JPH07317582A - 蒸発燃料量推定装置および該装置を備えたエンジンの制御装置 - Google Patents

蒸発燃料量推定装置および該装置を備えたエンジンの制御装置

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JPH07317582A
JPH07317582A JP7413495A JP7413495A JPH07317582A JP H07317582 A JPH07317582 A JP H07317582A JP 7413495 A JP7413495 A JP 7413495A JP 7413495 A JP7413495 A JP 7413495A JP H07317582 A JPH07317582 A JP H07317582A
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    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/003Adding fuel vapours, e.g. drawn from engine fuel reservoir
    • F02D41/0045Estimating, calculating or determining the purging rate, amount, flow or concentration
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空燃比の目標値に対するずれを生じさせるこ
となくキャニスタパージを行うことができる手段を提供
する。 【構成】 エンジンCEにおいては、コントロールユニ
ットCUによって、平均フィードバック補正値が演算さ
れ、この平均フィードバック補正値に基づいてトラップ
量が推定される。そして、パージ制御弁前後差圧と駆動
デューティ比とに基づいてパージ空気量が演算され、次
にトラップ量推定値とパージ空気量とに基づいてキャニ
スタ25からの蒸発燃料放出量が演算され、さらに蒸発
燃料放出量に基づいて蒸発燃料輸送経路の輸送遅れ特性
を考慮して、燃焼室4への蒸発燃料流入量が演算され、
要求燃料噴射量から蒸発燃料流入量を減算して実燃料噴
射量が設定される。このため、キャニスタパージが空燃
比制御の外乱とはならず、キャニスタパージ時に空燃比
の目標値に対するずれが生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャニスタの蒸発燃料
捕集量を推定する蒸発燃料量推定装置、及び該蒸発燃料
量推定装置又は蒸発燃料捕集量検出手段を備えていて蒸
発燃料捕集量等に基づいて蒸発燃料パージ量を算出する
エンジンの制御装置、さらには上記蒸発燃料パージ量等
に基づいて空燃比を制御するエンジンの制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の燃料噴射式エンジン
においては空燃比を目標値(目標空燃比)に合わせるため
に、基本的にはエアフローセンサによって検出される吸
入空気量に対応する基本燃料噴射量(基本パルス幅)で、
燃料噴射弁から吸気系又は燃焼室に燃料が噴射されるよ
うになっている。しかしながら、燃料噴射弁の噴射量コ
ントロールの精度には限度があり、また燃料噴射弁から
噴射された燃料の一部は吸気通路壁に付着するなどして
すぐには燃焼室に入らない。また、燃料噴射弁の噴射特
性は経時的に変化することがある。このため、単に吸入
空気量に対応する基本燃料噴射量で燃料を噴射するだけ
では、高精度で空燃比を目標空燃比に一致させることは
むずかしい。
【0003】そこで、通常、燃料噴射式エンジンにおい
ては、所定の運転領域(フィードバック領域)では、リニ
アO2センサ又はλO2センサで排気ガス中のO2濃度を
検出して該O2濃度から空燃比を算出し、この空燃比の
目標空燃比に対する偏差(空燃比偏差)に応じて該空燃比
偏差をなくす方向に作用するフィードバック補正値を演
算し、該フィードバック補正値で上記基本燃料噴射量を
補正して空燃比を目標値に追従させるといった空燃比制
御、すなわち空燃比のフィードバック制御を行うように
している。なお、フィードバック補正値を中立値に固定
したときには、フィードバック制御は行われずオープン
ループ制御が行われることになる。なお、リニアO2
ンサは空気過剰率λが1より大きいとき領域においても
濃度を検出することができるが、λOセンサは基
本的には空気過剰率λが1より大きいか否かを検出する
だけである。
【0004】他面、自動車において燃料タンク内の空気
を直接大気中に排出すると大気汚染を招くとともに燃料
の損失となるので、自動車には通常、燃料タンクから排
出された空気に含まれる蒸発燃料を捕集(吸着)するキャ
ニスタが設けられる。そして、かかるキャニスタには、
該キャニスタ内に捕集されている蒸発燃料を適宜吸気系
にパージする蒸発燃料パージ手段が設けられる。かかる
蒸発燃料パージ手段には、普通、キャニスタと吸気系と
を接続するパージ通路と、該パージ通路を適宜開閉する
パージ制御弁とが設けられ、パージ制御弁が開かれたと
きにキャニスタ内の蒸発燃料が吸気系にパージ(キャニ
スタパージ)されるようになっている。
【0005】したがって、キャニスタパージが行われる
とキャニスタ内の蒸発燃料が吸気系に供給されることに
なるので、吸入空気量に応じた基本燃料噴射量で燃料噴
射を行っているとき(オープンループ制御時)にキャニス
タパージを行うと空燃比が目標値から大幅にずれてしま
う。そこで、フィードバック領域で空燃比のフィードバ
ック制御を行うようにしたエンジンでは、普通、フィー
ドバック制御時にキャニスタパージを行うようにしてい
る。
【0006】しかしながら、このように空燃比のフィー
ドバック制御時にキャニスタパージを行う場合、該キャ
ニスタパージによって吸気系に供給される蒸発燃料は空
燃比制御側からみれば外乱となり、キャニスタ内に蒸発
燃料がトラップされている場合、この外乱はフィードバ
ック補正値を中立値よりもリーン側に変化させることに
よってフィードバック動作により補償されることにな
る。そして、この場合、キャニスタパージによって吸気
系に供給される蒸発燃料の量(蒸発燃料パージ量)が一定
であり、かつエンジンが定常状態にあるときには、キャ
ニスタパージに起因する外乱はほぼ完全に補償されるも
のの、蒸発燃料パージ量が急変する際、例えばパージ制
御弁が閉状態から開状態に変化する際又は開状態から閉
状態に変化する際、あるいはパージ制御弁の前後差圧が
急変する際、あるいはキャニスタパージ時においてエン
ジンが過渡状態にあるとき例えば加減速時には、空燃比
の検出遅れ(タイムラグ)あるいはフィードバック動作の
遅れによりキャニスタパージに起因する外乱が十分には
補償されず、空燃比が目標値からずれてしまうといった
問題がある。かかる現象が生じるのは、およそ次のよう
な理由による。
【0007】すなわち、空燃比のフィードバック制御時
において、例えばパージ制御弁が閉状態から開状態にな
ったときには、蒸発燃料パージ量に応じて空燃比がリッ
チ化することになる。そして、かかる空燃比のリッチ化
は排気通路に臨設されたリニアO2センサ又はλO2セン
サによって検出された後、これに基づいてフィードバッ
ク補正値がリーン方向に変更されて上記空燃比のリッチ
化が是正されることになる。換言すれば、キャニスタパ
ージによって空燃比がリッチ化した場合、このリッチ化
がリニアO2センサ又はλO2センサによって実際に検出
されるまでは該空燃比のリッチ化は何ら是正されないこ
とになる(タイムラグ)。逆に、パージバルブが開状態か
ら閉状態になったときには空燃比がリーン化することに
なるが、この場合もキャニスタパージの停止によって空
燃比がリーン化した後、このリーン化がリニアO2セン
サ又はλO2センサによって実際に検出されるまでは該
空燃比のリーン化は何ら是正されないことになる(タイ
ムラグ)。
【0008】また、キャニスタパージ時においてエンジ
ンが過渡状態にあるとき、例えば加速時においては、パ
ージ制御弁の前後差圧が急低下するので、1回の吸入行
程で燃焼室に供給される蒸発燃料の量(蒸発燃料流入量)
ないしは該蒸発燃料流入量が全燃料流入量中に占める比
率が急低下して空燃比がリーン化し、他方減速時には空
燃比がリッチ化する。そして、かかる空燃比のリーン化
あるいはリッチ化も、これらがリニアO2センサ又はλ
2センサによって実際に検出されるまでは何ら是正さ
れないことになる(タイムラグ)。
【0009】このため、蒸発燃料パージ量の急変時ある
いはキャニスタパージ時においてエンジンが過渡状態に
あるときには、一時的に空燃比がリッチ化して燃料が無
駄に消費され燃費性能が低下するとともにHC排出量が
増加してエミッション性能が低下するなどといった問題
が生じたり、逆に空燃比がリーン化して十分なエンジン
出力が得られない場合があるなどといった問題が生じた
りする。
【0010】また、蒸発燃料パージ量の急増と急減とが
頻繁に繰り返されたとき、あるいはキャニスタパージ時
において加速と減速とが頻繁に繰り返されたときには、
前記のタイムラグ或いはフィードバック動作遅れにより
空燃比の是正が後手後手にまわりハンチングあるいはサ
イクリングが生じて空燃比のフィードバック制御の安定
性が悪くなるといった問題が生じる。
【0011】なお、蒸発燃料を空燃比フィードバック制
御の外乱として処理する場合、蒸発燃料パージ量が非常
に多いときには、これに起因する外乱を補償するために
フィードバック補正値がリーン側の限界値にはりついて
しまい、その他の外乱に対処することができなくなるお
それもある。
【0012】これに対して、蒸発燃料パージ量を検出
し、本来必要とされる最終的な燃料噴射量すなわちキャ
ニスタパージがない場合に必要とされる最終的な燃料噴
射量(以下、これを必要燃料噴射量という)を上記蒸発燃
料パージ量分だけ減量補正することにより、キャニスタ
パージの影響を空燃比のフィードバック制御から排除す
るといった対応、すなわちキャニスタパージによって吸
気系に供給される蒸発燃料を空燃比フィードバック制御
の外乱とはならないようにするといった対応が考えられ
るが、蒸発燃料パージ量を直接的に高精度で検出するこ
とができる実用的な手段は現時点では見当たらない。
【0013】そこで、間接的に蒸発燃料パージ量を推定
し、必要燃料噴射量を上記推定値分だけ減量補正するよ
うにしたエンジンが提案されている(例えば、特開平2
−245441号公報参照)。そして、このような従来
のエンジン、例えば特開平2−245441号公報に開
示されているエンジンでは、フィードバック補正値とそ
の中立値との差に基づいて蒸発燃料パージ量を推定する
ようにしている。なお、この従来のエンジンでは、蒸発
燃料パージ量の推定値をエンジン回転数で除算して1回
転当たりの蒸発燃料パージ量を算出し、基本燃料噴射量
をこの1回転当たりの蒸発燃料パージ量分だけ減量補正
するようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、蒸発燃料パージ量は、エンジンの運転状態の変化に
伴って非常に短い周期で変動する。例えば、吸入空気量
の変化、吸気圧の変化、エンジン回転数の変化等に伴っ
て非常に短い周期で変動する。他方、例えば特開平2−
245441号公報に開示されているような従来のエン
ジンでは、蒸発燃料パージ量をフィードバック補正値に
基づいて推定するようにしているが、前記したとおりフ
ィードバック補正値は、リニアO2センサ又はλO2セン
サによって検出される空燃比に基づいて演算される関係
上どうしてもタイムラグが伴われるので、エンジンの運
転状態の変化すなわち実際の蒸発燃料パージ量の変化の
周期が短いときには、蒸発燃料パージ量の推定精度が低
下し、ひいては空燃比の目標値からのずれを生じさせる
といった問題が生じる。
【0015】かかる従来の問題点と従来の技術とに鑑み
れば、蒸発燃料パージ量を高精度で把握することができ
れば、必要燃料噴射量を該蒸発燃料パージ量で減量補正
することにより、空燃比のずれを生じさせることなくキ
ャニスタパージを行うことができるものと考えられる。
そこで、本願発明者は、蒸発燃料パージ量、より正確に
は燃焼室に流入する蒸発燃料の流量(蒸発燃料流入量)を
高精度で把握することができる手段を見出だすことによ
り、上記の各問題点を解決しようと考えた。
【0016】そして、本願発明者は、キャニスタに捕集
されている蒸発燃料の量すなわち蒸発燃料捕集量の経時
変化はエンジンの運転状態の経時変化に比べれば非常に
緩やかであり、蒸発燃料捕集量は前記のタイムラグ程度
の時間内あるいは空燃比制御の1ルーチン実行時間内で
はほとんど変化しないといった事実に着目し、かかる蒸
発燃料捕集量に基づいて蒸発燃料パージ量を算出するこ
とができれば、空燃比検出におけるタイムラグにかかわ
りなく蒸発燃料パージ量ないしは蒸発燃料流入量を高精
度で把握することができ、ひいては必要燃料噴射量をこ
の蒸発燃料パージ量で減量補正することにより、空燃比
のずれを生じさせることなくキャニスタパージを行うこ
とができるであろうと考察した。
【0017】本発明は、上記考察結果に基づいて、上記
従来の各問題点を解決するためになされたものであっ
て、キャニスタの蒸発燃料捕集量を高精度で推定するこ
とができる手段を提供することを目的とする。そして、
キャニスタの蒸発燃料捕集量に基づいて、蒸発燃料パー
ジ量あるいは蒸発燃料流入量を高精度で算出することが
できる手段を提供することを目的とする。さらには、蒸
発燃料パージ量あるいは蒸発燃料流入量に基づいて、空
燃比の目標値に対するずれを生じさせることなくキャニ
スタパージを行うことができる手段を提供することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、図1にその構成を示すように、第1の発明は、空燃
比を検出する空燃比検出手段Aと、該空燃比検出手段A
によって検出された空燃比の目標値に対する偏差に基づ
いてフィードバック補正値を設定するフィードバック補
正値設定手段Bと、該フィードバック補正値設定手段B
によって設定されたフィードバック補正値に基づいて空
燃比(燃料供給手段の燃料供給量)を制御する空燃比制御
手段Cと、蒸発燃料を捕集する蒸発燃料捕集手段Dと、
該蒸発燃料捕集手段Dによって捕集されている蒸発燃料
を吸気系にパージする蒸発燃料パージ手段Eとが設けら
れているエンジンの蒸発燃料量推定装置であって、フィ
ードバック補正値設定手段Bによって設定されたフィー
ドバック補正値の平均値(平均フィードバック補正値)を
演算する平均フィードバック補正値演算手段Fと、該平
均フィードバック補正値演算手段Fによって演算された
平均フィードバック補正値に基づいて、蒸発燃料捕集手
段Dによって捕集されている蒸発燃料の量(蒸発燃料捕
集量)を推定する蒸発燃料捕集量推定手段Gと、該蒸発
燃料捕集量推定手段Gにより推定された蒸発燃料捕集量
からエンジンに吸入される蒸発燃料流入量を演算する蒸
発燃料流入量演算手段R'と、該蒸発燃料流入量演算手
段R'により演算された蒸発燃料流入量を必要燃料供給
量から減量する燃料供給量減量手段U'とが設けられて
いることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を提供する。
【0019】第2の発明は、第1の発明にかかる蒸発燃
料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定手段Gが、
平均フィードバック補正値演算手段Fによって演算され
た平均フィードバック補正値が中立値より小さいか否か
に応じて前回の蒸発燃料捕集量推定値を増減させて今回
の蒸発燃料捕集量を推定するようになっていることを特
徴とする蒸発燃料量推定装置を提供する。
【0020】第3の発明は、第2の発明にかかる蒸発燃
料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定手段Gが、
蒸発燃料捕集量推定値を増減させる補正量を、平均フィ
ードバック補正値が大きいときほど大きく設定するよう
になっていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を提
供する。
【0021】第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれ
か1つにかかる蒸発燃料量推定装置において、蒸発燃料
捕集量とフィードバック補正値との相関性が低い条件下
では、蒸発燃料捕集量推定手段Gによる蒸発燃料捕集量
の推定を禁止する蒸発燃料捕集量推定禁止手段Hが設け
られていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を提供
する。
【0022】第5の発明は、第4の発明にかかる蒸発燃
