JPH07315928A - 鉛含有セラミックス粉体の製造方法 - Google Patents

鉛含有セラミックス粉体の製造方法

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JPH07315928A
JPH07315928A JP6108426A JP10842694A JPH07315928A JP H07315928 A JPH07315928 A JP H07315928A JP 6108426 A JP6108426 A JP 6108426A JP 10842694 A JP10842694 A JP 10842694A JP H07315928 A JPH07315928 A JP H07315928A
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JP
Japan
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powder
lead
ceramic powder
slurry
containing ceramic
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Application number
JP6108426A
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English (en)
Inventor
Kotaro Hatake
宏太郎 畠
Kazumi Okabe
参省 岡部
Yukio Hamachi
幸生 浜地
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】焼結助剤等の微量添加剤が均一に分散した低温
焼結性に優れた鉛含有セラミックス粉体の製造方法を提
供する。 【構成】一般式PbMO3 (但し、Mは1種類以上の2
〜6価の金属元素)で示される鉛含有セラミックス粉体
の製造において、PbMO3 の組成を有する粉体を溶媒
中に分散してスラリーとし、このスラリー中に金属塩化
合物を溶解させて前記粉体と混合した後、スラリーを乾
燥させて粉体表面に金属塩化合物を担持固定させた後、
この粉体を仮焼することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘電体磁器および圧電体
磁器の原料として有用で、かつ、低温焼結性を有する鉛
含有磁器組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉛含有セラミックス粉体の製造方
法としては、セラミックスを構成する元素の酸化物粉体
あるいは炭酸塩粉体を混合した後、この混合粉体を仮焼
して目的とするセラミックス粉体を得る方法が主として
行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鉛含有セラミックス粉体の製造方法では、セラミックス
粉体を構成する元素、特に焼結助材等の微量添加剤を均
一に分散させることができなかった。このため、このセ
ラミックス粉体を用いてセラミックスを得るときには、
焼成温度を高める必要があった。しかしながら、焼成温
度が高くなるにつれてセラミック粉体中の鉛の蒸発が激
しくなるために組成ずれが生じ、得られた鉛含有セラミ
ックスの特性がばらつく原因となっていた。これを防ぐ
ためには、密閉度の高い匣を使用したりして、焼成中の
鉛雰囲気を制御する必要があるが、このことが鉛含有セ
ラミックスの製造コストを上昇させる原因となってい
た。
【0004】そこで、本発明の目的は、焼結助剤等の微
量添加剤が均一に分散した低温焼結性に優れた鉛含有セ
ラミックス粉体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の鉛含有セラミックス粉体の製造方法は、一
般式PbMO3 (但し、Mは1種類以上の2〜6価の金
属元素)で示される鉛含有セラミックス粉体の製造にお
いて、前記PbMO3 の組成を有する粉体を溶媒中に分
散してスラリーとし、該スラリー中に金属塩化合物を溶
解させて前記粉体と混合した後、前記スラリーを乾燥さ
せて前記粉体表面に前記金属塩化合物を担持固定させた
後、前記粉体を仮焼することを特徴とする。
【0006】そして、溶媒としては、アルコールおよび
水のうちより選ばれた少なくとも1つであることを特徴
とする。
【0007】また、金属塩化合物としては、その酸化物
がPbMO3 粉体の焼結助材であることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明においては、PbMO3 の組成を有する
粉体を溶媒に分散させたスラリーに金属塩化合物を溶解
させて混合した後、このスラリーを乾燥させる。したが
って、個々の粉体表面に金属塩化合物の層が形成され
る。その後、この粉体を仮焼することにより、個々の粉
体表面に金属酸化物層が形成されたセラミックス粉体が
得られる。
【0009】したがって、金属酸化物が焼結助剤である
場合、焼成段階でこの個々の粉体表面に形成された金属
酸化物の層が液相となって液相焼結を促進するため、焼
結温度が下がる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の鉛含有セラミックス粉体の製
造方法について、その実施例を説明する。
【0011】(実施例1)Pb3 4 、ZrO2 および
TiO2 の原料粉体を、焼成後にPb(Zr0.52Ti
0.48)O3 の組成となるように秤量し、ボールミルによ
って湿式混合した後、800℃で2時間仮焼し、粉砕し
て粉体を得た。この仮焼済みの粉体100gをエタノー
ル200ml中に分散してスラリーとし、続いてこのス
ラリー中に鉛アセチルアセトナ−トを0.0052モル
添加して溶解混合した。その後、このスラリーを乾燥
後、600℃で1時間加熱処理して、鉛含有セラミック
ス粉体を得た。
【0012】次に、この粉体に酢酸ビニル系バインダー
を添加して造粒後、約1トン/cm2 の圧力で直径12
mm、厚さ1.2mmに成形した。その後、この成形体
を焼成温度800〜1100℃で焼成して、円板状の焼
成体を得た。そして、得られた焼成体の見かけ密度を測
定した。図1に、焼成温度と焼成体の見掛け密度の関係
を示す。
【0013】(実施例2)Pb3 4 、ZrO2 、Ti
2 、NiO、Nb2 5 の原料粉体を、焼成後に0.
3Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 −0.7Pb(Zr
0.4 Ti0.6 )O3の組成となるように秤量し、ボール
