JP2015030755A - 型内発泡成形体、繊維強化複合体及び型内発泡成形体の製造方法 - Google Patents

型内発泡成形体、繊維強化複合体及び型内発泡成形体の製造方法 Download PDF

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【課題】 本発明は、優れた耐熱性及び表面硬度に優れた型内発泡成形体を提供する。【解決手段】 本発明の型内発泡成形体は、ガラス転移温度が110℃以上であるスチレン系樹脂を含む発泡粒子を熱融着一体化させてなる型内発泡成形体であって、上記型内発泡成形体の表層部の平均気泡径が10〜80μmで且つ上記型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率が1.0%以下であることを特徴とするので、優れた耐熱性及び表面硬度を有している。【選択図】 図1

Description

本発明は、優れた耐熱性及び表面硬度を有する型内発泡成形体、繊維強化複合体及び型内発泡成形体の製造方法に関する。
従来から型内発泡成形体がその軽量性を活かして様々な分野において用いられている。航空機、自動車及び船舶などの乗り物は、地球環境への負荷低減のために燃費向上が必要とされており、これらの乗り物を構成する部材への型内発泡成形体の利用が拡大してきている。高い機械的物性及び軽量性が求められる航空機分野及び自動車分野において型内発泡成形体の利用が特に拡大している。
特許文献1には、発泡剤を含む熱可塑性樹脂粒子からなる発泡性熱可塑性樹脂粒子であって、熱可塑性樹脂が、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体である発泡性熱可塑性樹脂粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られた熱可塑性樹脂発泡成形体が開示されている。
しかしながら、上記熱可塑性樹脂発泡成形体は、その表面硬度が不十分であるという問題点を有しており、耐熱性及び表面硬度に優れた発泡成形体が所望されている。
特開2013−71996号公報
本発明は、優れた耐熱性及び表面硬度に優れた型内発泡成形体、繊維強化複合体及び型内発泡成形体の製造方法を提供する。
本発明の型内発泡成形体は、ガラス転移温度が110℃以上であるスチレン系樹脂を含む発泡粒子を熱融着一体化させてなる型内発泡成形体であって、上記型内発泡成形体の表層部の平均気泡径が10〜80μmで且つ上記型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率が1.0%以下であることを特徴とする。
本発明の型内発泡成形体は、ガラス転移温度が110℃以上であるスチレン系樹脂を含む発泡粒子を熱融着一体化させてなる型内発泡成形体である。
なお、型内発泡成形とは、発泡粒子又は発泡性粒子を金型のキャビティ内に充填し、水蒸気などの加熱媒体によって発泡粒子又は発泡性粒子を加熱して発泡させ、発泡粒子又は発泡性粒子の発泡圧によって、発泡粒子又は発泡性粒子を二次発泡させて得られる発泡粒子同士を熱融着一体化させて所望形状を有する発泡成形体を製造する方法をいう。
発泡粒子を構成しているスチレン系樹脂としては、ガラス転移温度が110℃以上であれば、特に限定されず、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系モノマーをモノマー単位として含む単独重合体又は共重合体、スチレン系モノマーと、このスチレン系モノマーと共重合可能な一種又は二種以上のビニルモノマーとをモノマー単位として含む共重合体などが挙げられ、スチレン系モノマーと、このスチレン系モノマーと共重合可能な一種又は二種以上のビニルモノマーとをモノマー単位として含む共重合体が好ましく、メタクリル酸及び/又はメタクリル酸メチルと、スチレン系モノマーとをモノマー単位として含む共重合体がより好ましい。なお、スチレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなど)、メタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなど)などのアクリル系モノマー、無水マレイン酸、アクリルアミドなどが挙げられ、アクリル系モノマーが好ましく、メタクリル酸、メタクリル酸メチルを含むことがより好ましく、メタクリル酸、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
メタクリル酸及び/又はメタクリル酸メチルと、スチレン系モノマーとをモノマー単位として含む共重合体としては、メタクリル酸及び/又はメタクリル酸メチルと、スチレンとをモノマー単位として含む共重合体が好ましく、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体がより好ましい。
メタクリル酸及び/又はメタクリル酸メチルと、スチレン系モノマーとをモノマー単位として含む共重合体中において、メタクリル酸又はメタクリル酸メチルのうち、共重合体中に含まれているモノマー単位の総量は、得られる型内発泡成形体の耐熱性又は表面硬度が優れていることから、7重量%以上が好ましく、高すぎると、型内発泡成形体を構成しているスチレン系樹脂を含む発泡粒子同士の熱融着性が低下して型内発泡成形体の表面硬度が低下することがあるので、7〜25重量%がより好ましく、8〜20重量%が特に好ましい。
メタクリル酸及び/又はメタクリル酸メチルと、スチレン系モノマーとをモノマー単位として含む共重合体中において、スチレン系モノマー単位の含有量は、少なすぎると、型内発泡成形体を構成しているスチレン系樹脂を含む発泡粒子同士の熱融着性が低下して型内発泡成形体の表面硬度が低下することがあり、多すぎると、得られる型内発泡成形体の耐熱性又は表面硬度が低下することがあるので、69〜93重量%が好ましい。
又、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体中のスチレン単位の含有量は、少なすぎると、型内発泡成形体を構成しているスチレン系樹脂を含む発泡粒子同士の熱融着性が低下して型内発泡成形体の表面硬度が低下することがあり、多すぎると、得られる型内発泡成形体の耐熱性又は表面硬度が低下することがあるので、69〜92重量%が好ましい。
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体中のメタクリル酸単位の含有量は、少なすぎると、型内発泡成形体の耐熱性が低下することがあり、多すぎると、型内発泡成形体を構成しているスチレン系樹脂を含む発泡粒子同士の熱融着性が低下して型内発泡成形体の表面硬度が低下することがあるので、6〜16重量%が好ましく、7〜15重量%がより好ましく、9〜13重量%が特に好ましい。
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタクリル酸メチル単位の含有量は、少なすぎると、型内発泡成形体の表面硬度が低下することがあり、多すぎると、型内発泡成形体を構成しているスチレン系樹脂を含む発泡粒子同士の熱融着性が低下して型内発泡成形体の表面硬度が低下することがあるので、2〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましく、4〜7重量%が特に好ましい。
発泡粒子を構成しているスチレン系樹脂のガラス転移温度は、低すぎると、型内発泡成形体の耐熱性が低下するので、110℃以上が好ましく、高すぎると、型内発泡成形時に高い熱量、及び、長い加熱時間が必要となり、型内発泡成形体の製造効率が低下することがあるので、115〜200℃がより好ましく、115〜150℃が特に好ましい。
なお、上記共重合体中におけるメタクリル酸メチル単位の含有量は下記の要領で測定した値をいう。共重合体の試料を約0.1〜0.5mg精秤し、キューリー点が590℃の強磁性金属体に試料が圧着するように包み、試料をキューリーポイントパイロライザー装置にて分解させて生成したメタクリル酸メチルをガスクロマトグラフを用いて例えば下記条件にて測定し、メタクリル酸メチルに由来するピークの面積に基づいて予め作成した検量線を用いて、共重合体中に含有されているメタクリル酸メチル単位の含有量(重量%)を算出する。
