JPH07316365A - 環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH07316365A
JPH07316365A JP6110772A JP11077294A JPH07316365A JP H07316365 A JPH07316365 A JP H07316365A JP 6110772 A JP6110772 A JP 6110772A JP 11077294 A JP11077294 A JP 11077294A JP H07316365 A JPH07316365 A JP H07316365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cyclic olefin
molded body
resin
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6110772A
Other languages
English (en)
Inventor
Yozo Yamamoto
陽造 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP6110772A priority Critical patent/JPH07316365A/ja
Publication of JPH07316365A publication Critical patent/JPH07316365A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定の環状オレフィン系重合体からなる成形
体あるいは成形体部品同志あるいはそれらと金属とを電
磁誘導加熱により接合する。 【効果】 長期に亘り安定した接合を維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環状オレフィン系樹脂
からなる成形体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】環状オレフィン系樹脂は、透明性、耐熱
性、耐薬品性、電気的特性、機械的強度、成形性などの
特性に優れ、しかもこの樹脂から製造された成形体は優
れた寸法安定性をも有している。このような環状オレフ
ィン系樹脂の成形体部品を相互に、または成形体あるい
は成形体部品と、他の材料、特に他の樹脂あるいは金属
などとを接着できれば環状オレフィン系樹脂の応用分野
は拡大する。
【0003】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、環状オレフ
ィン系樹脂が本質的に有する優れた特性を損なうことな
く、環状オレフィン系樹脂同志または金属とを接合する
新たな方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、 (1)(i)下記式[I]または[II]
【0005】
【化3】
【0006】(式[I]中、uは0または1であり、v
は0または正の整数であり、wは0または1であり、R
61〜R78ならびにRa1およびRb1は、それぞれ独立に、
水遡源し、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換して
いてもよい炭化水素基であり、R75〜R78は、互いに結
合して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単
環または多環が二重結合を有していてもよく、R75とR
76とで、またはR77とR 78とでアルキリデン基を形成し
ていてもよい)、
【0007】
【化4】
【0008】(式[II]中、xおよびdは0または1
以上の整数であり、yおよびzは0、1または2であ
り、R81〜R99はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
子、ハロゲンで置換していてもよい脂肪族炭化水素基、
ハロゲンで置換していてもよい脂環族炭化水素基、ハロ
ゲンで置換してしてもよい芳香族炭化水素基またはアル
コキシ基であり、R89またはR90が結合している炭素原
子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合し
ている炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3の
アルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z
=0のとき、R95〜R92またはR95とR99とは互いに結
合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよ
い)、で表わされる、少なくとも1種の環状オレフィン
の開環重合体もしくは共重合体またはそれらの水添物も
しくは変性物、(ii)炭素数2以上のα−オレフィン
と上記式[I]または[II]で表わされる少なくとも
1種の環状オレフィンとの環状オレフィン系ランダム共
重合体またはその変性物、および(iii)上記(i)
および(ii)の重合体の少なくとも1種と他の樹脂と
の配合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
からなる成形体または成形体部品の一組を準備し、
【0009】(2)一組の該成形体または成形体部品の
接着予定部に磁性体または導電体を接触させ、次いで (3)該磁性体または導電体に交番磁場をかけて該磁性
体または導電体を発熱させそして該磁性体または導電体
と接触している樹脂の少なくとも一部を溶融せしめて該
接着予定部同志を接合せしめる、ことを特徴とする環状
オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法(本発明の
第1の方法という)によって達成される。
【0010】また、本発明によれば、本発明の上記目的
および利点は、第2に、(1)上記成分(i)、(i
i)および(iii)よりなる群から選ばれる少なくと
も1種の樹脂からなる成形体または成形体部品を準備
し、(2)該成形体または成形体部品の接着予定部に磁
性体または導電体を接触させ、次いで(3)該磁性体ま
たは導電体に交番磁場をかけて該磁性体または導電体を
発熱させ、そして該磁性体または導電体と接触している
樹脂の少なくとも1部を溶融せしめて該接着予定部と該
磁性体または導電体とを接合せしめる、ことを特徴とす
る、環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法
(以下本発明の第2の方法という)によって達成され
る。
【0011】さらに、本発明によれば、本発明の上記目
的および利点は、第3に、(1)上記成分(i)、(i
i)および(iii)よりなる群から選ばれる少なくと
も1種の樹脂からなる成形体または成形体部品の一組を
準備し、(2)磁性体または導電体に交番磁場をかけて
該磁性体または導電体を発熱させ、そして(3)一組の
該成形体または成形体部品の接着予定部に、発熱して上
記磁性体または導電体を接触させ、そして該磁性体また
は導電体と接触している樹脂の少なくとも1部を溶融せ
しめて該接合予定部同志を接合せしめる、ことを特徴と
する環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法
(以下本発明の第3の方法という)によって達成され
る。
【0012】以下において、先ず本発明において用いら
れる樹脂を構成する成分(i)、(ii)および(ii
i)について説明する。式[I]中、uは0または1で
あり、vは0または正の整数であり、wは0または1で
ある。なおwが1の場合には、wを用いて表わされる環
は6員環となり、wが0の場合には、この環は5員環と
なる。
【0013】R61〜R78ならびにRa1およびRb1は、そ
れぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはハロゲンで
置換していてもよい炭化水素基である。ここで、ハロゲ
ン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子である。
【0014】またハロゲン原子で置換していてもよい炭
化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20のアルキ
ル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭
素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化
水素基およびこれらのハロゲン置換体が挙げられる。よ
り具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデ
シル基などが挙げられる。これらアルキル基はハロゲン
原子で置換されていてもよい。
【0015】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル
基、ナフチル基などが挙げられる。さらに上記式[I]
において、R75とR76とが、R77とR78とが、R75とR
77とが、R76とR78とが、R75とR78とが、あるいはR
76とR77とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単
環または多環の基を形成していてもよく、しかもこのよ
