JP5417079B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置では、インクジェットヘッドに設けられたインク室に圧力を付与して、インク室内のインクをノズルから吐出する(例えば、特許文献1参照)。ノズルから吐出されたインクは尾を引く形で飛翔し、この飛翔するインクの先頭部分と後尾部分との間に時間差や速度差が生じる。このため、先行する主たるインク滴に付随して、不要な微小インク滴(サテライト)が発生することがある。
低温環境下では、インクの粘度が高くなる。そこで、所望量のインクを吐出するためにインクジェットヘッドの駆動電圧を大きくすると、ノズルから吐出されるインクの尾が長くなる。長い尾は切れやすいため、サテライトが発生しやすくなる。
サテライトは、記録媒体上に付着して印刷品質を低下させたり、装置内に付着して装置を汚したりする。このため、従来、サテライトが発生しやすい低温環境下では記録動作を行わずに、インクジェットヘッドを加温するウォームアップ動作を行った後に記録を開始することが行われていた。
特開2000−255055号公報
上述のように、従来のインクジェット記録装置においては、サテライトが発生しやすい低温環境下では、ウォームアップ動作を行った後で記録を開始するため、画像の記録に長時間を要していた。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、低温環境下でもサテライトの発生を軽減しつつ、短時間で画像の記録を行うことができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係るインクジェット記録装置は、複数のインク室と、前記インク室に連通してインクを吐出する複数のノズルと、前記各インク室の容積を変化させる複数の可変手段とを有するインクジェットヘッドと、前記可変手段を駆動して前記インク室の容積を変化させて前記インク室内の圧力を変化させることにより前記ノズルからインクを吐出させるヘッド駆動手段と、前記インクジェットヘッドに供給されるインクの温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度が所定温度より高い場合は通常波形を選択し、前記検知温度が前記所定温度以下の所定温度範囲内である場合はサテライト対策波形を選択し、選択した波形により前記可変手段を駆動するように前記ヘッド駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記通常波形は、前記インク室の容積を拡大させた後、元の容積に戻し、その後容積を縮小させてから再度元の容積に戻すように前記可変手段を駆動する電圧の波形であり、前記サテライト対策波形は、前記通常波形よりも電圧が小さく、前記インク室の容積を拡大させた後に元の容積に戻してから容積の縮小を開始するまでの時間が前記通常波形よりも短い波形であることを特徴とする。
請求項2に係るインクジェット記録装置は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記所定温度範囲内において前記通常波形および前記サテライト対策波形でそれぞれ前記可変手段を駆動してインクを吐出させた場合の、1画素あたりに吐出されるインクのドロップ数と発生するサテライト数との関係を示すサテライトデータを記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記検知温度が前記所定温度範囲内である場合において、入力される記録対象の画像データと前記サテライトデータとを用いて、前記通常波形により前記インクジェットヘッドの前記各可変手段を駆動して前記画像データを記録する場合のサテライトの発生量を示す第1の評価値と、前記サテライト対策波形により前記インクジェットヘッドの前記各可変手段を駆動して前記画像データを記録する場合のサテライトの発生量を示す第2の評価値とを算出し、前記第2の評価値が前記第1の評価値よりも小さい場合に、前記サテライト対策波形を選択し、前記第2の評価値が前記第1の評価値以上の場合は、前記通常波形を選択することを特徴とする。
請求項3に係るインクジェット記録装置は、請求項1または2に記載のインクジェット記録装置において、前記サテライト対策波形は、前記インク室の容積を縮小させている時間が前記通常波形よりも長い波形であることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置によれば、低温環境下でもサテライトの発生を軽減しつつ、短時間で画像の記録を行うことができる。