料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定禁止手段H
が、蒸発燃料の吸気系へのパージが停止されているとき
に、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値との相関性
が存在しない条件下であるとして蒸発燃料捕集量の推定
を禁止するようになっていることを特徴とする蒸発燃料
量推定装置を提供する。
【0023】第6の発明は、第4の発明にかかる蒸発燃
料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定禁止手段H
が、充填効率が所定値以上であるときに、蒸発燃料捕集
量とフィードバック補正値との相関性が低い条件下であ
るとして蒸発燃料捕集量の推定を禁止するようになって
いることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を提供する。
【0024】第7の発明は、第4の発明にかかる蒸発燃
料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定禁止手段H
が、吸気圧が所定値以下であるときに、蒸発燃料捕集量
とフィードバック補正値との相関性が低い条件下である
として蒸発燃料捕集量の推定を禁止するようになってい
ることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を提供する。
【0025】第8の発明は、第4の発明にかかる蒸発燃
料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定禁止手段H
が、空燃比のフィードバック制御が停止されているとき
に、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値との相関性
が存在しない条件下であるとして蒸発燃料捕集量の推定
を禁止するようになっていることを特徴とする蒸発燃料
量推定装置を提供する。
【0026】第9の発明は、第4の発明にかかる蒸発燃
料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定禁止手段H
が、蒸発燃料の吸気系へのパージが停止されている状態
と、吸入空気量が所定値以上である状態と、吸気圧が所
定値以下である状態と、空燃比のフィードバック制御が
停止されている状態のうちの少なくとも1つの状態が成
立しているときに、蒸発燃料捕集量とフィードバック補
正値との相関性が低い条件下であるとして蒸発燃料捕集
量の推定を禁止するようになっていることを特徴とする
蒸発燃料量推定装置を提供する。
【0027】第10の発明は、第1〜第9の発明のいず
れか1つにかかる蒸発燃料量推定装置において、平均フ
ィードバック補正値の絶対値が所定の限界値未満となっ
たときに、蒸発燃料捕集量推定手段Gによる蒸発燃料捕
集量の推定が完了しているものと判定する推定完了判定
手段Iが設けられていることを特徴とする蒸発燃料量推
定装置を提供する。
【0028】第11の発明は、第10の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置において、推定完了判定手段Iが、蒸
発燃料捕集量の推定が完了していると判定した後におい
て、蒸発燃料捕集量推定禁止手段Hによって蒸発燃料捕
集量の推定が所定期間以上継続して禁止されたときに
は、蒸発燃料捕集量の推定が完了しているとの判定を撤
回するようになっていることを特徴とする蒸発燃料量推
定装置を提供する。
【0029】第12の発明は、第1〜第11の発明のい
ずれか1つにかかる蒸発燃料量推定装置において、空燃
比制御手段Cが、フィードバック補正値が中立値となる
ように、制御出力特性を学習により補正するといった学
習機能を備えていて、蒸発燃料捕集量推定手段Gが、空
燃比制御手段Cの学習が終了した後で蒸発燃料捕集量を
推定するようになっていることを特徴とする蒸発燃料量
推定装置を提供する。
【0030】第13の発明は、第1〜第9の発明のいず
れか1つにかかる蒸発燃料量推定装置において、空気過
剰率λが1より大きい領域においてもO2濃度を検出す
ることができるリニアO2センサが、空燃比検出手段A
として設けられ、平均フィードバック補正値演算手段F
が、一定時間毎のフィードバック補正値の相加平均値又
は重み付けした加重平均値を、上記のフィードバック補
正値の平均値として演算するようになっていることを特
徴とする蒸発燃料量推定装置を提供する。
【0031】第14の発明は、第1〜第9の発明のいず
れか1つにかかる蒸発燃料量推定装置において、空気過
剰率λが1より大きいか否かを検出することができるλ
2センサが、空燃比検出手段Aとして設けられ、平均
フィードバック補正値演算手段Fが、フィードバック補
正値の加重平均値を、上記のフィードバック補正値の平
均値として演算するようになっていることを特徴とする
蒸発燃料量推定装置を提供する。
【0032】第15の発明は、図2にその構成を示すよ
うに、蒸発燃料を捕集する蒸発燃料捕集手段Dと、該蒸
発燃料捕集手段Dによって捕集されている蒸発燃料を吸
気系にパージする蒸発燃料パージ手段Eと、蒸発燃料捕
集手段Dによって捕集されている蒸発燃料の量(蒸発燃
料捕集量)を検出若しくは推定する蒸発燃料捕集量検出
手段Jと、該蒸発燃料捕集量検出手段Jによって検出若
しくは推定された蒸発燃料捕集量に基づいて、吸気系へ
の蒸発燃料のパージ流量(蒸発燃料パージ量)を算出する
蒸発燃料パージ量算出手段Kとが設けられていることを
特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御
装置を提供する。
【0033】第16の発明は、第1〜第14の発明のい
ずれか1つにかかる蒸発燃料量推定装置Lと、該蒸発燃
料量推定装置Lによって推定された蒸発燃料捕集量に基
づいて、吸気系への蒸発燃料のパージ流量(蒸発燃料パ
ージ量)を算出する蒸発燃料パージ量算出手段Kとが設
けられていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備
えたエンジンの制御装置を提供する。
【0034】第17の発明は、第15又は第16の発明
にかかる蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装
置において、蒸発燃料パージ量算出手段Kが、蒸発燃料
捕集手段Dから吸気系側に放出される蒸発燃料の流量
(蒸発燃料放出量)を算出する蒸発燃料放出量算出手段M
と、該蒸発燃料放出量算出手段Mによって算出された蒸
発燃料放出量に基づいて、燃焼室へ流入する蒸発燃料の
流量(蒸発燃料流入量)を算出する蒸発燃料流入量算出手
段Nとを備えていることを特徴とする蒸発燃料量推定装
置を備えたエンジンの制御装置を提供する。
【0035】第18の発明は、第17の発明に記載され
た蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置にお
いて、蒸発燃料放出量推定手段Mが、蒸発燃料パージ手
段Eの制御弁の開度と該制御弁の前後の差圧とに基づい
てパージ空気量を演算するパージ空気量演算手段Oと、
該パージ空気量演算手段Oによって演算されたパージ空
気量と、蒸発燃料捕集量とに基づいて蒸発燃料放出量を
演算する蒸発燃料放出量演算手段Pとを備えていること
を特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制
御装置を提供する。
【0036】第19の発明は、第18の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置におい
て、蒸発燃料流入量算出手段Nが、蒸発燃料捕集手段D
から燃焼室に至る蒸発燃料輸送経路の輸送遅れ特性を設
定する輸送遅れ特性設定手段Qと、蒸発燃料放出量演算
手段Pによって演算された蒸発燃料放出量と、エンジン
回転数と、輸送遅れ特性設定手段Qによって設定された
輸送遅れ特性とに基づいて蒸発燃料流入量を演算する蒸
発燃料流入量演算手段Rとを備えていることを特徴とす
る蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置を提
供する。
【0037】第20の発明は、第19の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置におい
て、蒸発燃料流入量算出手段Nが、蒸発燃料放出量演算
手段Pによって演算された蒸発燃料放出量とエンジン回
転数とに基づいて蒸発燃料の全燃料中に占める比率(蒸
発燃料比率)を演算する蒸発燃料比率演算手段Sを備え
ていて、蒸発燃料流入量演算手段Rが、蒸発燃料比率演
算手段Sによって演算された蒸発燃料比率と、輸送遅れ
特性設定手段Qによって設定された輸送遅れ特性とに基
づいて、蒸発燃料流入量の全燃料中に占める比率(正味
蒸発燃料比率)を演算するようになっていることを特徴
とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置
を提供する。
【0038】第21の発明は、第20の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置におい
て、パージ空気量演算手段Oと、蒸発燃料放出量演算手
段Pと、輸送遅れ特性設定手段Qと、蒸発燃料比率演算
手段Sと、蒸発燃料流入量演算手段Rとが、夫々、所定
のモデル式でもって出力値を演算又は設定するようにな
っていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えた
エンジンの制御装置を提供する。
【0039】第22の発明は、第15〜第21の発明の
いずれか1つにかかる蒸発燃料量推定装置を備えたエン
ジンの制御装置において、蒸発燃料捕集量の検出又は推
定が完了していないときには、蒸発燃料の吸気系へのパ
ージを規制するパージ規制手段Tが設けられていること
を特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制
御装置を提供する。
【0040】第23の発明は、第22の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置におい
て、パージ規制手段Tによる蒸発燃料のパージ規制が、
蒸発燃料の吸気系へのパージの禁止であることを特徴と
する蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置を
提供する。
【0041】第24の発明は、第22の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置におい
て、パージ規制手段Tが、アイドル時に蒸発燃料の吸気
系へのパージを禁止するようになっていることを特徴と
する蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置を
提供する。
【0042】第25の発明は、第22又は第24の発明
にかかる蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装
置において、パージ規制手段Tが、蒸発燃料捕集量の検
出又は推定が完了するまでは蒸発燃料のパージ速度を小
さくするようになっていることを特徴とする蒸発燃料量
推定装置を備えたエンジンの制御装置を提供する。
【0043】第26の発明は、第22又は第24の発明
にかかる蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装
置において、パージ規制手段Tが、蒸発燃料捕集量の検
出又は推定が完了するまでは蒸発燃料のパージ量を少な
くするようになっていることを特徴とする蒸発燃料量推
定装置を備えたエンジンの制御装置を提供する。
【0044】第27の発明は、第25の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置におい
て、パージ規制手段Tが、蒸発燃料パージ手段Eの制御
弁が閉弁状態から開弁状態に移行する際には、蒸発燃料
のパージ速度を目標値に達するまで徐々に増加させるよ
うになっていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を
備えたエンジンの制御装置を提供する。
【0045】第28の発明は、第15〜第27の発明の
いずれか1つにかかる蒸発燃料量推定装置を備えたエン
ジンの制御装置において、燃料供給手段の燃料供給量
を、必要燃料供給量から蒸発燃料流入量に応じた値を減
量して設定する燃料供給量減量手段Uが設けられている
ことを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジン
の制御装置を提供する。
【0046】第29の発明は、第28の発明にかかる蒸
発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置におい
て、燃料供給量減量手段Uが、必要燃料供給量から蒸発
燃料流入量を減量して燃料供給手段の燃料供給量を設定
するようになっていることを特徴とする蒸発燃料量推定
装置を備えたエンジンの制御装置を提供する。
【0047】第30の発明は、第17の発明にかかるエ
ンジンの制御装置において、蒸発燃料パージ量算出手段
Kが、蒸発燃料放出量に対して蒸発燃料捕集手段の脱気
特性を加味して、質量流量で蒸発燃料流入量を算出する
ようになっていることを特徴とするエンジンの制御装置
を提供する。
【0048】第31の発明は、第30の発明にかかるエ
ンジンの制御装置において、上記脱気特性が、蒸発燃料
捕集手段Dにおけるパージ空気量に対する蒸発燃料パー
ジ質量流量の吸気温依存性であることを特徴とするエン
ジンの制御装置を提供する。第32の発明は、第4の発
明にかかる蒸発燃料量推定装置において、蒸発燃料捕集
量推定禁止手段Hが、吸気圧が所定値以上であるとき
に、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値との相関性
が低い条件下であるとして蒸発燃料捕集量の推定を禁止
するようになっていることを特徴とする蒸発燃料量推定
装置を提供する。第33の発明は、第4の発明にかかる
蒸発燃料量推定装置において、蒸発燃料捕集量推定禁止
手段Hが、充填効率が所定値以下であるときに、蒸発燃
料捕集量とフィードバック補正値との相関性が低い条件
下であるとして蒸発燃料捕集量の推定を禁止するように
なっていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を提供
する。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図3は、本発明にかかる蒸発燃料推定装置及び制御装置
を備えたエンジンのシステム構成図である。図3に示す
ように、燃料噴射式の4気筒ガソリンエンジンCEの各
気筒1(1つの気筒のみ図示)においては、吸気弁2が開
かれたときに吸気ポート3から燃焼室4に混合気が吸入
され、この混合気がピストン5で圧縮された後点火プラ
グ(図示せず)によって着火・燃焼させられ、排気弁6が
開かれたときに燃焼ガス(排気ガス)が排気ポート7を介
して排気通路8に排出されるようになっている。排気通
路8には、排気ガス中のO2濃度を検出するリニアO2
ンサ9が臨設されている。そして、リニアO2センサ9
で検出されたO2濃度はコントロールユニットCUに入
力され、コントロールユニットCUではこのO2濃度に
基づいて混合気の空燃比を演算するようになっている。
ここで、リニアO2センサ9によって検出されるO2濃度
と該O2濃度に基づいて演算される空燃比とは一義的な
対応関係にあるので、以下では便宜上、上記空燃比を
「リニアO2センサ9によって検出された空燃比」又は「実
空燃比」ということにする。ここで、リニアO2センサ9
に代えて、λO2センサを用いてもよい。なお、リニア
2センサ9は、空気過剰率λが1より大きい領域でも
2濃度ひいては空燃比を検出することができるが、λ
2センサは基本的には空気過剰率λが1より大きいか
否かを検出するだけである。
【0050】エンジンCEの各気筒1(燃焼室4)に燃料
燃焼用の空気を供給するために吸気系10が設けられ、
この吸気系10には上流端が大気に開放された共通吸気
通路11が設けられている。そして、共通吸気通路11
にはアクセルペダル(図示せず)と連動して開閉されるス
ロットル弁12が介設され、共通吸気通路11の下流端
は吸入空気の流れを安定させるサージタンク13に接続
されている。さらに、サージタンク13には、各気筒1
に夫々個別に空気を供給する独立吸気通路14(1つの
み図示)が接続され、これらの各独立吸気通路14の下
流端は夫々対応する気筒1の吸気ポート3に接続されて
いる。
