JP4976890B2 - 液体吐出装置および液体吐出ヘッドの駆動方法 - Google Patents

液体吐出装置および液体吐出ヘッドの駆動方法 Download PDF

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本発明は、熱エネルギーを利用して液室(発泡室)内の液体に気泡を生成し、その発泡現象を利用して液滴を被記録媒体に向けて吐出する液体吐出技術に関する。
液体吐出方式(インクジェット記録方式)の代表的なインク吐出方法には、大別して、ヒータ等の電気熱変換素子を用いる方法と、例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いる方法がある。電気熱変換素子を用いるインク吐出方式は、圧電素子を利用した方法に比べて、素子の設置にスペースを取らず、ノズルの集積化と記録ヘッドのコンパクト化の点で優位性をもつ。一方で、電気熱変換素子を用いた吐出方法の特有な問題としては、消泡時のキャビテーションによる電気熱変換素子への悪影響や、ヒータ保護膜の最表面に付着するインクコゲなどがある。これらは画像の劣化につながり、印字品位を低下させるものである。
このように、消泡時のキャビテーションによる悪影響を防止するため、あるいは高温に加熱されたインクからヒータを保護する目的で、ヒータを保護する耐キャビテーション膜が設けられている。耐キャビテーション膜としては、Taなどの金属が用いられてきたが、ヒータの長寿命化の観点から、より機械的強度があるものや、化学反応性が少ないものとして、金属や貴金属、及びそれらの合金などが検討されている(特許文献1)。
しかしながら、従来のTaなどの金属と比べて、このような機械的強度が高く化学反応性が小さい材料では、発泡時の膜削れ現象が生じにくいため、インク成分の有機物や無機物が変質したインクコゲが除去されにくく堆積しやすい。この堆積物が発泡不良を招き、吐出回数の増加とともに画像品位が低下するという問題が生じている。
特開2005−205891号公報
このように、耐キャビテーション膜によるヒータの長寿命化という観点からみれば、耐キャビテーション膜は、高い機械的強度を有するものであること、化学反応性が小さいものであることが望ましい。このような膜とすることで、キャビテーションによるヒータへの衝撃が緩和され、耐インク性も向上する。その一方で、膜の強度を高めると、膜削れが生じにくくなり、インクのコゲが堆積しやすく、吐出回数とともに発泡不良に陥る。このように、耐キャビテーション膜に機械的強度が高く化学反応性が小さい材料を用いることは、トレードオフの関係にあるといえる。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものである。その目的は、耐キャビテーション膜としてコゲ付きの比較的生じやすい材料を用いた場合であっても、コゲ付きによる問題の発生が生じにくく、ヒータの吐出耐久性を向上させることができる液体吐出装置および液体吐出ヘッドの駆動方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の液体吐出装置は、液体を吐出するエネルギーを発生する第1のヒータと、液体を吐出するエネルギーを発生する第2のヒータと、を備えた面を有する素子基板と、
第1のヒータと第2のヒータとの上に設けられた金属、貴金属、およびこれらの合金のいずれかを含む耐キャビテーション膜と、
素子基板の上に設けられ、液体を吐出するための吐出口と、吐出口と連通し第1のヒータと第2のヒータとが設けられる液室の壁と、を有する流路構成部材と、を有し、第1のヒータの重心と、第2のヒータの重心と一致するように設けられている液体吐出ヘッドを備える。また、液体吐出装置は、第1のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出し、第2のヒータを待機ヒータとして待機させる第1の動作と、第1のヒータを待機ヒータとして待機させて、第2のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出する第2の動作と、を切り替える手段を備える。切り替える手段は、第1の動作から第2の動作への切替えを、第1の動作におけるメインヒータの駆動回数が予め定められた値に達したときに行うことを特徴とする。