検量線を作成するための標準試料としては、例えば、積水化成品工業社から商品名「テクポリマー MB−8」にて市販されている懸濁重合ポリメタクリル酸メチル粒子を用いることができる。
なお、強磁性金属体としては、例えば、日本分析工業社から商品名「パイロホイル」として市販されている強磁性金属体を用いることができる。キューリーポイントパイロライザー装置としては、例えば、日本分析工業社から商品名「キューリーポイントパイロライザーJPS−700型」にて市販されている装置を用いることができる。ガスクロマトグラフとしては、例えば、アジレント・テクノロジー社から商品名「GC7820A」(検出器(FID))にて市販されている装置を用いることができる。
<測定条件>
・分解加熱温度と時間(590℃−5sec)
・オーブン温度(300℃)
・ニードル温度(300℃)
・ カラム(InterCap5(φ0.25mm×30m(膜厚0.25μm):ジーエルサイエンス社製))
<カラム温度条件>
・温度条件(50℃で0.5分保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、更に、320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分保持)
・キャリアーガス(He)
・He流量(25mL/分)
・注入口圧力(100kPa)
・カラム入口圧力(100kPa)
・注入口温度(300℃)
・検出器温度(300℃)
・スプリット比(1/50)
上記共重合体中におけるメタクリル酸単位とスチレン単位の含有量は、下記の要領により算出される。後述する吸光度比により、メタクリル酸単位とスチレン単位の比率(A)を算出する。次に、100%から上記方法より得られたメタクリル酸メチル単位量(重量%)を減じた量をメタクリル酸単位とスチレン単位の合計量(重量%)とする。最後に、メタクリル酸単位とスチレン単位の合計量(重量%)からメタクリル酸単位とスチレン単位の比率(A)に合わせて、配分して得られた値(重量%)を、共重合体中のメタクリル酸単位量とスチレン単位量とする。
メタクリル酸単位とスチレン単位の比率(A)は、メタクリル酸単位とスチレン単位とをモノマー単位として含む共重合体の吸光度比=D1697/D1600を下記の要領で測定した値をいう。
先ず、共重合体を極微量、乳鉢中にKBr(臭化カリウム)粉末と共に供給して均一に混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を錠剤成形機を用いてプレス成形してKBr錠剤を作製する。このKBr錠剤を用いて赤外分光分析を下記条件にて行い赤外吸収スペクトルを得る。なお、赤外吸収スペクトルの測定(吸光度D1697及びD1600の測定)は、例えば、サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック株式会社から商品名「iS10」で販売されているフーリエ変換赤外分光分析装置を用いることができる。
・測定法:透過法
・測定波数領域:4000cm-1〜400cm-1
・測定深度の波数依存性:補正せず
・検出器:重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器及びKBrビームスプリッター・分解能:4cm-1
・積算回数:32回(バックグランド測定時も同様)
得られた赤外吸収スペクトル曲線に基づいて吸光度D1697及びD1600を算出する。吸光度D1697の算出にあたっては、赤外吸収スペクトル曲線において、波数1560cm-1±5cm-1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1780cm-1±5cm-1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとする。波数1697cm-1±5cm-1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値を波数1697cm-1での吸光度D1697とする。
吸光度D1600の算出にあたっては、赤外吸収スペクトル曲線における波数1560cm-1±5cm-1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1780cm-1±5cm-1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとする。波数1600cm-1±5cm-1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値を波数1600cm-1での吸光度D1600とする。
なお、上記測定においては、カルボキシル基に由来する1697cm-1の吸収ピークと芳香族型炭素−炭素結合に由来する1600cm-1の吸収ピークとを対比してスチレンに対するメタクリル酸の比率を算出している。
得られた吸光度D1697及びD1600に基づいて、赤外吸収スペクトルの吸光度比=D1697/D1600を算出し、予めメタクリル酸単位量が既知の共重合体とポリスチレンとを一定割合で混合した標準試料を用いて作成した検量線に基づいてメタクリル酸単位とスチレン単位の比率(A)を得ることにより、共重合体中のメタクリル酸単位量とスチレン単位量を算出する。
本発明において、スチレン系樹脂のガラス転移温度及びガラス転移開始温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。示差走査熱量計装置 DSC6220型(エスアイアイナノテクノロジー(株)製)を用いアルミニウム製オープン型試料容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんしてアルミニウム製のカバーでクリンプし、窒素ガス流量20mL/minのもと20℃/minの昇温速度で30℃から200℃まで昇温し、10分間保持後速やかに取出し、25±10℃の環境下にて放冷させた後、20℃/minの昇温速度で30℃から200℃まで昇温した時に得られたDSC曲線より、中間点ガラス転移温度、ガラス転移開始温度を算出した。この時に基準物質としてアルミナを用いた。この中間点ガラス転移温度、ガラス転移開始温度は、該規格(9.3「ガラス転移温度の求め方」)より求めた。
本発明の型内発泡成形体は、表層部とコア部とを有しており、何れも発泡している。型内発泡成形体の表層部は、型内発泡成形体の表面と、表面の法線方向における型内発泡成形体の厚みの3%の深さだけ型内発泡成形体の表面から該表面の法線方向に内側に入った部分との間にある部分をいう。なお、型内発泡成形体の表面における任意の部分において、型内発泡成形体の表面と、表面の法線方向における型内発泡成形体の厚みの3%の深さだけ型内発泡成形体の表面から該表面の法線方向に内側に入った部分との間にある部分は全て表層部とする。又、型内発泡成形体の表層部を定めるにあたって、型内発泡成形体の表面の法線方向を定めることができない表面部分は無視する。
型内発泡成形体のコア部は、型内発泡成形体の発泡している部分のうち、表層部を除いた部分の全てをいう。例えば、型内発泡成形体1がシート状である場合には、図1に示したように、型内発泡成形体の表層部1bは、型内発泡成形体の表面と、型内発泡成形体の表面から型内発泡成形体の厚みの3%だけ内側に入った部分との間にある部分をいい、表層部を除いた部分全てがコア部1aとなる。なお、図1には、表層部1b上に後述する非発泡部1cが一体的に形成された場合を示しているが、非発泡部1cは形成されていなくてもよい。
