JPH0693899A - エンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents

エンジンの蒸発燃料処理装置

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JPH0693899A
JPH0693899A JP4245281A JP24528192A JPH0693899A JP H0693899 A JPH0693899 A JP H0693899A JP 4245281 A JP4245281 A JP 4245281A JP 24528192 A JP24528192 A JP 24528192A JP H0693899 A JPH0693899 A JP H0693899A
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JP
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purge
purge valve
flow rate
air
fuel
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JP4245281A
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Hatsuo Nagaishi
初雄 永石
Kenji Ota
健司 太田
Hiroshi Iwano
岩野  浩
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/003Adding fuel vapours, e.g. drawn from engine fuel reservoir
    • F02D41/0045Estimating, calculating or determining the purging rate, amount, flow or concentration
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/003Adding fuel vapours, e.g. drawn from engine fuel reservoir
    • F02D41/0032Controlling the purging of the canister as a function of the engine operating conditions

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  • Combustion & Propulsion (AREA)
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パージガスの燃料濃度に応じてパージ弁流量
を変えることによって、パージ中の空燃比エラーを小さ
くしつつ急速パージを実現する。 【構成】 パージ弁41はキャニスタより吸気管に導入
するパージガス量を調整する。検出・予測手段43でパ
ージガスの燃料濃度を検出または予測し、この燃料濃度
に応じ燃料濃度が濃いときはパージ弁流量を減らす方向
に、薄いときはパージ弁流量を増す方向に補正手段44
が、運転条件信号に応じて設定されるパージ弁基本流量
を補正し、この補正された流量に対応したパージ弁開度
となるように駆動手段45がパージ弁41を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンの蒸発燃料処
理装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料タンクから蒸発した燃料が大気に拡
散するのを防止するため、燃料蒸気を活性炭キャニスタ
に吸着させ、活性炭キャニスタにたまった燃料は所定の
運転条件で吸気管にパージ(大気によってキャニスタか
ら離脱させて追い出すこと)することによって、インジ
ェクタからの噴射燃料とともに、シリンダ内で燃焼させ
ている。
【0003】ところが、エアフローメータによっては計
量されないパージガスが加わると、制御空燃比に影響を
与えるため、パージ弁(パージ制御弁)を空燃比フィー
ドバック制御中に開くものがある(特開平2−1963
1号公報参照)。パージ弁が開かれた当初は空燃比がリ
ッチ側にずれるものの、空燃比フィードバック補正係数
αが制御中心(1.0)よりリーン側にずれてゆき、や
がてある値(たとえば0.8)に落ち着くことによっ
て、パージ中も空燃比を触媒ウインドウ(理論空燃比を
中心とする所定幅のこと)に収めることができるからで
ある。
【0004】しかしながら、パージ中はアクセルペダル
を踏込んでも、供給燃料量をアクセルペダルの踏込み量
に応じた要求値まで一気に増加させることができず、い
わゆる息つきを生じて運転性が悪くなる。αはリーン側
に外れた上記の値(0.8)から出発して大きくならな
ければならないこと、またαは一定割合でしか増えてい
かないことのため、燃料量を急激に増加できないのであ
る。
【0005】このため、パージ開始後に所定値以下とな
ったときのαとパージ開始直前のαとの差を求め、この
差に応じた減量補正量で運転条件に応じた基本噴射量を
減算する一方、前記の所定値以下にαがなったときから
αを強制的にパージ開始直前の値に戻している。
【0006】パージによりαがリーン側の値に落ち着く
のをきらって、所定値(0.8)以下にαがなったとき
は、パージによる燃料増加分だけ基本噴射量から減量補
正することによって供給燃料量をパージ前後で同じに保
ち、かつパージ中のアクセルペダルの踏込みに対して
は、αをパージ前の値(通常は1.0)から増加させる
ことによって少しでも早くαを大きくしようというので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パージガス
の燃料蒸気が車外に漏れないようにするには、多量のパ
ージガスを導入してやればよいため、上記の装置では吸
気温度があらかじめ定めた温度以上になると、多量の燃
料蒸気が発生すると判断し、パージ弁を開いている。
【0008】しかしながら、大量のパージガス中の燃料
濃度が濃いと、空燃比エラー(理論空燃比からのずれ)
が大きくなり、排気性能が悪くなる。この反対に、キャ
ニスタに燃料蒸気がたまっていなければ、不要な空気だ
けがエンジンに吸入されてしまう。吸気温度が高いとい
うだけで、多量の燃料蒸気が発生するとはかならずしも
いえないのである。つまり、上記の装置ではキャニスタ
に吸着された燃料の量と無関係にパージ弁流量を決めて
いるわけである。
【0009】このため、パージガスの燃料濃度が濃い場
合でも排気性能や運転性能に影響を与えないようにしよ
うとすれば、パージ弁流量を少なくするしかなく、小流
量ではキャニスタ内の燃料蒸気をすべてパージしてしま
うのに長い時間がかかる。長時間のパージガス導入は、
空燃比制御に好ましくない影響を及ぼしてしまうのであ
る。
【0010】そこでこの発明は、パージガスの燃料濃度
に応じてパージ弁流量を変えることによって、パージ中
の空燃比エラーを小さくしつつ急速パージを実現するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、キャニスタより吸気管に導入するパージガス
量を調整するパージ弁41と、このパージ弁41の基本
流量を運転条件信号(たとえば吸入空気量信号)に応じ
て設定する手段42と、パージガスの燃料濃度を検出し
または予測する手段43と、この燃料濃度に応じ燃料濃
度が濃いときはパージ弁流量を減らす方向に、薄いとき
はパージ弁流量を増す方向に前記パージ弁基本流量を補
正する手段44と、この補正された流量に対応したパー
ジ弁開度となるように前記パージ弁41を駆動する手段
45とを設けた。
【0012】第2の発明は、図48に示すように、キャ
ニスタより吸気管に導入するパージガス量を調整するパ
ージ弁41と、このパージ弁41の基本流量を運転条件
信号(たとえば吸入空気量信号)に応じて設定する手段
42と、パージガスの燃料濃度を検出しまたは予測する
手段43と、この燃料濃度に応じ燃料濃度が濃いときは
パージ弁流量を減らす方向に、薄いときはパージ弁流量
を増す方向に前記パージ弁基本流量を補正する手段44
と、前記パージ弁の前後差圧に応じ前後差圧が小さいと
きはパージ弁流量を増やす方向に、前後差圧が大きいと
きはパージ弁流量を減らす方向に前記燃料濃度により補
正されたパージ弁基本流量をさらに補正する第二の手段
51と、この第二の手段51によって補正されたパージ
弁流量に対応したパージ弁開度となるように前記パージ
弁41を駆動する手段45とを設けた。
【0013】
【作用】第1の発明では、パージ中の燃料濃度が検出ま
たは予測され、パージON当初の燃料濃度が濃いときは
パージ弁流量が減らす方向に、パージが進むにつれて燃
料濃度が薄くなっていくと、パージ弁流量が増す方向に
パージ弁基本流量が補正される。パージON当初の濃い
燃料濃度のあいだパージ弁の基本流量が減らされると、
小さな空燃比エラーに抑えられ、パージが進んで燃料濃
度が薄くなると、基本流量を増やしても空燃比エラーは
小さなものでしかなく、逆に基本流量が増やされると、
パージが急速に進むわけである。
【0014】このように、パージ弁基本流量が燃料濃度
に応じて変化すると、空燃比エラーを小さくしつつ急速
パージが行われる。
【0015】ところで、パージ弁の前後差圧に応じてパ
ージ弁流量が変化し、前後差圧が小さくなるほど流れに
くくなって相対的にパージ弁流量が減るため、前後差圧
が小さいときと大きいときとで実際のパージ弁流量が相
違し、この相違分が流量誤差となる。
【0016】これに対して、第2の発明でパージ弁流量
が、パージ弁前後差圧に応じて、前後差圧が小さいとき
はパージ弁流量が増える方向に、前後差圧が大きいとき
はパージ弁流量が減る方向にパージ弁基本流量がさらに
補正されると、パージ弁前後差圧に影響されることなく
実際に必要な流量に近づけられ、流量誤差が生じること
がない。
【0017】
【実施例】図2において、エンジン制御のためマイクロ
コンピュータ(たとえば16ビットマイコン)からなる
コントロールユニット2が設けられている。