また、本発明の液体吐出ヘッドの駆動方法は、液体を吐出するエネルギーを発生する第1のヒータと、液体を吐出するエネルギーを発生し、重心が第1のヒータの重心と一致するように設けられた第2のヒータと、を備えた面を有する素子基板と、
第1のヒータと第2のヒータとの上に設けられた金属、貴金属、およびこれらの合金のいずれかを含む耐キャビテーション膜と、
素子基板の上に設けられ、液体を吐出するための吐出口と、吐出口と連通し第1のヒータと第2のヒータとが設けられる液室の壁と、を有する流路構成部材と、
を有する液体吐出ヘッドの駆動方法である。液体吐出ヘッドの駆動方法は、第1のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出し、第2のヒータを待機ヒータとして待機させる第1の動作と、第1のヒータを待機ヒータとして待機させて、第2のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出する第2の動作と、を切替え、第1の動作から第2の動作への切替えを、第1の動作におけるメインヒータの駆動回数が予め定められた値に達したときに行うことを特徴とする。
本発明によれば、メインヒータと待機ヒータに対して、第1の動作と第2の動作とを交互に切り替えることで、それぞれのヒータ上におけるコゲ等の堆積物が抑制され、ヒータの耐久性が向上する。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[液体吐出ヘッドの構造]
図1は、本発明の液体吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の一実施形態を示しており、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は上面図である。
液体吐出ヘッド(20は、主面(図示上面)上に複数のヒータ1が設けられた素子基板22と、該素子基板22の主面に積層されて接合された流路構成部材(オリフィス基板)23とを有している。
ヒータ1は例えば電気熱変換素子からなり、駆動信号の供給に応じて電圧が印加されることによって発熱する抵抗式加熱要素である。図1(b)に示すように、素子基板22の中央部には、細長い貫通穴として構成されたインク供給室17が形成されており、ヒータ1はインク供給室17の両側に設けられている。
流路構成部材23は、吐出口31およびインク供給室17内のインクを吐出口31まで移送するためのインク供給路18を構成する部材である。それぞれの吐出口31は、各ヒータ1に一対一対応するようにして形成されている。図における流路構成部材23の上面(吐出口面)には、複数の吐出口31からなる第1のノズル列25Aと第2のノズル列25Bとが形成され、ノズル列25A、25B同士は互いに平行に設けられている。
各ノズル列における吐出口31の配置ピッチは例えば600dpi〜1200dpiであり、ノズル列25A、25Bは互いに1/2ピッチ分だけずれて配置されている。インクは、インク供給室17からインク供給路18を経て各吐出口31へと送られる。
図2は、1つのインク供給流路の周辺構造を拡大して示す図である。図2(b)に示すように、インク供給路18はその先端側(図示左側)が液室(発泡室)29となっており、吐出口31はこの液室29に連通するようにして形成されている。図2に示す構成では、柱状のノズルフィルタ28が形成され、このノズルフィルタ28によってインク供給路18内への異物の侵入が防止される構成となっているが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
1つの液室29内には、ヒータ1として複数のヒータ2、3a、3bが設けられている。本実施形態では、第1のヒータ2を挟むようにして、その両側に第2のヒータ3a、3b(以下、単に「第2のヒータ3」とも称する)が配置されている。各ヒータ2、3a、3bはそれぞれ独立して駆動可能である。
