JPH0677366B2 - ディスクカートリッジ装填装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、ディスクカートリッジ装填装置のホルダ構造
に関するものであり、より詳しくはホルダ内に収納した
ディスクカートリッジの保持に関するものである。

［従来技術］ ディスクカートリッジ装填装置のホルダ構造について
は、特公昭58−26770号公報に示される如きの構造が提
案されている。

この種のものは、ホルダに設けた板ばねによってディス
クカートリッジの反りを矯正するのであるが、ディスク
カートリッジによって反りの大きいものや矯正に大きな
力が必要なものがあり、板ばねで矯正しきれず、内部の
ディスクの回転に支障を与えたり、ディスクが平面で回
転せずヘッドとの接触が不安定となり、装置の信頼性に
重大な影響を及ぼすなどの問題があり、ディスクカート
リッジをいかに安定して矯正するかが設計上の課題であ
った。

また、記録再生装置において小型のディスクカートリッ
ジを自動的に装填し排出する装置については、すでに特
開昭５−69561号公報等において提案されている。

この種の装置は、モータによって駆動されるローラやカ
ム等を用いてディスクカートリッジを水平方向及び上下
方向に移動させる機構のもつものであるため、何らかの
原因によって機構が作動不能に陥ったような場合には、
装置そのものが使用できなくなるほか、装填状態にある
ディスクカートリッジの排出に困難をきたすといった問
題を有している。

［目的］ 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところは、ディスクカートリッジの反り
を適切に矯正し、ディスクとヘッドとの接触信頼性を向
上して装置の信頼性を向上することにある。

［構成］ すなわち、本発明のディスクカートリッジ装填装置は、
ディスクカートリッジの挿入に伴い、前記ディスクカー
トリッジを保持して挿入排出位置と記録再生位置の間を
移動可能なカートリッジホルダを備えたディスクカート
リッジ装填装置において、 前記カートリッジホルダは、前記カートリッジホルダと
ともに挿入排出位置から記録再生位置に移動された前記
ディスクカートリッジを押圧して前記ディスクカートリ
ッジの反りを矯正する複数の凸部を有することを特徴と
する。

［実施例］ そこで、以下に図示した実施例に基づいて本発明の詳細
を説明する。

第４図（イ）は、カバーを取り外して示したディスクカ
ートリッジの自動装填排出機構の平面図であり、第４図
（ロ）は第４図（イ）AA断面図である。また、第１図は
ディスクカートリッジの自動装填排出機構の側面図及び
その上面図である。

まず、ディスクカートリッジを保持するホルダ構造につ
いて説明する。

第４図（イ）において、カートリッジホルダ１は一枚の
板金の両側（図中上下方向）をコの字状に折り曲げ、デ
ィスクカートリッジ２を収納する構造である。第４図
（ロ）において、ホルダ１の両側のコの字曲げ部1bがカ
ートリッジ２を抱え込むように形成してある。また、ホ
ルダ１の上板1aにはカートリッジ２を矯正するための凸
部101cが設けてある。第６図はホルダ１の斜視図であ
り、ホルダ１は外周の４箇所をＬ字アーム５、６によっ
て支持されている。Ｌ字アームのうちアーム５は左右が
接続アーム5fによって連結されている。これらのアーム
第４図（イ）に示すフレーム7aに回動支点8a、8bにて回
動可能に取り付けてある。アーム５、６は補助レバー９
で接続してあり、その接続点は回動可能に構成してあ
る。これにより、アーム５、６と補助レバー９とホルダ
１とで平行リンク機構を構成し、第７図、第８図に示す
如く回動支点8a、8bを中心にＬ字アーム５、６が図中矢
印101、101aの方向に回動し、ホルダ１は図中矢印102、
102a方向に平行移動することができる構造である。第７
図、第８図はホルダ１とＬ字アーム部の側面図であり、
第７図はカートリッジ２をホルダ１に装着する位置を示
し、第８図はホルダ１内に装着したカートリッジ２が記
録再生位置に移動した図である。このように、第７図の
状態でカートリッジ２をホルダ１内に受け入れ、後述す
るトリガーを作動させ、ホルダ１が係止を解かれ前述の
如くＬ字アーム５、６が回動し、ホルダ１が下降した状
態でディスクに記録再生をおこなう構造である。ばね1d
はホルダ１を記録再生位置方向に付勢する付勢ばねを表
している。第８図の記録再生位置ではホルダ１の上面に
設けた凸部101cがカートリッジ２を押圧保持するように
なり、カートリッジ２の反りが矯正される構成である。