本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドの概略構成を一部断面で示す斜視図である。 図1に示すインクジェットヘッドにおいてインク供給部を備えた状態のA−A線に沿った断面図である。 図1におけるB−B線に沿った断面図である。 本実施の形態に係るインクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 サテライトデータの一例を示す図である。 インク吐出の基本的な動作を示す図である。 通常波形の波形図である。 サテライト対策波形の波形図である。 通常波形により吐出動作を行う場合のインク室内の圧力変化を示す図である。 サテライト対策波形により吐出動作を行う場合のインク室内の圧力変化を示す図である。 本実施の形態に係るインクジェット記録装置における記録時の動作を示すフローチャートである。 画像データにおける各ドロップ数の割合の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置におけるインクジェットヘッドの概略構成を一部断面で示す斜視図、図2は、図1に示すインクジェットヘッドにおいてインク供給部を備えた状態のA−A線に沿った断面図、図3は、図1におけるB−B線に沿った断面図である。図1に示すインクジェットヘッドは、シェアモード型のインクジェットヘッドである。
なお、本実施の形態において、後述のインク室に関する構成は全インク室で共通であるので、個々のインク室を示す符号のアルファベット等の添え字を省略して総括的に表記することがある。
図1〜図3に示すように、インクジェットヘッド1には、セラミック等からなる基板2とカバープレート3との間に、2つの圧電部材4a,4bからなる複数の隔壁4が配置されている。圧電部材4a,4bは、例えば、PZT(PbZrO−PbTiO)等の公知の圧電材料からなり、図3中の矢印で示すように互いに異なる方向に分極している。
基板2、カバープレート3、および隔壁4の先端には、ノズルプレート5が固定されている。これにより、基板2、カバープレート3、隔壁4、およびノズルプレート5に囲まれた複数のインク室6が並ぶように形成される。ノズルプレート5には、複数のノズル7が設けられており、インク室6の一端側はノズル7に連通されている。インク室6の他端側は、全インク室6に連通するインク流入口8、インク供給口9を経て、インクチューブ10によってインクタンク(図示せず)に接続されている。このインク流入口8、インク供給口9、およびインクチューブ10によりインク供給部が構成される。
インク室6の側面を構成する隔壁4および底面を構成する基板2の表面には、電極(可変手段)11が密着形成されている。インク室6内の電極11は、圧電部材4aの後部側表面まで延びている。各電極11には、この後部側表面において異方導電性フィルム(図示せず)を介してフレキシブルケーブル12が接続されており、このフレキシブルケーブル12を介して電極11に駆動電圧が印加されるようになっている。
電極11は、駆動電圧が印加されると、隔壁4をせん断変形させることによりインク室6の容積およびインク室6内の圧力を変化させる。これにより、ノズル7からインク室6内のインクが吐出される。
図4は、本実施の形態に係るインクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、本実施の形態に係るインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド1を駆動させるヘッド駆動部21と、温度検知部22と、加温部23と、駆動波形格納部24と、記憶部25と、制御部26とを備える。
ヘッド駆動部21は、フレキシブルケーブル12を介してインクジェットヘッド1の電極11に駆動電圧を印加することにより、隔壁4を変形させてインク室6の容積およびインク室6内の圧力を変化させ、ノズル7からインクを吐出させる吐出駆動を行う。
温度検知部22は、インクジェットヘッド1に供給されるインクの温度を検知する。インクタンク(図示せず)からインクジェットヘッド1に供給されるインクの温度が検知できれば、温度検知部22はどこに配置されていてもよい。
加温部23は、インクジェットヘッド1に供給されるインクを加温する。インクタンクからインクジェットヘッド1に供給されるインクを加温できれば、加温部23はどこに配置されていてもよい。
駆動波形格納部24は、インクジェットヘッド1を駆動させる電圧の通常波形およびサテライト対策波形の波形データを格納する。通常波形およびサテライト対策波形については後述する。
記憶部25は、通常波形およびサテライト対策波形を電極11に印加してインクを吐出させた場合の、1画素あたりに吐出されるインクのドロップ数と発生するサテライト数との関係を示すサテライトデータを記憶する。
