JPH07314690A - インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置 - Google Patents

インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置

Info

Publication number
JPH07314690A
JPH07314690A JP7093243A JP9324395A JPH07314690A JP H07314690 A JPH07314690 A JP H07314690A JP 7093243 A JP7093243 A JP 7093243A JP 9324395 A JP9324395 A JP 9324395A JP H07314690 A JPH07314690 A JP H07314690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ink
heat generating
generating portion
jet head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7093243A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3311198B2 (ja
Inventor
Masami Kasamoto
雅己 笠本
Toshihiro Mori
利浩 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP9324395A priority Critical patent/JP3311198B2/ja
Publication of JPH07314690A publication Critical patent/JPH07314690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3311198B2 publication Critical patent/JP3311198B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14088Structure of heating means
    • B41J2/14112Resistive element
    • B41J2/14129Layer structure

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 故障率が少なくて寿命が長く、良好なインク
吐出を長期間にわたり行えるインクジェットヘッド用基
体を提供する。 【構成】 抵抗体層と抵抗体層に接続された一対の電極
層とを含み、一対の電極層の間に位置する抵抗体層がイ
ンクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
る発熱部となる電気熱変換体と、電気熱変換体がその上
に設けられた基板と、を含むインクジェットヘッド用基
体であって、一対の電極層の一方の電極層が発熱部の下
側を通り、発熱部の下側に位置する電極層が複数の層か
らなる積層構造を有し、複数の層の内の少なくとも発熱
部に最も近い側の層は1気圧のもとにおける融点が摂氏
1500度以上である金属からなるインクジェットヘッ
ド用基体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙、プラスチックシー
ト、布、物品等を包含する記録保持体(以下、代表的に
「紙」と称する)に対してインク、機能性液体等(以
下、代表的に「インク」と称する)を吐出することによ
り文字、記号、画像等(以下、代表的に「画像」と称す
る)の記録、印刷等(以下、代表的に「記録」と称す
る)を行うインクジェットヘッドを構成するための基
体、該基体を用いて構成されるインクジェットヘッド、
該インクジェットヘッドに対して供給されるインクを貯
溜するためのインク貯溜部を含むインクジェットペン、
及びインクジェットヘッドが装着されるインクジェット
装置に関する。本発明において言うインクジェットペン
は、インクジェットヘッドとインク貯溜部とを一体とし
たカートリッジ形態も、それらを互いに別体として取り
外し可能に組み合わせた形態も包含するものを意味す
る。このインクジェットペンは、装置本体側のキャリッ
ジ等の搭載手段に対して着脱自在である。また、本発明
において言うインクジェット装置は、ワードプロセッサ
やコンピュータ等の情報処理機器の出力端末として一体
的にまたは別体として設けられるものの他、情報読取機
器等と組み合わされた複写装置、情報送受信機能を有す
るファクシミリ装置、布への捺染を行う機械等の種々の
形態を包含するものを意味する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット装置は、インクを微小な
滴として吐出口から高速で吐出することにより、高精細
な画像の高速記録を行なうことができるという特長を有
している。特に、インクを吐出するために利用されるエ
ネルギーを発生するエネルギー発生手段として電気熱変
換体を用い該電気熱変換体が発生する熱エネルギーによ
って生じるインクの発泡を利用してインクを吐出する方
式のインクジェット装置は、画像の高精細性、高速記録
性、ヘッド及び装置の小型化などの装置性能において優
れている。これらの装置性能に関する市場の要求は年々
大きくなっており、これに応じてインクジェット装置の
各種の改良が進められている。
【0003】かかる改良策としては種々の提案がなされ
ているが、その一つとしてU.S.Patent N
o.4,458,256を挙げることができる。この
U.S.P.の例えばFIG.11には、電気熱変換体
を構成する抵抗体の発熱部(以下、「ヒーター」とも称
する)に電気エネルギーを付与するための電極のリター
ン部分を共通電極として共通化し、該共通電極を絶縁層
の下側に導電層としてはわせて設ける構成が示されてい
る。この構成によれば、複数のヒーターを配置設計する
際に電極のリターン部分による邪魔がなくなるので、そ
れら複数のヒーターを従来に比して更に近接配置させる
ことができる。吐出口に連通するインク路はヒーターに
対応して設けられるので、これによりインク路の一層の
高密度配設を達成することができる。インク路を一層高
密度に配設できれば、吐出口も一層高密度に配設できる
ことになるので、一層高精細な画像を得ることができ
る。また、インク路の一層の高密度配設は基板のスペー
スの節約につながるので、ヘッドの一層の小型化を達成
することができる。
【0004】また、実公平6−28272号にも、発熱
抵抗体層の下側にアンダーコート層を介して共通電極と
なるメタル層を設けた構成が開示されている。かかるメ
タル層の材料としては、タンタル、モリブデン、タング
ステン等が挙げられている。
【0005】しかしながら、以上記したインクジェット
ヘッドには上述した各種の特長がある反面、次の様な問
題のあることが、本発明者らによる検討の結果わかっ
た。すなわち、上述した構成のインクジェットヘッドに
は、その寿命が予想に反して短いものが発生することが
あったり、或いはインクの吐出を続けるうちに吐出性能
が落ちてしまうものがある、という問題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】その原因を究明すべく
本発明者らが更なる検討を行った結果、次のことが判明
した。すなわち、共通電極がアルミニウム等からなる場
合、熱の影響を受けて共通電極の表面に「ヒロック」と
称される凸状に盛り上がった応力集中領域が生じること
がある。特に、ヒーターの下側の共通電極辺りの温度
は、ヒーターで発生した高熱によって瞬間的に共通電極
を構成する金属材料の融点近くにまで達することがあ
る。これによる共通電極での応力集中によって、ヒロッ
クが更に成長したり、或いは新たなヒロックが生じたり
する。これらのヒロックは各種の層を介して上方に順次
及ぶので、ヒーター上の発泡面に高さが例えば2μm程
度の凸部を生じさせる。インク路における発泡の繰り返
しによる「キャビテーション」と称される発泡面での大
規模な圧力変動や熱ストレスの影響により、発泡面の凸
部のステップ部分(隅部)の膜質の弱まった箇所が集中
的なダメージを受け、遂にはかかる箇所からインクが浸
入して電触を起こし、抵抗体の断線に至る。これによ
り、インクジェットヘッドが故障し、その寿命が予想に
反して短くなる。また、発泡面に凸部として現れたひず
みがヒロックの成長に応じて大きくなり、発泡現象に与
える悪影響が徐々に大きくなる結果、インクの吐出を続
けるうちに吐出性能が落ちてしまうこととなる。
【0007】本発明者らによる上述した問題の原因究明
の結果、いまだ不測の現象があるものの、問題の一因と
して次のことも判明した。すなわち、実公平6−282
72号の様に共通電極がタンタル、モリブデン、タング
ステン等からなる場合には、これらの金属の抵抗率が比
較的大きいことから、インクの吐出を続けるうちに、こ
れらの金属自体の発生する熱がヒーターの発生する熱に
加えてヘッドに徐々に蓄積される様になる。この様にし
て蓄積された熱の影響により、発泡面での熱制御や正常
な発泡現象の維持が徐々に困難になる。この結果、イン
クの吐出を続けるうちに吐出性能が落ちてしまうことと