【0051】吸気ポート3近傍において各独立吸気通路
14には、吸気ポート3内ないしは燃焼室4内に燃料を
噴射する燃料噴射弁15が、噴射口が下流側に向くよう
にして臨設されている。ここで、燃料噴射弁15の燃料
噴射量(噴射パルス幅)及び噴射タイミングは、後で説明
するようにコントロールユニットCUによって制御され
るようになっている。なお、燃料噴射弁15は特許請求
の範囲に記載された「燃料供給手段」に相当する。
【0052】そして、燃料の気化・霧化を促進するため
に各燃料噴射弁15にアシストエアを供給するアシスト
エア供給手段16(以下、これをAMI16という)が設
けられている。このAMI16には、詳しくは図示して
いないが、上流端がスロットル弁12より上流側で共通
吸気通路11と連通するアシストエア導入通路17が設
けられ、このアシストエア導入通路17にはコントロー
ルユニットCUによって開閉されるソレノイド式のアシ
ストエア制御弁18が介設されている。なお、アシスト
エア制御弁18をバイパスしてアシストエアを通すバイ
パスアシストエア通路19が設けられ、このバイパスア
シストエア通路19には所定の圧力損失(圧力低下)を生
じさせ、流量を規制するためのオリフィス20が介設さ
れている。
【0053】アシストエア導入通路17の下流端はミキ
シングチャンバ21に接続され、このミキシングチャン
バ21にはさらにアシストエア供給通路22が接続され
ている。そして、アシストエア供給通路22は下流側で
4つの分岐アシストエア供給通路23に分岐し、各分岐
アシストエア供給通路23は夫々、その下流端で対応す
る気筒1の燃料噴射弁15に接続され、対応する燃料噴
射弁15に個別にアシストエアを供給するようになって
いる。
【0054】エンジンCEには、燃料タンク(図示せず)
から排出される空気に含まれる蒸発燃料(ガソリンベー
パ)を捕集する蒸発燃料捕集手段と、該蒸発燃料捕集手
段に捕集されている蒸発燃料を適宜吸気系10にパージ
する蒸発燃料パージ手段とを備えた蒸発燃料回収手段2
4が設けられているが、以下この蒸発燃料回収手段24
について説明する。この蒸発燃料回収手段24には、内
部に蒸発燃料を捕集(吸着)することができる吸着材(例
えば、活性炭)が充填されたキャニスタ25が設けられ
ている。そして、このキャニスタ25には、先端が燃料
タンクの上部空間部と連通し燃料タンク内の上部空間部
の空気を該キャニスタ25内にリリーフするリリーフ通
路26と、先端が大気に開放された大気開放通路27
と、先端がミキシングチャンバ21に接続されたパージ
通路28とが接続されている。なお、大気開放通路27
の先端をスロットル弁12よりも上流側で共通吸気通路
11に接続するようにしてもよい。また、キャニスタ2
5内に吸着材を充填するのではなく、吸着以外の現象
(例えば、吸収、反応等)を利用して蒸発燃料を捕集する
材料を充填してもよい(ただし、空気によるパージが可
能なもの)。なお、キャニスタ25は特許請求の範囲に
記載された「蒸発燃料捕集手段」に相当する。
【0055】パージ通路28にはこれを任意に開閉する
ことができるデューティソレノイド式のパージ制御弁2
9が介設され、このパージ制御弁29はコントロールユ
ニットCUによってその開度がデューティ制御されるよ
うになっている。このパージ制御弁29は、コントロー
ルユニットCUから印加される駆動デューティ比に従っ
て開閉制御され、例えば駆動デューティ比が0のときに
は全閉され、駆動デューティ比が100%のときには全
開され、両者間では駆動デューティ比が大きいときほど
開弁度合が大きくなるようになっている。なお、パージ
通路28とパージ制御弁29とからなる組立体は特許請
求の範囲に記載された「蒸発燃料パージ手段」に相当す
る。
【0056】そして、この蒸発燃料回収手段24におい
て、パージ制御弁29が全閉(駆動デューティ比0)され
ているときには燃料タンク内の空気はリリーフ通路26
を通してキャニスタ25内にリリーフされた後、大気開
放通路27を通して大気中に排出されるが、この空気に
含まれている蒸発燃料はキャニスタ25内の吸着材層を
通過する際に吸着材に捕集され、大気中には排出されな
い。
【0057】他方、パージ制御弁29が開かれていると
きには吸気系10の負圧によって、大気中の空気が、ま
ず大気開放通路27を通してキャニスタ25内に吸い込
まれて吸着材層を通り抜け、この後パージ通路28とA
MI16(ミキシングチャンバ21〜分岐アシストエア
供給通路23)とを通して吸気系10にひいては燃焼室
4にパージされる。ここで、パージ制御弁29の開弁度
合(すなわち、駆動デューティ比)に応じてパージされる
空気の流量(以下、これをパージ空気量という)が変化す
るのはもちろんである。そして、その際キャニスタ25
内の吸着材に捕集されている蒸発燃料の一部が吸着材か
ら離脱し、パージされた上記空気(以下、これをパージ
空気という)ともに吸気系10にひいては燃焼室4にパ
ージされる。なお、以下ではこのように吸気系10ひい
ては燃焼室4にパージされる蒸発燃料の流量を「蒸発燃
料パージ量」という。
【0058】しかしながら、キャニスタ25から燃焼室
4に至るパージ空気ないしは蒸発燃料の輸送経路はかな
りの容量を有しているので、キャニスタ25からパージ
通路28に放出された蒸発燃料が燃焼室4に実際に達す
るまでには、上記輸送経路の容積及び形状(輸送特性)に
相応する輸送遅れが伴われる。したがって、ある時刻に
おいて、キャニスタ25からパージ通路28に放出され
る蒸発燃料の流量(以下、これを蒸発燃料放出量という)
と、燃焼室4に実際に流入する蒸発燃料の流量(以下、
これを蒸発燃料流入量という)とは、定常状態にある特
別な場合を除けば通常は一致しない。このため、以下で
は蒸発燃料パージ量を、蒸発燃料放出量と蒸発燃料流入
量とに区別して説明することにする。なお、キャニスタ
25から燃焼室4に至るパージ空気ないしは蒸発燃料の
輸送経路の容積が非常に小さい場合は、輸送遅れを無視
することができるので蒸発燃料放出量と蒸発燃料流入量
とをとくには区別せず、蒸発燃料パージ量という概念を
用いてもとくには不具合は生じない。
【0059】ところで、図3に示すエンジンCEでは、
パージ通路28の下流端をミキシングチャンバ21に接
続し、キャニスタ25に捕集されている蒸発燃料をAM
I16を介して吸気系10にパージするようにしている
が、AMIが設けられていないエンジンの場合は、パー
ジ通路28の下流端を各独立吸気通路14に分岐して接
続すればよい。また、図4に示すように、AMIが設け
られていないエンジンCE'の場合は、パージ通路28
の下流端をサージタンク13に接続し、キャニスタ25
に捕集されている蒸発燃料を直接的に吸気系10にパー
ジするようにすれば、何ら不具合は生じない。なお、図
4において、図3と共通する部材には同一番号を付して
いる。
【0060】コントロールユニットCUは、特許請求の
範囲に記載された「フィードバック補正値設定手段」、
「空燃比制御手段」、「平均フィードバック補正値演算手
段」、「蒸発燃料捕集量推定手段」、「蒸発燃料捕集量推定
禁止手段」、「推定完了判定手段」、「蒸発燃料パージ量算
出手段」、「蒸発燃料放出量算出手段」、「蒸発燃料流入量
算出手段」、「パージ空気量演算手段」、「蒸発燃料放出量
演算手段」、「輸送遅れ特性設定手段」、「蒸発燃料流入量
演算手段」、「蒸発燃料比率演算手段」、「パージ規制手
段」、「燃料供給量減量手段」、「蒸発燃料量推定装置」及
び「空燃比検出手段(一部)」を含む、マイクロコンピュー
タで構成された、エンジンCE(エンジンCE'を含む、
以下でも同様)の総合的な制御装置であって、リニアO2
センサ9(あるいはλO2センサ)によって検出される空
燃比(実空燃比)、スロットル開度センサ31によって検
出されるスロットル開度、エアフローセンサ32によっ
て検出される吸入空気量、回転数センサ33によって検
出されるエンジン回転数、アイドルスイッチ34から出
力されるアイドル信号等を制御情報として、エンジンC
E(蒸発燃料回収手段24を含む)の各種制御、キャニス
タ25に捕集されている蒸発燃料の量(以下、これをト
ラップ量という)の推定、蒸発燃料放出量の算出(演
算)、蒸発燃料流入量の算出(演算)等を行うようになっ
ている。なお、トラップ量は特許請求の範囲に記載され
た「蒸発燃料捕集量」に相当する。
【0061】しかしながら、エンジンCEの一般的な制
御はよく知られており、またかかる一般的な制御は本発
明の要旨とするところでもないのでその説明を省略し、
以下では本発明の要旨に関連する、空燃比制御(燃料噴
射量制御)の制御方法と、キャニスタパージ制御の制御
方法と、トラップ量の推定方法と、蒸発燃料放出量の算
出方法(演算方法)と、蒸発燃料流入量の算出方法(演算
方法)とについてのみ説明する。
【0062】以下、図5を参照しつつコントロールユニ
ットCUの基本的な機能について説明する。図5に示す
ように、コントロールユニットCUは機能的にみれば、
空燃比制御(燃料噴射量制御)及びキャニスタパージ制御
を行うエンジン制御ブロックSLと、トラップ量の推定
を行うトラップ量推定ブロックSMと、トラップ量に基
づいて蒸発燃料放出量及び蒸発燃料流入量を演算する蒸
発燃料パージ量演算ブロックSNとに大別される。エン
ジン制御ブロックSLは、基本的には、空燃比が目標空
燃比となるように燃料噴射弁15の噴射パルス幅すなわ
ち燃料噴射量を運転状態に応じてフィードバック制御又
はオープンループ制御するとともに(空燃比制御)、キャ
ニスタパージを行うべき運転領域では運転状態に応じて
キャニスタパージを行う(キャニスタパージ制御)。
【0063】この空燃比制御においては、エンジンCE
の運転状態が所定のフィードバック領域(例えば、高負
荷領域と高回転領域を除いた領域)に入っていれば実空
燃比の目標空燃比に対する偏差(以下、これを空燃比偏
差という)に基づいてフィードバック制御が行われ、フ
ィードバック領域に入っていなければ空燃比偏差には基
づかないオープンループ制御が行われる。ここでの空燃
比のフィードバック制御の制御手法はおよそ次のとおり
である。すなわち、吸入空気量とエンジン回転数とに応
じて燃料噴射弁15の基本パルス幅すなわち基本燃料噴
射量が演算される(ベース演算)。
【0064】そして、他方では空燃比偏差(例えば、目
標空燃比−実空燃比)に基づいて、例えば空燃比偏差に
基づいて、フィードバック補正値cfbが演算される(ステ
ップS1)。ここで、フィードバック補正値cfbは、中立
値すなわち空燃比をいずれの方向にも補正しない中立的
な値が0とされ、cfb>0のときは空燃比(燃料噴射量)
をリッチ方向に補正し、cfb<0のときは空燃比(燃料噴
射量)をリーン方向に補正する。
【0065】そして、基本パルス幅とフィードバック補
正値cfbとに基づいて、例えば基本パルス幅にcfbを乗算
するなどして、基本パルス幅が空燃比偏差が縮小する方
向に補正されて要求パルス幅すなわち要求燃料噴射量が
演算される(ステップS2)。例えば、実空燃比が目標空
燃比よりもリーンなときにはcfb>0となり、これに伴
って燃料噴射量が増量補正され空燃比がリッチ方向に補
正されて空燃比偏差が縮小される。逆に、実空燃比が目
標空燃比よりもリッチなときにはcfb<0となり、これ
に伴って燃料噴射量が減量補正され空燃比がリーン方向
に補正されて空燃比偏差が縮小される。かくして、空燃
比偏差に応じて該空燃比偏差をなくすように空燃比(燃
料噴射量)がフィードバック制御される。なお、要求パ
ルス幅すなわち要求燃料噴射量は、特許請求の範囲に記
載された「必要燃料供給量」に相当する。
【0066】他方、空燃比のオープンループ制御が行わ
れる場合は、フィードバック補正値cfbが0に固定され
る。この場合は、基本パルス幅が空燃比偏差に応じては
何ら補正されずにそのまま要求パルス幅となるので、フ
ィードバックのないオープンループ制御となる。
【0067】さらに、要求パルス幅すなわち要求燃料噴
射量から、後で説明する蒸発燃料流入量に対応するパル
ス幅(以下、これをパージ補正パルス幅という)を減算し
て燃料噴射弁15の実際の噴射パルス幅(以下、これを
実噴射パルス幅という)すなわち実燃料噴射量(実際の燃
料噴射量)が演算される。そして、この実噴射パルス幅
すなわち実燃料噴射量でもって、所定のタイミングで燃
料噴射弁15から燃料が噴射される。かくして、実空燃
比が目標空燃比に保持される。
【0068】キャニスタパージ制御は、キャニスタパー
ジ条件が成立しているとき例えば水温が所定値(80
℃)以上のときに、よく知られた普通の手法でエンジン
CEの運転状態に応じて行われる、すなわち、パージ制
御弁29にエンジンCEの運転状態に応じたデューティ
比が印加され、キャニスタパージが行われる。
【0069】トラップ量推定ブロックSMは、キャニス
タパージ時に、エンジン制御ブロックSLのステップS
1で演算されたフィードバック補正値cfbを平均化処理
することにより平均フィードバック補正値cfbaveを演算
し(ステップS3)、さらにこの平均フィードバック補正
値cfbaveに基づいて間接的にトラップ量を推定する(ス
テップS4)。すなわち、平均フィードバック補正値cfb
aveを、現在把握しているトラップ量(トラップ量推定
値)が真のトラップ量よりも大きいか小さいかを判定す
る指標として用いることによりトラップ量を把握する。
【0070】後で説明するように、コントロールユニッ
トCUは、所定の演算式を用いてトラップ量推定値に基
づいて蒸発燃料流入量を演算し、さらに要求燃料噴射量
から蒸発燃料流入量を減算することによって実燃料噴射
量を設定するようにしている。ここで、トラップ量推定
値が正確であればすなわち真のトラップ量と一致してい
れば蒸発燃料流入量が正確に演算されるので、キャニス
タパージによって燃焼室4に供給される蒸発燃料はフィ
ードバック制御の外乱とはならずフィードバック補正値
cfbにとくには影響を与えない。この場合、ほかに大き
な外乱がなければフィードバック補正値cfbは中立値(す
なわち0)を中心にして若干変動するだけであり、した
がって平均フィードバック補正値cfbaveはほぼ中立値0
となる。換言すれば、平均フィードバック補正値cfbave
が0であれば、トラップ量推定値は真のトラップ量に一
致していることになる。
【0071】しかしながら、トラップ量推定値が真のト
ラップ量よりも大きいとこれに伴って蒸発燃料流入量演
算値が真値よりも大きくなり、したがって実燃料噴射量
が適正値よりも小さくなるので燃焼室4に実際に供給さ
れる燃料が必要とされる燃料量(要求燃料噴射量)よりも
少なくなり、実空燃比がリーン化する。この場合、この
リーン化を是正するためにフィードバック補正値cfbが
リッチ方向に変化して0より大きくなり、これに伴って
平均フィードバック補正値cfbaveが0より大きくなる。
換言すれば、cfbave>0であれば、トラップ量推定値は
真のトラップ量よりも大であるということになる。
【0072】なお、前記したとおりフィードバック補正
値cfbは変動するので、トラップ量推定値が真のトラッ
プ量より大であっても必ずしもcfb>0になるとは限ら
ず、したがってcfb>0であってもトラップ量推定値が
真のトラップ量よりも大であるとは限らない。したがっ
て、フィードバック補正値cfbに基づいてトラップ量を
推定した場合は、その推定精度は非常に低くなるものと
考えられる。かかる事情に鑑み、本実施例では平均フィ
ードバック補正値cfbaveに基づいてトラップ量を推定す
るようにしている。
【0073】逆に、トラップ量推定値が真のトラップ量
よりも小さいとこれに伴って蒸発燃料流入量演算値が真
値よりも小さくなり、したがって実燃料噴射量が適正値
よりも大きくなるので、燃焼室4に供給される燃料は必
要とされる燃料量よりも多くなり、実空燃比がリッチ化
する。この場合、このリッチ化を是正するためにフィー
ドバック補正値cfbがリーン方向に変化して0より小と
なり、これに伴って平均フィードバック補正値cfbaveが
0より小となる。換言すれば、cfbave<0であれば、ト
ラップ量推定値が真のトラップ量よりも小であるという
ことになる。
【0074】したがって、最初にトラップ量推定値に適
当な初期値を設定した上で、cfbave>0であればトラッ
プ量推定値を所定の補正量σだけ減らし、cfbave<0で
あればトラップ量推定値を補正量σだけ増やすといった
操作を繰り返せば、トラップ量推定値はやがて真のトラ
ップ量に収束(到達)し、トラップ量が把握されることに
なる。かくして、平均フィードバック補正値cfbaveに基
づいてトラップ量が推定される。
【0075】ここで、トラップ量推定値が真のトラップ
量にほぼ一致しているか否か、すなわちトラップ量の推
定がほぼ完了しているか否かは、平均フィードバック補
正値cfbaveの絶対値│cfbave│が所定の限界値ε以下で