本発明の型内発泡成形体において、その表層部の平均気泡径は10〜80μmに限定されており、10〜70μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。型内発泡成形体の表層部の平均気泡径を10〜80μmに限定し、表層部中に存在している気泡の大きさを適度な大きさとし、表層部中に含まれている気泡の数を適正化すると共に気泡壁の厚みを適度な厚みとすることによって、表層部に必要な強度と伸びを付与しており、型内発泡成形体は、表面硬度及び単位重量当たりの曲げ弾性率などの機械的物性に優れている。
型内発泡成形体において、コア部の平均気泡径は、小さすぎると、型内発泡成形体の適度な柔軟性(伸び)が欠如して割れやすくなり、型内発泡成形体の機械的物性が低下することがあり、大きすぎると、型内発泡成形体のコア部の各気泡が座屈し易くなるため、型内発泡成形体の表面硬度が低下することがあるので、15〜220μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。
型内発泡成形体において、表層部の平均気泡径とコア部の平均気泡径との比(表層部の平均気泡径/コア部の平均気泡径)は、小さすぎると、コア部の平均気泡径が大きくなり、型内発泡成形体全体の機械的物性が低下し、大きすぎると、表層部の表面硬度又は単位重量当たりの曲げ弾性率などの機械的物性が低下することがあるので、0.1〜0.65が好ましく、0.2〜0.6がより好ましい。
型内発泡成形体全体の平均気泡径は、小さすぎると、適度な柔軟性(伸び)が欠如して割れやすくなり、型内発泡成形体の機械的物性が低下することがあり、大きすぎると、型内発泡成形体全体の機械的物性が低下することがあるので、15〜220μmが好ましく、50〜220μmがより好ましい。
型内発泡成形体の表層部及びコア部の平均気泡径、並びに、型内発泡成形体全体の平均気泡径は下記の要領で測定された値をいう。先ず、型内発泡成形体をその表面に対して直交する面に沿って切断し、この切断面を電子顕微鏡を用いて200倍に拡大して拡大写真を得る。なお、電子顕微鏡としては、例えば、キーエンス社から商品名「デジタルマイクロスコープ VHX−1000」にて市販されている電子顕微鏡を用いることができる。
得られた拡大写真において、型内発泡成形体の表面からこの表面に対して直交する方向に型内発泡成形体の断面の全長に亘って直線を描き、この直線上に一部分でも跨がる気泡を測定対象とする。測定対象となった各気泡の外周縁上の任意の点を結ぶ直線のうち、最長となる直線Lの長さを長辺気泡径とし、直線Lに直交する直線で且つ最長となる直線Mの長さを短辺気泡径とし、長辺気泡径と短辺気泡径の相加平均値を各気泡の直径とする。
上述と同様の要領で型内発泡成形体を異なった9個の部分において切断し、拡大写真を得、これらの拡大写真に基づいて上述と同様の要領で各気泡の直径を算出する。
10枚の拡大写真において、型内発泡成形体の表層部に存在する各気泡の直径の相加平均値を表層部の平均気泡径とし、型内発泡成形体のコア部に存在する各気泡の直径の相加平均値をコア部の平均気泡径とし、全ての気泡の直径の相加平均値を型内発泡成形体全体の平均気泡径とする。なお、型内発泡成形体の表層部及びコア部の平均気泡径を算出するにあたって、表層部とコア部の双方に跨がって存在している気泡は除外する。
型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率は、1.0%以下に限定され、0.8%以下が好ましい。型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率を上記範囲に限定することによって、型内発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック層を強固に熱融着一体化させることができ、機械的物性に優れた繊維強化複合体を得ることができる。
なお、型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率は、下記の要領で測定された値をいう。型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率は、JIS K 6767:1999K「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載のB法にて測定した。試験片は150mm×150mm×原厚み(mm)として、試験片の表面の中央部に縦及び横方向にそれぞれ互いに平行に3本の直線を50mm間隔になるよう記入し、縦及び横方向に描いたそれぞれの直線の長さを測定し、これらの直線の長さの相加平均値を初めの平均寸法L0(mm)とした。次に、110℃の熱風循環式乾燥機の中に試験片を168時間置いた後に取出し、試験片を25±5℃の場所に2時間放置後、縦及び横方向に描いたそれぞれの直線の長さを測定し、これらの直線の長さの相加平均値を加熱後の平均寸法L1(mm)とし、下記式に基づいて、型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率S(%)を算出した。
S(%)=│100×(L1−L0)/L0
型内発泡成形体全体の密度は、低すぎると、型内発泡成形体の表面硬度などの機械的物性が低下することがあり、高すぎると、型内発泡成形体の軽量性が損なわれ、又は、型内発泡成形体が脆くなることがあるので、0.015〜0.5g/cm3が好ましく、0.02〜0.4g/cm3がより好ましい。なお、型内発泡成形体全体の密度は、JIS K7222「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に準拠して測定された値をいう。
型内発泡成形体を構成しているスチレン系樹脂のDSC(示差走査熱量計)法によるガラス転移開始温度は、低すぎると、型内発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック層を積層一体化させるときに型内発泡成形体が収縮して強固に熱融着一体化させることができず、得られる繊維強化複合体の機械的物性が低下することがあるので、95〜160℃が好ましく、110〜160℃がより好ましい。
型内発泡成形体におけるJC型に準拠した表面硬度(デュロメータ硬度)は、6以上が好ましく、7以上がより好ましく、8以上が特に好ましい。型内発泡成形体におけるJC型に準拠した表面硬度が上記範囲を満たすことによって、型内発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック層を加圧して強固に積層一体化させることができ、表面硬度及び曲げ弾性率に優れた繊維強化複合体を得ることができる。
デュロメータ硬度は、JIS K6301に準拠して荷重1kgf(9.8N)で加圧してから5秒後に測定された値とする。型内発泡成形体の表層部についてデュロメータ硬度を30箇所測定し、その相加平均値を型内発泡成形体のデュロメータ硬度とする。デュロメータ硬度の測定は、例えば、アスカー高分子計器社から商品名「アスカーゴム硬度計JC型」にて市販されている硬度計を用いて測定することができる。
型内発泡成形体における単位重量当たりの曲げ弾性率は、5MPa/g以上が好ましい。型内発泡成形体における単位重量当たりの曲げ弾性率が上記範囲を満たすことによって、型内発泡成形体は優れた機械的物性を有し、この型内発泡成形体を用いることによって優れた機械的物性を有する繊維強化複合体を得ることができる。
なお、型内発泡成形体における単位重量当たりの曲げ弾性率は、JIS K7221−1記載の方法に準拠して曲げ弾性率を測定し、曲げ弾性率をサンプル重量で除して算出する。具体的には、型内発泡成形体から縦25mm×横130mm×厚み20mmの直方体形状の試験片を切り出し、サンプルの重量を測る。この試験片を温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下に16時間以上に亘って保持した後、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下にて測定を行う。その後、曲げ弾性率をサンプル重量で除する。支持点間隔は100mm、試験速度は10mm/分、試験冶具先端は5Rとする。型内発泡成形体における単位重量当たりの曲げ弾性率の測定には、オリエンテック社からテンシロン万能試験機(商品名「UCT−10T」)にて市販されている試験機を用いることができる。データ処理ソフトとしては、例えば、ソフトブレーン社から商品名「UTPS−237S」にて市販されているものを用いることができる。
