JPH07316301A - 有機ケイ素重合体およびその製造方法 - Google Patents

有機ケイ素重合体およびその製造方法

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JPH07316301A
JPH07316301A JP6139487A JP13948794A JPH07316301A JP H07316301 A JPH07316301 A JP H07316301A JP 6139487 A JP6139487 A JP 6139487A JP 13948794 A JP13948794 A JP 13948794A JP H07316301 A JPH07316301 A JP H07316301A
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organosilicon polymer
sio
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general formula
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JP6139487A
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Hideki Kobayashi
秀樹 小林
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 末端にアルケニル基を有し主鎖にシルアルキ
レンシロキサン単位を有する枝分かれ状重合体である新
規な有機ケイ素重合体およびその製造方法を提供する。 【構成】 (A)一般式:R1Si(OR1 2SiR4
3(式中、R1は前記と同じであり、R4は炭素数2〜1
0のアルケニル基である。)で表されるテトラシロキサ
ンおよび/または一般式:Si(OR1 2SiR44(式
中、R1とR4は前記と同じである。)で表されるペンタ
シロキサンと、(B)一般式:HR1 2SiO(R1 2Si
O)p1 2SiH(式中、R1は前記と同じであり、pは
0または1以上の整数である。)で表されるジオルガノ
シロキサンとを、(C)一般式:R41 2SiO(R1 2
iO)P1 2SiR4(式中、R1とR4は前記と同じであ
り、Pは0以上の整数である。)で表されるジオルガノ
ポリシロキサンの存在下もしくは非存在下に、(D)ヒド
ロシリル化反応用触媒の存在下で付加重合することを特
徴とする、有機ケイ素重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文献未記載の新規な有機
ケイ素重合体およびその製造方法に関し、詳しくはシル
アルキレンシロキサン単位を有し、枝分かれ状重合体で
ある新規な有機ケイ素重合体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般式:
【化2】 (式中、Rは一価炭化水素基であり、nは正の整数であ
る。)で表されるシルアルキレンシロキサン単位を有す
る有機ケイ素重合体は、ジオルガノポリシロキサンに比
べて、酸,アルカリ等のイオン性物質による分子鎖の切
断を生じ難いため、かかる特性が要求される特殊な分野
での利用が検討されている。このようなシルアルキレン
シロキサン単位を有する有機ケイ素重合体を製造する方
法としては、環状シルアルキレンシロキサンを開環重合
する方法が提案されている(Izvestiya Akademii Nau
k SSSR,Seriya Khimicheskaya,No.4,739-744,Apr
il,1971、特開平4−65428号公報および特開平4
−65429号公報参照)。
【0003】しかし、これらの製造方法は、2,2,6,
6−テトラメチル−1−オキサ−2,6−ジシラシクロ
ヘキサン等の環状シルアルキレンシロキサンを予め調製
して、それを開環重合したものであり、得られた高分子
化合物はいずれも線状の高分子化合物であり、枝分かれ
状の高分子化合物については提案されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は枝分かれ状
重合体である新規な有機ケイ素重合体を得るため鋭意検
討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の目
的は、末端にアルケニル基を有し主鎖にシルアルキレン
シロキサン単位を有する枝分かれ状重合体である新規な
有機ケイ素重合体およびその製造方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、平均単位式:
【化3】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素数1〜
10の一価炭化水素基であり、R2は炭素数2〜10の
アルケニル基であり、R3は炭素数2〜10のアルキレ
ン基であり、mは0以上の数であり、a,bは正の数で
あり、c,dは0以上の数であり、c+dは正の数であ
る。)で表される有機ケイ素重合体、および、(A)一般
式:R1Si(OR1 2SiR43(式中、R1は前記と同
じであり、R4は炭素数2〜10のアルケニル基であ
る。)で表されるテトラシロキサンおよび/または一般
式:Si(OR1 2SiR44(式中、R1とR4は前記と