サテライトデータの一例を図5に示す。図5において、ドロップ数nは、1画素あたりに吐出されるドロップ数であり、所定期間内に連続して吐出されるドロップ数である。図5のデータは、後述のヘッド使用可能温度T1から通常使用可能温度T2の温度範囲内のある温度において、通常波形およびサテライト対策波形のそれぞれについて、ドロップ数nごとに実験的に複数回測定されたサテライト数の平均を示す。通常波形、サテライト対策波形のそれぞれを用いた場合に吐出される1ドロップの体積は同じになるように設定される。
制御部26は、温度検知部22の検知結果、画像処理部(図示せず)等から入力される画像データ、および記憶部25に記憶されたサテライトデータを用いて、通常波形またはサテライト対策波形を選択し、選択した波形の電圧によりインクジェットヘッド1の電極11を駆動するようにヘッド駆動部21を制御する。また、制御部26は、加温部23の駆動を制御する。
次に、インク吐出の基本的な動作について説明する。
図6に示すように、圧電部材4a,4bからなる隔壁4A〜4Dで隔てられた3つのインク室6A〜6Cのうちのインク室6Bからインクを吐出させる場合について説明する。図7は、インクを1ドロップ吐出するためにインク室6Bの電極11Bに印加される電圧の波形図であり、本実施の形態における通常波形を示す。通常波形は基本的に、温度検知部22の検知温度が後述の通常使用可能温度T2よりも高い場合の通常の記録動作において用いられる波形である。
図6(a)に示す定常状態から、図7における時刻t1において、インク室6A,6Cの電極11A,11Cを接地するとともに、インク室6Bの電極11Bに負電圧−Vの駆動パルスP1を印加すると、隔壁4B,4Cを構成する圧電部材4a,4bの分極方向に垂直な方向の電界が生じる。これにより、圧電部材4a,4bの接合面にズリ変形が生じ、図6(b)に示すように、隔壁4B,4Cは互いに離反する方向に変形し、インク室6Bの容積が拡大する。この結果、インク室6B内のインクに負圧が生じて、インク流入口8からインク室6Bにインクが流れ込む。
駆動パルスP1の印加時間は時刻t1から時刻t2までの1ALである。AL(Acoustic Length)は、容積が拡大したインク室6にインクが流入することによる圧力波が、インク室6の全域を伝播してノズル7に達するまでの時間であり、インクジェットヘッド1の構造や、インクの密度等に依存して決まるものである。
図6(b)の状態から、図7における時刻t2において、インク室6Bの電極11Bに印加する電圧を接地電位に戻すと、隔壁4B,4Cは、図6(a)に示した中立位置に戻る。これにより、インク室6B内のインクが加圧され、対応するノズル7からインクが吐出される。
インク室6Bの電極11Bに印加する電圧を接地電位に戻してから1ALが経過すると、時刻t3から時刻t4までの1ALの期間、インク室6Bの電極11Bに正電圧Vの駆動パルスP2を印加する。これにより、図6(c)に示すように、隔壁4B,4Cは互いに接近する方向に変形し、インク室6Bの容積が縮小する。
インクは時刻t2において吐出が開始されるが、吐出後、インク室6B内には負圧が生じる。駆動パルスP2を印加してインク室6B内の容積を縮小させて加圧力を発生させることで、インク吐出後のインク室6B内の負圧が抑えられ、インク室6B内におけるインクの残留振動が抑制される。これにより、次回の吐出動作を安定して行うことができる。
駆動パルスP2の印加後、時刻t4から時刻t5の間においてインク室6Bの電極11Bに印加する電圧を接地電位とし、図6(a)の状態に戻す。
このように、通常波形は、インク室6の容積を拡大させた後、元の容積に戻し、その後容積を縮小させてから再度元の容積に戻すように隔壁4を変形させるように電極11に印加する電圧の波形である。
なお、シェアモード型のインクジェットヘッド1では、上述のように隔壁4の変形を利用してインク吐出を行うので、隣接したインク室6を同時に吐出駆動することはできない。このため、記録動作時においては、インクジェットヘッド1が有する全インク室6を、互いに隣接しないインク室6からなる複数のグループに分割し、グループごとにインク室6を吐出駆動させる時分割駆動が行われる。
本実施の形態では、通常波形の他に、通常波形を用いた場合よりもサテライトの発生を抑制するように電極11を駆動する電圧の波形であるサテライト対策波形を用意する。このサテライト対策波形の一例を図8に示す。
このサテライト対策波形を用いる場合、図6(a)に示す定常状態から、図8における時刻t6において、インク室6A,6Cの電極11A,11Cを接地するとともに、インク室6Bの電極11Bに負電圧−Vの駆動パルスP3を印加すると、インク室6Bの容積が拡大し、インク室6Bにインクが流れ込む。駆動パルスP3の印加時間は時刻t6から時刻t7までの1ALである。
