JPH07314438A - 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法

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JPH07314438A
JPH07314438A JP6116549A JP11654994A JPH07314438A JP H07314438 A JPH07314438 A JP H07314438A JP 6116549 A JP6116549 A JP 6116549A JP 11654994 A JP11654994 A JP 11654994A JP H07314438 A JPH07314438 A JP H07314438A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
temperature
particles
heated
foaming agent
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Application number
JP6116549A
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English (en)
Inventor
Hidenori Takenaka
秀徳 竹中
Fumihiko Morimoto
文彦 森本
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07314438A publication Critical patent/JPH07314438A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B9/00Making granules
    • B29B9/02Making granules by dividing preformed material
    • B29B9/06Making granules by dividing preformed material in the form of filamentary material, e.g. combined with extrusion
    • B29B9/065Making granules by dividing preformed material in the form of filamentary material, e.g. combined with extrusion under-water, e.g. underwater pelletizers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 押出機(2,3)内で、ポリスチレンに代表
される熱可塑性樹脂と発泡剤とを溶融混練した後、ダイ
ヘッド7より加熱加圧液で充填されたカッターボックス
9内に押出し、即時切断して粒子状とした後に、圧力容
器(16,17)に移され、該圧力容器内で徐冷し、次い
で、該圧力容器を開放系にして、容器内が、40℃以上
で、DSC測定による高温側ピークより15℃高い温度
以下の温度条件で熟成する。 【効果】 予備発泡粒子のセル系が大きく、また、均一
化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の緩衝材、断熱
材、包装容器等の用途において有用な熱可塑性樹脂粒子
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂の発泡成形品を
得る方法としては、例えば、懸濁重合によって得られる
熱可塑性樹脂粒子に易揮発性発泡剤を1〜20重量%含
浸させて発泡性熱可塑性樹脂粒子とし、かかる発泡性熱
可塑性樹脂粒子を水蒸気等により軟化点以上に加熱して
予備発泡粒子とした後、この予備発泡粒子を小さな孔や
スリットから水蒸気等で内部を加熱できる閉鎖型金型に
充填し、水蒸気等で加熱して、該予備発泡粒子同士を互
いに溶融融着させて、上記密閉型金型通りの多泡性熱可
塑性成形体(以下、発泡成形体と称す)とする方法が一
般的に行われている。ところが、この型内発泡成形に供
する発泡性樹脂粒子を作る懸濁重合法では粒径の均一な
ものが得られず、篩い分けによる粒度調整が不可欠であ
り、また水中での分散安定性を阻害する添加剤を用いる
製品の製造は制約が多く極めて困難であるという課題が
ある他、この方法では発泡成形体や品質規格に達しない
発泡性熱可塑性樹脂粒子等の回収品の製品への再生が不
可能である課題もあった。
【0003】そこで上記懸濁重合による熱可塑性樹脂粒
子に代わるものとして例えば熱可塑性樹脂と発泡剤とを
押出機内で溶融混練し、発泡防止のため、加圧、加熱さ
れた液中に押出し、液中カットする方法が行われてい
る。ところが、溶融混練押出法によって得られる熱可塑
性樹脂粒子の場合には、粒子製造時に発生する内部歪や
易揮発性発泡剤の粒子内部での分散が不十分なこと等に
起因して予備発泡粒子のセル径の制御が非常に困難であ
り、発泡成形体の表面平滑性や融着性等の品質特性に優
れたものが得られ難いのが実状であった。
【0004】そこで、例えば特公平5−59138号公
報には、押出機内で熱可塑性樹脂と発泡剤を溶融混練