同じである。)で表されるペンタシロキサンと、(B)一
般式:HR1 2SiO(R1 2SiO)p1 2SiH(式
中、R1は前記と同じであり、pは0または1以上の整
数である。)で表されるジオルガノシロキサンとを、
(C)一般式:R41 2SiO(R1 2SiO)P1 2SiR
4(式中、R1とR4は前記と同じであり、Pは0以上の
整数である。)で表されるジオルガノポリシロキサンの
存在下もしくは非存在下に、(D)ヒドロシリル化反応用
触媒の存在下で付加重合することを特徴とする、前記有
機ケイ素重合体の製造方法に関する。
【0006】以下、本発明の有機ケイ素重合体について
詳細に説明する。本発明の有機ケイ素重合体は、平均単
位式:
【化4】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素数1〜
10の一価炭化水素基であり、R2は炭素数2〜10の
アルケニル基であり、R3は炭素数2〜10のアルキレ
ン基であり、mは0以上の数であり、a,bは正の数で
あり、c,dは0以上の数であり、c+dは正の数であ
る。)で表される有機ケイ素重合体である。上式中、R
1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素数1〜10の一価
炭化水素基であり、具体的には、メチル基,エチル基,
プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプ
チル基,オクチル基,ノニル基,デシル基等のアルキル
基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール
基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基が例示
され、好ましくはメチル基、フェニル基である。R2
炭素数2〜10のアルケニル基であり、具体的には、ビ
ニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセ
ニル基,ヘプテニル基,オクテニル基,ノネニル基,デ
セニル基が例示され、好ましくはビニル基、アリル基で
ある。R3は炭素数2〜10のアルキレン基であり、そ
のものは直鎖または分岐鎖状のアルキレン基であり、具
体的には、エチレン基,メチルエチレン基,エチルエチ
レン基,プロピルエチレン基,ブチルエチレン基,プロ
ピレン基,ブチレン基,1−メチルプロピレン基,ペン
チレン基,ヘキセニレン基,ヘプテニレン基,オクテニ
レン基,ノネニレン基,デセニレン基が例示され、好ま
しくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキセ
ニレン基である。mは0以上の数であり、a,bは正の
数であり、c,dは0以上の数であり、c+dは正の数
である。mが0の場合は本発明の有機ケイ素重合体は、
式:(M)
【化5】 で表されるような、ポリ(ジオルガノシロキサン)成分
は含まない。また、本発明の有機ケイ素重合体におい
て、上記式で表される成分中のケイ素原子の数は、有機
ケイ素重合体に存在するケイ素原子の合計数の50%以
下であることが好ましい。
【0007】本発明の有機ケイ素重合体において、(R
21 2SiO1/2)単位は末端基であり、(O1/21 2
iR31 2SiO1/2)単位は重合体の主鎖を構成する単
位である。また、(R1SiO3/2)単位および(SiO
4/2)単位は、重合体の枝分かれを生じる構成単位であ
り、どちらか一方または両方が本発明の有機ケイ素重合
体中に存在していることが必要である。すなわち、c,
dは0以上の数であり、c+dは正の数である。
【0008】本発明の有機ケイ素重合体は選択された有
機溶媒に可溶である、枝分かれ状有機ケイ素重合体であ
る。本発明の有機ケイ素重合体中のa〜d、およびmの
構成比は、選択された有機溶媒に可溶であるように決め
られ、R1、R2、R3の種類や求める特性によっても適
宜決められるが、好ましくは、a/bの比は3以下であ
る。また(c+d)/bの比は1以下である。平均分子
量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)等によって容易に測定可能である。本発明の有機ケ
イ素重合体は、重量平均分子量1,000以上であるこ
とが好ましい。
【0009】本発明の有機ケイ素重合体は、多くの選択
された有機溶媒に可溶であるという特徴を有し、例え
ば、有機溶媒として具体的には、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水
素系溶媒;トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、メチルペンタフルオ
ロベンゼン等の含フッ素原子芳香族炭化水素系溶媒が例
示される。メタノールには不溶のことが多い。
【0010】かかる本発明の有機ケイ素重合体の具体的
な例としては、次に示すような化学構造式で表される化
合物がある。尚、式中、Meはメチル基を表し、Viは
ビニル基を表し、Phはフェニル基を表し、a,b,
c,d,mは正の数である。 (CH2=CHC48Me2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC
