JPH07312350A - 窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法

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JPH07312350A
JPH07312350A JP7152676A JP15267695A JPH07312350A JP H07312350 A JPH07312350 A JP H07312350A JP 7152676 A JP7152676 A JP 7152676A JP 15267695 A JP15267695 A JP 15267695A JP H07312350 A JPH07312350 A JP H07312350A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッファ層上に成長させる窒化ガリウム系化
合物半導体の結晶性を改善する。窒化ガリウム系化合物
半導体を安定して、歩留よく成長させる。 【構成】 バッファ層の上に、有機金属化合物気相成長
法で反応容器内に反応ガスを供給して窒化ガリウム系化
合物半導体の結晶を成長させる。バッファ層と窒化ガリ
ウム系化合物半導体の両方を有機金属化合物気相成長法
で成長させる。窒化ガリウム系化合物半導体を成長させ
る反応容器内において、窒化ガリウム系化合物半導体を
成長させる前に、一般式を、GaXAl1-XN(但しXは
0.5≦X≦1の範囲である)とするバッファ層を、成
長温度を200℃以上900℃以下にして成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサファイア等の基板上
に、窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を成長させる方
法に関し、特に結晶性の優れた窒化ガリウム系半導体化
合物のエピタキシャル層の成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】最近、窒化ガリウム系化
合物半導体、例えば、一般式が[GaXAl1-XN(但
し、Xは0≦X≦1の範囲にある。)]の青色発光デバ
イスが注目されている。窒化ガリウム系化合物半導体の
結晶を成長させる方法として、有機金属化合物気相成長
法(以下、「MOCVD法」という。)がよく知られて
いる。この方法はサファイア基板を設置した反応容器内
に、反応ガスとして有機金属化合物ガスを供給し、結晶
成長温度をおよそ900℃〜1100℃の高温で保持し
て、基板上に化合物半導体結晶のエピタキシャル層を成
長させる方法である。例えばGaNエピタキシャル層を
成長させる場合には、III族ガスとしてトリメチルガリ
ウムと、V族ガスとしてアンモニアガスとを使用する。
【0003】このようにして成長させた窒化ガリウム系
化合物半導体のエピタキシャル層を発光デバイスとして
用いるためには、第一に結晶性を向上させることが不可
欠である。
【0004】また、MOCVD法を用いてサファイア基
板上に直接成長された、例えばGaN層の表面は、6角
ピラミッド状、ないしは6角柱状の成長パターンとなっ
て無数の凹凸ができ、その表面モフォロジーが極めて悪
くなる欠点がある。表面に無数の凹凸がある表面モフォ
ロジーの極めて悪い半導体の結晶層を使用して青色発光
デバイスを作ることは、非常に歩留が悪く、ほとんど不
可能であった。
【0005】このような問題を解決するために、窒化ガ
リウム系化合物半導体の結晶を成長させる前に、基板上
にAlNのバッファ層を成長させる方法が提案されてい
る{Appl.Phys.Lett 48,(1986),353、(アプライド フ
ィジックス レターズ 48巻、1986年、353
頁)、および特開平2−229476号公報}。この方
法は、サファイア基板上に、成長温度400〜900℃
の低温で、膜厚が100〜500オングストロームのA
lNのバッファ層を設けるものである。この方法によれ
ば、バッファ層であるAlN層上にGaNを成長させる
ことによって、GaN半導体層の結晶性および表面モフ
ォロジーを改善できる特徴がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記方法
は、バッファ層の成長条件が厳しく制限され、しかも膜
厚を100〜500オングストロームと非常に薄い範囲
に厳密に設定する必要があるため、そのバッファ層を、
大面積のサファイア基板、例えば約50mmφのサファ
イア基板上全面に、均一に一定の膜厚で形成することが
困難である。したがって、そのバッファ層の上に形成す
る窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性および表面モフ
ォロジーを歩留よく改善することが困難であり、またそ
の結晶性は未だ実用的な発光ダイオード、半導体レーザ
ー等を作るまでには至っておらず、さらなる結晶性の向
上が必要であった。
【0007】本発明はこのような事情を鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、バッファ層上に
成長させる窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性および
表面モフォロジーを実用レベルにまで改善し、さらに窒
化ガリウム系化合物半導体が安定して、歩留よく成長で
きるための成長方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化ガリウム系
化合物半導体の結晶成長方法は、バッファ層の上に、有
機金属化合物気相成長法で反応容器内に反応ガスを供給
して窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を成長させる方
法を改良したもので、本発明の方法は、窒化ガリウム系
化合物半導体を成長させる反応容器内において、窒化ガ
リウム系化合物半導体を成長させる前に、一般式を、G
XAl1-XN(但しXは0.5≦X≦1の範囲であ
る。)とするバッファ層を、成長温度を200℃以上9
00℃以下にして成長させ、バッファ層と窒化ガリウム
系化合物半導体の両方を有機金属化合物気相成長法で成
長させることを特徴としている。さらに、本発明の窒化
ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法は、好ましく
は、バッファ層と窒化ガリウム系化合物半導体を同一組
成とし、同一材料の上に同一材料を成長させて結晶性の
向上させる。
【0009】前記バッファ層の厚さは、好ましくは0.