型内発泡成形体1の表層部1b上には非発泡部1cが形成されていてもよい。型内発泡成形体1の表層部1b上には非発泡部1cが形成されている場合には、表層部1bの全面に非発泡部1cが形成されていることが好ましい。型内発泡成形体の表面に非発泡部1cが形成されていることによって、型内発泡成形体の表面硬度がより優れたものとなり、この型内発泡成形体を用いることにより、型内発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック層をより強固に積層一体化させて、機械的物性により優れた繊維強化複合体を製造することができる。なお、図1には、表層部1b上には非発泡部1cが形成されたシート状の型内発泡成形体1を示した。
型内発泡成形体の非発泡部の厚みは、薄すぎると、型内発泡成形体の表面硬度の向上効果を得ることができないことがあり、厚すぎると、型内発泡成形体が硬くなりすぎて脆くなる虞れがあるので、0.005〜0.4mmが好ましく、0.01〜0.3mmがより好ましい。なお、非発泡部の厚みとは、非発泡部の表面の法線方向の厚みをいう。
本発明において、非発泡部と、表層部又はコア部とは下記の要領で区別する。先ず、型内発泡成形体をその表面に対して直交する面に沿って切断し、この切断面を電子顕微鏡を用いて200倍に拡大して拡大写真を得る。なお、電子顕微鏡としては、例えば、キーエンス社から商品名「デジタルマイクロスコープ VHX−1000」にて市販されている電子顕微鏡を用いることができる。得られた拡大写真において、気泡が存在していな部分を非発泡部とし、気泡が存在している部分を表層部又はコア部とする。
次に、型内発泡成形体の製造方法について説明する。本発明の型内発泡成形体は型内発泡成形によって製造される。先ず、スチレン系樹脂を含む発泡粒子又は発泡性粒子(以下、単に「発泡粒子又は発泡性粒子」ということがある)を用意する。
発泡粒子の製造方法としては、例えば、(1)スチレン系樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型からスチレン系樹脂押出物を押出発泡させながら切断した後に冷却してスチレン系樹脂を含む発泡粒子を製造する方法、(2)スチレン系樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から押出発泡してストランド状のスチレン系樹脂押出物を製造し、このスチレン系樹脂押出物を所定間隔毎に切断してスチレン系樹脂を含む発泡粒子を製造する方法、(3)スチレン系樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けた環状ダイ又はTダイから押出発泡して発泡シートを製造し、この発泡シートを切断することによってスチレン系樹脂を含む発泡粒子を製造する方法、(4)スチレン系樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型からスチレン系樹脂押出物を押出し、切断しながら冷却してスチレン系樹脂を含む発泡性粒子を製造して、この発泡性粒子を予備発泡させてスチレン系樹脂を含む発泡粒子を製造する方法、(5)スチレン系樹脂を押出機内に供給して溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から押出してストランド状のスチレン系樹脂押出物を製造し、このスチレン系樹脂押出物を所定間隔毎に切断してスチレン系樹脂を含む粒子を製造し、このスチレン系樹脂を含む粒子に公知の要領で発泡剤を含浸させてスチレン系樹脂を含む発泡性粒子を製造して、この発泡性粒子を予備発泡させてスチレン系樹脂を含む発泡粒子を製造する方法、(6)スチレン系樹脂を押出機内に供給して溶融混練して押出機に取り付けた環状ダイ又はTダイから押出してスチレン系樹脂を含むシートを製造し、このスチレン系樹脂を含むシートを切断することによってスチレン系樹脂を含む粒子を製造し、このスチレン系樹脂を含む粒子に公知の要領で発泡剤を含浸させてスチレン系樹脂を含む発泡性粒子を製造して、この発泡性粒子を予備発泡させてスチレン系樹脂を含む発泡粒子を製造する方法などが挙げられる。
発泡性粒子を予備発泡させる方法としては、例えば、撹拌機能を有する発泡槽に発泡性粒子を供給し、水蒸気、熱風などの加熱媒体により発泡性粒子を加熱膨張させる方法などが挙げられる。
物理発泡剤は、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。なお、物理発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレン系樹脂を含む粒子に発泡剤を含浸させる方法としては、例えば、耐圧密閉容器中に水とスチレン系樹脂を含む粒子とを供給し、スチレン系樹脂を含む粒子を水中に分散させた後、耐圧密閉容器中に物理発泡剤を圧入して、スチレン系樹脂を含む粒子に加圧された物理発泡剤を接触させて、スチレン系樹脂を含む粒子に発泡剤を含浸させる方法などが挙げられる。
耐圧密閉容器に供給した水中に分散剤や界面活性剤を含有させておくことが好ましい。水中に分散剤や界面活性剤を含有させることによって、スチレン系樹脂を含む粒子に発泡剤を十分に含浸させることができる。分散剤又は界面活性剤の量としては、水100重量部に対して0.01〜3重量部が好ましい。
分散剤としては、例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの有機系分散剤、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機系分散剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどのノニオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどの両性界面活性剤、脂肪族第四級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤などが挙げられる。
次に、スチレン系樹脂を含む発泡粒子又は発泡性粒子を金型のキャビティ内に充填した後、金型のキャビティ内を70〜150℃に加熱して発泡粒子又は発泡性粒子を発泡させ、得られた発泡粒子同士を発泡圧力によって互いに熱融着一体化させて型内発泡成形体を得ることができる。
発泡粒子又は発泡性粒子を発泡させる際の金型のキャビティ内の温度は、低いと、発泡粒子又は発泡性粒子の発泡が不十分となって、発泡粒子同士の熱融着が不十分となり、得られる型内発泡成形体の表面硬度などの機械的物性が低下することがあり、高いと、得られる型内発泡成形体の表層部の気泡径が大きくなり、型内発泡成形体の表面硬度などの機械的物性が低下することがあるので、70〜150℃に限定され、80〜140℃が好ましい。
金型のキャビティ内を加熱する方法としては、金型のキャビティ内に水蒸気、熱風、熱水などの加熱媒体を供給する方法が挙げられる。なお、金型のキャビティ内の加熱温度は、金型のキャビティ内に加熱媒体を供給する場合、加熱媒体の温度とする。
金型のキャビティ内に充填した発泡粒子又は発泡性粒子を発泡させる時、金型のキャビティの表面温度は、低すぎると、発泡粒子又は発泡性粒子の発泡が不十分となって、型内発泡成形体の表層部の発泡が不十分となり、表層部の平均気泡径が小さくなりすぎて、得られる型内発泡成形体が硬くなりすぎて脆くなり、高すぎると、型内発泡成形体の表層部の平均気泡径が大きくなりすぎて、表層部の硬さが不十分となり、型内発泡成形体の表面硬度又は曲げ弾性率が低下するので、15〜65℃に限定され、20〜60℃が好ましく、25〜50℃がより好ましい。
