JPH07314680A - 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法

Info

Publication number
JPH07314680A
JPH07314680A JP10848794A JP10848794A JPH07314680A JP H07314680 A JPH07314680 A JP H07314680A JP 10848794 A JP10848794 A JP 10848794A JP 10848794 A JP10848794 A JP 10848794A JP H07314680 A JPH07314680 A JP H07314680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
energy generating
head
ejection energy
liquid
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10848794A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Komata
好一 小俣
Hiroshi Koizumi
寛 小泉
Haruhiko Terai
晴彦 寺井
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Seiichiro Karita
誠一郎 刈田
Shuji Koyama
修司 小山
Kimiyuki Hayashizaki
公之 林崎
Takeshi Origasa
剛 折笠
Akira Goto
顕 後藤
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Noriyuki Ono
敬之 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10848794A priority Critical patent/JPH07314680A/ja
Publication of JPH07314680A publication Critical patent/JPH07314680A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な記録を高速で行える歩留り良く低コス
トのインクジェットを提供する。 【構成】 インク吐出エネルギー発生素子が設けられた
素子基板を支持体上に複数配置した基体と、これらの複
数の素子基板の吐出エネルギー発生素子を覆う溝付部材
とを有し、前記複数の素子基板の吐出エネルギー発生素
子が設けられた側の端部が溝付部材の接続壁部で覆われ
ていることを特徴とするヘッド、ヘッドカートリッジお
よびこのヘッドを用いた装置。また、このヘッドの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体を吐出して記録を行
う液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカ
ートリッジおよび液体噴射装置に関する。特に吐出エネ
ルギー発生素子が配された素子基板を複数並べて長尺化
が図られた液体噴射ヘッド、これを用いたヘッドカート
リッジ、液体噴射装置に関する。
【0002】また、このインクジェットヘッドの製造方
法に関する。
【0003】また、本発明は、オフィスで用いられるプ
リンタだけでなく布に対して記録を行う捺染装置として
のプリンタ等の産業上利用できるプリンタへも適用する
ことができる。
【0004】
【背景の技術】熱エネルギーを利用して吐出口からイン
クなどの記録用液体を吐出、飛翔させ、紙、プラスチッ
クシート、布等の被記録媒体に記録用液体を付着させる
ことによって記録を行う液体噴射記録方法は、ノンイン
パクト式の記録方法であって、騒音が少ないこと、被記
録媒体に特に制限が無いこと、カラー画像記録が容易に
できることなどの利点を有する。
【0005】そしてこうした液体噴射記録方法を実施す
る装置、すなわち液体噴射記録装置については、その構
造が比較的シンプルであって、液体噴射ノズルを高密度
に配設でき当該記録装置の高速化も比較的容易に達成で
きるといった利点がある。
【0006】こうしたことから上述した液体噴射記録方
法は社会的に注目され、該記録方法について幾多の研究
がなされており、因に該液体噴射記録方法を実施するい
くつかの液体噴射記録装置が市場化されて実用に付され
ている。
【0007】ところで、近年液体噴射記録法を用いた記
録分野においては、より高画質の記録をより高速で得る
ことが可能な記録装置の早期提供が望まれている。そし
て高速記録の要求に応える観点から、幅広の記録媒体へ
の記録を可能にすべく、該記録の幅に対応する幅を有し
た所謂フルラインヘッドのような長尺の記録ヘッドにつ
いての鋭意研究が成されている。
【0008】しかしながら上記長尺記録ヘッドにおいて
は記録領域の略全幅に渡って設けられた吐出エネルギー
発生素子を全てに渡って欠陥無く加工する事が非常に困
難であった。
【0009】すなわち、A3サイズの記録紙を400D
PI(dot per inch1インチ当たりのドッ