002μm以上、0.5μm以下、さらに好ましくは
0.01〜0.2μmの範囲に調整する。その厚さが
0.002μmより薄く、また、0.5μmより厚い
と、バッファ層の上に形成される窒化ガリウム系化合物
半導体の結晶の表面モフォロジーが悪くなる傾向にあ
る。
【0010】また前記バッファ層の成長温度は200℃
以上900℃以下、好ましくは400〜800℃の範囲
に調整する。200℃より低いと、バッファ層が形成し
にくく、また900℃より高いと、バッファ層が単結晶
となってしまい、後述するバッファ層としての作用を果
たさなくなる傾向にある。
【0011】
【作用】図1にGaXAl1-XNをバッファ層として、そ
の上に窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を成長させた
場合のエピタキシャルウエハの構造を表す断面図を示
し、図2にAlNをバッファ層として、同じくその上
に、同じ結晶を成長させた場合のエピタキシャルウエハ
の構造を表す断面図を示す。本発明のバッファ層は従来
のバッファ層に比べて、厚さの許容範囲が大きいため、
歩留良くバッファ層および窒化ガリウム系化合物半導体
結晶が成長できる。
【0012】ところでAlNをバッファ層として窒化ガ
リウム系化合物半導体の結晶を成長させる方法は、Thin
Solid Films.163,(1988),415(シィン ソリッド フ
ィルムズ 163巻、1988年、415頁)、および
Appl.Phys.Lett 48,(1986),353(アプライド フィジッ
クス レターズ 48巻、1986年、353頁)等に
詳しく述べられているが、それらの文献に記載されてい
るバッファ層の作用を簡単に述べると以下の内容であ
る。
【0013】低温(約600℃)で成長させるAlNは
多結晶層であり、このバッファ層を例えばGaNを成長
させるために約1000℃にまで温度を上げる際、層が
部分的に単結晶化する。部分的に単結晶化した部分が、
1000℃でGaNを成長させる時に方位の揃った種結
晶となり、その種結晶からGaN結晶が成長し、均一な
GaN単結晶層が成長できる。バッファ層がないときは
サファイア基板自身が種結晶となるため、方位が大きく
ばらついたGaNの六角柱の結晶が成長してしまうとい
う内容である。
【0014】本発明のようにGaXAl1-XN(0.5≦
X≦1) をバッファ層として形成した場合を従来のA
lNをバッファ層とした場合と比較すると、以下のよう
になると考えられる。
【0015】まずバッファ層として、例えばX=1のG
aNを形成する場合を考えると、GaNの融点は110
0℃であり、AlNの融点は1700℃である。このた
め600℃でGaNのバッファ層を形成すると、多結晶
のバッファ層が成長する。次にこの多結晶のGaNバッ
ファ層の上にGaNのエピタキシャル層を成長するため
に1000℃まで温度を上げると、GaNのバッファ層
は部分的に単結晶化し、AlNをバッファ層とした場合
と同様に、GaNエピタキシャル層用の種結晶として作
用することになる。
【0016】しかもAlNをバッファ層として形成した
場合よりも、 融点が低いので温度を上昇しているときに容易に単
結晶化しやすい。このため、バッファ層の厚さを厚くし
ても、バッファ層としての効果が期待できる。 バッファ層がGaNなので、その上にGaNのエピ
タキシャル層を成長する場合、同一材料の上に同一材料
を成長するため結晶性の向上が期待できる。 等の利点があると考えられる。
【0017】以上のことを確認するため、AlN、Ga
0.5Al0.5N、GaNの3種類のバッファ層を600℃
でそれぞれサファイア基板上に形成し、その上に100
0℃でGaNエピタキシャル層を4μmの厚さで成長さ
せた場合の、GaNエピタキシャル層のダブルクリスタ
ルX線ロッキングカーブの半値巾(FWHM:full wid
th at half-maximum)とバッファ層の膜厚との関係を求
めた図を図3に表す。FWHMは小さいほど結晶性がよ
い。
【0018】図3に示すように、GaN、およびGa
0.5Al0.5Nのバッファ層としたものは、広いバッファ
