JP3314577B2 - エンジンの蒸発燃料処理装置 - Google Patents

エンジンの蒸発燃料処理装置

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JP3314577B2
JP3314577B2 JP08050995A JP8050995A JP3314577B2 JP 3314577 B2 JP3314577 B2 JP 3314577B2 JP 08050995 A JP08050995 A JP 08050995A JP 8050995 A JP8050995 A JP 8050995A JP 3314577 B2 JP3314577 B2 JP 3314577B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンク内で発生し
た蒸発燃料が大気中に放出されないように、蒸発燃料を
キャニスタに捕集しておき、エンジン運転中にエンジン
に吸入させて燃焼処理するエンジンの蒸発燃料処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの蒸発燃料処理装置
としては、燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニ
スタと、このキャニスタに新気を導入することによって
脱離させた蒸発燃料を含むパージガスをエンジン吸気通
路のスロットル弁下流に導くパージ通路に介装されたパ
ージ制御弁とを備え、このパージ制御弁をエンジンの運
転条件に応じて例えばパージ率(吸入空気流量に対する
パージガス流量の割合)一定となるように制御するよう
にしたものが知られている。
【0003】また、特開平4−94444号のように、
アイドル運転時と軽負荷運転時との空燃比フィードバッ
ク補正係数の差から、パージガス中の燃料濃度を予測
し、これに基づいてパージ制御弁によるパージ率を補正
すると共に、燃料噴射弁による燃料噴射量を補正するも
のがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の蒸発燃料処理装置のように、単純にパージ後
の空燃比がどらか側にずれたかによって、パージガス中
の燃料濃度が理論空燃比のリッチ、リーンのどちらにあ
るか(単純に方向を見ているだけ)判断して、燃料噴射
量を補正するような制御では、「パージガス中の燃料濃
度の変化に対する追いかけ」と、「吸入空気流量の変化
に対する追いかけ」との2つが、常に混ざり合って存在
するため、仮に吸入空気流量に対して定パージ率になる
ようにパージ制御弁を制御していたとしても、補正され
たパージ燃料分の燃料噴射量減算量は、今の吸入空気流
量(パージ燃料流量)に対してのあくまで「量」であっ
て、「濃度」がわかっているわけではないため、運転条
件が変わり吸入空気流量が急激に増えた場合は、それに
伴ってパージガス流量も増加するため、そこからまた次
の目標値に対しての補正が始まるので、従来の空燃比フ
ィードバック補正係数よる空燃比フィードバック制御と
同じく、制御に遅れが生じてしまうことには全く変わり
がない。
【0005】つまり、「方向」はわかっても肝心の「ど
のくらい」ずれているのかがわからなければ、通常のフ
ィードバック制御と何ら変わらないことになってしま
う。また、実際には車両の運転条件は目まぐるしく変化
するため、それに伴い吸入負圧、パージガス流量も変化
し、特開平4−94444号の学習条件のように吸入空
気流量(パージガス流量)変化の影響を受けずに濃度変
化だけ学習(補正)できるようなことは、アイドル以外
では極めて稀で、実際には殆ど学習チャンスはない。
【0006】そこで、パージガス中の燃料濃度の学習値
を持ち、パージ前後での空燃比フィードバック補正係数
の変化から濃度学習値を更新し、得られた濃度学習値か
ら、実際に吸入されたパージ燃料流量、パージ空気流量
を求め、それぞれ燃料噴射量から減算、吸入空気流量に
加算する制御方法が考えられる。しかし、その時、燃料
噴射量からの減算量に上限を設けないと、濃度学習値が
誤学習だった場合に、失火が起きやすい領域に入ってし
まうという問題点があることがわかった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、濃度学習値から得られたパージ燃
料流量分を基に、濃度学習による燃料噴射量の減量補正
率を求め、これを用いてパージガス流量を規制、言い換
えれば燃料噴射量からの減算量に上限を設けることで、
誤学習時でも失火領域に入らないようにすることを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明では、エンジンに燃料を噴射供給する燃料噴射弁
を備える一方、燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキ
ャニスタと、このキャニスタに新気を導入することによ
って脱離させた蒸発燃料を含むパージガスをエンジン吸
気通路のスロットル弁下流に導くパージ通路に介装され
たパージガス流量制御用のパージ制御弁と、このパージ
制御弁をエンジンの運転条件に応じて制御してパージガ
ス流量を制御するパージ制御手段と、を備えるエンジン
の蒸発燃料処理装置において、図1に示すように、下記
の手段を設ける構成とする。
【0009】すなわち、エンジン吸気通路のスロットル
弁上流側での吸入空気流量QAを検出する吸入空気流量
検出手段と、検出された吸入空気流量QAに基づいて基
本燃料噴射量TPを算出する基本燃料噴射量算出手段
と、排気通路に設けた空燃比センサからの信号に基づい
て燃料噴射量を補正するための空燃比フィードバック補
正係数αを設定する空燃比フィードバック補正係数設定
手段と、空燃比フィードバック補正係数αの変化に基づ
いてパージガス中の燃料濃度WCを学習するパージ燃料
濃度学習手段と、前記パージ制御手段によるパージガス