ト数)の記録密度で記録するフルライン記録ヘッドで
は、4736個の吐出エネルギー発生素子(バブルジェ
ット方式では一対の電極及びこれらの電極の間に設けら
れた発熱抵抗体)を1つの欠陥もなく全てに渡って加工
しなくてはならず、極めてその製造が困難であった。従
って、ヘッドコストが高く、なかなか実用化まで達する
ことができなかった。
【0010】そこでこの課題を解決するために発明者ら
は特願平6−34810号公報で示した方法を提案し
た。
【0011】即ち、この提案においては、数千個の吐出
エネルギー発生素子を有する素子基板に比べ、64個や
128個といった比較的少ない数の吐出エネルギー発生
素子を設けた素子基板(以下ヒータボードとも呼ぶ)
を、必要な数だけ同一の支持体の上に複数の素子基板間
においても、1つの素子基板上の素子配置ピッチと同じ
ピッチを達成できるよう精度よく並べて接着することに
よってヘッドの長尺化を達成している。このため今まで
フォトリソ加工などの技術で長尺な素子基板を無欠陥で
作り上げようとして困難を生じていた長尺な記録ヘッド
用基体を極めて高い歩留まりで得ることができる。
【0012】このようにして得られた記録ヘッド用基体
に、複数の素子基板に対応したインク吐出口と、これに
通ずる流路を構成する溝を有する天板としての溝付部材
を接合することで、長尺のインクジェット記録ヘッドを
得ることができる。このように、複数の素子基板を連続
的に覆う長尺な溝付部材を用いることで、ここの素子基
板に対応した溝付部材を複数用いる場合に比べて、イン
クの吐出方向のばらつきを防止でき、良好な画像を得る
ことができる。
【0013】又、複数の素子基板を覆う連続した溝付部
材を用いているため1つの素子基板上での素子の配置ピ
ッチを複数の素子基板間においても達成するよう、素子
基板を配列することができる。従って上述した効果に加
え、ヘッドおよび装置の小型化を達成することができ、
又記録動作が容易な記録ヘッドを提供することができ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが更に検討を進めた結果上記の複数個のヒーターボ
ードを基台(支持体)に配置する場合、ある程度の配置
位置の誤差は避けることができない。
【0015】特にヒーターボード端部の前後方向の配置
誤差はヘッドの特性上重要である。なぜならば、配置誤
差によっては天板(溝付部材)を接合したときにノズル
となるべき天板の溝がヒーターボードから外れてしまう
場合が有り得る。その様子を図9に示す。図9はヒータ
ーボード100上に溝付部材を設けたヘッドの断面を示
しており、天板の溝がヒーターボードから外れてしまっ
た場合、つまり天板端部から天板溝までの距離aが天板
端部からヒーターボード短部までの距離bより小さい場
合、発泡によって発生した圧力が吐出口以外から逃げて
しまい、吐出効率が大変悪くなり最悪の場合には吐出し
なくなる虞れがある。これを避けるためにヒーターボー
ドの配置精度を高めようとすると非常に精密な装置・治
具が必要となり、ヘッドのコストが高くなってしまう。
【0016】この点に対し、天板の溝を天板端部まで刻
まずに、天板端部から十分な距離で溝を止める構成も考
えられる。その様子を図10に示す。しかし、エネルギ
ー発生素子前方のノズル径が細く流抵抗が高い部分の距
離が長くなり、吐出効率が悪くなる。また、吐出口の加
工にレーザーを用いる場合には、必ず片側5°程度のテ
ーパーが付くためレーザーで穴を開ける距離が長くなる
ほど吐出口の開口部の径が小さくならざるを得ず、設計
の自由度がなくなってしまう。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の液体噴射記録ヘッド、ヘッドカートリッ
ジ、及び液体噴射装置の主たる構成は、液体を吐出する
ための吐出エネルギー発生素子が複数設けられた素子基
板を、支持体上の同一面側に複数有した基体と、前記吐
出エネルギー発生素子に対応した流路を構成するための
溝が複数設けられた溝付部材とを有し、前記基体と前記
溝付部材とを接合することによって構成され、前記各素
子基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた側の
端部が接続壁部で覆われていること、もしくは、液体を
吐出するための吐出エネルギー発生素子が複数設けられ
た素子基板を、支持体上の同一面側に複数有した基体
と、前記吐出エネルギー発生素子に対応した流路を構成
するための溝が複数設けられた溝付部材とを有し、前記
基体と前記溝付部材とを接合することによって構成さ
れ、各素子基板間での最大の配置ずれd(μm)、素子
基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた側の端
部から前記吐出エネルギー発生素子までの距離をD(μ
m)としたとき、流路位置a(μm)は、d+5≦a≦
D/2の関係を満たしていることである。
【0018】このような構成により、液体を吐出する吐
出口部分の流路抵抗を増大させることなく、又、吐出エ
ネルギーを不必要に漏らすことない良好な吐出を行える
容易に長尺可能なヘッドカートリッジ及び装置を提供す
ることができる。
【0019】また、本発明のヘッドの製造方法は、液体