し、加圧加熱液中に押出し、液中カットし、発泡性熱可
塑性樹脂粒子を得た後、当該発泡性樹脂粒子のガラス転
移温度の±5℃の温度範囲で徐冷する事により粒子内部
の残留応力、分子配向を除去させる技術が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特公平5
−59138号公報記載の方法は、セル径の制御はある
程度可能となるが、加圧条件下での徐冷処理のみでは粒
子内部の残留応力による歪や配向が充分に低減出来ない
ために、特に、予備発泡粒子内のセル径の肥大化及び均
一化は図れず、従って、融着性や表面特性に優れた発泡
成形体が得られないという課題を有していた。
【0006】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、大きく、しかも均一なセル径を有し、且つ表面平滑
性や融着性等の品質特性に優れた発泡成形体が得られる
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡剤を溶融混練
後、発泡しない温度、圧力下の加熱加圧液中で切断、冷
却後、常圧下加熱液中での熟成処理を施す事により粒子
内部の歪・配向の除去を完全なものとして、セル径が大
きく、しかも、均一な予備発泡粒子及び表面平滑性や融
着性等の品質特性に優れた発泡成形体が得られる事を見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、熱可塑性樹脂(A)と、
発泡剤(B)とを溶融混練し(工程1)、これをダイヘ
ッドの押出孔から、熱可塑性樹脂(A)と発泡剤(B)
との溶融混練物が発泡しない温度・圧力に加熱・加圧さ
れた加熱加圧液中に押出した後、即時切断し(工程
2)、得られた粒子を常圧で発泡しない温度まで冷却し
(工程3)、発泡性熱可塑性樹脂を示差熱分析装置(D
SC)で測定した場合に、40〜120℃の領域で出現
する二つの吸熱ピークのうち、低温側のピーク温度をT
1とした場合の30〜(T1+15)℃の温度範囲に加熱
された、常圧の液中で熟成処理する(工程4)ことを特
徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法に関する。
【0009】本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)として
は、特に制限はなく、発泡剤により発泡可能な樹脂であ
ればよく、例えばポリスチレン、スチレン−ブタジェン
共重合体(耐衝撃性ポリスチレン)、スチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、AS樹脂、ABS樹脂等の芳香族ビニル系樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリ(メ
タ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリ
ル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカプロラ
クタム、ヘキサメチレンアジポアミド樹脂等のアミド系
樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテル
イミド、ポリフェニレンエーテル等の単独あるいは混合
物が挙げられ、なかでも芳香族ビニル系樹脂、オレフィ
ン系樹脂が好ましく、特にスチレン系樹脂が好ましい。
【0010】本発明で用いる発泡剤(B)としては、例
えば脂肪族炭化水素系発泡剤、ハロゲン化炭化水素系発
泡剤等が挙げられ、通常大気圧下での沸点が95℃以下
のものが好ましい。
【0011】上記脂肪族炭化水素系発泡剤としては、例
えばエタン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、
イソブタン、イソブチレン、ノルマルペンタン、イソペ
ンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シ
クロヘキサン、石油エーテル等が挙げられ、またハロゲ
ン化炭化水素系発泡剤としては、例えば塩化メチル、塩
化エチル、ジクロロエタン、クロロホルム、フルオロメ
タン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、ジフル
オロエタン、トリフルオロエタン、フルオロクロロメタ
ン、フルオロクロロエタン、ジクロロジフルオロメタン
等の単独あるいは混合物が挙げられる。なかでも炭素原
子数3〜6の脂肪族炭化水素、特にノルマルブタン、イ
ソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンが適度な沸
点を有し発泡性に優れ、また、微分散性にも優れる点か
ら好ましい。
【0012】発泡剤(B)の使用量は、特に限定される
ものではないが、通常、熱可塑性樹脂100重量部に対
して、20重量部以下であり、なかでも粒子の凝集がな
く、均一なセル径が得られ易い点で2〜10重量部であ
ることが好ましい。
【0013】尚、上記発泡剤(B)のうち、プロパン、
ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソ
ペンタン又はシクロヘキサン等を単独あるいは併用で使