図6(b)の状態から、図8における時刻t7において、インク室6Bの電極11Bに印加する電圧を接地電位に戻すと、隔壁4B,4Cは、図6(a)に示した中立位置に戻る。そして、時刻t7からごく短時間後の時刻t8から、2AL後の時刻t9までの期間、インク室6Bの電極11Bに正電圧Vの駆動パルスP4を印加すると、図6(c)に示すように、隔壁4B,4Cは互いに接近する方向に変形し、インク室6Bの容積が縮小する。このように、図6(b)の状態から、ごく短時間の図6(a)の状態を挟んで図6(c)の状態に移行することで、インク室6B内のインクが急激に加圧され、対応するノズル7からインクが吐出される。
駆動パルスP4の印加後、時刻t9から時刻t10の間においてインク室6Bの電極11Bに印加する電圧を接地電位とし、図6(a)の状態に戻す。
このように、サテライト対策波形は、1ドロップの吐出動作において、インク室6の容積を拡大させた後に元の容積に戻してから容積の縮小を開始するまでの時間(時刻t7からt8まで)が通常波形の場合の対応する時間(時刻t2からt3までのAL)よりも短く、容積を縮小させている時間(時刻t8からt9までの2AL)が通常波形の場合の対応する時間(時刻t3からt4までのAL)よりも長い波形である。
また、図8に示すサテライト対策波形の電圧Vは、図7に示す通常波形の電圧Vよりも小さく、通常波形を用いて吐出動作を行う場合とサテライト対策波形を用いて吐出動作を行う場合とで、吐出される1ドロップのインクの体積が同じになるように設定される。
なお、サテライト対策波形において、時刻tからtまでの間を省略して、駆動パルスP3の印加終了と同時に駆動パルスP4の印加を開始してもよい。
ここで、サテライト対策波形を用いた場合に、通常波形を用いた場合よりもサテライトの発生を抑制できる理由について説明する。図9は、通常波形により吐出動作を行う場合のインク室6内の圧力変化を示す図、図10は、サテライト対策波形により吐出動作を行う場合のインク室6内の圧力変化を示す図である。
図9に示すように、図7の通常波形の電圧を電極11に印加した場合、インク室6の容積を拡大させた後、元の容積に戻した時刻t2においてインク室6内の圧力が高まり、インクの吐出が開始される。インクが吐出されると、図9に示すように、インク室6内には負圧が生じるが、時刻t3において駆動パルスP2を印加してインク室6内の容積を縮小させて加圧力を発生させることで、インク吐出後のインク室6内の負圧が抑えられ、インクの残留振動が抑制される。このように残留振動を抑制させることで、前述のように、次回の吐出動作を安定して行うことができる。
これに対し、図10に示すように、図8のサテライト対策波形の電圧を電極11に印加した場合、インク室6の容積を拡大させた後、元の容積に戻し、その直後に容積を縮小させる時刻t7〜t8においてインク室6内の圧力が急激に高まり、インクの吐出が開始される。サテライト対策波形の電圧Vは通常波形の電圧Vより小さいが、時刻t7からt8の時間を極めて短くすることで、インク室6内の圧力変化を大きくすることができ、低電圧でも所望量のインクを吐出することを可能としている。
そして、駆動パルスP4の印加時間(時刻t8〜t9の2AL)を、通常波形の駆動パルスP2の印加時間(時刻t〜tのAL)よりも長くとっているため、図10に示すように、インク吐出後のインク室6内の負圧が抑えられずに存在する。この負圧により、吐出されたインクをノズル7側に引き込む力が通常波形を用いた場合よりも大きく作用し、これにより吐出されたインクの尾が短く抑えられるため、サテライトの発生が軽減される。
なお、ドロップ数nやドロップ間の時間間隔等の条件によっては、サテライト対策波形を用いても、通常波形を用いた場合よりもサテライト数が減少しない場合があることが実験的に確認されている。例えば図5の例では、ドロップ数nが2の場合に、サテライト対策波形を用いた場合のほうが、通常波形を用いた場合よりもサテライト数が多くなっている。
次に、本実施の形態に係るインクジェット記録装置における記録時の動作について、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
記録対象の画像データが入力されると、ステップS10において、制御部26は、温度検知部22で検知されるインクの温度Tが、ヘッド使用可能温度T1よりも高いか否かを判断する。温度Tがヘッド使用可能温度T1以下である場合(ステップS10:NO)、そのままではインクジェットヘッド1による記録動作を行わず、ステップS20において、制御部26は、インクジェットヘッド1に供給されるインクを加温するウォームアップを行うよう加温部23を駆動させる。その後、ステップS10に戻る。ヘッド使用可能温度T1は、例えば20℃程度である。
