JPH0731860B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、オートシャッタを備えたカートリッジを用い
る磁気ディスク装置に関するものである。

従来の技術 近年、磁気ディスク装置においては、組立工数の低減の
ための部品点数の削減およびコストダウンを図るため、
カートリッジのシャッタ開閉レバーによりカートリッジ
の着脱機構の動作を規制するようにした構成が広く使用
されつつある。

以下、この種の従来の磁気ディスク装置について図面を
参照しながら説明する。

第３図ないし第６図は従来の磁気ディスク装置を示し、
第３図は分解斜視図、第４図および第５図はそれぞれカ
ートリッジの挿入開始時の要部平面図および側面図、第
６図はカートリッジの挿入完了時の要部平面図である。

第３図に示すように、支持基板１は底板２の両側と後側
にそれぞれ側板３と背面板４が連設されている。駆動体
５は底板６の両側に側板７が連設されている。支持基板
１の底板２の前側部と中間部には側板３の内側に位置し
てピン８が垂直方向に突設され、各ピン８に駆動体５の
底板６の４隅に形成された長穴９が前後に摺動可能に係
合されている。駆動体５の底板６の両側中央部には長穴
10が形成され、長穴10の後端縁にはばね掛け11が突設さ
れている。支持基板１の底板２の両側中央部にはばね掛
け12が突設され、このばね掛け12が長穴10に挿通され、
両ばね掛け11と12に引張ばね13の両端が係止され、この
引張ばね13の弾性により駆動体５が前方へ付勢されてい
る。シャッタ開放兼用のトリガーレバー14はその中間部
に筒状部15が形成され、先端部に係合用突起16が形成さ
れ、後端部に扇形のカム部17が形成され、中間部に位置
規制用のストッパー18とばね掛け19が形成されている。
支持基板１の底板２の後側部には一方の側板３の内面に
沿ってピン20が突設され、このピン20にトリガーレバー
14の筒状部15が回動可能に嵌合され、ピン20の上方突出
部にはばね21が嵌装され、ばね21の上方により止め輪22
がピン20の係止溝23に係止され、トリガーレバー14がピ
ン20に回動可能に連結されると共に、ばね21が取り付け
られている。駆動体５の底板６の後側部には穴24が形成
され、穴24の後側縁部上にブロック25が突設されてい
る。トリガーレバー14は穴24内に挿入され、ばね21の一
端が支持基板１の側板３の内面に係合され、ばね21の他
端がトリガーレバー14のばね掛け19に係合され、ばね21
の弾性によりトリガーレバー14が反時計方向に付勢さ
れ、ストッパー18が側板３に当接されて回動が規制さ
れ、この状態でトリガーレバー14のカム部17がブロック
25の前側に係合され、駆動体５の前方への移動が規制さ
れている。そして、トリガーレバー14がばね21の弾性に
抗して第４図に示す矢印Ａ方向（時計方向）に回動し、
第６図に示すように、カム部17がブロック25より離脱す
ると、駆動体５が引張ばね13の弾性により前方へ移動さ
れているようになっている。カートリッジのホルダ26は
長方体の筒状に形成され、下板の中央部が切除され、後
側にカートリッジ前進規制用のストッパー27が設けら
れ、両側面の前後にはガイドピン28が側方に突設されて
いる。駆動体５の両側板７の前後にはガイド溝29が形成
され、各ガイド溝29は前方より後方に至るに従い次第に
低くなるように傾斜されている。ホルダ26は駆動体５の
側板７の内側に挿入され、ガイドピン28がガイド溝29に
摺動可能に係合され、後側のガイドピン28が支持基板１
の両側板３の内面に形成され、上方が開放された溝30に
上下動可能に係合されている。したがって、第５図に示
すように、トリガーレバー14のカム部17とブロック25と
の係合により駆動体５が後退位置に規制されている状態
では、ガイドピン28がガイド溝29の上部に位置して上昇
位置に保持され、上記のようにトリガーレバー14のカム
部17がブロック25より離脱し、駆動体５が引張ばね13の
弾性により前側へ移動すると、ガイドピン28がガイド溝
29に沿ってその下部に位置して下降位置に保持されるよ
うになっている。