あるか否かで判定するのが好ましい。│cfbave│が非常
に小さければ、トラップ量推定値が真のトラップにほぼ
一致していると考えられるからである。
【0076】このトラップ量の推定手法においては、ト
ラップ量ないしは蒸発燃料パージ量と、フィードバック
補正値cfbないしは平均フィードバック補正値cfbaveと
の間に、前記のような相関性(相関関係)が成立している
ことを前提としている。したがって、かかる相関性が低
い状況下あるいは相関性が存在しない状況下では、トラ
ップ量を高精度で推定することはできない。このため、
上記相関性が低い状況下あるいは相関性が存在しない状
況下では、トラップ量の推定を禁止するのが好ましい。
ここで、上記相関性が低い状況としては、後で説明する
ように、例えば充填効率や吸気圧が非常に高いとき、充
填効率や吸気圧が非常に低いとき等があげられる。ま
た、上記相関性が存在しない状況としては、例えばキャ
ニスタパージが停止されているとき、空燃比のフィード
バック制御停止されているとき(オープンループ制御時)
等があげられる。なお、上記相関性が低い状況あるいは
相関性がない状況がいくつか重複して存在するときにの
みトラップ量の推定を禁止するようにしてもよいのはも
ちろんである。
【0077】また、このトラップ量の推定手法において
は、蒸発燃料流入量が正確に把握されていれば、すなわ
ちキャニスタパージによる蒸発燃料の供給がフィードバ
ック補正値cfbに対して影響を与えなければ、フィード
バック補正値cfbが中立値0を中心にして変動し、した
がって平均フィードバック補正値cfbaveは中立値0にな
るということを前提としている。ところで、一般に、フ
ィードバック補正値cfbが平均的には中立値0となるよ
うに、制御出力特性すなわち燃料噴射弁の噴射特性を学
習により自動的に補正してゆくといった空燃比学習を行
うようにしたエンジンが広く用いられているが、かかる
空燃比の学習機能を備えたエンジンでトラップ量を推定
する場合は、かかる空燃比学習が終了してからトラップ
量の推定を行うのが好ましい。けだし、空燃比学習が終
了していれば、キャニスタパージの影響がない場合に
は、平均フィードバック補正値cfbaveが確実に中立値0
になるからである。
【0078】なお、このようにしてトラップ量の推定が
禁止されている期間がある程度以上継続されたときに
は、トラップ量推定値が真のトラップ量からずれている
おそれがあるので、すでにトラップ量の推定が完了して
いると判定されている場合でも該判定を撤回(リセット)
するのが好ましい。
【0079】上記補正量σが大きいときには、推定開始
後においてトラップ量推定値の収束に要する時間、すな
わちトラップ量を推定するのに要する時間を短くするこ
とができるものの、トラップ量推定値の精度が低下す
る。他方、補正量σが小さいときには、トラップ量推定
値の収束に要する時間は長くなるものの、トラップ量推
定値の精度を高めることができる。したがって、収束に
要する時間に対する要求と、トラップ量推定値の精度に
対する要求とが両立するように、補正量σを適切な値に
設定するのが好ましい。
【0080】なお、補正量σは一定値とする必要はな
く、トラップ量の推定中に変化させてもよい。例えば、
トラップ量の推定の進行状況に応じて変化させ、あるい
は平均フィードバック補正値cfbaveの値に応じて設定し
てもよい。例えば、トラップ量の推定開始時には補正量
σを大きくして収束を早め、トラップ量推定値がある程
度収束した後は補正量σを小さくしてトラップ量推定値
の精度を高めるようにしてもよい。また、平均フィード
バック補正値cfbaveが大きいときほど補正量σを大きく
すれば、トラップ量推定値が真のトラップ量からかけ離
れているときには収束を早めることができ、他方トラッ
プ量推定値が真のトラップ量に近いときにはその精度を
高めることができる。
【0081】蒸発燃料パージ量演算ブロックSNは、基
本的には、トラップ量推定ブロックSMのステップS4
で推定されたトラップ量推定値に基づいて蒸発燃料放出
量を演算し、さらにこの蒸発燃料放出量に基づいて蒸発
燃料流入量を演算し、この蒸発燃料流入量に相当する燃
料噴射弁15のパルス幅すなわちパージ補正パルス幅を
演算し、このパージ補正パルス幅をエンジン制御ブロッ
クSLに出力する。つまり、フィードフォワード制御
(見込み制御)により、タイムラグを生じさせることなく
ひいては空燃比のずれを生じさせることなく空燃比制御
に対するキャニスタパージの影響を補償することにな
る。より詳しくは、まずパージ通路28内におけるパー
ジ制御弁29の前後差圧すなわちパージ制御弁29の直
上流側と直下流側との間の圧力差(以下、これをパージ
制御弁前後差圧という)が演算される一方(ステップS
5)、パージ制御弁29に印加されている駆動デューテ
ィ比からパージ制御弁開度(パージSOL開度)が演算さ
れ(ステップS6)、続いてパージ制御弁前後差圧とパー
ジ制御弁開度とに基づいてパージ空気量(キャニスタ脱
気Air量)が演算される(ステップS7)。
【0082】ここで、パージ制御弁前後差圧は、吸気充
填効率に基づいて演算されるようになっているが、この
ようにする理由はおよそ次のとおりである。すなわち、
吸気圧はよく知られた手法で充填効率から演算すること
ができ、かつパージ制御弁29の直下流側の圧力は吸気
圧とほぼ同一である。他方、パージ制御弁29の直上流
側の圧力は実質的に一定値(大気圧)とみなすことができ
る。そして、パージ制御弁前後差圧はパージ制御弁29
の直上流側の圧力と直下流側の圧力の差、すなわち大気
圧と吸気圧との差である。したがって、充填効率に所定
の演算処理を施すことによりパージ制御弁前後差圧を得
ることができることになる。このようにすれば、吸気圧
センサを設ける必要がなくなり、吸気系10が簡素化さ
れる。なお、パージ制御弁29の直下流側の圧力を吸気
圧センサを用いて検出するようにしてもよいのはもちろ
んである。また、パージ制御弁前後差圧を直接検出する
差圧センサを設けてもよい。
【0083】パージ空気量は、パージ制御弁前後差圧と
パージ制御弁開度とに基づいて、よく知られた手法で演
算される。すなわち、一般に気体の密閉通路に介設され
た機器の前後差圧ΔPすなわち圧力損失と、該機器を流
通する気体の流速uとの間には、流体力学の分野でよく
知られていた一定の関数関係が成立する(例えば、ΔP
=k・u2)。したがって、前後差圧に基づいて該機器内に
おける気体の流速を演算することができる。そして、こ
の流速に該機器の流通断面積を乗算すれば該流路を流れ
ている気体の体積流量を得ることができる。したがっ
て、かかる一般原理に鑑みれば、本実施例においては、
パージ制御弁開度からパージ制御弁29の流通断面積を
容易に求めることができるので、パージ制御弁前後差圧
とパージ制御弁開度(駆動デューティ比)とに基づいてパ
ージ空気量(体積流量)を求めることができるわけであ
る。なお、パージ空気量を直接検出することができる流
量検出センサを設け、該流量検出センサでパージ空気量
を検出するようにしてもよい。
【0084】そして、ステップS7で演算されたパージ
空気量と、トラップ量推定値とに基づいて蒸発燃料放出
量(パージガス質量流量すなわち蒸発燃料の質量流量)が
演算される(ステップS8)。次に、エンジン回転数が計
測され(ステップS9)、このエンジン回転数とステップ
S8で演算された蒸発燃料放出量とに基づいてパージガ
ス比率が演算される(ステップS10)。ここで、パージ
ガス比率とは、キャニスタ25からパージ通路28に放
出された蒸発燃料が、必要とされる全燃料(要求燃料噴
射量)中に占める比率であって、蒸発燃料の燃焼への寄
与率をあらわしている。なお、パージガス比率は特許請
求の範囲に記載された「蒸発燃料比率」に相当する。
【0085】この後、キャニスタ25から燃焼室4に至
るパージ空気ないしは蒸発燃料の輸送経路(以下、これ
を蒸発燃料輸送経路という)の輸送遅れ特性(吸入空気量
モデル)を設定し(ステップS11)、続いてステップ1
0で演算されたパージガス比率とステップS11で設定
された吸入空気量モデルとに基づいて正味パージガス比
率が演算される(ステップS12)。この正味パージガス
比率は、燃焼室4に流入する蒸発燃料が、必要とされる
全燃料(要求燃料噴射量)中に占める比率、すなわち蒸発
燃料流入量が要求燃料噴射量中に占める比率である。し
たがって、燃料噴射弁15から噴射すべき燃料量は、要
求燃料噴射量に(1−正味パージガス比率)を乗算したも
のとなる。なお、正味パージガス比率は特許請求の範囲
に記載された「正味蒸発燃料比率」に相当する。
【0086】そして、ステップS12で演算された正味
パージガス比率(蒸発燃料流入量)に相当する燃料噴射弁
15のパルス幅すなわちパージ補正パルス幅が演算され
(ステップS13)、このパージ補正パルス幅が、前記の
エンジン制御ブロックSLに出力される。
【0087】以下、図7〜図14に示すフローチャート
に従って、適宜図3〜図6を参照しつつ、コントロール
ユニットCUによる各種制御の制御手法ないしは各種演
算の演算手法について説明する。まず、図7に示すフロ
ーチャート従って、該制御手法ないしは演算手法の全体
フローすなわちメインルーチンを説明する。このメイン
ルーチンにおいては、まずステップT1で初期化が行わ
れる。具体的には、トラップ量推定値trapと、空燃比学
習完了フラグxlrndと、トラップ量推定完了フラグxtrap
lrnと、トラップ量推定可能フラグxtlexとに夫々初期値
として0がセットされる。ここで、空燃比学習完了フラ
グxlrndは、空燃比学習が完了したときに1がたてられ
るフラグである。トラップ量推定完了フラグxtraplrn
は、トラップ量の推定が完了したときに1がたてられ、
トラップ量の推定の禁止が所定時間以上継続されたとき
に0にリセットされるフラグである。トラップ量推定可
能フラグxtlexは、トラップ量推定条件が成立したとき
に1がたてられ、上記トラップ量推定条件が不成立とな
ったときに0にリセットされるフラグである。
【0088】次に、ステップT2でエンジン回転数neが
演算され、続いてステップT3で充填効率ceが演算され
る。ここで、充填効率ceは、吸入空気量、エンジン回転
数ne、吸気温等に基づいてよく知られた手法で演算され
る。
【0089】この後、ステップT4〜ステップT8が順
に実行される。ここで、ステップT4〜T8は、夫々、
後で説明する各種サブルーチンを用いて実行される。具
体的には、ステップT4では、図11又は図12にその
フローチャートが示されているサブルーチンを用いて燃
料噴射量の演算が行われる。ステップT5では、図14
にそのフローチャートが示されているサブルーチンを用
いてパージ実行判定が行われる。ステップT6では、図
13にそのフローチャートが示されているサブルーチン
を用いてパージ量の演算が行われる。ステップT7で
は、図10にそのフローチャートが示されているサブル
ーチンを用いてトラップ量推定の実行判定が行われる。
ステップT8では、図8又は図9にそのフローチャート
が示されているサブルーチンを用いてトラップ量の演算
が行われる。この後、ステップT2に復帰する。
【0090】以下、各サブルーチンについて具体的に説
明する。まず、図8に示すフローチャートに従って適宜
図3〜図6を参照しつつ、メインルーチンのステップT
8で実行(起動)されるトラップ量演算サブルーチン、す
なわちコントロールユニットCUによるトラップ量の具
体的な推定手法を説明する。
【0091】このサブルーチンにおいては、まずステッ
プ#2で、所定のトラップ量推定条件が成立しているか
否か、すなわちエンジンCEの運転状態がトラップ量を
高精度で推定することが可能な状態にあるか否かが判定
される。ここでは、次の4つの条件がすべて成立してい
るときにはトラップ量推定条件が成立しているものと判
定するようにしている。 (1)キャニスタパージが行われていること (2)空燃比のフィードバック制御が行われていること (3)充填効率が所定値未満であること(図10中のステ
ップ#33参照) (4)空燃比学習が完了していること(図10中のステッ
プ#34参照) なお、上記(1)〜(4)に加えて、吸気圧が所定値以
下の時、トラップ量の推定が禁止できるように、吸気
圧、または吸気圧相当を求めることができる充填効率
が、上記(3)の所定値(上限値)より低い下限値(第
2の所定値)以上であることをトラップ量推定条件とし
ても良い。
【0092】換言すれば、キャニスタパージが停止され
ているとき、空燃比のフィードバック制御が停止されて
いるとき、充填効率が所定値以上であるとき、又は空燃
比学習が完了していないときには、トラップ量の推定を
禁止するようにしている。このようにする理由は、およ
そ次のとおりである。すなわち、前記したとおり、キャ
ニスタパージ又はフィードバック制御が停止されている
ときは、トラップ量とフィードバック補正値ないしは平
均フィードバック補正値との間に相関性が存在せず、し
たがってトラップ量を推定することができないのでトラ
ップ量の推定を禁止するようにしている。充填効率ない
し吸気圧が非常に高いときには、パージ制御弁前後差圧
が非常に小さくなるとともに吸気脈動が激しくなりフィ
ードバック補正値が変動し、このためパージ空気量を高
精度で演算することができなくなるので、トラップ量の
推定を禁止するようにしている。また、充填効率ないし
吸気圧が非常に低いときには、パージ制御弁前後差圧が
大きくなりすぎパージ空気量を高精度で演算することが
できなくなるので、トラップ量の推定を禁止するように
している。さらに、空燃比学習が完了した後でトラップ
量の推定を行うようにしているのは、前記したとおり、
空燃比学習が完了した後はトラップ量の推定精度が非常
に高くなるからである(段落0075参照)。
【0093】かくして、ステップ#2でトラップ量推定
条件が成立していると判定された場合は(YES)、ステ
ップ#3でトラップ量推定可能フラグxtlexに1がたて
られるとともに、トラップ量推定禁止カウンタctに初期
値ct0がセットされる。トラップ量推定禁止カウンタct
は、トラップ量推定条件が不成立となってトラップ量の
推定が禁止されている期間(時間)をカウントするための
カウンタである。
【0094】続いて、ステップ#4で、次の式1により
平均フィードバック補正値cfbaveが演算されるととも
に、平均フィードバック補正値cfbaveの演算回数をカウ
ントするための演算回数カウンタPが1だけインクリメ
ントされる(P=P+1)。すなわち、リニアO2センサ
9を用いたこのエンジンでは、一定時間毎のフィードバ
ック補正値の相加平均値が平均フィードバック補正値cf
baveとされている。
【数1】 cfbave=Σ(k=0→n−1)[cfb(i−k)]/n……………………………式1 cfbave:平均フィードバック補正値 cfb(i):今回のフィードバック補正値 cfb(i−k):k回前のフィードバック補正値 n:平均化処理されるcfbのサンプル数 なお、式1において、Σ(k=α→β)[f(k)]は、関数f
(k)の、k=αからk=βまでのシグマ演算(Σ)をあらわ
すものとする。
【0095】次に、ステップ#5で演算回数カウンタP
が所定の設定値P0以上であるか否かが判定され、P<
0であると判定された場合は(NO)、以下の全ステッ
プをスキップし、すなわちトラップ量の推定を行わずに
ステップ#2に復帰する。このトラップ量演算サブルー
チンでは、演算回数カウンタPのカウント値が設定値P
0未満の場合は、平均フィードバック補正値cfbaveがま
だ十分には安定していないものと考えられるので(フィ
ードバック補正値cfbの変動の影響が残っている)トラッ
プ量の推定を行わないようにしている。
【0096】他方、ステップ#5でP≧P0であると判
定された場合は(YES)、ステップ#6で平均フィード
バック補正値cfbaveの絶対値│cfbave│が所定の限界値
ε以上であるか否かが判定される。ここでは│cfbave│
<εであればトラップ量の推定が完了しているものと判
定し、この場合はトラップ量推定値が真のトラップ量と
ほぼ一致しているものと考えられるので、この現時点に
おけるトラップ量推定値trapを変化させずにそのまま保
持するようにしている。例えば、図15に模式的に示す
ように、真のトラップ量がa2である場合、トラップ量推
定値trapがa1〜a3の範囲内に入ったときにトラップ量の
推定が完了しているものと判定されることになる。な
お、図15においてグラフG1は│cfbave│をあらわし
ている。また、trap>a2の範囲内ではcfbave>0であ
り、trap<a2の範囲内ではcfbave<0である。他方、│
cfbave│≧εであれば平均フィードバック補正値cfbave
が0以下であるか又は0より大きいかに応じてトラップ
量推定値trapを補正量σだけ増加又は減少させ、トラッ
