JP3538634B2 - 半導体素子用基板、半導体素子の製造方法及び半導体素子 - Google Patents
半導体素子用基板、半導体素子の製造方法及び半導体素子Info
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Description
体素子用基板、及び半導体素子の製造方法に関し、さら
に詳しくは発光デバイス、トランジスタ、太陽電池、及
び光センサなどに好適に用いることのできる半導体素
子、及びそれに用いる基板、さらにはその半導体素子を
製造する方法に関する。
又は紫外光領域での発光デバイス及び受光デバイスへの
応用が実現されている。現在においては、サファイア基
板上にバッファ層を介してGaN層を形成することによ
り、不純物などを含まない高品質のGaN層を得ている。
しかしながら、GaN層とサファイア基板との間の大きな
格子定数差に起因して、GaN層には多数の貫通転位が存
在し、上記発光デバイスや受光デバイスに用いた場合に
おける、これらデバイスの寿命を短命化する原因となっ
ていた。
近いLiGaO2、LiAlO2、及びScMgAlO3などの基板を用いる
ことが検討されている。一方、GaN層を形成する際にお
いては、基板を高温に加熱することによって行う。この
ため、常温においては、前記基板とGaN単結晶との格子
定数が一致していても、実際の層形成時においては、こ
れらの格子定数がずれてしまう場合があった。
どを用いた還元性雰囲気で行うため、前記のような酸化
物系の材料からなる基板においては、層形成時の安定性
についても問題があった。したがって、上記のような基
板を用いることにより、十分実用に耐え得るGaN層を具
える半導体素子は実現されるに至っていないのが現状で
ある。
と常温のみならず層形成時の加熱時においても格子定数
が極めて一致する新規な基板を用い、貫通転位の極めて
少ないGaN単結晶層を有する半導体素子を得ることを目
的とする。
本発明は、(La 0.29Sr 0.71)(Al 0.65Ta 0.35) O 3なる組成
を有し、ペロブスカイト型の結晶構造を有する単結晶材
料からなる基材と、前記基材上に形成された AlN 下地層
と、を具え、前記AlN下地層は、 GaN 単結晶層を形成
する際に使用するアンモニアガスと前記基材との反応を
阻止するように機能することを特徴とする、前記 GaN 単
結晶層を含む半導体素子用基板に関する。
a 0.29Sr 0.71)(Al 0.65Ta 0.35)O 3 基材を準備する工程と、
前記 (La 0.29Sr 0.71)(Al 0.65Ta 0.35)O 3 基材上に AlN 下地
層を形成する工程と、前記 AlN 下地層上に、1100℃
以下の温度で GaN 単結晶層をエピタキシャル成長させて
形成する工程と、 を含み、前記 AlN 下地層は、前記 GaN
単結晶層を形成する際に使用するアンモニアガスと前記
基材との反応を阻止するように機能させたことを特徴と
する、半導体素子の製造方法に関する。
る半導体素子を得るべく鋭意検討を行った。その結果、
(La0.29Sr0.71)(Al0.65Ta0.35)O3(以下、略して「L
AST」という場合がある)なる組成を有し、ペロブス
カイト型の結晶構造を有する単結晶材料からなる基材
は、その(111)面の格子定数がGaN単結晶の3×3
構造の格子定数に一致するとともに、その熱膨脹係数が
GaN単結晶に極めて近いことを見出した。
ST基材上にGaN単結晶層をエピタキシャル成長により
形成することを試みた。しかしながら、この形成過程に
おいて、GaN層の形成を800℃を超えた温度で行う
と、バッファ層の有無によらず、形成したGaN層は剥離
してしまい、安定なGaN層が得られないことを見出し
た。
基材への形成温度の上限が800℃であると仮定し、こ
の温度以下においてGaN単結晶層の形成を試みた。しか
しながら、単にLAST基材上にGaN層を形成するのみ
ではGaN層をエピタキシャル成長させることができず、
多結晶状のGaN層が得られるのみであった。さらに、こ
のGaN層の表面を光学顕微鏡で観察したところ、極めて
荒れていることが判明した。
℃で厚さ20nmに形成した場合の、GaN層の表面状態
を示す原子力間電子顕微鏡(AFM)写真である。図1
(a)は、未処理のGaN層の表面状態を示し、図1
(b)は、1040℃で10分間アニール処理した後の
GaN層の表面状態を示している。図1から明らかなよう
に、GaN層は相対的に大きな島状構造を呈し、アニール
後においては、GaN層が部分的に蒸発してしまい、基材
が部分的に露出していることが分かる。また、LAST
基材をアンモニアガス中において600℃に加熱したと
ころ、この基材がアンモニアガスと反応して(TaN0.04,S
r(NO3)2)なる化合物を形成されることが確認された。
いては、GaN層の蒸発によって部分的に露出したLAS
T基材表面とアンモニアガスとが反応し、これによって
GaN層のエピタキシャル成長が影響を受けるものと推察
された。
高温で安定な下地層を設けることを想到するに至った。
これによって、このような下地層上にGaN層を形成する
ことにより、GaN層の形成工程においてこのGaN層が部分
的に蒸発しても、基材表面が露出せず、上記のような基
材とアンモニアガスとの反応を防止できるものである。
適当な材料を見出すべく鋭意検討を実施した。その結
果、AlN層がLAST基材における下地層として適して
いることを見出した。
℃で厚さ20nmに形成した場合の、AlN層の表面状態