【0018】排気管3にはエンジンから排出されてくる
CO,HC,NOxといった三つの有害成分を処理する
三元触媒4が設けられる。三元触媒4が有害三成分を同
時に処理できるのは、エンジンに供給している混合気の
空燃比が理論空燃比を中心とする狭い範囲(触媒ウイン
ドウ)に収まっているときだけである。この触媒ウイン
ドウより空燃比が少しでもリッチ側にずれるとCO,H
Cの排出量が増し、逆にリーン側にずれるとNOxが多
く排出される。
【0019】このため、三元触媒4がその能力を十分に
発揮できるように、コントロールユニット2はO2セン
サ5からの実空燃比信号にもとづいて燃料噴射量をフィ
ードバック制御する。
【0020】三元触媒4の上流に設けられるO2センサ
5は、理論空燃比を境にしてその出力が急変する(理論
空燃比よりリッチ側でほぼ1V、リーン側でほぼ0Vの
出力をする)ため、O2センサ出力がスライスレベル
(ほぼ0.5V)より高いと空燃比はリッチ側に、また
スライスレベルより低いとリーン側にあると判断され
る。こうした判断をエンジン回転に同期して行うと、空
燃比がリッチ側(あるいはリーン側)に反転した直後で
あるのか、継続してリッチやリーンの同じ側にあるのか
なども判断できる。
【0021】これらの判定結果より空燃比がリッチ側に
反転した直後は空燃比フィードバック補正係数αからス
テップ量Pを差し引き、空燃比がつぎにリーン側へ反転
する直前までαから積分量Iを差し引く(この逆に実空
燃比がリーン側に反転した直後はPをαに加算し、実空
燃比がつぎにリッチ側に反転する直前までIを加算す
る)。空燃比が反転した直後は大きな値のPをステップ
的に与えて応答よく反対側へと変化させるとともに、ス
テップ変化の後は小さな値のIでゆっくりと空燃比を反
対側へと変化させることによってフィードバック制御を
安定させるのである。
【0022】なお、エンジンの運転条件が相違しても、
スロットルバルブ6の上流に位置するエアフローメータ
7で計測される吸入空気量と、インジェクタ8からシリ
ンダに向けて供給される燃料量との比(つまり空燃比)
がほぼ理論空燃比となるように、コントロールユニット
2では、エンジン回転に同期して間欠的に開弁されるイ
ンジェクタ8の開弁パルス幅(噴射パルス幅)を決定し
ている。
【0023】9はエンジン回転数に対応する信号とRe
f信号(クランク角度の基準位置信号)とを出力するク
ランク角度センサ、10はスロットルバルブの開度(T
VO)を検出するセンサ、11は水温センサ、12は車
速センサで、これらもコントロールユニット2に入力さ
れている。
【0024】ところで、経年変化によってインジェクタ
8に目詰まりなどが生じると、インジェクタ8を同じパ
ルス幅で駆動しても、供給燃料量が少なくなるため、始
動するたびに空燃比フィードバック制御に入ってしばら
くは空燃比がリーン側にかたよる。これを避けるため、
コントロールユニット2では基本空燃比学習を行う。
【0025】空燃比フィードバック制御に入ってしばら
くすれば、αの平均値が制御中心(1.0)よりも大き
な値(αそのものはこの値を中心にして振れる)に落ち
着くため、この値を基本空燃比学習値αmとしてバッテ
リバックアップしておけば、次のエンジン運転時からこ
の学習値αmの分だけ噴射パルス幅を大きくすることに
よって、フィードバック制御の当初から空燃比を触媒ウ
インドウに収めることができるのである。
【0026】一方、エンジン停止時に燃料タンク15か
ら蒸発し、キャニスタ16中の活性炭に吸着された燃料
は、エンジン運転中にキャニスタ16の外部から大気を
導入すると活性炭から離脱し、この離脱燃料を含んだ空
気(パージガス)が吸気通路に吸い込まれる。
【0027】このパージガスの流入量を調整するため活
性炭キャニスタ16と吸気マニホールド17のコレクタ
部17aとを連通する通路18にパージ弁21が設けら
れている。このパージ弁21はリニアソレノイドによっ
て駆動される弁で、コントロールユニット2からの一定
周期(たとえば6.4msの周期)のパルス信号により
駆動され、ONデューティ(ON時間割合)が大きくな
るほど弁開度が増していく。
【0028】なお、パージ弁21が全開状態でスティッ
クすると、パージによってエンスト(エンジンストー
ル)したり、アイドル回転数が上昇したりすることがあ
るので、これを防止するためVC負圧弁(ダイアフラム
弁)22がパージ弁21と直列に通路18に設けられて
いる。VC負圧はスロットル開度TVOに対して図3の
ように立上がる負圧のことであり、アクセルペダルを離
してスロットルバルブ6を閉じさえすれば、VC負圧が
大気圧に近くなってVC負圧弁22が閉じられる。これ
によって、パージ弁21の開閉に関係なく通路18を遮
断するのである。
【0029】ところで、パージは空燃比フィードバック
制御中に行うが、パージ中も基本空燃比学習値αmを更
新すると学習値αmにエラーが生じるため、コントロー
ルユニット2ではパージ中は学習値αmの更新を禁止し
ている。
【0030】しかしながら、パージによる空燃比の変動
をαの追いかけだけで対応するとすれば、αが一定割合
でしか変化しないため、αの変化が終了するまで空燃比
がリッチ側にずれることが考えられる。
【0031】このため、図5から図22に示した流れ図
が組まれている。
【0032】この制御システムは、一言でいえばパージ
による空燃比エラーを吸収するためのものであり、図4
を用いて制御システムとしての考え方を簡単に述べ、そ
の後に項分けにして概説する。本願発明は、この制御シ
ステムの一部を構成するものであるため、最後に詳述す
る。
【0033】図4に示した記号を用いて燃料や空気を定
量的にみてみると、パージ弁流量(燃料流量と空気流量
の合計)Qpvはパージ弁デューティ(EVAP)とパー
ジ弁前後差圧から定まり、 Qef=Qpv・WC…[A] ただし、WC;パージガスの燃料濃度 によってパージ燃料流量Qefを求めることができる。
【0034】一方、パージ空気流量Qeaのほうは Qea=Qpv−Qef・KFQ#…[B] ただし、KFQ#;燃料流量を空気流量に換算するため
の定数 であるから、吸気管のパージガス流入部のすぐ下流を流
れる空気流量はQeaとエアフローメータ7で計測される
空気流量Qsとの合計である。
【0035】こうしてインジェクタ8より離れた上流位
置を流れる空気量(Qs+Qea)が定まると、公知のマ
ニホールド−シリンダ充填モデルを適用することがで
き、 Qc=(Qs+Qea)・Fload+Qc・(1−Fload)…[C] ただし、Fload;加重係数 によって、(Qs+Qea)の一次遅れとしてシリンダ空
気量(シリンダに流入する空気量)Qcが求まる。
【0036】一方、ポート部に設けたインジェクタ8か
らの燃料噴射量Qfは Qf=Qc・K#−Qefc…[D] ただし、K#;空燃比を一定にするための定数 Qefc;パージ燃料のシリンダ吸入量 により、パージ燃料分(Qefc)を差し引くのである。
【0037】なお、QefcはQefに対して、燃料ガスが
拡散しながら伝わることと単純な時間遅れを考慮して決
定する。
【0038】つまりは、パージガスの燃料濃度が学習に
よって精度良く求まれば、空気量と燃料量についてどれ
だけの補正をパージ中に行えばよいかが明確になるわけ
である。ところが、従来は燃料濃度を計測しておらず、
経験値などから適当な値を採用していただけであり、パ
ージON,OFFへの切換時の排気性能や運転性能に改
善の余地があったのである。
【0039】次に制御システムの項分け説明に入るが、
以下では量を示す記号は原則として英大文字を使い、と
きに演算子に使う記号や命令文などはプログラミング言
語で使われているところを流用する。
【0040】(1)パージカットの条件 (1−1)次の〈1〉〜〈5〉の条件のいずれかが成立
したときは、パージ弁デューティ(EVAP)=0とす
ることによってパージ弁をステップ的に閉じる(即カッ
ト)。これらの条件ではVC負圧弁22が閉じられるの
で、それに合わせてパージ弁21もステップ的に閉じる
ことにしたものである。この逆に、これらの条件のすべ
てが解除されたときは後述する〈6〉〜〈11〉の条件
解除時と同じく段階的に開弁する。
【0041】〈1〉イグニッションスイッチがOFFの
とき(図7のステップ23)。 〈2〉エンスト判定時(図7のステップ24)。 〈3〉スタータスイッチがONのとき(図7のステップ
25)。 〈4〉アイドルスイッチがONのとき(図7のステップ
26)。 〈5〉車速(VSP)が所定値(VCPC#)を下回る
とき(図7のステップ27)。
【0042】これらの条件をチェックして、いずれかで
も満たされていればゼロカットフラグ=1かつカットフ
ラグ=1とする(図7のステップ23〜27、図8のス
テップ30)。カットフラグ=1はパージカットするこ
とを、ゼロカットフラグ=1はステップ的にパージカッ
トすることを指示するため、ゼロカットフラグ=1かつ
カットフラグ=1によって、ステップ的にパージカット
されるのである。
【0043】ただし、これらフラグのセットは一度行え
ば足りるため、図8のステップ29で1回通ったフラグ
(#F1STGKZ)=1であれば前回にフラグがセッ
トされたと判断し、ステップ30に進むことなく、ルー
チンを抜けている。なお、初回は、他の2つの1回通っ
たフラグ(#F1STGKPと#F1STGKY)=
0、連続パージON時間カウンタ値(PONREF)=
0とすることにより次回に備えている(図8のステップ
30,28)。
【0044】(1−2)次の〈6〉〜〈11〉の条件の
いずれかが成立したときは、パージ弁を段階的に閉弁す
る。これらの条件でパージを行うと、運転性能や排気性
能に悪い影響があるためである。したがって、これらの
条件がすべて解除されたときパージ弁を段階的に開弁す
る。
【0045】〈6〉負荷が小さすぎるとき(図7のステ
ップ33)。たとえば、シリンダ空気量相当パルス幅
(後述する)TPとパージ下限許容値(TPCPC)を
比較し、TP<TPCPCとなったら負荷が小さすぎる
と判断する(図7のステップ32,33)。TPCPC
についてはエンジン回転数NEから図31を内容とする
テーブルをルックアップして(補間計算付き)求める。
テーブルルックアップはいずれも補間計算付きであるた
め、以下には単にテーブルルックアップとだけ記す。