次に、ディスクカートリッジの自動装填排出装置につい
て説明する。

第４図において、装置本体の両側に（第４図（イ）の上
下部分）に設けたリンク機構により第１図（ロ）の左右
方向に移動しうる取り付けられた上、さらに、ホルダ１
に挿入されたカートリッジ２を装置本体の両側に配設さ
れてほぼ同一の動きをなす後述する自動装填排出機構と
手動装填排出機構により選択的に装填排出するよう構成
されている。なお、第４図中符号３は上板1aにピン3aを
もって可回動的に枢支されたシヤッタ開閉レバーで、そ
の先端のピン3bを上板1aに設けた弧状の長孔1cを通して
ホルダ１内に突出させてある。カートリッジ２をホルダ
１内に第１図矢印105方向に挿入することにより、ピン3
aをカートリッジ２の前縁に当接させることによって、
レバー３が図中２点鎖線の位置から反時計方向（矢印10
6）に回動しピン3bの移動によってカートリッジ２の前
方に設けたヘッド挿入孔開閉用のスライドシャッタ2a
（第５図）を開放するするようにしたものである。ま
た、符号21はシャーシ７とホルダ１の間に配設されたシ
リンダとプランジャよりなるダンパーで、これら摺動面
に介在する潤滑油の粘性によってホルダ１の急激な移動
を抑えるようにしたものである。さらに、第１図、第４
図における符号1dは、ホルダ１を常時付勢しているばね
を示している。このようにばね1dがホルダ１を記録再生
位置方向に付勢する付勢ばねとなっている。第８図の状
態からカートリッジ２を排出位置に戻すには、例えば、
イジェクトボタン14を図中矢印103方向に押すことによ
り、アーム５をピン8aを中心に左回転させる。これによ
り、前述の如くアーム５、６が図中矢印101a方向に回動
し、それに連動してホルダ１が図中矢印102a方向に移動
し挿入排出位置に移動するものである。

第１図において、アーム５はその下方に腕5eが設けら
れ、この腕5eの先端はシャーシ７に設けた孔7bの挿通し
てその下方に突出し、前縁を折り曲げてイジェクトボタ
ン14の作用面として形成するとともに、そこに設けた孔
5gを通してイジェクトボタン14の接片14aをマイクロス
イッチswに当接させるように構成されている。これによ
りイジェクトボタンを軽く押した場合は、マイクロスイ
ッチswのみが作動し、さらに、イジェクトボタン14を押
した場合にはアーム５がピン8aを中心に回動する構造に
なっている。符号10は、モータ11に駆動されてカートリ
ッジ２を装填排出するローディングレバーである。この
ローディングレバー11は、シャーシ側板7aに植設した２
本の8b、8cに長孔10aを嵌合することによって図中左右
に走行可能に取り付けられ、その後端に折り曲げ形成し
た摺接片10bをモータ11によって駆動されるディスク12
に突設したコロ12aによって駆動される。しかし、カー
トリッジ２が挿入されない状態においては、モータ11に
よって駆動されるディスク12とコロ12aの位置は第１図
（イ）で示す位置関係にある。そして、ローディングレ
バー10は引き戻しばね15によって第１図（イ）に示す如
く左方向に付勢されている。また、このローディングレ
バー10の下縁からはローディングレバー10がモータ11に
よって右に引かれた際、アーム６の下向き突片6eとの係
止を解いて、これを図中時計方向に回動可能にするため
の係止片10cが突片6eの下を通って装置内方に伸びてお
り、その先端は再びホルダ１の内方に立ち上がってカー
トリッジ２の先端部2bと当接する片10dを成している。
このローディングレバー10の斜視図を第９図に示す。第
９図において、ローディングレバー10はシャーシ側板7a
に植設した２本のピン8b、8cに長孔10aを嵌合すること
によって図中矢印104方向に走行可能に取り付けられて
いる。カートリッジ２が挿入されない状態においては、
引き戻しばね15によって図中矢印107方向に付勢されて
いる。また、このローディングレバー10の下縁は、装置
内方に伸びカートリッジ２の先端部2bと当接する片10d
を形成している。第１図において、16はローディングレ
バー10の先端に回動可能に取り付けた駒で、常時はレバ
ー10のばね10eによりその先端部16aをカートリッジ２の
側面に設けた凹部2c（第５図）と係合するように図中上
方に付勢されているが、ローディングレバー10がカート
リッジ排出位置にあるときは、ホルダ１の下縁に設けた
素子片1eによってその上向きの移動が阻止され、ホルダ
１の内部に突出しない構造である。17は、アーム６に作
用して記録再生位置にあるホルダ１を第８図から第７図
の位置に移動させるイジェクトレバーで一端をアーム６
の6dに枢支してあり、その他端は水平の腕17aと下方に
伸びる腕17bに分岐形成され、ディスク12上のコロ12aと
ほぼ90゜の位相をもってモータ11の軸に偏心カウ13によ
り駆動されるように構成されている。なお、図中18は前
述したイジェクトレバー17の他端を偏心カム13上に押圧
するためのばね、17cはローディングレバー10を若干右
方向に移動した位置で拘止するイジェクトレバー17上の
係止爪、22はローディングレバー10が右方向に引かれた
際、駒16を時計方向に回動させてカートリッジ２との係
合を解くために側板7aに取り付けられたばね片をそれぞ
れ示している。

