JP2007099895A - エアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】一般家庭用のエアゾール塗料として乾燥が速く、誰もが熟練を必要としないで簡便にきれいに塗ることができ、化学物質過敏症の原因物質を含まず、地球環境の破壊につながらない、且つ消防法上の安全性が高く、エアゾール缶の腐食などが起こらずに長期間安定性にあるエアゾール塗料を製造するためのエアゾール塗料用原液組成物、および、エアゾール塗料組成物を提供する。
【解決手段】エアゾール塗料用原液組成物として、スチレンと炭素数1〜8のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルと水酸基を分子内に有する(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシル基を分子内に有するビニル単量体と、を必須成分として得られる共重合体樹脂15〜60重量%に、セタ密閉式引火点が21℃以上70℃未満である非芳香族炭化水素系有機溶剤40〜85重量%を配合する。
【選択図】なし。
【解決手段】エアゾール塗料用原液組成物として、スチレンと炭素数1〜8のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルと水酸基を分子内に有する(メタ)アクリル酸エステルとカルボキシル基を分子内に有するビニル単量体と、を必須成分として得られる共重合体樹脂15〜60重量%に、セタ密閉式引火点が21℃以上70℃未満である非芳香族炭化水素系有機溶剤40〜85重量%を配合する。
【選択図】なし。
Description
本発明は、エアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料組成物に関し、より詳しくは、配合する有機溶剤の安全性と地球環境への影響を考慮し、且つ、化学物質過敏症(その中でもシックハウス症候群、シックビル症候群、シックスクール症候群)の原因物質としてあげられている芳香族炭化水素系有機溶剤を排除することにより、人体の健康面への悪影響を低減し、引火の危険性を少なくし、また地球環境破壊を防ぎ、さらには、塗膜の光沢、不粘着性、乾燥性、耐アルカリ性の優れたエアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料組成物に関する。
現在、一般に使用されているエアゾール塗料中には、有機溶剤が配合されている。例えば、特許文献1の発明では、溶剤としてトルエンなどの芳香族炭化水素系有機溶剤、アセトン、メチルケトンなどのケトン系有機溶剤、酢酸エチルなどのエステル系有機溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系有機溶剤が使用されている。しかし、これらの有機溶剤のうち、芳香族炭化水素系有機溶剤については、地球環境及び人体への影響が懸念されるようになってきた。また、被塗物に塗布した塗料のタレ防止を目的として、低引火点の有機溶剤を使用しているため、エアゾール製造現場において十分な引火防止対策が必要であった。
特許文献1に記載の各有機溶剤は、消防法における第1石油類に該当し、引火点は21℃未満である。さらに、このような有機溶剤は、被塗物が発砲スチロールなどのプラスチックであった場合、被塗物を溶解してしまうという問題もあった。
このため、例えば、特許文献2に記載されるようにグリコールエーテル系有機溶剤(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーエル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールt−ブチルエーテルなど)や水を溶媒とするエアゾール塗料が創出されてきた。しかし、グリコールエーテル系有機溶剤と水の両者を溶媒とするエアゾール塗料は乾燥性が遅いという問題があった。
特開平04−59877号公報
特開平05−70713号公報
上記実情に鑑み、本発明は一般家庭用のエアゾール塗料として乾燥が速く、誰でもが熟練を必要としないで簡便にきれいに塗ることができ、化学物質過敏症の原因物質を含まず、地球環境の破壊につながらない、且つ、消防法上の安全性が高く、エアゾール缶の腐食などが起こらずに長期間安定性のあるエアゾール塗料を製造するためのエアゾール塗料用原液組成物、およびエアゾール塗料組成物を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明は次のようなエアゾール塗料用原料組成物及びエアゾール塗料組成物を提供する。
(1) ビニル共重合体樹脂15〜60質量%と、有機溶剤40〜85質量%と、が配合されてなるエアゾール塗料用原液組成物であって、上記ビニル共重合体樹脂は、スチレン1〜50質量%と、炭素数1〜8のアルキルアルコールのメタクリル酸エステル及び炭素数1〜8のアルキルアルコールのアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体10〜80質量%と、水酸基を分子内に有するメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体1〜30質量%と、カルボキシル基を分子内に有するビニル単量体0.1〜2質量%とを共重合して得られる樹脂であり、上記有機溶剤は、単独または混合物の引火点が消防法上の第2石油類に該当する21℃以上70℃未満の非芳香族炭化水素系有機溶剤であるエアゾール塗料用原液組成物。