うにして形成された単環または多環が二重結合を有して
いてもよい。ここで形成される単環または多環として
は、具体的に以下のようなものが挙げられる。
【0016】
【化5】
【0017】なお上記例示において、1または2の番号
を付した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
75(R76)またはR77(R78)が結合している炭素原子
を表わす。また、R75とR76とで、またはR77とR78
でアルキリデン基を形成していてもよい。このようなア
ルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリ
デン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例
としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプ
ロピリデン基が挙げられる。
【0018】式[II]中、xおよびdは0または正の
整数であり、yおよびzは0、1または2である。ま
た、R81〜R99は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはア
ルコキシ基である。
【0019】ハロゲン原子としては、上記式[I]中の
ハロゲン原子と同じものを例示できる。またハロゲンで
置換されていてもよい脂肪族炭化水素基としては、通常
炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数3〜
15のシクロアルキル基が挙げられる。より具体的に
は、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基など
が挙げられる。これらアルキル基はハロゲン原子で置換
されていてもよい。
【0020】シクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、アリー
ル基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェ
ニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニル
エチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられ
る。
【0021】これらの炭化水素基及びアルコキシ基は、
ハロゲン原子で置換されていてもよい。ここで、R89
よびR90が結合している炭素原子と、R93が結合してい
る炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直
接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結
合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がア
ルキレン基を介して結合している場合には、R89とR93
とが、または、R90とR 91とが互いに共同して、メチレ
ン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2−)ま
たはプロピレン基(−CH2CH2CH2−)の内のいず
れかのアルキレン基を形成している。
【0022】さらに、y=z=0のとき、R95とR92
たはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。具体的には、y=z=0
のとき、R95とR92とにより形成される以下のような芳
香族環が挙げられる。
【0023】
【化6】
【0024】ここで、lは式[II]におけるdと同じ
である。
【0025】上記のような式[I]または[II]で表
わされる環状オレフィンとしては、具体的には、ビシク
ロ−2−ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト−2−エン誘
導体)、トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−
3−ウンデセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘
導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタ
シクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペ
ンタデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン誘
導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ヘキサ
シクロ−4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導
体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタ
シクロ−5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタ
コセン誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、
シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−
メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘
導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘ
キサヒドロアントラセン誘導体などが挙げられる。
【0026】以下に、上記のような式[I]または[I
I]で表わされる環状オレフィンの具体的な例を示す。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】
【化19】
【0040】
【化20】
【0041】
【化21】
【0042】
【化22】
【0043】
【化23】
【0044】
【化24】
【0045】
【化25】
【0046】
【化26】
【0047】
【化27】
【0048】上記のような一般式[I]または[II]
で表わされる環状オレフィンは、シクロペンタジエンと
対応する構造を有するオレフィン類とをディールス・ア
ルダー反応させることによって製造することができる。
【0049】本発明において用いられる樹脂を構成する
成分(i)は、上記環状オレフィンの開環重合体もしく
は共重合体またはそれらの水添物もしくは変性物であ
る。
【0050】このような環状オレフィンの開環重合体
は、上記式[I]または[II]で表わされる環状オレ
フィンを単独で、あるいは組み合わせて開環重合するこ
とにより調製することができる。すなわち、上記式
[I]または[II]で表わされる少なくとも1種の環
状オレフィンを、開環重合触媒の存在下に開環重合させ
ることにより開環重合体が調製される。
【0051】ここで使用される開環重合触媒としては、
例えば、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、インジウ
ム、白金、モリブデンおよびタングステンなどの金属の
ハロゲン化物、これらの金属の硝酸塩およびこれらの金
属のアセチルアセトン化合物と、アルコール類あるいは
スズ化合物などの還元剤とからなる触媒、ならびにチタ
ン、バナジウム、ジルコニウム、タングステンおよびモ
リブデンなどの金属のハロゲン化合物、これらの金属の
アセチルアセトン化合物と、金属アルミニウム化合物と
からなる触媒を挙げることができる。
【0052】なお、上記開環重合体を調製するに際して
は、上記式[I]または[II]で表わされる少なくと
も1種の環状オレフィン以外の、他の環状オレフィンを
用いてもよく、このような他の環状オレフィンとして
は、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、
シクロノネン、メチルシクロペンテン、メチルシクロヘ
プテン、メチルシクロオクテン、メチルシクロノネン、
メチルシクロデセン、エチルシクロペンテン、エチルシ
クロヘプテン、エチルシクロオクテン、エチルシクロノ
ネン、ジメチルシクロヘプテン、ジメチルシクロオクテ
ン、ジメチルシクロノネン、ジメチルシクロデセン、シ
クロオクタジエン、シクロデカジエンのような炭素数4
以上の単環式オレフィンならびに、2,3,3a,7a−
テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、3a,
5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−イ
ンデンなどが挙げられる。これらは20モル%以下の割
合で好ましく用いられる。
【0053】また、分子量調節剤として、プロピレン、
1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンなどのアルケンを共
重合成分として使用することができる。このような開環
重合体中において、上記式[I]で表わされる環状オレ
フィンの少なくとも一部は、下記式[I−a]で表わさ
れる構造を有していると考えられ、上記式[II]で表
わされる環状オレフィンの少なくとも一部は、下記式
[II−a]で表わされる構造を有していると考えられ
る。
【0054】
