JPH07316490A - エアゾール塗料原液組成物 - Google Patents

エアゾール塗料原液組成物

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JPH07316490A
JPH07316490A JP13507594A JP13507594A JPH07316490A JP H07316490 A JPH07316490 A JP H07316490A JP 13507594 A JP13507594 A JP 13507594A JP 13507594 A JP13507594 A JP 13507594A JP H07316490 A JPH07316490 A JP H07316490A
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JP
Japan
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weight
component
parts
aerosol
organic solvent
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Application number
JP13507594A
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English (en)
Inventor
Keiji Kawamoto
惠司 河本
Hideo Ko
秀雄 高
Yoshifumi Ohama
宜史 大浜
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】A成分:1)アクリロニトリル5〜30重量
%、2)スチレン0〜35重量%、3)炭素数1〜8の
脂肪族アルコールのメタクリル酸エステル又はアクリル
酸エステル40〜85重量%、4)水酸基を有する単量
体1〜20重量%、及び5)カルボキシル基を有する単
量体0〜5重量%からなる共重合体、B成分:繊維素誘
導体、C成分:引火点が40℃以上の有機溶剤、及び、
D成分:顔料を必須成分としてなるエアゾール塗料原液
組成物であって、含有される全有機溶剤量がエアゾール
塗料原液組成物100重量部中25〜40重量部である
ことを特徴とするエアゾール塗料原液組成物。 【効果】固形分含量が高く、有機溶剤の量が少ないの
で、環境破壊を防ぎ、安全性が高く、さらに塗布する対
象物への付着効率が良く、垂れることなく厚塗りが可能
である。塗膜の光沢、不粘着性、耐水性、耐アルカリ性
にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアゾール塗料原液組
成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、配合する有
機溶剤の量を削減し環境破壊を防ぎ、かつ安全性が高
く、さらには塗布する対象物への付着効率が良く垂れる
ことなく簡便に利用でき、しかも塗膜の光沢、不粘着
性、乾燥性、耐水性、耐アルカリ性、及び安定性に優れ
た厚塗りのできるエアゾール塗料原液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エアゾール塗料とは、耐圧缶に塗料と噴
霧剤を入れて密閉し、弁の開閉によってノズル孔から塗
料を噴霧塗装するように作られた塗料であり、ボタンを
押すだけで塗装できるので補修塗りなどに広く使用され
ている。近年、塗料中の有機溶剤による大気汚染が問題
とされてきており、環境及び人体への悪影響を極力減ら
すために有機溶剤の使用量の削減が望まれている。これ
らの状況から、エアゾール塗料においても有機溶剤の使
用量が少なく、しかも塗膜の光沢、外観、耐揮発油性、
密着性、不粘着性、乾燥性、耐水性、耐酸性及び耐アル
カリ性に優れた厚塗りのできるエアゾール塗料の開発が
望まれていた。従来より汎用されている繊維素誘導体を
含有するエアゾール塗料原液組成物は、スプレー時の霧
の微粒化のために塗料中70〜85重量%にも及ぶ大量
の溶剤を含み、したがって塗料中の固形分は15〜30
重量%と非常に少ないため、下地を隠蔽するためには噴
霧量を多くする必要がある。このエアゾール塗料原液組
成物の中の有機溶剤は、大気汚染に対して無視できない
影響を持つものである。また、下地を隠蔽するために噴
霧量が多くなると、塗料が垂れやすくなるので、できる
だけ垂れを防止するために沸点が低く、したがって引火
点も低い有機溶剤を使用せざるを得ず、低引火点のケト
ン、エステル、アルコール、芳香族系などの溶剤を必要