ヒータ1の具体的な構成について、図3に示す断面図を参照して説明する。基板22の表面に蓄熱層および電気絶縁層12が形成され、その上にさらに、ヒータ層13、電気配線部14、電気絶縁層15、および耐キャビテーション膜16が積層されている。耐キャビテーション膜16は液体(インク)に接する部位に形成されており、この耐キャビテーション膜16によって、下層の構造部の損傷を抑制している。
ヒータ1は、電気配線部14に電圧が印加されることによりヒータ層13が発熱し、この発熱により気泡が発生する。この、瞬時に沸騰させられ生じた気液相変化による急激な発泡圧によって、液体(インク)5が液滴として吐出口31から押し出されるようにして吐出されるように構成されている。
蓄熱層および電気絶縁層12はSiO、ヒータ層13はTaSiN、TaNなどの発熱抵抗体、電気絶縁層14はSiN、電気配線15としてはAlが用いられる。耐キャビテーション膜16がTa等の金属、Ir、Ptなどの貴金属または、金属や貴金属を含む合金(IrRe等)である場合、インクのコゲ等の堆積物が生じやすい。そこで、この堆積物の除去を、ヒータ駆動時の発泡現象を利用して行う。
[液体吐出装置]
図9に、本発明の代表的な実施形態である液体吐出装置(インクジェット記録装置)の概観図を示す。図9において、インクジェットカートリッジIJCが搭載されたキャリッジHCは、キャリッジモータ5013で矢印a,b方向に往復移動される。インクジェットカートリッジIJCは、液体吐出ヘッドIJH(以下、ヘッド)及びヘッドから吐出される液体を貯蔵するタンクITを具備する。プラテン5000は記録紙(記録媒体)Pを搬送する。ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022のキャップ内を吸引する吸引手段5015は、キャップ内開口5023を介してヘッドの吸引回復を行う。また、液体吐出装置はクリーニングブレード5017を備えている。なお、図示しないが、液体吐出装置は、各ヒータに駆動信号を付与するためのドライバや、吐出回数をカウントするカウント装置を備えている。
次に、以上のように構成された本実施形態の液体吐出ヘッドを動作させるシーケンスについて、2つの例を挙げて説明する。
[第1のシーケンス例]
第1の例として、図4に記載の駆動シーケンスで図2に示した液体吐出ヘッド20を駆動する例について説明する。
複数ヒータ1は、上述したように、第1のヒータ2(一部のヒータ)と、第2のヒータ3a、3b(他の一部のヒータ)とに分けられており、駆動シーケンスとしては、まず、どちらのヒータを使用するかを決定する(ステップS1)。一例として、図5(a)に示すように、まずは第1のヒータ2をメインヒータ(液体吐出に関わるヒータ)とし、第2のヒータ3a、3bを待機させる待機ヒータとする(ステップS2)。第1のヒータ2の駆動により、インク滴が吐出口31から吐出される(第1の動作)。この第1のヒータ2の駆動回数は、制御装置の一部として用意されたカウント装置によってカウントされるように構成されている。
第1のヒータ2は、駆動回数が予め定められた値(所定の設定値)に達するまで使用され(ステップS3)、所定の設定値に達したら、駆動を休止し、使用するヒータを切り替える。すなわち、第2のヒータ3a、3bをメインヒータとし、第1のヒータ2を待機させるヒータとなる(図5(b)参照)。第2のヒータ3a、3bの駆動によりインク滴が吐出口31から吐出され(第2の動作)、上記同様に、インク滴が吐出口31から吐出される。第2のヒータ3a、3bの駆動回数についても、上記カウント装置によってカウントされるように構成されている。
ここで、「所定の設定値」とは、ヒータの駆動によって、ヒータ表面に付着する堆積物が吐出に影響を及ぼさない程度の回数で、一例として1×105回以上1×108回以下であることが好ましい。第2のヒータの駆動についても、やはり設定値が予め決められており、この設定値に達したら再び第1のヒータ2による駆動に切り替わるように構成されている。なお、第1のヒータ用の所定の設定値と、第2のヒータ用の所定の設定値とは、別々の値に設定されていてもよいし、同じ値に設定されていてもよい。