層の膜厚範囲で結晶性がよく、従来のAlNのバッファ
層に比較して極めて優れた特性を示している。
【0019】図4〜図7に、サファイア基板上に形成す
るGaNバッファ層の膜厚を変え、さらにその上にGa
Nのエピタキシャル層を4μm成長させた場合の、Ga
Nエピタキシャル層の表面の結晶構造を表す顕微鏡写真
図を示す。図4から図7まで順に、バッファ層厚さは
0.002μm、0.07μm、0.20μm、0μm
(バッファ層無し)である。
【0020】これらの図を見ても分かるように、バッフ
ァ層がない場合は、図7が示すように表面に6角柱状の
結晶が現れる。バッファ層を形成する際の条件にもよる
が、バッファ層を形成するにしたがって表面が鏡面均一
になる傾向がある。しかしバッファ層が厚すぎると、表
面の状態(表面モフォロジー)が悪くなる傾向にある。
したがって好ましいバッファ層の厚さは0.01μmか
ら0.2μmの間である。
【0021】また本発明の結晶成長方法によるバッファ
層は、サファイア基板上だけでなく窒化ガリウム系化合
物半導体のエピタキシャル層を有する層であれば、どの
層に形成してもよい。例えばn型GaNエピタキシャル
層の上に、p型不純物であるMgがドープされたp型G
aNのエピタキシャル層を形成したい場合、前記n型G
aNエピタキシャル層の上にバッファ層を形成し、その
バッファ層の上にp型GaNエピタキシャル層を成長さ
せることもできる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。但し以下
に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための
方法を例示するものであって、本発明の方法は成長条
件、有機金属化合物ガスの種類、使用材料等を下記のも
のに特定するものではない。この発明の成長方法は、特
許請求の範囲において種々の変更を加えることができ
る。
【0023】図8に示す装置を用いて窒化ガリウム系化
合物半導体の結晶成長を行った。 [実施例1]下記の工程でサファイア基板にGaNのエ
ピタキシャル層を4μmの膜厚で成長させた。 洗浄された2インチφのサファイア基板をサセプタ
ー2の上に載せる。 ステンレス製の反応容器1内の空気を、排気ポンプ
6で排気した後、さらに内部をH2で置換する。 その後、H2ガスを反応ガス噴射管4と、反応容器
1上部の副噴射管5とから、反応容器1内に供給しなが
ら、サセプター2をヒーター3によって1060℃まで
加熱する。 この状態を10分間保持し、サファイア基板表面の
酸化膜を除去する。 次にサセプター2の温度を500℃まで下げて、温
度が安定するまで静置する。 続いて副噴射管5からH2とN2の混合ガスを供給
し、反応ガス噴射管4からアンモニアガスとH2ガスの
混合ガスを供給する。副噴射管5から供給するH2ガス
とN2ガスの流量はそれぞれ10リットル/分、反応ガ
ス噴射管4から供給するアンモニアガスの流量は4リッ
トル/分、H2ガスの流量は1リットル/分とし、この
状態でサセプター2の温度が500℃に安定するまで待
つ。 その後、バッファ層を形成するため、反応ガス噴射
管4からアンモニアガスとH2ガスに加えて、TMG
(トリメチルガリウム)ガスを2.7×10-5 モル/
分で1分間流す。 次にTMGガスのみを止めて、バッファ層の成長を
止める。ここで膜厚0.02μmのバッファ層が形成で
きる。さらに他のガスを流しながらサセプター2の温度
を1000℃まで上昇させる。 サセプター2の温度が1020℃まで上昇した後、
反応ガス噴射管4からアンモニアガスとH2ガスに加え
て、TMGガスを5.4×10-5 モル/分の流量で6
0分間供給して、GaNエピタキシャル層を、4.0μ
mの膜厚で成長させる。 この間、副噴射管5から常にH2とN2ガスを前述の条件
で供給し続け、反応ガスで反応容器内が汚染されないよ
うにしている。またサセプター2は均一に結晶が成長す
るように、モーター7で5rpmで回転させる。なお当
然のことではあるが、ガスを供給している間、排気ポン
プ6の配管と分岐した排気管8から、供給しているガス