本発明によれば、化学物質過敏症(その中でもシックハウス症候群、シックビル症候群、シックスクール症候群)や揮発性有機化合物(VOC)の原因となる物質を含まないので、人体の健康面への悪影響や環境汚染を低減できる。また、エアゾール塗料としての塗装時やエアゾール塗料製造時における引火の危険性が少なく、安全性に優れる。さらに、水溶媒を使用していないため、エアゾール缶の腐食などが起こらず長期間安定性を有する。
エアゾール塗料用原料組成物において、樹脂となる重合体と有機溶剤との配合割合は、ビニル共重合体樹脂が15〜60質量%、有機溶剤が40〜85質量%であるのが、ビニル共重合体樹脂との相溶性に優れ、最も塗り易く良好な塗膜が得られるので好ましい。
ここで、消防法上の第2石油類に該当する有機溶剤とは、引火の危険性を判断するため、消防法の政令(第1章第1条の4)で定めた引火点測定器(例えばセタ密閉式引火点測定器)によって測定された引火点を有することを意味する。
(2) 上記有機溶剤は、グリコールエーテル系有機溶剤、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤、脂環式ケトン系有機溶剤、及び炭素数9(C9)の芳香族炭化水素系有機溶剤を水添化反応して得られる有機溶剤から選択された1種類以上の有機溶剤である(1)記載のエアゾール塗料用原液組成物。
本発明によれば、芳香族炭化水素系有機溶剤を含まないので人体の健康面への悪影響や環境汚染が低減される。また、塗膜の乾燥性が速くてタレ難い。そのため、塗装に熟練を要せず、しかも安全に塗装することができる。また、スチレンと、炭素数1〜8のアルキルアルコールのメタクリル酸エステル及び炭素数1〜8のアルキルアルコールのアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体と、水酸基を分子内に有するメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体と、カルボキシル基を分子内に有する単量体とから得られる重合体への溶解性に優れる。
(3) (1)または(2)に記載のエアゾール塗料用原液組成物及び噴霧剤からなるエアゾール塗料組成物。
エアゾール塗料組成物は、エアゾール塗装用原料と噴霧剤とを所定の混合比でエアゾールスプレー缶に充填することによって得られる。そして、スプレー缶から噴霧剤を噴霧することで、エアゾール塗料用原料組成物が噴霧されて塗装されることになる。
噴霧剤としては、オゾン層破壊の問題を引き起こさないように、フロン以外の例えば、ジメチルエーテル、あるいはジメチルエーテルと液化石油ガス(LPG)との混合物等を使用するのが好ましい。
本発明のエアゾール塗料用原液組成物は、消防法上の第2石油類に該当する引火点が21℃以上70℃未満の有機溶剤を単独または混合物で使用するため、従来品に比較して引火の危険性が少なくて安全性が高いことに加えて、塗膜の乾燥が速くタレにくい。従って、塗装に熟練を必要とせず、誰でも簡便にきれいに塗ることができる。また、上記有機溶剤は非芳香族炭化水素系のものであるため、シックハウス症候群、シックビル症候群、シックスクール症候群等の化学物質過敏症の原因物質でもなく、大気汚染、オゾン層の破壊等の地球環境の破壊につながる物質でもない。さらに水溶媒を使用していないため、エアゾール缶の腐食などが起こらず長期間安定性のあるエアゾール塗料を製造することができる。
以下、本発明に係るエアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料用組成物の構成について記述する。
本発明に係るエアゾール塗料用原液組成物は共重合体、有機溶剤を必須成分とする。この共重合体は、次の各単量体を必須成分として得られる重合体である。この必須成分である単量体として、全共重合体成分に対して1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%のスチレンが配合される。スチレンの配合量が50質量%を超えると得られる塗膜の耐候性が低下し、1質量%未満では乾燥性が悪くなる。
また、炭素数1〜8のアルキルアルコールのメタクリル酸エステル、及び炭素数1〜8のアルキルアルコールのアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体が、全重合体成分に対して10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%配合される。上記1種類以上の単量体が、全重合体成分に対して10質量%未満の場合、塗膜の耐候性が低下し、80質量%を超えると、塗膜の光沢が低下する。