プ量推定値trapを真のトラップ量に近付けるようにして
いる。なお、補正量σの設定方法は前に説明したとおり
である(段落0077、段落0078参照)。
【0097】具体的には、ステップ#6で│cfbave│<
εであると判定された場合は(NO)、ステップ#10で
トラップ量推定完了フラグxtraplrnに1がたてられる。
他方、ステップ#6で│cfbave│≧εであると判定され
た場合は(YES)、ステップ#7でcfbaveが0以下であ
るか否かが判定される。ここで、cfbave≦0であると判
定された場合は(YES)ステップ#8でトラップ量推定
値trapが補正量σだけ増やされ(trap=trap+σ)、他方
cfbave>0であると判定された場合は(NO)ステップ#
9でトラップ量推定値trapが補正量σだけ減らされる(t
rap=trap−σ)。
【0098】ところで、前記のステップ#2でトラップ
量推定条件が成立していないと判定された場合は(N
O)、ステップ#11でトラップ量推定禁止カウンタct
が1だけデクリメントされてトラップ量の推定が禁止さ
れている期間(時間)のカウントが開始されるとともに(c
t=ct−1)、演算回数カウンタPが0にリセットされる
(P=0)。
【0099】次に、ステップ#12でトラップ量推定禁
止カウンタctが0以下であるか否か、すなわちトラップ
量の推定が禁止された後所定期間ct0が経過したか否か
が判定され、ct≦0であると判定された場合は(YE
S)、すでにct0を経過しているのでステップ#13でト
ラップ量推定完了フラグxtraplrnが0にリセットされ
る。この場合は、前記したとおり、トラップ量推定値tr
apが真のトラップ量からずれているおそれがあるので、
トラップ量推定完了フラグxtraplrnをリセットするよう
にしている。他方、ステップ#12でct>0であると判
定された場合は(NO)、まだct0を経過していないので
ステップ#13をスキップする。
【0100】図16に、かかるトラップ量推定ルーチン
が実行された場合において、時刻t1でキャニスタパージ
が開始されたときの、パージ制御弁29に印加される駆
動デューティ比dpg(グラフG2)、フィードバック補正値
cfb(グラフG3)、平均フィードバック補正値cfbave(グ
ラフG4)及びトラップ量推定値trap(グラフG5)の経時
変化の一例を示す。図16から明らかなとおり、トラッ
プ量推定値trapは時刻t1から推定が開始され、まもなく
一定値に収束している。このようにして、トラップ量が
高精度で推定される。
【0101】この図8に示すトラップ量演算サブルーチ
ンでは、ステップ#4で、前記したとおり、一定時間毎
のフィードバック補正値cfbの相加平均が平均フィード
バック補正値cfbaveとされているが、このようにせず、
次の式2を用いてフィードバック補正値cfbを重み付け
した加重平均値すなわちなまし値を求め、この加重平均
値を平均フィードバック補正値cfbaveとしてもよい。
【数2】 cfbave=α・cfb(i)+(1−α)・cfb(i−1)…………………………式2 α;重み係数 cfbave:平均フィードバック補正値 cfb(i):今回のフィードバック補正値 cfb(i−1):前回のフィードバック補正値
【0102】ここで、O2センサとしてλO2センサを用
いる場合は、かかる加重平均値を平均フィードバック補
正値cfbaveとするのが好ましい。図9に、このように加
重平均をとることにより平均フィードバック補正値cfba
veを演算する場合のトラップ量演算サブルーチンのフロ
ーチャートを示す。なお、図9に示すフローチャート
は、ステップ#4'を除けば図8に示すフローチャート
と同一である。
【0103】図20に、リニアO2センサを用いたエン
ジンにおいて、フィードバック補正値cfbの相加平均値
を平均フィードバック補正値cfbaveとした場合の(図8
中のステップ#4参照)、フィードバック補正値cfb(グ
ラフM1)及び平均フィードバック補正値cfbave(グラフ
2)の、時間に対する変化特性を示す。図20から明ら
かなとおり、リニアO2センサを用いてフィードバック
補正値cfbの相加平均値を平均フィードバック補正値cfb
aveとした場合は、精度の高い平均フィードバック補正
値cfbaveが得られる。
【0104】また、図21に、λO2センサを用いた場
合において、フィードバック補正値cfbの加重平均値す
なわちなまし値を平均フィードバック補正値cfbaveとし
た場合の(図9中のステップ#4'参照)、フィードバッ
ク補正値cfb(グラフM3)及び平均フィードバック補正値
cfbave(グラフM4)の時間に対する変化特性を示す。図
21から明らかなとおり、λO2センサを用いてフィー
ドバック補正値cfbの加重平均値を平均フィードバック
補正値cfbaveとした場合は、過渡時において応答遅れの
少ない平均フィードバック補正値cfbaveが得られる。な
お、PID制御では、反転値サンプルの相加平均値(グ
ラフM5)は、応答遅れが大きくなる。
【0105】ところで、コントロールユニットCUが空
燃比の学習機能を備えている場合は、前に説明したとお
り、空燃比学習が終了した後でトラップ量の推定を行う
のが好ましい。なお、空燃比学習が終了した後でトラッ
プ量の推定を行う場合の利点は前に説明したとおりであ
る(段落0075参照)。
【0106】以下、図10に示すフローチャートに従っ
て、適宜図3〜図6を参照しつつ、メインルーチンのス
テップT7で実行(起動)されるトラップ量推定実行判定
サブルーチン、すなわち空燃比の学習機能を備えている
場合の好ましいトラップ量の推定手法を説明する。この
サブルーチンでは、基本的にはアイドル時において所定
の空燃比学習条件が成立しているときに空燃比学習を行
う一方、該空燃比学習が終了した後において所定のトラ
ップ量推定条件が成立しているときにトラップ量の推定
を行うようにしている。
【0107】具体的には、図10に示すように、まずス
テップ#22でアイドル判定フラグxidlが1であるか否
かが判定される。アイドル判定フラグxidlは、エンジン
CEがアイドル状態にあるときには1がたてられ、非ア
イドル状態にあるときには0にリセットされるフラグで
ある。ここで、xidl=1であると判定された場合は(Y
ES)、ステップ#23〜ステップ#29の空燃比学習
を行うためのアイドル時用ルーチンが実行される。他
方、xidl≠1(xidl=0)であると判定された場合は(N
O)、ステップ#30で空燃比学習実行カウンタclrnと
アイドル継続時間カウンタtidlとが夫々0にリセットさ
れた後、後で説明するステップ#31が実行されること
になる。
【0108】アイドル時用ルーチンが実行される場合
は、まずステップ#23とステップ#24とで、順に、
空燃比フィードバック制御実行フラグxfbが1であるか
否かと、アイドル継続時間カウンタtidlが所定値αを超
えているか否かとが判定される。ここで、空燃比フィー
ドバック制御実行フラグxfbは空燃比のフィードバック
制御が行われているときには1がたてられ、フィードバ
ック制御が行われていないとき(オープンループ制御時)
には0にリセットされるフラグである。また、アイドル
継続時間カウンタtidlは、アイドル時におけるアイドル
運転開始後の経過時間をカウントするためのカウンタで
ある。
【0109】このトラップ量推定実行判定サブルーチン
では、アイドル時における空燃比のフィードバック制御
時において、アイドル運転継続時間が所定期間α以下の
場合は、エンジンCEが安定したアイドル状態に達して
いないものと考えられるので、空燃比学習を行わないよ
うにしている。かくして、ステップ#23でxfb≠1(xf
b=0)であると判定された場合は(NO)、空燃比学習を
行うことができないので、ステップ#24〜ステップ#
29は実行されず、前記のステップ#30で空燃比学習
実行カウンタclrnとアイドル継続時間カウンタtidlとが
夫々0にリセットされた後、ステップ#31が実行され
る。
【0110】また、ステップ#23でxfb=1であると
判定された場合(YES)、すなわちフィードバック制御
時であっても、ステップ#24でtidl≦αであると判定
された場合は(NO)、やはり空燃比学習を行うことがで
きないので、ステップ#28で、アイドル継続時間カウ
ンタtidlが1だけインクリメントされた後(tidl=tidl
+1)、ステップ#31が実行される。
【0111】他方、ステップ#24でtidl>αであると
判定された場合は(YES)、ステップ#25で空燃比学
習実行カウンタclrnが所定値β未満であるか否かが判定
される。空燃比学習実行カウンタclrnは、アイドル運転
開始後において空燃比学習が実行された回数をカウント
するためのカウンタである。ここでは、空燃比学習の実
行回数が所定値β以上となったときに空燃比学習が終了
しているものと判定するようにしている。
【0112】かくして、ステップ#25でclrn<βであ
ると判定された場合は(YES)、まだ空燃比学習が終了
していないのでステップ#26で空燃比学習が継続さ
れ、続いてステップ#27で空燃比学習実行カウンタcl
rnが1だけインクリメントされ(clrn=clrn+1)、この
後ステップ#31が実行される。なお、空燃比学習は、
空燃比偏差が0のときにはフィードバック補正値cfbが
平均的には中立値0となるように、燃料噴射弁15の噴
射特性を変化させるなどといった普通の手法で行われ
る。
【0113】他方、ステップ#25でclrn≧βであると
判定された場合は(NO)、空燃比学習が終了しているの
でステップ#29で空燃比学習完了フラグxlrndに1が
たてられ、この後ステップ#31が実行される。
【0114】かくして、ステップ#31〜ステップ#3
4では、トラップ推定条件が成立しているか否かが判定
される。ここでは、次の4つの条件がすべて成立してい
るときには、トラップ量推定条件が成立しているものと
判定し、これらのうちのいずれか1つでも不成立であれ
ばトラップ量推定条件が不成立であると判定するように
している。 (1)キャニスタパージが行われていること (2)空燃比のフィードバック制御が行われていること (3)充填効率(または吸気圧)が所定値未満であること (4)空燃比学習が完了(終了)していること これらの4つの条件(1)〜(4)を設ける理由は、図8に
フローチャートを示している前記のトラップ量演算サブ
ルーチンのステップ#2の場合と同様である。なお、上
記(1)〜(4)に加えて、吸気圧が所定値以下の時、
トラップ量の推定が禁止できるように、吸気圧、または
吸気圧相当を求めることができる充填効率が、上記
(3)の所定値(上限値)より低い下限値(第2の所定
値)以上であることをトラップ量推定条件としても良
い。
【0115】具体的には、ステップ#31〜ステップ#
34の4つのステップで、順に、パージ実行フラグxpg
が1であるか否かすなわちキャニスタパージが行われて
いるか否かと、空燃比フィードバック制御実行フラグxf
bが1であるか否かすなわち空燃比のフィードバック制
御が行われているか否かと、充填効率ceが所定値γ未満
であるか否かと、空燃比学習完了フラグxlrndが1であ
るか否かすなわち空燃比学習が終了しているか否かとが
判定される。
【0116】ここで、xpg=1であり、xfb=1であり、
ce<γであり、かつxlrnd=1であると判定された場合
(ステップ#31〜ステップ#34がすべてYES)、す
なわちトラップ量推定条件が成立していると判定された
場合は、ステップ#35でトラップ量が推定される。な
お、トラップ量の具体的な推定方法は、図6にフローチ
ャートを示すトラップ量演算サブルーチンの場合と同様
である。
【0117】他方、xpg=0であるか、xfb=0である
か、ce≧γであるか、又はxlrnd=0であると判定され
た場合は(ステップ#31〜ステップ#34のいずれか
1つがNO)、トラップ量推定条件が成立していないの
で、ステップ#35をスキップする。このように、図1
0にフローチャートを示すこのトラップ量推定手法によ
れば、空燃比学習が終了した後でトラップ量が推定され
るので、トラップ量の推定精度が大幅に高められる。
【0118】以下、図11に示すフローチャートに従っ
て、適宜図3〜図6を参照しつつ、メインルーチンのス
テップT4で実行(起動)される燃料噴射量演算サブルー
チン、すなわちコントロールユニットCUによるパージ
ガス比率(蒸発燃料放出量)及び正味パージガス比率(蒸
発燃料流入量)の演算手法と、空燃比制御(燃料噴射量制
御)の制御手法とについて具体的に説明する。この燃料
噴射量演算サブルーチンでは、ステップ#41〜ステッ
プ#47が順に実行される。ステップ#41では、パー
ジ制御弁前後差圧テーブルtable1を検索することによ
り、吸気充填効率ceに基づいてパージ制御弁前後差圧dp
が演算される。ここでsipol(table1,ce)は、ceを独立
変数としdpを従属変数とする所定の関数関係をあらわす
table1において、あるceに対応するdpを意味する。パ
ージ制御弁前後差圧テーブルtable1は、吸気充填効率c
eとパージ制御弁前後差圧dpとの間の関数関係をあらわ
すテーブルである。吸気充填効率ceに基づいてパージ制
御弁前後差圧dpを演算することができる所以は前に説明
したとおりである(段落0080参照)。なお、パージ制
御弁前後差圧dpを、このようなテーブル検索によるので
はなく、ceとdpの関係をあらわす関数f1(ce)を用いて直
接的に演算するようにしてもよい(dp=f1(ce))。
【0119】ステップ#42では、パージ空気量マップ
map1を検索することにより、パージ制御弁前後差圧dp
とパージ制御弁29に印加される駆動デューティ比dpg
とに基づいてパージ空気量qpgが演算される。ここでsma
p(map1,dpg,dp)は、dpg及びdpを独立変数としqpgを従
属変数とする所定の関数関係をあらわすmap1におい
て、あるdpg及びdpに対応するqpgを意味する。パージ空
気量map1は、駆動デューティ比dpg、パージ制御弁前後
差圧dp及びパージ空気量qpgの相互間の関数関係をあら
わすマップである。駆動デューティ比dpgとパージ制御
弁前後差圧dpとに基づいてパージ空気量qpgを演算する
ことができる所以は前に説明したとおりである(段落0
081参照)。なお、パージ空気量qpgを、このようなマ
ップ検索によるのではなく、dpg、dp及びqpgの相互関係
をあらわす関数f2(dpg,dp)を用いて直接的に演算するよ
うにしてもよい(qpg=f2(dpg,dp))。
【0120】ステップ#43では、蒸発燃料放出量マッ
プmap2を検索することにより、パージ空気量qpgとトラ
ップ量trapとに基づいて蒸発燃料放出量gpgが演算され
る。ここでsmap(map2,qpg,trap)は、qpg及びtrapを独
立変数としgpgを従属変数とする所定の関数関係をあら
わすmap2において、あるqpg及びtrapに対応するgpgを
意味する。パージ空気量map2は、パージ空気量qpg、ト
ラップ量trap及び蒸発燃料放出量gpgの相互間の関数関
係をあらわすマップである。図17に、蒸発燃料放出量
gpgの、パージ空気量qpg及びトラップ量trapに対する依
存特性の一例を示す。蒸発燃料放出量マップmap3は、
例えば図17に示すような関数関係をマップ化したもの
である。なお、蒸発燃料放出量gpgを、このようなマッ
プ検索によるのではなく、qpg、trap及びgpgの相互関係
をあらわす関数f3(gpg,trap)を用いて直接的に演算する
ようにしてもよい(gpg=f3(qpg,trap))。
【0121】ステップ#44では、次の式3によりパー
ジガス比率cpgoが演算される。
【数3】 cpgo=Ys・120/(γ0・Vc)・gpg/ne…………………………式3 cpgo:パージガス比率 Ys:吸入空気量を燃料噴射量に換算するための換算係数 γ0:密度 Vc:シリンダ有効容積 gpg:蒸発燃料放出量 ne:エンジン回転数[r.p.m.] なお、式3において、120/(γ0・Vc・ne)は、単位
時間(秒)当たりの燃焼室4への吸入空気量(質量流量)の
逆数であり、したがってこれに換算係数Ysを乗算した
Ys・120/(γ0・Vc・ne)は単位時間あたりの要求
燃料噴射量の逆数である。したがって、パージガス比率
cpgoは、蒸発燃料放出量を要求燃料噴射量で除算した
値、すなわち蒸発燃料放出量の全燃料流量に対する比率
である。
【0122】ステップ#45では、次の式4により正味
パージガス比率cpgが演算される。
【数4】 cpg=λ・cpg+(1−λ)・cpgo………………………………………式4 cpg:正味パージガス比率 λ:一次フィルタ係数(0<λ<1) cpgo:パージガス比率 式4は蒸発燃料輸送経路の輸送遅れ特性をあらわすモデ
ル式である。エンジンCEの吸気系10、AMI16及