612Me2SiO1/2)b−(MeSiO3/2)c (CH2=CHC48Me2SiO1/2)a(O1/2Me2Si
612Me2SiO1/2)b−(SiO4/2)d (ViMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24Me2
iO1/2)b(SiO4/2)d (ViMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24Me2
iO1/2)b−(MeSiO3/2)c (ViMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24Me2
iO1/2)b−(CF324SiO3/2)c (ViMe2SiO1/2)a(O1/2MePhSiC24Me
PhSiO1/2)b−(MeSiO3/2)c (ViMePhSiO1/2)a(O1/2MePhSiC24
ePhSiO1/2)b−(MeSiO3/2)c
【0011】尚、本発明の有機ケイ素重合体は上記のよ
うな(R21 2SiO1/2)単位、(O1/21 2SiR3
1 2SiO1/2)単位、(R1SiO3/2)単位および(S
iO4 /2)単位に加えて、(R1 2SiO2/2)(式中、R
1は前記と同じである。)で示される2官能性シロキサ
ン単位を含有してもよい。
【0012】次に、本発明の有機ケイ素重合体の製造方
法について詳細に説明する。本発明の製造方法は、(A)
一般式:R1Si(OR1 2SiR43(式中、R1は前記
と同じであり、R4は炭素数2〜10のアルケニル基で
ある。)で表されるテトラシロキサンおよび/または一
般式:Si(OR1 2SiR44(式中、R1とR4は前記
と同じである。)で表されるペンタシロキサンと、(B)
一般式:HR1 2SiO(R1 2SiO)p1 2SiH(式
中、R1は前記と同じであり、pは0または1以上の整
数である。)で表されるジオルガノシロキサンとを、
(C)一般式:R41 2SiO(R1 2SiO)P1 2SiR
4(式中、R1とR4は前記と同じであり、Pは0以上の
整数である。)で表されるジオルガノポリシロキサンの
存在下もしくは非存在下に、(D)ヒドロシリル化反応用
触媒の存在下で付加重合することを特徴とする。
【0013】本発明の製造方法において、(I)一般式:
1Si(OR1 2SiR43で表されるテトラシロキサ
ンおよび/または一般式:Si(OR1 2SiR44で表
されるペンタシロキサンは、本発明の有機ケイ素重合体
に枝分かれを与える原料であり、式中、R1は前記と同
じ基であり、同様のものが例示される。R4はビニル
基,アリル基,プロペニル基,ヘキセニル基等の炭素数
2〜10のアルケニル基である。これらのシロキサン
は、本発明の有機ケイ素重合体の枝分かれ部を形成する
ものであるが、これらの一部が主鎖部や末端部分を形成
しても良い。本発明の製造方法においては、これらのテ
トラシロキサン,ペンタシロキサンをそれぞれ単独で用
いても、両者を併用しても良い。
【0014】ここで、テトラシロキサンとして具体的に
は、下式で表される化合物が例示される。但し、式中、
Meはメチル基を表す。 MeSi(OMe2SiCH=CH23 MeSi(OMe2SiCH2CH=CH23 MeSi(OMe2SiC48CH=CH23
【0015】ここで、ペンタシロキサンとして具体的に
は、下式で表される化合物が例示される。これらの式
中、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。 Si(OMe2SiCH=CH24 Si(OPhMeSiCH=CH24 Si(OMe2SiCH2CH=CH24 Si(OMe2SiC48CH=CH24
【0016】(B)成分のジオルガノシロキサンは、本発
明の有機ケイ素重合体の主鎖成分の一部を形成するもの
である。このようなジオルガノシロキサンとしては、次
のようなジオルガノシキサンが例示される。これらの式
中、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。 HMe2SiOMe2SiH HMeC25SiOC25MeSiH H(C252SiO(C252SiH HMePhSiOMePhSiH HMe2SiO(Me2SiO)2Me2SiH HMe2SiO(MePhSiO)2Me2SiH HMePhSiO(Me2SiO)2MePhSiH
【0017】本発明の製造方法においては、(C)成分の
ジオルガノポリシロキサンは必要に応じて添加される成
分であり、このジオルガノシロキサンは、本発明の有機
ケイ素重合体の主鎖成分の一部を形成するものである。
かかるジオルガノシロキサンとして具体的には、下式で
表されるジオルガノシロキサンが例示される。これらの
式中、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表
す。 CH2=CHMe2SiOMe2SiCH=CH2 CH2=CHCH2Me2SiOMe2SiCH2CH=C
2 CH2=CH(CH24Me2SiOMe2Si(CH2
4CH=CH2 CH2=CH(C252SiO(C252SiCH=
CH2 CH2=CHCH2MeC65PhSiOMePhSiC
2CH=CH2 CH2=CHMe2SiO(Me2SiO)2Me2SiC
H=CH2 CH2=CHMe2SiO(MePhSiO)2Me2Si