上記単量体は共重合体樹脂の骨格をなすもので、目的の共重合体樹脂の硬さを得られるよう1種類又は2種類以上の単量体の組合せで使用される。炭素数1〜8のアルキルアルコールのメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が例示できる。また、炭素数1〜8のアルキルアルコールのアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が例示できる。
また、上記共重合体樹脂には、水酸基を分子内に有するメタクリル酸エステル、及びアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体を全共重合体樹脂成分に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%配合する。この量が1質量%未満では、繊維素誘導体を添加した場合に相容性を改善する効果を発現させることができず、30質量%を超えると耐水性が悪くなる。水酸基を分子内に有するメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が例示できる。
カルボキシル基を分子内に有する単量体も、上記共重合体樹脂の必須成分であり、全共重合体樹脂成分に対して、0.1〜2質量%、好ましくは0.5〜1質量%使用される。この量が0.1未満では、顔料分散性が悪くなり、2質量%を超えると顔料との混和性が悪くなる。このカルボキシル基を分子内に有するビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等が例示できる。
本発明においては、上記成分以外の共重合可能な単量体も必要に応じて適宜使用してよい。この共重合可能な単量体は、必須成分ではないが空気酸化硬化型塗膜を得たり、顔料分散性を良くしたり、塗膜の粘着性が少ないなどの特徴ある性能を得るため、全重合体に対して5〜30質量%、好ましくは8〜25質量%までの配合でできる。この量が5質量%未満では、目的とする特徴ある性能を発現出来なくなり、5質量%を超えると塗膜の光沢が低下する。上記共重合可能な単量体としては、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル等の炭素数9(C9)以上の飽和または不飽和アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル及びビニルアルコールと各種カルボン酸のエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリルアミド等が例示できる。
上記単量体を成分とする共重合体樹脂組成物は、常法により重合され、本発明の必須成分の一つである共重合体樹脂とされる。ただし、重合反応を行う際に使用される有機溶剤については、後に詳細に説明する本発明のエアゾール塗料用原液組成物中の有機溶剤と同じ種類のものに限定される。
本発明に使用する共重合体樹脂は、エアゾール塗料用原液組成物100質量%に対し15〜60質量%(固形分換算)、好ましくは25〜40質量%配合する。この範囲で配合することにより、塗装の際のスプレー噴霧性がよくなり、塗膜のタレ等が起こらず、高光沢の美しい塗膜を得ることができる。この量が15質量%未満では、塗膜の光沢が低下する。60質量%を超えるとスプレー噴霧性が悪くなる。
なお、本発明の必須成分ではないが、速乾性と塗膜不粘着性の効果を出すために繊維素誘導体を配合することができる。このような繊維誘導体としては、ニトロセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチリルセルロース、エチルセルロース等が例示でき、中でも好ましいのは、ニトロセルロース及びアセチルブチリルセルロースである。繊維素誘導体の配合量は、エアゾール塗料用原液組成物100質量%に対して1〜10質量%までであり、好ましくは2〜8質量%までである。配合量が10質量%を超えると塗装の際のスプレー噴霧性が悪くなり、平滑できれいな塗膜が得られず、耐候性も悪くなる。配合量が1質量%未満では、塗膜の硬度が低下する。
本発明のエアゾール塗料用原液組成物は、特定の有機溶剤を採用したことを特徴とする。この有機溶剤は、非芳香族炭化水素系有機溶剤で、引火点が消防法上の第2石油類である21℃以上70℃未満のものの中から選択することができる。引火点がこの温度範囲に入れば、単一の有機溶剤でも混合物としての有機溶剤でもよい。
上記引火点の条件を満たす有機溶剤としては、エチレングリコールモノプロピルエーテル(引火点51℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(引火点38℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(引火点42℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(引火点60℃)、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル(引火点50℃)等のグリコールエーテル系有機溶剤、酢酸n−ブチル(引火点28℃)、酢酸イソアミル(引火点25℃)等のエステル系有機溶剤、n−プロパノール(引火点24℃)、n−ブチルアルコール(引火点37℃)等のアルコール系有機溶剤、シクロヘキサノン(引火点44℃)、メチルシクロヘキサノン(引火点48℃)等の脂環式ケトン系有機溶剤、炭素数9(C9)の芳香族炭化水素系有機溶剤を水添化反応して得られる有機溶剤、具体的には、商品名リカソルブ(登録商標)900(引火点26℃)(新日本理化社製)として市販されている有機溶剤等が例示できる。