【化28】
【0055】(式[I−a]中、u、v、w、R61〜R
78ならびにRa1、Rb1は式[I]と同じ意味である)
【0056】
【化29】
【0057】(式[II−a]中、x、y、z、d、R
81〜R99は式[II]と同じ意味である) 上記環状オレフィンの開環重合体の水添物は、いずれも
上記式[I]または[II]で表わされる少なくとも1
種の環状オレフィンの開環重合体の水添物である。
【0058】このような環状オレフィンの開環重合体の
水添物は、上記のように調製された環状オレフィンの開
環重合体を水素添加することにより得ることができる。
開環重合体の水素添加には、水素添加触媒の存在下に行
われる通常の水素添加法を採用することができる。
【0059】ここで使用される水素添加触媒としては、
オレフィン系化合物の水素添加の際に一般的に使用され
ている不均一触媒、あるいは均一触媒などの水素添加触
媒を使用することができる。不均一触媒の具体的な例と
しては、ニッケル、パラジウムおよび白金などの金属、
ならびにこれらの金属を、例えば、カーボン、シリカ、
珪藻土、アルミナおよび酸化チタンなどの担体に担持さ
せた固体触媒(例:ニッケル/シリカ、ニッケル/珪藻
土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラ
ジウム/珪藻土、パラジウム/アルミナなど)を挙げる
ことができる。また、均一触媒の例としては、周期律表
第VIII族の金属を基体とする触媒であり、このよう
な触媒の例としては、ナフテン酸コバルト、トリエチル
アルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウ
ム、ニッケルアセチルアセトネート/トリエチルアルミ
ニウムなどのニッケル化合物あるいはコバルト化合物と
周期律表第I〜III族金属とから形成される有機金属
化合物を挙げることができ、さらにRh化合物をも使用
することができる。
【0060】上記のような水素添加触媒を用いた水素添
加反応は、触媒の種類に応じて、不均一および均一系の
いずれの系で行なうこともできる。そして、このような
系における反応条件は、通常1〜150気圧の水素雰囲
気下に、通常は0〜180℃、好ましくは20〜100
℃の温度に設定される。このような条件下における水素
添加率は、水素圧、反応温度、反応時間、触媒濃度など
の条件を適宜設定することにより調整することができる
が、重合体の主鎖中に存在する二重結合の内、通常は、
50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは
90%以上を水素添加する。
【0061】このような水素化環状重合体中において、
上記式[I]で表わされる環状オレフィンの少なくとも
一部は、下記式[I]−bで表わされる構造を有してい
ると考えられ、上記式[II]で表わされる環状オレフ
ィンの少なくとも一部は、下記式[II]−bで表わさ
れる構造を有していると考えられる。
【0062】
【化30】
【0063】(式[I−b]、u、v、w、R61〜R78
ならびにRa1、Rb1は式[I]と同じ意味である)
【0064】
【化31】
【0065】(式[II−b]中、x、y、z、d、R
81〜R99は式[II]と同じ意味である)
【0066】また、環状オレフィンの開環重合体、共重
合体あるいはそれらの水添物の変性物は、次に記述する
成分(ii)における変性物と同様にして製造すること
ができる。
【0067】環状オレフィンの開環重合体、環状オレフ
ィンの開環共重合体、その水添物およびその変性物の1
35℃デリカン中での極限粘度[η]は、0.01〜2
0dl/g、好ましくは0.05〜10dl/gさらに
好ましくは0.08〜8dl/gの範囲であることが望
ましい。
【0068】サーマル・メカニカル・アナライザーを用
いて、荷重49g、石英針(直径1mm)を使用して、
5℃/分間の昇温速度で石英針が0.1mm樹脂中に侵
入する際の温度で示される軟化温度(TMA)は通常0
℃以上、好ましくは30〜230℃の範囲にある。
【0069】DSCにより測定したガラス転移温度(T
g)は、−20℃以上であり、好ましくは10〜220
℃の範囲であることが望ましい。
【0070】本発明において用いられる樹脂を構成する
成分(ii)は、炭素数2以上のα−オレフィンと上記
式[I]または[II]で表わされる少なくとも1種の
環状オレフィンとの環状オレフィン系ランダム共重合体
もしくはその変性物である。
【0071】上記環状オレフィン系ランダム共重合体
は、上記のような、(i)炭素数2以上のα−オレフィ
ンの少なくとも1種と、(ii)上記式[I]または
[II]で表わされる、少なくとも1種の環状オレフィ
ンとを、後述するような、可溶性バナジウム化合物と有
機アルミニウム化合物(A)とから形成される触媒
(イ)、または周期律表第IVB族、またはランタニド
から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物および有機ア
ルミニウムオキシ化合物、さらに必要に応じて有機アル
ミニウム化合物(B)とから形成される触媒(ロ)の存
在下に共重合させることにより製造することができる。
【0072】環状オレフィン系ランダム共重合体を共重
合する際に用いられる(i)炭素数2以上のα−オレフ
インとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オ
レフィンが挙げられる。これらを2種以上組み合わせて
用いてもよい。また、これらのうち、特にエチレンが好
ましく用いられる。
【0073】前記式[I]または[II]で表わされる
環状オレフィンから導かれる構成単位は、環状オレフィ
ン系ランダム共重合体において、下記式[I']または
[II']で表わされる構造の繰り返し単位を形成して
いると考えられる。
【0074】
【化32】
【0075】(式[I']中、u、v、wおよびR61
78ならびにRa1、Rb1は前記式[I]における定義と
同様である。)
【0076】
【化33】
【0077】(式[II']中、y、z、x、dおよび
81〜R99は前記式[II]における定義と同様であ
る。) これらの環状オレフィンは、単独であるいは2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0078】上記環状オレフィン系ランダム共重合体の
変性物は、これらの重合体をα、β−不飽和カルボン酸
および/またはその誘導体を用いて変性するか、スチレ
ン系炭化水素を用いて変性するか、オレフィン系不飽和
結合および加水分解可能な基を持つ有機ケイ素化合物、
あるいは不飽和エポキシ単量体を用いて変性することに
より得られる。
【0079】ここで用いられるα、β−不飽和カルボン
酸および/またはその誘導体としては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒ
ドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシ
ス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸(ナジック酸TM)、メチル−エンドシス−
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸(メチルナジック酸TM)のような不飽和カルボ
ン酸、あるいは不飽和ジカルボン酸の酸ハライド、アミ
ド、イミド、酸無水物、エステルなどの誘導体を挙げる
ことができる。そして、このような誘導体としては、具
体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸ジメチルなどを挙げることができる。これらの化合
物は単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。これらの中でもマレイン酸、ナジック酸またはこれ
らの酸無水物を使用することが好ましい。ここで用いら
れるスチレン系炭化水素としては、例えば次式で表わさ
れる化合物を挙げることができる。
【0080】
【化34】
【0081】上記式において、R1、R2およびR3はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子ま
たは低級アルキル基である。上記の式で表わされる具体
的な化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
o、mまたはp−モノクロルスチレン、o、mまたはp
−モノメチルスチレン、o、mまたはp−モノエチルス
チレン、o、mまたはp−モノイソプロピルスチレンを
挙げることができる。これらは単独であるいは組み合わ
せて使用することができる。これらのうち、特に本発明
において、スチレン、m−メチルスチレンまたはp−メ
チルスチレンを使用することが好ましい。
【0082】ここで用いられるオレフィン性不飽和結合
と加水分解可能な基とを有する有機ケイ素化合物として
は、例えば、次式で表わされる化合物を挙げることがで
きる。 R12 Si Y12、R1 X Si Y12、R1
i Y123
【0083】上記式において、R1およびR2は、オレフ
ィン系不飽和結合を有する基であり、この基は、通常は
炭素原子、水素原子、さらに所望により酸素原子から構
成されている。具体的には、このようなオレフィン系不
飽和結合を有する基の例としては、ビニル基、アクリル
