JPH072994B2 - 金属材料の表面浄化法 - Google Patents

金属材料の表面浄化法

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JPH072994B2
JPH072994B2 JP718489A JP718489A JPH072994B2 JP H072994 B2 JPH072994 B2 JP H072994B2 JP 718489 A JP718489 A JP 718489A JP 718489 A JP718489 A JP 718489A JP H072994 B2 JPH072994 B2 JP H072994B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/02Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は金属材料の表面浄化法に係り、特にアルミニウ
ム材料等の金属材料の表面に存在する酸化マグネシウム
を除去するための技術に関するものである。
(背景技術) 従来から、金属材料の表面には、空気中の酸素等の作用
によって、かかる金属材料を構成する材質(成分)が酸
化されて酸化物層が形成されるようになることはよく知
られており、例えばAl−Mg系アルミニウム材料の如き金
属材料にあっては、その表面に酸化マグネシウムが不純
物層乃至は変質層として形成されることが知られてい
る。而して、そのような不純物層乃至は変質層等が材料
表面に存在すると、陽極酸化皮膜処理、化学皮膜処理等
の表面処理または塗装処理を金属材料に施した場合にお
いて、皮膜欠陥、密着性不良等の問題を惹起する場合が
あり、また装飾効果上からも、均一で規則的な表面仕上
げを行なうことが困難となる。
このため、金属材料には、表面処理のための前処理等と
称して、その表面に存在する異物、不純物、変質層等を
除去せしめる浄化操作が施されており、前記の酸化マグ
ネシウムを除去せしめる場合にあっては、一般に、エッ
チング性を有する脱脂洗浄剤、例えばアルカリ性や酸性
の脱脂洗浄剤を用いて、金属材料を浸漬処理する手法が
採用されている。
しかしながら、そのような脱脂洗浄剤として、アルカリ
性のものを用いた場合にあっては、酸化マグネシウムの
除去作用が低く、その処理に時間がかかったり、或いは
充分な除去が行ない得ない等の問題が内在している。ま
た、硝酸等の酸性脱脂洗浄剤を用いた場合にあっては、
アルカリ性脱脂洗浄剤に比べて、酸化マグネシウムの除
去効果は大であり、時として用いられるが、洗浄槽等の
設備を構成する鉄等に対して腐食性が大であるところか
ら、特別の設備を設ける必要が生じ、更にはその処理後
の廃液も危険物であるところから、廃液処理設備を必要
とし、酸化マグネシウムの除去コストを増大せしめてい
るのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為さ
れたものであって、その解決課題とするところは、下地
の金属を浸食することのない、また処理のために特別の
設備を設ける必要がなく、通常の鉄製の設備の使用が可
能である、酸化マグネシウムの除去効果に優れた表面浄
化手法を提供することにある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、金属材料
の表面に存在する酸化マグネシウムを除去するための表
面浄化法において、かかる金属材料を、炭酸ガスを通気
せしめた或いは通気させている水に接触処理することに
より、該金属材料表面の酸化マグネシウムを、かかる処
理水中に溶解し、除去せしめるようにしたのである。
また、このような炭酸ガスを通気せしめた或いは通気さ
せている水に対する金属材料の接触処理に際しては、そ
の処理水が加温されていることが望ましく、それによっ
て酸化マグネシウムの除去作用を高めることが出来る。
なお、この加温に際しては、有利には50〜90℃程度の温
度が目標とされることとなる。
(具体的構成) ところで、かかる本発明手法においては、炭酸ガス(C
O2)の通気により、処理水中には炭酸ガスが溶け込み、
そのような状態下において、処理されるべき金属材料の
表面に処理水が接触せしめられることとなるところか
ら、かかる金属材料の表面に存在する酸化マグネシウム
