JP2580374B2 - 複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製造方法 - Google Patents
複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製造方法Info
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Description
電体磁器粉末の製造方法に関するものである。
末の製造方法としては、例えばBa,Zr,Ti等の各化合物粉
を出発原料とし、これらを所定量ずつ秤量して均一に混
合し、その混合によって得られた混合物を1000±100℃
程度の温度で仮焼して各化合物粉の間で固相反応を生じ
させ、これによって複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉
末を生成させる方法が知られている。
磁器コンデンサを製造する場合に焼結温度を低下させる
という観点からすると微細であることが望ましいし、ま
た磁器コンデンサの誘導率や耐電圧等の電気的特性を良
好ならしめるという観点からすると組成が均質であるこ
とが望ましい。
成が均質であることの両方を同時に満足する複合ペロブ
スカイト型誘電体磁器粉末を得ることは困難であった。
を均質にしようとして仮焼温度を高くすると、得られる
粉末の粒径が粗大化してしまい、また複合ペロブスカイ
ト型誘電体磁器粉末を微細にしようとして仮焼温度を低
くすると、固相反応が円滑に進行せず、組成が不均質に
なってしまうからである。
体磁器粉末を製造する場合、この傾向が顕著である。
ない、積層磁器コンデンサについても小型化・大容量化
が求められている。
化する方法の一つとして、誘電体グリーンシートを薄膜
化して誘電体層の積層数を増加させる方法が注目されて
いる。
の積層数を増加させるには、複合ペロブスカイト型誘電
体磁器粉末を微細にする必要があり、しかも、複合ペロ
ブスカイト型誘電体磁器粉末の組成を均質にして誘電体
層の絶縁抵抗を大きくする必要がある。
で且つ組成の均質な複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉
末を得ることが困難であり、従って、誘電体グリーンシ
ートを薄膜化して誘電体層の積層数を増加させて、積層
磁器コンデンサを小型化・大容量化することは困難であ
った。
合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末を得ることのできる
複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製造方法を提供
することにある。
製造方法は、Ba,Ca及びSrから選択された1種又は2種
以上の元素の化合物粉とZrの化合物粉と、Ti,Hf及びTh
から選択された1種又は2種以上の元素の化合物粉とか
らなる混合物を仮焼して、一般式ABO3(但し、Aは、B
a,Ca及びSrから選択された1種又は2種以上の元素、B
は、Zrと、Ti,Hf及びThから選択された1種又は2種以
上の元素)で表わされる複合ペロブスカイト型誘電体磁
器粉末を製造する方法において、前記Zrの化合物粉の平
均粒径を0.2μm以下としたことを特徴とするものであ
る。
化物、炭酸塩又はその他の化合物を用いることができ
る。
等を用いることができる。
るが、この混合は乾式で行なってもよいし、また湿式で
行なってもよい。
しい。これは、この範囲で仮焼すれば、得られる複合ペ
ロブスカイト型誘電体磁器粉末が微細で且つ均質なもの
になるが、900℃未満では固相反応が充分に進まず、合
成不充分のため、緻密な焼結体が得られず、又、1100℃
を越えると粒子が粗大化して、緻密な焼結体が得られな
くなるからである。
1〜2時間程度で充分である。
いるが、これは、Zrの化合物粉の平均粒径が0.2μm以
下の場合は固相反応が円滑に進行し、得られる複合ペロ
ブスカイト型誘電体磁器粉末の組成が均質になるが、0.