びパージ通路28の形状に応じて好ましく一次フィルタ
係数λを設定することにより、式4を用いて正味パージ
ガス比率cpg(蒸発燃料流入量)を正確に演算することが
できる。
【0123】ステップ#46では、次の式5により実パ
ルス幅ta(実燃料噴射量)すなわち燃料噴射弁15から実
際に噴射すべき燃料噴射量が演算される。
【数5】 ta=K・ (ce・ctotal−cpg)……………………………………式5 ta:実パルス幅 K:換算係数 ce:吸気充填効率 ctotal:補正係数 式5において、K・ce・ctotalは要求パルス幅(要求燃
料噴射量)すなわち燃焼室4で実際に必要とされる燃料
量をあらわしている。また、k・cpgはパージによる供給
燃料量を噴射パルス幅相当に換算したものである。した
がって、式5では燃料噴射弁15から実際に噴射すべき
燃料量(実燃料噴射量)に対応する噴射パルス幅すなわち
実パルス幅taが演算されることになる。
【0124】ステップ#47では、ステップ#46で演
算された実パルス幅taで燃料噴射弁15から燃料が噴射
され、この後ステップ#41に復帰する。このようにし
て燃焼室4には、キャニスタパージを行っているときで
も、運転状態に応じて必要とされる量の燃料が正確に供
給され、空燃比制御(燃料噴射量制御)の制御精度が高め
られ、実空燃比が目標値に保持される。この場合、運転
状態に応じて要求燃料噴射量を決定するプロセスすなわ
ち空燃比制御本体はフィードバック制御であるが、要求
燃料噴射量から蒸発燃料流入量を差し引いてキャニスタ
パージによる影響を排除するプロセスはフィードフォワ
ード制御である。したがって、正味パージガス比率ない
しは蒸発燃料流入量の演算にはタイムラグが伴われな
い。このため、キャニスタパージに起因する実空燃比の
目標値に対するずれは生じない。図18に、かかる制御
が行われた場合において時刻t2でキャニスタパージが開
始されたときの、駆動デューティ比dpg(グラフH1)、パ
ージガス比率cpgo(グラフH2)、正味パージガス比率cpg
(グラフH3)及び実パルス幅ta(グラフH4)の時間に対す
る変化特性の一例を示す。
【0125】このように、エンジンCEにおいては、ト
ラップ量を推定し、該トラップ量に基づいて蒸発燃料流
入量(正味パージガス比率)を正確に演算し、要求燃料噴
射量から蒸発燃料流入量を差し引いて実燃料噴射量を設
定するようにしているので、キャニスタパージによって
吸気系10ないしは燃焼室4に流入する蒸発燃料が空燃
比のフィードバック制御の外乱とはならない。このた
め、トラップ量の推定が完了しているときにはキャニス
タパージによっては空燃比の目標値に対するずれは生じ
ない。しかしながら、トラップ量の推定が完了していな
いときすなわちトラップ量推定完了フラグxtraplrnが0
であるときには、正味パージガス比率ないしは蒸発燃料
流入量が正確には把握されない。したがって、トラップ
量の推定が完了していないときには、キャニスタパージ
を規制するのが好ましい。
【0126】かかるキャニスタパージの具体的な規制方
法としては、例えば次のようなものが考えられる。すな
わち、トラップ量の推定が完了するまでは、キャニスタ
パージを禁止し、あるいはパージ速度(パージ空気量)を
小さくするようにしてもよい。なお、キャニスタパージ
を禁止する場合は、該禁止をアイドル時のみとしてもよ
い。また、パージ制御弁29が閉状態から開状態に変化
してキャニスタパージが開始される際には、燃焼室4へ
の燃料供給特性の急変を防止するために、パージ制御弁
29の駆動デューティ比(パージ空気量)を、運転状態に
応じて設定される目標駆動デューティ比まで一挙に増加
させるのではなく、徐々に増加させるのが好ましい。そ
して、このように駆動デューティ比を目標駆動デューテ
ィ比に達するまで徐々に増加させるようにした場合にお
いて、トラップ量の推定が完了していないときにはキャ
ニスタパージ開始時における駆動デューティ比の増加速
度を小さくするのが好ましい。つまり、トラップ量の推
定が完了しているときには駆動デューティ比の増加速度
を大きくし、トラップ量の推定が完了していないときに
は駆動デューティ比の増加速度を小さくすることにな
る。
【0127】ところで、燃料噴射量演算サブルーチンに
おいては、パージ空気量qpg及びトラップ量trapだけで
はなく、さらにキャニスタの25の脱気特性をも加味し
て蒸発燃料放出量gpgを演算するようにしてもよい。こ
こで、上記脱気特性としては、例えば、パージ空気によ
ってキャニスタ25からパージされる燃料の質量流量
(パージ質量流量)の吸気温依存性等を用いるのが好まし
い。なお、図22に、トラップ量を一定とした場合にお
ける、パージ質量流量の吸気温依存性の一例を示す。
【0128】また、図6に、図22に示すようなパージ
質量流量の吸気温依存性を考慮した場合における、制御
システムの一例を示す。この図6に示す制御システム
は、ステップS8でパージガス質量流量を演算する際
に、吸気温ないしは吸気温依存性を考慮する点を除け
ば、前記の図5に示す制御システムと同様である。さら
に、図12に、図22に示すようなパージ質量流量の吸
気温依存性を考慮した場合における燃料噴射量演算サブ
ルーチンのフローチャートを示す。この図12に示す燃
料噴射量演算サブルーチンは、ステップ#43aと、ス
テップ#43bで、上記吸気温依存性を考慮して次の式
6、式7を用いて蒸発燃料放出量gpgを演算する点を除
けば、前記の図11に示す燃料噴射量演算サブルーチン
と同様である。
【数6】 gpgφ=smap(map2,qpg、trap)…………………………………………式6 (gpgφ=f3(qpg,trap)
【数7】 gpg=gpgφ・sipol(table2,thaa)………………………………………式7 gpgφ:吸気温補正前蒸発燃料放出量 gpg:吸気温補正後蒸発燃料放出量 thaa:吸気温 このように、吸気温依存性を考慮した場合、燃料タンク
等の配置にかかわらず、燃料パージ量を高精度で演算す
ることができる。
【0129】以下、図13に示すフローチャートに従っ
て、適宜図3〜図6を参照しつつ、メインルーチンのス
テップT6で実行(起動)されるパージ量演算サブルーチ
ン、すなわちキャニスタパージ開始時に駆動デューティ
比を徐々に増加させるようにした場合における、駆動デ
ューティ比の増加速度の制御方法を説明する。このパー
ジ量演算サブルーチンでは、まずステップ#51で、パ
ージ実行フラグxpgが1であるか否かが判定され、xpg≠
1(xpg=0)であれば(NO)、ステップ#52でパージ
補正値cmodが0とされる。
【0130】パージ補正値cmodは、キャニスタパージが
開始される際に、エンジンCEの運転状態に応じて設定
された目標駆動デューティ比を補正するための0以上1
以下の補正値であって、目標駆動デューティ比とパージ
補正値cmodの積がパージ制御弁29に実際に印加される
駆動デューティ比dpgとなる。そして、パージ補正値cmo
dは、キャニスタパージ開始前は0とされ、キャニスタ
パージ開始後は増分SPで徐々に増やされ、したがって
パージ空気量が徐々に増やされる。そして、パージ補正
値cmodが1に達した後は、1に保持される。なお、パー
ジ補正値cmodが0である場合は目標駆動デューティ比の
値にかかわらずキャニスタパージが停止され、パージ補
正値cmodが1である場合は目標駆動デューティ比がその
ままパージ制御弁29に印加されることになる。
【0131】他方、ステップ#51で、xpg=1である
と判定された場合は(YES)、ステップ#53でパージ
補正値cmodが1であるか否かが判定される。ここで、cm
od≠1(すなわち、cmod<1)であると判定された場合は
(NO)、キャニスタパージ開始後においてパージ補正値
cmodを徐々に増加させるべき状態にあるので、ステップ
#54〜ステップ#57で、トラップ量の推定が完了し
ているか否かを考慮して、パージ補正値cmodが徐々に増
やされる。
【0132】具体的には、ステップ#54で、トラップ
量推定完了フラグxtraplrnが1であるか否か、すなわち
トラップ量の推定が完了しているか否かが判定される。
ここで、xtraplrn=1であると判定された場合は(YE
S)、ステップ#55で増分SPが比較的大きい値KM
1とされ、この後ステップ#57が実行される。この場
合は、トラップ量の推定が完了しているので、正味パー
ジガス比率ないしは蒸発燃料流入量を正確に演算するこ
とができる。したがって、フィードフォワード制御でキ
ャニスタパージの影響を確実に補償することができる。
すなわち、ある程度急激にキャニスタパージを開始して
も、その影響は十分に補償され、空燃比制御に乱れを生
じさせない。そこで、増分SPを大きくして、すなわち
パージ補正値cmodの増加速度を大きくして、早期に目標
駆動デューティ比でキャニスタパージを行うようにして
いる。この場合、実際にパージ制御弁29に印加される
駆動デューティ比dpgの時間に対する変化特性は、例え
ば図19中のグラフL1のようになる。なお、図19中
において、グラフL1,L2が時間軸と平行になっている
部分は、目標駆動デューティ比をあらわしている。
【0133】他方、ステップ#54でxtraplrn≠1(xtr
aplrn=0)であると判定された場合は(NO)、ステップ
#56で増分SPが比較的小さい値KM2(KM2<K
M1)とされ、この後ステップ#57が実行される。こ
の場合は、トラップ量の推定がまだ完了していないの
で、正味パージガス比率ないしは蒸発燃料流入量を正確
に演算することができない。したがって、フィードフォ
ワード機能が十分にははたらかないので、急激にキャニ
スタパージを開始すると、その影響が十分に補償され
ず、空燃比制御に乱れを生じる。そこで、増分SPを小
さくして、すなわちパージ補正値cmodの増加速度を小さ
くするようにしている。この場合、実際にパージ制御弁
29に印加される駆動デューティ比dpgの時間に対する
変化特性は、例えば図19中のグラフL2のようにな
る。
【0134】ステップ#57では、前回のパージ補正値
cmodにSPを加算して今回のパージ補正値cmodが演算さ
れる。なお、加算の結果今回のパージ補正値cmodが1を
超える場合には1にとどめられる。ここで、addclip(cm
od,SP,1)は、cmodにSPを加算するが上限値を1と
するといった演算処理をあらわしている。このようにし
て、パージ補正値cmodが徐々に増やされる。
【0135】次に、ステップ#58で、次の式8により
パージ制御弁29に実際に印加すべき駆動デューティ比
dpgが演算される。
【数8】 dpg=cmod・smap(map3,ne,ce)………………………………………式8 dpg:駆動デューティ比 cmod:パージ補正値 smap(map3,ne,ce):目標駆動デューティ比 ne:エンジン回転数 ce:吸気充填効率 なお、式8において、smap(map3,ne,ce)は、ne及びce
を独立変数としdpgを従属変数とする所定の関数関係を
あらわすデューティ比map3において、あるne及びceに
対応するdpgを意味する。デューティ比map3は、エンジ
ン回転数ne、吸気充填効率ce及び駆動デューティ比dpg
の相互間の関数関係をあらわすマップである。このよう
にして、キャニスタパージが開始される際には、駆動デ
ューティ比dpgすなわちパージ空気量が徐々に増やされ
る。
【0136】ところで、前記のステップ#53でcmod=
1であると判定された場合は(YES)、キャニスタパー
ジ開始後においてcmodがすでに1に達していることにな
るので、ステップ#54〜ステップ#57をスキップし
て、ステップ#58でパージ補正値cmodを1として駆動
デューティ比dpgが演算される。
【0137】以下、図14に示すフローチャートに従っ
て、適宜図3〜図6を参照しつつ、メインルーチンのス
テップT5で実行(起動)されるパージ実行判定サブルー
チンについて説明する。このパージ実行判定サブルーチ
ンでは、まずステップ#61でパージ実行可であるか否
かが判定され、パージ実行可でなければ(NO)、ステッ
プ#66でパージ実行フラグxpgに0がセットされる。
この後、ステップ#61に復帰する。なお、ここでは水
温が80℃以上である場合において、エンジンCEの運
転状態がフィードバックゾーン又はエンリッチゾーンに
あるときには、パージ実行可とされている。
【0138】他方、ステップ#61でパージ実行可であ
ると判定された場合は(YES)、ステップ#62でアイ
ドル判定フラグxidlが1であるか否か、すなわちアイド
ル時であるか否かが判定され、xidl≠1(xidl=0)であ
れば(NO)、すなわちアイドル時でなければ、ステップ
#65でパージ実行フラグxpgに1がセットされる。
【0139】ステップ#62で、xidl=1であると判定
された場合は(YES)、ステップ#63とステップ#6
4とで、夫々、空燃比学習完了フラグxlrndが1である
か否かと、トラップ量推定完了フラグxtraplrnが1であ
るか否かとが判定される。ここでは、アイドル時におい
て、xlrnd=1でありかつxtraplrn=1である場合、す
なわち空燃比学習が完了しておりかつトラップ量推定が
完了している場合にのみ、パージ実行を許可するように
している(パージ実行フラグxpgに1をセットする)。
【0140】かくして、ステップ#63とステップ#6
4とで、xlrnd=1でありかつxtraplrn=1であると判
定された場合は、ステップ#65でパージ実行フラグxp
gに1がセットされる。他方、xlrndとxtraplrnのうちの
少なくとも一方が0であれば、ステップ#66でパージ
実行フラグxpgに0がセットされる。
【0141】このようにして、アイドル時においても、
空燃比制御に乱れを生じさせずに、すなわち空燃比の目
標値に対するずれを生じさせずにキャニスタパージを行
うことができる。
【0142】前記の実施例では、トラップ量を平均フィ
ードバック補正値に基づいて推定するようにしている
が、トラップ量を直接検出するトラップ量検出センサを
設け、このトラップ量検出センサによって検出されたト
ラップ量に基づいて蒸発燃料放出量(パージガス比率)な
いしは蒸発燃料流入量(正味パージガス比率)を演算する
ようにしてもよい。この場合、トラップ量検出センサと
しては、キャニスタ25内の吸着材の静電容量に基づい
てトラップ量を検出するもの、あるいはHCセンサ等を
もちいることが可能である。
【0143】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、平均フィー
ドバック補正値に基づいて蒸発燃料捕集量が正確に推定
される。したがって、該蒸発燃料捕集量とパージ空気量
とに基づいて、好ましくは蒸発燃料輸送経路の輸送遅れ
特性を考慮することによって、タイムラグのない蒸発燃
料パージ量あるいは燃焼室への蒸発燃料流入量を正確に
把握することが可能となる。そして、このようにして把
握されたタイムラグのない蒸発燃料パージ量ないしは蒸
発燃料流入量で燃料噴射量を減量補正することによっ
て、キャニスタパージによって燃焼室に供給される蒸発
燃料を、空燃比フィードバック制御の外乱から切り離す
ことができ、空燃比制御の制御精度を高めることがで
き、キャニスタパージに起因する空燃比の目標値に対す
るずれの発生を有効に防止することができる。また、平
均フィードバック補正値に基づいて蒸発燃料捕集量を推
定するようにしているので、フィードバック補正値が変
動している場合でも蒸発燃料捕集量が正確に推定され、
蒸発燃料捕集量の推定精度が大幅に高められる。
【0144】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、平均フィー
ドバック補正値が中立値より小さいか否かに応じて前回
の蒸発燃料捕集量推定値を増減させ今回の蒸発燃料捕集
量を推定するようにしているので、蒸発燃料捕集量の推
定が極めて容易となる。
【0145】第3の発明によれば、基本的には第2の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、平均フィー
ドバック補正値が大きいときほど補正量が大きく設定さ
れるので、蒸発燃料捕集量推定値の収束を速めることが
できる。
【0146】第4の発明によれば、基本的には第1〜第
3の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値と
の相関性が低い条件下、すなわち平均フィードバック補
正値に基づいて蒸発燃料捕集量を正確に推定することが
困難な状況下では蒸発燃料捕集量の推定が禁止されるの
で、蒸発燃料捕集量推定値の精度が高められる。
【0147】第5の発明によれば、基本的には第4の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃料捕