第1のヒータ2の繰り返しの駆動により、第1のヒータ2近傍の第2のヒータ3表面に付着した堆積物(インクのコゲ)が、第1のヒータ2の駆動により生じるキャビテーションの作用によって徐々に取り除かれる。そのため、第1のヒータ2の駆動に伴って第2のヒータ3上のコゲが除去され、次回の第2のヒータ3による吐出動作が正常に行われることとなる。同様に、第2のヒータ3をメインヒータとして駆動している場合、第2のヒータ3の駆動による生じるキャビテーションの作用により、第1のヒータ2上のコゲが除去されることとなる。
駆動中のヒータ近傍のインクの流れは激しい挙動を示し、特に消泡時のキャビテーションによる衝撃力は大きいため、この衝撃力を利用して近接するヒータ上に付着したコゲを徐々に取り除くものである。
このように、複数のヒータを、吐出に関わるメインヒータと、待機ヒータとに分け、交互に使用していくようにすることで、メインヒータの駆動によって待機ヒータの堆積物を除去し、それぞれのヒータ上の堆積物が少量に抑えられる。その結果、印字品質の低下を防止し、ヒータの耐久性の向上、ヘッドの長寿命化が実現する。
所定回数ごとに第1の動作と第2の動作とが切り替えられるように構成されていることから、「一部」のヒータと「他の一部」のヒータとの双方について、コゲの除去がなされることとなる。したがって、それぞれのヒータ上のコゲは最小限に抑えられる。
[ヒータ配置の例]
素子基板上に配置された複数のヒータにおいて、メインヒータと待機ヒータとの素子基板面における重心が一致することが望ましい。本実施形態おいて、第1のヒータ2及び第2のヒータ3のそれぞれが、切替えにより、インクの吐出に関わるため、吐出液体の吐出方向を一定に保つ必要があるからである。このように、メインヒータと待機ヒータとの素子基板面における重心を一致させることで、メインヒータと待機ヒータが切り替えられても、吐出液滴の吐出方向が一定に保たれる。その結果、紙面における着弾位置ずれが抑制され、高品位高画質の印字、及び長寿命化が可能となる。
[第2のシーケンス例]
第2の例として、図6の駆動シーケンスを用いて液体吐出ヘッド20を駆動する例について説明する。第1のシーケンス例で説明した部分と同様の説明は省略する。
まず、第1のシーケンス例で説明したように、どちらのヒータをメインヒータにするかを決定する(ステップS1)。一例として、図5に示す第1のヒータ2をメインヒータ(一部のヒータ)とし、第2のヒータ3a、3b(他の一部のヒータ)を待機ヒータとする。不図示のカウント装置によって第1のヒータ2の駆動回数がカウントされる点についても、第1のシーケンス例と同様である。
第1のヒータ2の駆動は、駆動回数が第1の設定値αとなるまで継続される(第1の動作)。駆動回数がα回に達したら、ヒータの切替えが行われる。この「第1の設定値α」も、上記同様、駆動によって付着するコゲが吐出に影響を及ぼさない程度の回数であり、例えば1×105回以上1×108回以下の範囲内である(ステップS2)。
次に、第2のヒータ3a、3bを、液滴は吐出されない範囲で堆積物を除去する駆動として第3の動作を行う(ステップS3)。具体的には、待機ヒータには、発泡しきい値の電圧の85%以上105%以下の電圧を印加する、あるいは、発泡しきい値のパルス時間の72%以上110%以下のパルス時間で、所定回数だけ駆動する。
ここで、第3の動作について補足説明を行う。ヒータ上で生じる沸騰現象において、発泡エネルギーしきい値(発泡しきい値)とは、ヒータ上で液体の膜沸騰が始まる投入エネルギーと定義し、一般的にはヒータの表面温度が300度である。ヒータ上で膜沸騰が始まる最小パルスが発泡しきい値のパルスであり、ヒータ上で膜沸騰が始まる最小電圧が発泡しきい値の電圧である。
一般に、発泡エネルギーしきい値が120%程度になると、安定した膜沸騰領域になるので、ヒータ面とインクとの間に真空の断熱領域が生じ、ヒータで生ずる熱のインクへの伝導である熱流束は低下する。発泡エネルギーしきい値が72%以上110%以下のときは、核沸騰から膜沸騰への遷移領域にあたり、熱流束はもっとも大きくなる。このときのヒータ面近傍における液体の挙動は激しくなり、ヒータ上に堆積しているコゲへ働く物理的な力も大きくなる。
このことから、待機ヒータの駆動電圧または駆動パルスを調整し、発泡エネルギーしきい値の72%以上110%以下で駆動させるシーケンスを入れることで、コゲ除去効果が促進される。ここで、数値の範囲は、膜構成やコゲ付着による熱伝導率の低下等を想定して設定されている。
