割形のものがある。この杵の杵
先部は、成形物の形状変更などに伴って臼とともに成形
物に対応したものに交換される。この交換は通常、杵基
部が成形機にセットされたままの状態で実施される。
【0003】杵先部の着脱を実現するための第1従来例
は、杵基部に設けたねじ孔に杵先部を直接ねじ込む構成
である。第2従来例は、杵基部に設けた凹部に杵先部の
根元側を挿入するとともに、この根元側に杵基部先端面
に重なる鍔部を設け、杵基部の先端部外周面に設けたね
じ溝にねじ込み形のキャップをねじ込み、このキャップ
と杵基部の先端面との間に前記鍔部を挟み込む構成であ
る。第3従来例は、杵基部に設けた凹部に杵先部の根元
側を挿入するとともに、この根元側に杵基部先端面に重
なる鍔部を設け、杵基部の先端部にバヨネット構造によ
りキャップを取付け、このキャップと杵基部の先端面と
の間に前記鍔部を挟み込む構成である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、前記いずれの
従来例でも、成形時において杵先部の取付け状態が不用
意に緩まないようにする必要から、杵基部に対する杵先
部の連結強度が非常に大きい。そのため、工具を用いて
杵先部やキャップを緩める作業や締め付ける作業が必要
であり、杵先部の着脱が面倒であるという問題があっ
た。本考案の目的は、杵基部に対する杵先部の着脱作業
性を向上できる粉末圧縮成形機用杵を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、杵基部と、こ
の杵基部の先端部に着脱可能に取付けられる杵先部とを
備えた粉末圧縮成形機用杵を前提とする。そして、前記
目的を達成するために、 前記杵基部に設けられこの杵
基部の先端面に開口する凹部を有する杵先サポート部
と、この杵先サポート部にその軸直角方向に沿って複数
設けられ、一端が前記凹部に開口するとともに他端が前
記一端開口より大径をなして前記サポート部の外周面に
開口された孔と、これら孔の夫々に転動可能に収納さ
れ、前記孔の前記一端開口より大径であって、かつ、一
部が前記一端開口から前記凹部内に突出可能な大きさの
鋼球と、前記杵先サポート部の外周に沿って移動可能に
嵌合して設けられ、前記孔の前記他端開口側から前記鋼
球に係脱して前記鋼球を前記軸直角方向に移動させて前
記鋼球の一部を前記凹部に対して出入れさせるテーパ状
の作動面、およびこの作動面に連なり前記孔内の前記鋼
球をその一部が前記凹部内に突出された状態に保持する
支持面を内面に有した筒体と、この筒体と前記杵先サポ
ート部とにわたって設けられ、前記孔の他端開口に前記
支持面が常に対向するように前記筒体を付勢するばね
と、前記杵先部に設けられ前記凹部内に嵌合される挿入
部と、相対向する斜面を有し、これらの斜面間の間隔が
溝底に向かうにつれて次第に小さくなるようにして前記
挿入部に周方向全体にわたって設けられ、前記凹部内に
押し出された前記鋼球の一部が嵌合する掛止溝とを具備
したものである。
【0006】また、杵基部に杵先部を正確に位置決めす
るために、前記凹部の内周面または前記挿入部の外周面
のうちのいずれか一方に、軸方向に延びる溝を設けると
ともに、他方に、前記溝に嵌合される突部を突設すると
よい。
【0007】また、杵先部を円滑な着脱操作性を維持す
るために、前記杵先サポート部の先端部外周に前記筒体
の作動面に係合するストップリングを取付け、このリン
グを弾性を有する材料で形成するとよい。
【0008】
【作用】請求項1の杵において、杵基部に杵先部を取付
けるには、まず、筒体を手作業によりばねに抗して杵先
サポート部の外周に沿わせて移動させ、この筒体の支持
面を孔からずらすとともに作動面を孔に対向させる。次
に、この状態で杵基部の凹部内に杵先部の挿入部を嵌合
させる。この嵌合により鋼球が凹部より外に配置される
とともに、挿入部の掛止溝は前記孔に丁度対向し連通し
て位置される。この後、筒体の拘束を解除する。そうす
ると、筒体はばねの付勢力により自動的にもとの位置に
戻され、この筒体の作動面が前記孔からずれるととも
に、この孔に支持面が対向される。それに伴って、支持
面が鋼球を凹部側に押し込んで、この鋼球の一部が
より凹部内に突出されて、前記掛止溝内に嵌合される。
このような鋼球の拘束状態は、支持面と鋼球との掛合に
より維持される。それにより、杵基部の先端部に杵先部
が連結される。この連結状態では筒体により鋼球が動か
されることがないので、鋼球と掛止溝との引っ掛かりに