流量QPVと燃料濃度の学習値WCとに基づいてパージ
燃料流量QEFを算出するパージ燃料流量算出手段と、
基本燃料噴射量TPからパージ燃料流量QEF分(TE
FC)を減算してパージ燃料分減算基本燃料噴射量TP
Eを算出するパージ燃料分減算基本燃料噴射量算出手段
と、パージ燃料分減算基本燃料噴射量TPEと空燃比フ
ィードバック補正係数αとに基づいて前記燃料噴射弁に
よる燃料噴射量TIを算出する燃料噴射量算出手段と、
前記パージ燃料分減算基本燃料噴射量算出手段による燃
料噴射量の減量補正率RTEFCTPを算出する減量補
正率算出手段と、燃料噴射量の減量補正率RTEFCT
Pをエンジンの失火を防止できる上限として規定された
規定値と比較する手段、及び、減量補正率RTEFCT
Pが前記規定値を超えたときにパージガス流量QPVを
減少させる手段からなり、燃料噴射量の減量補正率RT
EFCTPに基づいて前記パージ制御手段により制御す
るパージガス流量QPVを補正するパージガス流量補正
手段と、を設ける。
【0010】請求項2に係る発明では、前記パージ制御
手段は、吸入空気流量QAに対するパージガス流量QP
Vの割合であるパージ率PAGERT(=QPV/Q
A)が目標値となるようにパージガス流量を制御するも
のであり、前記パージガス流量補正手段は、パージ率P
AGERTを補正するものであることを特徴とする。請
求項3に係る発明では、前記減量補正率算出手段は、基
本燃料噴射量TPとこれから減算するパージ燃料流量Q
EF分(TEFC)とから燃料噴射量の減量補正率RT
EFCTP(=TEFC/TP)を算出するものである
ことを特徴とする。
【0011】請求項4に係る発明では、パージガス中の
パージ空気流量QEAを算出する手段と、前記吸入空気
流量検出手段により検出された吸入空気流量QAにパー
ジ空気流量QEAを加算してシリンダ吸入空気流量Qを
算出する手段とを有し、前記基本燃料噴射量算出手段
は、シリンダ吸入空気流量Qに基づいて基本燃料噴射量
TPを算出するものであることを特徴とする。
【0012】請求項5に係る発明では、スロットル弁を
バイパスするバイパス通路と、このバイパス通路に介装
されたアイドル制御弁とを備え、更に、パージガス中の
パージ空気流量QEAを算出する手段と、このパージ空
気流量QEAに基づいてアイドル制御弁の開度を減少補
正する手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明では、吸入空気流量検出手
段により、エンジン吸気通路のスロットル弁上流側での
吸入空気流量QAを検出し、基本燃料噴射量算出手段に
より、吸入空気流量QAに基づいて基本燃料噴射量TP
を算出する。また、空燃比フィードバック補正係数設定
手段により、空燃比センサからの信号に基づいて空燃比
フィードバック補正係数αを設定する。
【0014】ここで、パージ燃料濃度学習手段により、
空燃比フィードバック補正係数αの変化に基づいて、パ
ージガス中の燃料濃度WCを学習する。具体的には、パ
ージ前後での空燃比フィードバック補正係数αが同じに
なるように学習値を更新することで濃度を学習する。そ
して、パージ燃料流量算出手段により、パージ制御手段
によるパージガス流量QPVと燃料濃度の学習値WCと
に基づいて、パージ燃料流量QEF=QPV*WCを算
出する。
【0015】そして、パージ燃料分減算基本燃料噴射量
算出手段により、基本燃料噴射量TPからパージ燃料流
量QEF分(TEFC)を減算して、パージ燃料分減算
基本燃料噴射量TPE=TP−TEFCを算出する。そ
して、燃料噴射量算出手段により、パージ燃料分減算基
本燃料噴射量TPEと空燃比フィードバック補正係数α
とに基づいて、最終的な燃料噴射量TIを算出する。
【0016】一方、減量補正率算出手段により、前記パ
ージ燃料分減算基本燃料噴射量算出手段での燃料噴射量
の減量補正率RTEFCTP(=TEFC/TP)を算
出する。そして、パージガス流量補正手段により、燃料
噴射量の減量補正率RTEFCTPに基づいて、パージ
制御手段により制御するパージガス流量QPVを補正す
る。具体的には、パージガス流量QPVの補正に際し、
減量補正率RTEFCTPをエンジンの失火を防止でき
る上限として規定された規定値と比較し、減量補正率R
TEFCTPが前記規定値を超えたときにパージガス流
量QPVを減少させて、失火領域に入るような燃料噴射
量の減量補正が行われるのを防止する。
【0017】すなわち、減量補正率が規定値以上(失火
の危険性のある領域)であった場合は、規定値以下にす
るために、パージガス流量を減量補正する。これによ
り、万一濃度学習値がずれていた場合(誤学習)でも、
失火領域に入るような燃料噴射量の減量補正が行われる
のを防止できる。請求項2に係る発明では、燃料噴射量
の減量補正率RTEFCTPに基づいて吸入空気流量Q
Aに対するパージガス流量QPVの割合であるパージ率
PAGERT(=QPV/QA)を補正する。すなわ
ち、パージ率の減少補正により、パージガス流量が減少
し、失火領域に入るような燃料噴射量の減量補正が行わ
れるのを防止できる。
【0018】請求項3に係る発明では、燃料噴射量の減
量補正率RTEFCTPの算出に際し、基本燃料噴射量
TPとこれから減算するパージ燃料流量QEF分(TE
FC)とから、RTEFCTP=TEFC/TPとして
算出する。
【0019】請求項4に係る発明では、パージガス中の
パージ空気流量QEAを算出し、吸入空気流量QAにパ
ージ空気流量QEAを加算してシリンダ吸入空気流量Q
を算出し、これに基づいて基本燃料噴射量TPを算出す
ることで、パージ空気分も考慮して空燃比を制御でき
る。請求項5に係る発明では、パージガス中のパージ空
気流量QEAを算出し、このパージ空気流量QEAに基
づいてアイドル制御弁の開度を減少補正することで、パ
ージ空気分のトルク増大を防止できる。
【0020】
【実施例】以下に本発明の一実施例を説明する。図2は