なる。この問題は、ヒーター相互の間隔を小さくして高
密度に配設すればするほど、熱が蓄積しやすくなること
から顕著になる。また、この問題は、インクジェットヘ
ッドを高速で駆動すればするほど、熱が蓄積しやすくな
ることから顕著になる。
【0008】本発明の目的の一つは、上述した問題を解
決し、故障率が少なく寿命の長いインクジェットヘッド
を構成するための基体と該基体を用いて構成されたイン
クジェットヘッドとを提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、良好なインク吐出を
長期間にわたって行うことのできるインクジェットヘッ
ドを構成するための基体と該基体を用いて構成されたイ
ンクジェットヘッドとを提供することである。
【0010】本発明の更に他の目的は、複数の吐出口が
高密度に配設され、高精細な画像を高速で記録すること
のできるインクジェットヘッドを構成するための基体と
該基体を用いて構成されたインクジェットヘッドとを提
供することである。
【0011】本発明の更に他の目的は、基板のスペース
が節約され小型化されたインクジェットヘッドを構成す
るための基体と該基体を用いて構成されたインクジェッ
トヘッドとを提供することである。
【0012】本発明の更に他の目的は、単結晶シリコン
等の比較的高価な材料で作られる基板のスペースが節約
されることによって低価格化されたインクジェットヘッ
ドを構成するための基体と該基体を用いて構成されたイ
ンクジェットヘッドとを提供することである。
【0013】本発明の更に他の目的は、上述した優れた
インクジェットヘッドに対して供給されるインクを貯溜
するためのインク貯溜部を含むインクジェットペン、及
びかかるインクジェットヘッドが装着されるインクジェ
ット装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様は、
抵抗体層と該抵抗体層に接続された一対の電極層とを含
み、前記一対の電極層の間に位置する前記抵抗体層がイ
ンクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
る発熱部となる電気熱変換体と、該電気熱変換体がその
上に設けられた基板と、を含むインクジェットヘッド用
基体であって、前記一対の電極層の一方の電極層が前記
発熱部の下側を通り、前記発熱部の下側に位置する電極
層が複数の層からなる積層構造を有し、該複数の層の内
の少なくとも前記発熱部に最も近い側の層は1気圧のも
とにおける融点が摂氏1500度以上である金属からな
ることを特徴とするインクジェットヘッド用基体であ
る。
【0015】本発明の他の態様は、抵抗体層と該抵抗体
層に接続された一対の電極層とを含み、前記一対の電極
層の間に位置する前記抵抗体層がインクを吐出するため
に利用される熱エネルギーを発生する発熱部となる電気
熱変換体と、該電気熱変換体がその上に設けられた基板
と、を含むインクジェットヘッド用基体を有し、前記発
熱部に対応してインク路が配されており、インクを吐出
する吐出口が前記インク路に連通して設けられているイ
ンクジェットヘッドであって、前記一対の電極層の一方
の電極層が前記発熱部の下側を通り、前記発熱部の下側
に位置する電極層が複数の層からなる積層構造を有し、
該複数の層の内の少なくとも前記発熱部に最も近い側の
層は1気圧のもとにおける融点が摂氏1500度以上で
ある金属からなることを特徴とするインクジェットヘッ
ドである。
【0016】本発明の更に他の態様は、抵抗体層と該抵
抗体層に接続された一対の電極層とを含み、前記一対の
電極層の間に位置する前記抵抗体層がインクを吐出する
ために利用される熱エネルギーを発生する発熱部となる
電気熱変換体と、該電気熱変換体がその上に設けられた
基板と、を含むインクジェットヘッド用基体を有し、前
記発熱部に対応してインク路が配されており、インクを
吐出する吐出口が前記インク路に連通して設けられてい
るインクジェットヘッドと、前記インク路に供給される
インクを貯溜するためのインク貯溜部と、を有するイン
クジェットペンであって、前記一対の電極層の一方の電
極層が前記発熱部の下側を通り、前記発熱部の下側に位
置する電極層が複数の層からなる積層構造を有し、該複
数の層の内の少なくとも前記発熱部に最も近い側の層は
1気圧のもとにおける融点が摂氏1500度以上である
金属からなることを特徴とするインクジェットペンであ
る。
【0017】本発明の更に他の態様は、抵抗体層と該抵
抗体層に接続された一対の電極層とを含み、前記一対の
電極層の間に位置する前記抵抗体層がインクを吐出する
ために利用される熱エネルギーを発生する発熱部となる
電気熱変換体と、該電気熱変換体がその上に設けられた
基板と、を含むインクジェットヘッド用基体を有し、前
記発熱部に対応してインク路が配されており、インクを
吐出する吐出口が前記インク路に連通して設けられてい
るインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドを
装着するための装着手段と、を有するインクジェット装
置であって、前記一対の電極層の一方の電極層が前記発
熱部の下側を通り、前記発熱部の下側に位置する電極層
が複数の層からなる積層構造を有し、該複数の層の内の
少なくとも前記発熱部に最も近い側の層は1気圧のもと
における融点が摂氏1500度以上である金属からなる
ことを特徴とするインクジェット装置である。
【0018】
【実施例】本発明者らは、ヒーターの下側の電極を複数
の層からなる積層構造とし、少なくともその最上層を高
融点金属で形成することにより、上述した問題を解決で
きる、との知見を得た。本発明は、この知見に基づき、
本発明者らによる鋭意なる研究を経てなされたものであ
る。この知見とは、具体的には次の様なものである。す
なわち、ヒーターの発生する熱の影響を最も受けやすい
ヒーターの下側の電極を複数の層からなる積層構造と
し、各層を相補的に機能させる。複数の層の内の下側の
層は、電気伝導性の大きい通常の電極材料によって形成
する。これにより、電力ロスの少ない良好な電極を得る
ことができる。複数の層の内の少なくとも最上層は、高
融点金属で形成する。この層は、熱を拡散させてその影
響をやわらげ、それ自体は熱の影響を受けない層として
機能する。これにより、ヒロックの生成が防止或いは抑
制され、発泡面に凸部が形成されることも防止或いは抑
制される。
【0019】本発明に係る高融点金属層以外の電極部分
を構成する材料としては、当分野において電極材料とし
て通常用いられている材料をそのまま用いることが可能
であるが、1気圧のもとにおける融点が摂氏1500度
未満である金属が好ましい。例えば、Al、Cu、Al
−Si系合金、またはAl−Cu系合金等が好ましく、
中でもAlが総合的な特性において最適である。尚、本
明細書において「金属」は「金属元素」と「合金」とを
含む文言として用いるが、不純物を含まない純金属も不
純物を含んだものも包含する。
【0020】本発明に係る高融点金属としては、1気圧
のもとにおける融点が摂氏1500度以上である金属が
好ましく、摂氏2500度以上である金属が一層好まし
い。例えば、Ta、W、Cr、Ti、Mo、またはこれ
らの金属元素から選択された2またはそれ以上の金属元
素からなる合金、或いはこれらの金属元素から選択され
た金属元素を含有する合金等が好ましく、中でもTaが
最適である。
【0021】本発明においては、高融点金属層が圧縮応
力をもつように形成されていると、ヒーターの下側の電
極での応力集中が一層起きにくく、ヒロックの生成も一
層防止されるので、極めて好ましい。圧縮応力の値とし
ては、好ましくは1×107dyn/cm2以上1×10
12dyn/cm2以下、最適には1×109dyn/cm
2以上1×1010dyn/cm2以下である。
【0022】図1は本発明の一実施態様に係るインクジ
ェットヘッドの要部をヒーターの上方から切断して見た
模式的断面図である。図2Aは図1のインクジェットヘ
ッドの要部をA−A’線で切断した模式的断面図であ
り、図2Bは図1のインクジェットヘッドの要部をB−
B’線で切断した模式断面図である。
【0023】本実施態様に係るインクジェットヘッドに
は、複数の吐出口1101が設けられている。吐出口1
101からインクを吐出するために利用されるエネルギ
ーを発生する電気熱変換体の発熱部(ヒーター)110
2が、各吐出口に連通するインク路1108毎に設けら
れている。電気熱変換体は、発熱部1102を含む抵抗
体層1103と該抵抗体層に電気エネルギーを供給する
ための電極とを含有する。電極は、個別電極層1110
aと接続用電極層1110dと共通電極層とを含有す
る。共通電極層は、上部電極層1110cと下部電極層
1110bとを含む複数層構造を有し、個別には分離さ
れずにベタ状に設けられている。
【0024】基板103上には、下部絶縁層1111を
介して複数層構造を有する上述の共通電極層が形成され
ている。共通電極層の上に設けられた上部絶縁層111
2の所定の部分には、スルーホール1105がパターニ
ングされて形成されている。上部絶縁層1112上に
は、抵抗体層1103と個別電極層1110aと接続用
電極層1110dとがパターニングされて形成されてい
る。接続用電極層1110dは、スルーホール1105
において抵抗体層1103を介して共通電極層に接続さ