より、杵先部が不用意に抜けることがない。連結状態に
ある杵先部を杵基部から取外すには、筒体を手作業によ
りばねに抗して杵先サポート部の外周に沿わせて移動さ
せた後、杵先部を凹部から引き抜けば良い。そうする
と、筒体の支持面が鋼球から外れるに伴い、鋼球の前記
拘束状態が解除されるので、杵先部の引き抜き動作に伴
い、この杵先部の掛止溝が有した一対の斜面のうち凹部
の奥側に位置される一方の斜面で押される鋼球が、孔内
を筒体の作動側に移動して凹部より外に配置される。そ
れにより、これら鋼球と掛止溝との掛合が解除されて、
杵先部が引き抜かれる。以上の着脱作業において前記孔
内での前記鋼球の移動は、掛止溝の一方の斜面と、筒体
の作動面によりなされるので、この鋼球の移動に際して
大きい操作力を必要としない。また、杵先サポート部の
孔がテーパ付きの構成である場合には、筒体をばねの付
勢力に抗して移動させることによって、テーパ付き孔内
の鋼球を自然に転動させて筒体の作動面側に移動させ、
それにより鋼球と掛止溝との嵌合を外すことができる
このように孔のテーパに従う鋼球の自由転動が行われる
ことにより、杵先部の引き抜き操作において鋼球が抵抗
となることがないので、より容易に引き抜きを行うこと
ができる。そして、孔がテーパ孔である場合におけ る掛
止溝の前記一方の斜面による鋼球の移動は、万が一鋼球
の自由転動が損なわれた場合に限って行われる。
【0009】請求項2の杵においては、杵先部の挿入部
を杵先サポート部の凹部に挿入する際に、これらの一方
に設けた突部と他方に設けた溝とを嵌合させる。これら
突部と溝との嵌合により、杵先部の杵先サポート部に対
する周方向の位置を正確に決めることができる。それに
伴い、杵とその杵先部が挿入される臼との周方向の位置
を正確に定めることができる。
【0010】請求項3の杵においては、ストップリング
にはばねの付勢力で筒体の作動面が押し付けられるの
で、それ以上筒体が動いて抜けることが防止されるとと
もに、前記付勢力によりストップリングは弾性変形して
作動面に密接するから、この部分を通過して粉末や塵埃
等が筒体内部に侵入することを防止できる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図1〜図3を参照
して説明する。
【0012】図3に全体を示す金属製の杵1は、例えば
回転式粉末圧縮成形機の回転盤に取付けて使用されるも
のであり、これは、杵基部2と、杵先部3とを備えてい
る。杵基部2は一端部が小径となった段付きの円柱状を
なしている。杵基部2その他端部側面にはキーロール4
が回転自在に取付けられており、その支え軸は図3中符
号5で示される。
【0013】図1および図2に示すように前記杵基部2
の小径部は杵先サポート部6として用いられており、そ
の外周面にはばね受け部としての環状段部7が形成され
ている。杵先サポート部6には、その先端面に開口する
凹部8が形成されている。8は、その開口側が大径でか
つ奥側が小径な段付き構造であるとともに、その横断面
は円形である。
【0014】杵先サポート部6の同じ高さ位置には、こ
のサポート部6の軸直角方向に沿う孔例えばテーパ孔9
が複数設けられている。各テーパ孔9の一端は、凹部8
の大径部分に開口されているとともに、他端は杵先サポ
ート部6の外周面に開口されている。そして、各テーパ
孔9は、その一端から他端に向けて次第に広がっている
とともに、その一端開口が次に述べる鋼球10の直径よ
りも小さい構造をなしている。これらテーパ孔9の夫々
には鋼球10が収納されている。鋼球10は、その一部
が一端開口から前記凹部8内に突出可能な大きさのもの
が使用されている。
【0015】前記杵先サポート部6には、このサポート
部6の外周に沿って例えば軸方向に移動可能な円筒形の
筒体11が嵌合されている。筒体11は、その内面に支
持面12を有しているとともに、この面12の上端に連
なって作動面13を有している。支持面12の内径は、
杵先サポート部6における環状段部7よりも先端側部分
の外径よりも少し大きく形成されている。作動面13は
筒体11の上端に向かうにつれて広がるテーパ面により
形成されている。
【0016】さらに、杵先サポート部6の内面にはばね
受け段部14が形成されている。これと前記環状段部と
の間にはコイルばね15が撓められて挟設されており、
このばね15により筒体11は、その支持面12が常に
テーパ孔9に対向するように付勢されている。なお、図