用する場合、発泡剤含浸時に熱可塑性樹脂粒子を溶解す
る有機溶剤、所謂発泡助剤を併用するのが好ましい。か
かる有機溶剤の例としてはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;エチレンジ
クロライド、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類などの公知慣用の溶剤を挙げることがで
きる。
【0014】中でも、熱可塑性樹脂粒子(A)及び発泡
剤(B)との相溶性に優れ、発泡剤を効率よく熱可塑性
樹脂粒子中に取り入れることができる点からトルエン及
びエチルベンゼンが好ましい。
【0015】この様な発泡助剤の使用量は、熱可塑性樹
脂100重量部に対して、通常0.1〜2重量%であ
る。
【0016】本発明の製造方法は、以下の各工程を経て
目的とする発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造するものであ
る。 工程1:熱可塑性樹脂(A)と発泡剤(B)を溶融混練
する工程。
【0017】工程2:溶融混練機の先端に取り付けられ
たダイヘッドの押出孔から、加熱加圧液中に押し出した
後、切断して粒子とする工程。 工程3:冷却する工程。
【0018】工程4:熱可塑性樹脂(A)と発泡剤
(B)との溶融混練物を示差熱分析装置(DSC)で測
定した場合に、40〜120℃の領域で出現する二つの
吸熱ピークのうち、低温側のピーク温度をT1とした場
合の30〜(T1+15)℃の温度範囲に加熱された、
常圧の液中で熟成処理する工程4。
【0019】以上の工程1〜工程4によって構成され
る。
【0020】本発明の工程1において、熱可塑性樹脂
(A)と発泡剤(B)を溶融混練する方法としては、例
えば熱可塑性樹脂(A)と発泡剤(B)を溶融混練機を
用いて、(A)の溶融温度以上で溶融混練する方法が挙
げられ、通常は単軸押出機、二軸押出機、タンデム型押
出機等の押出機を用いることができるが、なかでも該熱
可塑性樹脂及び発泡剤の分散が良好な点で二軸押出機や
タンデム型押出機を用いると好ましい。
【0021】また、発泡剤の導入時期は特に限定されな
いが、熱可塑性樹脂が半溶融ないし溶融しているとこ
ろ、例えば押出機の途中部分から圧入すると好ましい。
溶融混練時の温度は、熱可塑性樹脂(A)が溶融するよ
うな温度であればよく、特に制限されないが、発泡剤
(B)がより均一混合される点から150〜300℃の
温度範囲が好ましい。
【0022】次いで、工程2として熱可塑性樹脂(A)
と発泡剤(B)との溶融混練物は、溶融混練機の先端に
取り付けられたダイヘッドの押出孔から、加熱加圧液中
に押し出した後、切断して粒子とされる。(工程2) ここで用いるダイヘッドとしては、特に限定されない
が、例えば直径0.3〜3mm、好ましくは0.5〜1
mmの押出孔を有するものが挙げられる。また、押出し
た後切断する切断装置は、特に限定されないが、例えば
カッターを内部に有し、内部に充填される加熱加圧液を
循環し得る導入口および排水口を有する耐圧容器耐圧容
器(以後「カッティングボックス」と称する)から構成
され、ダイヘッドから押し出された発泡剤含有熱可塑性
樹脂を直ちにカッターで切断し得るようにダイヘッドに
固定されたものが挙げられる。
【0023】加熱加圧液としては、上記粒子の発泡を防
止できる圧力以上に加圧可能なものであればよく、特に
限定されないが例えば水、グリコール、エチレングリコ
ール、水とエチレングリコールの混合物等が挙げられ
る。なかでも加熱加圧液の温度コントロールが容易であ
り、また、該樹脂に対してより非溶性である点から加熱
加圧された水が好ましい。
【0024】ここで用いる加熱加圧液は、熱可塑性樹脂
(A)の温度条件は特に限定されず、ダイスから溶融樹
脂を押出し可能な程度に加熱され、また、カッティング
により顆粒化可能な温度範囲であればよい。具体的に
は、発泡剤を含有した発泡性熱可塑性樹脂を示差熱分析
装置(DSC)で発泡性熱可塑性樹脂を測定すると40
〜120℃の範囲に吸熱ピークが二つ現れるが、その内
の低温側のピーク温度をT1、高温側のピーク温度をT2
とした場合の、T2よりも10℃高い温度以下であっ
て、かつ、40℃以上の温度であることが好ましい。
【0025】即ち、(T2+10)℃以下にすることに
より、得られる粒子凝集の防止効果が顕著となり、ま
た、40℃以上にすることによって、樹脂の流動性が向
上し粒子内の歪や、配向を除去し易くなり、予備発泡粒
子にした場合のセル径をより均一なものにすることがで
きる。
【0026】具体的には、例えば熱可塑性樹脂(A)が
スチレン系樹脂であって、発泡剤(B)がブタン(ノル
マルブタンの各種異性体を含む)若しくはペンタン(ノ
ルマルペンタンの各種異性体を含む)の場合、加熱加圧
液中で粒子化する温度は50〜85℃の範囲が好ましい
が、更に60〜80℃の範囲が上述した効果が一層顕著
になり好ましい。
【0027】また、加熱加圧液の圧力条件は、特に限定
されず、上述したカッティングボックス内の液温におい
て発泡性熱可塑性樹脂粒子が発泡しない圧力、即ち、通
常加熱加圧液の温度における発泡剤の飽和蒸気圧以上の
圧力であるが、具体的には、カッティングボックスに加
熱加圧液を満たした場合で、2〜20Kg/cm2であ