システム構成を示している。エンジン1にはエアクリー
ナ2から導入されてスロットル弁3の制御を受けた空気
が吸気マニホールド4を経て吸入される。吸気マニホー
ルド4には各気筒毎に燃料噴射弁5が設けられていて、
吸入空気に対応した量の燃料が噴射供給される。これに
より、混合気が生成されて、エンジン1の各気筒内で燃
焼し、排気は排気通路6を経て図示しない三元触媒に導
入される。
【0021】前記燃料噴射弁5は、マイクロコンピュー
タ内蔵のコントロールユニット7からエンジン1の回転
に同期して所定のタイミングで出力される駆動パルス信
号により通電されて開弁し、通電停止されて閉弁する電
磁式燃料噴射弁であって、駆動パルス信号のパルス幅に
より燃料噴射量が制御される。コントロールユニット7
には、エアフローメータ8、クランク角センサ9、空燃
比センサ(O2 センサ)10から信号が入力されている。
エアフローメータ8は、吸気通路のスロットル弁3上流
に設けられていて、吸入空気流量QAを検出する(吸入
空気流量検出手段)。クランク角センサ9は、エンジン
1の回転に同期して所定クランク角( 720°/気筒数)
毎に基準信号REFを出力するもので、基準信号REF
の周期よりエンジン回転数NEを検出可能である。O2
センサ10は、排気通路6に設けられていて、排気の組成
(O2 濃度)からエンジン1に供給されている混合気の
空燃比(リッチ・リーン)を検出する。コントロールユ
ニット7には、この他、各種センサからスロットル弁開
度TVO、車速VSP等の信号が入力されると共に、各
種スイッチのON・OFF信号が入力されている。
【0022】また、吸気通路にはスロットル弁3をバイ
パスする補助空気通路11が設けられ、この補助空気通路
11にはデューティ制御されるアイドル回転数制御用のア
イドル制御弁12が介装されている。このアイドル制御弁
12もコントロールユニット7により制御される。一方、
燃料タンク13から発生する蒸発燃料を処理すべく、キャ
ニスタ14が設けられている。
【0023】キャニスタ14は、容器内に活性炭などの吸
着材14aを充填したもので、上部空間側には燃料タンク
13からの蒸発燃料導入管15が接続されている。従って、
エンジン1の停止中に燃料タンク13にて発生した蒸発燃
料は、蒸発燃料導入管15を通って、キャニスタ14に導か
れ、ここに吸着される。キャニスタ14にはまた、下部空
間側に新気導入口16が形成されると共に、上部空間側か
らパージ通路17が導出されている。このパージ通路17は
パージ制御弁18を介して吸気通路のスロットル弁3下流
(吸気マニホールド4)に接続されている。
【0024】パージ制御弁18は、コントロールユニット
7からエンジン1の運転中に所定の条件で出力される信
号により開弁されかつ開度がデューティ制御されるよう
になっている。従って、エンジン1が始動され、その後
の運転中に、パージON許可条件が成立すると、パージ
制御弁18が開き、エンジン1の吸入負圧がキャニスタ14
に作用する結果、新気導入口16から導入される空気によ
ってキャニスタ14の吸着材14aに吸着されていた蒸発燃
料が脱離され、この脱離した蒸発燃料を含むパージガス
がパージ通路17を通って吸気マニホールド4内に吸入さ
れ、この後、エンジン1の気筒内で燃焼処理される。
【0025】コントロールユニット7によるパージ制御
弁18の制御、更には燃料噴射弁5及びアイドル制御弁12
の制御は、図3〜図12に示すフローチャートに従って行
われるようになっており、以下、これらのフローチャー
トに沿って説明する。図3は、パージ率(吸入空気流量
QAに対するパージ制御弁を通過するパージガス流量の
割合)の算出と、パージON許可条件の判定とを行うジ
ョブであり、バックグラウンドジョブとして実行され
る。
【0026】先ずステップ101 では、各種センサ(エア
フローメータ、O2 センサ、スロットルセンサ等)がN
Gであるかをチェックし、NGのセンサがあれば、ステ
ップ102 で、パージ率PAGERT=NGPGRT#
(定率)と決定する。センサがNGでなければ、ステッ
プ103 に進み、パージ率の算出のためにサブルーチンで
ある図5に分岐する。
【0027】図5のステップ201 では、目標パージ率T
PAGERTを算出する。目標パージ率TPAGERT
は、吸入空気流量QAに対する目標パージガス流量の割
合であり、固定値とするか、又は図13に示すように濃度
学習値(パージガス中の燃料濃度の学習値)WCに応じ
て高濃度ほど小さくなるように設定する。次にステップ
202 では、後述する図12のジョブにより算出される燃料
噴射量の減量補正率RTEFCTP(=パージ燃料流量
分の減量補正量TEFC/通常の基本燃料噴射量TP)
が規定値LMTHOSAF#を超えているかをチェック
する。ここで、LMTHOSAF#は、学習が誤学習を
起こした時などに起こる危険のある失火等に対するフェ
イルセーフのために設けられた減量補正率の上限値であ
る。この値以内に減量補正率を抑えることで、万一セン
サ故障等で誤学習が起きても、失火が起こるような範囲
まで空燃比がずれてしまうようなことを防止することが
できる。
【0028】減量補正率RTEFCTPが規定値LMT
HOSAF#を超えている場合は、減量補正率が規定値
以下になるように、ステップ203 で、次式のごとく、パ
ージ率PAGERTの現在値からPAGGEN#分ずつ
減算して、パージ率PAGERTを減少させる。 PAGERT=PAGERT(-1)−PAGGEN# そして、ステップ204 で、目標パージ率に追い付いたこ
とを示すフラグFMOKUPをクリアして(FMOKU
P=0)、本サブルーチンを終了する。
【0029】元に戻って、減量補正率RTEFCTPが
規定値LMTHOSAF#以下の場合は、ステップ205
で、パージ率PAGERTが目標パージ率になっている
(FMOKUP=1)か見て、目標パージ率になってい