集量とフィードバック補正値との相関性がないパージ停
止時には蒸発燃料捕集量の推定が禁止されるので、蒸発
燃料捕集量推定値の精度が一層高められる。
【0148】第6の発明によれば、基本的には第4の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃料捕
集量とフィードバック補正値との相関性が低い高充填効
率時には蒸発燃料捕集量の推定が禁止されるので、蒸発
燃料捕集量推定値の精度が一層高められる。
【0149】第7の発明によれば、基本的には第4の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃料捕
集量とフィードバック補正値との相関性が低い低吸気圧
時には蒸発燃料捕集量の推定が禁止されるので、蒸発燃
料捕集量推定値の精度が一層高められる。
【0150】第8の発明によれば、基本的には第4の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃料捕
集量とフィードバック補正値との相関性がない空燃比フ
ィードバック制御停止時には蒸発燃料捕集量の推定が禁
止されるので、蒸発燃料捕集量推定値の精度が一層高め
られる。
【0151】第9の発明によれば、基本的には第4の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、相関性の低
い条件が重複しているときに蒸発燃料の推定が禁止され
るので、蒸発燃料捕集量の推定が過度に禁止されるのが
防止される。
【0152】第10の発明によれば、基本的には第1〜
第9の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、平均フィードバック補正値の絶対値が所定
の限界値未満となったときに蒸発燃料捕集量の推定が完
了しているものと判定されるので、蒸発燃料捕集量の推
定完了判定が容易となる。
【0153】第11の発明によれば、基本的には第10
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料捕集量の推定が完了していると判定された後におい
て、蒸発燃料捕集量の推定が所定期間以上継続して禁止
されたときには、上記の完了判定が撤回されるので、蒸
発燃料捕集量の推定が長時間継続されたことによって蒸
発燃料捕集量推定値が真値からずれている場合に、蒸発
燃料捕集量の推定が完了していると誤判定するのが防止
される。
【0154】第12の発明によれば、基本的には第1〜
第11の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得ら
れる。さらに、空燃比制御における空燃比学習が終了し
た後で蒸発燃料捕集量が推定される。したがって、蒸発
燃料捕集量推定値が真値より大きいときには平均フィー
ドバック補正値が中立値よりも確実に大きくなり、他方
蒸発燃料捕集量推定値が真値よりも小さいときには平均
フィードバック補正値が中立値よりも確実に小さくなる
ので、蒸発燃料捕集量の推定精度が大幅に高められる。
【0155】第13の発明によれば、基本的には第1〜
第9の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、空
燃比検出手段が空気過剰率λが1より大きい領域でもO
2濃度を検出することができるリニアO2センサとされる
ので、フィードバック補正値の相加平均値又は加重平均
値である平均フィードバック補正値の算出精度が高めら
れ、蒸発燃料捕集量の推定精度がさらに高められる。
【0156】第14の発明によれば、基本的には第1〜
第9の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、空
燃比検出手段が空気過剰率λO2センサとされ、フィー
ドバック補正値の加重平均値が平均フィードバック補正
値とされるので、過渡時においては応答遅れの少ない平
均フィードバック補正値が得られ、蒸発燃料捕集量の推
定精度が大幅に高められる。
【0157】第15の発明によれば、蒸発燃料捕集量検
出手段によって検出された蒸発燃料捕集量に基づいて蒸
発燃料パージ量が算出されるので、タイムラグのない正
確な蒸発燃料パージ量が得られる。そして、このように
して得られたタイムラグのない蒸発燃料パージ量で燃料
噴射量を減量補正することにより、キャニスタパージに
よって燃焼室に供給される蒸発燃料を、空燃比のフィー
ドバック制御の外乱から切り離すことができ、空燃比制
御の制御精度を高めることができ、キャニスタパージに
起因する空燃比の目標値に対するずれの発生を有効に防
止することができる。
【0158】第16の発明によれば、蒸発燃料量推定装
置によって推定された蒸発燃料捕集量に基づいて蒸発燃
料パージ量が算出されるので、タイムラグのない正確な
蒸発燃料パージ量が得られる。そして、このようにして
得られたタイムラグのない蒸発燃料パージ量で燃料噴射
量を減量補正することにより、キャニスタパージによっ
て燃焼室に供給される蒸発燃料を、空燃比のフィードバ
ック制御の外乱から切り離すことができ、空燃比制御の
制御精度を高めることができ、キャニスタパージに起因
する空燃比の目標値に対するずれの発生を有効に防止す
ることができる。なお、蒸発燃料捕集量を推定する上に
おいては、第1〜第14の発明のいずれか1つと同様の
作用・効果が得られる。
【0159】第17の発明によれば、基本的には第15
又は第16の発明と同様の作用・効果が得られる。さら
に、まず蒸発燃料放出量が算出され、この蒸発燃料放出
量に基づいて、好ましくは蒸発燃料輸送経路の輸送遅れ
特性を考慮するなどして、実際に燃焼室へ流入する蒸発
燃料の流量(蒸発燃料流入量)が正確に算出される。した
がって、燃料噴射量の減量補正を正確に行うことが可能
となり、空燃比制御の制御精度を一層高めることがで
き、キャニスタパージに起因する空燃比の目標値に対す
るずれを一層有効に防止することができる。
【0160】第18の発明によれば、基本的には第17
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料パージ手段の制御弁の開度と該制御弁の前後の差圧と
に基づいてパージ空気量が演算され、さらにこのパージ
空気量と蒸発燃料捕集量とに基づいて蒸発燃料放出量が
演算されるので、蒸発燃料放出量の演算精度が大幅に高
められる。
【0161】第19の発明によれば、基本的には第18
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料輸送経路の輸送遅れ特性を考慮して、蒸発燃料放出量
に基づいて蒸発燃料流入量が演算されるので、蒸発燃料
流入量が正確に求められる。このため、燃料噴射量の減
量補正を正確に行うことが可能となり、空燃比制御の制
御精度を一層高めることができ、キャニスタパージに起
因する空燃比の目標値に対するずれを一層有効に防止す
ることができる。
【0162】第20の発明によれば、基本的には第19
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料放出量とエンジン回転数とに基づいて蒸発燃料比率が
演算され、さらにこの蒸発燃料比率と、蒸発燃料輸送経
路の輸送遅れ特性とに基づいて蒸発燃料流入量に対応す
る正味蒸発燃料比率が演算されるので、蒸発燃料流入量
(正味蒸発燃料比率)の演算が簡略化される。
【0163】第21の発明によれば、基本的には第20
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、パージ
空気量演算手段と、蒸発燃料放出量演算手段と、輸送遅
れ特性設定手段と、蒸発燃料比率演算手段と、蒸発燃料
流入量演算手段とが、夫々、所定のモデル式でもって出
力値を演算又は設定するようになっている(モデル化さ
れている)ので、パージ空気量、蒸発燃料放出量及び蒸
発燃料流入量の演算が極めて容易となる。
【0164】第22の発明によれば、基本的には第15
〜第21の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得
られる。さらに、蒸発燃料捕集量の検出又は推定が完了
していないときには、キャニスタパージが規制されるの
で、蒸発燃料流入量の算出精度が低いのにもかかわらず
キャニスタパージに起因する空燃比制御の乱れを抑制す
ることができる。
【0165】第23の発明によれば、基本的には第22
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料捕集量の検出又は推定が完了していないときには、キ
ャニスタパージが禁止されるのでキャニスタパージによ
る空燃比制御の乱れを確実に防止することができる。
【0166】第24の発明によれば、基本的には第22
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、キャニ
スタパージの禁止がアイドル時のみとされるので、非ア
イドル時にはキャニスタパージを行うことができ、不必
要にキャニスタパージを禁止するのを防止することがで
きる。
【0167】第25の発明によれば、基本的には第22
又は第24の発明と同様の作用・効果が得られる。さら
に、蒸発燃料捕集量の検出又は推定が完了していないと
きには、キャニスタパージのパージ速度を小さくするよ
うにしているので、キャニスタパージによる空燃比制御
の乱れを一層有効に抑制することができる。
【0168】第26の発明によれば、基本的には第22
又は第24の発明と同様の作用・効果が得られる。さら
に、蒸発燃料捕集量の検出又は推定が完了していないと
きには、キャニスタパージのパージ量を少なくするよう
にしているので、キャニスタパージによる空燃比制御の
乱れを一層有効に抑制することができる。
【0169】第27の発明によれば、基本的には第25
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料パージ手段の制御弁が閉弁状態から開弁状態に移行す
る際にはパージ速度が徐々に増加させられ、蒸発燃料捕
集量の検出又は推定が完了していないときには、上記増
加速度が小さく設定されるので、キャニスタパージ開始
時における空燃比制御の乱れを防止することができる。
【0170】第28の発明によれば、基本的には第15
〜第27の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得
られる。さらに、必要燃料供給量から蒸発燃料流入量に
応じた値を減量して実際の燃料供給量を設定するように
しているので、燃焼室へは必要とされる燃料が正確に供
給される。このため、キャニスタパージが空燃比制御の
外乱となるのが防止され、空燃比制御の制御精度が高め
られ、空燃比の目標値に対するずれが生じない。
【0171】第29の発明によれば、基本的には第28
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、必要燃
料供給量から蒸発燃料流入量を減量して実際の燃料供給
量が設定されるので、燃料供給量の演算が容易となる。
【0172】第30の発明によれば、基本的には第17
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料捕集手段の脱気特性を考慮して蒸発燃料流入量が算出
されるので、燃料タンク等の配置にかかわらず該蒸発燃
料流入量の算出精度が高められ、空燃比制御の制御精度
が高められる。
【0173】第31の発明によれば、基本的には第30
の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃
料捕集手段の蒸発燃料放出特性の吸気温依存性を考慮し
て蒸発燃料流入量が算出されるので、該蒸発燃料流入量
の算出精度が一層高められ、空燃比制御の制御精度が大
幅に高められる。
【0174】第32の発明によれば、基本的には第4の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃料
捕集量とフィードバック補正値との相関性が低い高吸気
圧時には蒸発燃料捕集量の推定が禁止されるので、蒸発
燃料捕集量推定値の精度が一層高められる。
【0175】第33の発明によれば、基本的には第4の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、蒸発燃料
捕集量とフィードバック補正値との相関性が低い低充填
効率時には蒸発燃料捕集量の推定が禁止されるので、蒸
発燃料捕集量推定値の精度が一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1〜請求項14に対応する第1〜第1
4の発明の構成を示すブロック図である。
【図2】 請求項15〜請求項31に対応する第15〜
第31の発明の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明にかかる蒸発燃料量推定装置及び制御
装置を備えたエンジンのシステム構成図である。
【図4】 本発明にかかる蒸発燃料量推定装置及び制御
装置を備えたエンジンの変形例を示すシステム構成図で
ある。
【図5】 コントロールユニットの構成を機能化して示
したブロック図である。
【図6】 蒸発燃料放出量の吸気温依存性を考慮した
場合における図5と同様の図である。
【図7】 コントロールユニットによるエンジン制御
のメインルーチンのフローチャートである。
【図8】 トラップ量演算サブルーチンのフローチャー
トである。
【図9】 トラップ量演算サブルーチンの変形例のフ
ローチャートである。
【図10】 トラップ量推定実行判定サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図11】 燃料噴射量演算サブルーチンのフローチャ
ートである。
【図12】 燃料噴射量演算サブルーチンの変形例の
フローチャートである。
【図13】 パージ量演算サブルーチンのフローチャー
トである。
【図14】 パージ実行判定サブルーチンのフローチャ
ートである。
【図15】 平均フィードバック補正値とトラップ量の
関係を示す図である。
【図16】 駆動デューティ比、フィードバック補正
値、平均フィードバック補正値及びトラップ量推定値の
経時変化の一例を示す図である。
【図17】 蒸発燃料放出量のパージ空気量及びトラッ
プ量に対する依存特性を示す図である。
【図18】 駆動デューティ比、パージガス比率、正味
パージガス比率及び実パルス幅の経時変化の一例を示す
図である。
【図19】 キャニスタパージ開始時における、駆動デ
ューティ比の経時変化の一例を示す図である。
【図20】 リニアO2センサを用いた場合の、フィー
ドバック補正値及び平均フィードバック補正値の時間に
対する変化特性を示す図である。
【図21】 λO2センサを用いた場合の、フィードバ
ック補正値及び平均フィードバック補正値の時間に対す
る変化特性を示す図である。
【図22】 パージ質量流量の吸気温依存性を示す図で
ある。
【符号の説明】
CE,CE'…エンジン CU…コントロールユニット 4…燃焼室 9…リニアO2センサ 10…吸気系 15…燃料噴射弁 16…アシストエア供給手段(AMI) 25…キャニスタ 28…パージ通路 29…パージ制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 25/08 301 J M (72)発明者 二宮 洋 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空燃比を検出する空燃比検出手段と、 該空燃比検出手段によって検出された空燃比の目標値に
    対する偏差に基づいてフィードバック補正値を設定する
    フィードバック補正値設定手段と、 該フィードバック補正値設定手段によって設定されたフ
    ィードバック補正値に基づいて空燃比を制御する空燃比
    制御手段と、 蒸発燃料を捕集する蒸発燃料捕集手段と、 該蒸発燃料捕集手段によって捕集されている蒸発燃料を
    吸気系にパージする蒸発燃料パージ手段とが設けられて
    いるエンジンの蒸発燃料量推定装置であって、 フィードバック補正値設定手段によって設定されたフィ
    ードバック補正値の平均値(平均フィードバック補正値)
    を演算する平均フィードバック補正値演算手段と、 該平均フィードバック補正値演算手段によって演算され
    た平均フィードバック補正値に基づいて、蒸発燃料捕集
    手段によって捕集されている蒸発燃料の量(蒸発燃料捕
    集量)を推定する蒸発燃料捕集量推定手段と、 該蒸発燃料捕集量推定手段により推定された蒸発燃料捕
    集量からエンジンに吸入される蒸発燃料流入量を演算す
    る蒸発燃料流入量演算手段と、 該蒸発燃料流入量演算手段により演算された蒸発燃料流