【0046】〈7〉負荷が大きすぎるとき(図7のステ
ップ34)。たとえば、空気流量QH0とパージ上限許
容値(EVPCQH#)を比較し、QH0≧EVPCQ
H#で負荷が大きすぎると判断する。なお、QH0は後
述するようにスロットルバルブ部での空気流量(体積流
量)で、スロットル開度TVOとエンジン回転数NEと
から定まっている。
【0047】〈8〉空燃比フィードバック制御中でない
とき(図7のステップ35)。空燃比フィードバック制
御中でないと、空燃比を触媒ウインドウに収めることが
できないからである。たとえば、フラグ(#FCLS
1)=0よりフィードバック制御中でないと判断する。
【0048】〈9〉クランプ中(空燃比フィードバック
制御停止中)は、次の各種クランプ(オプションとして
設けられる)に対応して導入した人為的な選択フラグ=
0のとき(図7のステップ37〜44)。
【0049】Teminクランプ(フラグは#FPG
TEM)。 O2センサ初期化クランプ(フラグは#FPGCL
C)。 高負荷域KMRクランプ(フラグは#FPGKM
R)。 KHOTクランプ(フラグは#FPGKH)。
【0050】なお、のクランプ条件は実効パルス幅T
e(後述するTIから無効パルス幅Tsを引いた値のこ
と)が最小値以下のとき、のクランプ条件はO2セン
サを初期化するあいだ、のクランプ条件は高負荷域、
のクランプ条件はエンジンがオーバーヒート気味とな
る高水温時である。
【0051】ここで、人為的な選択フラグを用いたの
は、パージの速度要求が車種(燃料タンクシステム)に
より異なるためパージ領域を調整したいことと、とはい
ってもクランプ中はパージによる空燃比エラーを修正で
きないこととの両立上、開発者が人為的にフラグの値を
選択できるようにしたものである。したがって、開発時
の仕様によってフラグの値が決まる。
【0052】上記〈1〉〜〈9〉のパージOFF条件に
よってパージ領域がどうなるかを図32に示すと、
〈6〉の条件成立時に図示のTPカットの矢印で示した
領域でパージカットされる。同様にして、〈7〉の条件
成立時に図示のQH0カットの矢印で示した領域で、
〈9〉の条件成立時に図示のKMRカットで示した領
域でそれぞれパージカットされる。したがって、残りの
領域がパージされる領域である。ただし、パージ領域に
おいても、KHOTカット(耐熱カット)などによって
パージカットされることがあることを示している。
【0053】 〈10〉パージ学習のためのカットフラグ=1のとき。 次の条件がすべて成立したとき、パージ学習(図ではW
C学習で記す)のためのカットフラグ(#FWCCU
T)=1とする(図9のステップ60)。なお、パージ
学習はパージによる空燃比エラーを吸収するための学習
のことで後述する。
【0054】EONREF#≠FFFFであること
(図9のステップ51)。これはEONREF#(後述
する)によって人為的にパージ学習のためのパージカッ
トをするかしないかを選択できるようにしたもので、E
ONREF#に人為的にFFFF(16進数の最大値)
をいれておけば、パージ学習のためのパージカットを行
わせないようにすることができる。
【0055】オフセット学習予約フラグ(#FOFG
KGO)=1でないとき(図9のステップ52)。な
お、オフセット学習はパージ弁バラツキを吸収するため
の学習のことで後述する。
【0056】パージ学習許可フラグ(#FWCGKO
K)=1でないとき(図9のステップ54)。パージ学
習許可中であれば、PONREF(連続パージON時間
カウンタ値)=0とする(図9のステップ54,6
1)。これはパージ学習の終了時から連続パージON時
間をカウントするためである。
【0057】連続パージON時間カウンタ値(PON
REF)が所定値(#EONREF)以上であるとき
(図9のステップ55)。
【0058】空燃比フィードバック制御中(#FCL
S1=1)でかつクランプ中でない(#FCLMP1=
0)とき(図9のステップ56)。
【0059】後述する基本デューティ(EVAP0)
が下限値(WCGDTY#)以上であるとき(図9のス
テップ57)。
【0060】負荷(QH0)が上限値(WCGQH
#)以下であるとき(図9のステップ58)。
【0061】 〜の条件成立後一定のディレイ時
間が過ぎたとき(CONTWCJ≧WCGDLY#)
(図9のステップ59)。
【0062】特に、の条件成立によってパージカット
する理由は、パージが長く行われると、活性炭キャニス
タ16からの離脱燃料が減って、パージガスの燃料濃度
が低下し、計算上用いている燃料濃度(後述するパージ
学習値WCのこと)とのあいだにずれが生じるため、そ
うしたくないからである。したがって、パージを行う条
件であっても、間欠的にパージカットしながら、パージ
学習を行わせるのである。
【0063】〈11〉オフセット学習のためのカットフ
ラグ=1のとき。 次の条件がすべて成立したときオフセット学習のための
カットフラグ(#FOFCUT)=1とする(図9のス
テップ67)。
【0064】オフセット学習予約フラグ=1であると
き(図9のステップ52)。この予約は、後述するよう
にパージ学習値がクランプされパージ学習が終了したと
きに予約される。 空燃比フィードバック制御中(#FCLS1=1)で
かつクランプ中でない(#FCLMP1=0)とき(図
9のステップ64)。 後述する基本デューティ(EVAP0)が上限値(O
FGDTY#)以下であるとき(図9のステップ6
5)。 〜の条件成立後一定のディレイ時間が過ぎたと
き(CONTOFJ≧OFGDLY#)(図9のステッ
プ66)。
【0065】上記の〈6〉〜〈11〉の条件のいずれか
が成立したときは、カットフラグ=1かつゆっくりフラ
グ=1とする(図8のステップ47)。ゆっくりフラグ
=1はパージ弁の開閉を段階的に行うことを指示するた
め、ゆっくりフラグ=1かつカットフラグ=1によって
パージ弁が段階的に閉弁される。これに対して、〈6〉
〜〈11〉の条件がすべて解除されたときは、パージO
Nへの切換時であり、段階的にパージ弁を開弁するため
カットフラグ=0かつゆっくりフラグ=1とする(図8
のステップ49)。
【0066】なお、パージ弁の開閉を段階的に行う場合
に、フラグのセットを一度行えば足りることや連続パー
ジON時間カウンタ(PONREF)をクリアすること
などは、即カットの場合のステップ29,30,28と
同様である(図8のステップ46,47,45、ステッ
プ48,49)。
【0067】(2)パージ弁開度特性 (2−1)パージカット条件とのつながり 上記〈6〉〜〈11〉のいずれかの条件が成立したと
き、EVAP=EVPCUT#となるまで、(EVAP
T−EVPCUT#)*SPECUT#の速度でパージ
弁デューティ(EVAP)を減少させる(図10のステ
ップ91〜95、ステップ91〜94,96,97)。
【0068】上記〈1〉〜〈11〉の条件がすべて解除
されたときは、いったんEVAP=EVPCUT#と
し、EVAP=EVAPTとなるまで、(EVAPT−
EVPCUT#)*SPEON#の速度でパージ弁デュ
ーティEVAPを増加させる(図10のステップ91,
92,98〜100、ステップ91,92,98,9
9,101,102)。
【0069】ここで、EVPCUT#はパージOFF条
件でのパージ弁デューティ、EVAPTはパージ弁目標
デューティ、SPECUT#はパージ弁の閉速度、SP
EON#はパージ弁の開速度である。
【0070】図33に実線でEVAP(パージ弁デュー
ティ)の制御波形を示すと、パージOFFからパージO
Nへの切換時にはEVAPはいったんEVPCUT#と
されたあとEVAPTにむかって段階的に大きくされ、
パージONからパージOFFへの切換によって今度はE
VAPTからEVPCUT#まで段階的に小さくされる
のである。図33にはまた、即カットへの切換時を破線
で重ねて示しており、このときだけはEVAPがステッ
プ的に0にされる。
【0071】一方、図5のバックグランドジョブのほう
でもEVAPの値を与えている(ステップ12〜1
7)。これは、すべての場合に図10で示した100m
secごとのジョブでEVAPの値を与えたのでは、過
渡時にEVAPの変化に応答遅れが生じる(たとえば即
カットをすぐに行いたいときに応答遅れが生じる)の
で、過渡時にEVAPを素早く要求値に切換えるため、
100msecの周期で段階的に開閉するとき以外はバ
ックグランドジョブで計算させているわけである。
【0072】(2−2)パージ弁目標デューティ パージ弁の目標デューティEVAPTは、 EVAPT=EVAP0+OFSTPV+VBOFPV…[1] ただし、EVAP0;パージ弁の基本デューティ OFSTPV;パージ弁立上がりデューティの学習値 VBOFPV;パージ弁立上がりデューティのバッテリ
電圧補正率 で求める(図5のステップ9)。計算したEVAPTは
上限値(EVPMAX#)に制限する(図5のステップ
10,11)。
【0073】ここで、[1]式のOFSTPVはパージ
弁立上がりデューティに相当する学習値(簡単にオフセ
ット学習値ともいう)で後述する。
【0074】[1]式の基本デューティEVAP0は、 EVAP0=定数*TQPV/(KPVQH*KPVVB)…[a] ただし、TQPV;パージ弁目標流量 KPVQH;パージ弁流量の負圧補正率 KPVVB;パージ弁流量のバッテリ電圧補正率 から、あるいは図27に示す特性を内容とするテーブル
をルックアップして求める。
【0075】[a]式のパージ弁目標流量TQPVは TQPV=Qs*PAGERT…[b] ただし、Qs;エアフロメータ部の吸入空気量 PAGERT;目標パージ率 である。
【0076】[b]式の目標パージ率PAGERTは、
パージガスの燃料濃度に相当するパージ学習値WCから
図23に示した特性を内容とするテーブルをルックアッ
プして求める(図5のステップ3)。
【0077】PAGERTはエアフロメータ部流量Qs
が変化しても、原則として一定とするため、図34の上
段にも示したようにWCが大きいときも小さいときも水
平な特性となる(実線で示す)。ただし、パージ弁流量
はパージ弁が一杯に開いた状態で最大となるため、パー
ジ流量が最大になったあとはパージ率は徐々に小さくな
っている。
【0078】ただし、センサ(O2センサ、エアフロー