ミルによって湿式混合した後、850℃で2時間仮焼
し、粉砕して粉体を得た。この仮焼済みの粉体50gを
蒸留水100ml中に分散してスラリーとし、続いてこ
のスラリー中に酢酸鉛を0.0023モル添加して溶解
混合した。その後、このスラリーを乾燥後、600℃で
1時間加熱処理して鉛含有セラミックス粉体を得た。
【0014】次に、実施例1と同様にして、円板状の焼
成体を得て、見掛け密度を測定した。その結果を図1に
示す。
【0015】(従来例)Pb3 4 、ZrO2 、TiO
2 、NiO、Nb2 5 の原料粉体を、焼成後に実施例
2と同じ組成となるように秤量し、ボールミルによって
湿式混合した後、800℃で2時間仮焼し、粉砕して粉
体を得た。
【0016】次に、実施例1と同様にして、円板状の焼
成体を得て、見掛け密度を測定した。その結果を図1に
示す。
【0017】図1に示す通り、本発明の製造方法によっ
て得られた焼成体は、焼成温度が900℃以上で見掛け
密度が飽和しており、900℃以上で焼結していること
を示している。しかしながら、従来例の場合は、900
℃ではまだ焼成体の見掛け密度が低く、1100℃以上
で焼成しないと焼結しない。したがって、本発明の製造
方法によって得られた鉛含有磁器組成物は低温焼結性に
優れていることが明らかである。
【0018】なお、上記実施例においては、鉛含有セラ
ミックス粉体として、Pb(Zr0.52Ti0.48)O3
たは0.3Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 −0.7Pb
(Zr0.4 Ti0.6 )O3 を製造する場合について説明
したが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
即ち、以下の化学式で表される鉛含有セラミックス粉体
を単独あるいは組み合わせて製造する場合も同様の効果
が得られる。
【0019】(1)一般式 Pb(By 4+1-y 4+)O
3 、0≦y≦1 例:PbZry Ti1-y 3 (2)一般式 Pb(B1/3 2+2/3 5+)O3 例:Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Ni1/3
2/3 )O3 Pb(Mn1/3 Nb2/3 )O3 、Pb(Mg1/3 Ta
2/3 )O3 Pb(Ni1/3 Ta2/3 )O3 、Pb(Cd1/3 Nb
2/3 )O3 (3)一般式 Pb(B1/2 3+1/2 5+)O3 例:Pb(Fe1/2 Nb1/2 )O3 、Pb(Sc1/2
1/2 )O3 Pb(Yb1/2 Nb1/2 )O3 、Pb(Fe1/2 Ta
1/2 )O3 Pb(Sc1/2 Ta1/2 )O3 、Pb(Yb1/2 Ta
1/2 )O3 (4)一般式 Pb(B1/2 2+1/2 6+)O3 例:Pb(Cu1/2 1/2 )O3 、Pb(Mn1/2
1/2 )O3 Pb(Zn1/2 1/2 )O3 、Pb(Mg1/2 1/2
3 Pb(Mg1/2 Te1/2 )O3 、Pb(Mn1/2 Te
1/2 )O3 (5)一般式 Pb(B2/3 3+1/3 6+)O3 例:Pb(Fe2/3 1/3 )O3 、Pb(Mn2/3
1/3 )O3 また、上記実施例においては、金属塩化合物として、鉛
アセチルアセトナートまたは酢酸鉛を用いているが、そ
れのみに限定されるものではない。即ち、金属塩化合物
としては、アルコールあるいは水に可溶で、仮焼により
粉体表面に担持された金属元素の酸化物が単独あるいは
他成分との相互作用により焼結段階で焼結を促進するも
のであればよい。
【0020】具体的には、水溶性の金属塩化合物として
は、酢酸鉛や酢酸ビスマス等の酢酸塩あるいは硝酸鉛や
硝酸ビスマス等の硝酸塩等を単独あるいは組み合わせて
用いることができる。また、アルコール可溶性の金属塩
化合物としては、鉛ブトキシド等のアルコキシド、鉛ア
セチルアセトナート等のアセチルアセトナートあるいは
オクチル酸鉛等の脂肪酸金属塩等を単独あるいは組み合
わせて用いることができる。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
製造方法によれば、焼結助剤等の微量添加剤を溶液状態
で添加して均一に分散させることができるため、低温焼
結性に優れた鉛含有セラミックス粉体を得ることができ
る。
【0022】したがって、この粉体を原料として用いる
ことにより、電気特性のばらつきの小さい鉛含有セラミ
ックスを安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成温度と焼成体の見掛け密度の関係を示すグ
ラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式PbMO3 (但し、Mは1種類以
    上の2〜6価の金属元素)で示される鉛含有セラミック
    ス粉体の製造において、 前記PbMO3 の組成を有する粉体を溶媒中に分散して
    スラリーとし、該スラリー中に金属塩化合物を溶解させ
    て前記粉体と混合した後、前記スラリーを乾燥させて前
    記粉体表面に前記金属塩化合物を担持固定させた後、前
    記粉体を仮焼することを特徴とする鉛含有セラミックス
    粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒は、アルコールおよび水のうちより
    選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    1記載の鉛含有セラミックス粉体の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属塩化合物は、その酸化物がPbMO
    3 粉体の焼結助材であることを特徴とする請求項1記載
    の鉛含有セラミックス粉体の製造方法。
JP6108426A 1994-05-23 1994-05-23 鉛含有セラミックス粉体の製造方法 Pending JPH07315928A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004168637A (ja) * 2002-10-09 2004-06-17 Agency For Science Technology & Research 基材上に圧電性厚膜を製造する方法
JP2007191351A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Seiko Epson Corp 絶縁性ターゲット材料の製造方法

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