上記「発泡しきい値の85%以上105%以下の電圧」の例としては、蓄熱層SiO(2.6μm)、電気絶縁層SiN(3000Å)、耐キャビテーション膜Ta(2300Å)、ヒータ抵抗350Ωの膜構成が挙げられる。この膜構成において、配線抵抗21Ω、ヒータサイズ26μm2、駆動パルス0.8μsでは、17V〜24V程度となる。「発泡しきい値の72%以上110%以下のパルス時間」の例としては、上記同様の膜構成において、駆動電圧18Vのときに約0.5μs以上1.4μs以下となる。
なお、上述した「所定回数」とは、1×102回以上1×105回以下であることが好ましい。
このように、第3の動作として第2のヒータ3を所定電圧で所定回数だけ駆動させた後、再び第1のヒータ2をメインヒータとして駆動する(ステップS4)(第1の動作)。第1のヒータ2の駆動回数は、上記同様、不図示のカウント装置によりカウントされている。
この第1のヒータ2の駆動は、駆動回数が第2の設定値βとなるまで継続され、β回に達したら、ヒータの切替えが行われる。「第2の設定値β」も、上記同様、駆動によって付着するコゲが吐出に影響を及ぼさない程度の回数であり、例えば1×105回以上1×108回以下の範囲内である。
次に、第1のシーケンス例の第2の動作と同様に、第2のヒータ3をメインヒータとして駆動を行う。この第2の動作の間に、第1のヒータ2を液滴が吐出されない範囲で堆積物を除去する駆動として、第3の動作を行う。
つまり、吐出に関わるメインヒータの駆動である、第1の動作及び第2の動作の切り替えだけでなく、メインヒータの動作の間に、コゲ除去用の第3の動作を行う。このコゲ除去用の第3の動作としては、待機ヒータを発泡しきい値の85%以上105%以下の電圧、あるいは、72%以上110%以下のパルス幅で駆動することで、コゲの除去がさらに促進される。
上述のように、第1の動作及び第2の動作の少なくとも一方の動作の途中に、待機ヒータを液体が吐出しない程度に駆動させる第3の動作を行ってもよいが、第1の動作と第2の動作との切替えの間に、第3の動作を入れても構わない。
[ヒータ配置の他の形態]
以上、本発明の一例について述べたが、本発明は上述した構成に限定されるものではなく種々変更可能である。図7(a)に示すように、第1のヒータ32と各第2のヒータ33a、33bとの間に隙間が形成されていてもよい。また、図7(b)に示すように、第1のヒータ32a,32bと第2のヒータ33a,33bとがマトリクス状に配置されていてもよい。また、図7(c)に示すように、第1のヒータ32と第2のヒータ33とが同心円状に配置されていてもよい。
図8(a)に示すように、第1のヒータ32の周囲に第2のヒータ33a〜33dが配置されていてもよい。同種の構成として、図7(b)に示すように、矩形のヒータ32の周囲に同じく矩形のヒータ33a〜33dが配置されていてもよい。また、図7(c)に示すように、円形のヒータ32の周囲に矩形のヒータ33a〜33dが配置されていてもよい。
図7、図8の構成に共通して重要なことは、第1のヒータ32をメインヒータとして駆動したときに吐出されるインク滴の大きさと、第2のヒータ33を駆動したときのインク滴の大きさとが同じサイズとなるように構成されていることである。この構成を実現するためには、(一概には言えないが)例えば両ヒータ32、33を対称的に配置したり、あるいは各ヒータ32、33のエネルギー量(熱量)を揃えたりすることなどが望ましい。
いずれの場合においても、素子基板上に配置された複数のヒータにおいて、メインヒータと待機ヒータとの素子基板面における重心が一致することが、吐出の観点から望ましい。
実施形態の液体吐出ヘッドを示しており、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は上面図である。 1つのインク供給流路の周辺構造を拡大して示す図である。 ヒータの詳細な構成を示す拡大断面図である。 第1のシーケンスの例を示すフローチャートである。 メインヒータの切替えを説明するための図である。 第2のシーケンスの例を示すフローチャートである。 ヒータの他の配置例を幾つか示す図である。 ヒータのさらに他の配置例を幾つか示す図である。 本発明の代表的な実施形態である液体吐出装置の外観図である。