基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、シクロペンタジ
エニル基ならびに次式で表わされる基を挙げることがで
きる。 CH2=C(CH3)COO(CH2)3− CH2=C(CH3)COO(CH2)2−O−(CH23
− CH2=C(CH3)COOCH2−O−CH2CH(O
H)CH2O(CH23− また、Xは、オレフィン系
二重結合を有しない有機基であり、メチル基、エチル
基、プロピル基、テトラデシル基およびオクタデシル基
などのアルキル基、あるいは、フェニル基、ベンジル基
およびトリル基などのアリール基である。
【0084】さらにY1、Y2およびY3は加水分解可能
な基であり、このような基の例としては、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基などのア
ルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、ホルミロキシ
基、アセトキシ基、プロピオノキシ基などのアシロキシ
基、以下に示すようにオキシムから水素原子が除去され
た残基; −ON=C(CH32 −ON=CHCH225 −ON=C(C652
【0085】以下に示すようなアルキル置換アミノ基あ
るいはアリール置換アミノ基; −NHCH3、 −NHC25 などを挙げることができる。またY1、Y2およびY
3は、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、
特にY1、Y2およびY3が同一である化合物が好まし
い。これらの有機ケイ素化合物の内でも、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニル
トリス(メトキシエトキシ)シランなどの次式で表わさ
せる化合物; R1 Si Y123 ならびにビニルメチルジエトキシシランおよびビニルフ
ェニルジメトキシシランなどを使用することが好まし
い。
【0086】環状オレフィンランダム共重合体を変性す
るために用いられる分子内に重合可能な不飽和結合およ
びエポキシ基をそれぞれ少なくとも1個有する化合物と
しては、例えば次式で表わされる化合物を挙げることが
できる。
【0087】
【化35】
【0088】で表わされる不飽和グリシジルエステル類
(ただし、Rは重合可能なエチレン性不飽和結合を有す
る炭化水素基を、R1は水素原子またはメチル基を表
す)。
【0089】
【化36】
【0090】で表わされる不飽和グリシジルエーテル類
(ただし、RおよびR1は前記と同じ意味であり、
【0091】
【化37】
【0092】で表わされるエポキシアルケン類(ただ
し、Rは前記と同じ意味であり、R2は、水素原子もし
くはアルキル基、アリル基またはアラルキル基を表
す)。
【0093】上記のような分子内に重合可能な不飽和結
合およびエポキシ基をそれぞれ1個有する化合物として
は、具体的には、グリシジルアクリレート、クリシジル
メタクリレート、イタコン酸のモノおよびジグリシジル
エステル、ブテントリカルボン酸のモノ、ジおよびトリ
ジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグ
リシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジッ
ク酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、エンド−
シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メ
チル−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)の
モノおよびジグリシジルエステル、アリルコハン酸のモ
ノおよびジグリシジルエステル、p−スチレンカルボン
酸のモノおよびジグリシジルエステル、アリルグリシジ
ルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、ス
チレン−p−グリシジルエーテル、3,4−エポキシ−
1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテ
ン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ
−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−
ヘキセンならびにビニルシクロヘキサンモノオキシドを
挙げることができる。これらの化合物は単独であるいは
組み合わせて使用することもできる。これらの中ではグ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好
ましい。
【0094】上記のような変性剤を用いて重合体
(a)、(b)を変性するには、公知の方法を利用する
ことができる。このような方法として、例えば、上述の
環状オレフィン系重合体に変性剤を添加して共重合体を
溶融状態にしてグラフト共重合体を製造する方法、ある
いは変性剤を溶媒に溶解し、この溶液と環状オレフィン
ランダム共重合体とを混合して変性する方法などを挙げ
ることができる。
【0095】環状オレフィン系ランダム共重合体は、α
−オレフィン成分に由来する繰り返し単位を、通常35
〜90モル%、好ましくは40〜85モル%の範囲の量
で存在することが望ましく、従って上記式[I]または
[II]で表わされる環状オレフィンに由来する繰り返
し単位は、通常10〜65モル%、好ましくは15〜6
0モル%の範囲の量で存在することが望ましい。
【0096】環状オレフィン系ランダム共重合体、その
変性物の135℃デカリン中での極限粘土[η]は0.
01〜20dl/g、好ましくは0.05〜10dl/
g、さらに好ましくは0.08〜8dl/gの範囲であ
ることが望ましい。
【0097】サーマル・メカニカル・アナライザーを用
いて、荷重49g、石英針(直径0.635mm)を使
用して、5℃/分間の昇温速度で石英針が0.1mm樹
脂中に侵入する際の温度で示される軟化温度(TMA)
は通常0℃以上、好ましくは30〜230℃の範囲にあ
る。DSCにより測定したガラス転移温度(Tg)は、
−20℃以上、好ましくは10〜220℃の範囲である
ことが望ましい。
【0098】本発明において用いられる樹脂を構成する
成分(iii)は、上記成分(i)および(ii)の重
合体の少なくとも1種と他の樹脂との配合物である。配
合することができる樹脂としては、具体的にはポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリメチルブテン−1、ポリ4
−メチルペンテン−1、ポリブテン−1およびポリスチ
レンなどのようなポリオレフィン(これらの重合体は架
橋構造を有していてもよい。);ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロプレ
ン、塩化ゴムなどのハロゲン含有ビニル重合体;
【0099】ポリアクリレート、ポリメタクレート、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなどのα、β
−不飽和酸あるいはその誘導体から誘導される重合体な
らびにアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、アクリロニトリル、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体などの共重合体;ポリビニルアルコール、ポリ
酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビ
ニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、
ポリアクリルフタレート、ポリアリルメラミンなどの重
合体ならびにエチレン・酢酸ビニル共重合体のような前
記の重合体を構成するモノマーと他のモノマーとの共重
合体;
【0100】ポリエチレンオキシド、ビスグリシジルエ
ーテルから誘導される重合体などのエポキシ基を有する
重合体;ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、コ
モノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチ
レンなどのポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;
ポリカーボネート;ポリスルフォン;ポリウレタンおよ
び尿素樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11
およびナイロン12などのポリアミドあるいはコポリア
ミド;
【0101】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリ1,4−ジメチロール・シクロ
ヘキサンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレー
トなどのポリエステル;フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂・尿素・ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン・ホ
ルムアルデヒド樹脂などの架橋構造を有する重合体;グ