ることが好ましい。更に具体的には、発泡剤がブタンの
場合、通常5Kg/cm2以上、好ましくは7〜20K
g/cm2であり、発泡剤がペンタンの場合は、2Kg
/cm2以上、好ましくは3〜10Kg/cm2である。
【0028】次いで、カッティングボックス内で切断さ
れた発泡性熱可塑性樹脂粒子は、次工程である冷却を直
ちに行ってもよいが、カッティングボックス内で、加熱
加圧液の温度で系内を保持した後に冷却することが、得
られる発泡剤含有熱可塑性樹脂粒子自体に流動性をもた
せ、その結果、該粒子内の残留応力による歪や配向が低
減され、冷却及び熟成(セル径均一化工程)での発泡剤
の分散を良好にできる点から好ましい。保持時間は特に
制限されないが、30分以上であること、なかでも1時
間〜3時間であることがこの効果が顕著となり好まし
い。尚、カッティングボックス内で30分以上保持する
工程を「工程2’」とする。
【0029】また、カッティングボックス内に充填され
た所定の加熱加圧液は、樹脂粒子と共に次工程である冷
却工程(工程3)に供することができるが、系内を循環
して再度使用することが生産効率上好ましい。
【0030】続いて、この発泡性樹脂粒子を含んだ加熱
加圧液は系より切り離され、バッチ的かまたは連続的
に、常圧で発泡しなくなる温度まで冷却される(工程
3)。この「常圧で発泡しなくなる温度」としては特に
制限されないが、引き続き行われる熟成工程における歪
除去の効果が良好となる点から30℃以上であることが
好ましい。
【0031】また、冷却の速度は、特に限定されるもの
ではないが、2℃/分以下で徐冷すれば予備発泡粒子の
セル径の微細化が阻止出来、全体的により大きなセルが
得られる為に融着性が増し表面性の良好な、しかも強度
が強い発泡成形体が得られ易くなる。なかでも、1℃/
分以下の速度で徐冷すればその効果は更に大きくなる。
【0032】冷却後、発泡性熱可塑性樹脂粒子は熟成処
理に供される(工程4)。即ち、加熱加圧液中に存在す
る発泡性熱可塑性樹脂粒子を、常圧で発泡しない温度ま
で冷却した後に、発泡性熱可塑性樹脂を示差熱分析装置
(DSC)の測定した場合に、40〜120℃の領域で
出現する二つの吸熱ピークのうち、低温側のピーク温度
をT1とした場合の30〜(T1+15)℃の温度範囲に
加熱された、常圧の液中で熟成処理する。即ち、30℃
以上にすることにより、予備発泡粒子のセル径の均一
性、つまり粒子の表面に近い表層部のセル径が小さく、
中心部のセル径が大きくなる現象の出現を抑えることが
でき、更に全体的にセル径を大きくでき、また、(T1
+15)℃以下にすることにより、常圧下での発泡し難
くなる。
【0033】この熟成処理で重要なことは、飽くまでも
常圧下で、しかも加温された液中で行う事であり、この
処理を施す事により加熱加圧液中での温度保持及びその
後の徐冷処理工程で減少してきた粒子内部の歪・配向が
完全に除去出来る点、及び樹脂粒子内部の発泡剤が表面
に向かって移動・拡散する事にある。ここで、常圧と
は、通常、大気圧を示すものであり、よって開放系で熟
成処理を行なうことが好ましい。また、勿論密封系で行
ってもよいが、その場合は、処理を行っている場所の大
気圧と同等の圧力条件で行なうことが好ましい。
【0034】当該熟成処理の時間及び温度は、用いる熱
可塑性樹脂(A)、発泡剤(B)及び熟成するときの液
体の種類によって30〜(T1+15)℃の温度範囲に
おいて、適宜選択されるが、一般に、出来るだけ高い温
度の方が効果が顕著であり、具体的には、30〜70℃
であることが好ましい。
【0035】また、熟成処理に要する時間は、処理温度
により異なるが、通常30分間以上である事が好まし
い。一般的に処理時間は長い方が均一分散性が向上する
が、24時間以上処理を行った場合には、それ以上の効
果向上は見られなくなる。また、処理時間は長い方が生
産効率が低下するのは当然であるが、この均一分散性と
生産効率とのバランスに優れる点からなかでも30分間
〜10時間である事が好ましい。
【0036】更に、粒子を熟成する液体としては、加温
液体であれば良く特に限定されないが、例えば、水、メ
チルアルコール、エチレングリコール、水とエチレング
リコールの混合物のほか、水蒸気、温風等が考えられる
が、通常、温水が温度コントロールが容易である他、熱
容量が大きく熟成効率に優れる点から好ましい。
【0037】以上述べた、工程1〜4はそれぞれ独立的
に行ってもよいが、一貫した連続製造を行なうことが生
産効率上好ましい。また、詳述した様に、樹脂粒子内の
残留応力による歪、配向の低減化を一層顕著にするため
の加熱加圧液中での加熱保持処理、予備発泡粒子のセル
径の拡大化に大きく貢献する徐冷処理、そして、本発明
で必須の要件である熟成処理、以上の工程を連続的に行
なうことにより、セル径が大きく、しかも均一な予備発
泡粒子及び表面平滑性や融着性等の品質特性に格別に優
れる、という本発明の効果がより一層優れたものとな
る。
【0038】即ち、熱可塑性樹脂(A)と、発泡剤
(B)とを溶融混練し、(工程1) 次いでこれをダイヘッドの押出孔から、温度条件が、熱
可塑性樹脂(A)と発泡剤(B)との溶融混練物を示差
熱分析装置(DSC)で測定した場合に40〜120℃
の領域で出現する二つの吸熱ピークのうち、低温側のピ
ーク温度をT1、高温側のピーク温度をT2とした場合の