以上の構成において、以下、その動作について説明す
る。

今、第４図に示すように、トリガーレバー14がばね21に
より反時計方向に付勢され、ストッパー18が支持基板１
の側板３に当接して位置規制されているとする。この状
態でトリガーレバー14のカム部17が駆動体５のブロック
25の前側に係合され、駆動体５は引張ばね13の弾性に抗
して後退位置に規制されている。したがって、第５図に
示すように、ホルダ26のガイドピン28は駆動体５のガイ
ド溝29の上部に位置し、ホルダ26は上昇している。この
状態からホルダ26にカートリッジ31を挿入すると、ま
ず、第４図に示すように、カートリッジ31がトリガーレ
バー１の係合用突起16に当接し、カートリッジ31の前進
に伴い、トリガーレバー14はその係合用突起16が押さ
れ、ばね21の弾性に抗して時計方向である矢印Ａ方向に
回動する。トリガーレバー14の回動に伴い、その係合用
突起16によりカートリッジ31のシャッタ32を押してこれ
を開く。カートリッジ31が更に前進すると、第６図に示
すように、トリガーレバー14のカム部17が駆動体５のブ
ロック25から離脱し、駆動体５は引張ばね13の弾性によ
り第５図に示す矢印Ｂ方向（前方）に移動する。この駆
動体５の移動に伴い、そのガイド溝29の下部にホルダ26
のガイドピン28が案内され、ホルダ26およびカートリッ
ジ31が下降し、カートリッジ31は支持基板１の後側のピ
ン８により正規の位置に固定される。また、駆動体５が
矢印Ｂ方向に移動することにより、ブロック25がトリガ
ーレバー14のカム部17の側方に係合し、トリガーレバー
14の反時計方向への回動が規制され、ばね21にトリガー
レバー14へ付勢される力はカートリッジ31に対して作用
せず、したがって、カートリッジ31がホルダ26の前方へ
後退することはない。

これとは逆に駆動体５を引張ばね13の弾性に抗して後方
へ押圧すると、ホルダ26のガイドピン28をガイド溝29の
上部に案内し、ホルダ26およびカートリッジ31が上昇す
る。また、駆動体５の後退に伴い、ブロック25がトリガ
ーレバー14のカム部17の側方より離脱し、トリガーレバ
ー14がばね21の弾性により第４図に示すように反時計方
向に回動し、これに伴いカートリッジ31が押されて後退
し、その一部がホルダ26より突出する。したがって、カ
ートリッジ31をホルダ26から抜き去ることができる。

発明が解決しようとする課題 上記従来の磁気ディスク装置では、カートリッジ31をホ
ルダ26に通常の挿入速度である1m/s以下で挿入すると、
上記動作を確実に行なうことができる。しかしながら、
1m/sを超える急激な速度でカートリッジ31をホルダ26に
挿入すると、カートリッジ31がホルダ26のストッパー27
に当接し、その反動で少し後退する時、トリガーレバー
14は駆動体５のブロック25により反時計方向への回動が
規制されているため、トリガーレバー14がカートリッジ
31に追従することができない。このため、トリガーレバ
ー14がカートリッジ31から離脱してしまい、トリガーレ
バー14により開けられていたカートリッジ31のシャッタ
ー32が閉じてしまう。したがって、カートリッジ31の挿
入作業をやり直さなければならず、面倒であるという問
題があった。

本発明は、このような従来の問題を解決するものであ
り、カートリッジをホルダに急激な速度で挿入してもカ
ートリッジのシャッタが閉じるのを防止して開放状態に
保持することができ、したがって、カートリッジの挿入
作業を確実に行なうことができるようにした磁気ディス
ク装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 本発明は、上記目的を達成するために、回転可能な磁気
ディスクを収納するカートリッジと、このカートリッジ
に設けられ、このカートリッジを磁気ディスク装置本体
に挿入する際、その挿入方向と垂直方向に連動して摺動
可能に開閉するシャッタと、上記磁気ディスク装置本体
に回転可能に取り付けられた第１のアームと、この第１
のアームの遊端に回転可能に取り付けられた第２のアー
ムと、これら第１、第２のアームのいずれか一方に取り
付けられ、上記第２のアームの上記第１のアームに対す
る回転角度を一定範囲に規制するストッパーと、上記第
１のアームを上記カートリッジが上記本体に挿入されて
いない状態に復帰させるばねとを備えるという構成にし
たものである。

作用 本発明は上記構成により、カートリッジを磁気ディスク
本体に急激な速度で挿入した際、カートリッジが反動に
より少し後退した場合であっても、第１、第２のアーム
とストッパの作用により、第２のアームがカートリッジ
の後退に追従して、シャッタを開放状態に保持すること
ができることとなる。

