JPH07314088A - 合成樹脂製中子およびダイカスト鋳造品 - Google Patents

合成樹脂製中子およびダイカスト鋳造品

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JPH07314088A
JPH07314088A JP9855694A JP9855694A JPH07314088A JP H07314088 A JPH07314088 A JP H07314088A JP 9855694 A JP9855694 A JP 9855694A JP 9855694 A JP9855694 A JP 9855694A JP H07314088 A JPH07314088 A JP H07314088A
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core
resin core
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】複雑な形状の鋳造品を容易かつ精度良く形成す
ることが出来る合成樹脂製中子の提供。 【構成】内部に空間61を有する耐熱性中子本体60か
らなる合成樹脂製中子10を金型内に配置し、全型内に
溶融金属を充填する。金型により溶融金属を冷却するこ
とにより、合成樹脂製中子10を有する鋳造品12が得
られる。鋳造品12を全体として加熱し、合成樹脂製中
子10の突出部10aを把持して引張ることにより、合
成樹脂製中子10を半溶融状態で鋳造品12から引出す
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製中子に係
り、複雑な形状の鋳造品を容易かつ精度良く形成するこ
とができる合成樹脂製中子に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造品を成形するための鋳造にあたって
は、中空部およびアンダカット部を形成する為、非崩壊
性中子または崩壊性中子が用いられている。この場合、
非崩壊性中子として、金属中子が用いられているが、直
抜きや変形抜きができるもの以外には使用できず、使用
範囲が特定形状に制限されている。
【0003】他方、崩壊性中子として、砂中子が一般に
使用されているが、造型が困難であるとともに、崩壊し
易く取扱いが難しいばかりでなく、鋳造時の耐圧性と鋳
造後の崩壊性との相反条件を具備するのが困難であると
いう問題点があった。
【0004】そこで、近年、砂中子の表面に特殊なコー
ティングを施すことが提案されているが、該コーティン
グ成分が鋳造品に浸透して、鋳造品に鋳巣が発生する等
の悪影響を及ぼし、不良品が発生し易くなるという大き
な問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように金属中子
は使用範囲が特定形状に限定されており、また砂中子は
崩壊し易く、取扱いが困難である。さらに砂中子にコー
ティングを施した場合は、コーティング成分が鋳造品に
浸透して鋳造品に鋳巣が発生するのみならず、鋳造後に
コーティングや砂中子成分を鋳造品から除去することが
困難であるという問題がある。
【0006】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、複雑な形状の鋳造品、とりわけ複雑な形状
のダイカスト鋳造品を精度良く形成することができると
ともに、鋳造後に中子をスムースに鋳造品から引抜くこ
とができる合成樹脂製中子を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に空間が
形成された耐熱性の合成樹脂製中子本体からなる合成樹
脂製中子、アンダーカット部を有するダイカスト鋳造
品、および中空部を有するダイカスト鋳造品である。
【0008】
【作用】本発明によれば、空間を有する耐熱性の合成樹
脂製中子本体からなる合成樹脂製中子を用いることによ
り、精度良く鋳造品を成形することができ、鋳造後は鋳
造品を加熱して合成樹脂製中子を半溶融状態で引出すだ
けで、鋳造品内に中子のカスを残すことなく、中子を鋳
造品から取除くことができる。また、合成樹脂製中子本
体は内部に空間を有するので、材料費の軽減を図ること
ができる。
【0009】また、本発明によれば、アンダーカット部
または中空部を有するダイカスト鋳造品を得ることがで
きる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1乃至図6は、本発明の一実施例を示す
図である。はじめに、図4によりアルミダイカスト鋳造