なお、金型のキャビティの表面温度は、金型のキャビティ内に発泡粒子又は発泡性粒子を充填する前に上記温度範囲に保持してもよいし、又は、金型のキャビティ内に発泡粒子又は発泡性粒子を充填した後に上記温度範囲に保持してもよく、要するに、金型のキャビティ内に充填した発泡粒子又は発泡性粒子を発泡させる時に、金型のキャビティの表面温度が上記温度範囲に保持されていればよい。
上述の如くして得られた型内発泡成形体は、その表層部の平均気泡径が所定範囲内となるように制御されており、得られた型内発泡成形体は、その表面硬度や曲げ弾性率などの機械的物性及び耐熱性に優れており、航空機、自動車及び船舶などの乗り物、特に、航空機又は自動車を構成する部材として好適に用いることができる。
又、上記型内発泡成形体は、その表面に繊維強化プラスチック層を積層一体化させて繊維強化複合体として用いてもよい。繊維強化複合体に用いられる繊維強化プラスチック層は、強化繊維に強化用合成樹脂を含浸させてなるものである。
繊維強化プラスチック層2は型内発泡成形体1の表面に積層一体化されておればよい。型内発泡成形体1がシート状である場合には、図2のように、型内発泡成形体1の両面に積層一体化されている必要はなく、型内発泡成形体1の両面のうち少なくとも一方の面に繊維強化プラスチック層2が積層一体化されていてもよい。繊維強化プラスチック層2の積層は、繊維強化複合体Aの用途に応じて決定すればよい。なかでも、繊維強化複合体Aの表面硬度や曲げ弾性率を考慮すると、型内発泡成形体1の厚み方向における両面のそれぞれに繊維強化プラスチック層2、2が積層一体化されていることが好ましい。なお、図2では、型内発泡成形体1がシート状である場合を示したが、型内発泡成形体はシート状である必要はない。又、図2では、型内発泡成形体1が非発泡層1cを有している場合を示したが、型内発泡成形体1が非発泡層1cを有している必要はない。
繊維強化プラスチック層を構成している強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維などの無機繊維;ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維;ボロン繊維などが挙げられる。強化繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。なかでも、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。これらの強化繊維は、軽量であるにも関わらず優れた機械的物性を有している。
強化繊維は、所望の形状に加工された強化繊維基材として用いられることが好ましい。強化繊維基材としては、強化繊維を用いてなる織物、編物、不織布、及び強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材などが挙げられる。織物の織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。また、糸としては、ポリアミド樹脂糸やポリエステル樹脂糸などの合成樹脂糸、及びガラス繊維糸などのステッチ糸が挙げられる。
強化繊維基材は、一枚の強化繊維基材のみを積層せずに用いてもよく、複数枚の強化繊維基材を積層して積層強化繊維基材として用いてもよい。複数枚の強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材としては、(1)一種のみの強化繊維基材を複数枚用意し、これらの強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材、(2)複数種の強化繊維基材を用意し、これらの強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材、(3)強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる強化繊維基材を複数枚用意し、これらの強化繊維基材を繊維束の繊維方向が互いに相違した方向を指向するように重ね合わせ、重ね合わせた強化繊維基材同士を糸で一体化(縫合)してなる積層強化繊維基材などが用いられる。なお、糸としては、ポリアミド樹脂糸やポリエステル樹脂糸などの合成樹脂糸、及びガラス繊維糸などのステッチ糸が挙げられる。
繊維強化プラスチック層は強化繊維に強化用合成樹脂が含浸されてなるものである。含浸させた強化用合成樹脂によって、強化繊維同士を結着一体化させることができる。強化繊維に含浸させる強化用合成樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れも用いることができ、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂などが挙げられ、耐熱性、衝撃吸収性又は耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤が含有されていてもよい。なお、熱硬化性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
又、熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられ、型内発泡成形体との接着性又は繊維強化プラスチック層を構成している強化繊維同士の接着性に優れていることから、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。具体的には、熱可塑性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性エポキシ樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ジオールとジイソシアネートとを重合させて得られる直鎖構造を有する重合体が挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。ジオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
繊維強化プラスチック層中における強化用合成樹脂の含有量は、20〜70重量%が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。強化用合成樹脂の含有量が少なすぎると、強化繊維同士の結着性や繊維強化プラスチック層と型内発泡成形体との接着性が不十分となり、繊維強化プラスチック層の機械的物性や繊維強化複合体の表面硬度又は曲げ弾性率を十分に向上させることができない虞れがある。また、強化用合成樹脂の含有量が多すぎると、繊維強化プラスチック層の機械的物性が低下して、繊維強化複合体の表面硬度又は曲げ弾性率を十分に向上させることができない虞れがある。
繊維強化プラスチック層の厚みは、0.02〜2mmが好ましく、0.05〜1mmがより好ましい。厚みが上記範囲内である繊維強化プラスチック層は、軽量であるにも関わらず機械的物性に優れている。
繊維強化プラスチック層の目付は、50〜4000g/m2が好ましく、100〜1000g/m2がより好ましい。目付が上記範囲内である繊維強化プラスチック層は、軽量であるにも関わらず機械的物性に優れている。
本発明の繊維強化複合体は、表面硬度及び曲げ弾性率などの機械的物性に優れた型内発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック層が積層一体化されており、繊維強化複合体は機械的物性がより向上されている。更に、本発明の繊維強化複合体は、型内発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック層が積層一体化されているので、繊維強化複合体に加わった応力は、繊維強化プラスチック層全体に伝播し拡散した上で型内発泡成形体の全体に伝達される。従って、繊維強化複合体に加わった応力は、型内発泡成形体の全体で効率良く吸収され、よって、本発明の繊維強化複合体は、優れた機械的物性を有している。このような繊維強化複合体は、特に制限されないが、航空機、自動車及び船舶などの乗り物並びに建築物などの構成部材や電子機器の筐体として好適に用いられる。