符号の説明
1 ヒータ
2、32 第1のヒータ
3、3a、3b、33 第2のヒータ
18 インク供給路
20 液体吐出ヘッド
29 液室
31 吐出口

Claims (7)

  1. 液体を吐出するエネルギーを発生する第1のヒータと、液体を吐出するエネルギーを発生する第2のヒータと、を備えた面を有する素子基板と、
    前記第1のヒータと前記第2のヒータとの上に設けられた金属、貴金属、およびこれらの合金のいずれかを含む耐キャビテーション膜と、
    前記素子基板の上に設けられ、液体を吐出するための吐出口と、該吐出口と連通し前記第1のヒータと前記第2のヒータとが設けられる液室の壁と、を有する流路構成部材と、
    を有し、前記第1のヒータの重心と、前記第2のヒータの重心と一致するように設けられている液体吐出ヘッドと、
    前記第1のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出し、前記第2のヒータを待機ヒータとして待機させる第1の動作と、前記第1のヒータを待機ヒータとして待機させて、前記第2のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出する第2の動作と、を切り替える手段と、
    を備え、
    前記切り替える手段は、前記第1の動作から前記第2の動作への切替えを、前記第1の動作における前記メインヒータの駆動回数が予め定められた値に達したときに行うことを特徴とする液体吐出装置
  2. 前記液体吐出ヘッドには、前記第1のヒータと前記第2のヒータとが設けられている前記液室が、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置
  3. 前記耐キャビテーション膜は、Ta、Ir、Pt及びこれらの合金のいずれかを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置
  4. 前記第1の動作及び前記第2の動作の少なくとも一方の動作の途中に、前記待機ヒータを液体が吐出しない程度に駆動させる第3の動作を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第3の動作は、発泡しきい値の電圧の85%以上、105%以下の電圧で前記待機ヒータを駆動させる動作であることを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記第3の動作は、発泡しきい値のパルス時間の72%以上、110%以下のパルス時間で前記待機ヒータを駆動させる動作であることを特徴とする請求項又は請求項に記載の液体吐出装置。
  7. 液体を吐出するエネルギーを発生する第1のヒータと、液体を吐出するエネルギーを発生し、重心が前記第1のヒータの重心と一致するように設けられた第2のヒータと、を備えた面を有する素子基板と、
    前記第1のヒータと前記第2のヒータとの上に設けられた金属、貴金属、およびこれらの合金のいずれかを含む耐キャビテーション膜と、
    前記素子基板の上に設けられ、液体を吐出するための吐出口と、該吐出口と連通し前記第1のヒータと前記第2のヒータとが設けられる液室の壁と、を有する流路構成部材と、
    を有する液体吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記第1のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出し、前記第2のヒータを待機ヒータとして待機させる第1の動作と、
    前記第1のヒータを待機ヒータとして待機させて、前記第2のヒータをメインヒータとして駆動させて液体を吐出する第2の動作と、を切替え
    前記第1の動作から前記第2の動作への切替えを、前記第1の動作における前記メインヒータの駆動回数が予め定められた値に達したときに行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの駆動方法。
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