JPH07314093A - ステンレスクラッド鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

ステンレスクラッド鋳片の連続鋳造方法

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JPH07314093A
JPH07314093A JP13778794A JP13778794A JPH07314093A JP H07314093 A JPH07314093 A JP H07314093A JP 13778794 A JP13778794 A JP 13778794A JP 13778794 A JP13778794 A JP 13778794A JP H07314093 A JPH07314093 A JP H07314093A
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JP
Japan
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stainless steel
magnetic field
continuous casting
molten
steel
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JP13778794A
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English (en)
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Akifumi Seze
昌文 瀬々
Hiroyuki Tanaka
宏幸 田中
Ryoichi Hisatomi
良一 久富
Hiroshi Harada
寛 原田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、複合金属材を製造する連続鋳造に
て、空孔のない良好な品質のステンレスクラッド鋼材を
製造する連続鋳造方法を提供する。 【構成】 鋳型1内を横切る直流磁束によって形成され
る静磁場帯3を境界として、静磁場帯の上側に供給する
ステンレス溶鋼中の窒素濃度を300ppm以下、およ
び下側に供給する普通溶鋼中の窒素濃度を100ppm
以下とするするステンレスクラッド鋳片の連続鋳造方法
である。 【効果】 表,内層界面における窒素ガス放出による空
孔の形成を防止し、空孔および界面割れのない良質のス
テンレスクラッド鋳片が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表層部にステンレス溶
鋼、内層部に普通溶鋼を供給して連続的にステンレスク
ラッド鋳片を製造する連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように、複合金属材を製造す
るに際して、連続鋳造鋳型1内に鋳片2の厚みを横切る
方向の直流磁束を全幅に亘って付与し、直流磁束によっ
て鋳型上下方向に形成される静磁場帯3を境界として、
その上下に浸漬ノズル4a,4bにより組成の異なる金
属を供給する連続鋳造方法が特開昭63−108947
号公報等において開示されている。
【0003】この従来の技術では、静磁場帯の上下に供
給される金属の混合がローレンツ力により抑制され、下
方に引き抜かれる凝固シェルの組成は、メニスカスから
静磁場帯までに形成された表層部では静磁場帯の上側に
供給された金属の組成と対応し、それに引き続き静磁場
帯の下側で形成される内層部は、下側に供給された金属
の組成と対応する。
【0004】従って表層がステンレス鋼および内層が普
通鋼のいわゆるステンレスクラッド鋼を連続鋳造する場
合、鋳型内に形成される静磁場帯を境界としてその上側
にステンレス鋼および下側に普通鋼が供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従
来技術を基に、表層がステンレス鋼および内層が普通鋼
の、いわゆるステンレスクラッドの連続鋳造実験を積み
重ね、鋳造後の鋳片品質について調査を行った。その結
果、図2に模式的に示すように、表層5aと内層5bの
境界に大きさが最大数mmの空孔8が形成され、その発
生傾向は表層5aのステンレス鋼中の窒素濃度が高いほ
ど顕著であることを知見した。
【0006】またこの空孔8は、厚板向けステンレスク
ラッドのように圧延比が比較的小さな場合は、圧延後も
圧着せずに表層と内層の間の界面割れとして残存し、製