装置の概略について説明する。図4に示すようにアルミ
ダイカスト鋳造装置は、固定プラテン40に固定された
鋼鉄製の固定型41と、可動プラテン42に固定された
鋼鉄製の可動型43とを備え、固定型41と可動型43
とを密着させた場合、両者の間にキャビティ45が形成
されてるようになっている。
【0011】固定プラテン40には固定型41に対して
反対側に、シリンダ50が設けられ、シリンダ50内に
ピストン51が摺動自在に配設されている。また、シリ
ンダ50にはアルミニウム溶湯が投入される投入口53
が形成されている。
【0012】またシリンダ50内は、固定型41および
可動型43との間に形成されるキャビティ45とスプー
ル48を介して連通しており、スプール48のキャビテ
ィ45側出口にはゲート46が設けられている。
【0013】なお、固定型41と可動型43の間に形成
されたキャビティ45内には、後述する合成樹脂製中子
10が配置され、この合成樹脂製中子10によってアル
ミニウム鋳造品12が成形される(図1および第2参
照)。
【0014】次に図1、図2、図5および図6により、
合成樹脂製中子10について説明する。図1および図2
において、合成樹脂製中子10は内部に空間61が形成
された中子本体60からなっている。中子本体60は合
成樹脂製、例えば耐衝撃性および耐熱性のあるポリカー
ボネート製となっており、合成樹脂製中子10は鋳造後
に鋳造品12からわずかに突出する突出部10aを有し
ている。
【0015】また合成樹脂製中子本体60の表面のう
ち、鋳造品12の肉厚部12aに対応する(接する)部
分には、強力な耐熱性を有するシリコンゴム11が塗布
されている。鋳造品12の肉厚部12aは熱の逃げが遅
くなる部分であり、このため肉厚部12aの近傍のポリ
カーボネート製の中子本体60が溶融することも考えら
れるが、シリコンゴム11を塗布することによりポリカ
ーボネート製中子本体60の溶融を未然に防止すること
ができる。
【0016】合成樹脂製中子10について、図5(a)
および図6(a)により更に後述する。図5(a)およ
び図6(a)に示すように、合成樹脂製中子10は、内
部に空間61が形成されたポリカーボネート製中子本体
60からなり、中子本体60は後述するアルミニウム溶
湯の噴射に対して十分な強度を有するよう所定の肉厚を
有している。
【0017】図5(a)および図6(a)に示すよう
に、空間61が形成されたポリカーボネート製中子本体
60により合成樹脂製中子10を構成することによっ
て、高価なポリカーボネート材料を減少させることがで
きる。
【0018】次に、図3により中子引出装置について説
明する。図3に示すように中子引出装置は鋳造後の鋳造
品12を固定する固定装置20と、固定装置20に固定
された鋳造品12を加熱するバーナ27とを有してい
る。このうち固定装置20には、鋳造品12の中空部1
2b(図1および図2)に係合する係合ピン21が固着
されている。
【0019】また、図3に示すように、固定装置20の
側方には、鋳造品12から突出する中子10の突出部1
0aを把持して引張る把持装置30が設けられている。
この把持装置30は、フレーム28に揺動軸23,23
を介して揺動自在に取付けられた一対の把持爪22,2
2を有しており、この一対の把持爪22,22により中
子の突出部10aを把持するようになっている。すなわ
ち一対の把持爪22,22は、連絡軸25を介して互い
に連結され、連結軸25を図3の矢印L方向に、図示し
ない空圧シリンダで移動させることにより、閉方向に作
動するようになっている。
【0020】またフレーム28は図示しない油圧シリン
ダにより駆動する駆動軸31により、図3の左右方向に
移動するようになっており、フレーム28の左右方向の
移動は一対のガイド32,32により案内される。
【0021】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。まず、図4において、固定型41
の所定位置に合成樹脂製中子10が装着され、その後、
固定プラテン40および固定型41に対して、可動プラ
テン42および可動型43が接近し、固定型41と可動
型43が密着する。この場合、固定型41と可動型43
との間にキャビティ45が形成され、キャビティ45内
に中子10が配置されることになる。
【0022】次にシリンダ50の投入口53から、約6
80℃のアルミニウム溶湯55が投入され、次にアルミ
ニウム溶湯55が、ピストン51によりスプール48側
へ押出される。スプール48内に入ったアルミニウム溶
湯55は、ゲート46からキャビティ45内に噴射さ
れ、固定型41、可動型43および中子10により形成