1および図2中16は杵先サポート部6の先端部外周に
嵌着されたストップリングで、これに前記作動面13が
当接することにより、筒体11の抜け出しが防止されて
いる。
【0017】以上の構成の杵基部2の先端部に着脱可能
に取付けられる前記杵先部3は、その先端に図示しない
成形用の臼の臼孔に挿入される杵先ヘッド3a(図3参
照)を有しているとともに、このヘッド3aと反対側の
端部に鍔部17および挿入部18を有している。
【0018】挿入部18は前記凹部8内に挿脱されるも
ので、これにはその周方向全体にわたる掛止溝19が形
成されている。この掛止溝19は、杵先部3の軸方向に
相対向する斜面19aを有し、これらの斜面19a間の
間隔が溝底に向かうにつれて次第に小さくなるよう形成
されている。したがって、掛止溝19の断面形状は、等
辺台形状またはV形状をなしている。前記掛止溝19に
は前記鋼球10の凹部8内突出部が嵌合されるようにな
っている。前記鍔部17は杵先サポート部6の先端面に
係合され、それにより挿入部18の嵌め込み深さを規制
して、掛止溝19を前記テーパ孔9に対して位置決め
し、これらを連通させるようになっている。
【0019】次に、前記回転盤にセットされたままの杵
基部2に対して杵先部3を着脱する手順を説明する。杵
基部2に杵先部3を取付けるには、まず、筒体11を、
工具などを用いることなく手作業により、コイルばね1
5の付勢力に抗して杵基部2の大径部側に、杵先サポー
ト部6の外周に沿わせながら移動させて、この筒体11
の支持面12をテーパ孔9の下方(但し図2において)
に位置するようにずらすとともに、作動面13をテーパ
孔9に対向させる。
【0020】そうすると、テーパ孔9内の鋼球10が、
その自重によりテーパ孔9の底面の傾斜に沿って前記作
動面13側に転がって、この鋼球10は凹部8より外に
配置される。この状態は図2に示される。
【0021】次に、この状態で杵先サポート部6の先端
面に、杵先部3の鍔部17が当接するまで、杵先部3の
挿入部18を杵先サポート部6の凹部8内に嵌合させ
る。この嵌合により挿入部18の掛止溝19がテーパ孔
9に丁度対向し連通するように位置決めされる。
【0022】この後、筒体11より手を離してその拘束
を解除する。そうすると、筒体11はコイルばね15の
付勢力により自動的にもとの位置に戻され、この筒体1
1の作動面13が前記テーパ孔9の上方(但し図1にお
いて)に位置するようにずらされるとともに、テーパ孔
9に支持面11が対向される。
【0023】それに伴って、作動面13が鋼球10を凹
部8側に押し込むから、この鋼球10の一部がテーパ孔
9より凹部8内に突出され、この突出された部分は前記
掛止溝19内に嵌合される。その直後に、支持面12が
鋼球10に係合するから、前記掛止溝19への鋼球10
への引っ掛かり状態が維持される。それにより、杵基部
2の先端部に杵先部3が連結される。この連結状態は図
1に示される。
【0024】勿論、前記連結状態では筒体11がコイル
ばね15およびストップリング16により位置決めされ
ていて、鋼球10が不用意に動かないように筒体11で
保持される。そのため、鋼球10と掛止溝19との引っ
掛かりにより、杵先部3が不用意に抜けることがない。
【0025】また、連結状態にある杵先部3を杵基部2
から取外すには、まず、筒体11を、工具などを用いる
ことなく手作業で、コイルばね15の付勢力に抗して杵
基部2の大径部側に、杵先サポート部6の外周に沿わせ
ながら移動させる。そうすると、本実施例では筒体11
の支持面12が鋼球10から外れて、筒体11の作動面
13が鋼球10に係合するに伴い、鋼球10は自重によ
りテーパ孔9内をその傾斜に従う自由転動により作動面
13側に移動されるので、この移動より凹部8の外に配
置される。なお、この場合に、万が一、何らかの抵抗で
鋼球10の移動が妨げられている場合にも、引き続く杵
先部3の引き抜き動作に伴って、凹部8内に突出された
鋼球10の一部が杵先部3の掛止溝19をなす一対の斜
面19aのうちの凹部8の奥側に位置する(図1および
図2では下位置の)斜面19aで押されるから、それに
より、前記抵抗に拘らずテーパ孔9内で鋼球10を作動
面13側に移動させて、凹部8より外に配置させること
ができる。以上のようにして、鋼球10が凹部8より外
に配置されることにより、この鋼球10と掛止溝19と
の嵌合が外される。したがって、この後、杵先部3を凹