品の品質特性を大きく劣化させるという問題が生じるこ
とが明かとなった。
【0007】本発明はかかる課題を解決し、空孔のない
良好な品質のステンレスクラッド鋼材の製造を可能とす
る連続鋳造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、連鋳鋳型内に
鋳片の厚み方向に横切る直流磁束を全幅に亘って付与
し、該直流磁束によって鋳型幅方向に形成される静磁場
帯を境界として、該静磁場帯の上側にステンレス溶鋼、
および該静磁場帯の下側に普通溶鋼を供給するステンレ
スクラッド鋳片の連続鋳造方法において、前記ステンレ
ス溶鋼中の窒素濃度を300ppm以下、および普通溶
鋼中の窒素濃度を100ppm以下とすることを特徴と
するステンレスクラッド鋳片の連続鋳造方法である。
【0009】
【作用】以下本発明の作用について、詳細に説明する。
【0010】図1に示す連鋳鋳型1内に、鋳片2の厚み
方向に横切る直流磁束を全幅に亘って付与し、この直流
磁束によって鋳型幅方向に形成される静磁場帯3を境界
として、該静磁場帯の上側にステンレス溶鋼、および静
磁場帯の下側に普通溶鋼を供給するステンレスクラッド
鋳片の連続鋳造方法の場合、表層5aと内層5bの間に
両者が混合し、成分濃度が図3に示すように連続的に変
化する遷移層5cが形成される。
【0011】本発明者らの調査結果では、前記空孔8が
認められる部分はこの遷移層5cの部分のみであり、表
層5aあるいは内層5bには認められないことから、遷
移層5cの形成が空孔8の形成と関連しているものと考
えられる。また空孔8中のガス成分は窒素を主体とした
ものであり、溶鋼中の窒素濃度も関与することが推察さ
れる。
【0012】そこで本発明者らは、前記空孔の発生頻度
と表層のステンレス鋼中の窒素濃度の関係を詳細に調査
した。
【0013】その結果は図4のように整理され、内層の
普通溶鋼中の窒素濃度が100ppm以下の条件では、
表層のステンレス溶鋼中の窒素濃度が300ppmを超
えると空孔の発生が顕著になることを知見した。このよ
うに、表層のステンレス溶鋼中の窒素濃度が300pp
m以上の場合に遷移層で空孔が生成しやすくなる理由と
しては、つぎのように考えることができる。
【0014】一般的に溶鋼中の窒素溶解度は、合金元素
の種類,濃度の影響を受け、合金元素の少ない普通鋼で
は約400ppm程度、Crが12%以上含まれている
ステンレス鋼では1500ppm以上になることが知ら
れている。
【0015】また固体鋼中の溶解度は溶鋼中の溶解度の
1/2以下になり、溶解度を超えた窒素は凝固界面で溶
鋼中に排出され濃化する。このとき、濃化した窒素濃度
が溶鋼中の窒素溶解度を超えた場合には、溶鋼中に窒素
ガスが放出され空孔が形成される。
【0016】通常の鋳造では、溶鋼中の窒素濃度は、凝
固界面で窒素の溶解度を超え空孔を形成し得るレベル以
下にコントロールされているため、ほとんど問題とはな
らない。しかしながら前記のステンレスクラッド鋳片の
連続鋳造方法のように、表層のステンレス鋼と内層の普
通鋼が混合し成分濃度が連続的に変化する遷移層が形成
された場合には、遷移層部の窒素溶解度は大きく低減
し、溶鋼中の窒素濃度がこれを超え、前記空孔が形成さ
れ易くなるものと考えられる。
【0017】従ってこの表層と内層の間の遷移層部の空
孔の形成を防止するためには、表層のステンレス溶鋼中
の窒素濃度を低減することが有効な対策となる。また内
層の普通溶鋼中の窒素濃度も、大きな場合には同様に空
孔を形成させ易くするものと考えられるため、低い方が
望ましい。
【0018】普通鋼の窒素濃度は、通常は今回の一連の
実験のように100ppm以下の低レベルに抑えられて
いるため、少なくとも内層の普通溶鋼中の窒素濃度を1
00ppm以下、および表層のステンレス溶鋼中の窒素
濃度を300ppm以下とすることで、工業的に安定し
て表層と内層の境界で空孔形成のない良好な品質を有す
るステンレスクラッド鋳片を連続鋳造できる。
【0019】
【実施例】図1に示すような連鋳機を用いて、表層にス
テンレス鋼,内層に低炭素アルミキルド普通鋼の組合せ
で鋳造した。表1に各々の代表成分を示す。
【0020】鋳型1の形状は、250mm(厚)×12
00mm(幅),鋳造速度は1.0m/minとした。
静磁場帯3の位置は、鋳型1内メニスカス6より450
mm〜750mmとし、直流磁束の強度は0.5テスラ
とした。このとき表層と内層の注湯量は、表,内層の境
界7が前記静磁場帯3の中央(メニスカス6より600
mm下方)になるように制御した。