れている。
【0025】抵抗体層1103、個別電極層1110a
及び接続用電極層1110dを、下部保護層1113及
び上部保護層1114が被覆している。本実施態様に係
るインクジェットヘッド用基体104は、基板103と
その上に形成される上述した種々の薄層とを含むもので
ある。
【0026】各インク路1108は路壁部材1109に
よって仕切られている。吐出口1101とは反対側のイ
ンク路1108の端部は、共通インク室1106と連通
している。この共通インク室1106には、インクを貯
溜するためのインクタンクから供給されるインクが一時
的に貯溜される。共通インク室1106に供給されたイ
ンクは各インク路1108に導かれ、吐出口1101に
おいてメニスカスを形成して保持される。電気熱変換体
を選択的に駆動して発熱させることにより、インクに膜
沸騰が起こって気泡が発生する。この気泡の成長に応じ
てインクが吐出口1101から吐出される。
【0027】本実施態様に係るインクジェットヘッドに
おいては、共通電極層を構成する複数層の内、上部電極
層1110cが高融点金属で形成されている。この様な
インクジェットヘッド用基体の構成によれば、発熱部1
102の発生する熱の影響を最も受けやすい発熱部11
02の下側の電極の少なくとも最上層(上部電極層11
10c)が高融点金属で形成されているので、該高融点
金属層が熱を拡散させてその影響をやわらげそれ自体は
影響を受けない層として機能する。従って、ヒロックの
生成を防止或いは抑制できる。これによれば、ヒロック
の生成が防止或いは抑制されるので、発泡面に凸部が形
成されることも防止或いは抑制できる。
【0028】しかも、電極のリターン部分を共通化して
広い導電層として設けるので、電極のリターン部分をヒ
ーター毎に個別に設ける場合に比べて電圧降下を抑制す
ることができるという利点もある。
【0029】本実施態様に係るインクジェットヘッド用
基体を製造するには、半導体の製造などに利用される成
膜技術を適宜用いることができる。単結晶シリコン等か
らなる基板103の上に例えば酸化シリコン、窒化シリ
コン等の無機材料を公知の成膜技術によって成膜して下
部絶縁層1111を形成するなどすることにより、基板
103上を絶縁性とする。次いで、下部電極層としてA
l等、更に上部電極層としてTa等の高融点金属を、例
えば連続スパッタリングによって順次成膜することによ
り、複数層構造を有する共通電極層の材料層を形成す
る。この際、連続スパッタリングのアルゴン圧を調節す
ること等により、高融点金属層が圧縮応力をもつ様に形
成するのが好ましい。次に、例えばドライエッチング等
により共通電極層の材料層を複数層同時にパターニング
して共通電極層を形成する。図1では、このパターンは
広めのベタ状としてある。上部絶縁層1112の形成工
程以後のインクジェット用基体の製造方法は、同様に公
知の成膜技術を用いて行えばよい。
【0030】図5Aは本発明の他の実施態様に係るイン
クジェットヘッドの要部を図1と同じ方向から見た模式
的断面図であり、図5Bは図2Aと同じ方向から見た模
式断面図である。
【0031】本実施態様が先の実施態様と異なる点は、
上部絶縁層1112の下側に設けられる電極をベタ状の
導電層とせず、それぞれの発熱部1102に対応して個
別に分離独立した電極としたことである。この電極も上
部電極層1110fと下部電極層1110eとを含む複
数層構造を有し、上部電極層1110fが高融点金属か
ら形成されている。この様なインクジェットヘッド用基
体の構成によれば、発熱部1102の発生する熱の影響
を最も受けやすい発熱部1102の下側の電極の少なく
とも最上層(上部電極層1110f)が高融点金属で形
成されているので、該高融点金属層が熱を拡散させてそ
の影響をやわらげそれ自体は影響を受けない層として機
能する。従って、ヒロックの生成を防止或いは抑制でき
る。これによれば、ヒロックの生成が防止或いは抑制さ
れるので、発泡面に凸部が形成されることも防止或いは
抑制できる。
【0032】しかも、本実施態様に係るインクジェット
ヘッドにおいては、下側の電極が各々独立しているの
で、発熱部1102の発生した熱が下側の電極を介して
隣接する発熱部に及んで悪影響が生じることがない。ま
た、下側の電極を介して熱が拡散することによるエネル
ギー損失も抑制される、という効果も奏する。
【0033】本実施態様に係るインクジェットヘッド用
基体を製造するには、電極層の材料層をパターニングす
る際に個別に分離独立した形状になる様に先の実施態様
のものとパターンを変えて行えばよい。
【0034】図6Aは本発明の一実施態様に係るインク
ジェットヘッドを示す模式的斜視図である。図6Bは図
6Aに示したインクジェットヘッドをC−C’線で切断
した模式的断面図である。尚、図6Aに示したインクジ
ェットヘッドをD−D’線で切断した模式的断面図の要
部が図1に相当する。
【0035】インクジェットヘッド12は、インクジェ
ットヘッド用基体104に対して樹脂からなる天板10
5をばねなどの弾性部材を用いて加圧接合することによ
って形成されている。天板105は、吐出口1101が
設けられた吐出口プレート1104と路壁部材1109
とが一体的に形成されたものである。天板105の内部
には共通インク室1106が設けられている。共通イン
ク室1106には、インクを貯溜するためのインクタン
クから供給口107を介してインクが供給される。共通
インク室1106に供給されたインクは各インク路11
08に導かれ、吐出口1101においてメニスカスを形
成して保持される。電気熱変換体を選択的に駆動して発
熱させることにより、インクに膜沸騰を含む状態変化が
起こって気泡が発生する。この気泡の成長に応じてイン
クが吐出口1101から吐出される。
【0036】図7は図6A及び図6Bに示したインクジ
ェットヘッドを組み込んだカートリッジ形態のインクジ
ェットペンが装着されたインクジェット装置15の要部
を示す模式的斜視図である。
【0037】駆動モータ264の正逆回転に連動して駆
動力伝達ギア262,260を介してリードスクリュー
256が回転する。リードスクリュー256の螺旋溝2
55に対して係合するピン(不図示)がキャリッジ16
に設けられているので、リードスクリュー256の回転
に応じてキャリッジ16は矢印a,b方向に往復移動さ
れる。253は紙押え板であり、キャリッジ16の移動
方向にわたって紙272をプラテン251に対して押圧
する。258,259はフォトカプラであり、キャリッ
ジ16のレバー257のこの域での存在を確認してモー
タ264の回転方向の切換等を行うためのホームポジシ
ョン検知手段となっている。11はインクタンクが一体
的に設けられたカートリッジタイプのインクジェットペ
ンである。265はインクジェットペンのインク吐出口
をキャッピングするキャップであり、このキャップ26
5は支持部材270によって支持されている。273は
キャップ265を介してインク吐出口から吸引を行うた
めの吸引手段であり、キャップ265の開口271を介
してヘッドの吸引回復処理を行う。266はインク吐出
口が設けられた面をクリーニングするためのブレードで
あり、268はブレード266を前後方向に移動するた
めの部材である。これらは本体支持板267に支持され
ている。
【0038】
【実施例1】図1、図2A及び図2Bに示されたインク
ジェットヘッド用基体を次の様にして複数製造した。単
結晶シリコンからなる基板103上に酸化シリコンから
なる1.5μm厚の下部絶縁層1111を熱酸化によっ
て形成した。その上に連続スパッタリングによって55
00Å厚のAl層を、次いで2000Å厚のTa層を、
Ta層の圧縮応力が5×109dyn/cm2となる様に
スパッタ時のアルゴン圧を1.8Paに調整しつつ形成
した。Al層とTa層をBCl3(46%),Cl2(3
6%)及びN2(18%)の混合ガスを用いてドライエ
ッチングにより同時にパターニングすることにより、図
2A及び図2Bに示される様なAlからなる下部電極層
1110bとその上のTaからなる上部電極層1110
cとを得た。次いで、プラズマCVD法によって酸化シ
リコンからなる1.4μm厚の上部絶縁層1112を形
成した。フッ化アンモニウムを用いてエッチングを行
い、コンタクト用のスルーホール1105を形成した。
スパッタリングによって600Å厚の窒化タンタル層を
形成し、これをエッチングによってパターニングして図
1に示される形状の抵抗体層1103を得た。その上に
スパッタリングによって5500Å厚の純Al層を形成
し、これをエッチングによってパターニングして図1に
示される形状の個別電極1110aと接続用電極111
0dとを得た。更に、プラズマCVD法によって酸化シ
リコンからなる1.0μm厚の下部保護層を形成した。
その上にスパッタリングによってTaからなる2300
Å厚の上部保護層1114を形成した。この様にして複
数製造された本実施例に係るインクジェットヘッド用基
体104に対してポリサルホンからなる天板105を不
図示のばねを用いて加圧接合することにより、図6A及
び図6Bに示される様な本実施例に係るインクジェット
ヘッド12を複数得た。このインクジェットヘッド12
の吐出口1101の配設密度は16個/mm、吐出口1
101の数は128個とした。
【0039】
【実施例2】上部電極層の材料をWに変更する以外は実