部8から引き抜くことにより、杵先部3を杵基部2から
取外すことができる。
【0026】以上説明したように前記分割形の杵1にお
いては、その杵基部2への杵先部3の着脱を、工具を用
いることなく手で筒体11を軸方向に移動させた後に、
杵先部3を杵基部2の凹部8に挿脱させるという手順だ
けで実施できる。しかも、杵先部3の掛止溝19鋼球
10との嵌合とその解除のための鋼球10の移動は、こ
の鋼球10に対する筒体11のテーパ状作動面13との
係脱と、必要がある場合には掛止溝19が有する一対の
斜面の内の下側斜面19aとの係脱を伴ってなされるの
で、鋼球10の移動に際して、大きい操作力を必要とし
ない。したがって、非常に簡単に杵基部2に対して杵先
部3を着脱できる。特に、本実施例においては、杵先サ
ポート部6に設けられて鋼球10が収納される孔が、テ
ーパ孔9であるので、杵先部3の取外しに際し、テーパ
孔9内での前記鋼球10のテーパ状作動面13側への移
動を、テーパ孔9の傾斜と鋼球10の自重とを利用して
自然に行わせることができる。前記一実施例は、対称形
の成形品を作る場合に適するが、非対称形の成形品を作
る場合には図4および図5の実施例に示すように構成す
ればよい。
【0027】すなわち、杵先サポート部6の凹部8は径
に変化がない構成とし、この凹部8の内周面に軸方向に
延びる溝20を例えば一対設けるとともに、凹部8に挿
入される杵先部3の挿入部18の外周面に一対の突部2
1を設ける。突部21は挿入部3の軸方向に延びるリブ
状であり、溝20に挿脱可能に嵌合される。なお、以上
の点以外の構成は前記一実施例と同様であるために、同
一構成部分には前記一実施例と同一符号を付して、その
説明は省略する。
【0028】このような溝20と突部21とを設けたか
ら、杵先部3の挿入部18を杵先サポート部6の凹部8
に挿入する際に、同時に突部21と溝20とを嵌合させ
ることにより、杵先部3の杵先サポート部6に対する周
方向の位置を正確に決めることができる。それに伴い、
杵1とその杵先部3が挿入される非対称形の臼穴を有し
た臼(図示しない)との周方向の位置を正確に定めるこ
とができる。したがって、横断面形状が非対称形の杵先
部3を非対称形の臼穴にスムースに嵌めることができか
ら、このような構成は非対称形の成形品を作る場合の杵
として好適である。
【0029】なお、以上のように互いの嵌合により杵と
臼との周方向の位置を定める溝20と突部21とは、前
述とは逆に杵先サポート6の凹部8の内周面に突部21
を設け、杵先部3の挿入部18の外周面に溝20を設け
てもよい。しかも、この他の実施例において、杵基部2
と成形機ラム(回転盤)とはキーを介して結合し、それ
により、杵基部2が回転しない構造とすることは勿論で
ある。
【0030】また、前記各実施例において、筒体11の
作動面13に係合して、筒体11の抜け止めをするスト
ップリング16を、弾性を有する部材、例えばOリング
で作ってもよい。このようにする場合には、筒体11の
作動面13をストップリング16に押し付けるばね15
の付勢力により、ストップリング16は弾性変形して作
動面13に密接する。そのため、この密接部分を通過し
て粉末や塵埃等が筒体11の内部に侵入することを防止
できる。したがって、筒体11を引き下げて杵先部3を
取外す際に、粉末や塵埃等による摩擦抵抗の増大がない
ので、杵先部3の着脱操作がしにくくなることを防止で
きる。
【0031】また、本考案は前記各実施例には制約され
ない。例えば、筒体11の内面にその周方向に沿って前
記各実施例の支持面12と作動面13(なお、これは筒
体11の内面に設けられる凹みの一部である。)とを設
けるとともに、杵先サポート部6の周方向に沿って筒体
11を付勢するばねを、この筒体11と杵先サポート部
6との間に設けて、筒体11を杵先サポート部6の外周
に沿わせて移動させることにより、鋼球10をテーパ孔
9で移動させる構成にして実施しても良い。また、テー
パ孔9に代えて、凹部8に連なる一端開口側が他の部分
よりも小径をなし、それ故に段付き形状となった孔を設
けても良い。
【0032】
【考案の効果】以上説明したように本考案は構成される
ので以下の効果を有する。
【0033】請求項1記載の粉末圧縮成形機用杵におい
ては、杵基部の杵先サポート部の外周に嵌合された筒体
の移動に応じて、杵先サポート部に設けた孔内の鋼球の
一部を凹部内に出入りさせると同時に、凹部内に嵌合さ
れた杵先部の挿入部に設けられた掛止溝に前記鋼球の一