リセリン・フタル酸樹脂などのアルキッド樹脂;飽和も
しくは不飽和カルボン酸と、多価アルコールとのコポリ
エステルから誘導され、かつビニル化合物により架橋さ
れている不飽和ポリエステル樹脂およびこの樹脂中に存
在する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換
された樹脂;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、セルロースエステルなどのセルロース類;ゴム、蛋
白質あるいはこれらの誘導体;
【0102】前述のようなα−オレフィン系共重合体、
α−オレフィン・ジエン系共重合体および芳香族ビニル
系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体およびイソブチ
レンまたはイソブチレン・共役ジエンからなる軟質重合
体を挙げることができる。ここで使用されるα−オレフ
ィン系共重合体は、少なくとも2種類のα−オレフィン
からなる非晶性あるいは低結晶性の共重合体である。具
体的な例としては、エチレンと、炭素数3〜20、好ま
しくは3〜10のα−オレフィンの共重合体を挙げるこ
とができ、この場合のエチレン成分単位と、α−オレフ
ィン成分単位とのモル比率は、40:60〜95:5の
範囲内にあることが好ましい。
【0103】なお、α−オレフィンがプロピレンである
場合には上記の比は、40:60〜90:10の範囲内
にあることが好ましく、またα−オレフィンが炭素数4
以上のオレフィンである場合には上記の比は、50:5
0〜95:5の範囲内にあることが好ましい。また、α
−オレフィン系共重合体として、プロピレンと、炭素数
4〜20のα−オレフィンとから形成される共重合体を
用いることができ、この場合のプロピレン成分単位とα
−オレフィン成分単位とのモル比は、50:50〜9
5:5の範囲内にあることが好ましい。
【0104】軟質重合体に使用されるα−オレフィン・
ジエン系共重合体としては、具体的には、エチレン・α
−オレフィン・ジエン共重合体ゴム、およびプロピレン
・α−オレフィンジエン共重合体ゴムが用いられる。
【0105】ここで使用されるジエン成分としては、
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチ
ル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタ
ジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状
非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチ
レン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−
ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル
−2−ノルボルネンなどの環状非共役ジエン;2,3−
ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデ
ン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プ
ロペニル−2,2−ノルボルネンなどのジエンを挙げる
ことができる。また、複数のα−オレフィンが使用され
る場合、各オレフィンのモル比は前記α−オレフィン系
共重合体の場合と同様であり、さらにこの共重合体中に
おけるジエン成分の含有率は、通常は1〜20モル%、
好ましくは2〜15モル%である。
【0106】軟質重合体に使用される芳香族ビニル系炭
化水素・共役ジエン系軟質共重合体としては、具体的に
は、芳香族ビニル系炭化水素と共役ジエン系とのランダ
ム共重合体、ブロック共重合体またはこれらの水素化物
が挙げられる。このような芳香族ビニル系炭化水素・共
役ジエン系軟質共重合体の具体的な例としては、スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イ
ソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン
・スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレン・
ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン
・ブタジエンランダム共重合体ゴムを挙げることができ
る。これらの共重合体ゴムにおいて、芳香族ビニル炭化
水素と共役ジエンとのモル比は、通常は10:90〜7
0:30の範囲内にある。なお、上記の共重合体ゴムの
内、水素添加した共重合体ゴムとは、上記の共重合体ゴ
ム中に残存する荷重結合の内の一部もしくは全部を水素
化した共重合体ゴムである。
【0107】軟質重合体に使用されるイソブチレンまた
はイソブチレン・共役ジエンからなる軟質重合体として
は、具体的には、ポリイソブチレンゴム、ポリイソプレ
ンゴム、ポリブタジエンゴム・イソプレン共重合体ゴム
などを挙げることができる。
【0108】上記のような軟質重合体は、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘土[η]が通常は0.01〜
10dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲
内にあり、ガラス転移温度が通常は0℃以下、好ましく
は−20℃以下であり、さらにX線回析法により測定し
た結晶化度、0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好
ましくは0〜5%の範囲内にあることが望ましい。
【0109】このような他の樹脂は、成分(i)および
/または(ii)の重合体100重量部に対して、好ま
しくは150重量部以下、より好ましくは100〜5重
量部の量で用いられる。上記のような成分(i)および
/または(ii)の重合体に他の樹脂を配合するには、
通常の方法に従い、これらの重合体と他の樹脂とを混合
(あるいは混練)することにより製造することができ、
通常、上記のようにして製造することにより環状オレフ
ィン系重合体を主成分とするポリマーアロイが生成す
る。すなわち、上記のポリマーアロイでは、環状オレフ
ィン系重合体中に、他の樹脂が微分散しており、このポ
リマーアロイは、優れた特性を有している。
【0110】このようなポリマーアロイは架橋して用い
ることもできる。特にこのような架橋は、他の樹脂とし
てゴム成分、特に上記の軟質共重合体を含む場合に有効
性が高い。
【0111】このような架橋されたポリマーアロイは、
例えば次のようにして製造することができる。上述の環
状オレフィン系重合体と、ゴム成分、殊に上記の軟質共
重合体とを、環状オレフィン系重合体100重量部に対
して、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは5
〜100重量部、特に好ましくは10〜80重量部混合
し、次いで混練する。このようなポリマーアロイの溶融
流れ指数(MFR;ASTM D1238 条件)は、通常は0.1〜1
00dl/gである。上記のようなポリマーアロイを架
橋するためには、通常、有機過酸化物を使用する。
【0112】本発明において使用することができる有機
過酸化物の例としては、メチルエチルケトパーオキシド
およびシクロヘキサノンパーオキシドなどのケトオキシ
ド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサンおよび2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オ
クタンなどのパーオキシケタール類;t−ブチルヒドロ
パーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、2,5−ジ
メチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシドお
よび1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキ
シドなどのヒドロパーオキシド類;ジ−t−ブチルパー
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキ
ルパーオキシド類;ラウロイルパーオキシドおよびベン
ゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類;t
−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエートおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル
を挙げることができる。
【0113】上記の有機過酸化物の配合量は、環状オレ
フィンランダム共重合体と他の樹脂との合計重量に10
0重量部に対して、通常は0.01〜1重量部、好まし
くは0.05〜0.5重量部である。そして、さらに有機
過酸化物で処理する際にラジカル重合性の官能基を分子
内に2個以上有する化合物を配合することにより、得ら
れるポリマーアロイの耐衝撃性などの特性が向上する。
【0114】このようにして使用される官能基を分子内
に2個以上有する化合物の例としては、ジビニルベンゼ
ン、(メタ)アクリル酸ビニルなどを挙げることができ