【0021】
【表1】
【0022】このとき、表層のステンレス溶鋼の窒素濃
度が100〜450ppmの範囲となるように、真空精
錬炉での真空度あるいは処理時間を調整して鋳造試験を
行った。また内層の普通溶鋼中の窒素濃度は、全て10
0ppm以下であった。
【0023】鋳造終了後鋳片を切断し、表層と内層の境
界の空孔生成状況を調査するとともに、鋳片を圧延し超
音波探傷法により界面割れの状況を調査した。
【0024】表2は、表層のステンレス溶鋼中の窒素濃
度と鋳片での表層と内層の境界における空孔生成状況の
関係を示した表である。また表3は、表層のステンレス
溶鋼中の窒素濃度と製品での界面割れの発生状況との関
係を示したものである。
【0025】これらの結果から、表層のステンレス溶鋼
中の窒素濃度を300ppm以下とすることで、鋳片で
の表層と内層の境界における空孔の生成および製品での
界面割れを防止できることが判る。
【0026】
【表2】 *スラブの幅方向切断面に観察された空孔の個数
【0027】
【表3】 **製品板で超音波探傷を行った面積に占める欠陥面積
割合
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、表
層がステンレス鋼および内層が普通鋼のステンレスクラ
ッド鋼材を連続鋳造するに当たり、鋳型内に形成した静
磁場帯の上側に供給するステンレス溶鋼中の窒素濃度を
300ppm以下、および下側に供給する普通溶鋼中の
窒素濃度を100ppm以下とすることにより、表,内
層界面における窒素ガス放出による空孔の形成を防止
し、空孔および界面割れのない良質のステンレスクラッ
ド鋳片を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合金属材を製造する一般的な連続鋳造鋳型を
示す略側断面図である。
【図2】複合金属材の表,内層界面で形成される空孔の
発生状況を模式的に示す斜視図である。
【図3】複合金属材の両金属間の遷移層における成分濃
度の変化を示す図面である。
【図4】表層のステンレス溶鋼中の窒素濃度とスラブの
幅方向の遷移層切断面に観察された空孔の発生状況の関
係を示す図面である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋳片 3 静磁場帯 4a 表層用浸漬ノズル 4b 内層用浸漬ノズル 5a 表層 5b 内層 5c 遷移層 6 メニスカス 7 表層金属と内層金属の境界 8 空孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 寛 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連鋳鋳型内に鋳片の厚み方向に横切る直
    流磁束を全幅に亘って付与し、該直流磁束によって鋳型
    幅方向に形成される静磁場帯を境界として、該静磁場帯
    の上側にステンレス溶鋼、および該静磁場帯の下側に普
    通溶鋼を供給するステンレスクラッド鋳片の連続鋳造方
    法において、前記ステンレス溶鋼中の窒素濃度を300
    ppm以下、および普通溶鋼中の窒素濃度を100pp
    m以下とすることを特徴とするステンレスクラッド鋳片
    の連続鋳造方法。
JP13778794A 1994-05-30 1994-05-30 ステンレスクラッド鋳片の連続鋳造方法 Pending JPH07314093A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113857463A (zh) * 2021-09-06 2021-12-31 盐城市联鑫钢铁有限公司 一种复合不锈钢浇注工艺和装置
CN115592084A (zh) * 2022-10-25 2023-01-13 东北大学(Cn) 一种超级奥氏体不锈钢板坯高速连铸的方法

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JPH0366447A (ja) * 1989-08-04 1991-03-22 Nippon Steel Corp 複層鋳片の鋳造方法
JPH04371525A (ja) * 1991-06-17 1992-12-24 Nippon Steel Corp 耐食性と加工性に優れた表層フェライト系ステンレス複層熱延鋼板の製造方法

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Effective date: 19981104