他方、第３図は装置本体の向かって左側、つまり、第４
図においてはその上方側面に配設された手動操作用の装
填排出機構を対側から示したもので、このため、第１図
に対してアーム６等が逆向きに示されている。この図に
おいて符号19で示したトリガーは、カートリッジ２の装
着とともにホルダ１の係止を解いて、これを記録再生位
置に下降させるためのマニュアル操作部材であり、この
トリガー19は、シャーシ側板7aに植設した２本のピン8
b、8dに長孔19aを嵌合させることによりアーム６の外側
において前後に走行可能に取り付けられた上、アーム６
との間に張設したトリガー戻しばね20により常時イジェ
クト位置、つまり、図中右方に位置するように付勢され
ている。そして、この位置において、その下方からアー
ム６の回動を阻止すべくその下向き突部6eの下を通って
装置本体の内方に伸びた係止板19bの先端は、再びホル
ダ１の内方に立ち上がってカートリッジ２の先端部との
当接片19をなしている。

このように構成されたディスクカートリッジの自動装填
排出動作について説明する。

カートリッジ２が装着されていない状態において、ロー
ディングレバー10は引き戻しばね15に付勢されて図の左
方向に位置し、レバー10の下縁から装置本体の内方に伸
びた係止部10cは、アーム６の下向き突部6eを受けてア
ーム６の図中時計方向の回動を阻止している（第１図
（イ））。このため、補助レバー９によって連結された
前後のアーム５、６は、反時計方向の回動姿勢を保持し
た状態でアームの第１の腕部5a、6aによりホルダ１をカ
ートリッジ２に水平に保持している。

次に、この状態のもとで前面ベゼル４の挿入口4aよりカ
ートリッジ２を挿入してゆくと、その先端2bはホルダ１
内に突出したローディングレバー10の当接片10dを押し
てレバー10を図の右方向に若干移動させる。これによ
り、ホルダ１の阻止片1eによって抑えられていた駒16は
拘止を解かれて上方に突出し、カートリッジ２の側縁に
設けた凹部2cに嵌入してこれを係止し、これと同時に自
己の変位によってマイクロスイッチsw2を閉成しモータ1
1を180゜回転させる。このため、ローディングレバー10
はその端部の摺接片10bに作用するディスク12上のコロ1
2aに押されて図中右方向に大きく移動し、駒16を介して
保持したカートリッジ２を記録再生位置の真上に移送す
ると同時に、係止部10cの後退によってその上に当接し
ていたアーム６をトリガー戻しばね20（第３図（イ））
の張力により図中時計方向に回動させ、補助レバー９を
介して回動するアーム５とともにホルダ１を記録再生位
置に水平に下降させる（第２図（イ））。

なお、この下降の際、ホルダ１にはシャーシ７の間に設
けたダンパー21の制動作用が働く。このため、その下降
は穏やかに制御されてディスクとヘッドとの急激な接触
は阻止される。

所要の読取り書込み諸動作を終えて最後にカートリッジ
２を取り出すべくイジェクトボタン14を軽く押圧する
と、接片14aと接触したマイクロスイッチswは再びモー
タ11を起動する。このため、モータ11とともに回動を始
めた偏心カム13は若干押し上げられた状態にあるイジェ
クトレバー17の水平腕17aをさらに押し上げてローディ
ングレバー10との接触を解き、ついで下方の腕17bを図
中左方向に押圧してイジェクトレバー17の左先端でアー
ム６を図中時計方向に回動し、その突片6eを引き上げて
ローディングレバー10の走行を可能にする（第２図
（ロ））。したがって、引き戻しばね15により図中左方
向への付勢力を受けているローディングレバー10はディ
スク12上のローラ12aに接触しつつディスク12の回転に
伴って記録再生位置から図中左方へと走行し（第２図
（ロ））、この間に当接片10dの先端をもってカートリ
ッジ２を押し出しつつ第１図に示したイジェクト位置に
復帰する。