を吐出するための吐出エネルギー発生素子が複数設けら
れた素子基板を、支持体上の同一面側に複数配した基体
を準備する工程と、前記吐出エネルギー発生素子に対応
した流路を形成するための溝が複数設けられ、複数と前
記素子基板のエネルギー発生素子列を覆うための溝付部
材を準備する工程と、前記基体に対して前記溝付部材を
接合することによって、前記各素子基板の前記吐出エネ
ルギー発生素子が設けられた側の端部を前記溝付部材の
接続壁部で覆うと共に前記流路を形成する工程と、を有
する方法である。
【0020】このような方法によって上述のようなヘッ
ドを容易な工程で歩留りよく又低コストで製造すること
ができる。
【0021】
【実施例】以下の説明においては、液体としてインクを
用いて説明するが、本発明においては、これに限られる
ものではない。又、本発明において記録とは文字を記録
することのみ、また意味のある画像を記録することのみ
を意味するものではなく、意味のない画像を記録するこ
とをも含む言葉として用いる。本発明者らは、様々な条
件で検討・試作を行い、ヒーターボード配置精度と天板
溝加工位置、それぞれの性能、コスト面での比較を行っ
た。
【0022】以下、図面を参照し詳細な説明を行う。
【0023】図2は本発明の液体噴射ヘッド(以下、イ
ンクジェットヘッドともいう。)を主要な部品の構成が
わかるように説明するための図である。本実施例ではイ
ンク吐出口の密度360dpi(70.5μm)インク
の吐出口数3008ノズル(印字幅212mm)のイン
クジェットヘッドについて説明する。
【0024】図2において、素子基板(以下ヒーターボ
ードともいう)100は吐出エネルギー発生素子101
が所定の位置に360dpiの密度にて128ケ設けら
れているものである。ここでは、素子としてインクに熱
を与えるための発熱抵抗素子が設けられている例を示し
た。また、このヒーターボードには外部からの電気信号
により任意のタイミングで吐出エネルギー発生素子10
1を駆動させたりする信号パッド、その駆動のための電
力などを供給するための電力パッド等102が設けられ
ている。
【0025】ヒーターボード100は金属やセラミック
スといった材質で作られた支持体(ベースプレード)3
00の表面上に接着剤にて接着固定されている。
【0026】図3、図4にヒーターボード100をベー
スプレート300上に複数連続的に並べた状態の詳細図
を示す。図3は平面図で、図4は正面図である。ベース
プレート300の所定の場所に、所定の厚さで塗布され
た接着剤301によってヒーターボード100は接着固
定されており、この際ヒーターボード100上に設けら
れた吐出エネルギー発生素子101がヒーターボード1
00上に配置されたピッチP=70.5μmと同じピッ
チに隣接するヒーターボードの吐出エネルギー発生素子
のピッチがなるように精度よく配置されている。
【0027】各ヒーターボード100は、前後方向に最
大d(μm)の段差を持っている。(尚、図において
は、隣接するヒーターボード間で最大の段差があるヘッ
ドの例を示している。) 図2において、ベースプレート300にはヒーターボー
ド100と同様に配線基板400が接着貼付されてい
る。この際ヒーターボード100上のパッド102と配
線基板上に設けられた信号・電力供給パッド401とが
所定の位置関係となるような位置関係で接着貼付される
こととなっている。また配線基板には外部からの印字信
号や駆動電力を供給するためのコネクター402が設け
られている。
【0028】次に流路を形成するための溝が設けられた
溝付部材である天板200について説明する。
【0029】図5は、天板の上面図(a)、正面図
(b)、下面図(c)、XX断面図(d)をそれぞれ示
している。
【0030】同図で天板200はヒーターボード100
に設けられた吐出エネルギー発生素子101に対応して
設けられた流路202、各流路に対応して設けられたイ
ンクを記録媒体に向けて吐出させるための各流路に連通
したオリフィス203、各流路202に対してインクを
供給するための各流路に連通した液室201、液室20
1に対してインクタンク(図示せず)から供給されたイ
ンクを流入させるためのインク供給口204といった部
品で構成されている。流路202は天板端部より距離a
の位置まで加工されており、そこからレーザーを用いて
穴をあけ吐出口を形成している。天板200はヒーター
ボード100を複数ならべて設けられた吐出エネルギー
発生素子列をほぼ覆いかぶさるような長さで構成されて
いる。
【0031】本発明においては図1で示されるように天
板200はその流路202とベースプレート300上に
並べられたヒーターボード100上の吐出エネルギー発
生素子101との位置関係を所定の位置関係になるよう
にあわせて結合させている。
【0032】この際、結合の方法としてバネ等によって
機械的に押さえ込んだり、接着剤によって固定したりそ
れらを組み合せたりすることなどいろいろな方法があ
る。
【0033】これらにより天板200とヒーターボード
100は図1及び図6のような関係で固定され、液体噴
射ヘッドとなる。図1はこのようなヘッドを流路の横方
向から見る断面図、又図6は流路をオリフィス方向から
見る断面図である。