を外部へ放出している。上記のようにしてサファイア基
板上に、膜厚0.02μmのGaNバッファ層、その上
に4μmのGaNエピタキシャル層を成長させた。
【0024】[比較例1]のバッファ層を形成する工
程において、AlNのバッファ層を0.02μmの膜厚
で形成する以外は、実施例1と同様にして、AlNバッ
ファ層の上に4μmのGaNエピタキシャル層を成長さ
せた。なおAlNバッファ層を形成する際、におい
て、反応ガス噴射管4からアンモニアガスとH2ガスに
加えて、TMA(トリメチルアルミニウム)を2.7×
10-5モル/分で1分間流した。
【0025】成長後ホール測定を室温で行い、本発明に
よるGaNエピタキシャル層と、比較例1によるGaN
エピタキシャル層の、キャリア濃度と移動度とをそれぞ
れ求め、その結果によるキャリア濃度、および移動度の
面内分布を表す図を、図9および図10に示す。本発明
は図9、比較例は図10、キャリア濃度は●、移動度は
○で示している。
【0026】ノンドープの結晶を成長させた場合は、キ
ャリア濃度が小さく、しかも移動度が大きい程、結晶性
が良く、また不純物濃度が小さいことを表す。
【0027】本発明によるGaNは、図9に示すように
キャリア濃度が4×1016/cm3、移動度が600cm2
V・secと非常によい値を示す。一方、AlNをバッファ
層とした比較例1は、キャリア濃度が1×1018/c
m3、および移動度が約90cm2/V・secであった。
【0028】[実施例2]のバッファ層を形成する工
程において、Ga0.5Al0.5Nのバッファ層を、0.0
2μmの膜厚で形成して、バッファ層と窒化ガリウム系
化合物半導体とを同一組成としない以外は、実施例1と
同様にして、バッファ層の上にGaNエピタキシャル層
を成長した。なおバッファ層を形成する際、反応ガス噴
射管4からアンモニアガスと、H2ガスに加えて、TM
Gを2.7×10-5モル/分、TMAを2.7×10-5
モル/分でそれぞれ0.5分間流した。このGaNエピ
タキシャル層も図3に示すように、優れたX線ロッキン
グカーブを示し、また顕微鏡観察による表面モフォロジ
ーは実施例1と同等、キャリア濃度および移動度は、実
施例1と比較例1との中間に位置するものであった。
【0029】[実施例3]においてバッファ層の成長
温度を600℃とし、のガス流時間を2.5分間に変
えて、バッファ層の膜厚を0.05μmとする他は、実
施例1と同様にして、GaNエピタキシャル層を成長し
た。このGaNエピタキシャル層も表面モフォロジーは
実施例1と同等、X線ロッキングカーブの半値巾は3分
と優れた結晶性を示し、キャリア濃度、移動度とも実施
例1と同等であった。
【0030】[実施例4]においてバッファ層の成長
温度を800℃とする他は、実施例1と同様にして、G
aNエピタキシャル層を成長した。このGaNエピタキ
シャル層も表面モフォロジーは実施例1と同等、X線ロ
ッキングカーブの半値巾は3分と優れた結晶性を示し、
キャリア濃度、移動度とも実施例1と同等であった。
【0031】[実施例5]のバッファ層を形成する工
程において、実施例2と同様の条件で、 Ga0.5Al
0.5Nのバッファ層を0.02μmの膜厚で形成し、
において、反応ガス噴射管4からアンモニアガスとH2
ガスに加えて、TMAガスを2.7×10-5モル/分、
TMGガスを2.7×10-5モル/分の流量で60分間
供給して、Ga0.5Al0.5Nエピタキシャル層を4.0
μmの膜厚で成長させる他は、実施例1と同様にして、
サファイア基板上に、膜厚0.02μmのGa0.5Al
0.5Nバッファ層と、その上に4μmのGa0.5Al0.5
Nエピタキシャル層を成長させた。このGa0.5Al0.5
Nエピタキシャル層も、表面モフォロジーは実施例1と
同等であった。
【0032】[実施例6]において、アンモニアガ
ス、H2ガス、およびTMGガスに加えて、Cp2Mg
(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)ガスを流し
ながら、GaNエピタキシャル層にp型の不純物である
Mgをドープして、p型GaNエピタキシャル層を4.