メータ、スロットルセンサ)のいずれかに異常がある
(図ではNGで示す)ときは、RAGERT=NGPG
RT#としている(図5のステップ1,2)。NGPG
RT#はセンサ異常時のパージ率(定率)である。
【0079】[a]式のKPVQHは、パージ弁部の流
路面積が一定でもパージ弁の前後差圧により流量が変わ
る分の補正率で、流量QH0から図24の特性を内容と
するテーブルをルックアップして求める(図5のステッ
プ4)。このKPVQHにより、前後差圧が小さくなる
ほど流れにくくなるので、弁開度一定でも前後差圧が小
さいときは(QH0が大きいとき)、TQPVが大きく
なるように補正するのである。
【0080】[a]式のKPVVBは、バッテリ電圧V
Bから図25の特性を内容とするテーブルをルックアッ
プして求め(図5のステップ5)、また[1]式のパー
ジ弁立上がりデューティのバッテリ電圧補正率VBOF
PVは、バッテリ電圧VBから図26の特性を内容とす
るテーブルをルックアップして求めている(図5のステ
ップ6)。
【0081】(2−3)パージ弁流量予測値 パージ弁流量予測値QPVは QPV=EVAPQ*KPVQH…[4] ただし、EVAPQ;パージ弁の基本流量 KPVQH;パージ弁流量の負圧補正率 によって求める(図6のステップ19)。
【0082】[4]式のEVAPQは、(EVAP−O
FSTPV−VBOFPV)*KPVVBから図29の
特性を内容とするテーブルをルックアップして求める
(図9のステップ18)。図29において、横軸をEV
AP0*KPVVBとしないのは、パージON,OFF
への切換時はEVAP−OFSTPV−VBOFPVの
値(つまり過渡時の値)とEVAP0の値(平衡時の
値)とが一致しなくなるためである。
【0083】(3)パージ学習制御 基本空燃比学習値αmとは別に、パージガスの燃料濃度
に相当するパージ学習値(パージガスの混合比の学習値
でもある)WCを導入する。αmと別個にするのは、α
mを導入した目的である、変化の非常に遅い空燃比エラ
ー(エアフローメータやインジェクタの特性バラツキな
どによる)と相違して、パージガスによる空燃比エラー
は比較的時間変化が早いため、パージ学習値WCと基本
空燃比学習値αmとに分離することによって空燃比の制
御精度を高めようとするわけである。
【0084】さて、パージガスの燃料濃度はパージO
N,OFFへの切換によって変化するαから次のように
して予測することができる。
【0085】いまかりに、パージガスの燃料濃度だけが
前回より濃くなったとすると(エアフローメータなどに
よる空燃比の定常エラーはないとする)、空燃比がリッ
チ側にずれるためこれをリーン側に戻そうとしてαの値
(またはその平均値)が制御中心(1.0)より小さく
なる側にずれる。そこで、αが小さい側にずれたとき
は、パージ学習値WCを大きい側に更新してやると、更
新後のWCは前回より濃くなった燃料濃度に相当する。
この逆に、燃料濃度が前回より薄いときは、αが制御中
心から大きいほうにずれるため、このときはWCを小さ
くなる側に更新すると、更新後のWCが前回より薄くな
った燃料濃度に相当する。
【0086】このようにパージガスの燃料濃度を予測す
ることによって、センサを設けることなくパージON,
OFFへの切換直後の空燃比エラーを防ぐことができる
わけである。
【0087】(3−1)バッテリバックアップ パージ学習値WCはバッテリバックアップするが、コン
トロールユニット2への初回通電時はWC=INWC#
とする(図11のステップ101,102)。INWC
#は初回通電時のためのWCの初期値である。
【0088】それ以外はコントロールユニット2への通
電時に WC=WC保持値+WCST# ただし、WCST#;始動時のWCの加算値 とする(図11のステップ101,105)。WCST
#は停車中に活性炭キャニスタに蓄えられる燃料の増加
を考慮するものである。前回のエンジン停止から今回の
エンジン始動までのあいだに時間をおかなければ、WC
保持値によって今回運転時のパージ中も空燃比エラーが
生じることはないのであるが、時間をおいたときは、そ
の間で活性炭キャニスタに蒸発燃料がたまり、この分が
今回のエンジン始動時に空燃比エラーとなって現れる。
そこで、この分(つまり停車中の燃料増加分)をWCS
T#によって見積もるわけである。
【0089】ただし、センサのいずれかが異常であれば
WC=NGWC#とし、かつパージ学習を中断するた
め、パージ学習許可フラグ=0とし(図12のステップ
111〜113)、さらにパージ学習のためのRAMや
フラグの初期化や後処理をする(図12のステップ11
4)。
【0090】(3−2)パージ学習の許可条件 パージ学習はパージONまたはパージOFFへの切換時
に許可するため、パージON,OFFの切換を指示する
フラグのセット後、つまり図8のステップ30,47ま
たは49に続いて行う。図8において、オフセット学習
が予約されていなければWC学習許可フラグ(#FWC
GKOK)=1とする(図8のステップ82,83)。
【0091】αの変化が終了するのを待つことなく、パ
ージON,OFFへの切換時に学習を許可する理由は、
学習の頻度を高くするためである。
【0092】(3−3)パージ学習の中断条件 次の条件が成立するときはパージ学習を中断する(図1
2のステップ116〜119,113)。
【0093】パージ学習許可フラグ=0のとき(図1
2のステップ116)。パージ学習条件成立中にパージ
ONからパージOFFにあるいはこの逆へと切換わった
ときパージ学習を中断するためである(図8のステップ
81,85)。
【0094】空燃比フィードバック制御中でかつクラ
ンプ中でない条件以外のとき(図12のステップ11
7)。空燃比フィードバック制御中でかつクランプ中で
ない条件を学習条件としているためである。
【0095】基本デューティ(EVAP0)が所定値
(WCGDTY#)より小さいとき(図12のステップ
118)。基本デューティが小さいときは、パージ弁立
上がりデューティのバラツキによる空燃比エラーと混同
してくるので、これを避けるためである。図34に示し
たように、パージ弁流量でいえば、高流量域をパージ学
習条件、低流量域をオフセット学習条件とするのであ
る。
【0096】負荷(QH0)が所定値(WCGQH
#)以上に高すぎるとき(図12のステップ119)。
【0097】ただし、〜のいずれかの条件を満たし
ても、パージ学習のためのカットフラグ=1のときは、
ステップ113を飛ばしている(図12のステップ12
0,114)。この場合にパージ学習許可フラグ=0と
しないのは、パージ学習のためのパージカットによって
パージ学習が中断されると、再びパージONへと切換え
られるが、そのときパージ学習が始まってしまわないよ
うにするためである。
【0098】なお、パージON時の学習では、EVAP
がパージ弁のオフセット分(たとえばVBOFPV+D
LYWCG#(ディレイ時間相当量)とする)を過ぎる
までパージ学習を待たせている(図12のステップ12
1,122)。
【0099】(3−4)パージ学習値の更新 パージ学習に入った初回の空燃比フィードバック補正係
数の平均値ALPAVをメモリのALPSTにストアす
る(図13のステップ131〜133)。ALPSTに
学習開始時のALPAV(パージON,OFF切換前の
ALPAVでもある)を格納するわけである。
【0100】パージ学習許可中になると、パージ学習値
WCを WC=WC保持値+ΔWC で更新する(図14のステップ181)。更新後のWC
は上限値(WCMAX#)と下限値(WCMIN#)の
あいだに制限する(図14のステップ183〜18
5)。
【0101】ΔWCは学習更新量で、これは図35に示
すように空燃比フィードバック補正係数ALPHA(α
のこと)とALPSTの差が大きい場合と小さい場合で
異なる値(大きい場合は±PWCHと±IWCH、小さ
い場合は±PWCLと±IWCL)を与えており、同表
で示したようにΔWCを与えるため図14と図15が組
まれている。
【0102】ここでは、学習更新量ΔWCがどう与えら
れるかを図36に示した波形で説明することによって図
14と図15の説明に代える。
【0103】図36はパージONへの切換時のものであ
る。
【0104】パージONへの切換によってαがリーン側
に移動していく(長い積分量Iが作用している)と、α
の平均値であるALPAV(破線で示す)もリーン側に
移動し、ALPAV<ALPSTになった時点(A点)
で学習値WCがステップ的にPWCL#(ステップ量)
だけ大きくされ、後はIWCL#(積分量)で徐々に大
きくされる。
【0105】これらの学習更新量(PWCL#とIWC
L#)では足りずに、αが所定幅(DALPH#)を横
切ってリーン側に移動すると、その横切点(B点)で今
度は学習値WCが上記のPWCL#よりも値の大きなP
WCH#(これもステップ量)でステップ的に一段と大
きくされ、後は上記のIWCL#より値の大きな値のI
WCH#(積分量)で徐々に大きくされる。αがALP
STを基準にしたDALPH#の幅を外れたときは、一
段と大きなステップ量PWCH#を与えることによって
学習のスピードを速めるわけである。
【0106】ただし、学習値WCのオーバーシュートを
避けるため、ステップ量PWCH#の加算(または減
算)はパージ学習許可中1回しか行わない。
【0107】この結果、αとALPSTの差がDALP
H#の幅以内に収まってくると、D点からはIWCL#
とIWCH#が使われ、さらにALPAVがALPST
を越えた時点(E点)からは、ステップ量、積分量とも
に小さな値のPWCL#とIWCL#が使われる。
【0108】(3−5)パージ学習のクランプ EVAP=EVAPTまたはEVAP=EVPCUT#
となった時点で、そのうち最新2回の学習値WCのピー
ク値(つまりPWCL#加減算直前のWC)の平均値を
求め、以後はこの値にWCをクランプしてパージ学習を
終了する。
【0109】このため、図14においてΔWCに+PW
CL#(あるいは−PWCL#)をいれる直前で、メモ
リのOLDWC1に入っている値をメモリのOLDWC
2に、メモリのWCに入っている値をメモリのOLDW
C1にそれぞれ移して、PWCL付加回数カウンタ値
(CONTPWCL)を1だけインクリメントしておく