とするため引火の危険性が高かった。エアゾール塗料原
液組成物中の、重合体を含む全固形分の含有量が60重
量%を超え、かつ使用する有機溶剤の引火点が40℃以
上であるようなエアゾール塗料原液組成物には、耐揮発
油性、密着性、外観においてまだ満足できるものがな
く、さらに、エアゾール塗料原液組成物の長期保存の間
に、顔料の沈降などにより所期の性能を維持することが
困難であるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、配合する有
機溶剤の量を削減して環境破壊を防ぎ、安全性が高く、
しかも塗膜の性能に優れ、長期間保存しても性能を維持
できるエアゾール塗料原液組成物を提供することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有
するアクリル系共重合体を塗膜構成主要素として用いる
ことにより、高固形分含量でかつ高性能を有するエアゾ
ール塗料原液組成物が得られることを見いだし、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、 (1)A成分:1)アクリロニトリル5〜30重量%、
2)スチレン0〜35重量%、3)炭素数1〜8の脂肪
族アルコールのメタクリル酸エステル及び炭素数1〜8
の脂肪族アルコールのアクリル酸エステルから選択され
た1種以上の単量体40〜85重量%、4)水酸基を有
する単量体1〜20重量%、及び5)カルボキシル基を
有する単量体0〜5重量%からなる共重合体、 B成分:繊維素誘導体、 C成分:引火点が40℃以上の有機溶剤、及び、 D成分:顔料 を必須成分としてなるエアゾール塗料原液組成物であっ
て、含有される全有機溶剤量がエアゾール塗料原液組成
物100重量部中25〜40重量部であることを特徴と
するエアゾール塗料原液組成物、及び、 (2)A成分:1)アクリロニトリル5〜30重量%、
2)スチレン0〜35重量%、3)炭素数1〜8の脂肪
族アルコールのメタクリル酸エステル及び炭素数1〜8
の脂肪族アルコールのアクリル酸エステルから選択され
た1種以上の単量体40〜85重量%、4)水酸基を有
する単量体1〜20重量%、及び5)カルボキシル基を
有する単量体0〜5重量%からなる共重合体、 B成分:繊維素誘導体、 C成分:引火点が40℃以上の有機溶剤、及び、 D成分:顔料 E成分:顔料分散剤 を必須成分としてなるエアゾール塗料原液組成物であっ
て、含有される全有機溶剤量がエアゾール塗料原液組成
物100重量部中25〜40重量部であることを特徴と
するエアゾール塗料原液組成物を提供するものである。
【0005】以下、本発明のエアゾール塗料原液組成物
について詳しく説明する。本発明のエアゾール塗料原液
組成物は、特定構造のアクリル系共重合体、繊維素誘導
体、有機溶剤及び顔料を必須成分とする。さらに、必要
に応じて顔料分散剤を含有せしめることが望ましい。本
発明のエアゾール塗料原液組成物に用いるアクリル系共
重合体は、下記の各単量体を必須成分として含有する共
重合体である。すなわち、このアクリル系共重合体は、
必須成分として、アクリロニトリル5〜30重量%、好
ましくは10〜25重量%、スチレン1〜35重量%、
好ましくは1〜30重量%、炭素数1〜8の脂肪族アル
コールのメタクリル酸エステル及び炭素数1〜8の脂肪
族アルコールのアクリル酸エステルから選択された1種
以上の単量体40〜85重量%、好ましくは45〜80
重量%、水酸基を有する単量体1〜20重量%、好まし
くは2〜15重量%、カルボキシル基を有する単量体0
〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%を含有するも
のである。本発明のエアゾール塗料原液組成物に用いる
アクリル系共重合体中にはアクリロニトリル5〜30重
量%が含有される。アクリロニトリルの含有量が5重量
%未満であると、耐水性と耐揮発油性のバランスが悪く
なるので好ましくなく、一方、アクリロニトリルの含有
量が30重量%を超えると、外観が不良となり、かつス
プレーする際の噴霧性が低下するので好ましくない。
【0006】本発明のエアゾール塗料原液組成物に用い
るアクリル系共重合体中には、スチレン1〜35重量%
が含有される。スチレンの含有量が1重量%未満である
と、塗膜の硬度、耐水性、耐アルカリ性、耐湿性及び耐
汚染性の向上が十分でないので好ましくなく、一方、ス
チレンの含有量が35重量%を超えると、塗膜の可撓
性、耐光性及び光沢保持性が低下するので好ましくな
い。本発明のエアゾール塗料原液組成物に用いるアクリ
ル系共重合体には、炭素数1〜8の脂肪族アルコールの