れさた空間内に充填される(図5参照)。ゲート46か
らキャビティ45内に流入するアルミニウム溶湯55は
霧状に噴射され、温度は約600℃となる。
【0023】次にキャビティ45内に充填されたアルミ
ニウム溶湯55は、固定型41および可動型43により
急速に冷却され、アルミニウム鋳造品12が成形され
る。
【0024】この間、アルミニウム溶湯55からポリカ
ーボネート製中子本体60からなる合成樹脂製中子10
側へも伝熱が行われる。しかしながら、一般に合成樹脂
製中子10の熱伝導度は、鋼鉄製の固定型41および可
動型43に比較するときわめて小さいので(例えばポリ
カーボネートの熱伝導率4.6×10-4cal/s・c
m℃に対して、鉄の熱伝導率は0.18cal/s・c
m℃である。)、アルミニウム溶湯55から合成樹脂製
中子10への伝熱量は小さくなる。このため、合成樹脂
製中子10が鋳造中に溶融することはなく、従って、形
状精度の優れた鋳造品12を成形することができる。
【0025】また、鋳造品12の肉厚部12a近傍の合
成樹脂製中子10表面には、強耐熱性シリコンゴム11
が塗布されているので、肉厚部12aからの熱の逃げが
遅くなっても、合成樹脂製中子10が溶融することはな
い。
【0026】次に固定型41から可動型43を引離し、
固定型41と可動型43との間のキャビティ45からア
ルミニウム鋳造品12を合成樹脂製中子10とともに取
り出す(図1および図2)。
【0027】次に鋳造品12および合成樹脂製中子10
を、図3に示す固定装置20上にセットする。この場
合、鋳造品12の中空部12aを、固定装置20の係合
ピン21に係合させて固定する。
【0028】次にバーナ27により鋳造品12を全体的
に加熱し、ポリカーボネート製中子本体60からなる合
成樹脂製中子10を約280〜350℃まで加熱する。
ポリカーボネートの軟化点は160℃であり、溶融点は
380〜400℃なので、中子本体60を約280〜3
50℃まで加熱すると中子本体60全体が半溶融状態と
なる。なお、合成樹脂製中子10のうち、突出部10a
については、あまり加熱せず硬化状態を維持しておく。
【0029】次に把持装置30のフレーム28を、全体
として鋳造品12側へ接近させ、次に一対の把持爪2
2,22により、合成樹脂製中子10の突出部10aを
把持する。この状態で駆動軸31により、フレーム28
全体を鋳造品12から引離す方向へ移動させる。この場
合、鋳造品12内に配置されたポリカーボネート製中子
本体60樹脂製中子10は、半溶融状態となって一体と
して鋳造品12から図3の右方向へ引出される。
【0030】その後、鋳造品12が、固定装置20から
取外される。ポリカーボネート製中子本体60からなる
合成樹脂製中子10は、鋳造品12から半溶融状態で一
体となって引出されるので、鋳造品12内部に中子のカ
スが残ることはない。このため、鋳造品12をそのまま
製品として出荷することができる。他方、鋳造品から引
出された合成樹脂製中子10は収集して、中子として成
形されて再利用される。
【0031】このようにして得られたアルミニウムのダ
イカスト鋳造品12は、中子10に担当する部分に中空
部を有する鋳造品となる。なお、中空部を有するダイカ
スト鋳造品12に限ることなく、中子10を用いること
によりアンダーカット部を有するダイカスト鋳造品12
も得ることができる。
【0032】以上説明したように、本実施例によればポ
リカーボネート製中子本体60からなる合成樹脂製中子
10を用いることによりを用いることにより、容易かつ
精度良くアルミニウム製造品12を形成することができ
る。鋳造後は鋳造品12を加熱して合成樹脂製中子10
を半溶融状態で引出すだけで、鋳造品12内に中子のカ
スを残すことなく、中子10を鋳造品12から取除くこ
とができる。また合成樹脂製中子10は、空間61を有
するポリカーボネート製中子本体60からなるので、中
子10を安価に製作することができる。
【0033】次に本発明の変形例について説明する。上
記実施例において、鋳造品12の肉厚部12a近傍に位
置するポリカーボネート製中子本体60表面にシリコン
ゴムを塗布する例を示したが、シリコンゴムの代わり
に、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、ユニア樹
脂、エポキシ樹脂、けい素樹脂、ポリウレタン樹脂等の
熱硬化性樹脂を塗布してもよい。
【0034】また、合成樹脂製中子10を、空間61を
有するポリカーボネート製中子本体60から構成した例
を示したが、これに限らず図5および図(b)に示すよ
うに、ポリカーボネート製中子本体60の空間61内