    入量を必要燃料供給量から減量する燃料供給量減量手段
    とが設けられていることを特徴とする蒸発燃料量推定装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された蒸発燃料量推定装
    置において、 蒸発燃料捕集量推定手段が、平均フィードバック補正値
    演算手段によって演算された平均フィードバック補正値
    が中立値より小さいか否かに応じて前回の蒸発燃料捕集
    量推定値を増減させて今回の蒸発燃料捕集量を推定する
    ようになっていることを特徴とする蒸発燃料量推定装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された蒸発燃料量推定装
    置において、 蒸発燃料捕集量推定手段が、蒸発燃料捕集量推定値を増
    減させる補正量を、平均フィードバック補正値が大きい
    ときほど大きく設定するようになっていることを特徴と
    する蒸発燃料量推定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記
    載された蒸発燃料量推定装置において、 蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値との相関性が低
    い条件下では、蒸発燃料捕集量推定手段による蒸発燃料
    捕集量の推定を禁止する蒸発燃料捕集量推定禁止手段が
    設けられていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された蒸発燃料量推定装
    置において、 蒸発燃料捕集量推定禁止手段が、蒸発燃料の吸気系への
    パージが停止されているときに、蒸発燃料捕集量とフィ
    ードバック補正値との相関性が低い条件下であるとして
    蒸発燃料捕集量の推定を禁止するようになっていること
    を特徴とする蒸発燃料量推定装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載された蒸発燃料量推定装
    置において、 蒸発燃料捕集量推定禁止手段が、充填効率が所定値以上
    であるときに、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値
    との相関性が低い条件下であるとして蒸発燃料捕集量の
    推定を禁止するようになっていることを特徴とする蒸発
    燃料量推定装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載された蒸発燃料量推定装
    置において、 蒸発燃料捕集量推定禁止手段が、吸気圧が所定値以下で
    あるときに、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値と
    の相関性が低い条件下であるとして蒸発燃料捕集量の推
    定を禁止するようになっていることを特徴とする蒸発燃
    料量推定装置。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載された蒸発燃料量推定装
    置において、 蒸発燃料捕集量推定禁止手段が、空燃比のフィードバッ
    ク制御が停止されているときに、蒸発燃料捕集量とフィ
    ードバック補正値との相関性が低い条件下であるとして
    蒸発燃料捕集量の推定を禁止するようになっていること
    を特徴とする蒸発燃料量推定装置。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載された蒸発燃料量推定装
    置において、 蒸発燃料捕集量推定禁止手段が、蒸発燃料の吸気系への
    パージが停止されている状態と、吸入空気量が所定値以
    上である状態と、吸気圧が所定値以下である状態と、空
    燃比のフィードバック制御が停止されている状態のうち
    の少なくとも1つの状態が成立しているときに、蒸発燃
    料捕集量とフィードバック補正値との相関性が低い条件
    下であるとして蒸発燃料捕集量の推定を禁止するように
    なっていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれか1つに
    記載された蒸発燃料量推定装置において、 平均フィードバック補正値の絶対値が所定の限界値未満
    となったときに、蒸発燃料捕集量推定手段による蒸発燃
    料捕集量の推定が完了しているものと判定する推定完了
    判定手段が設けられていることを特徴とする蒸発燃料量
    推定装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載された蒸発燃料量推
    定装置において、 推定完了判定手段が、蒸発燃料捕集量の推定が完了して
    いると判定した後において、蒸発燃料捕集量推定禁止手
    段によって蒸発燃料捕集量の推定が所定期間以上継続し
    て禁止されたときには、蒸発燃料捕集量の推定が完了し
    ているとの判定を撤回するようになっていることを特徴
    とする蒸発燃料量推定装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項11のいずれか1つ
    に記載された蒸発燃料量推定装置において、 空燃比制御手段が、フィードバック補正値が中立値とな
    るように、制御出力特性を学習により補正するといった
    学習機能を備えていて、 蒸発燃料捕集量推定手段が、空燃比制御手段の学習が終
    了した後で蒸発燃料捕集量を推定するようになっている
    ことを特徴とする蒸発燃料量推定装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜請求項9のいずれか1つに
    記載された蒸発燃料量推定装置において、 空気過剰率λが1より大きい領域においてもO2濃度を
    検出することができるリニアO2センサが、空燃比検出
    手段として設けられ、 平均フィードバック補正値演算手段が、一定時間毎のフ
    ィードバック補正値の相加平均値又は重み付けした加重
    平均値を、上記のフィードバック補正値の平均値として
    演算するようになっていることを特徴とする蒸発燃料量
    推定装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜請求項9のいずれか1つに
    記載された蒸発燃料量推定装置において、 空気過剰率λが1より大きいか否かを検出することがで
    きるλO2センサが、空燃比検出手段として設けられ、 平均フィードバック補正値演算手段が、フィードバック
    補正値の加重平均値を、上記のフィードバック補正値の
    平均値として演算するようになっていることを特徴とす
    る蒸発燃料量推定装置。
  15. 【請求項15】 蒸発燃料を捕集する蒸発燃料捕集手段
    と、 該蒸発燃料捕集手段によって捕集されている蒸発燃料を
    吸気系にパージする蒸発燃料パージ手段と、 蒸発燃料捕集手段によって捕集されている蒸発燃料の量
    (蒸発燃料捕集量)を検出若しくは推定する蒸発燃料捕集
    量検出手段と、 該蒸発燃料捕集量検出手段によって検出若しくは推定さ
    れた蒸発燃料捕集量に基づいて、吸気系への蒸発燃料の
    パージ流量(蒸発燃料パージ量)を算出する蒸発燃料パー
    ジ量算出手段とが設けられていることを特徴とする蒸発
    燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜請求項14のいずれか1つ
    に記載された蒸発燃料量推定装置と、 該蒸発燃料量推定装置によって推定された蒸発燃料捕集
    量に基づいて、吸気系への蒸発燃料のパージ流量(蒸発
    燃料パージ量)を算出する蒸発燃料パージ量算出手段と
    が設けられていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置
    を備えたエンジンの制御装置。
  17. 【請求項17】 請求項15又は請求項16に記載され
    た蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置にお
    いて、 蒸発燃料パージ量算出手段が、蒸発燃料捕集手段から吸
    気系側に放出される蒸発燃料の流量(蒸発燃料放出量)を
    算出する蒸発燃料放出量算出手段と、 該蒸発燃料放出量算出手段によって算出された蒸発燃料
    放出量に基づいて、燃焼室へ流入する蒸発燃料の流量
    (蒸発燃料流入量)を算出する蒸発燃料流入量算出手段と
    を備えていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備
    えたエンジンの制御装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 蒸発燃料放出量算出手段が、蒸発燃料パージ手段の制御
    弁の開度と該制御弁の前後の差圧とに基づいてパージ空
    気量を演算するパージ空気量演算手段と、 該パージ空気量演算手段によって演算されたパージ空気
    量と、蒸発燃料捕集量とに基づいて蒸発燃料放出量を演
    算する蒸発燃料放出量演算手段とを備えていることを特
    徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 蒸発燃料流入量算出手段が、蒸発燃料捕集手段から燃焼
    室に至る蒸発燃料輸送経路の輸送遅れ特性を設定する輸
    送遅れ特性設定手段と、 蒸発燃料放出量演算手段によって演算された蒸発燃料放
    出量と、エンジン回転数と、輸送遅れ特性設定手段によ
    って設定された輸送遅れ特性とに基づいて蒸発燃料流入
    量を演算する蒸発燃料流入量演算手段とを備えているこ
    とを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの
    制御装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 蒸発燃料流入量算出手段が、蒸発燃料放出量演算手段に
    よって演算された蒸発燃料放出量とエンジン回転数とに
    基づいて蒸発燃料の全燃料中に占める比率(蒸発燃料比
    率)を演算する蒸発燃料比率演算手段を備えていて、 蒸発燃料流入量演算手段が、蒸発燃料比率演算手段によ
    って演算された蒸発燃料比率と、輸送遅れ特性設定手段
    によって設定された輸送遅れ特性とに基づいて、蒸発燃
    料流入量の全燃料中に占める比率(正味蒸発燃料比率)を
    演算するようになっていることを特徴とする蒸発燃料量
    推定装置を備えたエンジンの制御装置。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 パージ空気量演算手段と、蒸発燃料放出量演算手段と、
    輸送遅れ特性設定手段と、蒸発燃料比率演算手段と、蒸
    発燃料流入量演算手段とが、夫々、所定のモデル式でも
    って出力値を演算又は設定するようになっていることを
    特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御
    装置。
  22. 【請求項22】 請求項15〜請求項21のいずれか1
    つに記載された蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの
    制御装置において、 蒸発燃料捕集量の検出又は推定が完了していないときに
    は、蒸発燃料の吸気系へのパージを規制するパージ規制
    手段が設けられていることを特徴とする蒸発燃料量推定
    装置を備えたエンジンの制御装置。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 パージ規制手段による蒸発燃料のパージ規制が、蒸発燃
    料の吸気系へのパージの禁止であることを特徴とする蒸
    発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置。
  24. 【請求項24】 請求項22に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 パージ規制手段が、アイドル時に蒸発燃料の吸気系への
    パージを禁止するようになっていることを特徴とする蒸
    発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置。
  25. 【請求項25】 請求項22又は請求項24に記載され
    た蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置にお
    いて、 パージ規制手段が、蒸発燃料捕集量の検出又は推定が完
    了するまでは蒸発燃料のパージ速度を小さくするように
    なっていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備え
    たエンジンの制御装置。
  26. 【請求項26】 請求項22又は請求項24に記載され
    た蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの制御装置にお
    いて、 パージ規制手段が、蒸発燃料捕集量の検出又は推定が完
    了するまでは蒸発燃料のパージ量を少なくするようにな
    っていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えた
    エンジンの制御装置。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 パージ規制手段が、蒸発燃料パージ手段の制御弁が閉弁
    状態から開弁状態に移行する際には、蒸発燃料のパージ
    速度を目標値に達するまで徐々に増加させるようになっ
    ていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を備えたエ
    ンジンの制御装置。
  28. 【請求項28】 請求項15〜請求項27のいずれか1
    つに記載された蒸発燃料量推定装置を備えたエンジンの
    制御装置において、 燃料供給手段の燃料供給量を、必要燃料供給量から蒸発
    燃料流入量に応じた値を減量して設定する燃料供給量減
    量手段が設けられていることを特徴とする蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載された蒸発燃料量推
    定装置を備えたエンジンの制御装置において、 燃料供給量減量手段が、必要燃料供給量から蒸発燃料流
    入量を減量して燃料供給手段の燃料供給量を設定するよ
    うになっていることを特徴とする蒸発燃料量推定装置を
    備えたエンジンの制御装置。
  30. 【請求項30】 請求項17に記載されたエンジンの制
    御装置において、 蒸発燃料パージ量算出手段が、蒸発燃料放出量に対して
    蒸発燃料捕集手段の脱気特性を加味して、質量流量で蒸
    発燃料流入量を算出するようになっていることを特徴と
    するエンジンの制御装置。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載されたエンジンの制
    御装置において、 上記脱気特性が、蒸発燃料捕集手段におけるパージ空気
    量に対する蒸発燃料パージ質量流量の吸気温依存性であ
    ることを特徴とするエンジンの制御装置。
  32. 【請求項32】 請求項4に記載された蒸発燃料量推定
    装置において、 蒸発燃料捕集量推定禁止手段が、吸気圧が所定値以上で
    あるときに、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値と
    の相関性が低い条件下であるとして蒸発燃料捕集量の推
    定を禁止するようになっていることを特徴とする蒸発燃
    料量推定装置。
  33. 【請求項33】 請求項4に記載された蒸発燃料量推定
    装置において、 蒸発燃料捕集量推定禁止手段が、充填効率が所定値以下
    であるときに、蒸発燃料捕集量とフィードバック補正値
    との相関性が低い条件下であるとして蒸発燃料捕集量の
    推定を禁止するようになっていることを特徴とする蒸発
    燃料量推定装置。
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