2μmより大きい場合は、固相反応が充分に進まず、得
られる複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の組成が不
均質になるからである。
以下が好ましい。A元素およびZr以外のB元素の粒径が
1.0μm以下の場合は、固相反応が充分に進み、得られ
る複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の組成が均質に
なるが、粒径が1.0μmより大きい場合は、固相反応が
充分に進まず、得られる複合ペロブスカイト型誘電体磁
器粉末の組成が不均質になるからである。
酸ジルコン酸バリウム Ba(Ti0.85Zr0.15)O3 である場合の例について、実施例1及び比較例1を用い
て説明する。
る。
ボールミル内に約2.5の水とともに入れ、約20時間撹
拌してこれらの化合物の混合物を得た。
のものを使用した。また、配合1の各化合物の重量
(g)は、前述した複合ペロブスカイト誘電体磁器粉末
の一般式ABO3が Ba(Ti0.85Zr0.15)O3…(1) となるように計算して求めた。
式乾燥器を用いて150℃で4時間乾燥し、乾燥した状態
の混合物を得た。
炉を用い、大気中において約1100℃で2時間仮焼し、上
記組成式(1)で表わされるチタン酸ジルコン酸バリウ
ムの粉末を得た。
空気透過法により測定したところ、1.2μmであった。
回折装置にかけてそのX線回折パターンを求めたとこ
ろ、第1図に示すように、組成に変動が認められず均質
であった。
の化合物を添加し、湿式混合して均一に分散させた後、
乾燥させて混合粉末を得た。
圧力1000kg/cm2で成形して、直径10mm、厚さ1mmの円板
を作成し、これを1150℃で2時間焼成して円板状の誘電
体磁器を得た。
ーストを塗布し、800℃で30分間焼成して銀ペーストを
電極に変成させ、磁器コンデンサを得た。
うに、誘電率(ε)が16280、誘導損失(tanδ)が1.9
%、静電容量変化率(Tc)が−78〜−56%、、絶縁抵抗
が1.5×105MΩであった。
測定した。
1.0Vr・m・sの条件でこの磁器コンデンサの静電容量
を測定し、この静電容量と電極の対向面積と誘電体磁器
の厚さとから計算で求めた。
同一の条件で求めた。
25℃〜+85℃の温度範囲で測定して求めた。
デンサにDC100Vを20sec間印加した後に測定した。
号2,3についても、出発原料の酸化ジルコニウムを、試
料番号2では粒径0.20μm、試料番号3では粒径0.05μ
mとした以外、試料番号1の場合と同様にしてチタン酸
ジルコン酸バリウムの粉末を得た。
い、試料番号1の場合と同様にして、磁器コンデンサを
作成し、その電気的特性を求めたところ、第1表に示す
通りとなった。
明する。
て粒径0.5μmのものを使用した以外は試料番号1と同
様にしてチタン酸ジルコン酸バリウムの粉末を得た。
透過法により測定したところ、1.4μmであった。
回折装置にかけてX線回折パターンを求めたところ、第
2図に示すように、組成に変動が認められる不均質なも
のであった。
い、試料番号1の場合と同様にして磁器コンデンサを作
成し、この磁器コンデンサの電気的特性を測定したとこ
ろ、第1表に示す通りとなった。
ウムとして、試料番号5では粒径0.3μmのものを、試
料番号6では粒径1.0μmのものを使用した以外は、試
料番号4の場合と同様にしてチタン酸ジルコン酸バリウ
ムの粉末を得た。
い、試料番号1の場合と同様にして磁器コンデンサを作
成し、この磁器コンデンサの電気的特性を測定したとこ
ろ、第1表に示す通りとなった。
明する。
る。
ボールミル内に約2.5の水とともに入れ、約20時間撹
拌混合して混合物を得た。
のものである。また、配合1の各化合物の重量(g)
は、前述した複合ペロブスカイト誘電体磁器粉末の一般
式ABO3が (Ba0.80Ca0.10Sr0.10)−(Ti0.85Zr0.15)O3…(2) となるように計算して求めた値である。
式乾燥器を用い、150℃で4時間乾燥し、この乾燥した
混合物を粉砕して粉砕物を得た。
て950℃で2時間仮焼して固相反応を生じさせ、上記組
成式(2)で表わされる複合ペロブスカイト型誘電体磁
器の粉末を得た。
径を空気透過法により測定したところ、1.1μmであっ
た。
X線回折装置にかけてそのX線回折パターンを求めたと
ころ、組成に変動が認められない均質なものであった。
配合4の化合物を添加し、湿式混合した後に乾燥して混
合粉末を得た。
磁器コンデンサを作成し、その電気的特定を測定したと
ころ、第2表に示す通りとなった。
8,9についても、出発原料の酸化ジルコニウムを、試料
番号では粒径0.20μmのものを、試料番号9では粒径0.