メタクリル酸エステル及び炭素数1〜8の脂肪族アルコ
ールのアクリル酸エステルから選択された1種以上の単
量体40〜85重量%、好ましくは45〜80重量%が
含有される。メタクリル酸エステル及びアクリル酸エス
テルの合計量が40重量%未満であれば、塗膜の耐候性
及び密着性が不足するので好ましくなく、メタクリル酸
エステル及びアクリル酸エステルの合計量が85重量%
を超えると、塗膜の耐加水分解性が低下するので好まし
くない。メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル
のうち、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸n−ブチル及びメタクリル酸イソブ
チルなどは、硬い塗膜を形成する性質を有し、メタクリ
ル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル及びアクリル酸2−エチルヘ
キシルなどは、軟らかい塗膜を形成する性質を有する。
メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルは、良好
な共重合性を有するので、所望する塗膜の硬度にしたが
って、これらのメタクリル酸エステル及びアクリル酸エ
ステルの種類及び量を任意に選択して共重合することが
できる。
【0007】本発明のエアゾール塗料原液組成物に用い
るアクリル系共重合体中の水酸基を有する単量体は、1
〜20重量%、好ましくは2〜15重量%含有される。
水酸基を有する単量体の含有量が1重量%未満では、水
酸基の導入によりアクリル系共重合体と繊維素誘導体と
の相溶性を改善し、かつ塗膜の耐ガソリン性を向上させ
る効果を発現させることができないので好ましくなく、
水酸基を有する単量体の含有量が20重量%を超える
と、耐水性が低下するので好ましくない。水酸基を有す
る単量体とは、水酸基及び付加重合性の二重結合を有す
る化合物であって、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、N−メチロールアクリルアミド及び1,4
−ブタンジオールモノアクリレートなどを挙げることが
でき、これらの単量体は1種用いてもよいし、2種以上
を使用することもできる。本発明のエアゾール塗料原液
組成物に用いるアクリル系共重合体中には、所望により
カルボキシル基を有する単量体を含有させることができ
る。カルボキシル基を有する単量体の含有量は0〜5重
量%、好ましくは0.1〜3重量%である。カルボキシ
ル基を含有させることにより、共重合体と顔料との親和
性を向上させることができるが、カルボキシル基を有す
る単量体の含有量が5重量%を超えると、塗膜の耐水性
が低下するので好ましくない。カルボキシル基を有する
単量体とは、カルボキシル基及び付加重合性の二重結合
を有する化合物であって、例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸及びビニル安息香酸な
どを挙げることができ、これらの単量体は1種用いても
よいし、2種以上を使用することもできる。
【0008】さらに、本発明のエアゾール塗料原液組成
物に用いるアクリル系共重合体においては、上記必須成
分以外の共重合可能な単量体も必要に応じて適宜使用す
ることができる。共重合可能な単量体としては、例え
ば、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリルな
どの炭素数9以上の脂肪族アルコールとアクリル酸又は
メタクリル酸とのエステル、メタクリロニトリル、酢酸
ビニルなどの各種カルボン酸のビニルエステル、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、及びN−ブトキシメチル
アクリルアミドなどのアクリルアミド類、メタクリルア
ミド誘導体、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、ビ
ニルトルエンなどを挙げることができる。この共重合可
能な単量体はアクリルアミドなどのように樹脂に極性の
官能基を導入したり、酢酸ビニルやフマル酸ジメチル、
フマル酸ジブチルのように樹脂骨格の一部となる単量体
であるので、この発明の必須成分ではなく特に配合量は
限定されない。上記の各単量体を成分とする共重合体
は、公知の重合方法により得ることができる。重合方法
としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合及び塊状重合
などを用いることができるが、溶液重合によれば、重合