(T2+10)℃以下40℃以上であって、しかも熱可
塑性樹脂(A)と、発泡剤(B)とを溶融混練物が発泡
しない圧力に加圧された加熱加圧液中に押出して即時切
断し、(工程2) 得られた粒子をそのまま加熱加圧液中で30分間以上保
持し(工程2’)、次いで、常圧で発泡せず、かつ、3
0℃以上の温度まで、2℃/分以下の速度で徐冷し(工
程3)、徐冷後、常圧下に、30〜(T1+15)℃の
温度範囲に加熱された、常圧の液中で熟成処理し(工程
4)、かつ、以上(工程1)〜(工程4)を連続的に行
なうことによって、より顕著なセル径の拡大化並びにセ
ル径均一化を発現させることができる。
【0039】ここで、吸熱ピーク温度T1、T2とは示差
熱分析装置(DSC)を用い40〜120℃の範囲で測
定した時に現れる吸熱ピークの温度である。低温側のピ
ーク温度T1は発泡剤の分子が動き始める温度である。
また、高温側のピーク温度T2は発泡剤の分子運動が活
発になり、樹脂の分子が動き始める温度である。これら
の温度は樹脂の種類及び発泡剤の含有量によって決まる
ものであり、例えば、熱可塑性樹脂(A)がポリスチレ
ンであり、発泡剤(B)がブタンかまたはペンタンの含
有量が1〜7%の場合、T1は45〜85℃であり、T2
は65〜105℃である。
【0040】以上詳述した工程1〜4を経て得られた発
泡性熱可塑性樹脂粒子は、次いで分離、乾燥される。以
下に工程1〜工程4を連続的に行なって発泡性熱可塑性
樹脂粒子を得る連続製造方法の一例を第1図に基づいて
説明する。
【0041】連結管5で結ばれた二台よりなるタンデム
型押出機の内、第1番目の押出機2のホッパー1に熱可
塑性樹脂を供給し、スクリューにより溶融した頃を見計
らい3及び4のラインより発泡剤及び発泡助剤がそれぞ
れポンプにより圧入され、混練性の良好な構造のスクリ
ュ−で充分に溶融混練される。発泡剤が混練された溶融
樹脂は連結管5を通り第2番目の押出機6に移動し発泡
剤の混練を継続しながら最適な温度に冷却され多数の細
孔を有するダイヘッド7より吐出される。吐出された樹
脂はダイヘッド7と密着されたカッティングボックス9
内を循環する加熱加圧液中で高速回転するカッターブレ
ード8により切断され球形の粒子にされた後、加熱加圧
液の過剰なスラリー状で(樹脂粒子/液=1/50〜3
00)攪拌機17(または19)、および温度制御のた
めのジャケットが装着された第1圧力容器16(または
第2圧力容器18)に移送される。この第1圧力容器1
6(または第2圧力容器18)の底部にはフィルター2
0(または21)が装着されており樹脂粒子と加熱加圧
液がここで分離される。発泡剤を含有した樹脂粒子は圧
力容器16(または18)に溜められ、設定された温
度、圧力下に保持され、残留応力により発生した樹脂粒
子内の歪・応力を低減させる。
【0042】一方、分離された加熱加圧液はバルブ22
(または23)を通り、圧力容器16(または18)内
のフィルター20(または21)を通過した微小樹脂粒
子をフィルター27で更に除去された後、常圧循環容器
28に入り常圧に戻される。この常圧の液はポンプ32
により送られ、熱交換器31を通過した加熱液により温
度制御され、また加圧ポンプ29により加圧されて再び
カッティングボックス9に供給され循環使用される。加
熱加圧液は加圧ポンプ29だけでなく圧力調整用液戻し
バルブ・ライン30により圧力の微調整を行う。
【0043】また、圧力容器16(または18)に貯蔵
された樹脂粒子はバルブ10及びバルブ22を閉じて
[その際、圧力調整用バルブ12(または14)は開放
して圧力を保持する。]、循環される加熱加圧液から分
離された後、ジャケット内に通された温水、冷却水、ま
たはチラー水により徐冷される。
【0044】次に、発泡剤を含有した樹脂粒子が常圧で
発泡しない温度まで冷却された時点で圧力抜きバルブ1
3(または15)を開け[この際、バルブ12(または
14)は閉じる]圧力容器内の圧力を常圧に戻した後、
所定の温度に設定させ熟成工程にはいる。
【0045】常圧下、所定の温度及び時間の熟成処理が
終了してから発泡性樹脂粒子排出バルブ24(または2
5)を開け樹脂粒子と液の混合物をサンプル取り出し容
器26に排出させる。[空になった圧力容器16(また
は18)は温水が満たされ、所定の圧力に加圧されて待
機状態に入る。]その後、液より分離された樹脂粒子は
乾燥して目的とする発泡性熱可塑性樹脂粒子とすること
ができる。得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子は、予備発
泡、及び型内発泡成形に供される。
【0046】この様にして作られた発泡成形体は各種緩
衝材、断熱材、包装容器等に利用できる。
【0047】また、圧力容器16に樹脂粒子が所定の温
度・圧力に保持されながら貯蔵されている間、圧力容器
18は液が満たされて待機状態にされるが(バルブ11
が閉じられ、バルブ14、25は開放される。)、圧力
容器16が徐冷工程に入った場合は、バルブ11が開放
され(バルブ14は閉じる。)て樹脂粒子は圧力容器1
8に貯蔵されるようになる。この様な作業を繰り返す事
により、発泡性熱可塑性樹脂粒子を連続的に製造する事
が出来る。
【0048】この様にして得られる発泡性熱可塑性樹脂
粒子は、樹脂粒子表面に予備発泡時におけるブロッキン
グ防止剤等の公知の各種改質剤、成形時における成形サ