施例1と同様に製造することにより、図1、図2A及び
図2Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、連続スパッタリングによって550
0Å厚のAl層を、次いで2000Å厚のW層を、W層
の圧縮応力が5×109dyn/cm2となる様にスパッ
タ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様に調整しつつ形成
した。Al層とW層を実施例1と同様にしてドライエッ
チングにより同時にパターニングすることにより、図2
A及び図2Bに示される様なAlからなる下部電極層1
110bとその上のWからなる上部電極層1110cと
を得た。この様にして複数製造された本実施例に係るイ
ンクジェットヘッド用基体104に対してポリサルホン
からなる天板105を不図示のばねを用いて加圧接合す
ることにより、図6A及び図6Bに示される様な本実施
例に係るインクジェットヘッド12を複数得た。このイ
ンクジェットヘッド12の吐出口1101の配設密度は
16個/mm、吐出口1101の数は128個とした。
【0040】
【実施例3】上部電極層の材料をCrに変更する以外は
実施例1と同様に製造することにより、図1、図2A及
び図2Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数
製造した。すなわち、連続スパッタリングによって55
00Å厚のAl層を、次いで2000Å厚のCr層を、
Cr層の圧縮応力が5×109dyn/cm2となる様に
スパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様に調整しつ
つ形成した。Al層とCr層を実施例1と同様にしてド
ライエッチングにより同時にパターニングすることによ
り、図2A及び図2Bに示される様なAlからなる下部
電極層1110bとその上のCrからなる上部電極層1
110cとを得た。この様にして複数製造された本実施
例に係るインクジェットヘッド用基体104に対してポ
リサルホンからなる天板105を不図示のばねを用いて
加圧接合することにより、図6A及び図6Bに示される
様な本実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得
た。このインクジェットヘッド12の吐出口1101の
配設密度は16個/mm、吐出口1101の数は128
個とした。
【0041】
【実施例4】上部電極層の材料をTiに変更する以外は
実施例1と同様に製造することにより、図1、図2A及
び図2Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数
製造した。すなわち、連続スパッタリングによって55
00Å厚のAl層を、次いで2000Å厚のTi層を、
Ti層の圧縮応力が5×109dyn/cm2となる様に
スパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様に調整しつ
つ形成した。Al層とTi層を実施例1と同様にしてド
ライエッチングにより同時にパターニングすることによ
り、図2A及び図2Bに示される様なAlからなる下部
電極層1110bとその上のTiからなる上部電極層1
110cとを得た。この様にして複数製造された本実施
例に係るインクジェットヘッド用基体104に対してポ
リサルホンからなる天板105を不図示のばねを用いて
加圧接合することにより、図6A及び図6Bに示される
様な本実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得
た。このインクジェットヘッド12の吐出口1101の
配設密度は16個/mm、吐出口1101の数は128
個とした。
【0042】
【実施例5】上部電極層の材料をMoに変更する以外は
実施例1と同様に製造することにより、図1、図2A及
び図2Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数
製造した。すなわち、連続スパッタリングによって55
00Å厚のAl層を、次いで2000Å厚のMo層を、
Mo層の圧縮応力が5×109dyn/cm2となる様に
スパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様に調整しつ
つ形成した。Al層とMo層を実施例1と同様にしてド
ライエッチングにより同時にパターニングすることによ
り、図2A及び図2Bに示される様なAlからなる下部
電極層1110bとその上のMoからなる上部電極層1
110cとを得た。この様にして複数製造された本実施
例に係るインクジェットヘッド用基体104に対してポ
リサルホンからなる天板105を不図示のばねを用いて
加圧接合することにより、図6A及び図6Bに示される
様な本実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得
た。このインクジェットヘッド12の吐出口1101の
配設密度は16個/mm、吐出口1101の数は128
個とした。
【0043】
【実施例6】上部電極層の材料をTiとMoとからなる
合金に変更する以外は実施例1と同様に製造することに
より、図1、図2A及び図2Bに示されたインクジェッ
トヘッド用基体を複数製造した。すなわち、連続スパッ
タリングによって5500Å厚のAl層を、次いで20
00Å厚のTi−Mo(Moが5%、残部がTi)層
を、Ti−Mo層の圧縮応力が5×109dyn/cm2
となる様にスパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様
に調整しつつ形成した。Al層とTi−Mo層を実施例
1と同様にしてドライエッチングにより同時にパターニ
ングすることにより、図2A及び図2Bに示される様な
Alからなる下部電極層1110bとその上のTi−M
oからなる上部電極層1110cとを得た。この様にし
て複数製造された本実施例に係るインクジェットヘッド
用基体104に対してポリサルホンからなる天板105
を不図示のばねを用いて加圧接合することにより、図6
A及び図6Bに示される様な本実施例に係るインクジェ
ットヘッド12を複数得た。このインクジェットヘッド
12の吐出口1101の配設密度は16個/mm、吐出
口1101の数は128個とした。
【0044】
【実施例7】上部電極層の材料をTiとCrとからなる
合金に変更する以外は実施例1と同様に製造することに
より、図1、図2A及び図2Bに示されたインクジェッ
トヘッド用基体を複数製造した。すなわち、連続スパッ
タリングによって5500Å厚のAl層を、次いで20
00Å厚のTi−Cr(Crが5%、残部がTi)層
を、Ti−Cr層の圧縮応力が5×109dyn/cm2
となる様にスパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様
に調整しつつ形成した。Al層とTi−Cr層を実施例
1と同様にしてドライエッチングにより同時にパターニ
ングすることにより、図2A及び図2Bに示される様な
Alからなる下部電極層1110bとその上のTi−C
rからなる上部電極層1110cとを得た。この様にし
て複数製造された本実施例に係るインクジェットヘッド
用基体104に対してポリサルホンからなる天板105
を不図示のばねを用いて加圧接合することにより、図6
A及び図6Bに示される様な本実施例に係るインクジェ
ットヘッド12を複数得た。このインクジェットヘッド
12の吐出口1101の配設密度は16個/mm、吐出
口1101の数は128個とした。
【0045】
【実施例8】上部電極層の材料をTiとAlとからなる
合金に変更する以外は実施例1と同様に製造することに
より、図1、図2A及び図2Bに示されたインクジェッ
トヘッド用基体を複数製造した。すなわち、連続スパッ
タリングによって5500Å厚のAl層を、次いで20
00Å厚のTi−Al(Alが5%、残部がTi)層
を、Ti−Al層の圧縮応力が5×109dyn/cm2
となる様にスパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様
に調整しつつ形成した。Al層とTi−Al層を実施例
1と同様にしてドライエッチングにより同時にパターニ
ングすることにより、図2A及び図2Bに示される様な
Alからなる下部電極層1110bとその上のTi−A
lからなる上部電極層1110cとを得た。この様にし
て複数製造された本実施例に係るインクジェットヘッド
用基体104に対してポリサルホンからなる天板105
を不図示のばねを用いて加圧接合することにより、図6
A及び図6Bに示される様な本実施例に係るインクジェ
ットヘッド12を複数得た。このインクジェットヘッド
12の吐出口1101の配設密度は16個/mm、吐出
口1101の数は128個とした。尚、本実施例におい
ては、上部電極層の材料と下部電極層の材料とがAlと
いう元素において共通しているので、電極層同士の密着
性が一層大きいことから強度的に一層優れたインクジェ
ットヘッド用基体を得ることができた。
【0046】
【実施例9】下部電極層の材料をCuに変更する以外は
実施例1と同様に製造することにより、図1、図2A及
び図2Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数