【0034】本発明においては、ヘッド基体を構成する
複数の素子基板の、吐出エネルギー発生素子が設けられ
た側の端部のそれぞれが、天板側の接続壁部で覆われて
いる。このため、素子基板端部と天板とのつぎ目からイ
ンクの吐出圧力が逃げることがなく、安定したインク吐
出を行うことができる。
【0035】以下、本発明のヘッドにおけるさらに望ま
しい天板と、ヒーターボードの配置における関係につい
て説明する。
【0036】まず、コスト面での比較をするため、本実
施例でのヒーターボード配置位置の公差による歩留まり
の変化、及び流路位置aと歩留まりとの関係を説明す
る。
【0037】図7に配置位置公差と歩留まりとの関係を
示す。
【0038】ヒーターボード100をベースプレート3
00に接着する際は、吐出エネルギー発生素子101を
画像認識し、x、y、θ方向の位置を補正しつつベース
プレート300上に配置している。
【0039】図3に示すようにヒーターボード100を
複数個配置した場合には、それぞれのヒーターボード間
で前後方向への配置のばらつきが生じる。各ヒーターボ
ード間の前後方向の段差の最大値をdとし、このdの段
差が所定の値以内の時を良品、所定の値を外れる場合は
不良として歩留まりを出した。
【0040】本実施例のようにヒーターボードを多数個
並べてヘッドを構成する場合には、ヒーターボード配置
工程での歩留まりを高くしなくては、ヒーターボード1
個を小さくしてヒーターボードそのものの歩留まりを上
げた意味がない。
【0041】図7のグラフを見ると、ヒーターボード配
置歩留まりを80%以上にするには配置精度の公差を±
3μm以上(即ち段差6μm)にする必要があることが
わかる。また公差を±5μm(段差10μm)とすれば
歩留まりはほぼ100%となる。
【0042】これら3種類の公差(±1μm、±2μ
m、±5μm)のヘッド基体上に、流路位置aの異なる
天板を接合して流路位置aに対する歩留まりの評価を行
った。尚、全ての流路がヒーターボード100からはず
れないで確実に塞がれて良好な吐出をしている場合を良
品とし、その歩留まりを図8に示す。
【0043】これを見ると、ヒーターボード前後段差1
0μm(配置位置公差±5μm)のもので、天板接合後
の歩留まり80%を達成するには流路位置aは最低15
μm程度必要であることがわかる。
【0044】また、流路位置aが5μm、かつヒーター
ボード前後段差が±1μmの場合でも不良ヘッドが発生
している。即ち流路202がヒーターボードから外れて
いる箇所がある。この不良品を詳細に観察すると、流路
202がヒーターボードから外れている場所は、ヒータ
ーボード切断時のチッピング(欠け)によって流路が外
部と連通してしまっている場合は、天板そのものの前後
方向の反りによって流路が外部と連通してしまっている
場合があることがわかった。
【0045】チッピングに関しては、現在のダイシング
技術及び歩留まりとの関係で、5μm以下に抑えること
は難しい。
【0046】従って流路位置aは、少なくともヒーター
ボード100の配置後の前後方向の最大段差dよりも5
μm大きくないと流路がヒーターボードから外れる場合
があることがわかる。
【0047】以上より歩留まりのみで考えた場合、天板
接合後の流路外れの歩留まり80%以上を達成するに
は、a≧d+5(μm)であればよい。
【0048】一方、性能面から流路位置aの寸法を検討
した結果を図9に示す。ヒーターボードの前後方向の配
置精度が±1μm以内に配置できたものを選んで、その
上に流路位置の違う各種の天板を接合してその特性を調
べたものである。
【0049】横軸は流路位置a、縦軸は記録液滴の吐出
体積を表す。同一のエネルギーを投入したとき吐出体積
が大きいほど吐出効率が良いといえる。
【0050】これを見ると流路位置aが20μm(即ち
ヒーターボード100の端部と吐出エネルギー発生素子
101との距離(D)80μmの四分の一)まではあま
り吐出体積が低下しないが、40μm(即ちヒーターボ
ード100の端部と吐出エネルギー発生素子101との
距離80μmの二分の一)になると吐出体積は70%程
度に低下してしまう。これはエネルギー発生素子前方の
ノズル径が細く流抵抗が高い部分の距離が長くなり、吐
出効率が悪くなるためである。記録を行う上で必要な吐
出効率は、上述の70%以上であるため、従って吐出効
率の点では、流路位置aはヒーターボード端部と吐出エ
ネルギー発生素子との距離の二分の一以内にするのがよ
い。
【0051】以上より、歩留まり(コスト)、性能面を
どちらも満足させるには d+5≦a≦D/2 を満足するように流路位置aを決定すれば良い。
【0052】さらに好ましくは d+10≦a≦D/4 を満足していればより高い歩留まりと高い効率を得るこ
とが出来る。
【0053】次に図10および図11を参照して本発明
の液体噴射ヘッドを説明する。今まで説明してきたよう
に、ガラス、シリコン、セラミックス、金属等のベース
プレートの上に吐出エネルギー発生素子が作り込まれた
ヒーターボードを複数個精度良く配置接着したものに対
して、オリフィス液流路が作り込まれた天板を接合する
ことによってインクジェットヘッドを製造した。図6は
このようなインクジェットヘッドを適用したインクジェ