の完了した樹脂溶液をそのまま本発明のエアゾール塗料
原液組成物に用いることができるので好ましい。本発明
のエアゾール塗料原液組成物において、上記のアクリル
系共重合体はエアゾール塗料原液組成物100重量部中
固形分として20〜50重量部、好ましくは25〜40
重量部配合される。この共重合体の配合量がエアゾール
塗料原液組成物100重量部中20重量部未満である
と、塗膜の密着性が低下するので好ましくない。一方、
エアゾール塗料原液組成物100重量部中の共重合体の
配合量が50重量部を超えると、スプレーする際の噴霧
性が低下するので好ましくない。本発明のエアゾール塗
料原液組成物の必須成分である繊維素誘導体としては、
例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、エチルセルロースなど
を挙げることができ、特に、ニトロセルロース及びセル
ロースアセテートブチレートを好適に使用することがで
きる。繊維素誘導体の配合量は、エアゾール塗料原液組
成物100重量部中1〜20重量部、好ましくは2〜1
5重量部である。繊維素誘導体の配合量が1重量部未満
であると、繊維素誘導体による速乾性と塗膜不粘着性の
効果が十分現れないので好ましくなく、繊維素誘導体の
配合量が20重量部を超えると、エアゾール塗料原液組
成物の粘度が高くなりすぎ、スプレーした際に霧になり
難くきれいな塗膜が得られない上に、耐候性が悪化する
ので好ましくない。
【0009】本発明のエアゾール塗料原液組成物に使用
される有機溶剤は、引火点が40℃以上のものである。
単独の有機溶剤で引火点が40℃以上のものを使用して
もよいが、2種以上の有機溶剤の混合物であって40℃
以上の引火点を有するものを使用することができる。す
なわち、この有機溶剤は、単一の有機溶剤でも、混合物
としての有機溶剤でもこの条件を満たしていればよい。
引火点が40℃以上の有機溶剤としては、例えば、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエ
チルエーテル、酢酸メトキシエチル、酢酸メトキシプロ
ピル、メチルシクロヘキサノン、イソアミル酢酸メチ
ル、酢酸sec−ヘキシル、シクロヘキサノンなどを挙
げることができ、特にプロピレングリコールモノエチル
エーテル、酢酸メトキシプロピル及びイソアミル酢酸メ
チルを好適に使用することができる。また、引火点が3
0℃以上40℃未満の有機溶剤としては、例えば、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、メチル−n−アミ
ルケトン、プロピオン酸ブチル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルなどを挙げることができる。引火点
が50℃以上70℃未満の有機溶剤としては、酢酸2−
エチルブチル、酪酸ブチル、エチレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエー
テル、酢酸エトキシエチル、3−エトキシプロピオン酸
エチルなどを挙げることができる。これらの有機溶剤の
中から適宜選択して混合することにより、引火点が40
℃以上である有機溶剤として使用することができる。例
えば、引火点が40〜50℃の有機溶剤は単独で使用可
能な有機溶剤であり、引火点が30〜40℃の有機溶剤
は、引火点が50〜70℃の有機溶剤と混合することに
より引火点が40℃以上の混合有機溶剤として使用する
ことができる。これらの有機溶剤の配合量は、エアゾー
ル塗料原液組成物100重量部中25〜40重量部であ
り、より好ましくは35〜40重量部である。エアゾー
ル塗料原液組成物100重量部中の有機溶剤の量が25
重量部未満であると、塗料の粘度が高くなりすぎて製造
が困難である上に、スプレーした際に塗料が微細な霧に
なりにくいので好ましくない。一方、エアゾール塗料原
液組成物100重量部中の有機溶剤の量が40重量部を
超えると、対象物にスプレーした際に垂れやすくなって
しまうので好ましくない。
【0010】本発明のエアゾール塗料原液組成物の必須
成分である顔料としては、酸化チタン、弁柄、カーボン
ブラック、フタロシアニンブルー、ファストエロー、ナ
フトールレッド、黄色酸化鉄などの通常使用されている
顔料のほか、亜鉛末、リン酸亜鉛、トリポリリン酸アル
ミニウムなどの防錆顔料も使用できる。また必要に応じ
て、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、シリカなどの体質顔料なども好適に使用すること