繊維強化複合体の比吸収エネルギー量は、110J/g以上が好ましく、150J/g以上がより好ましい。比吸収エネルギー量が低過ぎる繊維強化複合体では、衝撃吸収性などの優れた機械的物性を有していない虞れがある。
なお、繊維強化複合体の比吸収エネルギー量の測定は、次の通りにして行うことができる。まず、繊維強化複合体を切断することにより、縦100mm×横15mm×高さ10mmの寸法形状を有する試験片を作製する。次に、試験片について、JIS K7221に準拠して、ロードセル1000N、試験速度20mm/分の条件下にて、荷重−変位曲線を作成する。そして、得られた荷重−変位曲線に基づいて試験片が破断するまでの荷重−変位積分値を算出して得られた値を吸収エネルギー[J]とし、この吸収エネルギー[J]を試験片の重量[g]で除して得られた値を比吸収エネルギー量[J/g]とする。
上記繊維強化複合体の製造方法としては、公知の熱成形方法を用いることができ、例えば、真空成形法、圧空成形法などが挙げられる。真空成形法及び圧空成形法を応用した熱成形方法として、例えば、ストレート成形法、ドレープ成形法、プラグアシスト成形法、プラグアシスト・リバースドロー成形法、エアスリップ成形法、スナップバック成形法、リバースドロー成形法、プラグアシスト・エアスリップ成形法、マッチモールド成形法、及び、これらの成形法を組み合わせた熱成形方法が挙げられ、成形性に乏しい繊維強化プラスチック層形成材を使用しても外観の良好な繊維強化複合体を得ることができるので、マッチモールド成形法が好ましい。
次に、繊維強化複合体を熱成形方法を用いて製造する要領の一例を具体的に説明する。繊維強化複合体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、型内発泡成形体の表面に、強化用合成樹脂が含浸されている強化繊維を含む繊維強化プラスチック層形成材を積層して積層体を製造した後、積層体を加熱して、積層体をその型内発泡成形体上への繊維強化プラスチック層形成材の積層方向に押圧することによって、繊維強化プラスチック層形成材を繊維強化プラスチック層として型内発泡成形体の表面に積層一体化させる方法が挙げられる。
具体的には、上述した型内発泡成形体の表面に、強化用合成樹脂が含浸されている強化繊維を含む繊維強化プラスチック層形成材を積層して積層体を製造する。型内発泡成形体における繊維強化プラスチック層形成材を積層する面は、得られる繊維強化複合体の用途に応じて決定すればよく、特に制限されない。従って、型内発泡成形体がシート状である場合、型内発泡成形体の一方の面上のみに繊維強化プラスチック層形成材を積層してもよい。得られる繊維強化複合体の機械的物性を考慮すると、型内発泡成形体の両面に繊維強化プラスチック層形成材を積層することが好ましい。
なお、積層体に用いられる型内発泡成形体や繊維強化プラスチック層形成材に用いられる強化用合成樹脂及び強化繊維については、上述した繊維強化複合体における型内発泡成形体や繊維強化プラスチック層に用いられる強化用合成樹脂及び強化繊維と同様であるため、これらの詳細な説明を省略する。
強化繊維中に強化用合成樹脂を含浸させる方法としては、特に限定されず、例えば、(1)強化繊維を強化用合成樹脂中に浸漬して強化繊維中に強化用合成樹脂を含浸させる方法、(2)強化繊維に強化用合成樹脂を塗布し、強化繊維に強化用合成樹脂を含浸させる方法、及び(3)強化繊維基材上に強化用合成樹脂を含むシートを積層した後にこれらを加熱加圧して、強化繊維基材を構成している強化繊維中にシートに含まれている強化用合成樹脂を含浸させる方法などが挙げられる。また、(1)及び(2)の方法では、強化繊維を強化繊維基材として用い、強化繊維基材を強化用合成樹脂に浸漬することによって、又は強化繊維基材に強化用合成樹脂を塗布することによって、強化繊維基材を構成している強化繊維に強化用合成樹脂を含浸させることもできる。
なお、強化繊維基材、又は強化用合成樹脂が含浸されている強化繊維基材を含む繊維強化プラスチック層形成材は市販されているものを用いることができる。強化繊維基材は、例えば、三菱レイヨン社から商品名「パイロフィル」にて市販されている。また、強化用合成樹脂が含浸されている強化繊維基材を含む繊維強化プラスチック層形成材は、例えば、三菱レイヨン社から商品名「パイロフィルプリプレグ」にて市販されている。
上述の如くして製造された積層体を汎用の要領で加熱しながら積層体を型内発泡成形体に対する繊維強化プラスチック層形成材の積層方向に押圧する。例えば、シート状の積層体を加熱しながら積層体の厚み方向に押圧する。
積層体の加熱によって、繊維強化プラスチック層形成材及び型内発泡成形体が加熱される。繊維強化プラスチック層形成材に含まれている強化用合成樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬化させることによって強化繊維同士を結着、固定一体化させて繊維強化プラスチック層とし、この繊維強化プラスチック層を型内発泡成形体の表面に積層一体化させる。
又、繊維強化プラスチック層形成材に含まれている合成樹脂が熱可塑性樹脂である場合には、加熱及び押圧によって繊維強化プラスチック層形成材を繊維強化プラスチック層として型内発泡成形体の表面に積層一体化させる。
複数枚の繊維強化プラスチック層形成材を重ね合わせた状態に型内発泡成形体の表面に積層している場合には、上述の積層体の加熱及び押圧によって、繊維強化プラスチック層形成材同士がこれら繊維強化プラスチック層形成材に含まれている強化用合成樹脂によって積層一体化されて繊維強化プラスチック層を形成する。
上述の積層体の加熱及び押圧工程は大気圧下において行ってもよいし、減圧下において行ってもよい。積層体の加熱及び押圧工程を減圧下において行うと、繊維強化プラスチック層形成材中の余分な強化用合成樹脂を吸引、除去することができると共に、繊維強化プラスチック層形成材中、又は、繊維強化プラスチック層形成材と型内発泡成形体との間、若しくは、繊維強化プラスチック層形成材間に存在している空気を吸引、除去することができ、得られる繊維強化プラスチック層の強化繊維を強化用合成樹脂によってより強固に結着、固定一体化することができると共に、繊維強化プラスチック層と型内発泡成形体とをより強固に一体化することができる。
本発明の型内発泡成形体は、上述の如き構成を有していることから、優れた耐熱性及び表面硬度を有している。更に、本発明の型内発泡成形体は、優れた表面硬度を有していることから、表面に繊維強化プラスチック層を強固に熱融着一体化させることができ、優れた機械的物性を有する繊維強化複合体を得ることができる。
本発明の型内発泡成形体を示した断面図である。 本発明の繊維強化複合体を示した断面図である。 合成樹脂発泡粒子の製造装置の一例を示した模式断面図である。 マルチノズル金型を正面から見た模式図である。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(PSジャパン社製 商品名「MM290」、スチレン単位の含有量:84重量%、メタクリル酸(MAA)単位の含有量:11重量%、メタクリル酸メチル(MMA)単位の含有量:5重量%、ガラス転移温度:130℃)を二軸押出機に供給して230℃にて溶融混練して押出機からストランド状に押出した後、得られたストランドを所定長さごとに切断することによって、直径が1.1mmで且つ長さが1.3mmのペレットを作製した。
水100重量部とペレット100重量部とを耐圧密閉容器中に供給し、ペレットを水中に分散させた後、耐圧密閉容器中の水にピロリン酸ナトリウム1.5重量部、塩化マグネシウム3.0重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.04重量部を供給すると共に、耐圧密閉容器中にブタン13重量部を圧入した。しかる後、耐圧密閉容器中を100℃に5時間に亘って加熱することによって、加圧されたブタンをペレットに接触させて、ペレットにブタンを含浸させて発泡性粒子を得た。
得られた発泡性粒子を耐圧密閉容器から取り出し、攪拌機付き発泡機内に供給した後、発泡機内に115℃の水蒸気をゲージ圧力0.1MPaにて10秒間に亘って供給して発泡性粒子を予備発泡させて予備発泡粒子を得た。