0μmの膜厚で成長させた。上記のようにしてサファイ
ア基板上に、膜厚0.02μmのGaNバッファ層、そ
の上にMgを1020/cm3ドープした膜厚4.0μmの
p型GaNエピタキシャル層を成長させた。このp型G
aNエピタキシャル層も、表面モフォロジーは実施例1
と同等であり、キャリア濃度2.0×1015/cm3、移
動度9.4cm2/V・secと窒化ガリウム系化合物半導体
では、初めてp型特性を示した。このことは、このエピ
タキシャル層の結晶性が非常に優れていることを示して
いる。
【0033】[実施例7]実施例1で得た膜厚4μmの
GaNエピタキシャル層の上に、実施例6と同様にし
て、膜厚0.02μmのGaNバッファ層、その上にM
gを1020/cm3ドープした膜厚4.0μmのp型Ga
Nエピタキシャル層を成長させた。このp型GaNエピ
タキシャル層も、表面モフォロジーは実施例1と同等で
あり、キャリア濃度3.5×1015/cm3、移動度8.
5cm2/V・secと同じくp型特性を示した。
【0034】[実施例8]において、アンモニアガ
ス、H2ガス、およびTMGガスに加えて、シラン(S
iH4)ガスを流しながら、GaNエピタキシャル層に
n型の不純物であるSiをドープして、4.0μmの膜
厚で成長させた。上記のようにしてサファイア基板上
に、膜厚0.02μmのGaNバッファ層、その上に、
Siを約1020/cm3ドープした膜厚4μmのn型Ga
Nエピタキシャル層を成長させた。このn型GaNエピ
タキシャル層も、表面モフォロジーは実施例1と同等で
あり、キャリア濃度1.0×1019/cm3と非常に高い
キャリア濃度を示した。
【0035】[比較例2]AlNのバッファ層を0.0
2μmの膜厚で形成する以外は、実施例8と同様にSi
をドープして、サファイア基板上に形成したAlNバッ
ファ層の上に、さらに4μmのn型GaNエピタキシャ
ル層を成長させた。このn型GaNエピタキシャル層
は、キャリア濃度が5.0×1018/cm3であり、比較
例1程のキャリア濃度は得られず、不純物により補償さ
れて低くなっていると考えられる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、GaXAl1-X
(0.5≦X≦1) をバッファ層に形成することによ
って、その上に成長させる窒化ガリウム系化合物半導体
の結晶性が、飛躍的に向上する。特に、本発明の窒化ガ
リウム系化合物半導体の結晶成長方法は、バッファ層で
あるGaXAl1-XNのXの値を0.5≦X≦1の範囲に
特定し、さらに、窒化ガリウム系化合物半導体を成長さ
せる反応容器内でバッファ層も成長させることを特徴と
する。バッファ層のXの範囲を0.5≦X≦1の範囲に
特定することにより、本発明の窒化ガリウム系化合物半
導体の結晶成長方法は、図3に示すように、従来のAl
Nをバッファ層に使用する窒化ガリウム系化合物半導体
よりもFWHMを著しく改善できる。FWHMは結晶性
を示すパラメータである。したがって、本発明の方法
は、バッファ層と窒化ガリウム系化合物半導体とを同一
の反応容器内で成長させることに加えて、Xの範囲を
0.5≦X≦1に特定することにより、窒化ガリウム系
化合物半導体の結晶を成長させる方法にとって最も大切
な、結晶性を著しく改善できるという極めて優れた特長
を実現する。キャリア濃度と移動度も、結晶性を示すパ
ラメータである。ノンドープの結晶を成長させた場合、
キャリア濃度が小さく、しかも移動度が大きい程、結晶
性が良く、また不純物濃度が小さいことを表す。本発明
の実施例1で試作された窒化ガリウム系化合物半導体
は、図9に示すように、結晶のホール測定において、キ
ャリア濃度が4×1016/cm3、移動度600cm2/V・se
cという極めて優れた値を示す。この値は、窒化ガリウ
ム系化合物半導体結晶において飛躍的に優れた値であ
る。ちなみに、AlNをバッファ層とする従来の方法で