ができる。この顔料の配合量は、エアゾール塗料原液組
成物100重量部中1〜40重量部、好ましくは1〜3
5重量部である。エアゾール塗料原液組成物100重量
部中の顔料の配合量が1重量部未満であると、充分な隠
蔽力が得られず、かつスプレー噴霧性が悪くなるので好
ましくない。一方、エアゾール塗料原液組成物100重
量部中の顔料の配合量が35重量部を超えると、塗膜の
光沢が低下するので好ましくない。さらに、この発明の
必須成分である顔料分散剤としては、通常の顔料分散能
を示すものであれば特に制限なく使用することができ
る。本発明のエアゾール塗料原液組成物に使用しうる顔
料分散剤としては、例えば、Anti-Terra-P、Anti-Terra
-U、Anti-Terra-203、Anti-Terra-204、Disperbyk、Dis
perbyk-101、Disperbyk-107、Disperbyk-110、Disperby
k-130、Disperbyk-161、Disperbyk-162、Disperbyk-16
3、Disperbyk-164、Disperbyk-165、Disperbyk-166、Di
sperbyk-170、Bykumen、BYK-P104、BYK-P105、BYK-P104
S、BYK-P240S、Lactimon、BYK-405(ビッグケミー社
製)、Solsperse3000、Solsperse9000、Solsperse1700
0、Solsperse13240、Solsperse24000、Solsperse2000
(アイ・シー・アイ社製)、アディトールXL203、アデ
ィトールXL204、アディトールXL250、アディトールXL27
0、アディトールXW330、アディトールVXL5935、アディ
トールVXL4964(ヘキスト社製)、EFKA-44、EFKA-46、E
FKA-47、EFKA-47EA、EFKA-54、EFKA-63、EFKA-64、EFKA
-65、EFKA-66、EFKA-71、EFKA-764、EFKA-766、EFKA-10
0、EFKA-400、EFKA-401、EFKA-745(パーカーコーポレ
ーション社製)などを挙げることができる。ここに挙げ
た顔料分散剤は市販品の例であり、本発明に使用される
顔料分散剤を限定するものではない。ここに挙げた以外
に、顔料分散性を有する化合物であれば本発明の必須成
分である顔料分散剤として用いることが可能である。さ
らに、顔料分散剤を2種以上用いることは何ら差し支え
ない。この顔料分散剤の配合量は、エアゾール塗料原液
組成物100重量部中0.001〜5重量部、より好ま
しくは0.1〜4重量部である。エアゾール塗料原液組
成物中に顔料分散剤を添加することにより、エアゾール
塗料原液組成物中で顔料が十分分散して良好な塗膜の光
沢が得られるので好ましい。しかし、エアゾール塗料原
液組成物100重量部中の顔料分散剤の量が5重量部を
超えると、得られる塗膜の性能が低下するので好ましく
ない。以上のような必須成分から構成されたエアゾール
塗料原液組成物には、塗膜の硬さを低下させて耐屈曲性
を改善するために可塑剤を配合してもよく、さらに塗料
に通常使用されるレベリング剤、消泡剤、色分れ防止剤
なども適宜配合して使用することができる。本発明のエ
アゾール塗料原液組成物は、噴霧剤を使用してエアゾー
ル化される。この噴霧剤としては、ジメチルエーテルが
最適であるが、ジメチルエーテルに液化石油ガスを混合
して使用することができる。この噴霧剤と塗料原液組成
物との体積比は、55/45〜75/25が好適に使用
できるが、60/40〜70/30がより望ましい。噴
霧剤と塗料原液組成物の体積比が55/45未満である
と、固形分含量が高い塗料原液組成物を微細な霧とする
ことが困難であるので好ましくない。一方、噴霧剤と塗
料原液組成物の体積比が75/25を超えても、塗料原
液組成物を細かい霧とする効果の向上は認められず、い
たずらにスプレー容器へ充填しうる塗料原液組成物の量
が減少するのみであるので好ましくない。
【0011】
【実施例】以下にこの発明の実施例及び比較例を示すこ
とによりこの発明の効果をより一層明確にするが、本発
明はこれらの実施例によってなんら制限されるものでは
ない。 樹脂合成例1 撹拌装置、温度計、窒素導入管、還流冷却器及び滴下ロ
ートを装備した四つ口フラスコにソルベッソ100 4
4.6重量部、n−ブタノール5.0重量部を仕込み、内
部を窒素で置換した後、加熱して還流させた。そこへ、
アクリロニトリル16.6重量部、メタクリル酸メチル
16.7重量部、スチレン4.0重量部、メタクリル酸n
−ブチル39.7重量部、メタクリル酸t−ブチル16.