ットカートリッジを模式的に示している。このIJCは
インクジェットヘッド500と、そのインクジェット記
録ヘッドに供給するためのインクを貯蔵することが可能
なインク容器501とが一体的に形成されている。この
ような構成によって、前述した実施例の効果を有するイ
ンクジェットカートリッジを提供することができる。
【0054】図11は本発明が適用可能な記録ヘッドの
うち最も顕著な効果があらわれる。記録媒体の記録幅に
対応した幅にオリフィスが並べられたいわゆるフルライ
ンタイプのインクジェット記録ヘッドおよびそのインク
ジェット記録装置(液体噴射装置)の模式的概略説明図
を示している。
【0055】図11において、600がフルラインイン
クジェット記録ヘッドを示しており、このインクジェッ
ト記録ヘッドから、記録媒体搬送ローラー700に搬送
される紙や布等の記録媒体800に向けてインクが吐出
され、これによって記録がなされる。本発明のインクジ
ェット記録ヘッドの場合、吐出エネルギー発生素子を設
けたヒーターボードを複数個並べることで記録ヘッドを
製造するので、フルラインヘッドのような長いインクジ
ェット記録ヘッドでも容易に製造することができる。
【0056】図12は小型の記録ヘッドを搭載した記録
装置を示している。図12で示される記録装置において
はキャリッジHC上にインクタンク部901と記録ヘッ
ド部902とが着脱可能なインクジェット記録ヘッドカ
ートリッジが搭載されており、またこのキャリッジ、記
録媒体800を搬送するための搬送ローラ等を駆動する
駆動源としてのモーター93、駆動源からの動力をキャ
リッジに伝えるためのキャリッジ軸904等を有してい
る。さらに、インクジェット記録ヘッドにインクを吐出
するための信号を供給するための信号供給手段を有して
いる。
【0057】また、今まで説明して来た記録装置で、搭
載されるインクジェット記録ヘッドの種類ないし個数に
ついて単色のインク1個のみで説明したが、記録色や濃
度を異にする複数のインクに対応して複数個設けられる
ものであってもよい。即ち、複数色のインクに対応した
複数個のヘッドを搭載されたカラー記録装置に対しても
本発明のヘッドを使用することは当然である。さらに加
えて、以上説明した本発明の実施例においては、インク
を液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化す
るインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを
用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク
自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行っ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイン
クが液状をなすものを用いてもよい。加えて、放置状態
で固化し、加熱によって液化するインクを用いてもよ
い。
【0058】また本発明においては特に長尺な記録ヘッ
ドの要求が高い捺染装置および捺染装置と前処理装置、
後処理装置を組み込んだ捺染システムにおいても印字む
らのない長尺ヘッドを提供することができ、高精細高画
質の記録が可能な捺染装置およびシステムを提供するこ
とができる。
【0059】またこのインクジェット記録ヘッドを用い
ることによって、画像の乱れのないファクシミリや複写
機やプリンター等の記録装置を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、ヒーターボードを
複数個並べそれに一体の天板を接合して構成されるイン
クジェット記録ヘッドを用いる場合、天板の溝の天板端
部からの距離を適正にすることによって、ヒーターボー
ドの前後方向の配置がばらつく場合であっても溝がヒー
ターボードから外れることなく、吐出効率が良く低コス
トな長尺ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射ヘッドの模式的断面図。
【図2】本発明の液体噴射ヘッドの模式的斜視図。
【図3】本発明の液体噴射ヘッドのヒーターボード配置
を説明するための模式的平面図。
【図4】本発明の液体噴射ヘッドのヒーターボード配置
を説明するための模式的正面図。
【図5】本発明の液体噴射ヘッドの天板の模式図。
【図6】本発明の液体噴射ヘッドのヒーターボードと天
板の位置関係を説明する模式図。
【図7】ヒーターボードの配置位置公差と歩留まりの関
係を表すグラフ。
【図8】天板の溝加工位置と歩留まりの関係を表すグラ
フ。
【図9】天板の溝加工位置と吐出液体体積の関係を表す
グラフ。
【図10】本発明の液体噴射ヘッドを適用したヘッドカ
ートリッジの模式的斜視図。
【図11】本発明の長尺ヘッド(フルラインヘッド)と
該ヘッドを搭載したインクジェット装置を表す図。
【図12】本発明のヘッドカートリッジを搭載した記録
装置の説明図。
【図13】背景技術の液体噴射ヘッドの天板とヒーター
ボードを結合した状態の一例を表す模式図。
【図14】背景技術の液体噴射ヘッドの天板とヒーター
ボードを結合した状態の一例を表す模式図。
【符号の説明】