たら、そのまま本サブルーチンを終了する。パージ率P
AGERTが目標パージ率になっていなかったら、パー
ジ率PAGERTを目標パージ率まで増大させたいが、
そのとき前回増大(PAGERTUP#分付加)してか
ら規定時間経過したかを見て(ステップ206 )、経過し
ていなかったら経過するまで増大しない。規定時間経過
したら、ステップ207 で、次式のごとく、パージ率PA
GERTの現在値にPAGERTUP#分ずつ加算し
て、パージ率PAGERTを増大させる。
【0030】 PAGERT=PAGERT(-1)+PAGERTUP# 次にステップ208 で、パージ率PAGERTが目標パー
ジ率に追い付いた(PAGERT≧TPAGERT)か
をチェックし、追い付いていたら、ステップ209 で、パ
ージ率PAGERTを目標パージ率に制限し(PAGE
RT=TPAGERT)、ステップ210 で、目標パージ
率に追い付いたことを示すフラグFMOKUPを立てて
(FMOKUP=1)、本サブルーチンを終了する。
【0031】以上のように本サブルーチンでは、パージ
による燃料噴射量の減量補正率が、規定値を超えた時
は、速やかに規定値以下になるようにパージガス流量
(本実施例ではパージ率)を減少させ、その後パージ率
を増大させる時は、規定時間経過してからゆっくり増大
させるように制御する構成としていることから、失火等
を防止するために設けられている規定値以上にパージ燃
料分の減量補正が行われることは無く、万一誤学習が起
きた場合であってもそれによる失火の発生を防止するこ
とができる。
【0032】ここで、本サブルーチンがパージ制御手段
に相当し、特にステップ202,203 の部分がパージガス流
量(パージ率)補正手段に相当する。図3に戻って説明
を続ける。ステップ104 〜112 では、パージON許可条
件の判定を行う。すなわち、ステップ104 〜108 では、
イグニッションスイッチがOFF、エンスト中、スター
タースイッチがON、アイドル中(アイドルスイッチO
N)、車速VSPが低い、か否かの判定を行い、いずれ
かでYESの場合は、図4(ステップ125 )に進んでパ
ージを禁止とする。
【0033】また、ステップ109 では、図14に示す特性
のテーブルを参照して、エンジン回転数NEからパージ
許可下限基本燃料噴射量(パージ許可下限TP)TPC
PCを求める。そしてステップ110 で、実際の基本燃料
噴射量TPとパージ許可下限基本燃料噴射量TPCPC
とを比較し、TP<TPCPC(負荷が小さすぎる)の
場合は、同様にパージを禁止とする。
【0034】また、ステップ111 では、スロットル弁開
度TVOとエンジン回転数NEとから求めた吸入空気流
量QH0を予め定めた上限値EVPCGHと比較し、Q
H0>EVPCGH(負荷が大きすぎる)の場合は、同
様にパージを禁止とする。更に、ステップ112 では、空
燃比フィードバック制御(ラムコン)はクランプ中かを
チェックし、クランプ中の場合は、同様にパージを禁止
とする。
【0035】ステップ104 〜112 での判定で全てNOの
場合は、パージON許可条件の成立として、図4(ステ
ップ113 )に進んでパージONを許可する。図4は、図
3に引き続いて実行されるジョブで、パージ制御弁を通
過するパージガス流量(ここではパージ弁流量という)
並びにパージ制御弁のONデューティ(ここではパージ
弁デューティという)の算出と、濃度学習の許可とを行
っている。
【0036】パージON許可条件が成立している場合
と、成立していない場合とに分けて説明する。 〔パージON許可条件が成立している場合〕ステップ11
3 で、パージONを許可する。次にステップ114 で、図
15に示す特性のテーブルを参照して、スロットル弁開度
TVOとエンジン回転数NEとから求めた吸入空気流量
QH0から、パージ弁流量の差圧補正率KPVQHを求
める。この差圧補正率KPVQHは、パージ弁流路面積
が一定でも前後差圧により流量が変わる分の補正率であ
る。
【0037】尚、過渡時の位相的にはQH0より基本燃
料噴射量TPがパージ弁差圧に近く、TPを用いて求め
た方が良いが、TPは大気圧、吸気温度でパージ弁差圧
との関係がずれるので、ここではQH0を用いた。次に
ステップ115 で、図16に示す特性のテーブルを参照し
て、バッテリ電圧VBから、パージ弁流量の電圧補正率
KPVVBを求める。この電圧補正率KPVVBは、パ
ージ弁デューティ/流量の関係がパージ弁印加電圧によ
り異なる分の補正率であり、もちろん弁タイプで異な
る。
【0038】次にステップ116 で、目標とするパージ弁
流量QPVを次式により算出する。 QPV=(QA*PAGERT)/(KPVQH*KP
VQH) すなわち、吸入空気流量QAにパージ率PAGERTを
掛け、更に差圧補正率KPVQH及び電圧補正率KPV
QHで補正して、パージ弁流量QPVを得る。次にステ
ップ117 で、パージ弁流量QPVを実際に流すために必
要なパージ弁デューティ(基本DUTY)EVAPを、
図17に示す特性のテーブルを参照して、求める。
【0039】そして、求められたパージ弁デューティE
VAPを予め定めた上限値EVPMAX#と比較し(ス
テップ118 )、EVAP>EVPMAX#の場合に、パ
ージ弁デューティEVAPを上限値EVPMAX#に制
限する(ステップ119 )。次にステップ120 で、パージ
燃料流量QEFを次式により算出する。 QEF=QPV*WC すなわち、パージ弁流量(パージガス流量)QPVに濃
度学習値(パージガス中の燃料濃度の学習値)WCを掛
けて、パージ燃料流量QEFを得る。この部分がパージ
燃料流量算出手段に相当する。
【0040】次にステップ121 で、パージ空気流量QE
Aを次式により算出する。 QEA=QPV−QEF パージ弁流量(パージガス流量)QPVから、パージ燃
料流量QEFを差し引いた残りが、パージ空気流量QE
Aに相当するからである。この部分がパージ空気流量算
出手段に相当する。