る。これらの化合物は環状オレフィンランダム共重合体
と他の樹脂との合計量100重量部に対して通常は1重
量部以下、好ましくは0.1〜0.5重量部の範囲内の量
で使用される。
【0115】本発明においては、上記のような樹脂成分
に、さらに所望により添加剤を配合することもできる。
本発明で使用することができる添加剤としては、例え
ば、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ
剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックス、有機充填剤、無機充填
剤を挙げることができる。
【0116】本発明で使用される環状オレフィン系樹脂
の安定性を向上させることができる物質の例としては、
テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アルキルエステルおよび2,2'−オキ
ザミドビス[エチル−3−(3,3−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノ
ール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウムおよび1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシ
ウムなどの脂肪酸金属塩;ならびに、グリセリンジステ
アレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペ
ンタエシスリトールジステアレート、ペンタエリスリト
ールトリステアレートなどの多価のアルコール脂肪族エ
ステルなどを挙げることができる。これらは単独である
いは組み合わせて使用することができる。このような組
み合わせの例としては、テトラキス[メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリ
ンモノステアレートとの組み合わせを挙げることができ
る。
【0117】また、本発明で使用することができる無機
充填剤としては、具体的には、シリカ、ケイ藻土、酸化
チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カ
リウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、ク
レー、マイカ、アスベスト、硝子繊維、ガラスフレー
ク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイ
ト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫
酸モリブデン、ボロン繊維および炭化ケイ素繊維などを
挙げることができる。また、有機充填剤の例としてはポ
リエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維およびポリイミド繊維を挙げること
ができる。これらは単独であるいは組み合わせて使用す
ることができ、これらは通常の範囲内の量で配合するこ
とができる。また、これらの配合方法に特に制限はな
く、例えば環状オレフィン系樹脂を混練することによ
り、樹脂中に配合することができる。
【0118】本発明の第1の方法は、基本的に、上記の
如く(1)、(2)および(3)の3つの工程からな
る。工程(1)では、上記の如き成分(i)、(ii)
および(iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の樹脂からなる成形体または成形体部品の一組を準備
する。
【0119】成形体または成形体部品は、例えば射出成
形法、ブロー成形法、押出成形法および流涎法など公知
の方法を採用して製造することができる。従って、本発
明で使用される成形体および成形体部品の形状に特に制
限はなく、所望の形状の容器あるいは部品材料などに対
応した形状にすることができ、さらにフィルムあるいは
シートなどの形状にすることもできる。
【0120】工程(2)では、工程(1)で準備された
一組の成形体あるいは成形体部品の接着予定部に磁性体
または導電体を接触させる。具体的には、例えば成形体
または成形体部品の接着予定部に磁性体または導電体例
えば金属体を接触させる方法、成形体または成形体部品
の接着予定部に磁性体または導電体例えば金属の粉末を
含有するシートあるいはアルミニウム等の金属をラミネ
ートした金属ラミネートフィルムを接触させる方法等が
好ましく有利に実施される。
【0121】磁性体または導電体としては、例えば鉄、
ステンレススチール、アルミニウム、銅、黄銅、鉄合
金、鉄酸化物等が好ましく用いられる。また、磁性体ま
たは導電体の粉末を含有するシートまたは金属ラミネー
トフィルムの基材としては、成形体あるいは成形体部品
の素材である環状オレフィン系樹脂と親和性を有する樹
脂が好ましい。具体的には、本発明の前記工程(1)で
用いる成形体あるいは成形体部品の素材と同じものが有
利に用いられる。本発明によれば、従来から使用されて
いる接着剤では接着し難かった環状オレフィン系重合体
同志を有効に接合することができる。
【0122】工程(3)では該磁性体または導電体に交
番磁場をかけ該磁性体または導電体を電磁誘導加熱によ
り発熱させる。それによって、該磁性体または導電体と
接触している樹脂の少なくとも1部を溶融させることが
でき、一組の成形体または成形体部品を、溶融した該接
着予定部を介して接合せしめることができる。
【0123】本発明の上記第1の方法は、接合すべき成
形体あるいは成形体部品が電磁誘電加熱できるような大
きさのものである場合に有利に用いられる。電磁誘電加
熱の技術はそれ自体公知であり、本発明の上記工程
(3)もそれ自体公知の技術に従って行なうことができ
る。
【0124】本発明の第2の方法は、成形体または成形
体部品の接着予定部に磁性体たまたは導電体そのものを
接合させる方法である。工程(1)では成形体または成
形体部品を準備する。これらは第1の方法の工程(1)
に記載した成形法により製造することができる。工程
(2)および工程(3)は、第1の方法のそれぞれの工
程と同様に実施される。成形体または成形体部品の接着
予定部に接合されるのは磁性体または導電体そのもので
ある点が第1の方法と異なるだけである。
【0125】本発明の第3の方法は、磁性体または導電
体を成形体あるいは成形体部品と接触させる前に予め発
熱する方法である。成形体または成形体部品が大きかっ
たりあるいは複雑な形状としているために電磁誘導加熱
に付すことが困難であるような場合に、第3の方法は特
に有利に用いられる。
【0126】工程(1)は第1の発明の工程(1)と同
じである。工程(2)では、磁性体または導電体を、成
形体や成形体部品と一緒にする前に、予め交番磁場をか
け該磁性体または導電体を発熱させる。工程(3)で
は、この発熱した磁性体または導電体を、接合すべき一
組の成形体あるいは成形体部品の接合予定部に接触させ
る。これによって、接合予定部の少なくとも1部の樹脂
を溶融せしめ接合予定部を介して該成形体あるいは成形
体部品同志を接合させることができる。
【0127】第3の方法は、例えば一組の成形体または
成形体部品の接合予定部に、共通したガイド穴を設けて
おき、その穴に加熱した磁性体あるいは導電体を挿入し
て、一組の成形体あるいは成形体部品を接合する場合な
どに好適に利用される。
【0128】本発明によれば、下記の如き成形品が好適
に製造される。エアクリーナー、キャニスター、ウォッ
シャーレゾボア、ヒータコア、テールレンズ、リゾネー
タ、サイレンサー、ダクト、エアインテイクコネクタ
ー、燃料タンク、エアインレット、ストレーナ、サイド
マーカランプ、シリンダーヘッドカバー、インスツルメ
ントパネル、パワーステアリングレゾボア、オイルスト
レーナ、ラジエターグリル、ランプ部品、外装パネル、
バッテリーケース、リザーブタンク、ウォッシャー液タ
ンク、ブレーキオイルタンクなどのタンク類やタンクの
口金の如き自動車用アプリケーター;
【0129】皿洗機の水道管、スプレーアーム、ディス
ペンサー、コレクターバルブ、洗濯機のポンプ、バラン
サー、ディストリビューター、スティームアイロンのタ
ンクの如き家電製品;その他水処理装置パーツ、エアフ
レッシャー、防臭ボール、血液フィルター、ライフル、
ホイール、チェインソー、人工心臓、エアダクト、コピ
ータンク、浮球、郵便物容器、ソーラ集熱板、パイプ、
コーヒー容器、自転車チェーンプロテクター、雪そり、
各種コンテナー、各種医薬品や飲料水の容器、注射器の
針の接着、使い捨てライター、文房具、サインペン、玩
具、家具、各種ハウジングの接合組立、各種部品の接合
組立、スピーカーのキャビネットとグリルの接着など。
【0130】
【実施例】次に本発明を実施例を示して説明するが、本
発明は、これら実施例によって限定的に解釈されるべき
ではない。物性の測定方法 (1)溶融流れ指数(MFR260℃) ASTM D1238に準じ温度260℃、荷重2.16
kgで測定した。 (2)極限粘土[η] デカリン溶液、135℃で測定した。 (3)軟化温度(TMA) デュポン社製Thermo Mechanical Analyzerを用いて厚さ
1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわ
ち、シート上に石英製針(直径1mm)をのせ、荷重4
9gをかけ、5℃/分の速度で昇温していき、針が0.