100 ヒーターボード 101 吐出エネルギー発生素子 102 パッド 200 天板 201 液室 202 流路 203 吐出口 204 インク供給口 205 溝付部材 206 接続壁部 300 ベースプレート 301 接着剤 302 封止剤 400 配線基板 401 信号・電力供給パット 402 コネクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 3/04 103 H (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 刈田 誠一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 小山 修司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 林崎 公之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 折笠 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 後藤 顕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 稲葉 正樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 小野 敬之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出するための吐出エネルギー発
    生素子が複数設けられた素子基板を、支持体上の同一面
    側に複数有した基体と、 前記吐出エネルギー発生素子に対応した流路を構成する
    ための溝が複数設けられた溝付部材とを有し、 前記基体と前記溝付部材とを接合することによって構成
    され、前記各素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が
    設けられた側の端部が接続壁部で覆われていることを特
    徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 【請求項2】 液体を吐出するための吐出エネルギー発
    生素子が複数設けられた素子基板を、支持体上の同一面
    側に複数有した基体と、 前記吐出エネルギー発生素子に対応した流路を構成する
    ための溝が複数設けられた溝付部材とを有し、 前記基体と前記溝付部材とを接合することによって構成
    され、各素子基板間での最大の配置ずれd(μm)、素
    子基板の前記吐出エネルギー発生素子が設けられた側の
    端部から前記吐出エネルギー発生素子までの距離をD
    (μm)としたとき、流路位置a(μm)は、 d+5≦a≦D/2 の関係を満たしていることを特徴とする液体噴射ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 各素子基板の吐出エネルギー発生素子の
    配置間隔を維持するように複数の素子基板が配置されて
    いる請求項1もしくは2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記吐出エネルギー発生素子は、発熱抵
    抗素子である請求項1もしくは2に記載の液体噴射ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記液体はインクである請求項1もしく
    は2に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記素子基板は、被記録媒体の記録可能
    領域に対応した幅に前記吐出エネルギー発生素子が複数
    配されている請求項1もしくは2に記載の液体噴射ヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6の液体噴射ヘッドと、
    該液体噴射ヘッドに供給するためのインクを保持するイ
    ンク容器とを有するヘッドカートリッジ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6の液体噴射ヘッドと、
    被記録媒体を搬送するための手段を有する液体噴射装
    置。
  9. 【請求項9】 液体を吐出するための吐出エネルギー発
    生素子が複数設けられた素子基板を、支持体上の同一面
    側に複数配した基体を準備する工程と、 前記吐出エネルギー発生素子に対応した流路を形成する
    ための溝が複数設けられ、複数前記素子基板のエネルギ
    ー発生素子列を覆うための溝付部材を準備する工程と、 前記基体に対して前記溝付部材を接合することによっ
    て、前記各素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が設
    けられた側の端部を前記溝付部材の接続壁部で覆うと共
    に前記流路を形成する工程と、を有する液体噴射ヘッド
    の製造方法。