05μmのものを使用した以外は試料番号7と同様にして
複合ペロブスカイト型誘電体磁器の粉末を得た。
を用い、試料番号1の場合と同様にして磁器コンデンサ
を作成し、この磁器コンデンサの電気的特性を測定した
ところ、第1表に示す通りとなった。
説明する。
て粒径0.5μmのものを使用した以外は、試料番号7の
場合と同様にして複合ペロブスカイト型誘電体磁器の粉
末を得た。
気透過法により測定したところ、1.1μmであった。
X線回折装置にかけてX線回折パターンを求めたとこ
ろ、組成に変動が認められる不均質なものであった。
用い、試料番号1の場合と同様にして磁器コンデンサを
作成し、この磁器コンデンサの電気的特性を測定したと
ころ、第1表に示す通りとなった。
ニウムとして、試料番号11では粒径0.3μmのものを、
試料番号12では粒径1.0μmのものを使用した以外は、
試料番号7の場合と同様にして複合ペロブスカイト型誘
電体磁器の粉末を得た。
を用い、試料番号1の場合と同様にして磁器コンデンサ
を作成し、この磁器コンデンサの電気的特性を測定した
ところ、第1表に示す通りとなった。
して、粒径が0.2μm以下のものを使用した場合、微細
で且つ組成が均質な複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉
末を得ることができることがわかる。
た誘電体磁器は、誘電率や絶縁抵抗等の電気的特性が著
しく改善されることがわかる。
径が0.2μmより大きなものを使用した場合、得られた
複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の組成が不均質に
なることがわかる。
た誘電体磁器は、誘電率や絶縁抵抗等の電気的特性が悪
くなることがわかる。
ウム粉末の平均粒径を0.2μm以下としたので、固相反
応を比較的低温且つ短時間に終了させることができ、従
って、得られる粉末の粒径が粗大化せず、微細な粒度分
布を持つ複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末を得るこ
とができる。
短時間に終了させることができるので、複合ペロブスカ
イト型誘電体磁器粉末を低コストで製造することができ
る。
ルコニウム粉末の平均粒径を0.2μm以下としたので、
固相反応が円滑に進み、均質な組成の複合ペロブスカイ
ト型誘電体磁器粉末、すなわち誘電率の高い、しかも絶
縁抵抗の大きい複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末を
得ることができる。
イト型誘電体磁器粉末を得ることができるので、誘電率
の高い誘電体磁器層を形成することができ、従って、小
型大容量の磁器コンデンサを製造することができる。
スカイト型誘電体磁器粉末を得ることができるので、絶
縁抵抗の大きい誘電体磁器層を形成することができ、従
って、誘電体磁器層の積層密度を高めて小型大容量の磁
器コンデンサを製造することができる。
ロブスカイト型誘電体磁器粉末を得ることができるの
で、誘電体磁器層を従来より低温で焼結させることがで
き、従って、磁器コンデンサを低コストで製造すること
ができる。
イト型誘電体磁器粉末のX線回折パターンを示す図、第
2図は試料番号4(比較例1)に係る複合ペロブスカイ
ト型誘電体磁器粉末のX線回折パターンを示す図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】Ba,Ca及びSrから選択された1種又は2種
以上の元素の化合物粉とZrの化合物粉と、Ti,Hf及びTh
から選択された1種又は2種以上の元素の化合物粉とか
らなる混合物を仮焼して、一般式ABO3(但し、Aは、B
a,Ca及びSrから選択された1種又は2種以上の元素、B
は、Zrと、Ti,Hf及びThから選択された1種又は2種以
上の元素)で表わされる複合ペロブスカイト型誘電体磁
器粉末を製造する方法において、 前記Zrの化合物粉の平均粒径を0.2μm以下としたこと
を特徴とする複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2229599A JP2580374B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2229599A JP2580374B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04114919A JPH04114919A (ja) | 1992-04-15 |
JP2580374B2 true JP2580374B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=16894708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2229599A Expired - Lifetime JP2580374B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2580374B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3503568B2 (ja) * | 2000-04-07 | 2004-03-08 | 株式会社村田製作所 | 非還元性誘電体セラミック及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ |
JP4506084B2 (ja) | 2002-04-16 | 2010-07-21 | 株式会社村田製作所 | 非還元性誘電体セラミックおよびその製造方法ならびに積層セラミックコンデンサ |
JP5040015B2 (ja) * | 2007-01-18 | 2012-10-03 | 大塚化学株式会社 | 複合チタン酸金属塩の製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5520605B2 (ja) * | 1973-09-17 | 1980-06-04 | ||
JPH0365515A (ja) * | 1989-07-31 | 1991-03-20 | Tosoh Corp | 鉛含有酸化物粉末の製造方法 |
-
1990
- 1990-08-31 JP JP2229599A patent/JP2580374B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04114919A (ja) | 1992-04-15 |
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