と(図14のステップ155,158、ステップ16
4,166)、CONTPWCLが所定値NSWCGK
#(たとえば3)以上となった時点で学習値が収束した
と判断し、(OLDWC1+OLDWC2)/2の値を
WCに入れ直し(図12のステップ125,126)、
パージ学習許可フラグ=0とするのである(図12のス
テップ128)。
【0110】パージ学習値をクランプする理由は次の通
りである。パージ学習値WCを基本空燃比学習値αmと
別にすることによって空燃比の制御精度が高まるので、
パージ学習は早期に終了したい。いつまでもパージ学習
を行っていると、運転条件の変化によるαの変化分がパ
ージ学習にエラーとして混入してくるからである。いい
かえると、運転条件が変化しないあいだにパージ学習を
終了し、運転条件の変化(パージON,OFFの切換時
を除く)に対しては基本空燃比学習によって空燃比エラ
ーをなくしたいわけである。
【0111】なお、図36のQ点で付加されるPWCL
#は、パージ弁切換中(ゆっくりフラグ=1になってい
る)のため、PWCL付加回数カウンタ値(CONTP
WCL)にカウントされることはない(図12のステッ
プ124,130)。
【0112】(3−6)空燃比フィードバック補正係数 ALPAVの計算は基本空燃比学習でよく用いられる公
知の手法で計算する。たとえばALPAVをステップ量
Pの付加時に(図18のステップ263,268)、 ALPAV=(ALPHA+ALPO)/2 ただし、ALPO;前回のP分付加直前のα によって求めるのである(図18のステップ263,2
66)。
【0113】ただし、空燃比フィードバック制御におけ
るクランプ中からフィードバック制御に入った場合は図
37のようにクランプ解除後の制御1周期目からALP
AVの計算を行うため、Pの付加回数カウンタ値(CO
UNTP)が3未満のときは、ALPAV=1.0とし
ている(図18のステップ265,269)。もちろ
ん、空燃比フィードバック制御におけるクランプ中はA
LPAV、ALPOともに1.0である(図18のステ
ップ261,262)。
【0114】(4)パージ弁立上がりデューティの学習 パージ弁21がリニアソレノドによって駆動されるとき
は、図38のように温度に依存してパージ弁立上がりデ
ューティ(パージ弁が開き始めるときのデューティ)が
変化し、流量がバラツクため、特に小流量域でのパージ
率が大きく変動する。高温になるほどパージ弁が開きに
くくなるため、同じ基本デューティEVAP0を与えて
も、高温時は実質的にパージ率が小さくなってしまうの
である。
【0115】そこで、パージ弁立上がりデューティに相
当する学習値(オフセット学習値ともいう)OFSTP
Vをパージ学習値WCとは別に導入している。
【0116】パージ弁のリニアな流量特性を、図38で
示したように、温度に応じて左右に平行移動するものと
みなせば(つまり直線の傾きの変化は無視する)、 目標デューティ=基本デューティ+パージ弁立上がりデ
ューティ によって、目標デューティを与えればよい。
【0117】いまかりに、他の条件は変わることなく
(他の原因による空燃比エラーは考えない)パージ弁温
度が前回より高くパージ弁立上がりデューティが大きく
なったとすると、パージ弁の開くのが遅れてパージ弁流
量が減り、パージ率が小さくなる。このパージ率の低下
によって空燃比がリーンになり、これをリッチ側に戻そ
うと、αおよびαの平均値(ALPAV)が制御中心
(1.0)より大きくなる側にずれる。
【0118】そこで、ALPAVが大きい側にずれたと
きは、オフセット学習値OFSTPVを大きい側に更新
してやると、パージ弁流量を温度変化前と同じにするこ
とができ、更新後の学習値は温度上昇後のパージ弁立上
がりデューティに相当する。この逆に、パージ弁温度の
低下によってパージ弁の開くのが前回より早くなると、
パージ弁流量が増え空燃比がリッチ側にずれるため、α
およびALPAVが制御中心から小さいほうにずれる。
このときは、オフセット学習値OFSTPVを小さくな
る側に更新することで、更新後の学習値が温度低下後の
パージ弁立上がりデューティに相当する。
【0119】このように、オフセット学習もパージ学習
と考え方はまったく同じであり、相違点は定数、変数名
が異なることと学習値の更新の方向が逆になることぐら
いである。したがって、異なる点を簡単に述べるにとど
める。
【0120】(4−1)オフセット学習の許可条件 オフセット学習もパージONまたはパージOFFへの切
換時に許可するのであるが、オフセット学習はパージ学
習値WCがクランプされた後に予約する(図12のステ
ップ126,127)。これは、パージによって生じる
空燃比エラー(学習値WCで補正する)とパージ弁バラ
ツキによって生じる空燃比エラー(学習値OFSTPV
で補正する)とを分離するためである。
【0121】これを図34でさらに説明すると、パージ
率特性に、温度特性によって生じる弁特性のバラツキを
重ねると、小流量域(Qsの小さな領域)で破線で示し
たようにパージ率のバラツキが急激に拡大する。これ
は、パージ弁に同じだけの流量バラツキがあってもパー
ジ率に換算すると、Qsが小さいほどQsに対するバラ
ツキ量の割合が大きくなるためである。
【0122】こうした弁バラツキとパージそのものとに
よって空燃比エラーが生じる。つまり、空燃比エラーと
いっても2つの空燃比エラーの重ね合わせであるため、
弁バラツキに影響されない大流量域をパージ学習条件と
して学習(パージ学習)を行うことによってまずパージ
により生じる空燃比エラーをなくし、その後に弁バラツ
キが大きく出る小流量域をオフセット学習条件として学
習(オフセット学習)を行うことによって、立上がりデ
ューティのバラツキに伴う空燃比エラーをなくすのであ
る。
【0123】(4−2)オフセット学習の中断条件 図12のステップ118と図15のステップ194を比
べればわかるように、オフセット学習では基本デューテ
ィ(EVAP0)が所定値(OFGDTY#)より大き
いときに学習を中断する(図15のステップ194,1
96)。EVAP0が小さい範囲(小流量域)がオフセ
ット学習条件となり、この逆にEVAP0が大きい範囲
(大流量域)がパージ学習条件となるわけである。
【0124】(4−3)学習値の更新 図39を図35と比較すればわかるように、学習更新量
ΔOFSTPVの正負の与え方がΔWCのときとは逆に
なっている。したがって、パージONへの切換時の学習
値OFSTPVの変化は、図40のようになる。なお、
図40においてOFSTPVは上側が負、下側が正であ
る。
【0125】(5)基本空燃比学習 (5−1)学習禁止条件 次の条件のいずれかが成立するときは、基本空燃比学習
値αmを更新しない(図18のステップ281〜28
4,285)。
【0126】パージ学習を1回も行っていないとき
(図18のステップ281)。 ゆっくりフラグ=1のとき(図18のステップ28
2)。つまりパージONまたはパージOFFへの切換時
である。 パージ学習許可フラグ=1のとき(図18のステップ
283)。 オフセット学習予約フラグ=1またはオフセット学習
許可フラグ=1のとき(図18のステップ284)。
【0127】パージ中(のとき)に加えて、パージ学
習やオフセット学習を行うとき(,のとき)にも基
本空燃比学習を禁止するのは、比較的時間変化が早いパ
ージガスによる空燃比エラーが、αmを導入した目的で
ある変化の非常に遅い空燃比エラー(エアフローメータ
やインジェクタの特性バラツキなどによる)に影響をお
よぼすのを防止するためである。
【0128】なお、基本空燃比学習αmは αm=αm保持値+Δαm ただし、Δαm;学習更新量 によって更新され、学習更新量Δαmが Δαm=(ALPAV−1.0)・GAIN ただし、ALPAV;ALPHAの平均値 GAIN;更新割合(1以下の値) によって計算されることはいうまでもない。
【0129】(6)燃料噴射パルス幅の特性式 (6−1)燃料噴射パルス幅 気筒別の燃料噴射パルス幅CTInを CTIn=TI+CHOSn+ERACIn…[5] ただし、n;インジェクタ番号 TI;全気筒に共通の燃料噴射パルス幅 CHOSn;気筒別増減量 ERACIn;割込噴射から同期噴射への移行化パルス
幅 によって計算する(図21のステップ323)。この式
そのものは公知である。
【0130】ここで、[5]式の燃料噴射パルス幅TI
は 同時噴射時: TI=(TP−TEFC+KATHOS) *TFBYA*(α+αm)+Ts…[6] シーケンシャル噴射時: TI=(TP−TEFC+KATHOS) *TFBYA*(α+αm)*2+Ts…[7] ただし、TP;シリンダ空気量相当パルス幅 TEFC;パージ燃料相当パルス幅 KATHOS;壁流補正量 TFBYA;目標燃空比 α;空燃比フィードバック補正係数 αm;基本空燃比学習値 Ts;無効パルス幅 である(図21のステップ322)。
【0131】従来と異なるのは、[6],[7]式にお
いて、TPからTEFCを差し引いている点である。こ
れは、吸気管にパージガスを導入するときは、パージガ
スのうちの燃料分(TEFC)だけ余計に加わってシリ
ンダに流入するのであるから、パージ中もパージしてな
いときと同じ空燃比を維持するためには、このパージガ
ス燃料分を差し引いた燃料量をインジェクタ8からシリ
ンダごとに供給してやればよいのである。
【0132】なお、シリンダ空気量相当パルス幅TP
は、 TP0=Qs*KCONST#*KTRM/NE…[8] TP=TP0*FLOAD+TP*(1−FLOAD)…[9] ただし、TP0;エアフローメータ部空気量相当パルス
幅 Qs;エアフローメータ部空気量 KCONST#;定数 KTRM;空気量エラーの修正に用いるトリミング係数 NE;エンジン回転数 FLOAD;加重平均係数 によって従来どおりに求めている(図21のステップ3
12,313)。これらの式も公知で、シリンダ吸入空
気量相当への位相合わせのためのものである。
【0133】(6−2)パージ燃料相当パルス幅 パージ燃料相当パルス幅TEFCは TEFC=QEFC*KCONST#/NE…[10] ただし、QEFC;パージ燃料のシリンダ吸入量予測値 KCONST#;定数 NE;エンジン回転数 で求める(図21のステップ311)。[10]式は
[8]式と同様の式であり、パージ燃料のシリンダ吸入