次に、型内発泡成形用金型を閉じ、型内発泡成形用金型のキャビティの表面温度を30℃に保持した後、型内発泡成形用金型のキャビティ内に予備発泡粒子を充填した。型内発泡成形用金型のキャビティの表面温度は、型内発泡成形中は終始、30℃に保持した。しかる後、型内発泡成形用金型のキャビティ内に120℃の水蒸気をゲージ圧力0.13MPaにて90秒間に亘って供給して予備発泡粒子を二次発泡させ、予備発泡粒子を二次発泡させて得られた発泡粒子同士を発泡圧力によって互いに熱融着一体化させて縦300mm×横300mm×高さ10mmの直方体形状の型内発泡成形体を得た。得られた型内発泡成形体を大気圧下において60℃にて168時間に亘って放置した。得られた型内発泡成形体は、コア部と、このコア部の表面に全面的に一体的に形成された表層部と、表層部上に全面的に一体的に形成された非発泡部とを有していた。
続いて、炭素繊維からなる綾織の織物からなる強化繊維基材に、未硬化のエポキシ樹脂が40重量%含浸されている繊維強化プラスチック層形成材(厚み0.23mm、目付:200g/m2、三菱レイヨン社製 商品名「パイロフィルプリプレグ TR3523 395GMP」)を2枚用意した。繊維強化プラスチック層形成材は、一辺300mmの平面正方形状であった。そして、2枚の繊維強化プラスチック層形成材を、互いに隣接する強化繊維基材の経糸の長さ方向同士の交差角度が90°となるように重ね合わせた。
上述のように重ね合わせた2枚の繊維強化プラスチック層形成材を上記型内発泡成形体の一方の面上に重ね合わせた。上記とは別に、上記と同一の繊維強化プラスチック層形成材を2枚用意し、2枚の繊維強化プラスチック層形成材を上記と同様の要領で重ね合わせた。これらの重ね合わせた2枚の繊維強化プラスチック層形成材を型内発泡成形体の他方の面上に載置して積層体を作製した。
一対の金型を用意した。一対の金型を型締めした状態において、一対の金型間には、縦300mm×横300mm×高さ10.9mmの直方体形状のキャビティが形成されていた。なお、金型から繊維強化複合体を容易に取り出すことができるようにするために、金型のキャビティの内面全面に離型剤(ケムリースジャパン社製 商品名「ケムリース2166」)を塗布して一日間放置し、金型のキャビティの内面全面に離型処理を施した。
一対の金型のキャビティを開いてキャビティ内に積層体を配設した後に一対の金型を型締めしてキャビティを閉止した。なお、型締めした状態において、積層体には、その厚み方向にシリンダー空気圧0.686MPa(シリンダー直径:25mm)、金型重量19.5kgの圧力が加えられていた。
次に、一対の金型のキャビティ内に収納している積層体を金型温度が145℃となるように10分間に亘って加熱して、繊維強化プラスチック層形成材中のエポキシ樹脂を硬化させると共に、繊維強化プラスチック層形成材を型内発泡成形体の両面に積層一体化させて繊維強化複合体を得た。なお、繊維強化プラスチック層形成材同士もこれらに含有されている硬化したエポキシ樹脂によって一体化していた。
繊維強化複合体を冷却すると共に一対の金型を開いて、金型のキャビティ内から繊維強化複合体を取り出した。
得られた繊維強化複合体は、コア部1a、このコア部1aの表面全面に一体的に形成された表層部1b及びこの表層部1bの表面全面に一体的に形成された非発泡部1cを有する型内発泡成形体1と、この型内発泡成形体1の両面にそれぞれ積層一体化されてなる繊維強化プラスチック層2とを有していた。重ね合わせた繊維強化プラスチック層形成材同士はこれらに含まれている硬化したエポキシ樹脂によって一体化して繊維強化プラスチック層2を形成していた。
(実施例2)
予備発泡粒子を25℃にて48時間に亘って保温したこと以外は実施例1と同様にして型内発泡成形体及び繊維強化複合体を得た。
(実施例3)
発泡性粒子を予備発泡させるにあたって、発泡機内に水蒸気を30秒間に亘って供給したこと以外は実施例1と同様にして型内発泡成形体及び繊維強化複合体を得た。
(実施例4)
図3及び図4に示した製造装置を用いた。先ず、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(PSジャパン社製 商品名「MM290」、スチレン単位の含有量:84重量%、メタクリル酸単位の含有量:11重量%、メタクリル酸メチル単位の含有量:5重量%、ガラス転移温度:130℃)100重量部、及び、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(PSジャパン社製 商品名「MM290」、スチレン単位の含有量:84重量%、メタクリル酸単位の含有量:11重量%、メタクリル酸メチル単位の含有量:5重量%、ガラス転移温度:130℃)にタルクを含有させてなるマスターバッチ(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体含有量:60重量%、タルク含有量:40重量%)1.0重量部を含むスチレン系樹脂組成物を口径が65mmで且つL/D比が35の単軸押出機に供給して230℃にて溶融混練した。
続いて、押出機の途中から、イソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなるブタンをスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体100重量部に対して3重量部となるように溶融状態のスチレン系樹脂組成物に圧入して、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体中に均一に分散させた。
しかる後、押出機の前端部において、溶融状態のスチレン系樹脂組成物を200℃に冷却した後、押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型10の各ノズルからスチレン系樹脂組成物を押出発泡させた。マルチノズル金型10の温度は230℃であった。
なお、マルチノズル金型10は、出口部11の直径が1mmのノズルを20個有しており、ノズルの出口部11は全て、マルチノズル金型10の前端面10a に想定した、直径が139.5mmの仮想円C上に等間隔毎に配設されていた。
そして、回転軸20の後端部外周面には、2枚の回転刃50が回転軸20の周方向に180°の位相差でもって一体的に設けられており、各回転刃50はマルチノズル金型10の前端面10a に常時、接触した状態で仮想円C上を移動するように構成されていた。
更に、冷却部材40は、正面円形状の前部41aと、この前部41aの外周縁から後方に向かって延設され且つ内径が320mmの円筒状の周壁部41bとからなる冷却ドラム41を備えていた。そして、供給管41d及び冷却ドラム41の供給口41cを通じて冷却ドラム41内に20℃の冷却水42が供給されていた。冷却ドラム41内の容積は17684cm3であった。
冷却水42は、供給管41dから冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に供給される際の流速に伴う遠心力によって、冷却ドラム41の周壁部41b内周面に沿って螺旋状を描くように前方に向かって進んでおり、冷却液42は、周壁部41bの内周面に沿って進行中に、徐々に進行方向に直交する方向に広がり、その結果、冷却ドラム41の供給口41cより前方の周壁部41bの内周面は冷却液42によって全面的に被覆された状態となっていた。
そして、マルチノズル金型10の前端面10a に配設した回転刃50を2500rpmの回転数で回転させてあり、マルチノズル金型10の各ノズルの出口部11から押出発泡されたスチレン系樹脂押出物を回転刃50によって切断して略球状のスチレン系樹脂発泡粒子を製造した。スチレン系樹脂押出物は、マルチノズル金型10のノズルから押出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなっていた。そして、スチレン系樹脂押出物は、ノズルの出口部11の開口端において切断されており、スチレン系樹脂押出物の切断面は未発泡部において行われていた。