温度Tがヘッド使用可能温度T1より高い場合(ステップS10:YES)、ステップS30において、制御部26は、温度Tが通常使用可能温度T2よりも高いか否かを判断する。通常使用可能温度T2は、ヘッド使用可能温度T1よりも高い温度であり、温度Tが通常使用可能温度T2より高い場合(ステップS30:YES)、ステップS40に進み、温度Tが通常使用可能温度T2以下である場合(ステップS30:NO)、ステップS50に進む。通常使用可能温度T2は、例えば25℃程度である。
ステップS40では、制御部26は、駆動波形格納部24から通常波形の波形データ読み出し、入力された画像データおよび通常波形の波形データに基づいて、インクジェットヘッド1の駆動対象となるインク室6を駆動してインク吐出動作を行わせるようにヘッド駆動部21を制御する。画像データには各画素におけるドロップ数が設定されており、このドロップ数に応じて、それぞれのインク室6で前述の図6を用いて説明した吐出動作が行われる。
ステップS50では、制御部26は、入力された画像データおよび記憶部25に記憶されたサテライトデータに基づいて、通常波形によりインクジェットヘッド1を駆動して画像データを記録する場合のサテライトの発生量を示す評価値H1と、サテライト対策波形によりインクジェットヘッド1を駆動して画像データを記録する場合のサテライトの発生量を示す評価値H2とを算出する。
評価値H1,H2は、以下の(数式1),(数式2)により算出される。
H1=Σ(Rn×San) …(数式1)
H2=Σ(Rn×Sbn) …(数式2)
ここで、Rnは画像データにおける各ドロップ数n(n=1,2,…,N)の割合、Sanは図5に示したようなサテライトデータにおける通常波形の平均サテライト数、Sbnはサテライト対策波形の平均サテライト数である。Nは1つの画素に吐出される最大のドロップ数として設定される値であり、図5の例ではN=5である。
前述のように、記録対象の画像データには各画素におけるドロップ数が設定されており、Rnは各ドロップ数nが設定されている画素の全画素に対する割合である。例えば、Rnが図12に示すような値である場合、図5および図12から、H1=364.5,H2=265.5となる。
次いで、ステップS60において、制御部26は、評価値H1が評価値H2よりも大きいか否かを判断する。評価値H1が評価値H2よりも大きい場合(ステップS60:YES)、ステップS70に進み、評価値H1が評価値H2以下である場合(ステップS60:NO)、ステップS40に進む。
ステップS70では、制御部26は、駆動波形格納部24からサテライト対策波形の波形データ読み出し、入力された画像データおよびサテライト対策波形の波形データに基づいて、インクジェットヘッド1の駆動対象となるインク室6を駆動してインク吐出動作を行わせるようにヘッド駆動部21を制御する。
サテライト対策波形を用いる場合、通常波形を用いる場合よりも駆動電圧が低いので、消費電力を小さくすることができる。そこで、制御部26は、この節減できた分の電力で次回以降の記録動作のためのウォームアップのために加温部23を駆動する。
このように本実施の形態によれば、通常波形以外にサテライト対策波形の波形データを記憶し、インクの温度Tがヘッド使用可能温度T1より高くても従来であればサテライトを抑制するために記録動作を控えてウォームアップを行う低温の温度範囲(T1<T≦T2)において、画像データに応じてサテライト対策波形および通常波形のうちサテライトの発生が少ないほうを選択して記録動作を行うので、低温環境下でもサテライトの発生を軽減しつつ、ウォームアップを待つことなく短時間で画像の記録を行うことができる。
なお、図5においては、ドロップ数n=2の場合のように、ドロップ数nによってサテライト対策波形によるサテライトの抑制効果が得られない場合を含んでいるが、インクの種類やドロップ間の時間間隔等の条件によっては、すべてのドロップ数nにおいて、サテライト対策波形のほうが通常波形よりもサテライトの発生が少なくなる場合もある。
このような場合、どのような画像データであってもサテライト対策波形を用いたほうがサテライトの発生が少なくなるので、上述した図11のステップS50,S60における評価値H1,H2の算出、比較は必要でなく、サテライトデータを記憶しておかなくてもよい。したがって、この場合、T>T2の場合(ステップS30:YES)は通常波形を選択し(ステップS40)、T1<T≦T2の場合(ステップS30:NO)は、ステップS50,S60の処理を省略して、サテライト対策波形を選択する(ステップS70)。