上記引火点の条件を満たす有機溶剤は、単一で使用しても良く、さらに、これらの有機溶剤を混合した引火点が21℃以上70℃未満であれば、引火点が21℃未満または70℃以上の有機溶剤を併用しても良い。例えば、引火点が15〜21℃未満の低引火点溶剤としては、酢酸イソブチル(引火点18℃)等のエステル系有機溶剤、メチルイソブチルケトン(引火点17℃)等のケトン系有機溶剤、エチルシクロヘキサン(引火点19℃)等の脂環式炭化水素系有機溶剤が、また、引火点が70℃以上の高引火点溶剤としてはブチルグリコールアセテート(引火点83℃)等のエステル系有機溶剤、ベンジルアルコール(引火点101℃)等のアルコール系有機溶剤・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(引火点79℃)等のエーテルアルコール系有機溶剤などが例示できる。
低引火点溶剤は、上記の引火点21℃以上の有機溶媒を混合した場合において、混合後の引火点が21℃以上であれば、任意の割合で配合できるが、目安としては、全有機溶剤中1〜15質量%である。また、高引火点溶剤は混合後の引火点が70℃未満であれば、任意の割合で配合できるが、目安としては、全有機溶剤中1〜10質量%である。
本発明に係る有機溶剤の配合量は、エアゾール塗料用原液組成物100質量%に対し40〜85質量%、好ましくは50〜80質量%である。この理由は、地球環境汚染、引火の危険からできるだけ有機溶剤を減らすことが望ましいが、塗装の際のスプレー噴霧性ときれいな塗膜に仕上げることを考慮すると、40〜85質量%配合するのが好ましい。すなわち、40質量%未満では塗料の粘度が高くて、塗装の際のスプレー噴霧性が悪くなり、80質量%を超えるとタレ易くなって、きれいな塗膜に仕上げることができない。
なお、上記で説明した必須成分である共重合体樹脂は、有機溶剤を含有する溶液状の共重合体樹脂として使用する場合が一般的であり、この共重合体樹脂溶液中の有機溶剤も必須成分として含めて全有機溶剤として、配合する必要がある。
また、本発明の必須成分ではないが、エアゾール塗料として被塗物に色を付けるため、顔料を配合することができる。この顔料としては、酸化チタン、弁柄、ガーボンブラック、フタロシアニンブルー、ファストエロー、ナフトールレッド、黄色酸化鉄等の通常使用されている顔料が使用される。又、メタリック色を出すためにアルミフレークを使用することもできる。さらに、必要に応じてリン酸亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料や炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ等の体質顔料も使用できる。この顔料の配合量は、エアゾール塗料用原液組成物100質量%に対し最大30質量%まで、好ましくは25質量%までである。この理由は、30質量%を超えると光沢が低下するからである。
以上のような成分からなるエアゾール塗料用原液組成物には、耐折り曲げ性を良くするために可塑剤を配合してもよく、さらに塗料に通常使用されるレベルング剤、分散剤、消泡剤、色分かれ防止剤等も適宜使用できる。
本発明のエアゾール塗料用原液組成物は、噴霧剤を使用してエアゾール化され、エアゾール塗料組成物が得られる。この噴霧剤としては、ジメチルエーテル単一か、ジメチルエーテルと液化石油ガス(LPG)を混合してなる噴霧剤を使用することができる。ジメチルエーテルとLPGの混合割合は質量比で20/80〜80/20、好ましくは30/70〜70/30である。また、噴霧剤と塗料用原液組成物の混合割合は、噴霧剤/塗料用原液組成物(体積比)で75/25〜55/45、好ましくは60/40〜50/50である。この混合割合の範囲であれば、塗装の際のスプレーの噴霧性がよく、塗膜のタレ等が起こらず、高光沢の美しい塗膜を得ることができる。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は特に断りのない限り質量%を表す。
<実施例1〜9>及び<比較例1〜2>
実施例1〜9のエアゾール塗料用原液組成物を表1の通り、及び比較例1〜2のエアゾール塗料用原液組成物を表3の通りの配合で作成した。得られたエアゾール塗料用原液組成物について、噴霧剤としてジメチルエーテルと液化石油ガス(質量比=1/1)のものを噴霧剤/塗料用原液組成物=65/35(質量比)で配合してエアゾール塗料組成物とし、該エアゾール塗料組成物を噴霧して、表4に示す試験方法および評価方法によって塗膜の外観、タレ、光沢、指触乾燥時間、耐水性、耐アルカリ性、不粘着性及び安全性(引火点)を評価し、その結果を表4併せて示した。(試験方法および評価方法は表4を参照。)