製造した。すなわち、連続スパッタリングによって55
00Å厚のCu層を、次いで2000Å厚のTa層を、
Ta層の圧縮応力が5×109dyn/cm2となる様に
スパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様に調整しつ
つ形成した。Cu層とTa層を実施例1と同様にしてド
ライエッチングにより同時にパターニングすることによ
り、図2A及び図2Bに示される様なCuからなる下部
電極層1110bとその上のTaからなる上部電極層1
110cとを得た。この様にして複数製造された本実施
例に係るインクジェットヘッド用基体104に対してポ
リサルホンからなる天板105を不図示のばねを用いて
加圧接合することにより、図6A及び図6Bに示される
様な本実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得
た。このインクジェットヘッド12の吐出口1101の
配設密度は16個/mm、吐出口1101の数は128
個とした。
【0047】
【実施例10】下部電極層の材料をAlとSiとからな
る合金に変更する以外は実施例1と同様に製造すること
により、図1、図2A及び図2Bに示されたインクジェ
ットヘッド用基体を複数製造した。すなわち、連続スパ
ッタリングによって5500Å厚のAl−Si(Siが
10%、残部がAl)層を、次いで2000Å厚のTa
層を、Ta層の圧縮応力が5×109dyn/cm2とな
る様にスパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様に調
整しつつ形成した。Al−Si層とTa層を実施例1と
同様にしてドライエッチングにより同時にパターニング
することにより、図2A及び図2Bに示される様なAl
−Siからなる下部電極層1110bとその上のTaか
らなる上部電極層1110cとを得た。この様にして複
数製造された本実施例に係るインクジェットヘッド用基
体104に対してポリサルホンからなる天板105を不
図示のばねを用いて加圧接合することにより、図6A及
び図6Bに示される様な本実施例に係るインクジェット
ヘッド12を複数得た。このインクジェットヘッド12
の吐出口1101の配設密度は16個/mm、吐出口1
101の数は128個とした。
【0048】
【実施例11】下部電極層の材料をAlとCuとからな
る合金に変更する以外は実施例1と同様に製造すること
により、図1、図2A及び図2Bに示されたインクジェ
ットヘッド用基体を複数製造した。すなわち、連続スパ
ッタリングによって5500Å厚のAl−Cu(Cuが
5%、残部がAl)層を、次いで2000Å厚のTa層
を、Ta層の圧縮応力が5×109dyn/cm2となる
様にスパッタ時のアルゴン圧を実施例1と同じ様に調整
しつつ形成した。Al−Cu層とTa層を実施例1と同
様にしてドライエッチングにより同時にパターニングす
ることにより、図2A及び図2Bに示される様なAl−
Cuからなる下部電極層1110bとその上のTaから
なる上部電極層1110cとを得た。この様にして複数
製造された本実施例に係るインクジェットヘッド用基体
104に対してポリサルホンからなる天板105を不図
示のばねを用いて加圧接合することにより、図6A及び
図6Bに示される様な本実施例に係るインクジェットヘ
ッド12を複数得た。このインクジェットヘッド12の
吐出口1101の配設密度は16個/mm、吐出口11
01の数は128個とした。
【0049】
【実施例12】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例1と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とTa層をドライエッチング
する際のパターンを実施例1とは変更してパターニング
を行うことにより、図5A及び図5Bに示される様に個
別に分離独立したAlからなる下部電極層1110eと
その上のTaからなる上部電極層1110fとを得た。
この様にして複数製造された本実施例に係るインクジェ
ットヘッド用基体104に対してポリサルホンからなる
天板105を不図示のばねを用いて加圧接合することに
より、図6A及び図6Bに示される様な本実施例に係る
インクジェットヘッド12を複数得た。このインクジェ
ットヘッド12の吐出口1101の配設密度は16個/
mm、吐出口1101の数は128個とした。
【0050】
【実施例13】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例2と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とW層をドライエッチングす
る際のパターンを実施例2とは変更してパターニングを
行うことにより、図5A及び図5Bに示される様に個別
に分離独立したAlからなる下部電極層1110eとそ
の上のWからなる上部電極層1110fとを得た。この
様にして複数製造された本実施例に係るインクジェット
ヘッド用基体104に対してポリサルホンからなる天板
105を不図示のばねを用いて加圧接合することによ
り、図6A及び図6Bに示される様な本実施例に係るイ
ンクジェットヘッド12を複数得た。このインクジェッ
トヘッド12の吐出口1101の配設密度は16個/m
m、吐出口1101の数は128個とした。
【0051】
【実施例14】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例3と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とCr層をドライエッチング
する際のパターンを実施例3とは変更してパターニング
を行うことにより、図5A及び図5Bに示される様に個
別に分離独立したAlからなる下部電極層1110eと
その上のCrからなる上部電極層1110fとを得た。
この様にして複数製造された本実施例に係るインクジェ
ットヘッド用基体104に対してポリサルホンからなる
天板105を不図示のばねを用いて加圧接合することに
より、図6A及び図6Bに示される様な本実施例に係る
インクジェットヘッド12を複数得た。このインクジェ
ットヘッド12の吐出口1101の配設密度は16個/
mm、吐出口1101の数は128個とした。
【0052】
【実施例15】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例4と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とTi層をドライエッチング
する際のパターンを実施例4とは変更してパターニング
を行うことにより、図5A及び図5Bに示される様に個
別に分離独立したAlからなる下部電極層1110eと
その上のTiからなる上部電極層1110fとを得た。
この様にして複数製造された本実施例に係るインクジェ
ットヘッド用基体104に対してポリサルホンからなる
天板105を不図示のばねを用いて加圧接合することに
より、図6A及び図6Bに示される様な本実施例に係る
インクジェットヘッド12を複数得た。このインクジェ
ットヘッド12の吐出口1101の配設密度は16個/
mm、吐出口1101の数は128個とした。
【0053】
【実施例16】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例5と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とMo層をドライエッチング
する際のパターンを実施例5とは変更してパターニング
を行うことにより、図5A及び図5Bに示される様に個
別に分離独立したAlからなる下部電極層1110eと
その上のMoからなる上部電極層1110fとを得た。
この様にして複数製造された本実施例に係るインクジェ
ットヘッド用基体104に対してポリサルホンからなる
天板105を不図示のばねを用いて加圧接合することに
より、図6A及び図6Bに示される様な本実施例に係る
インクジェットヘッド12を複数得た。このインクジェ
ットヘッド12の吐出口1101の配設密度は16個/
mm、吐出口1101の数は128個とした。
【0054】
【実施例17】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例6と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とTi−Mo層をドライエッ
チングする際のパターンを実施例6とは変更してパター
ニングを行うことにより、図5A及び図5Bに示される
様に個別に分離独立したAlからなる下部電極層111
0eとその上のTi−Moからなる上部電極層1110
fとを得た。この様にして複数製造された本実施例に係
るインクジェットヘッド用基体104に対してポリサル
ホンからなる天板105を不図示のばねを用いて加圧接
合することにより、図6A及び図6Bに示される様な本
実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得た。こ
のインクジェットヘッド12の吐出口1101の配設密
度は16個/mm、吐出口1101の数は128個とし
た。
【0055】