【0041】次にステップ122 で、前回もこのルーチン
を通ったかを見て、初めてであれば、ステップ123 で、
1回通ったフラグを立て(ステップ123 )、次にステッ
プ124 で、濃度学習(WC学習)を許可する(#FWC
GKOK=1)。初めてでなければ、そのまま本ジョブ
を終了する。 〔パージON許可条件が成立していない場合〕ステップ
125 で、パージを禁止する。
【0042】また、ステップ126 で、パージ弁デューテ
ィEVAP=0にする。これによって、後述する図9の
処理でコントロールユニットから出力されるパージ弁デ
ューティEVAPも0となり、パージ制御弁は閉じるよ
うに制御される。これに伴い、ステップ127,128 で、パ
ージ燃料流量QEF及びパージ空気流量QEAを共に=
0にする。尚、パージ制御弁が閉じることにより、吸気
マニホールド内に流れ込むパージ燃料は0となるが、こ
のパージ燃料については吸気マニホールド内での拡散や
位相の遅れを伴うために、シリンダ内に吸入されるパー
ジ燃料が直ちに0になるわけではない。よって、この点
についての計算を後述のように図9で行っている。
【0043】更に、ステップ129 で、パージOFFに伴
い濃度学習の許可を取消して(#FWCGKOK=
0)、本ジョブを終了する。図6は、濃度学習(WC学
習)の開始及び終了の判定を行うジョブであり、回転同
期ジョブとして実行される。先ずステップ301 では、各
種センサがNGであるかをチェックし、NGのセンサが
あれば、ステップ302 で、濃度学習値WC=NGWC#
とした後、WC学習用のフラグやRAMを初期化した後
(ステップ310 )、本ジョブを終了する。尚、WCはバ
ッテリバックアップされる。
【0044】センサがNGでなければ、ステップ303 に
進み、WC学習は許可されている(#FWCGKOK=
1)かをチェックし、WC学習が許可されていなけれ
ば、そのまま本ジョブを終了する。WC学習が許可され
ていれば、ステップ304 〜306 で学習開始許可条件の判
定を行う。
【0045】すなわち、ステップ304 では、空燃比フィ
ードバック制御(ラムコン)はクランプ中かをチェック
する。また、ステップ305 では、パージ弁デューティE
VAPを予め定めた下限値WCGDTY#と比較し、E
VAP<WCGDTY#(パージ弁デューティが低すぎ
る)かをチェックする。また、ステップ306 では、スロ
ットル弁開度TVOとエンジン回転数NEとから求めた
吸入空気流量QH0を予め定めた上限値WCGQH#と
比較し、QH0>WCGQH#(負荷が高すぎる)かを
チェックする。
【0046】これらの判定のいずれかでYESの場合
は、WC学習不可として、WC学習用のフラグやRAM
を初期化した後(ステップ310 )、本ジョブを終了す
る。ステップ304 〜306 での判定で全てNOの場合は、
WC学習条件OKとして学習に入るが、先ずステップ30
7 でWC学習の「終了判定」を行う。すなわち、濃度学
習値WCの更新量のステップ分±PWCがNSWCGK
#回以上付加されたかをチェックする。
【0047】NSWCGK#回以上加算されている場合
は、ステップ308 で、始動後1回はWC学習を行ったこ
とを示すフラグ(#FWC1KAI)を立て、ステップ
309で、濃度学習値WCを次式により最新2回のステッ
プ分付加直前のWCの平均値に更新クランプする。 WC=(OLDWC1+OLDWC2)/2 続いてWC学習用のフラグやRAMを初期化した後(ス
テップ310 )、本ジョブを終了する。
【0048】前述のステップ307 での判定で、濃度学習
値WCの更新量のステップ分±PWCがNSWCGK#
回以上付加されていない場合は、図7へ分岐する。図7
は、図6に引き続いて実行されるジョブで、濃度学習
(WC学習)のメインジョブであり、パージ燃料濃度学
習手段に相当する。このジョブに分岐して来るのは、パ
ージONで、WC学習条件OKで、かつ濃度学習値WC
の更新量のステップ分±PWCの付加回数がNSWCG
K#未満の時である。
【0049】先ずステップ311 で、WC学習に入って初
回かをチェックし、もし初回であれば、ステップ312
で、後述する図8のジョブにより算出されている空燃比
フィードバック補正係数αの平均値ALPAVを、学習
開始時保持用RAM=ALPSTにストアして、学習に
備える。次にステップ313 で、図18に示す特性のテーブ
ルを参照し、現在の濃度学習値WCから、濃度学習値W
Cの更新量の積分分IWCを求める。
【0050】ここで、更新量の積分分IWCの算出に濃
度学習値WCを用いるのは、パージガス中の燃料濃度が
濃いときは、実濃度の減少方向への変化が速いため、燃
料濃度に関係無く一定(ここでは中間値に設定した場合
で説明)の更新量を与えた場合は、濃度学習値の更新が
追い付かず、濃度学習値が実濃度より大きい方にずれた
ままになってしまい、燃料噴射量減量補正量が過大とな
ることが原因で、リーンエラーが起きるのを防止するた
めである。薄くなった領域ではこの反対で、更新量が実
濃度の変化に対して大きすぎて制御量がオーバーシュー
トし、空燃比制御にハンチングが起きるのを防止する。
【0051】つまり濃度学習値WCの更新量は、燃料濃
度の変化速度を予測することができる濃度学習値WCを
用いて参照することで、この点を解決する。これによ
り、キャニスタのパージの進行に伴う実際の燃料濃度の
変化速度に応じた濃度学習値WCの更新量を、パージ初
期から全域にわたって得ることができるようになる。
【0052】次にステップ314 で、空燃比フィードバッ
ク補正係数αの変化量(学習開始時からの変化量)Δα
を次式により算出する。 Δα=ALPAV−ALPST すなわち、現在の空燃比フィードバック補正係数αの平
均値ALPAVを読込み、これから学習開始時の平均値
ALPSTを減算して、学習開始時からの変化量Δαを
求める。
【0053】次にステップ315 で、ALPAV=ALP