実施例1〜9のエアゾール塗料用原液組成物を表1の通り、及び比較例1〜2のエアゾール塗料用原液組成物を表3の通りの配合で作成した。得られたエアゾール塗料用原液組成物について、噴霧剤としてジメチルエーテルと液化石油ガス(質量比=1/1)のものを噴霧剤/塗料用原液組成物=65/35(質量比)で配合してエアゾール塗料組成物とし、該エアゾール塗料組成物を噴霧して、表4に示す試験方法および評価方法によって塗膜の外観、タレ、光沢、指触乾燥時間、耐水性、耐アルカリ性、不粘着性及び安全性(引火点)を評価し、その結果を表4併せて示した。(試験方法および評価方法は表4を参照。)
なお、比較例1は水を含むエアゾール塗料の例であり、比較例2は芳香族炭化水素系有機溶剤を含むエアゾール塗料の例である。
また、表1中に記載した樹脂A〜樹脂Dは、以下の製造方法によって得た共重合体樹脂溶液である。
[樹脂A〜Dの作成]
攪拌機、還流冷却機、温度計及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに酢酸n−ブチルを20部と、リカソルブ(登録商標)900を24部仕込み、加熱して105℃にした。
攪拌機、還流冷却機、温度計及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに酢酸n−ブチルを20部と、リカソルブ(登録商標)900を24部仕込み、加熱して105℃にした。
これに滴下ロートから、スチレンを20部、メタクリル酸メチルを10部、メタクリル酸n−ブチルを10部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルを6部、メタクリル酸を1部・n−ドデシルメルカプタンを2部、アゾビスイソブチロニトリルを2部配合した混合物を105〜110℃の温度を保ちながら4時間で撹拌・滴下した。滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル1部を酢酸n−ブチル4部に溶かしたものを少量づつ加え、さらに2時間105〜110℃の温度に保ちながら、撹拌して固形分50質量%の共重合体樹脂溶液(樹脂A)を得た。
樹脂B〜樹脂Dについても、樹脂Aと同様の装置を使い、同じ重合条件で表2に示す単量体組成としたものであり、それぞれ固形分50質量%の共重合体樹脂溶液を得た。
実施例1〜8の評価結果から明らかなように、本発明のエアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料組成物は、塗膜の外観、タレ、光沢、指触乾燥時間、耐水性、耐アルカリ性、不粘着性及び安全性(引火点)の全ての評価項目において優れていた。一方、比較例1の水を含むエアゾール塗料は、指触乾燥時間が非常に遅いという難点があり、耐水性もそれほど良好ではなかった。また、比較例2の芳香族炭化水素系有機溶剤を含むエアゾール塗料には安全性の問題があり、さらに不粘着性もそれほど良好ではなかった。
本発明のエアゾール塗料用原液組成物及びエアゾール塗料組成物は、乾燥が速く、誰もが熟練を必要としないで簡便にきれいに塗ることができ、しかも化学物質過敏症の原因物質を含まず、地球環境も破壊しない。さらに、消防法上の安全性が高く、引火の危険性が少なく、また、エアゾール缶の腐食などが発生し難いので、長期間安定性のあるエアゾール塗料を製造することができるため、一般家庭用のエアゾール塗料の原料として最適である。
Claims (3)
- ビニル共重合体樹脂15〜60質量%と、有機溶剤40〜85質量%と、が配合されてなるエアゾール塗料用原液組成物であって、
前記ビニル共重合体樹脂は、スチレン1〜50質量%と、炭素数1〜8のアルキルアルコールのメタクリル酸エステル及び炭素数1〜8のアルキルアルコールのアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体10〜80質量%と、水酸基を分子内に有するメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルから選択された1種類以上の単量体1〜30質量%と、カルボキシル基を分子内に有するビニル単量体0.1〜2質量%とを共重合して得られる樹脂であり、
前記有機溶剤は、単独または混合物の引火点が消防法上の第2石油類に該当する21℃以上70℃未満の非芳香族炭化水素系有機溶剤であるエアゾール塗料用原液組成物。 - 前記有機溶剤は、グリコールエーテル系有機溶剤、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤、脂環式ケトン系有機溶剤、及び炭素数9の芳香族炭化水素系有機溶剤を水添化反応して得られる有機溶剤から選択された1種類以上の有機溶剤である請求項1記載のエアゾール塗料用原液組成物。
- 請求項1または2に記載のエアゾール塗料用原液組成物及び噴霧剤からなるエアゾール塗料組成物。
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