なお、この復帰工程の際、カートリッジ２のヘッド挿入
孔閉塞用のスライドシャッタ2aは、ホルダ１上のシャッ
タ開閉レバー３によって閉じられる。

以上はディスクカートリッジ２の自動装填排出動作につ
いての説明であるが、何らかの原因によってこの機構が
作動不能に陥ったような場合、あるいはディスクカート
リッジ２の緊急な着脱を要する場合の動作について説明
する。

このような場合、前面ベゼル４の挿入口4aより挿入した
カートリッジ２をそのまま押し込んでゆくと、その前縁
はホルダ１内に突出した当接片19cを押圧してローディ
ングレバー10とともにトリガー19をその戻しばね20に抗
して後方に移動させる。そして、その係止板19bをアー
ム６の後方まで移動させて、係止板19bの上面に当接し
ていたアーム６を、トリガー19を支点とするトリガー戻
しばね20とばね1dの付勢力により図中反時計方向に回動
し（第３図の２点鎖線位置、なおこの機構は第２図に示
した機構の対側に設けられているので、本図における動
作は第１、２図と逆の関係になっている）、補助レバー
９を介して回動するアーム５とともにホルダ１を記録再
生位置に水平に下降させる。このようにばね1dがホルダ
１を記録再生位置方向に付勢する付勢ばねとなってい
る。なお、この動作中、反対側に配設されたローディン
グレバー10も後方に移動して同様の動作を行うことは言
うまでもない。

また、カートリッジ２の手動による排出動作は、イジェ
クトボタン14を強く押圧することにより、イジェクトボ
タン14の内端が直接アーム５の腕5eを押圧するため、ア
ーム５は第１図において反時計方向に回動し、さらに、
この動きは補助レバー９を介してアーム６を同方向に回
動させて両アーム５、６によりホルダ１を水平に上昇さ
せるとともに、その回動の終端においてトリガー19の拘
止を解く。

これにより、トリガー19はアーム６を支点として作用す
るトリガー戻しばね20の張力により、第３図（イ）にお
いてその右方向に走行し、当接片19cに当接しているカ
ートリッジ２を外方に押し出すと同時に、係止板19bを
再び突起6eの直下に位置させてアーム６の回動を阻止
し、当初の状態に復帰する。

［効果］ 以上述べたように本発明によれば、カートリッジホルダ
自体の板金で複数の凸部を形成し、カートリッジホルダ
の付勢ばねの付勢力を利用してその凸部でディスクカー
トリッジを押圧するよう構成したので、大きな矯正力が
得られ確実にディスクカートリッジの矯正を行い記録再
生装置の信頼性を高めることができた。特に複数の凸部
をカートリッジホルダの板金により形成することによ
り、複数の凸部の押圧力の均一化が容易に図れることに
なり規格管理、調整作業を不要にした。更に、部品点数
の削減によるコストダウンが達成された。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）、（ロ）は本発明の一実施例を示す自動装
填排出機構の側面図と上面図、第２図（イ）、（ロ）は
同上機構の動作状態を示す説明図、第３図（イ）、
（ロ）は本発明の一実施例を示す手動装填排出機構の側
面図と上面図、第４図（イ）、（ロ）は上記両機構が施
された装置の一例を示す上面図とディスクカートリッジ
の挿入側よりみた側面図、第５図は同上装置に装填され
るディスクカートリッジの一例を示す斜視図、第６図は
カートリッジホルダの分解斜視図、第７図及び第８図は
同上装置の要部を示す図、第９図はローディングレバー
とディスクカートリッジとの関係を示した図である。 １……カートリッジホルダ 101c……凸部 ２……ディスクカートリッジ ５、６……アーム、９……補助レバー 10……ローディングレバー 11……モータ 14……イジェクトボタン 17……イジェクトレバー 19……トリガー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 依田 敏 長野県諏訪市湖岸通り２丁目５番11号 サ ンリツ工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−36463（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクカートリッジの挿入に伴い、前記
   ディスクカートリッジを保持して挿入排出位置と記録再
   生位置の間を移動可能なカートリッジホルダ及び、前記
   カートリッジホルダを前記記録再生位置方向に付勢する
   付勢ばねとを備えたディスクカートリッジ装填装置にお
   いて、 前記カートリッジホルダは板金から形成されるととも
   に、前記カートリッジホルダとともに挿入排出位置から
   記録再生位置に移動された前記ディスクカートリッジを
   前記付勢ばねの付勢力により押圧して前記ディスクカー
   トリッジの反りを矯正する複数の凸部を板金の一部で形
   成してなることを特徴とするディスクカートリッジ装填
   装置。