CH=CH2 CH2=CHCH2Me2SiO(MePhSiO)2Me
2SiCH2CH=CH2 CH2=CH(CH24Me2SiO(MePhSiO)
2Me2Si(CH24−CH=CH2
【0018】本発明の製造方法において、(B)成分の添
加量は所望の分子量と枝分かれ量の有機ケイ素重合体を
得るために、適宜調節されるが、通常は、本成分中のケ
イ素原子結合水素原子のモル数と(A)成分中のアルケニ
ル基のモル数の比が(1:2)〜(1:0.5)となる
ような量である。
【0019】(D)ヒドロシリル化反応用触媒は、(A)成
分中のアルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素
原子との付加反応を促進するための触媒であり、例え
ば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒、
有機過酸化物が挙げられ、付加重合を著しく促進するこ
とができることから白金系触媒であることが好ましい。
好ましい白金系触媒として具体的には、白金黒、白金担
持のシリカ微粉末、白金担持のカーボン粉末、塩化白金
酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とビニルシロキ
サンとの錯体、白金とオレフィンとの錯体が例示され
る。本成分の添加量は触媒量であり特に限定されない
が、通常は、反応に関与する原料成分の合計量100万
重量部に対して0.1〜500重量部の範囲であること
が好ましい。
【0020】本発明の製造方法においては、(A)成分〜
(D)成分を添加する順序は任意であり、例えば、(A)成
分〜(C)成分の混合物を加熱攪拌しながら、この系に
(D)成分を徐々に添加する方法;(A)成分と(D)成分の
混合物もしくは(A)成分と(C)成分と(D)成分の混合物
を加熱攪拌しながら、この系に(B)成分を徐々に添加す
る方法等が挙げられる。
【0021】また、本発明の製造方法では、本発明の目
的を損なわない限り、有機溶媒を使用することができ
る。本発明の製造方法では、有機溶媒を使用することに
より、より高分子量の有機ケイ素重合体を製造すること
ができる。ここで使用できる有機溶媒として具体的に
は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水
素系溶媒;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオ
クタン等の脂環式炭化水素系溶媒;トリフルオロメチル
ベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、メチルペンタフルオロベンゼン等の含フッ素原子芳
香族炭化水素系溶媒が例示される。
【0022】また、本発明の製造条件は特に限定され
ず、常圧で付加重合を行う場合には、その反応温度は室
温から(A)成分〜(D)成分の沸点もしくは使用する有機
溶媒の沸点までであり、また(A)成分〜(D)成分および
使用する有機溶媒の沸点が比較的低い場合には、加圧下
で付加重合を行うこともできる。
【0023】本発明の製造方法において、(A)成分中の
アルケニル基を(B)成分ケイ素原子結合水素原子よりも
多く仕込むことにより、分子鎖末端にアルケニル基を有
する有機ケイ素重合体が得られる。本発明の製造方法に
おいて、pが1以上の整数である場合には、得られる有
機ケイ素重合体は、式(M)のジオルガノシロキサン成
分を含む共重合体であり、pが0である場合には、得ら
れる有機ケイ素重合体は、式(M)のジオルガノシロキ
サン成分を含まない有機ケイ素重合体となる。
【0024】このようにして、枝分かれを有し、選択さ
れた有機溶媒に可溶であり、好ましくは重量平均分子量
が1,000以上である有機ケイ素重合体が得られる。
このものは、通常、室温で粘性のある液体〜ガム状であ
る。
【0025】以上のような本発明の有機ケイ素重合体
は、酸、アルカリ等のイオン性物質による分子鎖の切断
が生じ難いので、かかる環境下で使用される消泡剤用添
加剤として有用である。また、有機過酸化物硬化型シリ
コーンゴム組成物、付加反応硬化型シリコーンゴム組成
物、あるいは縮合反応硬化型シリコーンゴム組成物の物
理特性改質用添加剤として利用することができる。ま
た、本発明の有機ケイ素重合体は分子鎖末端にアルケニ
ル基を有するので、有機官能性基を有するハイドロゲン
シランと付加反応させることにより、分子鎖末端に有機
官能性基を有する有機ケイ素重合体を調製するための出
発原料として使用することができる。また、本発明の有
機ケイ素重合体は、炭素炭素二重結合残基を有する有機
系の樹脂と付加反応させることにより、有機系樹脂と有
機ケイ素重合体との新しい複合材料を調製するための出
発原料として使用することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例にて本発明の有機ケイ素重合体
およびその製造方法について詳細に説明する。なお、実
施例中、粘度は25℃において測定した値である。ま
た、Meはメチル基を表す。
【0027】
【実施例1】反応容器に、25gのトルエン、10.3
8g(0.03モル)のメチルトリス(ジメチルビニル
シロキシ)シラン[MeSi(OSiMe2Vi)3]、1
3g(0.07モル)の1,3−ジビニルテトラメチルジ
シロキサン、および0.5%白金担持のカーボン粉末0.