STで変化が無い(Δα=0)かをチェックし、変化が
無ければ、実際の燃料濃度と学習値とが合っていると判
断し、ステップ316 で、濃度学習値の更新量ΔWC=0
とする。Δα=0でなければ、ステップ317 で、Δαが
プラスかマイナスかを見る。Δαがマイナスであれば、
パージONで空燃比がパージ前に比べてリッチ側に変化
して、それを補正するためにαが小さくなった訳である
から、実際の燃料濃度は、現在の保持値よりもっと「濃
い」(噴射量の減量補正が現在の濃度学習値ではまだ足
りない)と判断できる。
【0054】そこで、Δαがマイナスの場合は、濃度学
習値WCを大きくするが、この時、ステップ318 で、前
回の更新に対して、学習更新方向が反転したか見て、反
転していた場合は、ステップ319 で、更新量ΔWCとし
て、学習の収束を速めるための大きい更新量のステップ
分である+PWCを付加することにする(ΔWC=+P
WC)。反転でなければ、ステップ322 で、濃度学習値
WCを基に濃度変化に応じて求めた小さい更新量の積分
分である+IWCを付加することにする(ΔWC=+I
WC)。
【0055】Δαがプラスであれば、パージONで空燃
比がパージ前に比べてリーン側に変化して、それを補正
するためにαが大きくなった訳であるから、実際の燃料
濃度は、現在の保持値よりもっと「薄い」と判断でき
る。そこで、Δαがプラスの場合は、濃度学習値WCを
小さくするが、この時、ステップ323 で、前回の更新に
対して、学習更新方向が反転したか見て、反転していた
場合は、ステップ324 で、更新量ΔWCとして、学習の
収束を速めるための大きい更新量のステップ分である−
PWCを付加することにする(ΔWC=−PWC)。反
転でなければ、ステップ327 で、濃度学習値WCを基に
濃度変化に応じて求めた小さい更新量の積分分である−
IWCを付加することにする(ΔWC=−IWC)。
【0056】尚、ステップ分±PWCの付加時には、ス
テップ320 又はステップ325 で、ステップ分付加直前の
WCを新しい方から2つ前までを保存する(OLDWC
1をOLDWC2へ、WCをOLDWC1へ)。そし
て、ステップ321 又はステップ326 で、ステップ分±P
WCの付加回数を示すカウンタを+1する。このカウン
タは図6のステップ307 でのWC学習の終了判定に使わ
れるものである。
【0057】以降、パージ前後での空燃比フィードバッ
ク補正係数αの値が同じになるように、この動作を繰り
返し行い、パージ中であっても空燃比がずれないよう
に、パージの進行に伴う燃料濃度の変化分を順次補正し
ていく。次にステップ328 で、次式のごとく、濃度学習
値WCの現在値(WC-1)に更新量ΔWCを付加して、
濃度学習値WCを更新する。
【0058】WC=WC-1+ΔWC 次にステップ329 で、更新された濃度学習値WCを予め
定めた上限値及び下限値と比較し、これらを超えるとき
はその上限値及び下限値に制限して、本ジョブを終了す
る。図8は、空燃比フィードバック補正係数αの平均値
ALPAV計算を行うジョブであり、クランク角センサ
からの基準信号REFの発生に同期するREF同期ジョ
ブとして実行される。
【0059】O2 センサを用いた空燃比フィードバック
制御では、空燃比フィードバック補正係数αをステップ
分(P分)と積分分(I分)とで制御しており、αの変
動が大きいので、P分付加時(付加直前)のαと前回の
P分付加時(付加直前)のαとの単純平均で、ALPA
Vを求めている。これは基本空燃比学習制御でもよく用
いられる手法である。
【0060】従って、ステップ401 では、空燃比フィー
ドバック制御(ラムコン)はクランプ中かを判定し、ク
ランプ中であれば、ステップ402 で、ALPAV=1.0
、ALPOLD=1.0 とする。クランプ中でなけれ
ば、ステップ403 でP分付加時かを判定する。P分付加
時であれば、ステップ404 で、P分付加直前に、次式に
よって空燃比フィードバック補正係数αのピークピーク
平均値ALPAVを求める。
【0061】ALPAV=(α+ALPOLD)/2 次いで現在のαをALPOLDに保持し、次回に備え
る。この後、ステップ405 で、通常のP分計算を行っ
て、空燃比フィードバック補正係数αにP分を付加す
る。
【0062】P分付加時でなければ、ステップ406 で、
通常のI分計算を行って、空燃比フィードバック補正係
数αにI分を付加する。ここで、ステップ403 〜406 の
部分が空燃比フィードバック補正係数設定手段に相当す
る。図9は、パージ制御弁へのデューティ出力と、遅れ
を考慮してシリンダ吸入パージ燃料流量の計算とを行う
ジョブで、REF同期ジョブとして実行される。
【0063】先ずステップ501 で、パージ弁デューティ
EVAPのコントロールユニット・出力ポートへの出力
を行う。これによりパージ制御弁のON−OFFが行わ
れる。尚、パージ制御弁への出力は 6.4ms周期のパルス
信号であり、ON時間割合がそのデューティにより制御
される。次にステップ502 で、パージ燃料流量QEFが
パージ制御弁から吸気マニホールド内に流れ込み、吸気
マニホールド内で拡散や移送遅れを伴ってシリンダに吸
入される分を制御で近似する計算を次のように行ってい
る。
【0064】先ず吸気マニホールド内での燃料ガスの拡
散を一次遅れによるものとして、次式のごとく、QEF
に加重平均をかけて近似する。 QEF1=QEF*EDMP#+QEF1-1*(1−E
DMP#) 次に吸気マニホールド内でのデッドタイム(単純時間遅
れ)を近似するため、次式のごとく、数REF前に本ジ
ョブで求めたQEF1をメモリ操作で持ってきて最終的
なシリンダ吸入パージ燃料流量QEFCとする。
【0065】QWFC=QEF1の数REF前の値 勿論、今回求めたQEF1は数REF後に用いられるの
で相当のメモリにストアする。図10は、シリンダ吸入空
気流量Qの計算を行うジョブであり、例えば4ms毎に実