量予測値(QEFC)を噴射パルス幅相当に単位変換し
たものである。
【0134】[10]式のパージ燃料シリンダ吸入量予
測値QEFCは、パージ燃料流量(QEF)に対し2つ
の一次遅れ(加重平均)の直列結合+デッドタイムで代
表させる。つまり、 QEF1=QEF*EDMP1#+QEF1*(1−EDMP1#) …[11] QEF2=QEF1*EDMP2#+QEF2*(1−EDMP2#) …[12] ただし、QEF1;パージ燃料流量中間予測値 EDMP1#;加重平均係数1 QEF2;パージ燃料流量中間予測値 EDMP1#;加重平均係数2 によってQEF2を求め、このQEF2に対し所定回
(QEFDLY#)のRef信号(4気筒なら180°
CAごとに、6気筒なら120°ごとに立ち上がる)の
数だけ遅れた値をQEFCとするわけである(図19の
ステップ293〜295)。
【0135】これは、パージ弁から吸気管に出たパージ
燃料流量(これは燃料分のみ)QEFが、シリンダに到
達するまでにデッドタイム(単純時間遅れ)をもち、し
かも気体燃料は拡散しながら伝わるので、QEFCの波
形が図41のように表せるからである。
【0136】なお、計算したQEF2の値をメモリに格
納するにあたって、一定数のメモリを用意し、順次隣の
メモリにシフトするようにしておけば、これらのメモリ
の中からQEFDLY#回前の値をQEFCとすればよ
い(図19のステップ295)。
【0137】[11]式のパージ燃料流量QEFは QEF=WC*QPV*KQPV…[13] ただし、WC;パージ学習値 QPV;パージ弁流量予測値 KQPV;パージ弁流量の補正率 で求める(図6のステップ21)。パージ弁流量予測値
QPVにパージガスの燃料濃度相当値(WC)をかける
ことによって、パージ燃料分としてのQEFが求まるわ
けである。
【0138】[13]式の流量補正率KQPVは、パー
ジ弁流量予測値QPVから図30の特性を内容とするテ
ーブルをルックアップ求める(図6のステップ20)。
【0139】(7)吸入空気量 パージを行っているときは、噴射量計算に用いる空気量
Qを Q=Qs+QEA…[14] ただし、Qs;エアフローメータ部空気量 QEA;パージ空気流量(燃料分を除く) で求める。
【0140】ここでは、人為的な選択フラグ(FPQ
A)=1であれば[14]式によってパージエア分だけ
空気量を補正し、FPQA=0であれば補正しないよう
にしている(図20のステップ302,303、ステッ
プ302,304)。
【0141】パージ中に[14]式を採用する理由は、
パージ弁21から吸気管(吸気マニホールド17)に漏
れ込む空気量は上流のエアフローメータ7で計量してい
ないため、パージによる漏れ空気によって空燃比のリー
ンエラーが生じる。そこで、パージ中(活性炭キャニス
タ16に燃料が吸着されておらず空気だけが漏れ込む場
合を含む)は、[14]式のQを使うことによってリー
ンエラーを防止するのである。
【0142】なお、エアフローメータ7にも計量遅れが
あるが、これについては特開平3−222849号公報
に記載したところによって対処することが可能である。
【0143】[14]式のパージ空気流量QEAは QEA=QPV−QEF*KFQ#…[15] ただし、QPV;パージガス流量(空気+燃料) QEF;パージ燃料流量 KFQ#;燃料流量→空気流量移行化補正率 で求める。
【0144】なお、QEAはRef信号ジョブで実行さ
れるEVAP(パージ弁デューティ)の出力(図19の
ステップ291)と同期させるため、バックグランドジ
ョブで求めたQEAの値をメモリのQEABにストア
(一時保管)しておき(図6のステップ22)、Ref
信号ジョブでQEABの値をメモリのQEAに移してい
る(図19のステップ292)。
【0145】[15]式のKFQ#は、空気と燃料蒸気
とは同一流路でも流量が異なるので、その相違分を補正
するものである。
【0146】(8)壁流補正量 壁流の低周波分(比較的ゆっくりと変化する壁流分のこ
と)の修正を目的とし、運転条件ごとに平衡付着量(M
FH)を記憶しておき、過渡に伴う平衡付着量の変化を
総補正量(KATHOS)として、燃料噴射ごとに所定
の割合ずつシリンダ空気量相当パルス幅TPに加算(減
速時は減算)するものがある(特開昭63−38656
号、特開昭63−38650号など参照)。さらに、壁
流の高周波分(比較的速く変化する壁流分のこと)の修
正を目的とし、空気量の変化分に伴う壁流量(CHOS
n;気筒別増減量、INJSETn;気筒別割込噴射
量、ERACIn;割込み噴射→同期噴射移行化パルス
幅)を導入するものもある(特開平3−111639号
公報参照)。
【0147】壁流補正量KATHOSは燃料供給遅れを
考慮するものである。加速時は噴射量を増量しなければ
ならないが、どんなに霧化特性のよいインジェクタとい
えども、燃料の一部は吸気マニホールド壁に付着し、吸
気管壁を伝って液状のまま流れ(この流れが壁流)、空
気に乗せられた燃料より遅い速度でシリンダに流入す
る。つまり、壁流燃料によってシリンダに吸入される混
合気が一時的に薄くなるので、この一時的な混合気の希
薄化を防止するため、加速時は壁流補正量KATHOS
だけ増量するのである。この逆に、マニホールド圧が急
激に高負圧になる減速時は、マニホールド壁に付着して
いた燃料がいっせいに気化してくるため、混合気が一時
的に濃すぎになり、CO,HCが増加する。そこで、減
速時はこの気化する壁流分を減量してやるわけである。
【0148】ところが、パージガス中の気体燃料は、燃
料タンク15から蒸発してくる軽質成分(ブタンなどの
低温で揮発する成分)であるため、吸気管内でもほとん
どが気化したまま流れ壁流を形成することがない。した
がって、壁流補正量KATHOSを計算するにあたって
は、パージ燃料分(TEFC)を除いてやる必要がある
のである。
【0149】このため、パージを行うときは、平衡付着
量MFHを MFH=MFHTVO*CYLINDR#*(TP−TEFC)…[16] ただし、MFHTVO;付着倍率 CYLINDR#;シリンダ数 TP;シリンダ空気量相当パルス幅 TEFC;パージ燃料相当パルス幅 で求める。つまり、TPから壁流を形成しない燃料分で
あるTEFCを差し引くことで、壁流補正量KATHO
Sの予測精度がよくなり、過渡時の空燃比をより適切に
できるのである。
【0150】ただし、壁流補正量を導入していないエン
ジンもあるので、人為的な選択フラグ(FPFHL)=
1のときに[16]式を採用し(図21のステップ31
5,316)、FPFHL=0のときは従来どおり MFH=MFHTVO*CYLINDR#*TP で求めることによって(図21のステップ315〜31
8)、いずれのタイプのエンジンに対しても適用できる
ようにしている。
【0151】同様にして、CHOSn、INJSET
n、ERACInについても、人為的な選択フラグ(F
PFHS)=1のときにTP−TEFC(=TPP)を
用いて、FPFHS=0のときは従来どおりTPを用い
て求めている(図21のステップ319,320、ステ
ップ319,321)。
【0152】(9)アイドル回転数制御 パージ用空気がエンジンに吸入されると、出力(トル
ク)が増加する。つまり、パージON,OFFの切換に
よって同じアクセル開度でも低負荷時は出力が大きく変
動し運転性が悪くなるわけである。
【0153】この場合に、スロットルバルブ6をバイパ
スする通路にデューティ信号に応じて連続的に開度を変
化させうる弁(補助空気弁)を設けているものでは、こ
の補助空気弁をパージエアの導入に合わせて絞ってやれ
ば、運転性が悪くならないようにすることができる。
【0154】そこで、ここでも人為的な選択フラグ(F
EVISC)=1のときは、補助空気弁への制御デュー
ティ(ISCON)を ISCON=従来のISCON−ISCEVP…[17] ただし、ISCEVP;パージ補正量 によって求め(図22のステップ324,326)、F
EVISC=0であれば ISCON=従来のISCON で求めるのである(図22のステップ324,32
7)。
【0155】[17]式のパージ補正量ISCEVP
は、QEA/KPVQHから図42の特性を内容とする
テーブルをルックアップして求める(図22のステップ
325)。
【0156】なお、[17]式の従来のISCONは、
たとえば ISCON=ISCi+ISCp+ISCtr+ISCat+
ISCa+ISCrfn…[18] ただし、ISCi;アイドルフィードバック制御の積分
分 ISCp;アイドルフィードバック制御の微分分 ISCtr;減速時空気増量分(ダッシュポット相当) ISCat;A/T車のN←→Dレンジ補正分(Dレンジ
で大) ISCa;エアコンON時の補正分 ISCrfn;ラジエータファンON時の補正分 である。
【0157】以上で制御システムの項分け説明を終え
る。
【0158】さて、パージガスの燃料蒸気が車外に漏れ
ないようにするため、多量のパージガスを吸気管に導入
する場合において、パージガスの燃料濃度が濃いと、空
燃比エラー(理論空燃比からのずれ)が大きくなるし、
キャニスタに燃料蒸気がたまっていなければ、余計な空
気だけをエンジンに吸入させてしまう。
【0159】これに対処するため、コントロールユニッ
ト2では、パージガスの燃料濃度に応じてパージ弁の基
本流量を増減補正する。燃料濃度が濃いときは基本流量
を減らし、燃料濃度が薄くなると基本流量を増やしてや
るのである。
【0160】こうした制御は、(1)パージ弁の基本流
量の設定、(2)パージガスの燃料濃度の検出、(3)
基本流量の補正に分けられるため、以下に項分けする。
【0161】(1)パージ弁の基本流量の設定 まず、パージ率(=パージ弁流量/吸入空気量)を導入
すると、目標パージ率PAGERTにエアフロメータ部
の吸入空気量(運転条件信号)Qsをかけた値がパージ
弁目標流量TQPVになる。
【0162】TQPV=Qs*PAGERT…[b] パージ弁流量はパージ弁デューティに比例するので(た
だし過渡時は応答遅れがある)、パージ弁の基本デュー
ティEVAP0を EVAP0=定数*TQPV とする。
【0163】ところで、パージ弁の流路面積が同じでも
弁の前後差圧により流量が変わってくるため、 EVAP0=定数*TQPV/KPVQH…[a1] によって、KPVQH(パージ弁流量の負圧補正率)で