1mm侵入した温度をTMAとした。 (4)ガラス転移温度(Tg)(DSC法) SEIKO 電子工業(株)製DSC−20を用いて昇温速度
10℃/minで測定した。
【0131】試験片の作製 (試験片A)エチレンと、1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン
(DMON)とのランダム共重合体(エチレン含有率:
62モル%)であって、極限粘土[η]が0.47dl
/g、ガラス転移点が137℃、MFR260℃が35
g/分および軟化温度148℃である環状オレフィンラ
ンダム共重合体のペレットを使用して、下記の条件で射
出成形を行って120×130×2tmmの角板を作製
した。
【0132】成形条件 射出成形機 東芝機械(株)製 IS−50EP シリンダ温度 250℃ 金型温度 80℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800kg/
cm2 射出速度 中速 この角板を試験片Aとする。
【0133】(試験片B)環状オレフィンランダム共重
合体ペレット3.4kgを用意した。この共重合体は、
エチレンと1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン(DMOM)との
ランダム共重合体であり、この共重合体中におけるエチ
レン含有率は66モル%である。そして、この共重合体
の極限粘土[η]は0.6dl/g、ガラス転移温度は
122℃、MFR260℃は1.5g/分、軟化温度は
138℃である。別に、低結晶性α−オレフィン系共重
合体としてエチレン含有率が80モル%のエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体ペレット0.6kgを用意し
た。この共重合体の極限粘土[η]は2.2dl/g、
ガラス転移温度は−54℃、MFR230℃は0.7g
/分、結晶化度0%である。
【0134】上記の二種類のペレットを充分混合した
後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−45)によ
り、シリンダ温度220℃で溶融ブレンドし、ペレタイ
ザーを用いてペレット化した。得られたペレットを用い
て上記試験片Aを製造した際と同一の条件で射出成形を
行い、120×130×2tmmの角板を作製した。こ
の角板を試験片Bとする。
【0135】(試験片C)試験片Bの製造の際に用いた
環状オレフィンランダム共重合体と低結晶製α−オレフ
ィン系共重合体とからなるペレット1kgに対して、パ
ーヘキシン25B TM(日本油脂(株)製)1gおよびジ
ビニルベンゼン3gの割合で添加し、充分に混合した。
この混合物を二軸押出機を用いてシリンダ温度230℃
で溶融下、反応を行いペレタイザーを用いてペレット化
した。得られたペレットを用いて試験片Aを製造した際
と同一の条件射出成形を行い、120×130×2t
mの角板を作製した。この角板を試験片Cとする。
【0136】(試験片D)試験片Cの製造の際に用いた
環状オレフィンランダム共重合体3.0kgと、ナイロ
ン6(東レ(株)製 CM1017)1.5kgと、下記
の方法で調製した無水マレイン酸で変性した環状オレフ
ィンランダム共重合体の変性物0.5kgとを充分に混
合した。この混合物を二軸押出機を用いてシリンダ温度
250℃で溶融ブレントし、ペレタイザーを用いてペレ
ット化した。得られたペレットを用いて試験片Aを製造
した際と同一の条件で射出成形を行い、120×130
×2tmmの角板を作製した。この角板を試験片Dとす
る。
【0137】共重合体変性物の調製 試験片Aを製造する際に調製したエチレン・DMONラ
ンダム共重合体のペレット5kgに無水マレイン酸50
g(アセトン25gに溶解)、パーヘキシン25B
TM(日本油脂(株)製)3gを加え、充分に混合した
後、二軸押出機を用いてシリンダ温度を250℃に設定
して溶融下に反応を行い、得られた反応生成物をペレタ
イザーを用いてペレット化した。得られた樹脂の無水マ
レイン酸含有率は0.8重量%であった。
【0138】(試験片E)試験片Cの製造の際に用いた
環状オレフィンランダム共重合体と低結晶性α−オレフ
ィン系共重合体の組成物800gに対してステンレス
(SUS 304)製フィラー200gを配合し、二軸
押出機を用いてシリンダ温度260℃で溶融ブレンドし
厚さ0.5mmのシートを成形した。
【0139】実施例1 幅25mmの短冊状に切削した試験片Aを2枚用意し
た。2枚の試験片Aの重ね合せた先端部の間に、幅25
mm、長さ12.5mmの短冊状に切削した試験片Eを
接着面積が12.5×25mmになるように挿入した。
次いで電磁誘導加熱装置を用いて発振周波数50KH
z、圧力1kg/cm2印加時間30秒で加熱し試験片
を接合した。引張り試験機を用いて引張り剪断接着強度
を測定した。なお、この試験における引張りスピードは
50mm/分である。結果を表1に示す。
【0140】実施例2〜4 実施例1において、試験片Aの代わりに表1に記載する
ように試験片B、C、Dを使用した以外は同様の接着を
行い、次いでその引張り剪断強度を測定した。結果を表
1に示す。
【0141】実施例5 試験片Aに代え極限粘土[η]0.66dl/g、ガラ
ス転移点70℃、MFR260℃ 50g/dl、軟化
温度60℃の環状オレフィンランダム共重合体を用いる
以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示
す。
【0142】実施例6 試験片Aに代え極限粘土[η]0.5dl/g、ガラス
転移点140℃、MFR260℃15g/dl、軟化温
度150℃の環状オレフィンランダム共重合体を用いる
以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示
す。
【0143】実施例7 実施例1で調製した引張り試験前の試験片と同様の試験
片を120℃で500時間放置した後引張り試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0144】比較例1 実施例1で用いた試験片A、Eに代え、試験片A、Eの
環状オレフィン系共重合体の代わりに230℃のMFR
3.0g/10min、密度0.91のポリプロピレンを
用いて作成した試験片を使用する以外は同様の操作を行
った。結果を表1に示す。
【0145】比較例2 比較例1で調製した引張り試験前の試験片と同様の試験
片を120℃で500時間放置したところ接合部が劣化
し破断した。結果を表1に示す。
【0146】
【表1】
【0147】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定の環状オレ
フィン系重合体からなる成形体または成形体部品の接合
予定部に磁性体または導電体を接触させ、これを誘電加
熱することにより該接合予定部を溶融して接合を行なう
ので、従来接着性が必ずしも良好でないとされていた環
状オレフィン系重合体を容易に接合することができる。
しかも、接合部分には環状オレフィン系重合体以外の他
の樹脂を介在させなくてもよいため、樹脂組成が変化す
ることによる特性の変化もない。このため接合面におい
ても環状オレフィン系重合体の優れた特性が損なわれる
ことがない。
【0148】殊に本発明の接着方法を環状オレフィン系
重合体同志または環状オレフィン系重合体と金属とを接
合する際に採用することにより、上記重合体からなる成
形体と被接合体との間に他の樹脂成分などが存在しない
ため、樹脂組成が著しく変化することがなく、さらに同
一の重合体を使用るすことにより、接合界面を実質的に
構成することなく接合を行なうことができる。従って成
形体と被接合体とが実質的に一体化するので、非常に高
い接着強度が得られる。また、環状オレフィン系重合体
は発熱体として使用される磁性体や導電体と接触しても
劣化が促進されることがないため特性が長期間安定して
得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)(i)下記式[I]または[I
    I] 【化1】 (式[I]中、uは0または1であり、vは0または正
    の整数であり、wは0または1であり、R61〜R78なら
    びにRa1およびRb1は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
    ロゲン原子またはハロゲン原子で置換していてもよい炭
    化水素基であり、R75〜R78は、互いに結合して単環ま
    たは多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環
    が二重結合を有していてもよく、またR75とR76とで、
    またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していても
    よい)、 【化2】 (式[II]中、xおよびdは0または1以上の整数で
    あり、yおよびzは0、1または2であり、R81〜R99
    はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで
    置換していてもよい脂肪族炭化水素基、ハロゲンで置換
    していてもよい脂環族炭化水素基、ハロゲンで置換して
    いてもよい芳香族炭化水素基またはハロゲンで置換して
    いてもよいアルコキシ基であり、R89またはR90が結合
    している炭素原子と、R93が結合している炭素原子また
    はR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素