を示すAFM写真である。図2(a)は未処理のAlN層
の表面状態を示し、図2(b)は1040℃で10分間
アニール処理した後のAlN層の表面状態を示している。
図2から明らかなように、AlN層はLAST基材上にお
いて比較的小さい島状構造を呈し、アニール後において
も基材表面が露出せずに極めて安定であることが判明し
た。
として形成し、このAlN層上にGaN層を形成することを試
みた。その結果、GaN層はエピタキシャル成長によって
形成され、C軸配向した単結晶として形成されているこ
とが判明した。そして、この場合は、GaN層の形成温度
を1100℃まで高くしても、GaN層はAlN下地層から剥
離せず、極めて安定であることが判明した。すなわち、
AlN下地層を用いることにより、LAST基材の有する
特性が十分に引き出され、さらには比較的高い形成温度
によって結晶性に優れたGaN単結晶層が得られるもので
ある。本発明は以上のような研究の結果としてなされた
ものである。
子用基材、並びに半導体素子の製造方法によれば、ペロ
ブスカイト構造の(La0.29Sr0.71)(Al0.65Ta0.35)O3 基材
と、この基材上に形成されたAlN下地層と、このAlN下地
層上に形成されたGaN単結晶層とを具えることを特徴と
する、本発明の半導体素子を得ることができる。また、
この半導体素子におけるGaN単結晶層における転位密度
を低減することができる。
に基づいて詳細に説明する。本発明においては、(La
0.29Sr0.71)(Al0.65Ta0.35)O3なる組成を有し、ペロ
ブスカイト型の結晶構造を有する単結晶材料から半導体
素子の基材を構成する。この単結晶材料は、La2O3、Sr
CO3、Al2O3及びTa2O5などの原料を加熱溶融し、Czochra
lski法を用いて作製することができる。また、市販のも
のを使用することもできる。
ト型のLAST基材上にAlN下地層を形成する。AlN下地
層は、MOCVD法など公知の成膜法を用いて形成する
ことができる。また、AlN下地層の厚さは、GaN単結晶層
がエピタキシャル成長によって形成することができれば
特には限定されない。
は、9nmであることが好ましい。AlN下地層の厚さが
上記9nmよりも小さくなると、下地層としての効果が
減少してしまう。これによって、上述のようにGaN層形
成時においてLAST基材表面が露出し、この表面と原
料ガスとしてのアンモニアガスが反応することにより、
GaN層のエピタキシャル成長が阻害されてしまう場合が
ある。
mであることが好ましい。AlN下地層の厚さが上記18
nmよりも大きくなると、形成すべくGaN層に対するL
AST基材の効果が減少してしまう。すなわち、LAS
T基材がGaN単結晶とほぼ同一の格子定数及び熱膨脹係
数を有するという効果が希薄化されてしまい、GaN単結
晶層中の転位密度の減少がはかれず、結晶度が劣化して
しまう場合がある。
GaN単結晶層中の転位密度などを低減して結晶性をより
向上させるには、700〜1100℃の温度範囲におい
てエピタキシャル成長させることによって形成すること
が好ましい。なお、GaN層は、MOCVD法など、公知
の成膜法を用いて形成することができる。
ST基材と、この基材上に形成されたAlN下地層と、こ
のAlN下地層上に形成されたGaN単結晶層とを具える半導
体素子を得ることができる。そして、このような半導体
素子におけるGaN単結晶層中の転位密度などが極めて減
少し、良好な結晶性を呈するようになる。この結果、青
色領域、又は紫外光領域における発光デバイスあるいは
受光デバイスの半導体素子などとして好適に用いること
ができる。
に示す。最初に、MODVD装置の垂直型反応管内にL
AST基材を設置した。次いで、前記反応管内にトリメ
チルアルミニウム(TMA)ガス及びアンモニアガスを
流量比5sccm/1000sccmで、H2キャリア
ガスとともに導入した。その後、前記LAST基材を6
00℃に加熱して、前記LAST基材上にAlN下地層を
厚さ18nmに形成した。
ム(TMG)ガス及びアンモニアガスを流量比1.4s
ccm/750sccmで、H2及びN2キャリアガス
とともに導入した。その後、前記LAST基材全体を1
040℃に加熱して、前記AlN下地層上にGaN層をエピタ
キシャル成長させ、厚さ1000nmに形成した。
表面を、反射高速電子線回折(RHEED)法によって
分析した際の反射回折パターンを示す写真である。図3
に示すパターンは、ストリーク状となっており、GaN層
がC軸配向した単結晶層となっていることが分かる。す
なわち、本発明にしたがってGaN層を形成することによ
り、このGaN層を結晶に優れた単結晶として作製できる
ことが分かる。したがって、低転位で結晶性に優れたGa
N単結晶を具える半導体素子を提供することができる。
説明してきたが、本発明の内容は上記に限定されるもの
ではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あ
らゆる変形や変更が可能である。例えば、LAST基
材、AlN下地層、及びGaN単結晶層を一単位として、この
構成単位の上側あるいは下側に追加の層などを形成する
ことにより、目的に応じた半導体素子を作製することが
できる。
極めて簡易な方法によって貫通転位が少なく低転位密度
の結晶性に優れたGaN単結晶層を具える半導体素子を提
供することができる。したがって、この半導体素子を発
光デバイスあるいは受光デバイスとして用いた場合に、
それらの寿命を長命化することができる。