また、インクジェット記録装置が、互いに異なる色に対応する複数のインクジェットヘッド1を備えていてもよい。この場合、図5に示したようなサテライトデータを、複数のインクジェットヘッド1に対応する各色ごとに予め生成し、記憶部25に記憶する。また、温度検知部22、加温部23も各インクジェットヘッド1に対応して設ける。
そして、制御部26は、図11に示した一連の処理を、各インクジェットヘッド1ごと(各色ごと)に行う。なお、ヘッド使用可能温度T1および通常使用可能温度T2は各色ごとに設定してもよい。
なお、設定された印刷モード等によって、あるインクジェットヘッドにはサテライト対策波形を用いない判断をするようにしてもよい場合もある。例えば、インクジェット記録装置が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)にそれぞれ対応する4つのインクジェットヘッド1を有し、シアンに対応するサテライトデータが、図5のようにドロップ数n=2の場合にはサテライト対策波形によるサテライトの抑制効果が得られないことを示している場合において、コンポジットモノクロモードで印刷する場合等である。
コンポジットモノクロモードは、ブラック単色をC,M,Y,Kの混色で表現する印刷モードである。コンポジットモノクロモードにおいては、シアンについては2ドロップが多く用いられる。このため、シアンに対応するサテライトデータが図5のものである場合、サテライト対策波形よりも通常波形を用いたほうがサテライトの発生を軽減できる。したがって、このような場合、シアンについては評価値H1,H2の算出等を行うことなく通常波形を選択し、他の色(M,Y,K)については、図11の手順によりサテライト対策波形または通常波形を選択する。
1 インクジェットヘッド
4 隔壁
6 インク室
11 電極
21 ヘッド駆動部
22 温度検知部
23 加温部
24 駆動波形格納部
25 記憶部
26 制御部

Claims (3)

  1. 複数のインク室と、前記インク室に連通してインクを吐出する複数のノズルと、前記各インク室の容積を変化させる複数の可変手段とを有するインクジェットヘッドと、
    前記可変手段を駆動して前記インク室の容積を変化させて前記インク室内の圧力を変化させることにより前記ノズルからインクを吐出させるヘッド駆動手段と、
    前記インクジェットヘッドに供給されるインクの温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段の検知温度が所定温度より高い場合は通常波形を選択し、前記検知温度が前記所定温度以下の所定温度範囲内である場合はサテライト対策波形を選択し、選択した波形により前記可変手段を駆動するように前記ヘッド駆動手段を制御する制御手段とを備え、
    前記通常波形は、前記インク室の容積を拡大させた後、元の容積に戻し、その後容積を縮小させてから再度元の容積に戻すように前記可変手段を駆動する電圧の波形であり、
    前記サテライト対策波形は、前記通常波形よりも電圧が小さく、前記インク室の容積を拡大させた後に元の容積に戻してから容積の縮小を開始するまでの時間が前記通常波形よりも短い波形であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記所定温度範囲内において前記通常波形および前記サテライト対策波形でそれぞれ前記可変手段を駆動してインクを吐出させた場合の、1画素あたりに吐出されるインクのドロップ数と発生するサテライト数との関係を示すサテライトデータを記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記温度検知手段の検知結果が前記所定温度範囲内である場合において、入力される記録対象の画像データと前記サテライトデータとを用いて、前記通常波形により前記インクジェットヘッドの前記各可変手段を駆動して前記画像データを記録する場合のサテライトの発生量を示す第1の評価値と、前記サテライト対策波形により前記インクジェットヘッドの前記各可変手段を駆動して前記画像データを記録する場合のサテライトの発生量を示す第2の評価値とを算出し、
    前記第2の評価値が前記第1の評価値よりも小さい場合に、前記サテライト対策波形を選択し、前記第2の評価値が前記第1の評価値以上の場合は、前記通常波形を選択することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記サテライト対策波形は、前記インク室の容積を縮小させている時間が前記通常波形よりも長い波形であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
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