製作された窒化ガリウム系化合物半導体は、キャリア濃
度が1×1018/cm3、移動度が約90cm2/V・secであ
る。本発明の方法で結晶成長させた窒化ガリウム系化合
物半導体は、キャリア濃度が100倍以上、移動度が約
7倍も優れている。さらに、本発明の窒化ガリウム系化
合物半導体の結晶成長方法は、バッファ層を形成するこ
とによって、その上に成長させるMgをドープしたGa
Nエピタキシャル層が、何の処理もなしにp型を示す。
これは全く初めてのことであり、本発明の方法で成長さ
せた窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性がいかに優れ
ているかを示すものである。またそのバッファ層上に成
長させるSiをドープしたn型GaNも、AlNをバッ
ファ層としたものに比較して、非常に高いキャリア濃度
を示す。さらにまた、従来のAlNバッファ層に比べ
て、本発明の方法では、バッファ層を成長させるための
条件が緩やかである。すなわち、バッファ層の厚みの広
い範囲で、その上に成長させる窒化ガリウム系化合物半
導体層の結晶性がよい。このため発光素子を形成する際
の量産性に優れている。このように本発明の技術を用い
ることにより、窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を利
用して、青色発光ダイオードはもちろんのこと、半導体
レーザーまで、実用化に向けてその用途は非常に大きい
ものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の結晶成長方法によるエピタキシャル
ウエハの構造を表す概略断面図
【図2】 従来の結晶成長方法によるエピタキシャルウ
エハの構造を表す概略断面図
【図3】 GaNエピタキシャル層のダブルクリスタル
X線ロッキングカーブの半値巾(FWHM)と、バッフ
ァ層の膜厚との関係を表す図
【図4】 GaNエピタキシャル層の結晶の構造を表す
顕微鏡写真図
【図5】 GaNエピタキシャル層の結晶の構造を表す
顕微鏡写真図
【図6】 GaNエピタキシャル層の結晶の構造を表す
顕微鏡写真図
【図7】 GaNエピタキシャル層の結晶の構造を表す
顕微鏡写真図
【図8】 本発明に使用した装置の部分概略断面図
【図9】 本発明の方法によるGaN結晶のホール測定
結果による、キャリア濃度、および移動度の面内分布を
表す図
【図10】 従来の方法によるGaN結晶のホール測定
結果による、キャリア濃度、および移動度の面内分布を
表す図
【符号の説明】
1…反応容器 2…サセプター 3…ヒーター 4…反応ガス噴射管 5…副噴射管 6…排気ポンプ 7…モーター 8…排気管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッファ層の上に、有機金属化合物気相
    成長法で反応容器内に反応ガスを供給して窒化ガリウム
    系化合物半導体の結晶を成長させる方法において、 バッファ層と窒化ガリウム系化合物半導体の両方を有機
    金属化合物気相成長法で成長させると共に、窒化ガリウ
    ム系化合物半導体を成長させる反応容器内において、窒
    化ガリウム系化合物半導体を成長させる前に、一般式
    を、GaXAl1-XN(但しXは0.5≦X≦1の範囲で
    ある。)とするバッファ層を、成長温度を200℃以上
    900℃以下にして成長させることを特徴とする窒化ガ
    リウム系化合物半導体の結晶成長方法。
  2. 【請求項2】 バッファ層と窒化ガリウム系化合物半導
    体を同一組成とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化
    合物半導体の結晶成長方法。
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