JPH07316900A - 電解洗浄液の浄化方法 - Google Patents

電解洗浄液の浄化方法

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JPH07316900A
JPH07316900A JP10670294A JP10670294A JPH07316900A JP H07316900 A JPH07316900 A JP H07316900A JP 10670294 A JP10670294 A JP 10670294A JP 10670294 A JP10670294 A JP 10670294A JP H07316900 A JPH07316900 A JP H07316900A
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勝博 太田
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正晃 森
Hiromitsu Sakaki
大光 酒樹
Kenichi Kato
健一 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は鉄分および油分で汚染された電解洗
浄液を的確容易に浄化するとともに発泡をなくした電解
洗浄液の浄化方法を提供すことを目的とする。 【構成】 鉄分および油分で汚染されたアルカリ電解洗
浄液の温度を50℃以下、pH13以上に調整してこのアルカ
リ電解洗浄液と前記鉄分との反応により液中に綿状水酸
化鉄を生成させるとともに該綿状水酸化鉄に電解洗浄液
中の油分を吸着させ、この油分が吸着された綿状水酸化
鉄を磁気体に接触捕捉させて電解洗浄液中の鉄分および
油分を除去する電解洗浄液の浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解洗浄液の浄化方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧延された鋼帯は、次工程の焼鈍処理に
際して鋼帯の表面汚れ等がないようにするため、一般に
は洗浄効率を向上するため約70℃に保持した苛性ソーダ
水溶液からなるアルカリ洗浄液中へ冷間圧延後の鋼帯を
導入し、電解により鋼帯表面に付着している圧延油等の
油分や圧延による付着鉄粉等を除去している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のごときアルカリ
洗浄液で鋼帯の電解洗浄を続けると、電解洗浄液は油分
や鉄分で汚染されることになり、更に油分等の濃度が上
昇すると苛性ソーダと油分のケン化反応によって多量の
泡を発生するとともに黒色に濁った液に変色する。この
ようにして泡が序々に増加するとオーバフローさせて新
たな洗浄液を投入しなければならず、経済的でないうえ
に洗浄液の汚染によって鋼帯の清浄度も序々に劣化する
ので通板速度が低下し、生産性が低下することになる等
の課題がある。本発明はこのような課題を有利に解決す
るためなされたものであり、電解洗浄液の泡発生を抑制
しつつ操業することのできる電解洗浄液の浄化方法を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、鉄分および油分で汚染されたアルカリ電解洗浄液
の温度を50℃以下、pH13以上に調整してこのアルカリ電
解洗浄液と前記鉄分との反応により液中に綿状水酸化鉄
を生成させるとともに該綿状水酸化鉄に電解洗浄液中の
油分を吸着させ、この油分が吸着された綿状水酸化鉄を
磁気体に接触捕捉させて電解洗浄液中の鉄分および油分
を除去することを特徴とする電解洗浄液の浄化方法に関
するものである。
【0005】
【作用】上記のごとく、電解洗浄液をpH13以上とするこ
とによって液中の鉄分はアルカリ電解洗浄液と反応して
水酸化鉄(Fe(OH)2 )が生成される。この場合、電解洗
浄液を50℃以下としておくことによりこの水酸化鉄が
綿状となって析出する。このような綿状水酸化鉄は吸着
性が付与されているので液中の油分はこれに的確に吸着
されることとなる。又、油分が吸着された綿状水酸化鉄
中には鉄分が含まれているので、これを磁性体に接触さ
せると油分および鉄分を含有したまま磁性体に捕捉さ
れ、これにより電解洗浄液中の油分および鉄粉はともに
除去されることとなる。
【0006】鉄は、酸性領域ではFe2+イオンになり溶解
し、アルカリ領域では一般に溶解しないが液温を50℃以
下に低下させた約pH13以上の強アルカリでは液中で水酸
化鉄(Fe(OH)2 )を生成する。そこで本発明においては
pH13以上のアルカリ電解洗浄液中で鋼帯から除去された
鉄粉を水酸化鉄にするとともに、上記のごとく液温を50
℃以下に下げて綿状水酸化鉄にしてこれに油分を吸着さ
せ、これを磁性体に接触せしめ綿状水酸化鉄中の鉄分に
よって磁性体に捕捉して電解洗浄液中から除去するもの
である。しかして、液温が50℃超であると迅速かつ洗浄
液中の油分を吸着するに十分な綿状水酸化鉄に析出させ
ることが困難となり好ましくない。
【0007】このような電解洗浄液の浄化は、例えば、