6重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル2.3重
量部、ブレンマーPE−200[日本油脂(株)製]3.
3重量部、アクリル酸0.8重量部、2,2'−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)1.3重量部を混合した
ものを、滴下ロートから還流状態を保ちながら2時間か
けて滴下した。滴下終了後1時間還流状態を保ったの
ち、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
0.3重量部と酢酸メトキシプロピル3.3重量部を混合
したものを添加し、さらに1時間還流させた。重合終了
後、酢酸メトキシプロピル12.1重量部を添加し、固
形分60重量%の樹脂溶液を得た。 樹脂合成例2〜5 第1表の配合に従い、樹脂合成例1と同様に合成するこ
とで固形分60重量%の樹脂溶液を得た。
【0012】
【表1】
【0013】実施例1 樹脂合成例1で合成した樹脂を用いて、第2表に示す配
合に従いペイントシェーカーで塗料化した。この塗料9
0mlをエアゾール用ブリキ缶に充填した後、噴霧剤とし
てジメチルエーテル210mlを封入してエアゾール塗料
とした。このエアゾール塗料を試験板(JIS G 31
41の冷間圧延鋼板)にスプレー塗装して、下記の性能
を試験した。 スプレー性:10秒間スプレー塗装して霧の状態を目視
で観察した。エアゾール塗料として問題のない霧の状態
を○とし、粗い霧などエアゾール塗料として問題のある
霧の状態を×とした。 塗膜の外観:JIS K 5400 7.1の方法で試験し
た。(塗布量125g/m2)正常である塗膜を○、問
題のある塗膜を×とした。 光沢:JIS K 5400 7.6の方法で試験した。
(塗布量125g/m2)この試験結果を数値で示す。 耐水性:試験板に塗布量125g/m2の割合でスプレ
ー塗装し、室温で7日間乾燥後、水に98時間浸し塗膜
の外観を観察した。異状のないものを○、塗膜が剥離し
たものを×とした。 耐アルカリ性:試験板に塗布量125g/m2の割合で
スプレー塗装し、室温で7日間乾燥後、水酸化ナトリウ
ム水溶液(5重量%)に24時間浸し塗膜の外観を観察
した。異状のないものを○、塗膜が剥離したものを×と
した。 不粘着性:試験板に塗布量125g/m2の割合でスプ
レー塗装し、室温で7日間乾燥後、ガーゼ5枚を重ね、
ガーゼの中央に500gの錘をおき、45℃で24時間
放置した後ガーゼを塗面から引き離し、塗面とガーゼと
の粘着の程度と塗面について布目の跡とを調べた。粘着
も布目の跡もないものを○、いずれかがあるものを×と
した。これらの結果を第3表にまとめて示す。 実施例2〜10 実施例2〜10においても、実施例1と同様に塗料化し
て試験した。その配合を第2表に、試験結果を第3表に
示す。実施例1〜10のエアゾール塗料原液組成物は、
塗料固形分含量が62.5〜65.0%と多いにもかかわ
らず、比較例1〜4の従来品と比較して、スプレー性、
塗膜の外観、光沢、耐水性、耐アルカリ性及び不粘着性
のすべてにおいて優れた性質を有していた。
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】樹脂合成例6 撹拌装置、温度計、窒素導入管、還流冷却器及び滴下ロ
ートを装備した四つ口フラスコに酢酸エチル34重量部
とトルエン30重量部を仕込み、内部を窒素で置換した
のち加熱して還流させた。そこへ、メタクリル酸メチル
20重量部、メタクリル酸n−ブチル33重量部、メタ
クリル酸t−ブチル30重量部、メタクリル酸2−ヒド
ロキシルエチル15重量部、メタクリル酸2重量部、及
びベンソイルパーオキシド2重量部からなる混合物を3
時間で滴下し、さらに3時間還流させた。その後アゾビ
スイソブチロニトニル1部を少量ずつ加えて、さらに2
時間還流させた。最後にトルエン37重量部を加え、固
形分50重量%の樹脂溶液を得た。 樹脂合成例7 撹拌装置、温度計、窒素導入管、還流冷却器及び滴下ロ
ートを装備した四つ口フラスコに酢酸ブチル34重量部
とトルエン67重量部を仕込み、内部を窒素で置換した
のち加熱して液温を90℃とした。そこへ、メタクリル
酸メチル65重量部、アクリル酸エチル25重量部、メ
タクリル酸2−ヒドロキシルエチル9重量部、アクリル
酸1重量部、及びアゾビスイソブチロニトニル1重量部