T)基材に形成したGaN層の原子力間顕微鏡(AFM)
写真である。
である。
速電子線回折(RHEED)パターンである。
Claims (6)
- 【請求項1】 (La 0.29Sr 0.71)(Al 0.65Ta 0.35) O 3なる
組成を有し、ペロブスカイト型の結晶構造を有する単結
晶材料からなる基材と、 前記基材上に形成された AlN 下地層と、 を具え、 前記AlN下地層は、 GaN 単結晶層を形成する際に使用
するアンモニアガスと前記基材との反応を阻止するよう
に機能することを特徴とする、前記 GaN 単結晶層を含む
半導体素子用基板。 - 【請求項2】 ペロブスカイト構造の (La 0.29Sr 0.71)(A
l 0.65Ta 0.35)O 3 基材を準備する工程と、 前記 (La 0.29Sr 0.71)(Al 0.65Ta 0.35)O 3 基材上に AlN 下地
層を形成する工程と、 前記 AlN 下地層上に、1100℃以下の温度で GaN 単結晶
層をエピタキシャル成長させて形成する工程と、 を含み、 前記 AlN 下地層は、前記 GaN 単結晶層を形成する際に使用
するアンモニアガスと前記基材との反応を阻止するよう
に機能させたことを特徴とする、半導体素子の製造方
法。 - 【請求項3】 前記GaN単結晶層をエピタキシャル成長
させる温度が、700〜1100℃であることを特徴と
する、請求項2に記載の半導体素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記AlN下地層の厚さが、9〜18nm
であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の半導
体素子の製造方法。 - 【請求項5】 ペロブスカイト構造の(La0.29Sr0.71)(A
l0.65Ta0.35)O3 基材と、この基材上に形成されたAlN下
地層と、このAlN下地層上に形成されたGaN単結晶層とを
具え、前記AlN下地層は、前記 GaN 単結晶層を形成する際に
使用するアンモニアガスと前記基材との反応を阻止する
ように機能することを特徴とする、 半導体素子。 - 【請求項6】 前記AlN下地層の厚さが、9〜18nm
であることを特徴とする、請求項5に記載の半導体素
子。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000225122A JP3538634B2 (ja) | 2000-07-26 | 2000-07-26 | 半導体素子用基板、半導体素子の製造方法及び半導体素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000225122A JP3538634B2 (ja) | 2000-07-26 | 2000-07-26 | 半導体素子用基板、半導体素子の製造方法及び半導体素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002037698A JP2002037698A (ja) | 2002-02-06 |
JP3538634B2 true JP3538634B2 (ja) | 2004-06-14 |
Family
ID=18718948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000225122A Expired - Lifetime JP3538634B2 (ja) | 2000-07-26 | 2000-07-26 | 半導体素子用基板、半導体素子の製造方法及び半導体素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3538634B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101291890B (zh) | 2005-10-25 | 2012-07-18 | 株式会社村田制作所 | 透光性陶瓷及其制造方法、和光学零件及光学装置 |
JP2008034510A (ja) * | 2006-07-27 | 2008-02-14 | Showa Denko Kk | Iii族窒化物化合物半導体発光素子及びその製造方法、並びにランプ |
-
2000
- 2000-07-26 JP JP2000225122A patent/JP3538634B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Kiyoshi SHIMAMURA et al.,Growth and characterization of (La,Sr)(Al,Ta)O3 single crystals as substrates for GaN・・・growth,Journal of Crystal Growth,1998年, Vol.194,pp.209−213 |
Y.M. Le VAILLANT et al.,Caracterization of AlN buffer layers on (0001)−sapphire substrates,Materials Science and Engineering,1997年, B50,pp.32−27 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002037698A (ja) | 2002-02-06 |
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