目標流量TQPVを補正する。
【0164】TQPVが同じでも、パージ弁前後差圧が
大きいときと小さいときとでは、前後差圧が大きいとき
のほうがパージ弁流量が多くなるため、KPVQHによ
って補正することにより、パージ弁前後差圧が異なって
も同一のパージ弁流量となるようにするのである。
【0165】なお、この例ではパージ弁前後差圧を実際
に検出していないので、ここでは差圧相当量としてのQ
H0からテーブルルックアップによりKPVQHを求め
るようにしている(図5のステップ4)。QH0はエン
ジン回転数NEとスロットル開度TVOとから定まるス
ロットルバルブ部の体積流量で公知である。
【0166】過渡時の位相でみると、QH0よりもシリ
ンダ空気量相当パルス幅TPのほうがパージ弁の前後差
圧に近いため、TPを採用したいのであるが、TPは大
気圧、吸気温度の相違によってパージ弁前後差圧との関
係がずれるため、ここではQH0を用いている。なお、
TPも公知で、これはエアフローメータ部で空気量を計
測しても、実際にはほぼ一次遅れでシリンダに流入する
ことを考慮して、この一次遅れで流入するシリンダ空気
量に対して一定の比例関係で燃料量を与えるようにした
ものである。
【0167】一方、パージ弁21がリニアソレノイド駆
動のときは、パージ弁の立上がりデューティ(パージ弁
が開き初めるときのデューティ)が0でないため、この
例では EVAPT=EVAP0+OFSTPV…[11] によって、パージ弁立上がりデューティに相当するオフ
セット学習値OFSTPVをEVAP0に加算した値を
パージ弁目標デューティEVAPTとする。
【0168】立上がりデューティになって初めてパージ
弁21が開き始めるのであるから、立上がりデューティ
の分だけオフセットさせる(ずらせる)ため、EVAP
0に加算するのである。
【0169】パージ弁の温度に依存して変化する立上が
りデューティはオフセット学習値OFSTPVで予測す
る。
【0170】パージ弁が低温から高温への変化すると、
立上がりデューティが温度変化前より大きくなることか
らパージ弁流量が減少して空燃比がリーンになり、これ
をリッチ側に戻すためαおよびALPAV(αの平均
値)がALPST(パージONへの切換前のALPA
V)より大きくなる側にずれる。この逆に温度変化した
ときはパージ弁流量が増加し、これによってαおよびA
LPAVがALPSTより小さくなる側にずれる。
【0171】この場合に、パージ弁の低温から高温への
変化によって、ALPAVがALPSTより大きくなる
側にずれると、オフセット学習値OFSTPVを大きい
側に更新し、逆の温度変化により小さくなる側へのAL
PAVのずれに対応してOFSTPVを小さくなる側に
更新してやると、学習値OFSTPVはパージ弁温度に
応じて変化する立上がりデューティを表すことになるの
である(図15、図16、図17)。
【0172】さらに、パージ弁21の印加電圧(バッテ
リ電圧VB)の変動に対処するため、上記の[a1]と
[11]に代えて、 EVAP0=定数*TQPV/(KPVQH*KPVVB)…[a] EVAPT=EVAP0+OFSTPV+VBOFPV…[1] を採用している。
【0173】バッテリ電圧VBが低下すると、同じEV
AP0でパージ弁21を駆動しても、ONデューティ値
が低下して、パージ弁流量が少なくなる。そこで、バッ
テリ電圧VBが低下したときはKPVVB(パージ弁流
量のバッテリ電圧補正率)の値を大きくすることによっ
てONデューティ値を大きくし、バッテリ電圧VBの低
下前と同じ流量を流そうとするわけである(図5のステ
ップ5、図25)。
【0174】また、パージ弁21もインジェクタ8と同
じに、ONデューティ値に正確に対応して開かれるわけ
でなく有効に作用しない分がある。この分はバッテリ電
圧VBに左右され、バッテリ電圧VBが低下するほど大
きくなる。そこで、バッテリ電圧が低下すると、VBO
FPV(パージ弁立上がりデューティのバッテリ電圧補
正率)の値を大きくすることによって、バッテリ電圧V
Bに関係なく、同じ流量を流すのである(図5のステッ
プ6、図26)。
【0175】なお、KPVVBとVBOFPVのバッテ
リ電圧補正率は、その特性がパージ弁のタイプで異な
る。図25と図26の例はパージ弁がリニアソレノイド
駆動のときのものである。
【0176】ところで、上記の[a],[b]式のよう
にパージ弁基本デューティEVAP0を求めるのに際し
て使う変数が多くなると(TQPV,KPVQH,KP
VVB,Qs,PAGERTの5つ)、これら変数に対
してどんな精度でバイト数やテーブルを与えるかによ
り、EVAP0の精度が左右される。
【0177】このため、ここではパージ弁目標流量TQ
PVを、 TQPV=(Qs*PAGERT*係数)/KPVQH…[2] で(図5のステップ7)、またEVAP0を EVAP0=ルックアップ値/KPVVB…[3] から求めている(図5のステップ8)。[3]式のよう
に、TQPVを図31を用いてONデューティ値(ルッ
クアップ値の単位がONデューティ値である)に変換し
てからKPVVBで補正したほうが補正精度がよいた
め、こちらを採用するのである。
【0178】最後に、計算したEVAPTは、上限値
(EVPMAX#)に制限している(図5のステップ1
0,11)。
【0179】(2)パージガスの燃料濃度の検出 パージガスの燃料濃度はこれに相当するパージ学習値W
Cによって予測する。前回のエンジン停止時から今回の
エンジン始動までの間に燃料蒸気が十分にキャニスタ1
6にたまっている状態から今回初めてパージONにした
ときは(エアフロメータなどによる空燃比エラーは考え
ない)、そのパージON当初にパージガスの燃料濃度は
濃く、パージが進むとともに、燃料濃度が薄くなってい
く。
【0180】この場合に、パージ当初の濃い燃料濃度に
よって空燃比がリッチ化し、これをリーン側に戻そうと
してαおよびALPAV(αの平均値)がALPST
(パージON切換前のALPST)より小さくなる側に
ずれると、パージ学習値WCを大きい側に更新し、パー
ジONの継続によって燃料濃度が当初より薄くなり、A
LPSTからのALPAVのずれが大きくなってくる
と、このALPAVのずれに対応してWCを小さくなる
側に更新してやることで、WCはパージガスの燃料濃度
を表すことになるのである(図12、図13、図1
4)。
【0181】(3)パージ弁基本流量の補正 上記[b]式の目標パージ率PAGERTを、パージガ
スの燃料濃度に相当するパージ学習値WCに応じ、図2
3のようにWCが大きいところではPAGERTの値を
小さくし(パージ弁流量が小さくなる)、WCが小さく
なるとPAGERTの値を大きくする(パージ弁流量が
大きくなる)(図5のステップ3)。吸入空気量が同じ
でも、燃料濃度が濃いときはパージ弁流量を小さくし、
燃料濃度が薄くなるとパージ弁流量を大きくするのであ
る。
【0182】なお、センサ(O2センサ、エアフローメ
ータ、スロットルセンサ)のいずれかに異常があるとき
は、PAGERT=NGPGRT#(センサ異常時のパ
ージ率)とすることによって(図5のステップ1,
2)、センサ異常時に対処させている。
【0183】ここで、この例の作用を図43を参照しな
がら説明すると、同図はパージON条件の成立によって
パージ弁を開いたときのものである(エアフロメータな
どによる空燃比エラーは考えない)。なお、パージ率が
離散値として表現されているのは、パージON条件にあ
っても間欠的にパージカットされるためである(図9の
ステップ60,図8のステップ47)。そのカット時に
パージ学習値WCが更新されている(図8のステップ8
3,図12のステップ116,図13,図14)。
【0184】活性炭キャニスタにかなりの燃料蒸気がた
まっているときは、パージON当初にパージガスの燃料
濃度が最も濃く、パージが進むにつれて薄くなってい
く。
【0185】こうして減少していく燃料濃度はパージ学
習値WCによって予測される。パージONによって初回
はALPAV(αの平均値)がALPST(パージON
切換前のALPAV)より一気に小さくなる側にずれ、
その後は燃料濃度が薄くなるためALPAVのALPS
Tからのずれも小さくなっていく。こうしたALPAV
のずれに応じ、初回だけパージ学習値WCに増加量の学
習更新量が、その後は減少量の学習更新量が続けて加え
られてゆき、これによってパージ学習値WCが図45の
ように減少していく。燃料濃度の変化に対応してWCも
変化するのであり、WCによって燃料濃度を予測できる
わけである。
【0186】こうして燃料濃度が予測されると、予測値
(WC)の大きな当初は目標パージ率PAGERTが小
さくされ、WCが小さくなってきたら今度はPAGER
Tが大きくされる(実線で示す)。パージON当初に高
濃度のパージガスが大量に導入されたのでは制御空燃比
に対する影響が大きくて、空燃比が大きくリッチ側には
ずれてしまうのであるが、吸入空気量に対して相対的に
少ない量のパージガスしか導入しないことによって空燃
比エラーを小さなものに抑え、燃料濃度が薄いときは吸
入空気量に対して相対的に量の多いパージガスを導入し
ても空燃比エラーが小さな値にとどまり、逆に大量のパ
ージガスを導入することによってパージが急速に進み、
従来よりパージ時間を短縮することができるのである。
【0187】このように、対吸入空気量比(パージ率)
を燃料濃度に応じて変化させることによって、空燃比エ
ラーを小さくしつつ急速パージを行うことができるので
ある。
【0188】これに対して、燃料濃度がわからないため
空燃比制御に影響のないように小さなパージ率(一定)
に設定したとき(従来例)の空燃比エラーを図43に重
ねて示すと、パージONの当初は空燃比エラーを実施例
と同じに抑えることができるものの、燃料濃度が薄くな
っても小さなパージ率のままであるため、実施例のよう
にはキャニスタ吸着量がなかなか減っていかず、その影
響が空燃比エラーに長く残ることになるのである。
【0189】なお、図示の空燃比エラーはパージによる
影響だけを明確にするため、αとパージ学習値WCによ
る補正がないとしたときの波形を示している。
【0190】ところで、パージ弁の前後差圧に応じてパ
ージ弁流量が変化し、前後差圧が小さくなるほど流れに