【実施例18】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例7と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とTi−Cr層をドライエッ
チングする際のパターンを実施例7とは変更してパター
ニングを行うことにより、図5A及び図5Bに示される
様に個別に分離独立したAlからなる下部電極層111
0eとその上のTi−Crからなる上部電極層1110
fとを得た。この様にして複数製造された本実施例に係
るインクジェットヘッド用基体104に対してポリサル
ホンからなる天板105を不図示のばねを用いて加圧接
合することにより、図6A及び図6Bに示される様な本
実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得た。こ
のインクジェットヘッド12の吐出口1101の配設密
度は16個/mm、吐出口1101の数は128個とし
た。
【0056】
【実施例19】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例8と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Al層とTi−Al層をドライエッ
チングする際のパターンを実施例8とは変更してパター
ニングを行うことにより、図5A及び図5Bに示される
様に個別に分離独立したAlからなる下部電極層111
0eとその上のTi−Alからなる上部電極層1110
fとを得た。この様にして複数製造された本実施例に係
るインクジェットヘッド用基体104に対してポリサル
ホンからなる天板105を不図示のばねを用いて加圧接
合することにより、図6A及び図6Bに示される様な本
実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得た。こ
のインクジェットヘッド12の吐出口1101の配設密
度は16個/mm、吐出口1101の数は128個とし
た。
【0057】
【実施例20】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例9と同様に製造することにより、図5A及び
図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数製
造した。すなわち、Cu層とTa層をドライエッチング
する際のパターンを実施例9とは変更してパターニング
を行うことにより、図5A及び図5Bに示される様に個
別に分離独立したCuからなる下部電極層1110eと
その上のTaからなる上部電極層1110fとを得た。
この様にして複数製造された本実施例に係るインクジェ
ットヘッド用基体104に対してポリサルホンからなる
天板105を不図示のばねを用いて加圧接合することに
より、図6A及び図6Bに示される様な本実施例に係る
インクジェットヘッド12を複数得た。このインクジェ
ットヘッド12の吐出口1101の配設密度は16個/
mm、吐出口1101の数は128個とした。
【0058】
【実施例21】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例10と同様に製造することにより、図5A及
び図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数
製造した。すなわち、Al−Si層とTa層をドライエ
ッチングする際のパターンを実施例10とは変更してパ
ターニングを行うことにより、図5A及び図5Bに示さ
れる様に個別に分離独立したAl−Siからなる下部電
極層1110eとその上のTaからなる上部電極層11
10fとを得た。この様にして複数製造された本実施例
に係るインクジェットヘッド用基体104に対してポリ
サルホンからなる天板105を不図示のばねを用いて加
圧接合することにより、図6A及び図6Bに示される様
な本実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得
た。このインクジェットヘッド12の吐出口1101の
配設密度は16個/mm、吐出口1101の数は128
個とした。
【0059】
【実施例22】下部電極材料層及び上部電極材料層のエ
ッチングによるパターニング工程を次の様に変更する以
外は実施例11と同様に製造することにより、図5A及
び図5Bに示されたインクジェットヘッド用基体を複数
製造した。すなわち、Al−Cu層とTa層をドライエ
ッチングする際のパターンを実施例11とは変更してパ
ターニングを行うことにより、図5A及び図5Bに示さ
れる様に個別に分離独立したAl−Cuからなる下部電
極層1110eとその上のTaからなる上部電極層11
10fとを得た。この様にして複数製造された本実施例
に係るインクジェットヘッド用基体104に対してポリ
サルホンからなる天板105を不図示のばねを用いて加
圧接合することにより、図6A及び図6Bに示される様
な本実施例に係るインクジェットヘッド12を複数得
た。このインクジェットヘッド12の吐出口1101の
配設密度は16個/mm、吐出口1101の数は128
個とした。
【0060】
【比較例】下部電極層及び上部電極層を形成する工程を
次の様に変更する以外は実施例1と同様に製造すること
により、図3A及び図3Bに示されたインクジェットヘ
ッド用基体を複数製造した。すなわち、スパッタリング
によって7500Å厚の純Al層を形成し、Al層を実
施例1と同じガスを用いてドライエッチングによりパタ
ーニングすることにより、Alからなる単層構造の電極
層1110gを得た。この様にして複数製造された本比
較例に係るインクジェットヘッド用基体104に対して
ポリサルホンからなる天板105を不図示のばねを用い
て加圧接合することにより、図6A及び図6Bに示され
る様な本比較例に係るインクジェットヘッド12を複数
得た。このインクジェットヘッド12の吐出口1101
の配設密度は16個/mm、吐出口1101の数は12
8個とした。
【0061】
【評価】実施例1及び比較例に係るインクジェットヘッ
ド12をインクジェットペン11の中にそれぞれ組み込
んだ上、図7に示されたインクジェット装置15にそれ
ぞれ装着してインク吐出を行わせることで吐出耐久試験
を行った。
【0062】図4は実施例1に係るインクジェットヘッ
ドと背景技術に属する比較例に係るインクジェットヘッ
ドとの吐出耐久性能を比較したグラフである。図4のグ
ラフにおいて、縦軸は付与された吐出パルスの数を表わ
し、横軸は投入エネルギー量を駆動電圧(Vop)/発
泡開始電圧(Vth)で表わしている。すなわち、この
グラフは、横軸に示された投入エネルギー量に応じて、
縦軸に示された吐出パルスの数がいくつで発熱体のいず
れかが破断に至ったか、を示している。図4のグラフに
示したデータとしては、実施例1及び比較例について各
々10個ずつのインクジェットヘッドを試験し、それら
の平均値を用いた。吐出パルスの幅については5μsで
試験した。
【0063】図4に示されている様に、実施例1に係る
インクジェットヘッドは、比較例に係るインクジェット
ヘッドに比べて約4倍の耐久性を有することが判明し
た。
【0064】また、付与された吐出パルスの数が同じ時
点で、実施例1に係るインクジェットヘッドと比較例に
係るインクジェットヘッドとをそれぞれ分解して発泡面
の状況を観察してみたところ、実施例1に係るインクジ
ェットヘッドの方が比較例に係るインクジェットヘッド
に比べて発泡面の凸部がほとんどないに等しいくらいに
低減されていた。
【0065】更に、実施例1以外の実施例に係るインク
ジェットヘッドに関しても同様の比較試験をそれぞれ行
ったところ、各実施例について実施例1と同様な優れた
結果が得られることを確認できた。
【0066】
【発明の効果】本発明では、ヒーターの発生する熱の影
響を最も受けやすいヒーターの下側の電極を複数の層か
らなる積層構造とし、各層を相補的に機能させる。複数
の層の内の下側の層は、電気伝導性の大きい通常の電極
材料によって形成する。これにより、電力ロスの少ない
良好な電極を得ることができる。複数の層の内の少なく
とも最上層は、高融点金属で形成する。この層は、熱を
拡散させてその影響をやわらげ、それ自体は熱の影響を
受けない層として機能する。これにより、ヒロックの生
成が防止或いは抑制され、発泡面に凸部が形成されるこ
とも防止或いは抑制される。
【0067】この様な本発明によれば、故障率が少なく
寿命の長いインクジェットヘッドを構成するための基体
と該基体を用いて構成されたインクジェットヘッドとを
提供することができる。また、良好なインク吐出を長期
間にわたって行うことのできるインクジェットヘッドを
構成するための基体と該基体を用いて構成されたインク
ジェットヘッドとを提供することができる。更に、複数
の吐出口が高密度に配設され、高精細な画像を高速で記
録することのできるインクジェットヘッドを構成するた
めの基体と該基体を用いて構成されたインクジェットヘ
ッドとを提供することができる。更に、基板のスペース
が節約され小型化されたインクジェットヘッドを構成す
るための基体と該基体を用いて構成されたインクジェッ
トヘッドとを提供することができる。更に、単結晶シリ
コン等の比較的高価な材料で作られる基板のスペースが
節約されることによって低価格化されたインクジェット
ヘッドを構成するための基体と該基体を用いて構成され