に、合成樹脂製中子10の強度を増加させるため、ポリ
カーボネートより安価な材料、例えば塩化ビニルまたは
ウレタンゴム等からなる合成樹脂製芯体62を詰め物と
して充填してもよい。
【0035】このような芯体62を、合成樹脂製の粒状
物により構成してもよく、また合成樹脂製の一体物によ
り構成してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
空間を有する耐熱性の合成樹脂製中子本体からなる合成
樹脂製中子を用いることにより、精度良く鋳造品を成形
することができるとともに、鋳造後は鋳造品内に中子の
カスを残すことなく、中子を鋳造品から容易に取除くこ
とができる。このため形状精度に優れた鋳造品を迅速に
成形することができる。また合成樹脂製の中子本体は、
内部に空間を有するので、材料費の軽減を図ることがで
きる。また、アンダーカット部または中空部を有するダ
イカスト鋳造品を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す合成樹脂製中子および
鋳造品を示す部分断面図。
【図2】図1に示す合成樹脂製中子および鋳造品を示す
平面図。
【図3】合成樹脂製中子用の中子引出装置を示す平面
図。
【図4】アルミダイカスト鋳造装置を示す概略図。
【図5】固定型および可動型内における合成樹脂製中子
と鋳造品の配置を示す断面図。
【図6】合成樹脂製中子の部分断面図。
【符号の説明】
10 合成樹脂製中子 11 シリコンゴム 12 鋳造品 20 固定装置 22,22 一対の把持爪 27 バーナ 30 把持装置 41 固定型 43 可動型 45 キャビティ 55 アルミニウム溶湯 60 中子本体 61 空間 62 芯材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に空間が形成された耐熱性の合成樹脂
    製中子本体からなる合成樹脂製中子。
  2. 【請求項2】内部空間に詰め物を充てんしてなる請求項
    1記載の合成樹脂製中子。
  3. 【請求項3】詰め物は合成樹脂製の粒状物よりなること
    を特徴とする請求項2記載の合成樹脂製中子。
  4. 【請求項4】詰め物は合成樹脂製の一体物よりなること
    を特徴とする請求項2記載の合成樹脂製中子。
  5. 【請求項5】アンダーカット部を有するダイカスト鋳造
  6. 【請求項6】中空部を有するダイカスト鋳造品
JP9855694A 1994-04-13 1994-05-12 合成樹脂製中子およびダイカスト鋳造品 Pending JPH07314088A (ja)

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US08/404,431 US5566742A (en) 1994-04-13 1995-03-15 Casting method using core made of synthetic resin, core made of synthetic resin, and cast product
CA002145967A CA2145967A1 (en) 1994-04-13 1995-03-30 Casting method using core made of synthetic resin, core made of synthetic resin, and cast product
EP95104952A EP0677346A3 (en) 1994-04-13 1995-04-03 Casting process using a synthetic resin casting core, synthetic resin core and casting workpiece.
AU16237/95A AU679615B2 (en) 1994-04-13 1995-04-03 Casting method using core made of synthetic resin, core made of synthetic resin, and cast product
BR9501439A BR9501439A (pt) 1994-04-13 1995-04-04 Processo de moldagem usando molde de resina sintética molde e peça moldada
CN95103642A CN1111550A (zh) 1994-04-13 1995-04-04 使用合成树脂芯的铸造方法、合成树脂芯以及铸件

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