行される。
【0066】ステップ601 では、次式のごとく、エアフ
ローメータにより検出された吸入空気流量QAにパージ
空気流量QEAを加算して、燃料噴射量計算に用いるシ
リンダ吸入空気流量Qを求める。この部分がシリンダ吸
入空気流量算出手段に相当する。 Q=QA+QEA このようにエアフローメータで計量されずにエンジンに
吸入されてしまうキャニスタからのパージ空気分を補正
することで、特に脱離が進行するにつれて大きくなる空
燃比のリーンエラーを防止することができる。
【0067】図11は、WC学習結果による燃料噴射量の
補正と、キャニスタのパージ空気分だけエンジンへの吸
入空気量が増大してトルクが変化することによる運転性
の悪化を防止することを狙いとしたアイドル制御弁開度
の補正とを行うジョブであり、例えば10ms毎に実行され
る。先ずステップ701 で、シリンダ吸入空気流量Qと機
関回転数NEとから、通常の基本燃料噴射量(基本噴射
パルス幅)TPを従来通り下記の式で求める。この部分
が基本燃料噴射量算出手段に相当する。
【0068】TP0=Q*KCONST#/NE TP=TP0*FLOAD+TP-1*(1−FLOA
D) ここで、KCONST#は従来から用いられる比例定
数、FLOADは加重平均係数でシリンダ吸入分相当へ
のTPの位相合わせのためのものである。次にステップ
702 で、図9で求めたシリンダ吸入パージ燃料流量QE
FCを次式により噴射パルス幅相当に単位変換して、パ
ージ燃料量(シリンダ吸入パージ燃料流量分の減量補正
量)TEFCを得る。
【0069】 TEFC=QEFC*KFQ#*KCONST#/NE ここで、KFQ#はパージガス比重分の補正係数であ
る。次にステップ703 で、次式のごとく、基本燃料噴射
量TPからパージ燃料量(シリンダ吸入パージ燃料流量
分の減量補正量)TEFCを減算して、パージ燃料分を
除いた吸気ポート部の要求基本噴射量であるパージ燃料
分減算基本燃料噴射量TPEを求める。この部分がパー
ジ燃料分減算基本燃料噴射量算出手段に相当する。
【0070】TPE=TP−TEFC 次にステップ704 で、次式のごとく、パージ燃料分減算
基本燃料噴射量TPEを基に、目標燃空比TFBYA、
空燃比フィードバック補正係数αなどで補正して、最終
的な燃料噴射量TI(シーケンシャル噴射)を求める。
この部分が燃料噴射量算出手段に相当する。
【0071】TI=TPE*TFBYA*α*2+TS ここで、TSは無効パルス幅である。このように従来の
TPに代えてTPEを用いることで、燃料噴射量からパ
ージ燃料分の減量を行うことができるので、過渡も含め
たパージON時に空燃比を悪化させることなく、大量の
パージが可能となる。
【0072】次にアイドル回転数制御仕様の計算部分
(ステップ705,706 )について説明する。この部分がア
イドル制御弁開度の減少補正手段に相当する。これは、
通常のアイドル制御弁へのデューティ(ISCデューテ
ィ)に対して、パージ中はパージ空気流量QEA分相当
のデューティ補正量ISCEVPを減算することで、パ
ージONとOFF時における吸入空気量の段差を無く
し、トルクの急変による運転性の悪化を防止するのを狙
いとしたものである。
【0073】ステップ705 で、次式のごとく、パージ空
気流量QEAをアイドル制御弁へのISCデューティ分
に変換することにより、デューティ補正量ISCEVP
を算出する。 ISCEVP=QEA*ISCEVG#/(KPVQH
*KPVVB) ここで、ISCEVG#はパージ空気流量QEAをIS
Cデューティ分に変換するための係数である。また、K
PVQH、KPVVBは前述の差圧補正率、電圧補正率
である。
【0074】次にステップ706 で、通常のISCデュー
ティからデューティ補正量ISCEVPを減算して、算
出的なアイドル制御弁へのデューティ(ONデューテ
ィ)ISCONを求め、これを出力する。 ISCON=(通常のISCデューティ)−ISCEV
P 図12は、燃料噴射量減量補正率の算出を行うジョブであ
って、減量補正率算出手段に相当し、例えば10ms毎に実
行される。
【0075】ステップ801 では、パージ燃料量(燃料噴
射量減量補正量)TEFCと、通常の基本燃料噴射量T
Pとから、次式により、燃料噴射量の減量補正率RTE
FCTPを算出する。 RTEFCTP=TEFC/TP このように、パージ燃料分による燃料噴射量の減量補正
率RTEFCTPを算出し、図5で行われるパージ率の
減量補正の判定に備える。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3に係
る発明によれば、燃料噴射量の減量補正率に応じてパー
ジガス流量(パージ率)を補正することにより、万一濃
度学習値がずれていた場合(誤学習)でも、失火領域に
入るような燃料噴射量の減量補正が行われるのを防止で
きるという効果が得られる。
【0077】特に、パージガス流量(パージ率)の補正
に際し、減量補正率RTEFCTPをエンジンの失火を
防止できる上限として規定された規定値と比較し、減量
補正率RTEFCTPが前記規定値を超えたときにパー
ジガス流量(パージ率)を減少させることで、失火領域
に入るような燃料噴射量の減量補正が行われるのを確実
に防止することができるという効果が得られる。
【0078】また、請求項4に係る発明によれば、パー
ジ空気分も考慮して空燃比を制御できるという効果が得
られる。また、請求項5に係る発明によれば、パージ空
気分のトルク変化を防止できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施例を示すシステム図
【図3】 パージ率の算出等を行うジョブのフローチャ
ート
【図4】 図3に続くジョブのフローチャート
【図5】 パージ率算出用サブルーチンのフローチャー
【図6】 濃度学習の開始及び終了の判定を行うジョブ
のフローチャート
【図7】 図6に続く濃度学習メインジョブのフローチ
