JPH07317741A - ボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工作業が簡単で、しかも加工の検査を容易
に行なうことができるボルトを提供すること。 【構成】 ボルト１１に設けられる流体通路１５の、一
方の出入口１５ａが軸部１３の頭部側端部の側面に開口
し、他方の出入口１５ｂが軸部の先端に開口するととも
に、この流体通路を、前記一方の出入口から他方の出入
口まで軸部の長手方向に斜めに延びるよう形成した。こ
れにより、流体通路の加工形成が１工程で実現でき、コ
ストを低下させることができる。また、流体通路がボル
トの軸部を貫通して掲載されているか否かを、一方の出
入口から他方の出入口方向へ見通すだけで目視によりチ
ェックできるから、検査作業の能率を上げることができ
生産性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ボルト、特に駆動力伝
達用の流体通路を有するボルトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３はこの種従来のボルトの構成を示し
ている。図３において、１はボルトであり、頭部２と、
軸部３と、ねじ部４、および流体通路５とを有して成
る。軸部３は頭部２から軸方向へ延び、且つこの軸部３
の先方部分の外周がねじ切りされることによりねじ部４
が形成されている。また、流体通路５は、軸部３の先端
から頭部２の方へ向けて軸部３の中心軸に沿って長手方
向に延びる縦通路５ａと、軸部３の頭部２側端部の位置
で前記縦通路５ａに対して直角の方向、すなわち軸部３
の直径方向に貫通して延び、且つこの縦通路５ａに連通
する横通路５ｂとから構成されている。このようなボル
ト１の製作に当たっては、流体通路５を製作するのに、
例えば先ず第１工程としてボルト１の軸部２先端からそ
の中心軸に沿って縦通路５ａに相当する盲穴を形成し、
次に、第２工程として軸部３の頭部２側端部の所定の位
置で貫通孔を直径方向に穿設して加工形成する。

【０００３】このようなボルト１は、例えば自動車やオ
ートバイのディスク・ブレーキへの油圧伝達機構といっ
たような各種圧力の伝達部分などに用いられ、油圧液等
を適切に流通させるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のボルト１にあっては、その製作に当たって流
体通路５を形成するのに前記のように２工程を必要とす
るから製作に手間がかかってコスト高になる虞がある。
また、流体通路５の縦通路５ａと横通路５ｂとを形成し
た後、これらの通路５ａ、５ｂが真に連通しているか否
かのチェックが難しいといった不具合がある。すなわ
ち、もし仮に前記縦通路５ａの加工作業に際して穴開け
深さが不足していて、図３中符号６で示すような削り残
し部分があった場合、この削り残し部分６は目視によっ
ては容易に判別することはできず、これを見つけるため
には、実際に空気や水を流体通路５に通してみて調べる
必要があり、このような検査を個々のボルトに対して行
なうことはコストアップにつながる。

【０００５】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的は、加工作業が簡単で、しか
も加工の検査を容易に行なうことができるボルトを提供
することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、ボルトに設けられる流体通路の、一方の出
入口が軸部の頭部側端部の側面に開口し、他方の出入口
が軸部の先端に開口するとともに、この流体通路を、前
記一方の出入口から他方の出入口まで軸部の長手方向に
斜めに延びるよう形成したことを要旨とする。

【０００７】

【作用】前述のように、ボルトの流体通路を、一方の出
入口から他方の出入口まで軸部の長手方向に斜めに延び
るよう形成したため、流体通路の加工形成にあたって１
工程で済むからコストの低下が実現できる。また、流体
通路がボルトの軸部を貫通して掲載されているか否か
を、一方の出入口から他方の出入口方向へ見通すだけで
目視によりチェックできるから、検査作業の能率を上げ
ることができ生産性の向上を図ることができる。

【０００８】

【実施例】図１および図２は本発明の一実施例における
ボルトの構成ならびにその使用例を示している。図１に
おいて、符号１１はボルトであり、頭部１２と、頭部１
２から中心軸に沿って延びる軸部１３と、軸部１３の先
方部分の外周をねじ切り加工して形成されたねじ部１
４、および流体通路１５とを有する点は、基本的には前
記従来のボルト１と同様な構成を有する。しかし従来と
異なり、流体通路５は、図１に示すように、軸部１３の
頭部１２側端部の側面に一方の出入口である基端側出入
口１５ａが開口して形成される一方、軸部１３の先端部
の側面に他方の出入口である先端側出入口１５ｂが開口
して形成されるとともに、前記基端側出入口１５ａから
先端側出入口１５ｂまで軸部１３の長手方向に斜めに直
線状に延びている。このようなボルト１１の製作に当た
っては、流体通路１５を製作するのに、例えば先端側出
入口１５ｂから基端側出入口１５ａへ向けて１工程で貫
通穴を穿設することにより加工形成する。

【０００９】かかる構成を有するボルト１１のディスク
・ブレーキの油圧系統における使用例を図２に示す。こ
の図において、符号２０は内部に圧油液が充填されこの
実施例のボルト１１が取り付けられるキャリパー・アッ
センブリ、２１はこのキャリパー・アッセンブリ２０の
口に取り付けられるコネクタ、２２はボルト１１とコネ
クタ２１とを緊密に接触させるパッキン、２３はコネク
タ２１に接続され圧油液を供給するブレーキ・ホースで
ある。ボルト１１は、パッキン２２およびコネクタ２１
をセットした状態でキャリパー・アッセンブリ２０の口
にねじ係合して取り付けられ、これにより、ブレーキ・
ホース２３からの圧油液はコネクタを通してボルト１１
の流体通路に誘導されてキャリパー・アッセンブリ２０
の中に入る。このような油圧供給手段は、例えば自動車
やオートバイのディスク・ブレーキのみならず、他にも
各種圧力の伝達部分などに用いられる。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ボルトに設けられる流体通路の、一方の出入口が軸部の
頭部側端部の側面に開口し、他方の出入口が軸部の先端
に開口するとともに、この流体通路を、前記一方の出入
口から他方の出入口まで軸部の長手方向に斜めに延びる
よう形成したため、流体通路の加工形成が１工程で実現
でき、コストを低下させることができる。また、流体通
路がボルトの軸部を貫通して掲載されているか否かを、
一方の出入口から他方の出入口方向へ見通すだけで目視
によりチェックできるから、検査作業の能率を上げるこ
とができ生産性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるボルトの正面図

【図２】前記実施例におけるボルトの使用状態の一例を
示す一部破断正面図

【図３】従来のボルトの正面図

【符号の説明】

１１ ボルト １２ 頭部 １３ 軸部 １４ ねじ部 １５ 流体通路 ２０ キャリパー・アッセンブリ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭部と、頭部から延び、且つ先方部分の
   外周にねじ切りされた軸部と、軸部を貫通して延びる流
   体通路とを有するボルトにおいて、 前記流体通路は、一方の出入口が軸部の頭部側端部の側
   面に開口し、他方の出入口が軸部の先端に開口するとと
   もに、前記一方の出入口から他方の出入口まで軸部の長
   手方向に斜めに延びていることを特徴とするボルト。