電解洗浄装置の洗浄タンクから洗浄液の一部を取り出し
てピット内へ導入し、液を50℃以下にするとともにpH調
整によりpH13以上に保持しつつ撹拌し、磁性体(磁性フ
ィルター)を通過せしめて上記のごとく洗浄液中の油分
等を除去し、再度電解洗浄装置の洗浄タンクへ戻せばよ
い。このような浄化を連続又は間欠的に行ない電解洗浄
装置の電解洗浄液中の油分、鉄分を除去し、常時清浄に
保持するとともに発泡を防止しつつ、優れた鋼帯等の洗
浄を施すものである。
【0008】次に、本発明方法を実施するための装置例
を挙げる。ピット1内へ電解洗浄装置の洗浄タンク(図
示せず)からアルカリ洗浄液2を導入管3を介して導入
して液温50℃以下、pH13以上に調整し、インペラー4の
回転により撹拌しつつ液中の油分を吸着した綿状水酸化
鉄を生成せしめた洗浄液2をポンプ5により磁性フィル
ター6を通過させて綿状水酸化鉄を磁性フィルター6に
吸着して洗浄液2から除去しピット1へ戻す。しかる
後、導出管7から洗浄タンクへ導入する。このような洗
浄液2の浄化を連続的又は間欠的に施し、電解洗浄装置
の洗浄液の油分等を確実に除去し、常時清浄に保持する
とともに発泡を防止するものである。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに挙げ
る。
【表1】 注1 洗浄液は鋼帯の電解洗浄液で苛性ソーダ2〜3
%、電解添加剤としてカルボン酸塩約0.2 %からなる水
溶液で、操業中の電解洗浄液をピットへ導き浄化処理し
た。 注2 洗浄液の浄化処理はピット内液循環量20 l、流量
20 l/分、循環時間5分で実施した。 注3 発泡の有無は処理中にピット内液表面の泡発生の
有無である。 注4 磁性体の磁力は2000ガウスで実施した。
【0010】
【発明の効果】本発明は前記説明から明らかなように、
鉄分および油分で汚染されたアルカリ電解洗浄液の温度
を50℃以下、pH13以上に調整してこのアルカリ電解洗浄
液と前記鉄分との反応により液中に綿状水酸化鉄を生成
させるとともに該綿状水酸化鉄に電解洗浄液中の油分を
吸着させ、この油分が吸着された綿状水酸化鉄を磁気体
に接触捕捉させて電解洗浄液中の鉄分および油分を除去
するようにしたことにより、洗浄液中の油分を確実に除
去し発泡を防止し、自然減による新液の補充にとどめる
ことができ、著しくコストを軽減し作業能率を向上する
ことができて経済的である。又、洗浄液中の油分等の除
去が確実にでき、油分と苛性ソーダ等アルカリ剤との接
触による液の汚染が回避できることから、洗浄鋼帯の汚
れを低減して鋼帯表面の品位を向上することができる等
の優れた効果が得られる。よって本発明は圧延された鋼
帯の焼鈍工程前の電解洗浄処理などにおける問題点を解
決した電解洗浄液の浄化方法として業界にもたらすとこ
ろ極めて大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の1例を示す
側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 健一 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄分および油分で汚染されたアルカリ電
    解洗浄液の温度を50℃以下、pH13以上に調整してこのア
    ルカリ電解洗浄液と前記鉄分との反応により液中に綿状
    水酸化鉄を生成させるとともに該綿状水酸化鉄に電解洗
    浄液中の油分を吸着させ、この油分が吸着された綿状水
    酸化鉄を磁気体に接触捕捉させて電解洗浄液中の鉄分お
    よび油分を除去することを特徴とする電解洗浄液の浄化
    方法。
JP10670294A 1994-05-20 1994-05-20 電解洗浄液の浄化方法 Expired - Lifetime JP2955183B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001131789A (ja) * 1999-10-29 2001-05-15 Nisshin Steel Co Ltd 電気めっき鋼板の前処理方法および前処理装置
JP2018159098A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 新日鐵住金株式会社 バッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法

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JP2001131789A (ja) * 1999-10-29 2001-05-15 Nisshin Steel Co Ltd 電気めっき鋼板の前処理方法および前処理装置
JP2018159098A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 新日鐵住金株式会社 バッチ式焼鈍用鋼板の電解洗浄方法

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