たインクジェットヘッドとを提供することができる。加
えて、上述した優れたインクジェットヘッドに対して供
給されるインクを貯溜するためのインク貯溜部を含むイ
ンクジェットペン、及びかかるインクジェットヘッドが
装着されるインクジェット装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様に係るインクジェッ
トヘッドの要部をヒーターの上方から切断して見た模式
的断面図である。
【図2】図2Aは図1のインクジェットヘッドの要部を
A−A’線で切断した模式的断面図であり、図2Bは図
1のインクジェットヘッドの要部をB−B’線で切断し
た模式断面図である。
【図3】図3Aは背景技術に係るインクジェットヘッド
の要部を図2Aと同じ方向から見た模式的断面図であ
り、図3Bは図2Bと同じ方向から見た模式的断面図で
ある。
【図4】実施例1に係るインクジェットヘッドと背景技
術に属するインクジェットヘッドとの吐出耐久性能を比
較したグラフである。
【図5】図5Aは本発明の他の実施態様に係るインクジ
ェットヘッドの要部を図2Aと同じ方向から見た模式的
断面図であり、図5Bは図2Bと同じ方向から見た模式
断面図である。
【図6】図6Aは本発明の一実施態様に係るインクジェ
ットヘッドを示す模式的斜視図である。図6Bは図6A
に示したインクジェットヘッドをC−C’線で切断した
模式的断面図である。
【図7】図6A及び図6Bに示したインクジェットヘッ
ドを組み込んだカートリッジ形態のインクジェットペン
が装着されたインクジェット装置の要部を示す模式的斜
視図である。
【符号の説明】
11 インクジェットペン 12 インクジェットヘッド 15 インクジェット装置 16 キャリッジ 103 基板 104 インクジェットヘッド用基体 105 天板 1101 吐出口 1102 発熱部 1103 抵抗体層 1104 オリフィスプレート 1111 下部絶縁層 1112 上部絶縁層 1113 下部保護膜 1114 上部保護膜 1116 発泡面 1110a 個別電極層 1110b 下部電極層 1110c 上部電極層

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗体層と該抵抗体層に接続された一対
    の電極層とを含み、前記一対の電極層の間に位置する前
    記抵抗体層がインクを吐出するために利用される熱エネ
    ルギーを発生する発熱部となる電気熱変換体と、該電気
    熱変換体がその上に設けられた基板と、を含むインクジ
    ェットヘッド用基体であって、 前記一対の電極層の一方の電極層が前記発熱部の下側を
    通り、前記発熱部の下側に位置する電極層が複数の層か
    らなる積層構造を有し、該複数の層の内の少なくとも前
    記発熱部に最も近い側の層は1気圧のもとにおける融点
    が摂氏1500度以上である金属からなることを特徴と
    するインクジェットヘッド用基体。
  2. 【請求項2】 前記金属は1気圧のもとにおける融点が
    摂氏2500度以上である請求項1に記載のインクジェ
    ットヘッド用基体。
  3. 【請求項3】 前記金属はTa、W、Cr、Ti、M
    o、またはこれらの金属元素から選択された2またはそ
    れ以上の金属元素からなる合金である請求項1に記載の
    インクジェットヘッド用基体。
  4. 【請求項4】 前記金属はTa、W、Cr、Ti、及び
    Moから選択された金属元素を含有する合金である請求
    項1に記載のインクジェットヘッド用基体。
  5. 【請求項5】 前記発熱部に最も近い側の層は、圧縮応
    力をもつ様に形成されている請求項1に記載のインクジ
    ェットヘッド用基体。
  6. 【請求項6】 前記発熱部から遠い側の層は、1気圧の
    もとにおける融点が摂氏1500度未満である金属から
    なる請求項1に記載のインクジェットヘッド用基体。
  7. 【請求項7】 前記発熱部から遠い側の層は、Al、C
    u、Al−Si系合金、またはAl−Cu系合金である
    請求項1に記載のインクジェットヘッド用基体。
  8. 【請求項8】 前記抵抗体層と前記発熱部から遠い側の
    層との間には、絶縁層が設けられている請求項1に記載
    のインクジェットヘッド用基体。
  9. 【請求項9】 前記絶縁層は酸化シリコンまたは窒化シ
    リコンからなる請求項8に記載のインクジェットヘッド
    用基体。
  10. 【請求項10】 前記発熱部は複数設けられている請求
    項1に記載のインクジェットヘッド用基体。
  11. 【請求項11】 前記発熱部に最も近い側の層と前記発
    熱部から遠い側の層とは、同一のパターンに形成されて
    いる請求項1に記載のインクジェットヘッド用基体。
  12. 【請求項12】 前記複数の層は前記複数の発熱部に共
    通して設けられた共通電極である請求項10に記載のイ
    ンクジェットヘッド用基体。
  13. 【請求項13】 前記複数の層は前記複数の発熱部にそ
    れぞれ対応して分離され独立して設けられたものである
    請求項10に記載のインクジェットヘッド用基体。
  14. 【請求項14】 前記基板は少なくとも表面が絶縁性を
    有する請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  15. 【請求項15】 前記電気熱変換体の上に保護層が設け
    られている請求項1に記載のインクジェットヘッド用基
    体。
  16. 【請求項16】 抵抗体層と該抵抗体層に接続された一
    対の電極層とを含み、前記一対の電極層の間に位置する
    前記抵抗体層がインクを吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する発熱部となる電気熱変換体と、該電
    気熱変換体がその上に設けられた基板と、を含むインク
    ジェットヘッド用基体を有し、前記発熱部に対応してイ
    ンク路が配されており、インクを吐出する吐出口が前記
    インク路に連通して設けられているインクジェットヘッ
    ドであって、 前記一対の電極層の一方の電極層が前記発熱部の下側を
    通り、前記発熱部の下側に位置する電極層が複数の層か
    らなる積層構造を有し、該複数の層の内の少なくとも前
    記発熱部に最も近い側の層は1気圧のもとにおける融点
    が摂氏1500度以上である金属からなることを特徴と
    するインクジェットヘッド。
  17. 【請求項17】 前記金属は1気圧のもとにおける融点
    が摂氏2500度以上である請求項16に記載のインク
    ジェットヘッド。
  18. 【請求項18】 前記金属はTa、W、Cr、Ti、M
    o、またはこれらの金属元素から選択された2またはそ
    れ以上の金属元素からなる合金である請求項16に記載
    のインクジェットヘッド。
  19. 【請求項19】 前記金属はTa、W、Cr、Ti、及
    びMoから選択された金属元素を含有する合金である請
    求項16に記載のインクジェットヘッド。
  20. 【請求項20】 前記発熱部に最も近い側の層は、圧縮
    応力をもつ様に形成されている請求項16に記載のイン
    クジェットヘッド。
  21. 【請求項21】 前記発熱部から遠い側の層は、1気圧
    のもとにおける融点が摂氏1500度未満である金属か
    らなる請求項16に記載のインクジェットヘッド。
  22. 【請求項22】 前記発熱部から遠い側の層は、Al、
    Cu、Al−Si系合金、またはAl−Cu系合金であ
    る請求項16に記載のインクジェットヘッド。
  23. 【請求項23】 前記抵抗体層と前記発熱部から遠い側
    の層との間には、絶縁層が設けられている請求項16に
    記載のインクジェットヘッド。
  24. 【請求項24】 前記絶縁層は酸化シリコンまたは窒化
    シリコンからなる請求項23に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  25. 【請求項25】 前記吐出口は複数設けられ、前記発熱
    部は前記複数の吐出口にそれぞれ対応して複数設けられ
    ている請求項16に記載のインクジェットヘッド。
  26. 【請求項26】 前記発熱部に最も近い側の層と前記発
    熱部から遠い側の層とは、同一のパターンに形成されて
    いる請求項16に記載のインクジェットヘッド。
  27. 【請求項27】 前記複数の層は前記複数の発熱部に共
    通して設けられた共通電極である請求項25に記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  28. 【請求項28】 前記複数の層は前記複数の発熱部にそ
    れぞれ対応して分離され独立して設けられたものである
    請求項25に記載のインクジェットヘッド。
  29. 【請求項29】 前記電気熱変換体は少なくとも表面が
    絶縁性を有する基板の上に設けられたものである請求項
    16に記載のインクジェットヘッド。
  30. 【請求項30】 前記電気熱変換体の上に保護層が設け