部を出入れして、杵先部の杵基部への連結とその解除を
実現できるから、工具を用いることなく前記筒体を移動
させた後に、杵先部をその軸方向に移動させるという作
業で、杵基部に杵先部を簡単に着脱することができ、し
かも、前記筒体の移動に大きい力を必要とすることもな
いので、杵先部の着脱作業性を向上できる。
【0034】請求項2記載の粉末圧縮成形機用杵におい
ては、前記凹部の内周面または前記挿入部の外周面のう
ちのいずれか一方に、軸方向に延びる溝を設けるととも
に、他方に、前記溝に嵌合される突部を突設したから、
杵基部に杵先部を正確に位置決めでき、したがって、非
対称形の成形品を作るための杵として好適する。
【0035】請求項2記載の粉末圧縮成形機用杵におい
ては、前記杵先サポート部の先端部外周に前記筒体の作
動面に係合するストップリングを取付け、このリングを
弾性を有する材料で形成したから、粉末や塵埃等が筒体
内部に侵入することを防止して、杵先部の着脱操作がし
にくくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る杵の要部を示す正面
図。
【図2】本考案の一実施例に係る杵の杵先部を着脱する
際の同要部を示す断面図。
【図3】本考案の一実施例に係る杵全体を示す正面図。
【図4】本考案の他の実施例に係る杵の要部を示す正面
図。
【図5】図4においてZ−Z線に沿って示す断面図。
【符号の説明】
1…杵、2…杵基部、3…杵先部、6…杵先サポート
部、8…凹部、9…孔(テーパ孔)、10…鋼球、11
…筒体、12…支持面、13…作動面、15…ばね、1
6…ストップリング、18…挿入部、19…掛止溝、2
0…溝、21…突部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 佐野 俊夫 京都府京都市西京区大枝西新林町5丁目12 の4

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杵基部と、この杵基部の先端部に着脱可
    能に取付けられる杵先部とを備えた粉末圧縮成形機用杵
    において、 前記杵基部に設けられこの杵基部の先端面に開口する凹
    部を有する杵先サポート部と、 この杵先サポート部にその軸直角方向に沿って複数設け
    られ、一端が前記凹部に開口するとともに他端が前記一
    端開口より大径をなして前記サポート部の外周面に開口
    された孔と、 これら孔の夫々に転動可能に収納され、前記孔の前記一
    端開口より大径であって、かつ、一部が前記一端開口か
    ら前記凹部内に突出可能な大きさの鋼球と、 前記杵先サポート部の外周に沿って移動可能に嵌合して
    設けられ、前記孔の前記他端開口側から前記鋼球に係脱
    して前記鋼球を前記軸直角方向に移動させて前記鋼球の
    一部を前記凹部に対して出入れさせるテーパ状の作動
    面、およびこの作動面に連なり前記孔内の前記鋼球をそ
    の一部が前記凹部内に突出された状態に保持する支持面
    を内面に有した筒体と、 この筒体と前記杵先サポート部とにわたって設けられ、
    前記孔の他端開口に前記支持面が常に対向するように前
    記筒体を付勢するばねと、 前記杵先部に設けられ前記凹部内に嵌合される挿入部
    と、 相対向する斜面を有し、これらの斜面間の間隔が溝底に
    向かうにつれて次第に小さくなるようにして前記挿入部
    に周方向全体にわたって設けられ、前記凹部内に押し出
    された前記鋼球の一部が嵌合する掛止溝とを具備した粉
    末圧縮成形機用杵。
  2. 【請求項2】 前記凹部の内周面または前記挿入部の外
    周面のうちのいずれか一方に、軸方向に延びる溝を設け
    るとともに、他方に、前記溝に嵌合される突部を突設し
    たことを特徴とする請求項1記載の粉末圧縮成形機用
    杵。
  3. 【請求項3】 前記杵先サポート部の先端部外周に前記
    筒体の作動面に係合するストップリングを取付け、この
    リングを弾性を有する材料で形成したことを特徴とする
    請求項1記載の粉末圧縮成形機用杵。
JP3455991U 1990-05-16 1991-05-16 粉末圧縮成形機用杵 Expired - Lifetime JPH0731914Y2 (ja)

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