なお、上述のスチレン系樹脂発泡粒子の製造にあたっては、先ず、マルチノズル金型10に回転軸20を取り付けず且つ冷却部材40をマルチノズル金型10から退避させておいた。この状態で、押出機からスチレン系樹脂押出物を押出発泡させ、スチレン系樹脂押出物が、マルチノズル金型10のノズルから押出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなることを確認した。次に、マルチノズル金型10に回転軸20を取り付け且つ冷却部材40を所定位置に配設した後、回転軸20を回転させ、スチレン系樹脂押出物をノズルの出口部11の開口端において回転刃50で切断してスチレン系樹脂発泡粒子を製造した。
このスチレン系樹脂発泡粒子は、回転刃50による切断応力によって外方或いは前方に向かって飛ばされ、冷却部材40の冷却ドラム41の内面に沿って流れている冷却水42にこの冷却水42の流れの上流側から下流側に向かって冷却水42を追うように冷却水42の表面に対して斜交する方向から衝突し、スチレン系樹脂発泡粒子は冷却水42中に進入して直ちに冷却された。
冷却されたスチレン系樹脂発泡粒子は、冷却ドラム41の排出口41eを通じて冷却水42と共に排出された後、脱水機にて冷却水42と分離された。
スチレン系樹脂発泡粒子は嵩密度が0.03g/cm3であった。スチレン系樹脂発泡粒子中におけるブタンの含有量は、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体100重量部に対して0.9重量部であった。
上述のようにして得られたスチレン系樹脂発泡粒子を用いたこと以外は実施例1と同様の要領で型内発泡成形を行って型内発泡成形体を製造し、この型内発泡成形体を用いて実施例1と同様の要領で繊維強化複合体を得た。得られた型内発泡成形体は、コア部と、このコア部の表面に全面的に一体的に形成された表層部と、表層部上に全面的に一体的に形成された非発泡部とを有していた。
(実施例5)
マスターバッチの量を0.1重量部としたこと、マルチノズル金型の温度を230℃としたこと以外は実施例4と同様にして型内発泡成形体及び繊維強化複合体を得た。
(実施例6)
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体の代わりにスチレン−メタクリル酸メチル共重合体(東洋スチレン社製 商品名「T080」、スチレン単位の含有量:91.6重量%、メタクリル酸メチル単位の含有量:8.4重量%、ガラス転移温度:124℃)を用いたこと以外は実施例5と同様にして型内発泡成形体及び繊維強化複合体を得た。
(比較例1)
型内発泡成形用金型のキャビティの表面温度を型内発泡成形中、70℃に保持したこと以外は実施例1と同様にして型内発泡成形体及び繊維強化複合体を得た。
(比較例2)
型内発泡成形用金型のキャビティの表面温度を型内発泡成形中、70℃に保持したこと以外は実施例3と同様にして型内発泡成形体及び繊維強化複合体を得た。
(比較例3)
塩化マグネシウムの量を1.5重量部としたこと、型内発泡成形用金型のキャビティの表面温度を型内発泡成形中、70℃に保持したこと以外は実施例3と同様にして型内発泡成形体及び繊維強化複合体を得た。
(比較例4)
スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体の代わりに、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 商品名「HRM−10N」、ガラス転移温度:100.5℃)を用いたこと以外は実施例3と同様にして型内発泡成形体を作製した後、繊維強化複合体を製造しようとしたが、一対の金型のキャビティ内での加熱によって型内発泡成形体が収縮、変形してしまい、繊維強化複合体を得ることができなかった。
実施例及び比較例で得られた、繊維強化プラスチック層を積層一体化させる前の型内発泡成形体について、発泡倍率、表層部の平均気泡径、コア部の平均気泡径、型内発泡成形体全体の平均気泡径、非発泡部の厚み、110℃における加熱寸法変化率、JC型に準拠した表面硬度、単位重量当たりの曲げ弾性率、密度、型内発泡成形体を構成している樹脂のガラス転移開始温度を上記又は下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた繊維強化複合体の外観及び比吸収エネルギー量を上述又は下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(発泡倍率)
得られた型内発泡成形体の密度をJIS K7222に準拠して測定する。型内発泡成形体を構成しているスチレン系樹脂の密度を上記型内発泡成形体の密度で除して得られた値を型内発泡成形体の発泡倍率とする。
(外観)
得られた繊維強化複合体の繊維強化プラスチック層の任意の表面に一辺が2cmの平面正方形状の測定領域を定め、この測定領域内に存在し且つ開口端の面積が直径0.5mmの真円の面積よりも大きな凹部の数を数えた。得られた繊維強化複合体の繊維強化プラスチック層の表面の互いに異なる任意の部分に測定領域を更に9個定め、上記と同様の要領で凹部の数を数えた。各測定領域で測定された凹部の数の相加平均値を算出し、下記基準に基づいて評価した。
○・・・凹部の数が0〜2個であった。
△・・・凹部の数が3〜4個であった
×・・・凹部の数が5個以上であった。
Figure 2015030755
A 繊維強化複合体
1a コア部
1b 表層部
1c 非発泡部
1 型内発泡成形体
2 繊維強化プラスチック層
10 ノズル金型
11 出口部
20 回転軸
30 駆動部材
40 冷却部材
41 冷却ドラム
42 冷却液
C 仮想円
50 回転刃

Claims (7)

  1. ガラス転移温度が110℃以上であるスチレン系樹脂を含む発泡粒子を熱融着一体化させてなる型内発泡成形体であって、上記型内発泡成形体の表層部の平均気泡径が10〜80μmで且つ上記型内発泡成形体の110℃における加熱寸法変化率が1.0%以下であることを特徴とする型内発泡成形体。
  2. JC型に準拠した表面硬度が6以上であり且つ単位重量当たりの曲げ弾性率が5MPa/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の型内発泡成形体。
  3. 発泡粒子を構成しているスチレン系樹脂が、メタクリル酸及び/又はメタクリル酸メチルと、スチレン系モノマーとをモノマー単位として含み、且つ、メタクリル酸又はメタクリル酸メチルのうち含まれているモノマー単位の総量が7重量%以上である共重合体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の型内発泡成形体。
  4. 平均気泡径が15〜220μm、密度が0.015〜0.5g/cm3、及び、スチレン系樹脂のDSC法によるガラス転移開始温度が95〜160℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の型内発泡成形体。
  5. 自動車の構成部材に用いられることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の型内発泡成形体。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の型内発泡成形体と、この型内発泡成形体の表面に積層一体化された繊維強化プラスチック層とを含むことを特徴とする繊維強化複合体。
  7. 金型のキャビティ内にガラス転移温度が110℃以上であるスチレン系樹脂を含む発泡粒子又は発泡性粒子を充填し、上記金型のキャビティの表面温度を15〜65℃に保持した状態で上記金型のキャビティ内を70〜150℃に加熱して上記発泡粒子又は発泡性粒子を発泡させて熱融着一体化させ、110℃における加熱寸法変化率が1.0%以下である型内発泡成形体を製造することを特徴とする型内発泡成形体の製造方法。
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