くくなって相対的にパージ弁流量が減るため、前後差圧
が小さいときと大きいときとで実際のパージ弁流量が相
違し、この相違分が流量誤差となる。
【0191】これに対して、実施例で目標流量(Qs*
PAGERT)がKPVQH(パージ弁流量の負圧補正
率)で補正される(図5のステップ7)。小さなパージ
弁前後差圧時(QH0が大きくなる)はKPVQHの値
を、図24のように、小さな前後差圧時より小さくする
ことによって(Qs*PAGERT)の値が大きめにさ
れると、TQPVの値はパージ弁前後差圧に関係なく同
一になる。つまり、パージ弁前後差圧に応じて変化する
補正率KPVQHによって、流量誤差が生じないように
されるのである。
【0192】図44は他の実施例で、これはキャニスタ
16の重量からパージガスの燃料濃度を予測するもので
ある。
【0193】図において、活性炭キャニスタ16を支持
するブラッケット25に振動センサ26を取り付け、こ
のセンサ出力をアンプ27を介して周波数検出手段28
に入力する。車両運転時に車両が揺れると、キャニスタ
16が振動するため、この振動数(周波数)fが周波数
検出手段28によって検出されるのである。
【0194】重量演算手段29ではこの振動数fと基準
値(燃料蒸気が吸着されてないときの振動数であらかじ
め与えるか学習する)f0との差(または比)を求め、
この差(f0−f)から図46を内容とするテーブルを
ルックアップすることによりキャニスタ重量を求める。
キャニスタ16に燃料蒸気がたまることによってキャニ
スタが重くなると(数10g〜100gほど重量が増
す)、振動数fが低くなるので、図46のように、(f
0−f)の値が大きくなるほどキャニスタ重量を大きく
するのである。
【0195】パージ燃料濃度予測手段30では図47を
内容とするテーブルをルックアップしてキャニスタ重量
から燃料濃度を求める。
【0196】上記の振動センサ26は図45のように、
ブラッケット25の歪みを電圧に変換する圧電素子26
aをブラッケット25にはりつけただけのもので、素子
26aの上をコーティング剤26bで被覆し、センサ出
力はリード線26cによって取り出される。
【0197】この他の実施例によっても、上記の実施例
と同様の作用効果が生じる。ただし、先の実施例のほう
が、振動センサ26を実際に設ける必要がないためコス
ト的に有利である。
【0198】実施例ではいずれもパージガスの燃料濃度
を予測する場合で説明したが、燃料濃度を実際に検出す
るセンサを設けることもできる。また、実施例ではリニ
アソレノイド駆動のパージ弁で説明したが、これにかぎ
られるものでなく、ロータリー弁やステップモータ駆動
の弁でもかまわない。ただし、ステップモータ駆動の弁
では、リニアソレノイド駆動のパージ弁やロータリー弁
と相違して流量特性が温度の影響を受けない(パージ弁
立上がりデューティがゼロである)ので、オフセット学
習値を導入する必要はない。
【0199】
【発明の効果】第1の発明は、検出しまたは予測したパ
ージガス燃料濃度に応じ、燃料濃度が濃いときはパージ
弁流量を減らす方向に、薄いときはパージ弁流量を増す
方向に運転条件に応じたパージ弁基本流量を補正し、こ
の補正された流量に対応したパージ弁開度となるように
パージ弁を駆動するため、パージ中の空燃比エラーを小
さくしつつ急速パージを行うことができる。
【0200】第2の発明は、第1の発明で燃料濃度によ
り補正されたパージ弁基本流量を、パージ弁の前後差圧
に応じ前後差圧が小さいときはパージ弁流量を増やす方
向に、前後差圧が大きいときはパージ弁流量を減らす方
向にさらに補正し、このパージ弁前後差圧によって補正
されたパージ弁流量に対応したパージ弁開度となるよう
にパージ弁を駆動するため、第1の発明の効果に加え
て、パージ弁の前後差圧による流量変化に影響されるこ
となく実際に必要なパージ弁流量を流すことができ、パ
ージ弁に流量誤差が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】一実施例のシステム図である。
【図3】VC負圧とVC負圧弁リフトの特性図である。
【図4】マニホールド−シリンダ充填モデルを示す特性
図である。
【図5】パージ弁デューティEVAPの計算と過渡時の
パージ弁デューティEVAPの設定とを説明するための
流れ図である。
【図6】パージ空気量QEAの計算を説明するための流
れ図である。
【図7】パージON,OFF条件の判定を説明するため
の流れ図である。
【図8】パージON,OFFを指示するフラグのセット
と学習許可(予約を含む)を説明するための流れ図であ
る。
【図9】パージ学習とオフセット学習のためのパージカ
ット条件の判定を説明するための流れ図である。
【図10】パージON,OFFへの切換途中のパージ弁
デューティEVAPの計算を説明するための流れ図であ
る。
【図11】学習値のイニシャライズを説明するための流
れ図である。
【図12】パージ学習の中断条件の判定とパージ学習値
WCのクランプを説明するための流れ図である。
【図13】パージON,OFFへの切換前のALPAV
のサンプリングと学習更新量ΔWCの選択を説明するた
めの流れ図である。
【図14】学習更新量ΔWCの選択とパージ学習値WC
の更新を説明するための流れ図である。
【図15】オフセット学習の中断条件の判定とオフセッ
ト学習値OFSTPVのクランプを説明するための流れ
図である。
【図16】パージON,OFFへの切換前のALPAV
のサンプリングと学習更新量ΔOFSTPVの選択を説
明するための流れ図である。
【図17】学習更新量ΔOFSTPVの選択とオフセッ
ト学習値OFSTPVの更新を説明するための流れ図で
ある。
【図18】空燃比フィードバック補正係数αの計算と基
本空燃比学習の更新禁止条件の判定を説明するための流
れ図である。
【図19】Refジョブを説明するための流れ図であ
る。
【図20】燃料噴射量計算に使う空気量Qの計算を説明
するための流れ図である。
【図21】燃料噴射パルス幅CTInの計算を説明する
ための流れ図である。
【図22】補助空気制御弁へのONデューティISCO
Nの計算を説明するための流れ図である。
【図23】目標パージ率PAGERTの特性図である。
【図24】パージ弁流量の負圧補正率KPVQHの特性
図である。
【図25】パージ弁流量のバッテリ電圧補正率KPVV
Bの特性図である。
【図26】パージ弁立上がりデューティのバッテリ電圧
補正率VBOFPVの特性図である。
【図27】パージ弁の基本デューティEVAP0の特性
図である。
【図28】ルックアップ値の特性図である。
【図29】パージ弁の基本流量EVAPQの特性図であ
る。
【図30】パージ燃料流量補正率KQPVの特性図であ
る。
【図31】負荷のパージ許可下限値TPCPCの特性図
である。
【図32】パージ領域を示す特性図である。
【図33】パージ弁の切換波形を示す特性図である。
【図34】弁特性に対するパージ弁流量とパージ率の特
性図である。
【図35】学習更新量ΔWCの選択を説明するための表
図である。
【図36】パージONへの切換時のパージ学習値WCの
波形図である。
【図37】クランプ解除からのαの波形図である。
【図38】リニアソレノイド駆動のパージ弁の流量特性
図である。
【図39】学習更新量ΔOFSPVの選択を説明するた
めの表図である。
【図40】パージONへの切換時のオフセット学習値O
FSTPVの波形図である。
【図41】パージ燃料のシリンダ吸入量予測値QEFC
の波形図である。
【図42】パージON時のパージ補正量ISCEVPの
特性図である。
【図43】前記一実施例のパージON時の作用を説明す
るための波形図である。
【図44】他の実施例の燃料濃度の予測手段のシステム
図である。
【図45】図44の一部拡大図である。
【図46】キャニスタ重量と周波数の差(f0−f)と
の特性図である。
【図47】燃料濃度とキャニスタ重量の特性図である。
【図48】第2の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
2 コントロールユニット 3 排気管 4 三元触媒 5 O2センサ(空燃比センサ) 6 スロットルバルブ 7 エアフローメータ 8 インジェクタ(燃料供給装置) 15 燃料タンク 16 活性炭キャニスタ 21 パージ弁 26 振動センサ 41 パージ弁 42 パージ弁基本流量設定手段 43 パージ燃料濃度検出・予測手段 44 パージ弁流量補正手段 45 パージ弁駆動手段 51 パージ弁流量第二補正手段 52 パージ弁駆動手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャニスタより吸気管に導入するパージ
    ガス量を調整するパージ弁と、このパージ弁の基本流量
    を運転条件信号に応じて設定する手段と、パージガスの
    燃料濃度を検出しまたは予測する手段と、この燃料濃度
    に応じ燃料濃度が濃いときはパージ弁流量を減らす方向
    に、薄いときはパージ弁流量を増す方向に前記パージ弁
    基本流量を補正する手段と、この補正された流量に対応
    したパージ弁開度となるように前記パージ弁を駆動する
    手段とを設けたことを特徴とするエンジンの蒸発燃料処
    理装置。
  2. 【請求項2】 キャニスタより吸気管に導入するパージ
    ガス量を調整するパージ弁と、このパージ弁の基本流量
    を運転条件信号に応じて設定する手段と、パージガスの
    燃料濃度を検出しまたは予測する手段と、この燃料濃度
    に応じ燃料濃度が濃いときはパージ弁流量を減らす方向
    に、薄いときはパージ弁流量を増す方向に前記パージ弁
    基本流量を補正する手段と、前記パージ弁の前後差圧に
    応じ前後差圧が小さいときはパージ弁流量を増やす方向
    に、前後差圧が大きいときはパージ弁流量を減らす方向
    に前記燃料濃度により補正されたパージ弁基本流量をさ
    らに補正する第二の手段と、この第二の手段によって補
    正されたパージ弁流量に対応したパージ弁開度となるよ
    うに前記パージ弁を駆動する手段とを設けたことを特徴
    とするエンジンの蒸発燃料処理装置。
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