実施例 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明
する。

まず、本発明の第１の実施例について説明する。第１図
（ａ）、（ｂ）は本発明の第１の実施例における磁気デ
ィスク装置を示し、第１図（ａ）は要部平面図、第１図
（ｂ）はトリガーレバーの側面図である。

第１図（ａ）、（ｂ）に示すように、シャッタ開放兼用
のトリガーレバー14は本体部33と先端側の腕部34とに分
割され、本体部33の先端部に腕部34の基部がピン35によ
り回動可能に連結されている。本体部33の中間部に筒状
部15が形成され、後端部に扇形のカム部17が形成され、
中間部に位置規制用のストッパー18とばね掛け19が形成
されている。腕部34の先端部には係合用突起16が形成さ
れ、腕部34の中間部には本体部33の先端部を両側方より
挟むように第１と第２のストッパー36と37が設けられ、
腕部34が本体部33に対して一定角度内で回動することが
できるようになっている。そして、本体部33と腕部34の
連結部がカートリッジ31のシャッタ32の開閉方向と垂直
に交わる軸線方向で、腕部34の係合用突起16とカートリ
ッジ31のシャッタ32の当接位置より外側に位置するよう
に設定されている。その他の構成は上記従来例と同様で
あるので、その説明を省略する。

以上の構成において、以下、その動作について説明す
る。

今、上記と同様、第１図（ａ）に実線で示すように、ト
リガーレバー14がばね21により反時計方向に付勢され、
ストッパー18が支持基板１の側板３に当接して位置規制
されているとする。この状態でトリガーレバー14のカム
部17が駆動体５のブロック25の前側に係合され、駆動体
５は引張ばね13の弾性に抗して後退位置に規制されてい
る。したがって、第５図に示すように、ホルダ26のガイ
ドピン28は駆動体５のガイド溝29の上部に位置し、ホル
ダ26は上昇している。この状態からホルダ26にカートリ
ッジ31を挿入すると、まず、第１図（ａ）に実線で示す
ように、カートリッジ31がトリガーレバー14の係合用突
起16に当接し、腕部34は第１のストッパー36により本体
部33に対し、時計方向への回動が規制されるので、カー
トリッジ31の前進に伴い、トリガーレバー14はその係合
用突起16が押され、腕部34と本体部33が一体となってば
ね21の弾性に抗して時計方向である矢印Ａ方向に回動す
る。トリガーレバー14の回動に伴い、その係合用突起16
によりカートリッジ31のシャッタ32を押してこれを開
く。カートリッジ31が更に前進すると、第１図に鎖線で
示すように、トリガーレバー14のカム部17が駆動体５の
ブロック25から離脱し、駆動体５は引張ばね13の弾性に
より第５図に示す矢印Ｂ方向（前方）に移動する。この
駆動体５の移動に伴い、そのガイド溝29の下部にホルダ
26のガイドピン28が案内され、ホルダ26およびカートリ
ッジ31が下降し、カートリッジ31は支持基板１の後側の
ピン８により正規の位置に固定される。また、駆動体５
が矢印Ｂ方向に移動することにより、ブロック25がトリ
ガーレバー14のカム部17の側方に係合し、トリガーレバ
ー14の反時計方向への回動が規制され、ばね21によりト
リガーレバー14へ付勢される力はカートリッジ31に対し
て作用せず、したがって、カートリッジ31がホルダ26の
前方へ後退することはない。

そして、上記のようにカートリッジ31をホルダ26に挿入
する際、急激な速度で挿入すると、カートリッジ31がホ
ルダ26のストッパー27に当接し、その反動で少し後退す
るが、このとき、トリガーレバー14の腕部34の係合用突
起16におけるカートリッジ31との当接部にはシャッタ32
による力Ｆが付勢されており、この力Ｆにより腕部34に
はわずかではあるが反時計方向への回動力が生じてい
る。したがて、上記のようにカートリッジ31が挿入時の
反動により矢印Ｃ方向へ少し後退する時には、上記回動
力と、シャッタ32による力Ｆによる摩擦力により腕部34
は矢印方向へ回動し、カートリッジ31の動きに追従して
シャッタ32と係合状態に保持される。追従後、腕部33は
第１のストッパー36により本体部33に対し、時計方向へ
の回動が規制されているので、シャッタ32が開いた状態
に保持される。また、カートリッジ31をホルダ26から離
脱させる動作については上記従来例と同様であるので省
略する。