イクル向上剤、帯電防止剤等の公知の各種改質剤を塗布
させてもよい。
【0049】本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子から成形
体を得る迄の工程は、通常行われている方法でよく、特
に限定されるものではないが、例えば、予じめ85〜1
10℃の水蒸気を当ててかさ倍率5〜100倍に加熱発
泡し予備発泡粒子とし(予備発泡行程)、該予備発泡粒
子を大気にさらし、空気を粒子内に浸透させかつ粒子に
付着した水分を除去し(熟成工程)、次いでこの熟成工
程を経た予備発泡粒子を小さな孔やスリットが設けられ
ている閉鎖金型の型内に充填し、更に水蒸気で加熱再発
泡することにより、個々の粒子を融着一体化した成形体
とする方法を挙げることができる。
【0050】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。
【0051】実施例1 ポリスチレン100部を第1段押出機と第2段押出機と
からなるタンデム型押出機のホッパーより供給して押出
し、次いでブタン6.0重量部を第1段押出機後半の注
入口より供給、さらにトルエン1.2重量部を発泡剤注
入口とほとんど同じところにある別の注入口より供給
し、第1段押出機及び第2段押出機でポリスチレンとブ
タン及びトルエンとを溶融混練した。この時、樹脂温度
は200℃、樹脂圧力は90Kg/cm2を示した。
【0052】溶融混練した樹脂を、第2段押出機のダイ
ヘッド(押出孔0.6mmφ×70個)を通して、70
℃、15kg/cm2の加熱加圧水で満たされたカッタ
ーボックスの中に30kg/hrの割合で押し出し、直
ちにカッターで水中カットし、約1.0mmの粒子を得
た。
【0053】生成した粒子は5m3/Hrの速度で循環
使用される加熱加圧水(70℃、15Kg/cm2)に
より圧力容器へ移送され、少なくとも30分間以上この
条件下で攪拌しながら貯蔵・保持される。
【0054】次に、この粒子を15Kg/cm2加圧
下、水中で70℃より40℃まで50分間で冷却して常
圧に戻した後、再度60℃まで加熱して3時間熟成処理
を行った。 その後、粒子を系外へ取り出し、遠心脱水
機で脱水・乾燥し、発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得
た。
【0055】こうして得られた粒子は、ブタン含有量は
4.5重量%であり、トルエン含有量は1.1重量%で
あった。この樹脂粒子にステアリン酸亜鉛をコーティン
グした後、水蒸気で加熱し、カサ倍率60倍の予備発泡
粒子とし、約一昼夜熟成後予備発泡粒子のセル径を測定
したところ中心部は150〜180μmで表層部は14
0〜160μmと均一なものが得られた。また、この予
備発泡粒子を密閉金型に充填し、水蒸気で加熱して溶融
・圧着させ横290×長さ490×厚さ25(mm)の
発泡成形体を得、この成形品の表面平滑性と発泡粒子の
融着率を測定した。発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡
粒子、成形品の性状を表−2に示す。
【0056】尚、性状は以下の方法で測定または評価し
た。 ・発泡性粒子の吸熱ピーク温度(T1、T2):PERK
IN−ELMER社製示差熱分析装置(DSC7)を用
い、発泡性熱可塑性樹脂粒子約3〜8mgのサンプルを
10℃/minの速度で
昇温し、40〜120℃の温度範囲で現れる吸熱
ピーク温度を測定した。 ・発泡性粒子の平均粒子径 :100個の発泡性粒子の
粒子径をダイヤルゲージで測定し、その平均値を求め
た。 ・発泡性粒子の発泡剤及び発泡助剤、極性基を有する有
機化合物の含有量:ガスクロマトグラフィーにて測定し
た。 ・予備発泡粒子の発泡倍率 :ゲージ圧1kg/cm2
のスチームで加熱して嵩倍率約60倍(または50、2
5倍)の予備発泡粒子を得た。 ・予備発泡粒子のセル径 :上記と同様に発泡させた
発泡粒子10個の切断面を50倍の実体顕微鏡写真にと
り、そのセルの径を測定し、範囲を求めた。 ・予備発泡粒子セルの均一性:上記と同様にして50倍
の実体顕微鏡写真にとり、セルの均一性を目視にて判定
評価した。
【0057】・成形品外観 :成形品表面
の平滑性を目視により判定した。 ◎:表面に凹凸、空隙全くなし ○:表面に若干の空隙が認められるものの実用上問題な
し △:表面に空隙が目立つ ×:表面の凹凸著しい
【0058】・融着率 :発泡成形体
(板状成形品)を中心部で折って破断し、この破断面に
ある粒子の全ての数と粒子内部で破断された数を計測
し、以下の式で算出した値。 (粒子内部で破断された数)/(破断面にある全ての粒
子の数)×100
【0059】実施例2 ポリスチレン100部をタンデム型押出機の第1段押出
機のホッパーより供給し、次いでペンタン7重量部を第
1段押出機後半の注入口より供給し、第1段及び第2段
押出機でポリスチレンとペンタンとを溶融混練した。溶
融混練した樹脂を第2段押出機のダイヘッド(押出孔
0.5mmφ×110個)を通して、75℃、5Kg/
cm2の加熱加圧水で満たされたカッターボックスの中
に30Kg/Hrの割合で押出し、直ちにカッターで水
中カットし約0.8mmの粒子を得た。
【0060】生成した粒子は5m3/Hrの速度で循環
使用される加熱加圧水(75℃、5Kg/cm2)によ