ャート
【図8】 空燃比フィードバック制御用ジョブのフロー
チャート
【図9】 シリンダ吸入パージ燃料流量計算ジョブのフ
ローチャート
【図10】 シリンダ吸入空気流量計算ジョブのフローチ
ャート
【図11】 燃料噴射量計算等を行うジョブのフローチャ
ート
【図12】 減量補正率算出を行うジョブのフローチャー
【図13】 目標パージ率算出用テーブルの特性例を示す
【図14】 パージ許可下限TP算出用テーブルの特性例
を示す図
【図15】 差圧補正率算出用テーブルの特性例を示す図
【図16】 電圧補正率算出用テーブルの特性例を示す図
【図17】 パージ弁デューティ算出用テーブルを示す図
【図18】 IWC算出用テーブルの特性例を示す図
【符号の説明】
1 エンジン 2 エアクリーナ 3 スロットル弁 4 吸気マニホールド 5 燃料噴射弁 6 排気通路 7 コントロールユニット 8 エアフローメータ 9 クランク角センサ 10 O2 センサ 11 バイパス通路 12 アイドル制御弁 13 燃料タンク 14 キャニスタ 15 蒸発燃料導入管 16 新気導入口 17 パージ通路 18 パージ制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 25/08 301 F02M 25/08 301J 301V (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/04 330 F02D 41/02 301 F02D 41/14 310 F02D 43/00 301 F02D 45/00 366 F02M 25/08 301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンに燃料を噴射供給する燃料噴射弁
    を備える一方、 燃料タンクからの蒸発燃料を吸着するキャニスタと、 このキャニスタに新気を導入することによって脱離させ
    た蒸発燃料を含むパージガスをエンジン吸気通路のスロ
    ットル弁下流に導くパージ通路に介装されたパージガス
    流量制御用のパージ制御弁と、 このパージ制御弁をエンジンの運転条件に応じて制御し
    てパージガス流量を制御するパージ制御手段と、 を備えるエンジンの蒸発燃料処理装置において、 エンジン吸気通路のスロットル弁上流側での吸入空気流
    量を検出する吸入空気流量検出手段と、 検出された吸入空気流量に基づいて基本燃料噴射量を算
    出する基本燃料噴射量算出手段と、 排気通路に設けた空燃比センサからの信号に基づいて燃
    料噴射量を補正するための空燃比フィードバック補正係
    数を設定する空燃比フィードバック補正係数設定手段
    と、 空燃比フィードバック補正係数の変化に基づいてパージ
    ガス中の燃料濃度を学習するパージ燃料濃度学習手段
    と、 前記パージ制御手段によるパージガス流量と燃料濃度の
    学習値とに基づいてパージ燃料流量を算出するパージ燃
    料流量算出手段と、 基本燃料噴射量からパージ燃料流量分を減算してパージ
    燃料分減算基本燃料噴射量を算出するパージ燃料分減算
    基本燃料噴射量算出手段と、 パージ燃料分減算基本燃料噴射量と空燃比フィードバッ
    ク補正係数とに基づいて前記燃料噴射弁による燃料噴射
    量を算出する燃料噴射量算出手段と、 前記パージ燃料分減算基本燃料噴射量算出手段による燃
    料噴射量の減量補正率を算出する減量補正率算出手段
    と、燃料噴射量の減量補正率をエンジンの失火を防止できる
    上限として規定された規定値と比較する手段、及び、減
    量補正率が前記規定値を超えたときにパージガ ス流量を
    減少させる手段からなり、 燃料噴射量の減量補正率に基
    づいて前記パージ制御手段により制御するパージガス流
    量を補正するパージガス流量補正手段と、 を設けたことを特徴とするエンジンの蒸発燃料処理装
    置。
  2. 【請求項2】前記パージ制御手段は、吸入空気流量に対
    するパージガス流量の割合であるパージ率が目標値とな
    るようにパージガス流量を制御するものであり、前記パ
    ージガス流量補正手段は、パージ率を補正するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載のエンジンの蒸発燃料
    処理装置。
  3. 【請求項3】前記減量補正率算出手段は、基本燃料噴射
    量とこれから減算するパージ燃料流量分とから燃料噴射
    量の減量補正率を算出するものであることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載のエンジンの蒸発燃料処理装
    置。
  4. 【請求項4】 パージガス中のパージ空気流量を算出する
    手段と、前記吸入空気流量検出手段により検出された吸
    入空気流量にパージ空気流量を加算してシリンダ吸入空
    気流量を算出する手段とを有し、前記基本燃料噴射量算
    出手段は、シリンダ吸入空気流量に基づいて基本燃料噴
    射量を算出するものであることを特徴とする請求項1〜
    請求項3のいずれか1つに記載のエンジンの蒸発燃料処
    理装置。
  5. 【請求項5】 スロットル弁をバイパスするバイパス通路
    と、このバイパス通路に介装されたアイドル制御弁とを
    備え、更に、パージガス中のパージ空気流量を算出する
    手段と、このパージ空気流量に基づいてアイドル制御弁
    の開度を減少補正する手段とを設けたことを特徴とする
    請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの
    蒸発燃料処理装置。
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