    られている請求項16に記載のインクジェットヘッド。
  31. 【請求項31】 抵抗体層と該抵抗体層に接続された一
    対の電極層とを含み、前記一対の電極層の間に位置する
    前記抵抗体層がインクを吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する発熱部となる電気熱変換体と、該電
    気熱変換体がその上に設けられた基板と、を含むインク
    ジェットヘッド用基体を有し、前記発熱部に対応してイ
    ンク路が配されており、インクを吐出する吐出口が前記
    インク路に連通して設けられているインクジェットヘッ
    ドと、 前記インク路に供給されるインクを貯溜するためのイン
    ク貯溜部と、を有するインクジェットペンであって、 前記一対の電極層の一方の電極層が前記発熱部の下側を
    通り、前記発熱部の下側に位置する電極層が複数の層か
    らなる積層構造を有し、該複数の層の内の少なくとも前
    記発熱部に最も近い側の層は1気圧のもとにおける融点
    が摂氏1500度以上である金属からなることを特徴と
    するインクジェットペン。
  32. 【請求項32】 抵抗体層と該抵抗体層に接続された一
    対の電極層とを含み、前記一対の電極層の間に位置する
    前記抵抗体層がインクを吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する発熱部となる電気熱変換体と、該電
    気熱変換体がその上に設けられた基板と、を含むインク
    ジェットヘッド用基体を有し、前記発熱部に対応してイ
    ンク路が配されており、インクを吐出する吐出口が前記
    インク路に連通して設けられているインクジェットヘッ
    ドと、 該インクジェットヘッドを装着するための装着手段と、
    を有するインクジェット装置であって、 前記一対の電極層の一方の電極層が前記発熱部の下側を
    通り、前記発熱部の下側に位置する電極層が複数の層か
    らなる積層構造を有し、該複数の層の内の少なくとも前
    記発熱部に最も近い側の層は1気圧のもとにおける融点
    が摂氏1500度以上である金属からなることを特徴と
    するインクジェット装置。
JP9324395A 1994-03-29 1995-03-28 インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置 Expired - Lifetime JP3311198B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9324395A JP3311198B2 (ja) 1994-03-29 1995-03-28 インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-58534 1994-03-29
JP5853494 1994-03-29
JP9324395A JP3311198B2 (ja) 1994-03-29 1995-03-28 インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07314690A true JPH07314690A (ja) 1995-12-05
JP3311198B2 JP3311198B2 (ja) 2002-08-05

Family

ID=26399588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9324395A Expired - Lifetime JP3311198B2 (ja) 1994-03-29 1995-03-28 インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3311198B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3311198B2 (ja) 2002-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0156612B1 (ko) 잉크 제트 헤드용 기판, 잉크 제트 헤드, 잉크 제트 펜 및 잉크 제트 장치
JP2002113870A (ja) インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットヘッド用基体の製造方法、インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッドの使用方法およびインクジェット記録装置
US6474788B1 (en) Substrate for use of ink jet head, ink jet head, ink jet cartridge, and ink jet recording apparatus
JP3229472B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
JP3559701B2 (ja) インクジェット記録ヘッド用基板、該基板の製造方法及びインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP2016124118A (ja) 液体吐出装置
JP3618965B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド用基板およびその製造方法ならびに液体噴射記録装置
JPH1170658A (ja) 記録素子ユニット、インクジェット記録素子ユニット、インクジェットカートリッジ、及びインクジェット記録装置
JP4587417B2 (ja) 液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド、及び前記液体吐出ヘッドの駆動方法
JP3311198B2 (ja) インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置
KR20050067035A (ko) 잉크 제트 헤드, 잉크 제트 헤드의 구동 방법, 및 잉크제트 기록 장치
JP2002046278A (ja) インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド、およびインクジェット記録装置
JP4976890B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出ヘッドの駆動方法
KR20050067041A (ko) 잉크젯 헤드, 이를 구동하는 방법 및 잉크젯 기록 장치
JP2001341309A (ja) サーマルインクジェットヘッド
JPH1034971A (ja) インクジェット記録装置の液室内インク有無検出機構および同機構を搭載するインクジェット記録装置
JP3658221B2 (ja) インクジェット記録ヘッド、該ヘッド用基板及び該基板の製造方法
JPH10119284A (ja) インクジェット用基体、インクジェットヘッド、インクジェットペン、及びインクジェット装置
JP2004216889A (ja) 発熱抵抗体薄膜、これを用いたインクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド及びインクジェット装置
US6068369A (en) Ink jet head substrate, a method for manufacturing the substrate, an ink jet recording head having the substrate, and a method for manufacturing the head
JPH09187936A (ja) インクジェット記録ヘッド用基体、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
JP2005205892A (ja) インクジェットヘッド用の基体、インクジェットヘッド、該インクジェットヘッドの駆動方法およびインクジェット記録装置
JP2000177135A (ja) インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
JP2001287364A (ja) インクジェットヘッド用基体、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JPH10166584A (ja) インクジェットヘッドおよびその製造方法ならびにインクジェットカートリッジおよびインクジェット装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120524

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120524

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130524

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140524

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term