り圧力容器へ移送され、少なくとも2時間以上この条件
下で攪拌しながら貯蔵・保持される。
【0061】次に、この粒子を5Kg/cm2加圧下、
水中で75℃より40℃まで23分間で冷却して常圧に
戻した後、再度65℃まで加熱して5時間熟成処理を行
った。
【0062】その後、粒子を系外へ取り出し、遠心脱水
機で脱水・乾燥し、発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得
た。次いで、得られた粒子を実施例1と同様な方法で予
備発泡、型内発泡を行って発泡性成形体を得た。発泡性
熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、成形品のそれぞれに
付き各種性状の測定及び評価を行った。結果を表−4に
示す。
【0063】実施例3 スチレン・メタクリル酸共重合樹脂(スチレン/メタク
リル酸=90/10)100部を二軸押出機のホッパー
より供給して押出し、次いでペンタン7重量部を押出機
の途中部分の注入口より供給し溶融混練した。溶融混練
した樹脂を押出機の先端に取り付けられたダイヘッド
(押出孔0.6mmφ×70個)を通して、80℃、7
Kg/cm2の加熱加圧水で満たされたカッターボック
スの中に押出し、直ちにカッターで水中カットして約
1.0mmの粒子を得た。
【0064】生成した粒子は循環使用される加熱加圧水
(80℃、7Kg/cm2)により圧力容器へ移送さ
れ、少なくとも3時間同条件下で攪拌しながら貯蔵・保
存される。
【0065】次に、この粒子を7Kg/cm2加圧下、
水中で80℃より40℃まで40分間で冷却して常圧に
戻した後、再度65℃まで加熱して8時間熟成処理を行
った。
【0066】その後、粒子を系外へ取り出し、遠心脱水
機で脱水・乾燥し、発泡性スチレン・メタクリル酸共重
合樹脂粒子を得た。次いで、得られた粒子を実施例1と
同様な方法で予備発泡、型内発泡を行って発泡性成形体
を得た。発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、成形
品のそれぞれに付き各種性状の測定及び評価を行った。
結果を表−4に示す。
【0067】実施例4 ポリプロピレン樹脂(UBEポリプロYK121:宇部
興産社製)100部をタンデム型押出機の第1段押出機
のホッパーより供給し、次いでペンタン4.5部を第1
段押出機後半の注入口より供給し、第1段及び第2段押
出機でポリプロピレンとペンタンとを溶融混練した。溶
融混練した樹脂を第2段押出機のダイヘッド(押出孔
0.6mmφ×70個)を通して、80℃、12Kg/
cm2の加熱加圧液で満たされたカッターボックスの中
に25Kg/Hrの割合で吐出し、直ちにカッターで水
中カットし約1.2mmの粒子を得た。
【0068】生成した粒子は10m3/Hrの速度で循
環使用される加熱加圧水(80℃、12Kg/cm2
により圧力容器へ移送され、少なくとも7時間以上この
条件下で攪拌しながら貯蔵・保持される。
【0069】次に、この粒子を12Kg/cm2加圧
下、水中で80℃より40℃まで40分間で冷却して常
圧に戻した後、再度70℃まで加熱して7時間熟成処理
を行った。
【0070】その後、粒子を系外へ取り出し、遠心脱水
機で脱水・乾燥し、発泡性ポリプロピレン樹脂粒子を得
た。次いで、得られた粒子を実施例1と同様な方法で予
備発泡、型内発泡を行って発泡性成形体を得た。発泡性
熱可塑性樹脂粒子、予備発泡粒子、成形品のそれぞれに
付き各種性状の測定及び評価を行った。結果を表−4に
示す。
【0071】比較例1 熟成処理温度を20℃、処理時間を10時間にした以外
は実施例1と同様にして、発泡性ポリスチレン樹脂粒子
を得た。次いで、実施例1と同様にして発泡成形体を
得、予備発泡粒子のセル径と成形品の平滑性と発泡粒子
の融着率を測定した。発泡性熱可塑性樹脂粒子、予備発
泡粒子および成形品の性状を表−2に示す。
【0072】得られた、粒子内のセル径は肥大化するも
のの、表層部の径が小さく、従って不均一化が助長さ
れ、成形品外観も不良であった。
【0073】比較例2 熟成処理を行わない以外は実施例1と同様にして、発泡
性ポリスチレン樹脂粒子を得た。次いで、実施例1と同
様にして発泡成形体を得、予備発泡粒子のセル径と成形
品の平滑性と発泡粒子の融着率を測定した。発泡性熱可
塑性樹脂粒子、予備発泡粒子および成形品の性状を表−
2に示す。
【0074】得られた粒子は、予備発泡粒子のセル径の
均一化が図られず、成形品外観に満足したものが得られ
なかった。上記、実施例1〜4と比較例1、2の発泡性
熱可塑性樹脂粒子の組成と製造条件を表−1および表−
3に示す。尚、表−1および表−3において「部」は重
量部を表わし、表−2および表−4において「%」は重
量%を表わす。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【発明の効果】本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の連続
製造法によれば、樹脂粒子中の残留応力による歪・配向
が無く、発泡剤が粒子の中に良好に分散する事により、
予備発泡粒子中のセルが大きく、しかも均一化され、そ