5gを投入し、ゆっくりと攪拌を加えながら65℃に加
熱した。次いで、13g(0.097モル)の1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサンと15gのトルエンの混
合物を滴下した。滴下終了後、2時間100℃にて加熱
攪拌させた。その後、冷却し濾過後溶媒を留去して粘稠
液体を得た。この粘稠液体の収率は97%であった。こ
の粘稠液体を29Si,13C核磁気共鳴スペクトル分析
(以下、NMR)、フーリエ変換赤外吸収スペクトル
(FT−IR)により分析した結果を図1〜3に示し
た。以上の結果から、この粘稠液体は次の平均単位式で
表される有機ケイ素重合体であることが確認された。 (CH2=CHMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24
Me2SiO1/2)b−(MeSiO3/2)c (式中、a:b:cの比は1.2:6.3:1であっ
た。)
【0028】この有機ケイ素重合体をゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ(以下、GPC)により分析したと
ころ、その重量平均分子量はポリジメチルシロキサン換
算で7,000であり、そのピーク面積から求められた
有機ケイ素重合体の収率は95%であった。また、この
ものはトルエンとキシレンに可溶であった。
【0029】
【実施例2】反応容器に、60gのトルエン、69.2
g(0.2モル)のメチルトリス(ジメチルビニルシロ
キシ)シラン、[MeSi(OSiMe2Vi)3]、およ
び0.5%白金担持のカーボン粉末1gを投入し、ゆっ
くりと攪拌を加えながら60℃に加熱してた。次いで、
53.5gの式:HMe2SiO(Me2SiO)2Me2
iHで表されるポリジメチルシロキサンと60gのトル
エンの混合物を滴下した。滴下終了後、2時間加熱還流
させた。その後、冷却し濾過後溶媒を留去して粘稠液体
を得た。この粘稠液体の収率は96%であった。この粘
稠液体を29Si,13CNMRにより分析したところ、次
の平均単位式で表されるビニル基含有有機ケイ素重合体
であることが確認された。 (CH2=CHMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24
Me2SiO1/2)b−(Me2SiO)m(MeSiO3/2)
c(式中、a:b:m:cの比は1.1:1.9:1.9:
1であった。) この有機ケイ素重合体をGPCにより分析したところ、
その重量平均分子量はポリジメチルシロキサン換算で
8,000であり、そのピーク面積から求められた有機
ケイ素重合体の収率は95%であった。また、このもの
はトルエンとキシレンに可溶であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の有機ケイ素重合体は新規な有機
ケイ素化合物であり、このものは末端にアルケニル官能
基を有し、主鎖にシルアルキレン鎖を有し、枝分かれ構
造を有する重合体であり、本発明の製造方法はかかる新
規な有機ケイ素重合体を収率よく製造できるという特徴
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した有機ケイ素重合体の29Si
NMR測定データである。
【図2】実施例1で製造した有機ケイ素重合体の13
NMR測定データである。
【図3】実施例1で製造した有機ケイ素重合体のFT−
IR測定データである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均単位式: 【化1】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素数1〜
    10の一価炭化水素基であり、R2は炭素数2〜10の
    アルケニル基であり、R3は炭素数2〜10のアルキレ
    ン基であり、mは0以上の数であり、a,bは正の数で
    あり、c,dは0以上の数であり、c+dは正の数であ
    る。)で表される有機ケイ素重合体。
  2. 【請求項2】 平均単位式中のmが0である請求項1記
    載の有機ケイ素重合体。
  3. 【請求項3】 (A)一般式:R1Si(OR1 2SiR4
    3(式中、R1は前記と同じであり、R4は炭素数2〜1
    0のアルケニル基である。)で表されるテトラシロキサ
    ンおよび/または一般式:Si(OR1 2SiR44(式
    中、R1とR4は前記と同じである。)で表されるペンタ
    シロキサンと、(B)一般式:HR1 2SiO(R1 2Si
    O)p1 2SiH(式中、R1は前記と同じであり、pは
    0または1以上の整数である。)で表されるジオルガノ
    シロキサンとを、(C)一般式:R41 2SiO(R1 2
    iO)P1 2SiR4(式中、R1とR4は前記と同じであ
    り、Pは0以上の整数である。)で表されるジオルガノ
    ポリシロキサンの存在下もしくは非存在下に、(D)ヒド
    ロシリル化反応用触媒の存在下で付加重合することを特
    徴とする、請求項1または請求項2記載の有機ケイ素重
    合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015178475A1 (ja) * 2014-05-23 2015-11-26 株式会社ダイセル 分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレン、その製造方法、硬化性樹脂組成物、及び半導体装置
JP2016124967A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 東レ・ダウコーニング株式会社 硬化性シリコーン組成物、それからなる半導体用封止剤および半導体装置

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WO2015178475A1 (ja) * 2014-05-23 2015-11-26 株式会社ダイセル 分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレン、その製造方法、硬化性樹脂組成物、及び半導体装置
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