が、炭酸ガスと水との存在によって、次式: 4MgO+3CO2+4H2O →3MgCO3・Mg(OH)2・3H2O に示される如く、ヒドロオキシ炭酸マグネシウムに化学
変化し、水への溶解度を高めて、処理水中に溶け出すよ
うになるのである。
因みに、種々のマグネシウム化合物の水に対する溶解度
を下表に示すが、ヒドロオキシ炭酸マグネシウムは、そ
の水への溶解度が酸化マグネシウムに対して約18倍(Mg
O換算で)と増大した特性を示すものであり、これによ
って、金属材料の表面に存在する酸化マグネシウムが、
ヒドロオキシ炭酸マグネシウムの形態における処理水中
への効果的な溶解によって、有利に除去せしめられるこ
ととなるのである。
このように、酸化マグネシウムとヒドロオキシ炭酸マグ
ネシウムとでは、水に対する溶解度に極めて大きな差異
が認められ、後者の方が溶解度が大きい。尤も、酸化マ
グネシウムは、空気中では水及び二酸化炭素を吸収し、
徐々にヒドロオキシ炭酸マグネシウムに変化するが、本
発明にあっては、水及び二酸化炭素(炭酸ガス)が多量
に存在する条件を作り出すことによって、酸化マグネシ
ウムの溶解を促進せしめ、以て酸化マグネシウムの除去
効率を向上せしめたのである。
また、本発明において、湯または水等に炭酸ガス(CO2)
を通気せしめることにより、炭酸ガスは、かかる水中に
溶存することとなるが、その濃度としては、酸化マグネ
シウムの溶解除去の効果を高める上において可及的に高
濃度であることが望ましく、一般に、炭酸ガスを飽和濃
度で溶解せしめた水が有利に用いられるものであって、
この意味において、本発明にあっては、炭酸ガスを通気
せしめつつ、その水を金属材料に接触せしめることが望
ましいが、炭酸ガスを水中に通気せしめて、予め炭酸ガ
スを溶存せしめてなる水を用いて、金属材料の表面に接
触せしめるようにすることも可能である。
また、かかる金属材料の接触処理の形態にあっても、攪
拌下、浸漬処理する手法が一般的であるが、その他、炭
酸ガスを溶存せしめた湯若しくは水を金属材料に吹き付
ける等の手法によって、目的とする金属材料の表面に処
理水(炭酸ガス+水)が接触するようにした、各種の接
触手法が適宜に採用されることとなる。
さらに、このような炭酸ガスが溶存する処理水にて、所
定の金属材料の表面を接触処理するに際しては、かかる
処理水の温度が高い方が酸化マグネシウムの溶解性の点
からして望ましいが、温度が高くなると、炭酸ガスの溶
存量(飽和濃度)が低下するようになるところから、一
般に、処理水の温度としては50〜90℃程度の温度が有利
に採用されることとなる。そして、このように処理水が
比較的高い温度に加温せしめられる場合には、可及的に
炭酸ガスを処理水中に溶存せしめるために、炭酸ガスを
処理水中に通気せしめつつ、金属材料に対する接触処理
操作が実施されることとなるのである。
また、かかる処理水への金属材料の接触処理時間として
は、該金属材料表面における酸化マグネシウムの存在形
態や存在量、更には処理水の温度等に応じて適宜に決定
されることとなる。
なお、かかる本発明手法に従って処理され、表面浄化操
作が施される金属材料としては、一般にマグネシウムを
合金成分として用いたAl−Mg系材料が対象とされるもの
であるが、その他、表面に酸化マグネシウムが存在する
金属材料であれば、何れも、本発明手法が適用され得
て、かかる表面酸化マグネシウムを有利に除去すること
が可能である。
(実施例) 以下に、本発明の作用乃至は効果を更に具体的に明らか
にするために、本発明の代表的な実施例を示すが、本発
明が、そのような実施例や或いは前記した本発明の構成
に係る具体的説明によって何等限定的に解釈されるもの
では決してないこと、言うまでもないところである。
なお、本発明が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良
等を加えた形態において実施され得るものであって、ま
たそのような実施形態の何れもが、本発明の範疇に属す
るものであることが、理解されるべきである。
実施例 1 試料板としてAl−4.5%Mg合金板を用いる一方、処理水
として蒸留水を用いた。そして、先ず、蒸留水からなる
処理水を25℃において又は70℃の温度に加温した後、炭