の結果、外観の優れた発泡成形体が得られる。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の発泡性樹脂粒子を連続的に
製造するための工程を示す工程図である。 1:熱可塑性樹脂供給口(ホッパー)、 2:押出機(第1) 3:発泡剤供給ライン 4:発泡助剤供給ライン 5:連結管 6:押出機(第2) 7:ダイヘッド 8:カッターブレード 9:カッターボックス 10及び11:バルブ(発泡性樹脂粒子用管路) 12及び14:圧力調整用バルブ 13及び15:圧力抜き用バルブ 16:圧力容器(第1) 17及び19:攪拌機 18:圧力容器(第2) 20及び21:フィルター 22及び23:バルブ(循環液用管路) 24及び25:バルブ(発泡性樹脂粒子排出ライン) 26:発泡性樹脂粒子サンプル取り出し容器 27:フィルター 28:常圧循環液容器 29:加圧ポンプ 30:圧力調整用液戻し用バルブ・ライン、 31:熱交換器 32:加熱液供給用ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)と、発泡剤(B)と
    を溶融混練し(工程1)、 これをダイヘッドの押出孔から、熱可塑性樹脂(A)と
    発泡剤(B)との溶融混練物が発泡しない温度・圧力に
    加熱・加圧された加熱加圧液中に押出した後、即時切断
    し(工程2)、 得られた粒子を常圧で発泡しない温度まで冷却し(工程
    3)、 発泡性熱可塑性樹脂を示差熱分析装置(DSC)で測定
    した場合に、40〜120℃の領域で出現する二つの吸
    熱ピークのうち、低温側のピーク温度をT1とした場合
    の30〜(T1+15)℃の温度範囲に加熱された、常
    圧の液中で熟成処理する(工程4)ことを特徴とする発
    泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程4における熟成処理を、30〜70
    ℃で30分間〜10時間行う請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程2における加熱加圧液が、示差熱分
    析装置(DSC)で測定した場合に、40〜120℃の
    領域で出現する二つの吸熱ピークのうち、高温側のピー
    ク温度をT2とした場合の(T2+10)℃以下40℃以
    上であって、しかも該粒子が発泡しない圧力に加圧され
    たものである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 工程2における加熱加圧液が、2〜20
    Kg/cm2に加圧されたものである請求項3記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 工程2加熱加圧液が、40〜100℃に
    加熱されたものである請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 工程1における熱可塑性樹脂(A)と、
    発泡剤(B)との溶融混練を、150〜300℃の温度
    範囲で行う請求項1〜5の何れか1つに記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 工程3における冷却を、加熱加圧液の温
    度から切断された発泡性熱可塑性樹脂粒子が常圧で発泡
    しない温度以下で、且つ30℃以上の温度にまで2℃/
    分以下の速度で徐冷する請求項1〜6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 工程2で得られた発泡性熱可塑性樹脂粒
    子を、そのまま加熱加圧液中で30分間以上保持し(工
    程2’)、その後に冷却する請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂で
    ある請求項1〜11の何れか1つに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂(A)と、発泡剤(B)
    とを溶融混練し、(工程1) 次いでこれをダイヘッドの押出孔から、温度条件が、熱
    可塑性樹脂(A)と発泡剤(B)との溶融混練物を示差
    熱分析装置(DSC)で測定した場合に40〜120℃
    の領域で出現する二つの吸熱ピークのうち、低温側のピ
    ーク温度をT1、高温側のピーク温度をT2とした場合の
    (T2+10)℃以下40℃以上であって、しかも該溶
    融混練物が発泡しない圧力に加圧された加熱加圧液中に
    押出して即時切断し、(工程2) 得られた粒子をそのまま加熱加圧液中で30分間以上保
    持し(工程2’)、 次いで、常圧で発泡せず、かつ、30℃以上の温度ま
    で、2℃/分以下の速度で徐冷し(工程3)、 徐冷後、常圧下に、30〜(T1+15)℃の温度範囲
    に加熱された、常圧の液中で熟成処理し(工程4)、 かつ、以上(工程1)〜(工程4)を連続的に行なうこ
    とを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂
    である請求項10記載の製造方法。
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