及びアゾビスシクロヘキサニトリル0.4重量部とから
なる混合物を90〜100℃を保ちながら4時間で滴下
した。さらに、同温度を保ち4時間反応させることで、
固形分50重量%の樹脂溶液を得た。 比較例1〜4 樹脂合成例6及び7の樹脂を用いて、比較例1〜4のエ
アゾール塗料原液組成物を第4表の配合に従い実施例1
と同様に塗料化した。この塗料150mlをエアゾール用
ブリキ缶に充填した後、噴霧剤としてジメチルエーテル
150mlを封入してエアゾール塗料とした。このエアゾ
ール塗料を使用して、実施例1と同様にして試験した。
これらの結果を第5表に示す。比較例1〜4のエアゾー
ル塗料原液組成物は、その中に含有される塗料固形分が
15〜25重量%と低いが、スプレー性、塗膜の外観、
光沢、耐水性、耐アルカリ性及び不粘着性においては優
れた性質を有していた。 比較例5〜6 樹脂合成例6及び7の樹脂を用いて、比較例5〜6のエ
アゾール塗料原液組成物を第4表の配合に従い実施例1
と同様に塗料化した。この塗料90mlをエアゾール用ブ
リキ缶に充填した後、噴霧剤としてジメチルエーテル2
10mlを封入してエアゾール塗料とした。このエアゾー
ル塗料を使用して、実施例1と同様にして試験すること
を試みたが、塗料原液組成物を細かい霧状にスプレーす
ることができなかった。
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【発明の効果】本発明のエアゾール塗料原液組成物は、
高固形分含量であって配合する有機溶剤の量を削減し環
境破壊を防ぎ、かつ安全性が高く、さらには塗布する対
象物への付着効率が良く垂れることなく厚塗りが可能で
ある。さらに、このエアゾール塗料原液組成物は、塗膜
の光沢、不粘着性、乾燥性、耐水性、耐アルカリ性、及
び安定性に優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A成分:1)アクリロニトリル5〜30重
    量%、2)スチレン1〜35重量%、3)炭素数1〜8
    の脂肪族アルコールのメタクリル酸エステル及び炭素数
    1〜8の脂肪族アルコールのアクリル酸エステルから選
    択された1種以上の単量体40〜85重量%、4)水酸
    基を有する単量体1〜20重量%、及び5)カルボキシ
    ル基を有する単量体0〜5重量%からなる共重合体、 B成分:繊維素誘導体、 C成分:引火点が40℃以上の有機溶剤、及び、 D成分:顔料 を必須成分としてなるエアゾール塗料原液組成物であっ
    て、含有される全有機溶剤量がエアゾール塗料原液組成
    物100重量部中25〜40重量部であることを特徴と
    するエアゾール塗料原液組成物。
  2. 【請求項2】A成分:1)アクリロニトリル5〜30重
    量%、2)スチレン0〜35重量%、3)炭素数1〜8
    の脂肪族アルコールのメタクリル酸エステル及び炭素数
    1〜8の脂肪族アルコールのアクリル酸エステルから選
    択された1種以上の単量体40〜85重量%、4)水酸
    基を有する単量体1〜20重量%、及び5)カルボキシ
    ル基を有する単量体0〜5重量%からなる共重合体、 B成分:繊維素誘導体、 C成分:引火点が40℃以上の有機溶剤、及び、 D成分:顔料 E成分:顔料分散剤 を必須成分としてなるエアゾール塗料原液組成物であっ
    て、含有される全有機溶剤量がエアゾール塗料原液組成
    物100重量部中25〜40重量部であることを特徴と
    するエアゾール塗料原液組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007099895A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Nippe Home Products Co Ltd エアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007099895A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Nippe Home Products Co Ltd エアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料組成物

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