酸ガスを10分以上通気せしめて、かかる処理水中の気体
を充分に置換し、また炭酸ガスを溶存せしめた後、攪拌
下、前記試料板をそれぞれ1分間浸漬した。次いで、試
料板を処理水から取り出し、蒸留水で充分に洗浄せしめ
た後、80℃で風乾し、その後表面のMg量を調べるために
オージェ電子分光法(Auger Electron Spectroscopy)
による表面分析に供した。
この表面分析は、上記で得られた25℃処理に係る試料板
と70℃処理に係る試料板について実施すると共に、比較
のために、上記の如き浸漬処理の施されていない試料板
についても行ない、その結果を第1図(a)〜(c)に
示した。なお、これらの図において、横軸のスパッタ時
間は板の深さ方向に対応するものである。
かかる第1図(a)〜(c)より明らかなように、処理
前の試料板(a)と比較して、それぞれ25℃及び70℃処
理後の試料板(b)及び(c)では、表面酸化マグネシ
ウムが明らかに減少していることが認められ、また加温
処理(c)によって酸化マグネシウムがより効果的に除
去されていることも認められるのである。
実施例 2 試料板としてAl−4.5%Mg−1.5%Zn合金板を用い、実施
例1と同様にして、25℃の処理水または70℃に加温した
処理水に浸漬処理した後、オージェ電子分光法によって
各試料板の表面酸化マグネシウムの濃度を調べ、その結
果を第2図(a)〜(c)に示した。
この第2図(a)〜(c)の結果より明らかなように、
浸漬処理の施されていない試料板(a)に対して、25℃
で浸漬処理された試料板(b)にあっては、板表面のマ
グネシウム濃度が著しく低下しており、更に70℃の温度
の処理水にて処理された試料板にあっては、更にその板
表面のマグネシウム濃度が低減されていることが認めら
れるのである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従って、炭酸
ガスを通気せしめた或いは通気させている水に対して、
金属材料を接触処理せしめ、かかる金属材料の表面に存
在する酸化マグネシウムを処理水中に溶解、除去せしめ
るようにすることにより、極めて効果的に金属材料の表
面に存在する酸化マグネシウムが除去され得ることとな
ったのであり、また、そのような炭酸ガスを溶存する処
理水、換言すれば炭酸水は、飲料水にも用いられている
ように極めて安全であることは勿論、材料としても炭酸
ガスと水であるところから、従来の洗浄液に比べて低コ
ストとなり、また処理時に下地の金属を浸食してしまう
ようなこともない等の特徴を発揮するのである。しか
も、従来の酸性脱脂洗浄剤で用いられる硝酸等の強酸で
は、腐食等が起こるために、通常の鉄製の設備を用いる
ことが出来なかったが、本発明手法によれば、通常の設
備がそのまま利用され得て、単に処理溶液を炭酸水に代
えるだけで処理が可能となるところから、処理が非常に
簡便となる利点をも享受することが出来るのである。
そして、このような本発明に従う表面浄化手法を採用す
ることによって、金属材料表面の酸化マグネシウムが有
効に除去されることにより、かかる金属材料、特にAl−
Mg系材料の化成処理性を良好と為し得るところから、そ
のような材料を自動車用材料等に有利に適用し得ること
となったのである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)及び第2図(a)〜(c)は、そ
れぞれ、実施例1及び実施例2におけるオージェ電子分
光法による処理前の試料板、20℃処理後の試料板及び70
℃処理後の試料板における板表面のマグネシウム濃度を
示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材料の表面に存在する酸化マグネシウ
    ムを除去するための表面浄化法にして、 かかる金属材料を、炭酸ガスを通気せしめた或いは通気
    させている水に接触処理することにより、該金属材料表
    面の酸化マグネシウムを、かかる処理水中に溶解し、除
    去せしめることを特徴とする金属材料の表面浄化法。
  2. 【請求項2】前記処理水が加温されていることを特徴と
    する請求項(1)記載の表面浄化法。
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