JP10848794A 1994-05-23 1994-05-23 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法 Withdrawn JPH07314680A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10848794A JPH07314680A (ja) 1994-05-23 1994-05-23 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10848794A JPH07314680A (ja) 1994-05-23 1994-05-23 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07314680A true JPH07314680A (ja) 1995-12-05

Family

ID=14486013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10848794A Withdrawn JPH07314680A (ja) 1994-05-23 1994-05-23 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07314680A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6062666A (en) Ink jet recording method and apparatus beginning driving cycle with discharge elements other than at ends of substrates
JP3255528B2 (ja) インクジェット装置
JP5294884B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP3848218B2 (ja) インクジェット記録ヘッド
JP4574385B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよび記録装置
JP3513199B2 (ja) 液体噴射ヘッド、これを用いた液体噴射ヘッドカートリッジおよび記録装置、ならびに液体噴射ヘッドの製造方法
EP0822081A2 (en) Liquid ejection head, liquid ejection head cartridge, printing apparatus, printing system and fabrication process of liquid ejection head
US7959260B2 (en) Ink jet recording method
JPH0825635A (ja) インクジェットプリント装置およびプリントヘッドユニット
JPH1044419A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出装置、および記録装置
JP2004001488A (ja) インクジェットヘッド
JPH08118642A (ja) 液体噴射ヘッド用素子基板、該素子基板を用いた液体噴射ヘッド、該ヘッドを用いた液体噴射装置
JP2004042613A (ja) インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法
JP2003311962A (ja) 液体吐出ヘッドならびに前記液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジおよび画像形成装置
JP3554113B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出装置、および記録システム
JP3471887B2 (ja) 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ及び液体噴射装置
JPH07314680A (ja) 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法
JP3416442B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット装置
JP3126590B2 (ja) 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法
JPH07290711A (ja) インクジェットヘッド、インクジェットヘッドカートリッジ、インクジェットヘッドキット、インクジェット記録装置、インクジェットヘッドの製造方法およびインクの注入方法
JP3639698B2 (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出記録装置、および液体吐出ヘッドの製造方法
JP2006224443A (ja) インクジェット記録ヘッド、記録装置、および記録方法
JPH106518A (ja) インクジェット記録装置
JP4757155B2 (ja) インクジェット記録ヘッド
JP2006168103A (ja) インクジェット記録装置及び吐出回復方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010731