トリガーレバー14における腕部34は第１と第２のストッ
パー36と37の間で本体部33に対して任意の位置に回動す
るが、第２のストッパー37により腕部34が反時計方向へ
の回動を規制された状態でホルダ26に挿入されたカート
リッジ31により時計方向に回動され、また、反動により
少し後退するカートリッジ31のシャッタ32より離脱しな
い範囲で腕部34が反時計方向に回動されるように設定す
ればよい。

このように、本実施例によれば、カートリッジ31が挿入
時の反動により少し後退しても、トリガーレバー14の腕
部34を追従させることができるので、カートリッジ31の
シャッタ32がトリガーレバー14から外れ、シャッタ32が
閉じるのを防止することができる。

次に、本発明の第２の実施例について説明する。第２図
は本発明の第２の実施例における磁気ディスク装置に用
いるトリガーレバーを示す平面図である。

本実施例においては、第２図に示すように、腕部34の基
部側方に突起38が形成され、この突起38にトリガーレバ
ー14を一方向へ付勢しているばね21を係合し、このばね
21により腕部34に時計方向、すなわち、カートリッジ31
の後退による追従方向への回動力を積極的に与えるよう
にしたものであり、その他の構成は上記第１の実施例と
同様である。

したがって、本実施例によれば、カートリッジ31のシャ
ッタ32の力が小さく、シャッタ32による腕部34への回動
が十分に与えられない場合においても、カートリッジ31
の後退時に腕部34に積極的に追従力を与えることができ
る。そして、上記第１の実施例に対して部品点数を増や
すことなく、組立性も悪化させることもない。

発明の効果 本発明は、上記実施例より明らかなように、回転可能な
磁気ディスクを収納するカートリッジと、このカートリ
ッジに設けられ、このカートリッジを磁気ディスク装置
本体に挿入する際、その挿入方向と垂直方向に連動して
摺動可能に開閉するシャッタと、上記磁気ディスク装置
本体に回転可能に取り付けられた第１のアームと、この
第１のアームの遊端に回転可能に取り付けられた第２の
アームと、これら第１、第２のアームのいずれか一方に
取り付けられ、上記第２のアームの上記第１のアームに
対する回転角度を一定範囲に規制するストッパーと、上
記第１のアームを上記カートリッジが上記本体に挿入さ
れていない状態に復帰させるばねとを備えるという構成
にしたので、カートリッジを磁気ディスク本体に急激な
速度で挿入した際、カートリッジが反動により少し後退
した場合であっても、第１、第２のアームとストッパの
作用により、第２のアームがカートリッジの後退に追従
して、シャッタを開放状態に保持することができるとい
う効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）、（ｂ）は本発明の第１の実施例における
磁気ディスク装置を示し、同図（ａ）は要部平面図、同
図（ｂ）はトリガーレバーの側面図、第２図は本発明の
第２の実施例における磁気ディスク装置に用いるトリガ
ーレバーの平面図、第３図ないし第６図は従来の磁気デ
ィスク装置を示し、第３図は分解斜視図、第４図および
第５図はそれぞれカートリッジの挿入開始時の要部平面
図および側面図、第６図はカートリッジの挿入完了時の
要部平面図である。 １……支持基板、５……駆動体、13……引張ばね、14…
…トリガーレバー、16……係合用突起、17……カム部、
18……ストッパー部、21……ばね、26……ホルダ、28…
…ガイドピン、29……ガイド溝、31……カートリッジ、
32……シャッタ、33……本体部、34……腕部、36、37…
…ストッパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転可能な磁気ディスクを収納するカート
   リッジと、このカートリッジに設けられ、このカートリ
   ッジを磁気ディスク装置本体に挿入する際、その挿入方
   向と垂直方向に連動して摺動可能に開閉するシャッタ
   と、上記磁気ディスク装置本体に回転可能に取り付けら
   れた第１のアームと、この第１のアームの遊端に回転可
   能に取り付けられた第２のアームと、これら第１、第２
   のアームのいずれか一方に取り付けられ、上記第２のア
   ームの上記第１のアームに対する回転角度を一定範囲に
   規制するストッパーと、上記第１のアームを上記カート
   リッジが上記本体に挿入されていない状態に復帰させる
   ばねとを備えた磁気ディスク装置。