    原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
    く、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR
    99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成
    していてもよい)、で表わされる、少なくとも1種の環
    状オレフィンの開環重合体もしくは共重合体またはそれ
    らの水添物もしくは変性物、(ii)炭素数2以上のα
    −オレフィンと上記式[I]または[II]で表わされ
    る少なくとも1種の環状オレフィンとの環状オレフィン
    系ランダム共重合体またはその変性物、および(ii
    i)上記(i)および(ii)の重合体の少なくとも1
    種と他の樹脂との配合物よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種の樹脂からなる成形体または成形体部品の一組
    を準備し、(2)一組の該成形体または成形体部品の接
    着予定部に磁性体または導電体を接触させ、次いで
    (3)該磁性体または導電体に交番磁場をかけて該磁性
    体または導電体を発熱させそして該磁性体または導電体
    と接触している樹脂の少なくとも一部を溶解せしめて該
    接着予定部同志を接合せしめる、ことを特徴とする、環
    状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)上記成分(i)、(ii)および
    (iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹
    脂からなる成形体または成形体部品を準備し、(2)該
    成形体または成形体部品の接着予定部に磁性体または導
    電体を接触させ、次いで(3)該磁性体または導電体に
    交番磁場をかけて該磁性体または導電体を発熱させ、そ
    して該磁性体または導電体と接触している樹脂の少なく
    とも1部を溶融せしめて該接着予定部と該磁性体または
    導電体とを接合せしめる、ことを特徴とする、環状オレ
    フィン系樹脂からなる成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 (1)上記成分(i)、(ii)および
    (iii)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹
    脂からなる成形体または成形体部品の一組を準備し、
    (2)磁性体または導電体に交番磁場をかけて該磁性体
    または導電体を発熱させ、そして(3)一組の該成形体
    または成形体部品の接着予定部に、発熱した上記磁性体
    または導電体を接触させ、そして該磁性体または導電体
    と接触している樹脂の少なくとも1部を溶解せしめて該
    接合予定部同志を接合せしめる、ことを特徴とする環状
    オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法。
JP6110772A 1994-05-25 1994-05-25 環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法 Pending JPH07316365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6110772A JPH07316365A (ja) 1994-05-25 1994-05-25 環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6110772A JPH07316365A (ja) 1994-05-25 1994-05-25 環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07316365A true JPH07316365A (ja) 1995-12-05

Family

ID=14544205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6110772A Pending JPH07316365A (ja) 1994-05-25 1994-05-25 環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07316365A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8518318B2 (en) 2003-01-16 2013-08-27 Viva Healthcare Packaging Limited Methods, compositions and blends for forming articles having improved environmental stress crack resistance

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8518318B2 (en) 2003-01-16 2013-08-27 Viva Healthcare Packaging Limited Methods, compositions and blends for forming articles having improved environmental stress crack resistance
US9199421B2 (en) 2003-01-16 2015-12-01 Viva Healthcare Packaging Limited Methods, compositions and blends for forming articles having improved environmental stress crack resistance
US10035310B2 (en) 2003-01-16 2018-07-31 Viva Healthcare Packaging Limited Methods, compositions and blends for forming articles having improved environmental stress crack resistance

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3341954B2 (ja) 樹脂組成物
WO2006095511A1 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物および該樹脂組成物から得られる基板
JP2003002930A (ja) 非晶性オレフィン系重合体変性物、ならびに、該変性物と熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物
JP2720406B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂用接着剤
JP4637108B2 (ja) 樹脂組成物の製造方法
JP2795515B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH07316365A (ja) 環状オレフィン系樹脂からなる成形体の製造方法
JP2725728B2 (ja) 樹脂成形体の処理方法および樹脂成形体
JP3039799B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂
JPH0395230A (ja) 環状オレフィン系重合体の接着方法
JP3005276B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物
JP2653707B2 (ja) 環状オレフィン系重合体からなる射出成形品
JP2662070B2 (ja) インジェクションブロー成形品
JPH05186682A (ja) ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
WO2007129694A1 (ja) 高周波用電子部品用材料及び当該材料からなる高周波用電子部品
JP3456489B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物よりなる容器
JPH08132539A (ja) 表面が鏡面化された環状オレフィン系樹脂シート又はフィルムの製造法
JP2877867B2 (ja) 植毛樹脂成形品
JP3255722B2 (ja) 変性環状オレフィン系共重合体組成物およびその製造方法
JPH05177776A (ja) 積層体
JP2800015B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP3255721B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体組成物およびその製造方法
JPH06179781A (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物
JP3336060B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物
JP2837711B2 (ja) ポリオレフィン樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020917